みどりの緑陰日記

香港で始めたプレイルームどんぐりから数えて28年、子ども達に絵本や児童書を手渡し続けてきました。保育士養成の場で仕事をしたこともありますが、今は図書館にかかわる仕事をしています。絵本や児童書のこと、文庫活動のことなどを綴っています♪

おすすめの本

7月の文庫にて…

7月13日(土)10:00〜16:00

7月は後半に入院することになっていたので、7月の文庫活動は13日の1回限り。
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この日の午前中には、大事なお客様が3名いらしてくださいました。


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雑誌「日本児童文学2019年7・8月号」の特集「感動物語の罠」に、「「母」を葬るために―のぶみ『ママがおばけになっちゃった!』を読む」という論文を書かれた藤木さんと、絵本学会でジェンダーの視点で絵本の研究をされている宮下さん、お二人は研究者で大学の教員をされています。そして日本児童文学者協会事務局の野澤さん。

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藤木さんが、この論文を書かれる際に私のブログ記事やそこに書き込まれたコメントなどを読んで参考にしてくださったというのです。

それはこちらの記事(→再び、違和感のある絵本を問う)です。




『ママがおばけになっちゃった!』は夫が亡くなった直後に出版された絵本で、小さな子ども向けの絵本としては「親の死」をあまりにも軽視していて許しがたかったので、すごい勢いで書いた記事でした。

その後、のぶみ氏は何度も炎上していてダイヤモンドオンラインの記事では、私もインタビューに答えました。(→こちら



藤木さんは、彼の作品の持つ問題点を「感傷の前景化が隠蔽するもの」として、丁寧に分析されているので、ぜひこの論考を多くの人に読んでほしいなと思います。


秋に、この論考をもとに2つのイベントを藤木さんと一緒に開催することになり、この日は一緒にコメンテーターになってくださるという宮下さんと共に打合せをしました。日程など、詳細が決まったら、SNSでも大々的に告知したいと思っています。どうぞお楽しみに!


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この時期、東京は記録的な長雨と梅雨寒でした。それでも、文庫では夏の絵本を集めて展示。

早く夏空、戻ってこないかな〜という気持ちをこめて・・・





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新刊本も展示・・・



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なかなか迫力があるのが『ヒキガエルがいく』(パク・ジョンチェ/作 広松由希子/訳 岩波書店)




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そして画伯降臨^^ホワイトボードいっぱいに思いっきり描いてくれる常連のKくん。この思いっきりっていうところがすごく大事。



次の文庫開催は、8月17日(土)に開催します。(8月も1回のみの開催です)

宮澤賢治 愛のうた 百年の謎解き@ともだち書店

4月7日(日) 14:00〜 @日吉本町、山口さんち 主催:ともだち書店


この日はうららかな春の一日でした。

午前中は慌ただしく次男がアメリカに帰国する準備を手伝って送り出し、急いで横浜・日吉へ向かいました。(最寄りの私鉄駅に送って時計を見たら、JR駅で私が乗らなきゃいけない電車までちょうど10分!自転車でめちゃくちゃ飛ばしました。普通だと15分ちかくかかる道のりを!必死で漕いで間に合いました〜)

日吉でママ友ぐぐさんと待ち合わせをし、地下鉄で日吉本町に降り立つと、この日滋賀からかけつけたMちゃんと一緒にランチを詩に集まってきたくまこさん、Sさま、N子さんもちょうど着いたところで、みんなで目的地を目指しました。
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今回はともだち書店ではなく、ともだち書店から徒歩5分ほどのところにある山口さんち。



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お庭には春の花がいっぱい咲いて優しい佇まいで私たちを迎えてくれました。ところが・・・そこに着くころには腰痛が。さっき必死で漕いだ自転車だ〜負荷かけすぎてしまったみたいで、椅子に座ったら動けなくなってしまいました(なので庭の写真はない・・・)




昨年の4月に出版された澤口たまみさんの『宮澤賢治 愛のうた』をベース、ハープの演奏に合わせて朗読してくださるという素敵なイベントにぴったりの会場でした。


宮澤賢治は、30歳過ぎて音楽に目覚め、今の金額で100万円するチェロを手に入れるなど、音楽に合わせて朗読したい、朗唱伴奏を望んでいたそうです。まさに今、それを後輩の澤口さんが実現されているのです。
新版 宮澤賢治 愛のうた
澤口たまみ
夕書房
2018-04-24

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澤口さんは、高校、そして岩手大学の賢治の後輩にあたるそうです。

自然をよく観察し、どんな生き物も、植物も尊いと感じ、花や動物を主人公にたくさんの物語を作りました。

ところが後世の人間は、それを絵空事、ファンタジーとしてしまっている。賢治の作品は、毎日自然を観察する中で生まれてきたもの。そうやって澤口さんは賢治の作品を読んできて、あれと思ったことがあったそうです。

それは『春と修羅』という詩集を読んだ時のこと。もしかして賢治は恋をしていたのでは?と感じたのだそうです。


賢治の研究者の間では、賢治が生涯独身だったので、『春と修羅』に収録されている「永訣の朝」など妹トシへの愛が深く、そのためだという説もあったり、学生時代の後輩保阪嘉内に対して同性愛的な感情を抱いていたという説もありました。


でも、どうしても『春と修羅』に出てくる詩を読んでいると、これは恋をしていたとしか思えない・・そこで澤口さんはいろいと調べていかれるのです。



そうすると『春と修羅』が書かれた大正11年から13年までの間の書簡が、大正11年の賀状1枚きりを残してごっそり無くなっている、意図的に処分されたと推測できたそうです。

そうして賢治がトシさんという方と相思相愛の恋愛をしていたことがわかったのです。

この恋は町中の噂になったことで逆に実ることなく、賢治は相手に迷惑をかけてしまったと後悔していたというのです。

昭和54年に賢治の弟にあたる方がその事実を公表しようとしたのですが、結局それを阻止する動きがあり、賢治の年譜にはその事実が残らなかったのです。


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澤口さんは、10年ほど前にある出版社から「宮澤賢治は生涯童貞だった」というような本が出版されたことに、いくらなんでもそれは酷い、賢治という人格を冒涜するものだと感じたといいます。






そこから、この本を書くことを始められ、ひとり出版社である夕書房から昨年4月24日に出版されたのです。そしてこの本を作者自ら営業しようと、ベーシストの石澤さん組んで、全国あちこちで朗読会を開催されているのです。


私がこの作品を知ったのは、昨年秋11月に茅野の今井書店でのイベントの案内でした。(こちらには絵本児童文学研究センター修了式と重なってしまい伺えませんでした)


詳しい賢治の恋については、ぜひこの本を手に取って読んでほしいと思います。


賢治の恋人だったヤスさんは、賢治との恋が終わった後の大正13年6月14日に結婚してシカゴへ向かったそうです。しかし渡米後3年経ったときに亡くなってしまいます。シカゴの教会で、キリスト教で葬られたヤスさん。賢治もキリスト教に改宗しようとしていたそうです。

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そのヤスさんの誕生日が4月7日。まさにこのイベントの日がヤスさんの誕生日だったのです。

会場に、ヤスさんがいるような、そんな気持ちになった柔らかな時間でした。

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参加したひとりひとりが、心に温かいものを感じた時間となりました。

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夜は澤口さんたちが宿を取っていらっしゃる蒲田に移動して、有志で打ち上げ会をしました。

N子さんが澤口さんのかがくえほん『わたしのあかちゃん』を読んでくださいました。



打ち上げには澤口さん、ベーシストの石澤由男さん、そしてともだち書店のSさんの友人のハーピストの西村由里さんも参加されて、ぎゅっと詰まった楽しい時間を過ごすことができました。


ともだち書店のSさん。そしてともだち書店のスタッフのみなさま、素敵な企画をほんとうにありがとうございました。

そしてなにより澤口たまみさん。素敵な本を書いてくださりありがとうございます。石澤さんとの全国ツアーの中で、より多くの人に賢治とヤスさんの恋の事実が浸透していきますように!

石澤さん、西村さん、素敵な演奏、ありがとうございました

かたりba絵本・児童文学 テーマは芽吹き

3月16日(土)13:00〜 @渋谷区本町 あーちゃんハウスIMG_5483

あーちゃんハウスで昨年春から始まった「かたりba絵本・児童文学」に参加してきました。

1回目は仕事で参加できなかったのですが、2回目から参加しています。

2回目の記録→2018/6/2(テーマ ことば遊びの絵本)
3回目の記録→2018/7/21(テーマ 詩の絵本)
4回目の記録→2018/9/8 (テーマ 月の絵本)
5回目の記録→2018/11/3 (テーマ 葉っぱの絵本)
6回目の記録→2019/1/19 (テーマ ぶたの絵本)

そして7回目のこの日のテーマは、「芽吹き」でした。

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「芽吹き」で参加者がそれぞれ思いつく本がいろいろなんだな〜と思いました。




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『だいどころにもはるがきた』こどものとも年少版のハードなんだけれど、今、この絵本、手に入りません。

だんこんやキャベツ、たまねぎの芽が伸びて花が咲いちゃうっていう絵本なんだけど・・・


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あーちゃんが読んでくれたのは『さくら』(長谷川摂子/文 矢間芳子/絵 福音館書店)

私も選んでいたかがく絵本でした。



さくら (かがくのとも絵本)
長谷川 摂子
福音館書店
2010-02-10




ありささんが読んでくれたのは『いいことってどんなこと』(神沢利子/文 片山健/絵 福音館書店)
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ゆかりさんが読んでくれたのは『だって春だもん』(小寺卓矢)





だって春だもん
小寺 卓矢
アリス館
2009-03-01




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よねださんは『すなのたね』、この絵本知らなかったのですが、とてもよかったです。



すなの たね (講談社の翻訳絵本)
シビル・ドラクロワ
講談社
2018-07-24





私は『葉っぱのあかちゃん』を一押しで紹介しました。あとは『つくし』、『ふきのとう』なども♪






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かたりba絵本・児童文学の会のお楽しみは、毎回テーマにあわせてあーちゃんがセレクトするおやつです。

今回は「芽吹き」に合わせて2種類のケーキ、ひとつはピスタチオのケーキ、もうひとつがいちごのケーキ



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ピスタチオ大好きな私は、迷わずピスタチオのケーキを選びました。


小さな2つのシューもついていて、中のフィリングは別々の味♪


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ピスタチオのムースの中にはラズベリーのゼリーが入っているという手の込みよう。

心もお腹も満足した時間になりました


『凍てつく海の向こうに』朗読会@教文館ナルニア国

2月17日(日)14:00〜 @教文館ナルニア国ナルニアホール


凍てつく海のむこうに
ルータ・セペティス
岩波書店
2017-10-25


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『凍てつく海の向こうに』朗読会に参加するために、午後に銀座教文館ナルニア国へ伺いました。




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この作品、ちょうど年末年始に読んでいました。


←ランチタイムのお供にも^^


『凍てつく海の向こうに』は、アメリカ・ミシガン州生まれのルータ・セペティスの3作目となる作品で2017年にイギリス図書館協会からフィクション、ノンフィクションに関わらず優れた児童書に贈られるカーネギー賞を受賞しています。(作者の公式サイト→こちら

今回の朗読会は、この本の翻訳者野沢佳織さんとご友人の岩田さんによるものでした。朗読に先立って野沢さんより、作者のルータ・セペティスの紹介と、物語の背景についての説明がありました。

ルータは1967年生れ、祖父はリトアニアの軍人で、父親が9年かけてアメリカへ渡ったというリトアニア難民です。

舞台は1945年1月、ドイツ占領下の東プロイセン。第二次世界大戦末期、ソ連軍によるドイツ侵攻がはじまり、東プロイセンからドイツへポーランドの港町から海路で避難民を輸送するというハンニバル作戦について、綿密な取材を土台に、魅力的な登場人物と巧みなプロットで、極限状態の人々、とくに若い世代の姿を描いた作品です。


日本でも、満州に入植していた人々が敗戦と、その直前に参戦してきたソ連軍の侵攻から逃れてこようした引き上げ者の悲劇が伝えられていますが、その当時、東欧でも第二次大戦末期にそうした悲劇があったことを、今回初めて詳しく知りました。


日本人向けの作者あとがきには、このように書かれています。

「この小説は、七十年以上ものあいだほとんど知られることのなかった、ある重大な出来事を描いています。有名な客船、〈タイタニック〉のことは、みなさんも聞いたことがあると思いますが、第二次世界大戦末期の一九四互年、〈ヴィルヘルム・グストロフ〉という客船が、一万人以上の避難民(うち、約五千人は子ども)を乗せて、吹雪の中、夜の海をわたろうとしたことは、おそらくご存じないでしょう。この船は、出航したものの、目的地の港に到着することもなく、海底に沈んで、多くの謎を残しました。何がヴィルヘルム・グストロフに起こったのでしょう?一万人を超える避難民はどうなったのでしょう?
 小説を書くにあたり、〈ヴィルヘルム・グストロフ〉や時代背景について調べているあいだ、わたしの頭からはなれなかったのは、家族と引きはなされた無力な子どもたちや十代の若者たちの物語でした。戦争中には、数えきれないほどの子どもや若者が、戦争という怪物と闘うことを強いられ、また、愛する人たちや愛着のあるもの、すべてに別れを告げて、安全な土地に移動しなければなりませんでした。わたしの父も、そんな子どもたちのひとりでした。父の従妹もそうで、その人は〈ヴィルヘルム・グストロフ〉に乗っていました。彼女に強くすすめられて、わたしはこの事故について書くことにしたのです。」(p392)


このブログを書いている今日は3月10日、73年前の1945年3月10日、東京大空襲で一夜にして下町が焼きだされ100万人が焼け出されたのです。そして親とはぐれた戦災孤児がたくさん生み出されました。


その子どもたちのほとんどは今80代〜90代。


こうした作品を読むと、両親の若い時にあったこととして、すごく重く感じられます。父も母も10代の後半を、同じような苦しさを味わったんだなと、我がことのように思えるのです。(終戦時父は21歳、母は18歳でした)

『凍てつく海の向こうに』に出てくるのは・・・
母方にドイツ人の血が流れているリトアニア人のヨアーナ。彼女は20代前半でしょうか。東プロイセンの病院で看護師の助手をしていました。ドイツ敗戦が濃厚になり、迫りくるソ連軍から逃げるため避難を始めます。

東プロイセンに生まれ育った絵画修復士のフローリアンは10代後半。彼はヒトラーがソ連を占領した際に奪った琥珀の間の秘密を握っています。

疎開先の農場に侵入してきたソ連兵の暴行を受け、14歳で妊娠してしまったポーランド人の少女エミリア。しかも我が娘を守るためにソ連兵にエミリアを差し出したのは、父親が彼女を託した疎開先の奥さんだったという過酷な運命を背負っています。


そしてヒトラーを妄信し、ユダヤ人やポーランド人を劣等民族として見下すことで自分の弱さから目を背けているドイツ人水兵のアルフレッド。


その4人が交互に一人語りをしながら物語が進んでいきます。


それぞれが過酷な運命を背負い、人に裏切られたり、あるいは逆に生きていくために人を騙したり、利用しながら、必死で生きようとしています。そうした物語は、読んでいて背中がぞくぞくする一方で、早く読み進めたいのに怖くてページをめくるのを躊躇する、そんな葛藤を感じさせつつ、最後の意外な展開まで突き進んでいきます。


朗読会では、そうした結末を未読の人にネタバレさせないよう回避しつつ、導入の部分と、クライマックスに向かうあたりを、野沢さんと岩田さんのお二人が息を合わせて読んでくださいました。耳から聴くことで、緊迫した空気感、彼らの息遣いが、リアルに伝わってくるようでした。


4人の若い人を中心に描かれる逃避行に挑む人々の様子、渦巻く思惑、極限状態の中で人間がどうふるまうのか、絶望と死が待ち受ける中でも、ほんの少しの光明があれば救われる・・・その光明さえも見えない中で人々がどうふるまい、日々を過ごしていったのか。

想像するだけでぞっとします。だからこそ、戦争は二度と起こしてはいけないし、今、南米や中東で家を追われている難民のことを、わが事のように感じて、なんらかの支援を考えなきゃならないのだとも感じました。

国際アンデルセン賞講座第4回・海外の画家賞者とその作品から

2月14日(木) 18:30〜 @神保町ブックハウスカフェ2F
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1週間をおいて14日にもJBBY国際アンデルセン賞講座がありました。第4回のテーマは「海外の画家賞者とその作品から」、講師は元調布市立図書館司書で翻訳者の福本友美子さん。(第2回は→こちら、第3回は→こちら





作家賞の第1回受賞者は1956年のエリナー・ファージョンでしたが、画家賞はそれから遅れること10年、1966年から表彰されるようになり、その第1回受賞者はスイスの画家アロイス・カリジェでした。

教育者で詩人でもあるゼリーナ・ヘンツの書く物語に絵を描いてほしいと依頼を受けて描いたカリジェの初めての絵本が『ウルスリのすず』だったそうです。
ウルスリのすず (大型絵本 (15))
ゼリーナ・ヘンツ
岩波書店
1973-12-10



同じアルプスの美しさや、その厳しい自然と、家族仲良く慎ましく暮らす様子を題材にした『フルリーナと山の鳥』、『大雪』はカリジェのスイス3部作と呼ばれているそうです。

フルリーナと山の鳥 (大型絵本 (18))
ゼリーナ・ヘンツ
岩波書店
1974-12-06



大雪
ゼリーナ・ヘンツ
岩波書店
2018-11-23



2003年に国際子ども図書館にて国際アンデルセン賞画家の原画展があった際に、IBBYと縁の深い美智子妃が見学にいらして福本さんがご案内役を務められたそうですが、カリジェの原画を見て、「まあ、ようございますねえ 原画は」と感嘆されてお話になったとのこと。



1968年の受賞者はチェコスロバキア(当時はまだチェコとスロバキアがひとつだった)のイジ―・トゥルンカ。私が知らない画家さんです。

人形劇の天才と呼ばれ、人形劇やアニメーション、舞台美術で活躍し東欧のディズニーと呼ばれたほどだそうです。
こぐまのミーシャ、サーカスへ行く
ヨゼフ メンツェル
平凡社
2013-06-12





アンデルセン賞を受賞したころの作品で日本で出版されたのは『ふしぎな庭』(1962 ほるぷ出版)がありますが、知らなかった〜。数年前に出版された『こぐまのミーシャ、サーカスに行く』はイジ―・トゥルンカの絵画作品だそうです。これは読んでいないけれど、見たことある!図書館で借りて読んでみなきゃ。

1970年の受賞者は、『かいじゅうたちのいるところ』で誰もがよく知っているモーリス・センダック。

“現代絵本の可能性を拓いた人”と称されるセンダック。
かいじゅうたちのいるところ
モーリス・センダック
冨山房
1975-12-05


ポーランド系ユダヤ人の移民の息子としてNYに生まれたセンダックは「私の願いは、古い国と新しい国で体験した自らの奇妙な子ども時代を、空想をまじえながらも忠実に、言葉と絵を使って結びつけること」(『国際アンデルセン賞の受賞者たち THE HANS CHRISTIAN ANDERSEN AWARDS1956-2002』メディアリンクス・ジャパン 2003より)から、あの不思議で、でも懐かしく感じる独特の世界が生み出されていったのですね・・・
『まよなかのだいどころ』なども、我が子によく読んだな〜
まよなかのだいどころ
モーリス・センダック
冨山房
1982-09-20




ここでまた福本さんしか知らないセンダックに関するエピソードを話してくださいました。福本さんが翻訳して日本にその作品をたくさん紹介しているバーバラ・マクリントックさんは、高校時代から絵本作家になりたいと願っていて、センダックの家の電話番号を探して直接電話したそうです。

絵本作家にあるために美大に進んだらよいかと聞いたら、「それはぜったいにムダ」と言われたと・・・
自分の作品をポートフォリオにまとめて、NYに出てきて出版社の門をたたきなさい、編集長に会いに行きなさいというのが、センダックのアドバイスだったそうです。
ないしょのかくれんぼ
バーバラ・マクリントック絵
ほるぷ出版
2014-05-15


もう一人、福本さんが翻訳で関わったことのあるセルジオ・ルッツィアさんは《センダック・フェロシップ》に選ばれたことを話してくださったそうです。センダックはコネチカット州のアトリエのそばに1年に4人の若手作家を選んで住まわせ、1か月間一緒に制作をするという《センダック・フェロシップ》は若手作家には大きなチャンスなのですが、これがいつ招待状がくるかわからないんだそうです。

次世代を育てていたセンダック。自分自身が絵を描くことが好きで絵本作家になったその道を、後輩たちのために整えようとしていたんだなと、その懐の広さに感動しました。

セルジオ・ルッツィアさんは『まっていたてがみ』という作品が日本でも紹介されています。
まっていたてがみ
セルジオ ルッツィア
光村教育図書
2015-01-30




1972年の受賞者はデンマークの画家、イブ・スパング・オルセンです。代表作の『つきのぼうや』を福本さんが読んでくださいました。

つきのぼうや (世界傑作絵本シリーズ)
イブ・スパング・オルセン
福音館書店
1975-10-20


1974年の受賞者は、イランの画家ファルシード・メスガーリさん。アジア圏で初めての受賞者です。私は知らなかったのですが、版画で表現した作品が多く、印象的でした。(図書館で借りてこなきゃ!)
ちいさな黒いさかな (1984年)
サマド・ベヘランギー
ほるぷ出版
1984-07





1976年の受賞者は、ソ連(現ロシア)のタチアーナ・マーヴリナ。画家としては初めての女性です。代表作は『かえるの王女ーロシアの昔話』など

かえるの王女―ロシアのむかしばなし
タチャーナ・マーヴリナ
ほるぷ出版
1984-11


1978年は、デンマークのスヴェン・オットー。
もみの木 (国際アンデルセン賞受賞画家絵本シリーズ)
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
ほるぷ出版
1984-12-15

『もみの木』は印象に残る作品でした。

1980年が日本から赤羽末吉さん。12月に息子嫁の茂乃さんの発表がありました。(→こちら

1982年はポーランドのズビグニェフ・リフリツキさん。私は知らない作家さんでした。日本語に翻訳されているものは少ないようです。これも図書館でチェックしなきゃ!
ほるぷ出版
1985-05

1984年は日本から二人目の受賞で安野光雅さん。安野さんについては3月14日に講座があります。楽しみです〜

1984年はオーストラリアからの初受賞、ロバート・イングペンさん。やはり翻訳されている作品は少ないようです。

『せかいはいったいだれのもの?』(小川仁央/訳 評論社 2000)は、イングペンさんが描いたもの。

1988年はチェコスロバキアのドゥシャン・カーライさん。受賞の4年後にはチェコとスロヴァキアに分かれるのですよね。ドゥシャン・カーライさんの絵やオブジェはちひろ美術館(特に安曇野ちひろ美術館)でたくさん見ています。

日本の絵本作家、降矢ななさんや出久根育さん、そして一昨年絵本デビューした若手の福井さとこさんの師匠でもあります。(福井さんの『おるすばんのぼうけん』イベントの様子→こちら


ドゥシャン・カーライさんの紹介までで2時間。残りは2019年度の講座で触れてくださるそうです。

知らない作品もたくさんあって、まだまだ勉強不足だな〜と思いました。

次回も楽しみです!
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