12月14日(土)@神保町・出版クラブビル


午前中は文庫を開催。久しぶりに来てくださった方や、小学校帰りに寄ってくれる親子あり(この日は土曜授業参観だったそう)で、嬉しかったです。

片付けをしたり、昼食を摂っていたら、家を出るのがぎりぎりになってしまいました。ところが・・・市ヶ谷で都営新宿線に乗り換えた時点では、なんとか開始の14時に間に合って神保町に到着するはずが、何を勘違いしたのか、一つ手前の九段下で降りてしまったのでした。

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時間がないと焦りすぎて、改札に行くまで一つ手前で降りていることにも気がつかなかったという失態。
結局10分以上の遅刻になってしまいました。






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この日のテーマは「今、必要とされるまちの子どもソーシャルワーク−貧困・虐待・いじめ、居場所を求める子どもたち−」、講師はNPO法人山科醍醐こどものひろば前理事長で、現在は大津市にあるNPO法人こどもソーシャルワークセンター理事長の幸重忠孝さん。





山科での活動は『子どもたちとつくる 貧困とひとりぼっちのないまち』(かもがわ出版 2013)にも、まとめられています。



幸重さんは、まず「なぜ、町の中で子どもの居場所づくりに関わっているのか」ということを話してくださいました。


お母さまが子ども劇場・親子劇場に関わっていらしたため、子ども時代に学校とは違う異年齢の子どもたちとの交流の場があったこと。そこには自分の親とは違う、さまざまな価値観を持っているおとなとの関わり合いがあった。

中3でいじめに遭い、学校生活が苦しかった時に、子ども劇場の活動に関わることで居場所があった。家庭でもなく、学校でもない場があって、そこでは自分が必要とされていた・・・という経験をなさっていたそうです。
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大学生になって、バイトに追われ、しんどかった時に、こんどはリーダー役として子ども劇場に関わると、やはりそこが居場所になり、救われたと感じる経験をしたそうです。





家庭の問題や、学校でのいじめなど、生き辛さを抱えている子は、親にも先生にも知られたくないという気持ちが働くことを、ご自身の経験から感じていて、学校でもなく家庭でもないけれど、安心して若い人たちが、素のままで居てもいい場所を作りたいと考えたそうです。



とくに学校が終わって、家に帰るまでの間の「トワイライトステイ」。とくに家族が遅くまで仕事をしていたり、単親家庭で食事もまともに作ってもらえない子ども達が安心して、自分をリセットする場所を提供されているのです。もちろん、貧困や虐待などのネグレクト状態の子どもたちを受け入れているので、学校のスクールソーシャルワーカーや福祉機関と連携を取りながら・・・


子どもに関わるおとなは地域のボランティアさん。



地域のリタイアしたおとなたち、老人たちにとっても、そういう場で地域の子どもと関わるって、自分が必要とされて嬉しいし、やりがいにも繋がっていく。そういうプラスのスパイラルになっていけるんじゃないか。実際にそれを実践されている幸重さんのお話は、具体的で説得力に溢れていました。

むこう岸
安田 夏菜
講談社
2018-12-06



『むこう岸』に出てくる「居場所」という喫茶店(スナックかな)のマスターのようなそんな場所が理想とおっしゃっていた。


実は、私も『むこう岸』に出合って、文庫活動をもう少し広げて放課後預かり、つまり幸重さんのおっしゃる「トワイライトステイ」に出来ないかと考えていたところだったので、タイムリーな話題でした。


講演会終了後の懇親会にも、第2回の話題提供者だったりんさん(→こちら)に誘ってもらって参加させていただき、幸重さんご自身から、そういう活動を立ち上げるために、どんなことが必要か、具体的に伺うこともできました。


家庭文庫を30年してきた中で、かつてはいろんな家庭の子どもたちが、文庫に足を運んでくれいたのだけど、事情が変化していると感じています。

今は、「本を読む」ことの大切さがわかっているご家庭の方々がきてくださっていますが、この地域にはもっと「本を読む」年代の子どもたちがいるはずなのに、広がっていかない。


「本を読む」ということを前面に出すと敷居が高く感じるのか、家の前に文庫開催中の看板を上げて自由に持ち帰れるフライヤーも用意しているのに・・・そしてフライヤーは減っていっているのに・・・もちろん、不定期開催で平日はやってないから、興味はあっても来れないのかもしれないし、一方で初めての家に問い合わせて行くとか、子どもだけを行かせるっていうのは、ちょっと疑わしく思っているのかな・・・

となると、文庫の看板だけでは、地域の子どもたちに本は手渡せないのではないか。いや、私がやりたいことは何だろう?と突き詰めていくと


文庫活動をしているのは、絵本や児童書を手渡したいだけではなく、もともとの願いはそのことを通して、どの子にも「あなたは大切な存在」だって伝えたいってこと、この世の中には理不尽なことのほうが多いけれど「本の世界」を知ることで、それを乗り越えていく方法を知ることも出来るよと伝えたいだってこと。


30年前に始めた時は。子どもたちに、あるいは子育て中のママたちに、安心していられる居場所を提供したかったわけで、私の場合はたまたま「子どもの本」もあったから文庫になったんですよね。だからシンプルに「居場所」提供を前面に出してもいいのかもしれないと考えるわけです。


今はまだフルタイムで仕事をしているけれど、65歳で完全に定年退職をした後には、この家を活用して、そんな居場所作りが出来たらいいな。子ども食堂もできるといい。家族が多かった時は、一度に8人分くらいの食事を作っていたわけで・・・それだけ作れるスペックがあるキッチンでも、今はひとりでお惣菜を買ってきて温めるだけという寂しさ。(食器も処分せずにいっぱいある)


夫が残してくれたこの家を、そんな風に活用出来たら・・・AirBとして、海外からの旅行客を受け入れるのもいいかもっていう子どもたちの提案もあるけれど・・・実際に昨年も4回ほど海外からの長期旅行者(1週間〜1か月)をボランティアで預かったりした(子達の友人ね)けれど、それと「トワイライトステイ」は両立も出来ると思う。


親の帰りが遅いし、預かってくれる居場所として行ってみたら、なんかそこには本がいっぱいあって(コミックスもいっぱい)、知らないうちになんとなく絵本を見てたら懐かしくなったとか・・・居場所で夕飯を出してもらったら同じ食卓に海外から来ている若いお兄さん、お姉さんがいて、コミュニケーションとってみたら面白かった!とか


そんな偶然があっていいのかも。


幸重さんの実践を聞いていて、私の夢はどんどん膨らむのですが、実際には一人ではできない、きちんと福祉や臨床心理についてのプロも必要で、そういうネットワークを構築する必要があるなあと思いました。定年までの5年弱で、そういう準備ができるといいな。そう思っています。


この学びの会で、具体的なビジョンが見えてきて、参加してほんとうによかったです。