みどりの緑陰日記

香港で始めたプレイルームどんぐりから数えて28年、子ども達に絵本や児童書を手渡し続けてきました。保育士養成の場で仕事をしたこともありますが、今は図書館にかかわる仕事をしています。絵本や児童書のこと、文庫活動のことなどを綴っています♪

美術館大好き☆

圧倒!ショーン・タン展@ちひろ美術館

6月16日 (日)14:15〜 @茶とあん
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この日は、所属する教会で、宮城学院理事長の嶋田先生をお迎えしての特別伝道礼拝が行われ、その後のランチをいただきながらの懇親を深める愛餐会の司会を仰せつかっていました。


その大役は、嶋田先生のお人柄もあって無事終えることができました。


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この日は、とにかく暑い日で、家に帰る前にホッとしたくて、阿佐ヶ谷の住宅街の中にある日本茶のお店、茶とあんに立ち寄りました。



ほうじ茶パフェと抹茶レモン。抹茶と瀬戸内レモンを合わせたこのドリンク。意外に合って爽やかでした。暑い日にはおすすめ。



と・・・ホッと一息ついても、まだ17時まで時間がある。「行けるんじゃん!」

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5月10日に始まった「ショーン・タンの世界展」、いつ行こうかと思いあぐねていたちひろ美術館へ、自転車を走らせました。阿佐ヶ谷から上井草まで20分ってところかな。





美術手帖の記事に、「緻密かつ壮大な世界」と表現されているショーン・タンの描き出す世界観に圧倒されました。私が拙い言葉を綴っても、その感動を伝えきれない。とにかく見てほしいと思うのですが、美術手帖の記事がそれを補って余りあるので、ぜひこちらを読んでみてください。→こちら


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今、ブログを書くために図録『ショーン・タンの世界 どこでもないどこかへ』(求龍堂)を読み返していますが、原画、スケッチ、立体作品、映像・・・


どれもこれも奥が深く、静かに心の襞のなかに浸透していくような感動を覚えました。
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ショーン・タンを知ったのは『アライバル』というセリフのない分厚い絵本が出版された時・・・


アライバル
ショーン・タン
河出書房新社
2011-03-16


この絵本は128pもある超大作。表紙見返しにはさまざまな民族の多様な表情が並ぶのです。縦6コマ、見開き10コマの計60コマに描かれる人々の表情。もうそこから圧倒されます。

まるでセピア色の写真のようなんだけど、すべてショーン・タンによる鉛筆画。

カバーにはこんなセリフが躍ります。

「新たな土地に移民した者が、その土地で生まれ変わり、新生児のように成長していく。そこには過去の自分を捨てなければならない辛さと、新しい人生を歩むチャンスを手にした幸せとの両面がある。それをまるでサイレント映画のように一切の文字を使用せずに表現した、究極の文字なし絵本!」と。


しかし文字がないにもかかわらず、その物語は奥行きがあり、この絵本を手にするものに、多くのことを語りかけます。


現実のこの世界に起きている移民問題のニュースに映し出されれる名前も知らない多くの人々にも、これと同じようなドラマが起きていることも思い起こさせて、胸が苦しくなることも。ああ、私はここでこの絵を見ている。でも世界のどこかでは、祖国を追われ、戦火を逃れ、迫害を逃れるために、生死の境をさまよいながらも、どこか違う場所へと、まだ見ぬ別天地へと移動する人たちがいることを、思い起こさせて胸に迫ります。


絵本でさえ、そうなのですから、原画の圧倒的なこと。この1冊を描くのに5年の歳月をかけたというのです。それだけの情熱を、見る者に受け止めさせます。


心動かさずに、それを受け取ることはできないのです。なにかしら、心の中にさざ波を起こし、それは66058852_2316944685054455_9183591912320270336_nいつか大きな波へと変わって、私自身の存在を揺さぶるのでした。


p194に及ぶ図録もまた読みごたえがあります。



図録の冒頭に翻訳家岸本佐和子の一文「ショーン・タンのまなざし」があります。


“『アライバル』の、祖国を追われ、言葉の通じない、謎のルールに満ちあふれた異国でなんとか根づこうとする人物。街のどこにも居場所がなく、人々の目にすら見えない『ロスト・シング』の迷子。『遠い町から来た話』に出てくる、見捨てられたガラクタからペットを作る友だちのいない男の子や、殴られても蹴られても、いつの間にかまた無言でひっそりたたずんでいる棒人間たち。人間たちに混じって会社で働き、セミというだけの理由でいじめられ差別され、それでも17年間こつこつ勤めあげる『セミ』のセミ。
 作者はつねにそれら「はしっこ」の者たちに寄り添い、あたたかな視線を注ぎます。”


そのあたたかな視線に、私たちは圧倒されつつも、癒されていく。そんな時間を過ごすことができました。

こちらの展示は、7月28日(日)まで。



いせひでこ展へ行ったこと(忘れるとこ、だった!)

6月15日(土)に行ったムーミン展のことまでブログ記事にしたあと、あっ、忘れてる・・・そういえば荒川区立図書館ゆいの森あらかわへ、いせひでこさんの原画展を見に行ったんだった!

いつだったっけ?

そうそう6月2日(日)の午前中のことでした。IMG_7039


お茶の水まで総武線で行って、千代田線に乗り換えて、町屋で降りて、都電荒川線に乗って!


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実は都電荒川線に乗るのって、まだ2回目・・・普段乗る機会がないから、ついつい写真も撮ってしまいます。





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ゆいの森あらかわは2017年に竣工したまだ新しい図書館です。

荒川区立中央図書館と、吉村昭記念文学館、そしてゆいの森こども広場が一体になった施設です。

完成した頃から一度訪れてみたいと思っていた図書館です。



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ここでいせひでこさんの絵本原画展が4月22日から6月2日まで開催されていました。その最終日の開館と同時に駆け込んだのです。




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図書館の児童室はとても素敵でした。

この写真は、児童室ではなくガラス張りのホールの壁です。あの絵本たちは飾りで手に取ることの出来ない高さにあります。




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原画展では、私の大好きな『ルリユールおじさん』(いせひでこ/作 講談社 2011)の原画を見ることができました。




その他にも『木のあかちゃんズ』いせひでこ/作 平凡社 2011

木のあかちゃんズ
いせ ひでこ
平凡社
2011-07-20



『あの路』山本けんぞう/文 いせひでこ/画 平凡社 2009

あの路
山本 けんぞう
平凡社
2009-09-09



パリの裏路地のルリユール(製本・装丁)工房のスケッチなどは、2011年にその辺りを夫と歩いたことを思い出しました。(その時のブログ→こちら

『木のあかちゃんズ』の原画は、小さな木の芽の芽吹きから若葉へと育っていく生命への愛情が伝わってきました。

『あの路』は母を亡くした男の子が三本足の犬と心を通わせる絵本。悲しさと愛おしさが絵から伝わってきて、心を動かしました。
これだけの原画を、図書館で無料で観られるなんて!と、驚きでした。


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実は、結婚した長女の新居はこの図書館の近く。

昨年9月に新居に移ってから、初めてこの日、ふたりのところに訪れ、長女の連れ合いが作ってくれたブランチをいただきました。






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午後には地元に戻って、文庫にいつも来てくれる男の子が出演するという地域のお祭りへ・・・
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バイオリンにダンスにと頑張っている姿がとても微笑ましかったです♪

ムーミン展へ@六本木ヒルズ 森アートセンター

6月15日(土) 18:30〜 @森アートセンター



クレヨンハウスで鈴木まもるさんのおはなしを伺って、ワイン会に並んで、クレヨンハウスを出たのが17:50ごろ。



タクシー拾えば、間に合うかな?と、表参道でタクシーを拾って六本木ヒルズ、森アートセンターへ

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16日最終日のムーミン展を見に行ってきました。


20時まで見られるから余裕かなって思っていたら、出展されている作品数が多くて、残り30分ですというアナウンスのところで、まだ半分しか見てなくて焦りましたね・・・


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2014年にも銀座松屋でもムーミン展を見ていて(→こちら)そのときも200点ほどの原画が展示されていましたが、今回は約500点。小さな絵が多く、じっくり見ているとあっという間に時間が経ってしまうのですね。



ムーミンが生まれる前に風刺雑誌「GRAM」に連載していた絵は初めて見るものでしたし、トーベ・ヤンソンの絵と日本の浮世絵を比較するコーナーがあったり、人形劇になったムーミンがあったり、また新たな発見をしました。


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ムーミンが誕生したのは、第二次世界大戦真っ最中。





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この作品にこめられているのは「戦争で引き裂かれた世界を逃れ、明るく寛容で楽観的な世界へ」と誘いたい・・・


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「その世界の住人は、冒険と困難に満ちた人生を送りながらも決して自信を失わず、最後には必ず人生を祝福します」



それぞれの絵に込められたトーベ・ヤンソンの想いを想像しながら・・・駆け足でしたがムーミン展を見ることが出来て満足でした


クマのプーさん展へ

3月15日(金) 19:30〜 @渋谷Bunkamuraザ・ミュージアム
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2月9日から始まっていたBunkamura30周年記念「クマのプーさん展」、当日朝のtwitterで

「連日たくさんの方にご来館いただいている「クマのプーさん展」は3月15日をもって、会期残り1か月!ご好評につき、金曜日・土曜日の通常の夜間開館に加え、日曜日・祝日は延長開館(20:00まで)を行うことが決定しました。また、3月15日より、「あと1か月キャンペーン」を開催し、展覧会特製の非売品グッズをプレゼントいたします。」

というのを見かけ、仕事が終わってから行ってきました。



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2月3月は年度末の仕事と、新年度へ向けての準備で連日20時近くまで仕事をする日が続き、また絵本講座やわらべうた講座もあって土日もスケジュールが詰まっていて、観に行く時間は無さそうだなと、半分諦めていたのです。

勤務先から地下鉄乗り継いで約30分、19時に仕事を終えてからでも十分間に合いました。しかもとても空いていました。
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くまのプーさん展は、2014年夏に銀座・松屋でも行われました。(その時のブログ記事→こちら)その時はディズニーアニメのプーさんが中心の展示でした。



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今回の展覧会は、イギリス、ヴィクトリア&アルバート博物館所蔵のA.A.ミルンの文章にイラストをつけたE.H.シェパードの描いた原画による展覧会でした。



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シェパードがミルン宅に訪れて、実際にミルンの息子クリストファー・ロビンをスケッチしたりして描いた鉛筆画など貴重な原画と、書籍、制作資料、手紙、ぬいぐるみなど200点以上の作品をたっぷり時間をかけてみることができました。



会場には、写真を撮ることのできるエリアもあって、ひとつひとつの原画が小さくて薄い鉛筆画だから、展示室にはいろいろな仕掛けがいっぱいでした。



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カラーのイラストを拡大してあったり



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立体的な造形があったり・・・




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クリストファー・ロビンとプーとイーヨーが橋の手すりにつかまって、下を流れる川を眺めているシーンでは・・・



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ほんとうに水が流れているようなプロジェクションマッピングが施されていました。



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もう一度家に帰って『クマのプーさん プー横丁にたった家』を引っぱり出して見ました。


黄ばんだ古い本の中に、幼い時に親しんだプーと仲間たちが変らずそこにいて、そのたくさんの原画をさっきまで直に見ていたんだと思うと、とても深い感銘を受けました。

湯河原・梅林、そして飛ぶ魚へ

2月21日(木)〜22日(金)

1〜2月はほんとうに仕事がしんどかった・・・連日、残業続きで家に帰り着くのが21時半というのが続いていました。
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そんな中、友人の竹内美紀さんと一緒にゆがわらへ一泊で行ってきました。


実は連日残業になっていたのは、勤務先の研修テキスト改訂作業だったのです。この旅行前に入稿しようと思ったのに・・・結局は修正が間に合わずだったのですけどね、一旦仕事を離れたことで気持ちをリセットすることが出来ました。




今回、湯河原に旅をするきっかけになったのは、湯河原にある小さなギャラリー&カフェ「飛ぶ魚」で、絵本作家山本忠敬さんの原画展が開催されるという情報を、Facebook上に茅野にある今井書店の店長しっぽさんがUPしてくれたこと。(「飛ぶ魚」のリンクを貼ろうとすると警告が出るので、「飛ぶ魚」を紹介している熱海不動産情報サイトをどうぞ→こちら


店主の作田さんは、元福音館書店の編集者さん。退職後、ご夫妻で湯河原の海の見える丘の上に(最寄り駅は真鶴)移り住み、家を建て始めてから「ここでギャラリーをしたい」とご自宅1階を絵本ギャラリーにされているのです。

オープンするのは週末金曜日と土曜日のみ。山本忠敬展も1月14日〜2月23日までの、金曜日、土曜日だけなので実質は12日間。

その22日ならばお互いの日程を合わせられて、せっかくならば前日から行って梅林を見て、温泉に浸かろうということになり、21日にから行くことになりました。(1,2月は土日に絵本講座やわらべうた講座が4回あって、ちょうど代休も2日分あったのです)
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12時半ごろに湯河原に到着する東海道線に東京から乗り込み、横浜駅で美紀さんと合流。グリーン車で東京から1時間40分、ちょっとだけ旅気分です。



まずは宿に荷物を預けて、お勧めのお店を聞いて駅の近くの老舗洋食屋さんIMG_5214(Edited)WESTで腹ごしらえ。



ドリアを頼んだんだけど・・・すごい量でびっくりでした。





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湯河原駅前からシャトルバスで梅林のある幕山公園まで20分ほど。


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直前まで小雨が降っていたのもあがり、七分咲きの梅の花を堪能しました。

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今回のお宿は、湯河原リトリートご縁の杜です。こちらはヴィーガン料理で、体を労わってくれました。
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夕食はボリュームたっぷり。でもこれ、みんなお野菜と果物!



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朝ごはんもお野菜たっぷり。彩りも美しく優しい味わいでした。
温泉にも夜、そして早朝にも入ってリフレッシュできました。

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ゆっくり荷造りをして、10時にチェックアウト。真鶴まで東海道線で戻って、そこからタクシーで「飛ぶ魚」に向かいました。
11時のオープン時間より早めに到着しそうだったので電話をしたら、早めに来ていただけるよう開けて待ってますとのこと。
10時半過ぎに到着しました。



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玄関のポールには、ギャラリーの名前そのものの赤い飛ぶ魚が!


作田さんにお聞きすると、高台から海を見ていて、魚がここまで飛んでくるというイメージが沸いたので名付けたとのこと。


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ドアノブも魚でした

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今回の山本忠敬さんの展示は『ちいさいサンパン』(出版ワークス 2018)の原画が中心でした。


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1961年の月刊紙「ひかりのくに」に掲載した絵の原画が無傷で残っていたため、復刊することが出来たまぼろしの絵本です。



ちいさいサンパン
小春 久一郎
出版ワークス
2018-08-27





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奥の部屋は、南側の斜面に開けたカフェスペース。
珈琲を淹れてくださるのはご主人の丹さん。チーズケーキもいただきました。

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斜面の向こうに相模湾がキラキラと光って見えていました。



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珈琲を飲んでいると、お客様が・・・

なんと次期展覧会(3月23日〜)のための絵を自ら搬入された絵本作家の福知伸夫さんでした。




福知さんの絵本も何冊も見せていただきました。福音館書店の「ちいさなかがくのとも」にたくさん描いていらっしゃる福知さん。見に行けるといいなあ・・・

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この美しい風景を気に入った方々が、ご近所にたくさん移住されているとのこと。とくにアートをされている方が多いとのことで、秋には湯河原・真鶴アート散歩と題して、そうした皆さんのお宅を公開して、巡ることができるイベントもなさっているとのこと。(公式サイト→こちら

そのお仲間のおひとりが庭に出来ている小さな柑橘を差し入れしてくださいました。IMG_5252(Edited)




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「飛ぶ魚」居心地の良い素敵な場所でした。
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