2026年08月01日
応援三部への挨拶
最初に赤松部長、続いて森林監督からお礼の挨拶があり、その後、応援指導部、吹奏楽部、バトン部から野球部へ労いの言葉を受けて最後に徳留主将からの挨拶で締めた。





応援指導部、吹奏楽部、バトン部。





森林監督、徳留主将の挨拶から。
森林監督
(前略)今日の横浜高校、強い相手でそれはわかっている中で、横浜高校に対して勝つ姿は皆さんに届けられなかったのですけど、でも応援の皆さんのお力を借りながら粘り強く戦う姿、一生懸命最後までやるというところは見せられたかなと思います。それは皆さんの素晴らしい応援、後押しがあったからです。
野球部と応援三部は運命共同体ですから、一旦、この代は区切りということになりますけど、まだまだ今日の経験を引き継いだ2年生、1年生が、また皆さんとともに勝ち進むぞ、ということをイメージしながら来年に備えてやっていきます。野球部の応援を引き続きよろしくお願いいたします。
応援の力って皆さんが思っている以上のものを僕らは感じながらやっています。応援がなかったらと思うと、本当にぞっとします。その中で、これだけの応援をいただきながら試合ができるというのは、本当にうちの部員は幸せなので、その幸せをもう一度噛みしめて、また、来年以降に活かせるようにやっていきます。今後ともよろしくお願いします。今日はありがとうございました。


徳留主将
(前略)皆さんの応援のお陰でここまでこれたと思うし、この応援の中で野球ができるということが僕自身あこがれていたし、浜スタで皆さんの応援の中で野球ができて、本当に幸せだったなと思います。
今年のチームは(昨年の)秋初戦で負けてしまって、本当に苦しい冬を乗り越えて、春ベスト4に入って、ただ、春以降もなかなか勝てないとか、チームがうまくいかないということはたくさんあって、僕自身もすごい悩みましたし、チームもとても苦しい1年間だったですけど、その中で森林さんとか赤松さん、馬場さん、コーチの皆さん、保護者の皆さん、本当にたくさんの皆さんの応援やサポートがあってここまで来ることができました。
最後、横高に勝って甲子園行って、日本一になりたいという思いでやってきたんですけど、本当に横浜高校めっちゃくちゃ強くて、力負けだったなと思います。
僕たちの代はこれで終わりになるんですけど、2年生たくさん、いい選手がいますし、この経験を活かして、神奈川とって、優勝してほしいと思います。今日は本当に暑い中、応援ありがとうございました。


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2026年07月30日
【観戦記26-11】横浜(準決勝:260724)
夏の県大会、横浜スタジアムで塾高が横浜と対戦するのは2023年夏、塾高が全国制覇をしたときの決勝以来のこと。
・【観戦記23-09(前半)】横浜戦(決勝:230726)
・【観戦記23-09(後半)】横浜戦(決勝:230726)
再び横浜を倒して甲子園を目指す塾高だが、横浜はプロ注目の織田投手を軸に県内公式戦37連勝(塾高との対戦前まで)、神奈川初の4季連続甲子園を目指す圧倒的な強さを持つチームである。
その横浜に塾高は、織田の最速157キロの直球と変化球の前に6回までノーヒット、7回から変わった小林、池田にも9回二死までノーヒットの零封で完敗した。ところどころに塾高の光るものも感じたが、圧倒的に横浜は強かった。全国トップレベルのチームの力を見せつけられた。ギュー!!完敗である。
◆2026年7月24日(金)
第108回全国高校野球選手権神奈川大会(準決勝)
@横浜スタジアム
塾高 000 000 000 =0
横浜 031 000 00×=4
(慶)●渡辺、湯本−延末
(横)○織田、小林鉄、池田−脇山
【二】川上、江坂、千鳥(横)
(出場選手)
─〔雜
ぁ/硬
D1 湯本
А‖臻
壇上
八百板
3 渡辺
ァ‘僧
Α/森
H 橋本
R6 島田
◆ ̄篷
H 長谷川
2 藤吉
(投手)
渡辺
湯本
(横浜出場選手)
小野
─‐林大
1 池田
6 川上
ぁ‥津
D 安食
7 小林鉄
◆]道
А々昇
R 河内
7 松崎
5 植村
千島
(投手)
織田
小林鉄
池田 
試合開始前、スタンドに挨拶。いつものように選手はリラックスしている表情だ。



いつもの柔らかい笑顔でスタンドの仲間の声援に応える徳留主将。

試合開始。



先攻は塾高。横浜は織田が先発。

注目の織田対塾高打線。
まずは矢口。早いカウントから積極的に打っていくのは塾高打線全般的に言えることが、切り込み隊長矢口も積極的に振ってくる打者である。
そんな矢口に対して織田は初球、130キロのスライダーから入ってきた。ストレートで入ったら矢口は振ってきただろうな。そして2球目が153キロのストレート。軽く投げているが、まずはご挨拶代わりの150キロ台である。
織田のストレートを見送った打席で矢口がニヤッと笑った。速いな、といったところか(笑)。
3球目はスライダーをファール、4球目のストレートは高めに外れたが球速は156キロが表示されると球場がどっとざわめいた。
カウント2-2から緩いスライダーをファールの6球目、153キロのストレートを空振り三振で一死。
三振したが矢口、速球に気後れすることなくしっかりと自分のスイングで思いっきりの空振りが気持ちいい。織田との対戦を楽しみにしていたかのようなフルスイングである。

2番森田も初球の外角ストレートをしっかりと振ってファール。塾高打線らしく、矢口も森田も織田に対してストレートをどんどん振っていくのが素晴らしい。
2球目は133キロのスライダーをこれもファール。ストレートであろうが変化球であろうが、タイミングをしっかりと取って食らいついている。
しかし3球目は143キロのフォークを空振りの三振。森田、よく食らいついていったが、150キロ台のストレート、130キロ台のスライダー、140キロのフォークと、ストレートを意識させながらスライダー、フォークを混ぜられたら、そりゃ、レベルの高い高校生だってなかなか打てないぜ、という打席だった。

二死で3番湯本。湯本には133キロのスライダーでストライクを取った後の2球目、153キロのインコースへのストレートに詰まらされて投ゴロ、織田の前に完璧に抑えられた。

塾高先発が誰なのか注目されたが、マウンドに上がったのは渡辺。渡辺はこれまではリリーフ登板が主であり、公式戦先発のマウンドに上がるのは春季県大会4回戦の横浜青陵戦以来だ。その時はDHで3番にも入っていた。
・【観戦記26-03】横浜青陵(4回戦:260418)
この日驚いたのは、渡辺はDHに入らず投手専念での先発だったこと。これまでの試合では2番なり3番なりで打線の中心をなしてきた渡辺だったので、これまでに湯本が先発してきた時と同じようにDH兼投手の所謂二刀流で使うのかと思ったが、ファーストには八百板が入り、渡辺は投手専念となった。
酷暑の中、余計な体力を使わずに投手に専念して、横浜の強力打線を抑えてほしい、というラインアップであった。

1回裏、横浜先頭の小野はレフト前ヒットで出塁。

2番小林送って一死2塁。1塁への森田カバーが遅くなり森田は走りながら送球を受けて1塁ベースを踏むという難しいプレーでちょっとヒヤッとしたが、森田のセンスを感じるプレーだった。

横浜スタンド。

一死2塁で強打者池田は2ゴロで二死3塁。そして4番川上はツーボールからの3球目を叩くと低く鋭い当たりのサードゴロ。

5回戦あたりまでは守備に不安のあった徳留だったが、ここは三塁線への強いゴロに反応が良かった。しっかりと正面に入って捕ると、すぐにノーステップで1塁へワンバウンド送球で川上を刺した。弾いてもおかしくないような強い打球だったが、ここは福留のナイフプレーである。
ファースト八百板、吠える。

徳留、ナイスプレー。喜んでぴょんぴょん跳ねながらベンチに戻る。

二死3塁のピンチを乗り切り横浜を0点に抑えた渡辺も笑顔だ。

2回表、塾高は4番大棒が初球152キロストレートをしっかりと振り切るも強い打球のセカンドゴロでワンアウト。織田の速球に負けずに自分のスイングができている。

5番壇上の初球は126キロの緩いカーブ。この試合、始めて投じたカーブかもしれない。続く155キロのストレートファールのあと、136キロのスライダーをひっかけてショートゴロで二死。

6番八百板は初球の高目ストレートをフルスイングでワンストライク。なんとこのストレート、初回の156キロを超えて電光掲示板には157キロが表示され、スタンドが大きくざわめいた。

そんなストレートに全く臆することなくフルスイングで向かっていく八百板がなんと逞しいことか。
スライダー続いてツーストライクツーボールからの5球目のストレートを叩くと左中間への大きな打球、横浜レフト江坂がフェンス手前で捕球した。このストレートも157キロだった。
この試合で織田が投げた最速157キロはこの時の2球のみ。塾高打線で最速157キロを唯一体験できた八百板はなんて幸せ者か(笑)

初回、2回と三者凡退に抑えられたが、ここまでは矢口、森田、大棒、壇上、八百板など、織田の速球に全く臆することなく自分のフルスイングができており、また、織田が150キロ台のストレートで力勝負をしつつも、130キロ台と20キロも速度差があるスライダーで的を絞らせない投球にも食らいついている。
チャンスは少ないが、接戦に持ち込めればこの酷暑の中、中盤、塾高にも織田から点を取るチャンスが出てくるのではないだろうか?そんな印象を持った。
そのためには渡辺が横浜打線をどこまで抑えていけるか。初回に続いて2回裏の横浜の攻撃を抑えられるかどうかがとても重要だと感じた。ここを抑えれば、流れに乗って中盤まで競っていけるのではないだろうかと。

2回裏、横浜の先頭田島をショートゴロに打ち取り一死。しかし、ここから渡辺のコントロールが急に乱れた。
6番安食にはワンストライクから4球連続ボールで四球を与えると、続く7番脇山にはストレートの四球で一死1、2塁。8球連続ボールと急にストライクが入らなくなった。
8番江坂。8番打者とはいえ、春のセンバツでは5番を打っている好打者である。初回、横浜は無死1塁から2番打者で送りバントをしてきたが、無死1、2塁のこの場面、打席の江坂、ここは送る気配がまったくない。
そしてカウントツーボールワンストライクからの4球目、甘く入った渡辺のスライダーを打ち返すと打球は左中間を破る二塁打、二者生還し横浜に2点、先制を許した。

この回、急に制球が乱れた渡辺は、江坂にもボール先行の苦しくなったカウントからストライクを取りに行った甘く入ったボールを捉えられた。
二者連続四球からの長打1本での2失点、丁寧に攻めれば防げた失点だったかもしれないなと、少しもったいない失点となった。精度の高い投球が求められる中、甘いボールはやはり横浜には通用しない。
9番千島に対しては137キロ、138キロのストレート2球で追い込む。しかし次の3球目、延末は外角に構えたが渡辺のスライダーがインハイに入り、これを千島がレフト線へのタイムリー二塁打で江坂も生還、3点目を失った。

追い込んだ後のコントロールミスではあるが、失投を見逃さずに打ち返す横浜打線は格の違いを感じる。また、初回のヒット、この回の2本の二塁打、いずれも鋭い打球で捉えられているのも横浜打線のすごさを感じる。
ここで藤吉が伝令でマウンドに走った。あっという間に取られた3点、まだワンアウト、ここは一旦落ち着きたい。

打席は1番小野、ここも怖い打者だがセカンドゴロで二死3塁。2番小林はセカンドライナーでなんとか後続を断った。
3回表、塾高、先頭の7番徳留は151キロのインコースストレートに詰まりサードゴロでワンアウト。ここも織田は135キロのスライダーとのコンビネーションで徳留を惑わし、最後は球速差16キロに徳留は詰まらされた。

8番杉森は154キロのストレートにどん詰まりのセカンドハーフフライで二死。

9番延末の時、織田のボールが急に浮いてストレートの四球で塾高初めてのランナーを出した。

1番矢口はツーボールワンストライクからの4球目、セーフティバントを試みるが、150キロの速球に当たりが良すぎるサードへのワンバウンドでのゴロとなりスリーアウト。
足でかき回してやろうという矢口の狙いは面白かったが、ここも織田の速球の前にやりたいことができなかった。

織田の3回までの投球を見てみると、投球数は34球。うち、ストレートが19球、変化球が15球となっており、ストレートと変化球をうまく織り交ぜながら塾高打線に的を絞らせない投球である。
そして驚くことは、ストレート19球の球速を見てみると、
・150キロ 2球
・151キロ 4球
・152キロ 2球
・153キロ 6球
・154キロ 1球
・155キロ 1球
・156キロ 1球
・157キロ 2球
157キロを最速に、すべて150キロ台のスピードを記録した。う〜ん、怪物という以外に表現が見つからない。凄すぎるのである。
3回裏、横浜は一死から4番川上がセンター前ヒット。5番田島のショートゴロで二死2塁。6番安食が3球目を空振りした時、2塁ランナーの川上が大きく飛び出して2,3塁間での挟殺プレー。
2、3塁間で立ち止まる川上に対して延末、ボールを持ちながら詰めていくが、深く追いすぎて川上の2塁への帰塁を許してしまった。記録には何も残らないが、実質エラー。こういう細かいプレーをしっかりと決めていかないと接戦では痛い思いをする。
そして案の定、安食が次の投球をレフト前に弾き返し、2塁から川上生還で1点を追加されて0-4とリードを広げられた。二死からのもったいない1点であった。
ここで塾高は渡辺から湯本に交代。渡辺はファーストに入り、八百板がベンチに戻った。

湯本は脇山をサードゴロに打ちとる。
4回表、塾高は森田、湯本、大棒と三者凡退。
4回裏、横浜は先頭の江坂が四球、千島送った一死2塁から1番小野がセンター前ヒット、2塁から江坂が一気にホームを狙うが、ここはセンター矢口がバックホームへストライク好返球でタッチアウト。見事な送球であった。

5回表、塾高の攻撃。織田は投球練習中に右足に違和感を感じ、一度、治療のためベンチに戻ったが、再びマウンドに戻った。剛速球を投げる超高校級の織田だが、体の線はとても細い。さすがにこの暑さは応えてくるだろう。

塾高は5番壇上から。152キロ、153キロのストレートをまだまだ投げこんでくる織田。その間に129キロのスライダーも混ぜながらの投球だが、壇上もしっかりとバットを振って食らいついている。最後はスライダーを打たされたが、簡単には終わらない。

カウント1-1から3球ファールで粘った時に壇上がベンチに向かって笑顔を見せた。
150キロを超えるボールとの対戦は彼らの野球人生の中で初めてのことだろう。織田との対戦を楽しみにしていて、織田のボールに必死に食らいついていく。なかなか打てないなと思いながらもファールで粘れる織田との対戦がどれだけ楽しいことだろうか。
「くっそー」と思いながら対戦しているのだろうな。それはとても楽しいこと。そんな笑顔なのだと思う。織田との対戦を楽しむ野球少年になった壇上のとてもいい笑顔だな。
一死から渡辺にワンストライクのあと4球連続ボールで四球を与えた。155キロ出ているが高めに浮いた。
ここで横浜はベンチから伝令を送り、一呼吸いれる。

1塁に渡辺を置いて試合再開。

打席は徳留。徳留にはスライダー中心で低めへのコントロールを意識した織田だがここもストライクが入らない。ストレートもこれまで150キロ超だったのが149キロ(それでも十分に速いが(笑))と、さすがにこれまでに比べると疲れが出てきたことが投球から伺える。
そして徳留もスリーボールワンストライクから四球で一死1、2塁とチャンスを作った。

ここで打席は8番杉森。試合は5回とまだ中盤だが、明らかに織田に疲れが見えてきてノーヒットながらも一死1、2塁とチャンスをもらった塾高。
ここで1点でも返せれば、まだまだ試合はどう展開していくかわからない局面だ。もしも僕がNHKのプロ野球解説者なら、ここで「勝負眼」の札をあげたいところである。
杉森への初球は153キロのど真ん中へのストレート。織田は二者連続四球でこれ以上ランナーを溜めたくない場面で初球にストライクを取りに来た甘いボールだった。杉森はこれを見逃してワンストライクとなったが、このボール、打ってほしかったな。
いつもであれば早いカウントから積極的に打っていくのが持ち味の杉森。ただ、八百板、徳留に対して織田はほとんどストライクを取れずに四球を与えてコントロールに苦しんでいたことから、杉森は初球は様子を見たい気持ちだったかもしれない。
第一打席が織田の速球にどん詰まりのセカンドライナーに倒れたことも杉森を少し弱気にさせていたかもしれない。ただ、この初球はストレートに的を絞って強気で打っていってほしかった。153キロとはいえ甘いコースだっただけに。
2球目を128キロのスライダーで追い込まれると3球目は147キロのストレートを打ち返すも、少し食い込まれたレフトフライとなり二死1、2塁。

延末はストレート2球で追い込まれ、3球目のストレートに押されてライトへのフライ。ライト前に落ちるかという飛球だったが、横浜ライト千島が前進しながらのナイスキャッチで勝負眼をあげたこの回も塾高は無得点で終わった。


5回裏を終わって0-4と4点ビハインド。織田の前にノーヒットで抑えられている。
tvk放送に向けて集まるスタンド部員。近くからの望遠レンズでの撮影なので一人ずつのアップ写真しか撮れない。なんで俺がこんなドアップで?は特に理由はありません(笑)。





6回表、塾高は1番矢口からの打順も矢口、森田、湯本と三者連続三振。ストレートはまだ155キロが出ている。
6回裏、横浜の攻撃は千島、小野の連打で一死2、3塁のピンチを迎えた。
2番小林は鋭い打球のピッチャーゴロ、湯本これをナイスキャッチすると飛び出した3塁ランナーを三本間に挟み、最後は延末が3塁ランナー千島にタッチして二死2、3塁。

3番強打者池田を打席に迎えた湯本、これ以上追加点を与えたくない湯本はここで魂の投球を見せた。
カウント2-2の平行カウントからの5球目、池田が思わず腰を引く147キロのストレートをインローにズバッと投げこんで池田を見逃し三振に打ち取る。ここは物凄く気合が入った一球だった。ナイスボール。

7回表、塾高は4番大棒から。ここで織田が3球投げたところで再び右足が攣り、投げられる状態ではなくなった。
横浜は2番手の小林に交代。小林も140キロ台後半を普通に投げこんでくる投手である。しかし大棒には四球を与え、塾高はこの試合、始めてノーアウトでランナーを出した。

5番壇上。横浜小林は149キロのストレートをどんどん投げこんでくる。壇上も必死に食らいつきファールで粘るが、8球目をライトフライに打ち取られて一死1塁。

5番渡辺のバットに期待がかかるが、渡辺はワンボールツートライクと追い込まれた4球目、外角のスライダーを引っかけるとピッチャーゴロ、1-6-3のゲッツーで塾高はこの回も無失点に抑えられた。

7回裏、横浜は先頭の5番川上が四球で出塁、6番田島送った一死2塁から7番安食の打球は鋭いライトへの弾丸ライナー。ライト前に落ちると思った打球を壇上が前進してすれすれでナイスキャッチ。2塁ランナー川上跳び出ており、壇上から杉森に2塁まで送球されてダブルプレーでピンチを乗り切った。

壇上は5回戦の横浜青陵戦で同じような打球でスライディングキャッチを試みたがグローブに当てて落とし失点した場面があった。今回の打球はその時よりもはるかに痛烈で鋭い打球であり、処理も難しいと思われたが、ここは壇上がファインプレーを見せた。
この大会、エラーが目立った徳留もこの試合、再三のファインプレーを見せてチームを救った。大会中にエラーをしたところをしっかりと修正し、この横浜との大一番で素晴らしい守備を見せた徳留、大棒には感動である。

4点を追う塾高8回表の攻撃、一死から代打橋本が四球で出塁。代走は島田。

延末の代打長谷川はフルカウントから四球を選んで一死1、2塁。塾高は5回に次いでこの試合、得点圏にランナーを置いた2回目のチャンスである。

1番矢口に対して小林はストレートで押してきた。144〜145キロのストレートを連投しカウントは2-2と平行カウントからの5球目、ここで小林は最後に外角に132キロのスライダーを投じ、矢口はバットが止まらず三振。小林、脇山の横浜バッテリーはさすがの配球で矢口を打ち取った。

ただ、この最後のボールがワイルドピッチとなり、塾高は二死2、3塁とそれぞれ進塁して2番森田を打席に迎えた。左投手小林に対して、スイッチヒッターの森田は右打席に入る。
この最大のチャンス、森田は初球、147キロのストレートから積極的に振っていったがファール。2球目、3球目は149キロ、145キロのストレートもボールでツーボールワンストライクからの4球目、スライダーを引っ張ると三塁手の頭を超えようかという高いバウンド、横浜サード川上が下がりながらジャンプしてキャッチするが内野安打の打球・・・・、だが惜しくもボールは三塁線を切れてファールとなった。これがフェアなら1点返してまた流れがどうなったことか・・・・。
そしてカウント2-2からの5球目、小林が投じた150キロのストレートを打つと、いい当たりのセンターへの打球。球場がどっと湧いたがセンター小林のほぼ正面の打球は小林が下がりながら捕球で二者残塁となった。森田はしっかりと捉えた鋭い打球だっただけに、少しでもずれていれば長打にもなりうる惜しい打球だった。

8回裏、塾高は代走の島田がショートに入り、代打長谷川に代わって藤吉がキャッチャーについた。 




最終回9回表の塾高の攻撃は湯本から始まるも湯本は詰まったショートフライ。大棒はファーストゴロで二死。あとアウト一つというところで横浜はショートを守っていた池田をマウンドに送った。
その代わり端、池田の初球を壇上がセンター前のチーム初ヒット。この試合、横浜は継投とはいえ、ノーヒットノーランは逃れた塾高初ヒットである。

最後まで熱い応援を送る塾高スタンド。

しかし最後は渡辺がレフトフェンス手前まで飛ばす大きなレフトフライで試合終了。

整列。





U15日本代表でチームメートだった大棒と横浜の池田。「高校に入ってから一度も戦ったことがない、ぜひともこの夏に戦いたい」とやりとりしていたという二人は試合終了後にお互いの健闘を称えて笑顔で握手をしている。(横浜の背番号6が池田で、池田と握手しているのが大棒)

横浜の校歌をベンチ前で聴く選手たち。力を出し切ってやり切った思いなのか、そこに涙はなかった。




スタンドに挨拶する選手。


それまでは我慢していた涙も、スタンドの仲間たち、応援してくれたスタンドの顔を見ると悔し涙があふれ出してきた。





キャプテン徳留もそれまでこらえていた涙があふれ出す。良く頑張ったよ、ナイスキャプテンでした。ありがとう徳留。

圧倒的に強かった横浜。もう少しチャンスはあるかもとは思ったが、横浜の好守にわたる隙のない野球は、塾高と力の差は相当あった。2回の3失点は連続四球を与えてからのもの、3回の1失点は挟殺プレーのミスがなければ点を取られていなかった。そう考えると、スコアとしてはもっと接戦の展開に持って行けたかもしれない。
でもなんといっても横浜の織田投手が凄すぎた。最速157キロで常に150キロ以上を出すストレートは高校球児が打てるレベルではない。でも、150キロを超える投手と対戦できる経験など滅多にできないのだから、選手たちは貴重な経験をした。
塾高は湯本、延末、渡辺、杉森、矢口と5人の2年生がスタメンに入る若いチームである。彼らが織田の150キロ超のストレートと対戦出来た経験は、必ず来年に繋がるはずだし、肌で感じた横浜との実力差を埋めるために、織田のような150キロ超の投手を打つために、この経験をこれからの一年に活かしていかなければならない。
振り返れば秋季県大会初戦の2回戦で武相に敗れてから、ひと冬超えて力をつけ、春季県大会は準決勝まで進出し3年ぶりに夏の第一シードを獲得し、こうして準決勝で横浜と対戦するまで進んできた。
ここまで来るのにチームをまとめ引っ張ってきた徳留主将は大変だったことだろう。チーム一の努力家の徳留、その努力と彼の人望でここまでチームを成長させたのではないかと想像する。
3年ぶりの横浜スタジアムでの夏の大会も楽しかった。保土ヶ谷球場も大好きだけど、夏の大会はやはり横浜スタジアムまで勝ち進んで試合をしたいものである。
スタンドで仲間を応援する応援指導部、選手たちも最後まで声を振り絞って熱い応援を繰り広げた。選手とスタンドが一体となった明るい雰囲気、仲間を元気づける掛け声、この夏の大会でたくさん感じました。

最後、大声で横浜とのエールを交わすスタンドの選手たち。









そして最後は涙も。熱い夏をグラウンドの仲間と一緒に過ごした思いがこみ上げる。一生忘れない青春の涙である。

3年生はお疲れさまでした。新チームはもうすぐに秋季大会を迎えます。秋は第一シードで参加となる。関東大会出場、そして来春のセンバツ出場、そして横浜高校の連勝を塾高がストップするように頑張ってほしいと思います。
2026年07月23日
【観戦記26-10-】サヨナラ勝利の瞬間(立花学園戦:260721)
立花学園戦、10回裏タイブレークで1点を追いかける塾高は、二死2、3塁から大棒のサヨナラタイムリーヒットで三塁ランナーの藤吉に続いて2塁から矢口も生還し、5-4で劇的な勝利を収めた。
【観戦記25-10- 杪臻澄■竿屬梁膸纏で世界一の笑顔(立花学園戦:2607221)
後からテレビで見直してみると、大棒の打球は立花学園の根本投手のグローブをかすめてのセンター前ヒットだった。打球が早かったから抜けたけど、少しでもずれたらピッチャーゴロになってもおかしくない打球だった。
アウト、ヒット、どちらに転んでもおかしくない打球、最後は勝利の女神さまは塾高に微笑んでくれた。
センターに抜けた打球、立花学園のセンター今松は、キャッチャーへダイレクトのストライク返球をしてきた。これ以上ないバックホーム返球である。しかし、わずかに矢口の足(ヘッドスライディングだから手)が早かった。
この二死2、3塁の場面、立花学園は外野へのヒット打たれた時、同点の3塁ランナーだけでなく試合を決める勝ち越しの2塁ランナーが生還するのを阻止するために、外野手はヒットを打たれても本塁送球で2塁ランナーを刺せるだけの守備位置まで前進守備を取るのがセオリーである。
どこまで前進するかはランナーの足の速さや自分の肩の強さなどから判断するが、立花学園の外野手も当然に前進守備をとっていた。
そしてセンター前ヒット、打球も普通に早く、センターはこれ以上ないストライク返球をしたものの、矢口を刺すことはできなかった。2塁ランナー矢口は二死だったことから打った瞬間のスタートが早かった。
また、矢口の足もとても速かった。それは矢口を刺すために前進守備を取ってこれ以上ない最高のバックホームを送球した立花学園今松外野手の想定を上回るものだったのかもしれない。
いずれにせよ、塾高にとってみれば矢口がセカンドランナーであったことは幸いだった。
キャッチャーがセンターからの送球を捕球したときに矢口ヘッドスライディングでホームイン。

主審にセーフの判定を叫んでいるかのような矢口の表情。迫力ある。本当、キャッチャーのタッチとわずかな差であった。

セーフの判定にジャンプして喜ぶ矢口。


これは角度を変えた座席からの写真。エビが跳ねているようだ(笑)。(写真提供:やーしーさん)

勝利を喜ぶ手前から藤吉、八百板、矢口。





試合を決めた大棒に抱き着くのは湯本と寺本。10回裏、湯本は大棒の前の打席の一死2、3塁で三振に打ち取られたので責任を感じていただろうだけに、大棒への感謝も含めて喜びは大きい。


あと一人で勝利目前の幕切れに、立花学園の選手は全員がその瞬間、グラウンドに膝まづいた。

サヨナラのホームインした矢口は大棒と勝利を喜び強く抱き合った。

試合終了の挨拶後に両チームが健闘を称えあった。
継投で2回からマウンドに上がった立花学園のエース根本、3回から9回までは塾高打線を散発3安打に抑える好投を見せた。酷暑の中、126球の熱投は最後力尽きたが、140キロ台中盤の直球とカットボールは塾高を苦しめた。
大学でも野球を続ける意向だという。また、どこかで元気な姿を見ることができたら嬉しく思うのである。
その根元は涙でくしゃくしゃの顔で塾高エースの湯本と健闘を称えあった。大学でもがんばれ!!


左から湯本、徳留、渡辺も涙がこぼれる。


この夏、5回目の塾歌斉唱。




応援スタンドに勝利の報告。





徳留主将のホッとした笑顔がいいね。

スタンドに挨拶する立花学園。挨拶のあと、選手たちは再びグラウンドに崩れた。


春季県大会の準々決勝で塾高に7-4で敗れた立花学園。初回に1点を先制したが、塾高の粘りにまたしても阻まれた。しかし、最後の最後まで粘り強く追い詰めた試合は前戦の横浜青陵もそうだったが、春から恐ろしく成長してきたし、打倒慶應を目標とした力はとても大きいものがあった。力強いチームだった。
いいライバルがいて、いい試合ができて、勝敗はつくけれど勝敗がすべてではない高校野球、そんな試合を感じました。
全体的な観戦記を書く時間がないのでまた時間あればどこかで書きます。明日の横浜戦、頑張れ塾高野球部!!
【観戦記26-10-◆曚海外貳屬之茲瓩薪亙佞離丱鵐函蔑花学園戦:260721)
タイブレーク10回表の立花学園の攻撃、無死1、2塁から送りバントを決めて一死2、3塁とした。ここで塾高内野陣は「1失点まではOK」という共通認識のもと、前進守備を取らなかった。(前進守備を取れば、野手の守備範囲が狭まるためヒットコースが広がり、通常のゴロでも外野に抜けてヒットになったり、頭上を越されるリスクが高まる)。
立花学園8番打者の打球はショートゴロ。3塁ランナーの生還は許したものの、2塁ランナーが3塁に向かうのを見て、ショート杉森は冷静にサード送球して二走を刺した。
タイブレークを想定した練習はしており、「想定内の当たり前のプレーだけど、この舞台で当たり前にできるのはさすが(徳留)」(神奈川新聞)
これで二死1塁と軽くなり、次打者を左飛に抑えて立花学園を1点に抑えたのがその裏の逆転劇に繋がった。
「1失点まではOK」、言い換えれば裏の攻撃で1点は絶対に取り返す、という約束の裏返しである。無死1、2塁から始まるタイブレーク、最低1点を取る確率を上げるためには、先頭打者の送りバント成功が絶対の条件となる。
10回裏、無死1、2塁で塾高の先頭打者は渡辺。この夏の大会、渡辺は2回戦の大磯戦で初回にバントを決めている。その時は初球バント失敗のファールのあと、2球目で決めた。
今回は絶対に送りバント成功が求められるプレシャーのかかる場面だ。
初球、送りバント失敗。渡辺頼むぞ!という空気が流れる。2球目ボールのあとの3球目、インコースに沈む変化球を地面に膝をつけながら決めた。
簡単なボールではなかったと思うが、ここは渡辺がしっかりと決め、一死2、3塁と一打逆転のお膳立てした。バントの瞬間の写真がちょうどドンピシャで撮れたが、渡辺の表情が必死に見える。

この重要な場面で3番渡辺がしっかりとバントを決める野球ができること、これが大きい。このバント成功があったからこそ、最後の逆転に繋がったのである。
この場面でのバントの重要性をわかっているからこそ、バント成功に思いっきり吠えた渡辺。いい仕事をしたな。
2026年07月22日
【観戦記26-10- 杪臻澄4番の大仕事で世界一の笑顔(立花学園戦:260721)
タイブレークに突入した延長10回裏、3対4の1点を追いかけた二死2、3塁から4番大棒がサヨナラタイムリーを打って激闘を征した。

1点を追う一死2、3塁から湯本が三振で倒れ、誰もがこれで負けるかもと敗戦が頭をよぎったことだろう。しかし打席に入る大棒は「怖い気持ちを押し殺して、ここで打てばヒーローだなというポジティブな気持ちだった。それだけです」(神奈川新聞)だったという。さすが塾高生。
打てなければ高校野球が終わってしまう。打てば横浜と準決勝で試合ができる。すべての行方が最後、大棒のバットにかかってきたのである。これはもう間違いなく大棒の塾高野球の試合の中での大ピンチであり、大チャンスでもある。
時々引用させていただく現・慶大野球部コーチ(元・塾高野球部監督)上田誠氏著のエンジョイベースボールで「試合では胃液のでるような緊張を楽しめ」というのがある。
「誰でも大ピンチを切り抜けられたときの快感や満足感を知っている。胃が痛むような場面では「これを切り抜けられると最高だぞ」という気持ちでそのピンチを楽しむこともできる。大ピンチに遭遇する喜び、これは社会に出たらなかなか経験できない。」とうもの。
今回大棒は、怖い気持ちを押し殺して(大ピンチ)、ここで打てばヒーローだな(大チャンス)をイメージしてポジティブな考えを持った。まさに緊張を楽しんでいたのである。
そういう考えを持ち、自分を冷静でいられることができることが凄いと思うし、まさにエンジョイ・べースボールを体現しているのである。
ただ、大棒はこの試合、4打席目まで凡退。「ずっと真っすぐが来ていなかったので、ここも変化球だろうと狙い球を絞った」(神奈川新聞)という。
同じくエンジョイ・ベースボールで上田さんは、
試合で自分の力を最大限に発揮したり、冷静に状況を把握してアクションを起こすには、とにかく「リラックス」していること。ピンチに追い込まれると焦りだして笑顔がなくなる。この心理状態をリセットするためには「笑顔」やベンチの明るい雰囲気が必要。
リラックススすることができればピンチの時に冷静でいることができ、試合だけに集中していたら、それをどう切り抜けるか、いろいろと考えることができる。それはとても楽しいこと。選手個人個人が自分で考え、自分で決断できる。それができて初めて試合を楽しむことができる。
とエンジョイ・ベースボールを説明している。
大棒の満面の笑顔はこれまでにもブログに写真を載せたことがあるし、今年のチームは雰囲気がとても明るい。リラックスできるわけだ。
技術的にも冷静に狙い球を絞った結果が逆転打となった。自分で考え、自分で決断して試合を決めた大棒は、まさにエンジョイ・ベースボールを体現した。
「野球人生でも最高の瞬間と仲間から祝福を受けた」(神奈川新聞)という試合終了後のスタンドへの挨拶時の大棒の笑顔。むっちゃ男前の爽やか笑顔である。大仕事を成し遂げた大棒の笑顔は、2026年7月21日に見せた世界中のどの笑顔よりも素敵な世界NO.1の笑顔であったことは間違いない!。
神笑顔!!


2026年07月20日
森田スイッチの右打席
7月13日の大磯戦(3回戦)のtvk放送での勝利者インタビューで森田にアナウンサーが「この大会の前まではスイッチヒッターでしたが、左バッターに専念して臨むこの夏の大会、自身のバッティングの調子はどうでしょう?」と質問したのに対して、森田は「いろいろな方から指導をしてもらって調子はいいので、次の試合も絶好調でやっていきたいと思う」と答えていた。
へぇ〜、森田は右打席やめたんだ、と思って聞いていたけど、次の横浜栄戦、横浜青陵戦で左投手に対して右打席で打っていた。
なんだ、スイッチやめてないじゃん!!あのtvkアナウンサーの情報源はどこからのものだったのだろう?あのやり取りはいったい何だったのだろう(笑)。森田も流れで「えっ、右打席やめていませんよ」とは答えずらかったのかな?不思議なインタビューだった。
【観戦記26-09】横浜青陵(5回戦:260718)
5回戦は横浜青陵との対戦。2025年春のセンバツに21世紀枠で甲子園に出場したチームであり夏は3年連続でシード権を掴んでいる。塾高とはこの春季県大会の4回戦で対戦しており、その時は塾高が12-2で大勝した。
横浜青陵はそれ以来、その試合を基準にして3か月間鍛えなおしてきたという。春のリベンジの気持ちを込めた、まさにこの3か月間の練習の成果をぶつける試合となった。
試合は、前半は塾高が先制点をあげ、3回、4回にも加点して5-0とリードを広げたが、中盤からミスも絡み横浜青陵の追い上げにあい、球場は横浜青陵応援ムードが高まる中、最後は1点差で逃げ切りベスト8入りを決めた。バタバタしてどう転ぶかわからない試合展開、緊張感のある試合、見ていて久々に疲れたな。
◆2026年7月18日(土)
第108回全国高校野球選手権神奈川大会(5回戦)
@等々力球場
慶應義塾 031 100 000 =8
横浜青陵 000 012 100 =7
(慶)〇志村、寺本、湯本−延末
(横)西田、松嶋−加藤
【三】吉田(横)
【二】矢口(慶)、大桑、大和地(横)
(出場メンバー)
А〔雜
D1 湯本
渡辺
А‖臻
壇上
H 長谷川
9 岡田
ぁ/硬
ァ‘僧
Α/森
◆ ̄篷
(投手)
志村
寺本
湯本
試合開始前の円陣ミーティング。


横浜青陵はベンチ前で膝をついて円陣。この3か月間の練習の成果をぶつけるための最終確認だ。

試合開始。



横浜青陵の先発は春季県大会の塾高戦で先発したエース松嶋ではなくて、背番号10をつけた左腕西田だった。春季県大会の塾高戦では5回から登板したものの、2四死球1二塁打の打者3人でマウンドを降りている。

そんな注目された西田の立ち上がりだったが、矢口、湯本、渡辺を三者凡退で抑えた。
塾高先発は志村。初戦の元石川戦での先発以来の登板である。

一死から2番にレフト前ヒットを打たれたが、3番打者を初球ピッチャーゴロからの1-6-3の併殺打で打ち取り、わずか6球で初回を終えた。
2回表、塾高は先頭の4番大棒がレフト前ヒットで出塁。



壇上は初球を三塁前に送りバント、これが内野安打となり無死1、2塁。

森田もワンボールからの2球目を三塁前に転がすセオリー通りのバント。思わず「うまい!」と叫んでしまったほどの教科書お手本のようなうまいバントだった。

横浜青陵の三塁手、少しポジションが後ろだったかもしれない。捕球からの1塁送球も森田の足が速く、無死満塁と塾高は思わぬチャンスを迎えた。

ここで横浜青陵は背番号1をつけた主将の松嶋が伝令でマウンドに走る。

徳留はファーストゴロ、ここは内野ゴロでの失点はやむを得ないファースト深めの守りで3塁から大棒が生還し、まず1点を挙げる。


続く杉森のショートゴロの間に3塁ランナー壇上がホーム突入、ショートから本塁送球も壇上がタッチをかいくぐってホームイン、2-0とした。

1点先制して若き血歌い、歌い終わるころに2点目が入り続けて若き血。初回から元気よく歌う若き血が楽しそうだ。



なおも一死1、3塁で延末は初球をセンターへの犠牲フライ、3塁から森田がタッチアップで生還してこの回3点目。またまた若き血が歌い終わらない中での追加点となった。
犠牲フライに吠える延末。

2回裏、志村は一死から5番に二塁打を打たれるが次打者をサードゴロで二死2塁とすると、延末がマウンドに駆け寄り志村と一言二言。ここは先制点を取った裏の守り、無失点で抑えるべく丁寧に投球を続けたいところである。

そして志村は次打者を三振に打ち取りピンチを凌ぐ。笑顔でベンチに戻る志村。

3回表、塾高は壇上、森田の連続四球の一死1、2塁から徳留がライト前タイムリーヒットで2塁から壇上生還し1点追加して4-0。



3回裏、横浜青陵は8番先頭打者がフルカウントから粘った8球目をしぶとくセンター前ヒットで出塁。9番送って1番四球で一死1、2塁とランナーを背負った。
盛り上がる横浜青陵スタンド。この日、吹奏楽部は来られなかったそうで、よく見ると楽器演奏はスーパーOB、OGが頑張っている。どこもあるあるケースだな。

ここで背番号12の藤吉が伝令でマウンドへ。次打者の2番二野宮には初回、レフトへのクリーンヒットを打たれている。 
試合再開。横浜青陵の二野宮は志村の初球を強振してきた。4点リードの塾高はランナーを2人背負っている中、これ以上ランナーを溜めたくない、ボール先行は嫌だろうからストライクから入ってくるだろう、チャンス押せ押せの中、ここは弱気にならず強気でいいボールを強振していこう、と多分、二野宮は初球から狙っていたと思う。

ただ、打球は低く強いゴロであったがセカンド森田へのゴロとなり、4-6-3の併殺打で志村はこの回もピンチを凌いだ。併殺打は初回に続いて2回目であり、とても大きな守りとなった。

笑顔でベンチに戻る選手(バットボーイも)たち。




4回表、塾高は一死から矢口がセンター前ヒット。

二死から矢口二盗、渡辺四球で二死1、2塁。

4番大棒はライト前タイムリーで5-0とリードを広げる。渡辺四球の後の初球を狙っていた。

5回から等々力球場の外野席が解放。
4回まで毎回ランナーを背負いながらも横浜青陵打線を散4安打の無失点に抑えてきた志村だったが5回裏、二死から1番が二塁打で出塁。

2番四球の二死1、2塁から3番吉田の打球はライトへのライナー。

これを壇上が前進しながらスライディングキャッチを試みるが、ボールをグローブに当てて落球(記録はヒット)、2塁ランナー生還し1点を返されて1-5。

二死2、3塁、ここで塾高は志村から寺本に交代。ここまで志村の投球数は65。全般的にはいい投球内容だったと思う。ただこの日は曇り空とはいえ梅雨明けも間近で数日前から気温が高い日が続き、この日も蒸し暑かった。
2番打者への四球やそのあとの3番打者を追い込みながらも打たれたライト前タイムリーなどを見ると、この回になって少しボールの勢いが落ちてきたのかもしれず、背番号11から20への継投となった。

ここは寺本がしっかりと抑えた。ホッとした表情でベンチに戻る寺本。

5回を終了し10分間の休憩ウォータータイムに恒例のスタンドから掛け合い。この日は大磯戦、横浜栄戦に先発したものの、イマイチ本来の投球ができなかった大村を応援するエールの掛け合いだった。
大村のこの大会までの頑張りや苦労など、きっとみんなは近くでいろいろと見てきたことなのだろう。だからこそ今大会での大村の悔しい投球、彼の悔しい気持ちを仲間として感じているし、だからこそ今日は出番がないが、そんな彼にエールを送ったのだと思っている。
みんな優しいよな。折角なのでたくさん写真を貼り付けます。









6回裏もマウンドに上がる寺本。

先頭に四球を許した。次打者のセカンドゴロで一死2塁。7番打者の打球は二遊間よりの強いセカンドゴロ、これを森田が弾いて一死1、3塁とピンチを背負った。
記録はエラー。エラーとするにいは少し気の毒な気もするような強く処理が難しい打球だった。もっとイージーなエラーがヒットと記録されることも多々あるのに。
ただ、5-1とまだ4点リードしている塾高だが、このエラーで横浜青陵の応援スタンドの熱量が一気に上がってきた。
ここで塾高は寺本から湯本へ投手を交代。湯本はDHを解除しての登板となる。この夏、初登板だ。寺本の調子と、試合の流れ、嫌な勢いを森林監督は感じたのだと思う。寺本はわずか打者4人、16球での交代となった。

一死1、3塁で試合再開。打席の8番斎藤は湯本の代わり端、初球を打ち返すとサード徳留へのゴロ。イージーなゴロであったが、3塁ランナーの本塁突入が目に入ったのだろう、徳留はボールから目が離れてエラー、3塁ランナーホームインして5-2と横浜青陵が1点追加した。

なおも一死1、3塁で横浜青陵は9番打者でツーボールからの3球目にスクイズを仕掛けてきたがこれはファールとなるも、4球目をヒッティングに変更するとセンターへの犠牲フライでこの回2点目をあげて5-3と点差を2点に詰めた。
湯本は1点取られたものの、球速は142キロ前後を記録し、スライダーの切れも良く、やはり一つ格が上の投球を見せてくる。

等々力の球速表示が1球だけ152キロを示すとスタンドが大きく沸き上がった。ただ、これはどう見ても152キロまでは出てないし、計測表示の誤りだろう。その他のストレートも142キロ前後の投球であった。

横浜青陵は4回表二死から先発の西田に代わり背番号1のエース松嶋をマウンドに送った。松嶋は5回に四球、エラーでランナーを背負うも後続を断ち、6回は三者凡退に塾高打線を抑えた。
この松嶋の好投が流れを徐々に横浜青陵に引き寄せていったことは間違いない。6回を終えて5-3と2点差に詰めた7回表、球場全体も横浜青陵の逆転を期待する空気が漂いだした。塾高にとってはアウェイを感じるスタンドとなってきていた。
2点差に追い上げられた7回表、塾高は先頭の壇上がショートゴロ、1塁際どいタイミングの判定はアウトのコール。ただ、これはプロ野球であればビデオ判定をリクエストしたかったタイミングだった。
写真を見ると壇上の足の方がボールよりも早く着きそうに見える。でもこんな判定の流れも試合の勢いの中での一つである。球場の雰囲気でアウトコールとなってしまったような気がした。

森田四球で一死1塁も徳留はセカンドゴロで4-6-3の併殺打。良くない!もう、完全に流れは横浜清流に向いている。勢いが違う。何とかしてこの横浜青陵の勢い、流れを止めたいところだ。
7回の攻撃、塾高は若き血をスタンドで歌うが、横浜青陵は「栄冠は君に輝く」を歌う。何と爽やかなことか。
その7回裏、2点を追う横浜青陵は一死から3番吉田がライトへの大きな飛球。ライトの壇上、目測誤りスタートを切るのが遅れたこともあるが、打球は壇上の頭上を越えた大きな当たりの三塁打となった。

外野席まで解放された等々力球場は3階席もあるが、3階席も多くの観客で埋まっていた。そんな中、横浜青陵の選手が3階席まで足を運び、スタンドの応援をリードして球場のあっちこっちから横浜青陵を応援する声が飛んだ。

一死三塁、4番打者はサードゴロ3塁ランナー生還し、いよいよ5-4と1点差に追い上げられた。
7回を終了して3分間の水分補給の休憩が取られる。

今年のワールドカップサッカーでも前半と後半の中ごろに3分間の給水休憩が導入されたが、この給水タイムが戦術再整備の作戦タイムとなりこれまでのサッカーとは異なり試合の流れが変わる状況がある、として議論になった。
7回表、併殺打でチャンスをつぶした塾高、一方、7回裏、三塁打から1点差に追い上げる追加点を挙げた横浜青陵。スタンドの声援もあり勢いの差は明らかであり、流れは横浜青陵に向いていた。だから横浜青陵としては休憩など挟まずに、勢いを切らすことなく8回の攻撃に入りたかったかもしれない。
そういう意味では、この3分間の給水タイムは、塾高に、そして湯本にとって、冷静に気持ちを落ちつかせる時間となったのではないだろうか。だから、7回のこの給水タイムは塾高にプラスになった気がした。
8回表、試合再開に向けてベンチ前に横浜青陵のベンチ選手が並び守備に就く選手を見守る。奥に立つ女子マネージャーまで含めて、みんなとてもいい顔をしている、いい表情をしている。
試合に出場している選手と心を一つにして残りの2イニングで塾高に追いつき追い越すぞ、という迫力を感じたのである。カッコいいな、この写真。

8回表の塾高、追加点を挙げて横浜青陵を突き放したい。しかし8番杉森は初球をサードゴロ、9番延末はツーボールワンストライクからライトフライ、1番矢口もスリーボールワンストライクからの5球目をショートゴロに打ち取られた。わずか10球で横浜青陵の松嶋に打ち取られたのである。とても嫌な雰囲気である。
勢いが横浜青陵にそのままある。何としてもこの勢いを止めて、横浜青陵の流れを、勢いを止めたいところである。
松嶋は交代してから試合終了の5回1/3、塾高打線をわずか1安打に抑えた。ナイスピッチ、結果論ではあるが、松嶋が先発していたらこの試合展開はまた大きく変わっていたかもしれない。
そして8回裏の横浜青陵の攻撃、その勢いを止めたのは、流れを再び引き寄せたのは塾高のエース、湯本の好投だった。6番から始まる攻撃をわずか12球で三者凡退に抑える。隙を見せない投球に横浜青陵スタンドも静まる。 1011
そして最終回9回裏を迎えた。しかしここも湯本は落ち着いていた。先頭の9番打者を2球でサードフライに打ち取りワンアウト。
1番打者への初球ストレートはこの日最速の146キロを記録した。ツーストライクワンボールと追い込んだ4球目は三遊間寄りのサードゴロ、これを徳留がスライディングしながら捕球すると1塁送球でツーアウトとした。


徳留は6回のタイムリーエラーの他、4回にもエラーをしておりこの試合2つのエラーを記録している。大磯戦でもエラー1つの他に、記録はヒットとなったが、それは捕りたいなという打球処理が一つあり、守備には不安を残す。
だけど、ここは徳留も意地にかけての必死のプレーだった。泥臭くても、カッコ悪くてもいい、アウトをしっかりと一つ取った気持ちのこもったナイスプレーだった。
そんな状況をわかっているショート杉森は徳留に駆け寄り笑顔で腕を掴み、きっと「ナイスプレー」と声をかけながら徳留を抱きしめた。徳留のとてもホッとした表情がこのプレーのすべてを物語っている。


どちらが上級生かわからないが(笑)、全員で泥臭くできることを懸命に助け合いながらプレーする姿はいいな。下級生が上級生にこのような声を掛けられる関係であるのも、素晴らしいチームワークなのだと思う。徳留の主将としての人望がうかがえるシーンでもあった。
二死ランナーなし、2番打者はツーボールツーストライクからファールで粘るが最後は見逃し三振でゲームセット。
最後まで落ち着いていた湯本は試合終了に小さくジャンプして喜びを表した。頼りになるエースが勝利を呼び込んだ。

健闘を称えあう両チームの選手。前半は塾高が主導権を握り、このまま試合が進むかなと思ったが、春からのリベンジで3か月間取り組んできた横浜青陵は簡単には引き下がらなかった。食らいついてきた。
1点ずつ取り返して粘り強く反撃してきた。その反撃にはいつ逆転されるのでは?とヒヤヒヤしながら緊張を感じた。横浜青陵は春季県大会で10点差をつけて勝利したチームとは全く違っていた。
高校野球、目的をもって取り組むと短期間でこんなにも成長するのか、とも感じた。成長が目に見える、それが高校野球の面白さでもある。ナイスゲームでした。
塾歌斉唱。

横浜青陵も負けた悔しさ、精一杯力を出し切った満足感、いろいろな気持ちが混ざった涙であることだろう。




接戦を記すスコアボード。

スタンドに挨拶。




さあ、次はベスト4をかけて準々決勝で第二シードの立花学園と対戦する。やはり今年の春の県大会、準々決勝で対戦し7-4で勝利している。まだまだ負けられない夏が続きます。
◆準々決勝
7/21(火)11:30〜
@横浜スタジアム
立花学園戦
(立花学園のここまでの戦績)
2回戦:○7-3藤沢清流
3回戦:○14-0小田原
4回戦:○7-6県相模原
5回戦:○13-6横浜商
2026年07月15日
tvkインタビュー(大磯戦:森田、藤森)
大磯戦、tvkでのヒーローインタビューは森田と杉森。森田がスイッチヒッターであることは知っていたが、この夏の大会から左打席に専念したそうです。

<森田>
Q.今日の一戦、先に点を取られるという中からの立ち上がりでしたが、チームの中、ベンチの中、どんな雰囲気だったでしょう?
A.先制されたのは想定内ということでチームとしてやっていたし、監督からもまだまだ全然大丈夫ということもあったので、落ち着いて野球ができたのかなと思います。
Q.その中で一度ひっくり返された展開もありましたが、森田選手の同点のタイムリーが飛び出しました。どんな気持ちで打席に入っていったのですか?
A.今まで公式戦でチームに貢献ができなかったので、何とかここで点を取れるように強い気持ちで打席に入りました。

Q.この大会の前まではスイッチヒッターでしたが、左バッターに専念して臨むこの夏の大会、自身のバッティングの調子はどうでしょう?
A.いろいろな方々からバッティング指導をしてもらって調子はいいので、次の試合も絶好調でやっていきたいなと思っています。
Q.次、4回戦が待っています。どんな戦いを見せてくれますか?
A.チーム的にも雰囲気はいいので、圧勝できなくてもなんとか粘り強い野球をして、一戦一戦全力でやっていきたいな、と思っています。
<杉森>
Q.今年は下級生も多く試合に出ている中で、2年生としてどんな気持ちでこの夏の大会は臨んでいるのですか?
A.下級生が多い中で、下級生を引っ張っていくことを心掛けています。
Q.その中で今日は大磯との一戦、一時逆転を許したり厳しい場面もあったと思いますが、どんな気持ちで戦っていました?
A.6回に自分のエラーで逆転されてしまったので、ここで絶対に打って逆転してやろうと思って打席に入りました。
A.はい、フルスイングでいい打球が行ってたので良かったです。

Q.今日は保土ヶ谷の大応援の中でした。雰囲気はどうだったでしょうか?
A.大応援の中で観客のみんなも応援してくてたので、自分も乗ることができました。
Q.非常に積極的なバッティングも目立っていました。チームの中ではどんな存在になっていきたいですか?
A.自分は下位打線を打っているので、上位に繋げられるように、そしてチャンスをメイクできるように次も頑張っていきたいです。
Q.改めて次の試合への意気込みを一言お願いします。
A.慶應日本一を掲げているのですけど、一戦必勝でまずは神奈川を征したいです。
2026年07月14日
心温まる一枚の写真 【塾高/徳留と大磯/酒井の笑顔】
大磯との試合で見つけた心温まるワンシーン、1枚の写真。

7回裏、塾高の攻撃で四球で出塁した徳留がセカンドに進んだ時のシーン。セカンドベース上でユニフォーム泥まみれの徳留と大磯の酒井選手が何やら笑顔で会話をしていた。
酒井選手の左利きセヵンド守備の素晴らしさは観戦記で書いたが、きっと徳留が酒井に対して、「左のセカンド守備、素晴らしいな」という声掛けをして笑顔の二人だったのではないか?と想像する。そうであってほしいな(笑)。
二人ともとてもいい笑顔であり、二人の笑顔を見ていると、とてもほのぼのとした温かい気持ちになってくる。高校野球を通じて交わされた会話と素敵な笑顔、この試合で一番のほのぼの写真でした。
【観戦記26-08】大磯(3回戦:260713)
第108回全国高校野球選手権神奈川大会、3回戦で塾高は大磯と対戦し、11-4の7回コールでで勝利し4回戦へコマを進めた。

◆2026年7月13日(月)
全国高校野球選手権神奈川大会(3回戦)
@サーティーフォー保土ヶ谷
大磯 200 020 0 =4
塾高 210 050 3×=11
(慶)大村、是永、渡辺−延末
(大)池、平井、池−宮島
【二】杉森、湯本(慶)、高橋、池(大)
(出場選手)
─〔雜
D9 湯本
1 渡辺
А‖臻
壇上
3 八百板
ぁ/硬
ァ‘僧
Α/森
◆ ̄篷
(投手)
大村
是永
渡辺
対戦相手の県立大磯高校は創立100周年を迎えた記念すべき節目の年とのこと。野球部創部は昭和25年だが、過去に塾高との対戦はあったのだろうか。記録をさかのぼってみないとわからないが、夏の大会に限れば、2004年までさかのぼってみたが対戦したことはない。過去最高は4回戦進出とのこと。
試合開始。大磯の部員は19名でベンチ入り選手はマネージャーを除いて14名。整列で20名並ぶ塾高より列は短い。




先攻はじゃんけんに勝った大磯。初回の攻撃のインパクトに自信があり、初回から勢いをつけていきたい、という(tvkより)。大磯先頭打者はそのじゃんけんに勝って先攻を取った主将の高橋から。
塾高先発は大村。130キロ代のストレートを中心に投げこむがボール先行でスリーボール。これまでマウンド経験の豊富な大村も、最後の夏の大会の初登板は緊張から入っているかもしれない。

ひとつストライクを取ったスリーボールワンストライクからの5球目の134キロのストレートを打ち返されると打球は右中間を割る二塁打。まさに「初回の攻撃のインパクトに自信あり」のカウンターパンチだった。
延末が一呼吸入れてマウンドで大村とコミュニケーションを図る。

2番宮島は初球を送りバントしっかりと決め一死3塁。3番酒井に対してもボール先行でフルカウントから四球を与え一死1、3塁とランナーを背負う。
セカンド森田が大村に声をかける。森田は全体を見渡しながら、いつもいいタイミングで野手に声をかけている。いいアクションだな。

打席は4番池。大村は外角へのスライダー連投でツーストライクツーボールとした5球目、延末の構えとは逆に内角に投じられた134キロのストレートを池はレフト線へ打ち返し、二者生還の二塁打で2点を先制された。

神奈川新聞戦力分析によれば、酒井、池、高橋は長打力が売りという。「初回の攻撃のインパクトに自信あり」を高橋、池の二塁打で実現した大磯の初回の攻撃はインパクトがあった。
1回裏、塾高の攻撃。大磯先発の池は90キロ前後のスローカーブを中心に多彩な変化球を投じる。しかし、池も立ち上がりストライクが入らない。

矢口にスリーボールワンストライクから四球を与えると、2番湯本にもストレートの四球で無死1、2塁。ベンチから伝令が走る。

打席は3番渡辺。初回だし打たせるかとも思ったが、まずは早いうちに点を取り返しておきたいことから、ここは森林監督、手堅く渡辺にバントのサインを出した。
渡辺は初球バント失敗の2球目をしっかりと三塁側に転がすと、これを投手池がファンブルしエラーで無死満塁と思わずチャンスが広がった。

4番大棒はツーストライクと追い込まれた3球目が死球となり押し出しまず1点を返す。

5番檀上はフルカウントから外角のスローカーブを見逃して三振で一死満塁。
6番森田は4球目を打つとサードへのファールフライ。三塁手背走しながら追いかける難しい処理となったが、落下地点に入れずにファールとなり森田は助かった。

こういう記録に残らないプレーが失点につながることはよくあること。すると森田は6球目をレフトへの犠牲フライで三塁から湯本生還し、2-2の同点と試合を振り出しに戻した。

7番徳留は一ゴロでスリーアウト。

同点にベンチもほっと一息で「若き血」




塾高はこの回ノーヒットで2点を返した。大磯としては初回に投手池が自らのバットで2点を挙げて勢いに乗った1回裏の守備だったが、その池が自らのエラーを絡めた3四死球の独り相撲という一番悪いパターンで失点し、更にサードファールフライが捕れなかった後の犠飛で同点とされた。
せっかく、「初回の攻撃のインパクトに自信あり」を実現した初回だっただけに、大磯にとっては1回裏のこの自滅による2失点は悔いが残る守りだったことだろう。ただ、塾高の強力打線を如何に抑えるかを池も考えた上での投球であり、さらに試合の立ち上がりの投球は難しい。
90キロ台のスローカーブが中心の投球だが、徳留に投じたストレートは131キロを記録した。速球では通用しないと考えてのコンビネーションだったのかもしれないが、立ち上がり、そのスローカーブが決まらなかったのも痛かった。

2回表、大磯の先頭打者は3塁への打球、徳留体勢を崩しながらの一塁送球がそれて(記録はエラー)出塁。

大磯はスコアリングポジションにランナーを進めるべく8番打者バントは徳留が二塁送球で二封、9番打者再度バントは今度は大村が二塁送球で二封、堅い守りでランナーを進めさせない。要注意の1番高橋はセカンドゴロでこの回0点で抑えた。

2回裏、塾高はこの大会から背番号6をつけて公式戦初スタメンとなった8番杉森が期待に応えてライト前ヒットで出塁。


延末の時、ワイルドピッチで杉森二進、延末しっかりと送った一死3塁から矢口がライト前タイムリーヒットで塾高が3-2と勝ち越した。

矢口、吠える。

一死1塁で湯本はセカンドゴロで二死2塁。大磯のセカンドを守る酒井は左利きの二塁手だ。ファースト以外の内野手で左利きは珍しい。
左利きのセカンドは、捕球から一塁への送球時に体を大きく回転させる「逆モーション」になるため、素早い送球が難しく一般的には不利とされるため、滅多に見ることがない。というか僕はこれまで見たことがなかった。
内野の二遊間はキーポジションである。大磯の場合は部員が少ないこともあり、酒井選手のように攻守にわたり素晴らしいプレーを見せているセンスのある選手は、左投げの不利を踏まえてもセカンドを守らせる必要がチーム事情としてあるのだろう。
この試合、全部で4本のセカンドゴロが飛んだが、酒井選手はどれも機敏に処理をして素晴らしい守備を見せた。



二死2塁から渡辺は内野安打で二死1、3塁とするも大棒センターフライでこの回は1点にとどまった。
2回、3回と大磯をノーヒットに抑えた大村は4回表、先頭打者にセンター前ヒットを打たれた。大磯も元気よく応援を繰り広げる。

1点を追いかける大磯はここで送らずに強硬策に出たが、6-4-3のゲッツーでチャンスをつぶした。

5回表、1点を追いかける大磯は8番打者がショート強襲ヒットで出塁。記録はヒットだが、低目のライナーを杉森がグローブに当ててはじいたものであり、捕らなければならない打球だった。今後上位との試合では、こういうプレー一つが命取りになってくる。
9番は送りバントを決めて一死2塁で打席は1番キーマンの高橋。
高橋は打球はサード横へのゴロ。

多少イレギュラーしたが徳留バウンド合わせることができず、打球は高橋主将の執念のレフト前ヒットで一死1、3塁とピンチを広げた。これも徳留はボール正面には入りたかった打球。

ここでベンチから一条が伝令でマウンドへ走る。


2番宮島は2球目のストレートをライト前タイムリーヒット、3塁ランナー還り3-3と再び同点となった。

笑顔の宮島。

大磯ベンチ。

なおも一死1、3塁から左利きセカンドで好守を見せてきた3番酒井が初球をライト前タイムリーヒットで3塁ランナー還り、大磯が4-3と逆転に成功した。

今日(7/14)の神奈川新聞記事には、
「打倒慶應」を掲げ、打撃マシンを約140キロに設定して振り込んできたという。速球を打ち返して一時勝ち越しとした3番酒井は「学校のみんなが応援に集まってくれた。その思いも合わさったライト前だった」と感謝した。
との記事があった。「学校のみんなの思いも合わさったヒット」、これが高校野球の素晴らしいところ。クラスメイト、友達の応援に行き、友達に応援されて打った1本、みんなで打った1本のヒットはいつまでも残る大切な青春の思い出なのである。

この回4本のヒットでの逆転、どの打者も好球を逃すことなく思い切りのよいスイングで打ち返し、あっぱれの集中打であった。
ここで塾高は大村から是永に投手を交代。 
一死1、2塁で打席は4番池。是永ツーボールからの3球目、大磯はヒットエンドランを仕掛けてきた。打球はファールとなったが、勢いに乗って積極的な采配を振るってくる。

カウントツーボールワンストライクで是永がセットに入るとボークが宣言された。セットポジションからわずかに右足を浮かせた後に戻して軸足の左足をプレートから外したため、投球動作に入ってからの送球中止としてボークを取られた。
一死2、3塁となったことで4番池は申告敬遠で歩かせ、是永に代えてファーストを守っていた渡辺を3番手のマウンドへ送った。ファーストには八百板が入り、湯本がDH解除してライトにつく。

一死満塁から5番平井は初球を叩くと一塁への強いゴロ、八百板がこれをバックハンドでつかみホーム送球でアウトに。送球が高くそれてドキッとしたが、交代したばかりの初球の強い打球を八百板が落ちついちぇ良く捌いた。
次打者もライトフライに打ち取り、渡辺、ここは大磯に追加点を許さずに抑えた
5回裏の攻撃に入る前に円陣を組む塾高ベンチ。

3番渡辺はショートへの内野安打で出塁すると大棒がライト前ヒットで続き無死1、2塁。

逆転に向けて応援ボルテージの上がるスタンド。

八百板は三塁前にバント、これを投手池がファンブルし(記録はエラー)無死満塁とチャンスを広げた。

ここで森田はワンボールワンストライクからの3球目のストレートを強振するとセンター前ヒットで3塁から渡辺が還り、再び4-4の同点とした。
見逃せばボールだったかもしれないが、多少のボールでも好球は強気で打ち返す、という森田の強い気持ちが生んだ同点タイムリーであった。



なおも一死満塁から徳留押し出しの四球で5-4と逆転。徳留は小さくガッツポーズ。

なおも一死満塁で杉森はサード横を抜ける鋭い打球の二塁打で二者生還、7-4とリードを広げた。


一死2、3塁で延末のボテボテのサード前の打球で3塁ランナー還り8-4とこの回5点とビッグイニングを作り大磯を突き放した。
6回表、渡辺は大磯を三者凡退、7回表はヒット、死球で1、2塁とランナーを背負おうも危なげなく後続を断ち切り7回裏、塾高の攻撃に入った。
試合を見つめるベンチ選手。


一死から徳留が粘り11球目で四球を選ぶ。続く杉森は死球で一死1、2塁。ケツイテテの杉森。

延末三振で二死1、2塁から矢口がこの日2本目のタイムリーヒットで徳留生還で9-4と点差を5点に広げた。

スタンド若き血。

なおも一死1、2塁で湯本。2回戦、そしてこの試合とまだヒットが出ていない。勝ち上がるためには湯本の打棒は必要であり、早いうちに1本は打っておきたいところである。
との期待の中、ツーボールワンストライクのバッティングカウントからの4球目を叩くとセンターオーバーの二塁打で二者生還、11-4と7点差をつけてコールド勝ちを決めた。やっと湯本に1本、もう少しでホームランという大きな打球だった。 
整列。お互いの健闘を称えあう笑顔での握手だ。



この夏2回目の塾歌。



最後はコールド試合となったが、一時は第一シードである塾高を逆転して慌てさせた大磯。春は部員11名だったそうで、この夏19名(ベンチ入りは14名)と少ない部員の中、課題は言い出したらキリがないだろうが、全力での試合ができたのではないだろうか。
3安打を放ったリードオフマン主将高橋選手や左利きセカンドの酒井選手の好守備、そして5回の逆転タイムリーなどのプレーはとても印象に残ったし、全員がストライクに対して強い気持ちで力強くスイングをしてきた。高校野球の素晴らしさを感じさせてくれた試合だった。相手が強い、弱いに関係なく、相手をリスペクトできる試合ができることは本当に素晴らしいことである。

勝利の挨拶。









塾高も課題が多かった試合なのだと思うし、まだまだこれから試合を通じて調子を上げていくことだろう。一戦一戦、大切に勝ち上がってほしい。
◆4回戦
@バッティングパレス相石スタジアム平塚
横浜栄戦
(横浜栄のここまでの戦績)
1回戦:○5-0舞岡
2回戦:○13-0鶴嶺
3回戦:○7-0逗子開成
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2026年07月06日
神奈川県高校野球開会式(260705)
186校172チームが参加した第108回全国高校野球選手権神奈川大会開会式tvkからです。
選手入場。塾高紹介は「3年ぶりの第一シード、慶應義塾。2023年の日本一を見て入学した世代がこの夏3年生です。」
SFC紹介は「慶應藤沢のスローガンは一心。甘さや妥協を捨てチームの再生に取り組んできました。」



選手宣誓は立候補した主将の中から抽選で決まった逗子葉山高校の大岩主将。

「私たちは今日まで仲間と全力で野球と向き合ってきました。その中で立ち止まってしまうことが何度もありました。ライバルが次々と結果を出していく中で、自分も早く結果を出さなくてはと焦ってばかりの日々もありました。野球なんてやめてしまいたい、そう思った時もありました。
しかし、仲間や、両親、監督、コーチ、学校の先生方、友達、地域の方々の支えとエールがあったからこそ、どんなに落ち込んでもあきらめずに野球を続けることができました。そして今、このグラウンドに立っています。
我々選手一同は、今まで支えてきてくれた人たちに感謝し、最後まで全力で戦い抜き、笑顔で最高のプレーをすることを誓います。」
ハッキリとした大きな声で、堂々の立派な選手宣誓だった。
こんな堂々の選手宣誓を行う逗子葉山高校野球部ってどんなチームなのだろう。神奈川新聞の戦力分析を見てみたら、創部は令和5年と3年前の若いチームだ。部員は14人で選手宣誓をした大岩主将は4番を打つ。
レギュラーで3年生は大岩主将のほか、あと1名のみで1年生レギュラーもたくさんいるようだ。令和5年の創部以来3年間初戦敗退で、今年は創部初勝利を目指すという。頑張ってほしいな。
そんな逗子葉山高校と初戦で対戦するのはどこなのだろう、と調べてみたら厚木王子高校。ここはなんと令和6年創部だった。部員は逗子葉山よりも少ない13人で、校内から助っ人を募るなど困難もあるそうだ。
創部令和6年に初めて参加した夏は連合チームに勝利しているが、昨年は初戦敗退。逗子葉山も厚木王子も初々しいチーム、初戦突破を目指した好試合となる予感。
逗子葉山と厚木王子、きっと熱い戦いとなるのだろうな。甲子園出場を目指すチームもあれば、初戦突破を目指すチームもある。それぞれのレベルでそれぞれ目指す目標があるが、ここまで向き合ってきた野球を最後の夏に悔いのないように全力で取り組んでもらいたい。
強くても弱くても熱い気持ちはどのチーム、どの選手だって同じ。そこに感動が生まれるし、だから高校野球は素晴らしい。逗子葉山と厚木王子、こういう試合も見に行ってみたいものである。
高野連会長挨拶は朝木秀樹氏。朝木氏は東大野球部OBで報道ステーションの大越キャスターとバッテリーを組んでいた。卒業後は旧三和銀行(現・三菱UFJ銀行)に入行し、僕は当時独身寮で一緒だったので、今でも会えば挨拶はする仲である。
上が大越氏、下が朝木氏。

朝木氏は横浜隼人の部長から監督、筑波大駒場の監督などを務め、今年の6月から神奈川県高野連会長に就いた。野球に携わる人生の長い方であり、開会式での選手へのメッセージも決して形式的な内容ではなく、経験者だからこそ感じる重みを言葉にして伝えていた印象である。

塾高の試合は7/9(木)から始まります。僕は初戦は行けないですが、その後はすべて参戦予定です。熱い夏となりますように。
<試合スケジュール>
◆2回戦
7/9(木)9:00〜
@相模原ギオンベースボールパーク
元石川と県川崎の勝者
◆3回戦
7/13(月)9:00〜
@保土ヶ谷
大磯と平塚農商の勝者
◆4回戦
7/16(木)9:00〜
@平塚
鶴嶺、横浜栄、舞岡、白山、逗子開成の勝者
◆5回戦
7/18(土)9:00〜
@等々力
横浜青陵(第3シード)
◆準々決勝
7/21(火)11:30〜
@横浜スタジアム
立花学園(第2シード)、横浜隼人(第3シード)、横浜商
◆準決勝
7/24(金)9:00〜
@横浜スタジアム
横浜(第1シード)、相洋(第2シード)、三浦学苑、川和(第3シード)、東海大相模
◆決勝
7/26(日)14:00〜
@横浜スタジアム
横浜創学館、桐光学園(第1シード)、桐蔭学園、日大藤沢(第2シード)、鎌倉学園、橘、神奈川工、藤沢翔陵(第3シード)
第一シードでも7回勝たないと甲子園に行けないのいです。神奈川は大変だ(^^;)
2026年07月02日
【神奈川新聞】SFCベンチ入りメンバー
大会前に毎年神奈川新聞で掲載される各チームの戦力分析から慶應湘南藤沢。

<打率5割の1番打者>
◆投
背番号1を任されるのは左腕木村(171センチ)。右打者の内角にしっかりと投げこむことができ、チェンジアップが得意球だ。春の大会で結果を残した横井はインステップでの切れの良いスライダーを投げ込む。この2人の継投が基本。
◆攻・守
打率5割を超える柴田が不動のリードオフマンで、主将山森と庄司は本塁打を狙える長距離砲。庄司は元々投手だが、打力を買われて野手に転向した。三塁斉藤は送球が安定していて、一塁三塁は捕球に自信を持つ。
◆ここに注目
OB常松広太郎が米大リーグ、カブスとマイナー契約を結んだ。ほかにも卒業後に東京六大学リーグで活躍する選手が同校から生まれている。
<登録メンバー>
1 木村創汰(3年:慶應湘南藤沢中)
2 山森堅介(3年:慶應湘南藤沢中)
3 三守悠太(3年:慶應湘南藤沢中)
4 高崎滝冬(3年:慶應湘南藤沢中)
5 斉藤大雅(2年:慶應湘南藤沢中)
6 柴田武蔵(3年:慶應湘南藤沢中)
7 庄司一郎(3年:慶應湘南藤沢中)
8 古田一馬(2年:手広)
9 新田大河(3年:慶應湘南藤沢中)
10 横井優樹(3年:慶應湘南藤沢中)
11 本多蒼介(1年:慶應湘南藤沢中)
12 渡辺筦次(3年:慶應湘南藤沢中)
13 山口聖那(2年:慶應湘南藤沢中)
14 橋本大哉(3年:慶應湘南藤沢中)
15 三枝伶晴(1年:慶應普通部)
16 塚本皐太(1年:慶應湘南藤沢中)
17 五島武志(2年:慶應湘南藤沢中)
18 三浦大雅(3年:慶應湘南藤沢中)
19 水井簾太良(1年:慶應湘南藤沢中)
20 森井駿斗(1年:慶應湘南藤沢中)
主務
柴田星空(3年:慶應湘南藤沢中)
2026年07月01日
【神奈川新聞】塾高ベンチ入りメンバー
大会前に毎年神奈川新聞で掲載される各チームの戦力分析から塾高戦力分析。

<日本一への準備整う>
◆投
エース湯本(178センチ)は、2年生ながら威力のある速球を投げ込む注目の二刀流。昨夏から経験を積んでおり、精神面でも成長してきた。渡辺も2年で、やはり湯本と中軸を打つ二刀流。多彩な球種を丁寧に配球して安定感がある。春は背番号1だった大村は神奈川の夏の厳しさを知る存在。若い投手陣をまとめて躍進を目指す。
◆攻・守
チーム打率3割2分超で、打の慶應は健在。湯本、渡辺、八百板らの長打力と壇上、矢口、大棒らの安定感が融合している。常に次の塁を狙う走塁もそつがない。森田、杉森の二遊間は神奈川トップレベル。中堅矢口も広い守備範囲を誇る。延末は2年生ながら投手陣の信頼を集める。
◆ここに注目
秋の県大会初戦敗退から、チーム一の努力家主将・徳留を中心に力をつけてきた。イメージトレーニングで日本一を思い描く。慶應復活の準備は整った。
<登録メンバー>
1 湯本琢心(2年:埼玉・越谷南/春日部B)
2 延末遵太(2年:東京・大鳥/世田谷西S)
3 渡辺英亜(2年:慶應普通部/世田谷西S)
4 森田竜平(3年:東京・御徒町台東/世田谷西S)
5 徳留海(3年:鹿児島・鹿児島育英館/軟式)
6 杉森大輝(2年:滋賀・稲枝/滋賀野洲B)
7 大棒琉雅(3年:宮城・西多賀/東北楽天S)
8 矢口翔大(2年:東京・深川二/世田谷西S)
9 壇上直太郎(2年:大阪・渋谷/北摂S)
10 大村哲誠(3年:愛知・平坂/豊田S)
11 志村泰輔(3年:千葉・久寺家/船橋B)
12 藤吉泰生(3年:神奈川・菅/横浜ク軟式)
13 長谷川海輝(3年:東京・開進第三/東京城南B)
14 島田晃輔(2年:東京・鶴巻/世田谷西S)
15 橋本周磨(2年:東京:錦糸/東京神宮S)
16 八百板直(3年:東京:世田谷富士/世田谷西S)
17 是永隼之介(3年:千葉・久寺家/佐倉S)
18 岡田宗一郎(1年:愛知・逢妻/豊田S)
19 一条皇慶(3年:慶應中等部/東練馬S)
20 寺本光希(3年:神奈川:市ヶ尾/横浜青葉S)
主務
谷明憲(3年:慶應普通部)
1 湯本琢心


2 延末遵太


3 渡辺英亜


4 森田竜平

5 徳留海


6 杉森大輝


7 大棒琉雅


8 矢口翔大


9 壇上直太郎


10 大村哲誠


11 志村泰輔


12 藤吉泰生


13 長谷川海輝


14 島田晃輔


15 橋本周磨


16 八百板直


17 是永隼之


18 岡田宗一郎
公式戦初ベンチ入りで写真なし
19 一条皇慶

20 寺本光希

主務


2026年06月09日
【観戦記26-07】早慶3回戦、5季ぶりの優勝(250601)
早慶戦3回戦は慶應が早稲田に3-0で勝利し、2023年秋以来5季ぶり41回目の優勝を決めた。
◆2026年6月1日(月)
早慶3回戦
早稲田 000 000 000 =0
慶應 010 002 00×=3
(慶)渡辺和、鈴木佳門−吉開
(早)宮城、安田、香西、岡村、佐宗、中村−大越
試合開始前のスタンド挨拶、この3連戦いつもそうだったが、怪我で出場できなくなった中塚の背番号2のユニフォームを掲げて、スタンドで応援する中塚に示している。
今季、ここまで活躍をしてきた中塚なので、優勝を決める早慶戦に出場できないことはさぞ残念な気持ちであると思うが、ちゃんと気持ちはベンチで仲間と一緒である。

塾先発は渡辺。前日の天覧試合で1点リードの最終回にマウンドに上がったが、まさかの2点を与えサヨナラ負けを喫した。
試合終了後は相当の落ち込みの様子だったが、気持ちを切り替えて優勝のかかる3回戦で、リーグ戦初の3連騰で再びのマウンドである。

初回、2回とヒットを許すも危なげなく後続を断って安定した立ち上がりを見せた。
先制点を取ったのは塾。2回、一死から一宮四球で吉野がライト前ヒットで続き一死1、2塁。

吉開はワンボールツーストライクと追い込まれてからの5球目の低めをちょこんと当てると内野安打で一死満塁とチャンスを広げた。

打席は今季12試合目の出場となるがなんとスタメン起用は初めてとなる横地。ここで早稲田先発の宮城は横地に対してストライクが入らず、ストレートで押し出し四球を与え、塾が1点を先制した。四球をもぎ取り、よっしゃーとばかりに吠える横地。

3回表、渡辺は早稲田1番からの好打順を三者連続三振で抑えた。気持ちも気合も入ってきた。
3回裏、二死から今津が左中間を破る二塁打で出塁するも一宮ライトフライで無得点。


4回表、渡辺は早稲田の先頭打者、4番寺尾にライト前ヒットを許すも徳丸をピッチャーゴロで1-6-3のゲッツーに打ち取り、6番川尻は三球三振に打ち取っり、さらに、さらに調子が上がってきた。

川尻を三振に打ち取り、拳を握り声が出る渡辺。

5回表の渡辺も圧巻だった。7番高橋を三振、8番大越も三振、9番山根には四球を許すも1番霜を三球三振で抑えた。ここも拳を握り吠える渡辺。いいね、エンジン全開である。

6回表も早稲田を三者凡退で抑えると6回裏、塾が欲しかった追加点を挙げた。
先頭の小原がライトスタンドへソロホームランでまず1点追加。渡辺が好投を続けてきているだけに、本当に欲しかった追加点である。


吠えながらベースを回る小原。

なおも今津が二打席連続となる二塁打で出塁。一宮四球、吉野犠打、吉開死球で一死満塁とチャンスを広げた。打席は横地。横地の打球はショートとセンターの間への浅い飛球となった。

これをセンター寺尾がキャッチするもショート山根と接触しそうになり少しバランスを崩した。この一瞬の隙をサードランナー今津は見逃さなかった。

なんとタッチアップで本塁突入!写真で見てわかる通り、早稲田寺尾の捕球した場所はショート守備位置の茶色グラウンドと外野緑色グラウンドの境目近くであり、普通であればタッチアップできる深さの飛球ではない。
ただ、今津は、早稲田守備陣の捕球体制を見ながら、普通であればハーフウェイで様子を見そうなところをタッチアップできると判断してのスタートを切ったのである。

普段からの練習と走塁への意識、そして素晴らしい状況判断力がなければ、とてもできるプレーではない。とても勇気がいるプレーである。
2回戦の時にファーストゴロで2塁から本塁突入した丸田の走塁が素晴らしかったが、この今津の走塁も同等の高いレベルでの走塁。ひとつでも先を狙ってやろう、という意識がチーム内でしっかりと浸透していることの表れでもあると感じた。
早稲田と2点差をつけるこの3点目はこの日の渡辺の調子からすればとても大きな1点であり、終盤に向けてチームを勢いづける1点だった。今津のビッグプレー、この試合で最も価値のある熱盛プレーだった。
今津のこの喜びの表情を見れば、どれだけのプレーであったのかが伺える。

自らのビッグプレーでチームを引っ張り鼓舞する今津。いいキャプテンである。

8回表、渡辺は先頭の山根に二塁打を打たれる。4回にヒットを打たれて以来の安打を許した。1番は霜。1回戦、先頭打者の霜に先頭打者ホームランを打たれた打者だ。2回戦でも代打で途中から出場し、ホームランを含む2安打とこの早慶戦で乗っている選手である。
ただ、この試合、渡辺は霜にしっかりとリベンジ投球をしてきた。ここまで三打席3三振と完璧に抑えている。そしてこの場面もツーボールツーストライクから空振りの三振に打ち取りこの試合、霜から4三振。絶対に抑えてやるという渡辺の本気が霜を圧倒した。
二死から四球を与え二死1、2塁で上田コーチがマウンドへ走り、ここは一呼吸置いた。

4番寺尾の2球目、ワイルドピッチで二死2、3塁と一転、一打同点のピンチを迎えた。早慶戦は何が起きるかわからない。寺尾にはこの日一本ヒットを打たれており、最も注意する打者の一人である。渡辺、この試合最大のピンチ、凌ぎ場である。
そしてここは渡辺が踏ん張った。フルカウントからの6球目、寺尾の打球はセカンドフライで二者残塁のスリーアウト。気持ちのこもった渡辺の素晴らしい投球であった。
寺尾を打ち取り、再びマウンドで雄叫びを上げる渡辺。

しかし雄叫びを上げたものの、全身全霊の投球で大ピンチを凌いだ渡辺のその表情は疲れ切っていた。林が渡辺の肩を叩いてナイスピッチを称える。

今津に丸田も。

渡辺は8回を5安打11奪三振無失点でマウンドを降りた。この試合投球数は124球、3日間合計で252球の力投となった。
一旦ブルペンに歩く渡辺。この後、何度も応援スタンドの声援に対して左手をあげて応えていた。本人も納得の素晴らしい投球だった。

最終回のマウンドは鈴木佳門に託された。今季10試合目の登板となる。1試合で投げる最長イニングは2回までと短いイニングでのリリーフ登板だが、自責点はわずか1、防御率は0.59と抜群の安定感を示している。この春は佳門の成長がとても大きかったことだろう。

佳門は徳丸を三振に打ち取ると川尻をサードゴロで二死、最後は高橋をライトフライに打ち取り、優勝を飾った。



スタンドに挨拶。




右端の渡辺は涙。

いつも明るい大村。

吉野の目にも涙。


優勝のかかった早慶戦、エースとしてチームの勝利を一身に背負ってきた渡辺。優勝を目の前にした2回戦では逆転負けを喫し、絶対に負けることができない3回戦は強い覚悟を持ってマウンドに上がったことだろう。その重圧は相応を絶するものだったに違いない。
今、重圧から解放され、優勝に貢献するナイスピッチで優勝を掴んだ安心感からか、渡辺は思わずひざまずき、涙を流した。

堀井監督と今津主将。

涙の渡辺を称える今津。渡辺の右手にはウイニングボールが。優勝の立役者、渡辺にボールが渡って良かったな。


堀井監督優勝インタビュー。

今津主将。


渡辺。

優勝スコア

加藤部長、堀井監督、上田コーチ。

天皇杯が今津主将へ。

優勝旗を受け取る上田副将。

その他写真がたくさんあるので、またゆっくりと貼り付けます。
2026年06月03日
【観戦記26-06】早慶2回戦、天覧試合(260531)
東京六大学野球で1994年以来、32年ぶりの天覧試合。天皇陛下と愛子さまが観戦された早慶2回戦は、伝統の早慶戦にふさわしい1点を争う好ゲーム、間違いなく歴史に名を刻む素晴らしいゲームとなった。
試合中は塾、早稲田に気の向くまま微笑みを見せ続けた勝利の女神様は、最後には早稲田に微笑み、それがとても悔しい。しかしこんな白熱した好試合を陛下と愛子さまに見ていただけたのはOBとしてもとても誇りに感じるのである。
塾は勝てばリーグ優勝が決まる試合であったが、最後の最後に逆転サヨナラ負けで優勝は3回戦に持ち越された。悔しすぎる、本当に悔しすぎた試合だった。でも、本当に滅多に見ることができないほどの好ゲームに清々しさも感じる部分もあった。
◆2026年5月31日(日)
早慶2回戦
慶應 101 002 000
=4
早稲田 010 100 102×=5
(慶)広池、水野、鈴木佳、渡辺和−吉開
(早)宮城、中村、佐宗、岡村−尾形、川尻
先制は塾、一死から小原がレフト前ヒット。

今津がセカンドへの内野安打で続く。

4番一宮がライト前へクリーンヒットで一死満塁と早稲田先発の宮城に襲い掛かる。

吉野はセカンドフライで二死満塁から林が押し出しの四球で1点を先制した。

ホームインした小原、吠えながらベンチに戻る。

塾先発は広池。この春は明治戦を除いてすべての対戦で第二戦の先発を任されてきた。東大戦こそ6回を投げて勝ち投手になったが、それ以外の試合では投球回数は3回が最長であり、この試合もどこまで投げることができるか、いずれにせよ継投となることが予想される。

その広池、初回はわずか7球の三者凡退で早稲田を抑えたが、2回裏、一死から5番徳丸にレフト中段まで運ばれるホームランを打たれ、1-1の同点となった。
次打者にも内野安打を許し、早稲田の大声援を浴びた投球が続いたが、ここは後続を三振、セカンドフライに抑えた。
同点とされた3回表、先頭の今津が四球で出塁。良くバットが止まった。 
一死から吉野も四球で一死1、2塁とすると、林のライトへの飛球で2塁ランナー今津は三塁へタッチアップで二死1、3塁。
打席は7番藤田。怪我の中塚に代わってこの早慶戦からスタメン出場している。ワンストライクからの2球目、インコースのストレートをうまく腕を畳みながら打ち返すとライト前へのタイムリーヒットで3塁ランナーの今津が生還し再び2-1と塾が1点リードした。藤田はリーグ戦初ヒットである。

もしも今津が2塁ランナーだったら本塁はクロスプレーになったことだろう。そういう意味で林のライトフライで3塁にタッチアップで進んだ今津の走塁は、追加点につながるとても大きなナイスプレーだった。
塁上で手を挙げてベンチに応える藤田。期待に応えた一打である。

4回表を終わったところで球場に天皇陛下と愛子さまの到着がアナウンスされた。スタンドの観客は起立し、選手や監督もグラウンドに整列して、ガラス張りのバックネット裏の貴賓席に視線を注いだ。



すぐにお二人が姿を現した。天皇陛下は薄いグレーのジャケット、愛子さまは初夏らしい爽やかなグリーンのスーツ姿で、一塁側、正面、三塁側と順番に会釈し、球場全体が暖かく大きな歓声と拍手で包まれた。
天皇陛下の暖かい笑顔、エレガントな雰囲気は本当に素晴らしい。そして愛子さま、なんて可愛らしいことか。陛下の横でニコニコして笑顔を降り注ぎ、ほんわかした優しい笑顔と優しい雰囲気がとても素敵である。
お二人の笑顔を見ているだけで、とても明るくほっとした気持ちになってくるから不思議である。本物の気品なのである。この写真を眺めているだけでもどれだけ幸せな気持ちになることか。

今回が32年ぶりの東京六大学野球展覧試合。僕は天覧試合を経験するのはこれが最初で最後かな。貴重な時間をご一緒できることに大きな喜びを感じるのである。陛下にも愛子さまにも伝統の早慶戦を楽しんでいただきたい。
試合が再開されると、早稲田4番の寺尾がいきなりレフトオーバーの二塁打を放った。天覧試合で俺が最初にヒットを打った、と一生自慢のネタとなることだろう(笑)。
ここでベンチから上田コーチがマウンドへ。上田さんがマウンドに来ることに対して笑顔で迎える選手たち。

そして上田さんが何か言葉を伝えるとさらにみんなが大笑い。吉野のこの大笑いは何なのだろう(笑)。

ピンチの時の笑いはとても大事。笑いは闘争心を薄めるのではなく、冷静な自分を取り戻すのにとても役立つ、とは上田さんが著書「エンジョイベースボール」でも書いている。上田さん自身がジョーク大好きだから、ここは「お前ら、陛下が来て何を気取ってんだよ」くらい言っているのかな?
いや、上田さんならもっと面白いことを言っているに違いない、ということはこの吉野の大笑いの笑顔を見たら容易に想像がつく。(後日、この瞬間に上田さんが何を話していたのかがわかりました。たった一言のさすが上田さん、と聞いて笑ってしまったけど、その内容はひみつです(笑))
しかし、次打者一塁ゴロで一死3塁からタイムリーを打たれて再び2-2の同点となった。
5回から塾は広池に代えて水野を2番手でマウンドへ送った。四球とヒットで一死1、2塁とランナーを背負ったが、次打者のショートゴロで二封のあと今津は三塁へ送球し3塁ランナーをアウトにするゲッツーでピンチを切り抜けた。

5回を終わって2-2の同点。1点を争ういいゲームである。試合中の貴賓席を覗いてみた。愛子さまがメガネをかけている。ちょっとレアな写真?双眼鏡も使いながらの本格観戦だったそうだ。写真からは何か話(質問?)をしている愛子さまを陛下が父親の暖かいまなざしで見つめているのがわかる。親子の表情、いい雰囲気だな。

ニュースによると、愛子さまは高校野球を見ているそうで、大阪桐蔭、仙台育英、塾高など最近の優勝校の選手に反応して「名前を覚えています」ということだったそうだ。丸田、八木あたりにも反応したことだと思う。
土日ともにかなり観客が入った神宮球場。日曜日は2万9500人の大観衆で埋まったという。これだけの観客の前でプレーができる選手は幸せである。

6回表、塾の攻撃は先頭吉開が四球、丸田の送りバントを早稲田送球エラー、小原犠牲バントで一死2、3塁で3番今津を打席に迎えた。
今津の打球は高いファーストゴロ、3塁ランナー吉開ホームインで1点追加し、早稲田のファースト佐藤が1塁ベースを踏みに行く。
僕は三塁コーチャーボックス後ろあたりの最前列でカメラを構えながら観戦していたが、目の前を疾風の如く駆け抜けるランナーが目に入ってきた。えっ!と思ったら、2塁から何も躊躇することなく3塁ベースを蹴って本塁へ突入していく丸田であった。
その加速したスピードは恐ろしく速い。まるでリニア新幹線である。目の前をビューと走り去っていったのである。
慌てた早稲田ファースト佐藤の本塁送球も悪送球となり丸田がホームイン。この回、丸田の足もあり、ノーヒットで2点を挙げて4-2と勝ち越した。
1点を争うゲームで、こういう形で得点をあげることができるチームは強い。この丸田の足には本当にびっくりしたな。プロの足である。大きな武器である。自信をもって走っている。こんなプレーはなかなかお目にかかれないビッグプレーだった。しびれたな・・・。

セーフコールをする主審の山口さんの表情が嬉しそう。山口さんは試合中に声で選手を激励しながら選手と一緒にグラウンドを駆け回り、選手と一緒に試合を作り上げていく球児もファンも大好きな名審判である。2023年、塾高が甲子園で優勝した時の仙台育英との決勝戦でも主審を務めていただいた。
色々な試合、数多くの試合を裁いてきた山口さんにとっても、きっとあまり見たことないビッグプレーであり、主審としてセーフコールを行う醍醐味を感じながらのコール、楽しいプレーがこの笑顔になったのでは?と感じてしまう。飛び跳ねて喜ぶ吉開も可愛い(笑)


塾は7回から鈴木佳門が3番手でマウンドに上がった。

一死から早稲田は早慶1回戦で公式戦デビューし、いきなり初回に渡辺から先頭打者本塁打を打った霜を代打に送り出した。ワンボールからの二球目、フルスイングの打球は再びレフトスタンド中段へのホームランとなり、4-3と1点差に追い上げられた。霜がこの早慶戦、ラッキーボーイとなりかねない勢いのある打者となりそうである。
1塁側スタンドでは紺碧の空が響きわたる。

1点を失ったものの、後続を抑えて笑顔でベンチに戻る鈴木佳門。

8回表、1点差に詰め寄られた塾は吉開がレフト前ヒット。

丸田がライト前ヒットで続き無死1、2塁と早稲田を突き放す絶好のチャンスを迎えた。

小原は初球の送りバントをファールとすると2球目はヒッティングに切り替えたがレフトフライで一死1、2塁と変わった。
ここは何としても引っ張ってゴロを打ち、ランナーを進めたかった場面であり、小原もそれは意識したバッティングを心掛けたと思うが、高目のストレートを叩きつけることができなかった。

結局、今津一塁ゴロ、一宮レフトフライに終わり、絶好の追加点のチャンスを逃した攻撃は、少し嫌な感じが残った。
そんな中、8回裏、佳門は先頭打者にヒットを許す。嫌な流れである。しかし、ここから佳門が力強い粘りの投球を見せつけたのである。

6番壽田は2球バント失敗で追い込むと3球目もスリーバントを試みるが失敗で三振。7番代打川尻を三球三振、すべて見逃しでバットを一度も振らせなかった。そして8番山根はツーボールツーストライクからの5球目を空振りの三振。圧巻の三者連続三振でピンチを凌いだ。佳門、逞しく頼もしい迫力ある投球だった。
最後、山根を三振に打ち取りマウンドで吠える佳門。ここは気合が入ったな。

9回表、塾は先頭の吉野のヒットから二死3塁と追加点のチャンスを作り、打席は八木。この試合、3回、5回とスコアリングポジションにランナーを置いての打席を凡退しており、ここは絶対に打ちたいところ。
そして捉えた打球は左中間への大きな飛球、抜けたか?2万9500人の視線が打球の行方を追った。

抜けるか?というその打球を早稲田センターの寺尾がフェンス手前で転びながらのナイスキャッチ。グローブの中に入れたボールを離してたまるか、という気迫のこもった超ファインプレーで失点を防いだ。こういうプレーも早慶戦だからこそ出た気迫のプレーかもしれない。


あれを捕られては仕方がない、と笑うしかない八木。

9回裏、2点を追う早稲田の攻撃。塾はこの春のここまで9勝の塾の勝利の中で6勝を挙げて、まさに大黒柱として活躍をしてきたエース渡辺を最終回のマウンドを送り出した。3塁側慶應スタンドは大きな拍手で渡辺を送り出す。

早稲田小宮山監督は、代打に井櫻を送った。試合中は気が付かなかったが、井櫻は高松商業時代の渡辺の同級生なのである。この春に4年生になって神宮デビューを果たしたものの、ここまで代打代走で3試合出場してきたが、2打数0安打とまだヒットはない選手だ。
神宮での実績はない選手だが、渡辺との高校同級生、こういう選手をここでぶつけてくるのが小宮山監督である。4年生の意地を、高校同級生の意地をこの早慶戦の大舞台で見せてみろ、というところである。
その井櫻が渡辺の初球を振りぬくと、打球はセンター丸田の頭上を越える二塁打となった。初球からストライクを積極的に振ってやろうという井櫻の強い気持ちが素晴らしかったが、実績からすれば渡辺の方がここまでは上。でもこういう結果を、選手の見えない力を引き出すのが早慶戦なのである。
1番霜はレフト前に落ちるヒットで無死1、3塁と同点のチャンスを迎えた。霜、やはりラッキーボーイである。そして2番代打の高橋の初球に霜が二盗成功で無死2、3塁となり、一打サヨナラ負けのピンチを背負った渡辺。
そして高橋をツーストライクと追い込みながらもセンターへの犠牲フライで3塁ランナーの井櫻がホームイン、早稲田は4-4として土壇場で試合を振り出しに戻した。 
なおも一死2塁から一塁ゴロ、四球で二死1、3塁となり打席は5番徳丸。大阪桐蔭出身の徳丸はまだ2年生だが、この春の成績を見てみると、ここまで12試合出場してノーヒットだったのはわずか2試合のみ。この試合でもホームランを含む2安打を打っており、塾としてはとても嫌な相手となる好打者である。
そしてカウントスリーボールワンストライクからの5球目、徳丸の打球は詰まりながらもセンター前に落ちた。3塁ランナーが生還し5-4で早稲田が土壇場でのサヨナラ勝ち、渡辺で抑えに行った塾としては、信じられないようなまさかの敗戦となった。
先頭打者、高松商同期の井櫻への初球に二塁打を打たれたのがとても痛かった。渡辺は最後までリズムに乗ることができなかった。
サヨナラ打に喜ぶ徳丸。

喜ぶ選手たち。

天覧試合で優勝を決められずに悔しい気持ちでいっぱいの今津主将。スタンドへの挨拶。

両校校歌、塾歌、エール交換の間、両チームともベンチ前に整列する。

やがて、エール交換まで見届けられた陛下、愛子さまが最後、スタンドの観客に向かって左右を向きながらいつものように暖かい笑顔とともに手を振ってご退場された。観客はみんな手を振りながら幸せな気持ちになる。
残念ながら塾は負けてしまったが、歴史に残る素晴らしいゲーム、これぞ早慶戦とうい天覧試合をご覧いただけたことはとても嬉しく思う。一緒に観戦できたこと、僕らもとても幸せに思います。
スタンドの前を肩を落として引き上げる渡辺が通った。思わず「明日、頑張れよ!」と声をかけたが、きっと聞こえていないか、聞こえても反応できる気持ちではなかったはず。
最終回、普通の試合であれば好投を続ける鈴木佳門を最終回も続投させる選択もあったと思う。ただここは今シーズン頑張ってきた渡辺を最後胴上げ投手にしてあげたい、渡辺で締めたい、というベンチの気持ちが十分にわかるし、もちろん渡辺にはその力があるから任せている。
WBCの時も先発投手のリリーフ起用の難しさが指摘されたが、そういう部分はあったかもしれない。でも、これが学生野球のいいところ。結果論で議論すべきでないし、僕は渡辺の起用にワクワクしたし、抑えてくれるものと応援した。だから渡辺で打たれたことに悔いはない敗戦である。
第三戦の先発は渡辺が予想された。気持ちを切り替えて頑張ってくれることを期待しながらその背中を見送ったのだった。
本当、天覧試合で優勝を決められなかったことはとても残念だったが、なかなか見られないほどの好試合、これぞ「The
早慶戦」という試合は感動した。やはり、早慶戦は素晴らしいな、応援できる幸せをしみじみと感じながら、明日の必勝を祈って神宮を後にしたのである。

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2026年05月13日
【観戦記26-05】横浜創学館(準決勝)
高校野球春季神奈川県大会準決勝、塾高は横浜創学館と対戦。勝利して関東大会出場を決めたいところだったが、残念ながら1-4で悔しい敗戦となった。
■2026年5月2日(土)
高校野球春季神奈川県大会(準決勝)
@横浜スタジアム
横浜創学館 010 020 010 =4
慶應義塾 001 000 000=1
(慶)湯本●、渡辺−延末
(横)上村〇、稲峰−今村
【本】近藤(横)
【二】湯本(慶)、川崎(横)

(出場選手)
1 渡辺
─ 矢口
D9 湯本
А‖臻
3 八百板
ァ‘僧
H 長谷川
R 志村
5 橋本
ぁ/硬
壇上
6 関
H 上籔
6 杉森
◆ ̄篷
(投手)
湯本
渡辺
青空の下、久しぶりのハマスタ。2023年、全国優勝した夏の県大会決勝の横浜戦以来、約3年ぶりである。久しぶりだな、保土ヶ谷も大好きだが、ハマスタもやはり気持ちがいい。
・(観戦記)2023年夏決勝:横浜戦(前半)
・(観戦記)2023年夏決勝:横浜戦(後半)

試合開始前にスタンド前に選手とスタンドの控え選手が集まり気勢をあげる。グラウンドとスタンドはネット挟んで近く、選手たちの一体感も他の球場に比べてその盛り上がりはいやが上にも高まる。

試合前の塾歌からエール交換。


ハマスタのスコアボードに3年ぶりに表示される慶應義塾もなんとなくうれしい。

試合開始。



塾高先発は湯本。

ハマスタは球速がスコアボードに表示されるので、この試合は球速もできるだけ確認しながら記録をつけてみる。1回表の創学館の攻撃、3塁側応援スタンドは紫のタオルで応援が始まった。

湯本の初球は137キロのストレートのストライク。2球目、3球目とストレートをファール、球速は138キロ、140キロとスピードを上げると4球目は142キロで見逃し三振。すべてストレートで球速を上げた。
2番打者の初球が121キロ変化球だったがあとはすべてストレート、2番、3番と簡単に打ちとり、初回はわずか8球で終わる素晴らしい立ち上がりを見せた。
セカンドゴロを処理する森田。

1回裏、塾高の攻撃。1塁コーチャーに志村が立つと、スタンドの仲間から何やら声援が飛び笑顔の志村。

横浜創学館先発は2番手投手の上村。「相手が直球に張っていたので、スプリットで空振りを取った」(神奈川新聞より)のとおり、低めに丁寧にスプリットを集める投球で組み立ててきた。
スプリットの球速は122キロ前後。先頭の渡辺にはスプリットでワンボールツーストライクと追い込むと143キロのストレートを投げこんできた。びっくりした、ストレートも速いのである。渡辺ファールで逃げたが次の129キロのスプリットは当てるだけのセカンドゴロに打ち取られた。前のストレートと14キロの速度差が効果的だ。

2番矢口の初球は140キロのストレートから入ると120キロ台のスプリットを続けて追い込むと最後は136キロのストレートで空振り三振。
湯本に対してもスプリットとストレートを混ぜながら最後は142キロのストレートで空振りの三振に打ち取る。横浜創学館の上村も素晴らしい立ち上がりを見せた。

2回表、横浜創学館の攻撃。湯本は先頭にフルカウントから四球を与え、犠打で一死2塁、次打者二ゴロで二死3塁から7番近藤に131キロの変化球をセンター前に落とされ先制点を許した。
1点を失った湯本、次打者には多分この試合最速の144キロを投じ三振に抑えた。湯本、気持ちに気合が入る。
2回裏も三者凡退に抑えられた塾高は3回裏、先頭の森田が内野安打で出塁。壇上送って一死2塁から延末は初球をセンター前に打ち返す。

2塁ランナー森田は懸命にホームへ。

本塁クロスプレーもタッチをかいくぐりホームイン、1-1の同点と試合を振り出しに戻した。


吠える森田。

タイムリーを打った延末も塁上で可愛い笑顔を見せる。 
2回まで三者凡退に抑えられ、相手に1点を先制されて嫌な感じがする中、この回にワンチャンスをしっかりと得点につなげて早い回で同点に追いついたのはいい流れだった。
3回、4回と湯本は横浜創学館の上位打線を1四球ノーヒットと危なげない投球で抑えた。
風に流されながらのサードフライをぎりぎりナイスキャッチの徳留。

セカントとセンター間の飛球を森田が背走しながらナイスキャッチ。バックもしっかりと守った。

しかし5回表、横浜創学館は先頭の7番近藤が湯本の136キロのストレートを振りぬくと打球はレフトスタンドに突き刺さった。公式戦初本塁打とのこと。思い切りに一発を食らった。2回の先制打も近藤。湯本は他の打者は抑えていたが、近藤だけに打たれた形となった。
ベンチに笑顔で迎えられる近藤。


ここで気持ちを切り替えて流れを止めていきたい湯本だが、続く8番打者にストライクが入らない。スリーボールとなり延末がマウンドの湯本へ走り間を取った。しかし次の投球も外れストレートで四球を与えた。良くない流れだ。

9番送って一死2塁から1番川崎は湯本の初球、112キロの甘く入った変化球を強振するとライト戦への二塁打、2塁ランナー還り、この回2点目を許して1-3とリードを広げられた。
試合前の神奈川新聞では、秋は背番号1をつけていた川崎は故障明けで打者に専念、不動の1番として打線をけん引、と書かれていたが、まさに横浜創学館にさらなる勢いをつける一打を食らった。
ここで塾高は湯本に代わって渡辺が2番手のマウンドへ。ここまで湯本は手元記録では球数63球。決して多い投球数ではないが、この日も気温は暑く、そのあたりの影響もあったかもしれない。
湯本はまだ2年生、マウンドで投げる体力、気力など、まだまだこれから伸びしろたっぷりである。この日のノックアウトをいい経験として夏に向けてさらに成長をしてくれることだろう。益々の成長に大いに期待しています。

ファーストを守っていた渡辺がマウンドに上がったため、ショートの八百板がファーストに、湯本はライトに入り、ライトの壇上に代わってショートに関が入った。
一死2塁で試合再開。ここでさらなる失点はきつい。何としても抑えたい厳しい局面での湯本と同じく2年生の渡辺へのリレーである。

代わり端、2番にフルカウントで粘られた7球目をレフト前にヒットを打たれ一死1、3塁とピンチを広げた。そして打席には3番の主将品田。とても、とても嫌な雰囲気である。頑張れ、英亜!
品田は初球を強振してきた。甘いボールを見逃さず積極的に押してくる。しかし、打球はショートへのゴロ、守備に入ったばかりの関から森田、八百坂とボールが渡り6-4-3のゲッツーでこの最大のピンチを切り抜けた。
ゲッツー成立に飛び跳ねて全身で喜びを表す関。下級生の頃はおとなしい印象だったが、この春はたくさんの笑顔も見せてベンチスタートの時は伝令に走るなど感情豊かにチームを引っ張る頼りになる最上級生になった気がする。もともと守備は上手な関、気持ちの入ったナイスプレーであった。

3-1と横浜創学館リードで5回を終了。塾高は横浜創学館の上村の低めに丁寧に投げこむスプリットにタイミングが合わず、ここまで3回の2安打のみ。5回までのアウト15のうち、三振が6、内野ゴロ7、フライのアウトは0と上村の落ちる球に打たされて完全に術中にはまった形だ。何とか対策を講じていきたいところだ。
グラウンド整備の間に両チームスタンドの応援。横浜創学館はチアが「SOGAKU FIGHT !」を掲げて元気がいい。チアもみんないい笑顔で元気、明るい雰囲気がとてもよく伝わってくる。
SOGAKU

FIGHT!

塾高もいつもの選手による掛け合いで盛り上がる。





6回、7回と渡辺は120キロ前半の変化球と130キロ後半のストレートと緩急織り交ぜながら丁寧な投球で横浜創学館を三者凡退に抑えた。

中盤で1点ずつでも返していきたい塾高だが、6回も三者凡退に抑えられた。横浜創学館の上村は、前半は120キロ代のスプリット中心の組み立てだったが、5回あたりからストレート中心の投球に組み替えてきた。球速は130キロ台後半だが、塾高打線に的を絞らせない。
7回裏、塾高は二死から八百板がサードへの内野安打で出塁。

徳留の代打、長谷川はセンター前ヒットで続き二死1、2塁とチャンスを作った。長谷川には代走で1塁コーチャーをしていた志村。

1塁上でベンチに応える長谷川。

ここで横浜創学館はベンチから伝令がマウンドへ走った。ここまで上村は手元記録では75球。最後の踏ん張りどころである。

打席は森田。ワンボールツーストライクと追い込まれてから森田はファールで粘った。この場面、上村は1球スプリットを挟んだものの、141キロのストレートを含むストレートでぐいぐい押してきた。そして最後はインローを森田が見逃し三振。
試合の行方を左右する7回裏のこの大事な場面、上村の気持ちのこもったボールが森田を抑えた見事な投球だった。横浜創学館の今村捕手のキャッチング表情がカッコいい。気合が伝わてくる。

ピンチを凌いで沸く横浜創学館ベンチ。

8回表、横浜創学館は先頭川崎がライト前ヒットで出塁。犠打で一死2塁から3番品田はサードゴロ、これをこの回から代走の志村に代わり守りについた橋本が処理をするも、1塁への送球が高く浮いた。

1塁八百板、決して捕れない送球ではなかったがファーストミットを弾いたボールはファールグラウンドへ転がり、一死1、3塁とピンチを迎えた。
ベンチから伝令で徳留主将がマウンドへ走る。

横浜創学館スタンドは大応援が続く。

4番打者はセンターへの大きな犠牲フライで3塁ランナー生還し、1-4とリードを広げられた。8回という試合終盤で、エラーから失ったこの1点は痛かった。
なおも二死2塁で打席は5番石井。畳みかける気合が伝わってくる。

石井はカウントツーストライクツ−ボールからの5球目をレフト前ヒット。

2塁ランナーは一気にホームを狙うが、ここはレフト大棒から好返球で本塁クロスプレーもタッチアウト。


好返球でピンチを救った大棒。ナイスプレーだった。

大棒の好返球により1失点で抑えた塾高の8回裏の攻撃。3点差を考えれば何としても1点でもこの回に取り返したい。横浜創学館はこの回から背番号1の稲嶺がマウンドに上がった。エースで2イニング3点差を守りにいく。

塾高は8番関の代打上籔が打席に。稲嶺は最初から速球をどんどん投げこむ。137キロ、138キロのストレートで上籔を追い込むと最後はなんと144キロのストレートで上籔を空振り三振でワンアウト。

延末はセンターフライの二死からここまでノーヒットの渡辺が初球を打ち返してセンター前ヒット。

何としても渡辺を返したい塾高だが、矢口はライトフライに打ち取られこの回も無失点に終わった。

9回表、塾高は代打上藪にかわりショートに杉森が守りについた。

横浜創学館は先頭の6番稲葉がライト前ヒットで出塁。一死から8番今村がレフト前ヒット、犠打で二死2、3塁とし打席は1番この日2安打の川崎。塾高は申告敬遠で川崎との勝負を避けて二死満塁で2番沼崎。ツーボールとボール先行となるも、3球目、沼崎の打球はライトフライとなり三者残塁、ピンチを切り抜けて最終回の攻撃に望みをつないだ。
3点を追いかけての塾高最後の攻撃は3番湯本。一塁線を破る二塁打で出塁。



4番大棒はフルカウントからファールで粘る。横浜創学館の稲嶺は132キロ、135キロ、140キロとストレートでぐいぐいと力強く押してくる。そして8球目、138キロのストレートを大棒見逃しの三振でワンアウト。
続く八百坂に対してもストレート一本だ。141キロ、136キロで追い込み143キロをファールのあと138キロを空振り三振でツーアウト。
橋本は138キロ見送ったあとの142キロを打つもレフトフライで試合終了。この回すべてストレート勝負の稲嶺の気迫に負けた。
レフトフライに打ちとり喜ぶ稲嶺。

勝利にベンチから飛び出す横浜創学館選手。笑顔がまぶしい。

ナイスピーの稲嶺を迎える。

最終スコアボード。

2023年の夏の甲子園優勝以来、
・2023年秋 準々決勝(●0-4桐光学園)
・2024年春 準々決勝(●4-9横浜)
・2024年夏 5回戦(●2-4桐蔭学園)
・2024年秋 準々決勝(●4-5平塚学園)
・2025年春 3回戦(●3-5横浜商大)
・2025年夏 4回戦(●0-7日大)
・2026年春 2回戦(●1-3武相)
だった塾高は、今回3年ぶりの準決勝進出を果たし、あと1勝で3年ぶりの関東大会出場切符を手にしたが、あと一歩で逃し、スタンド挨拶を終えた選手は肩を落としてベンチに戻る。

でも、久々に横浜スタジアムに連れてきてもらい、久々に関東大会にも行きたかったから、そこはとても残念だったが、昨秋に比べれば明らかにチームの成長を感じたこの春の大会だった。一冬超えて体も大きくなっている。データに基づいた筋トレを行ってきたそうだ。
技術面でも春先のキャンプでは社会人野球で活躍した
佐藤旭(大学では主将を務め、東芝では2017年〜2021年まで主将としてチームを牽引、2017年には社会人野球日本代表の主将を務め、日本代表を優勝に導く)
瀬戸西純(塾高史上でも鉄壁の守備を見せたショートの名手、軽快なフットワークと広い守備範囲で魅了した。社会人ではENEOSで活躍)
森田晃介(塾高では2年でエースとなり夏の大会準優勝に貢献、社会人ではJFE東日本で活躍)
がグラウンドで選手を指導した。
実際にプレーを見せての指導や、知識の引き出しの多さに選手だけでなく、選手を教える学生コーチも大きな刺激を受けて成長したという。そういった指導の効果が少しずつ出てきたのではないかと思うのである。
ちなみに彼らが塾高で活躍していた時代は、今よりもずっとずっと熱く観戦記などを書いていた時代だったので、彼らもこのブログにはたくさん登場しています。
上位からも下位からもチャンスを作れる打線は頼もしい。パワーもついたし下位打線でも長打が打てる選手が揃う。特にこの秋は、8番に座る壇上の好調なバッティングが印象的だった。この冬で大きく成長した選手の一人と聞く。
投手陣も例年に比べれば2年生の湯本、渡辺を中心に、3年生の寺本、大村、志村、是永らと揃っている。夏に向けて、3年生がどこまで意地を見せて成長するか、そこも大きな楽しみであり期待を寄せるところである。
チームも明るくて元気がいい。
昨秋の初戦敗退から這い上がっていくしかない塾高、この春はベスト4でこれも3年ぶりに夏の大会第一シードを獲得した。ちなみに2024年は第二シード、2025年はノーシードでした。過去6年間では夏の大会で4回もノーシードとなっており、久々の第一シードでまた勢いをつけて頑張りたいところ。
ここから夏の大会まで1か月半、あっという間にやってくる。もう一度チャレンジャー精神で熱く長い夏を迎えてほしいと思います。楽しみにして夏を応援します。
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2026年05月01日
塾高対横浜創学館:神奈川新聞から

日本一に輝いた2023年以来の第一シードを獲得した慶應。試合を重ねるごとに、打力に磨きがかかっている。
今年のチームは上位から下位までコンスタントに打ってチャンスを作ることができるのが大きな強み。上位打線は出塁のみならず長打も期待できる。法政二戦では2番湯本がスリーラン、横浜青陵戦では4番大棒がスリーラン、そして立花学園戦では渡辺がツーランホームランと効果的な一発を放った。
湯本

大棒

渡辺

下位打線がしっかりと打つのも塾高の強み。打順はここ3試合変わるが、
◆法政二
・7番森田2安打
・8番壇上2安打
・9番延末1安打
チーム12安打中5安打が下位打線
◆横浜青陵
・7番橋本2安打
・8番関2安打
・9番延末ノーヒット
チーム11安打中4安打が下位打線
◆立花学園
・7番森田ノーヒット
・8番壇上3安打
・9番延末1安打
チーム10安打中4安打が下位打線
と、上位打線と同じように下位打線がしっかりと打ている。上位からも下位からもチャンスを作れてランナーを返すことができている。相手投手からしたら息をつく暇もないいやらしい打線である。
湯本と渡辺は本格右腕としてもチームを支える。法政二では湯本先発、横浜青陵戦では渡辺が先発し、立花学園戦では先発の大村を湯本が繋ぎ、渡辺が締めるなど、先発、救援どちらでも活躍をみせる。
森林監督は「誰が出ても戦力が落ちない『レギュラー13人体制』を目指している」と語り、夏に向けてのい熾烈な争いも注目の一つだ。
『レギュラー13人体制』か。ここ3試合で野手の先発は渡辺、湯本、矢口、大棒、八百板、徳留、森田、壇上、延末、橋本、関。2番手につけている橋本と関は横浜青陵戦でそれぞれ2安打で結果を出している。
投手陣も近年には見られなかったほど層が厚い。この3試合では湯本、渡辺、大村が先発の役割をしっかりと果たした。横浜青陵戦でリリーフ登板した是永、志村、寺本も前チームから実績のある投手で安定した投球は頼もしい。
(ブログ)
・【写真】横浜青陵戦で登板した4投手
試合を重ねるごとに力をつけているチーム。この勢いは止めたくない。そして何回か書いたけど、このチームの明るさ、飾らない元気は大きな魅力である。何としても準決勝の横浜創学館には勝利して関東大会出場は最低限の目標だ。
<横浜創学館>
今大会、初戦の強豪校の向上、平塚学園、川和、相洋に快勝しているだけでなく、うち3試合がコールドで勝ち上がりは圧倒的だ。
投手陣は4試合(30イニング)で1失点。先発完投ではなく、エース稲嶺、2年生右腕上村、右横手の畑木の継投で勝ち進んできた。ここまで森田誠一監督(61)の継投のタイミングがさえ渡っている。
打線は4四阿で29得点を挙げた。秋は背番号1だった川崎が故障明けで、打者に専念。不動の1番として打線をけん引し、川和戦では一発を放った。中軸はもちろん、下位に入る今村、谷岡も活発で、打線に切れ目がない、初優勝に向け、チームの士気も上がっている。(神奈川新聞 和田秀太郎)
2026年04月30日
【観戦記26-04】立花学園(準々決勝)
高校野球春季神奈川県大会準々決勝、塾高は昨年秋の県大会でベスト4の立花学園と対戦。この春の大会、昨秋県大会準優勝で関東大会に進んだ法政二戦に続いて塾高の今の力が試される強豪校との試合だったが、粘り強い試合で7-4で勝利、ベスト4へ勝ち進み、2023年甲子園で全国制覇して以来3年ぶりの夏の神奈川大会第一シードを獲得した。

■2026年4月26日(日)
高校野球春季神奈川県大会(準々決勝)
サーティーフォー保土ヶ谷球場
立花学園 000 300 010 =4
慶應義塾 040 030 00×=7
(慶)大村、湯本〇、渡辺−延末
(法)櫻井●、根本−山内
【本】渡辺(慶)
【二】八百坂(慶)、矢代、今松(立)
(出場選手)
1 渡辺
─ 矢口
D19 湯本
А‖臻
3 八百板
ァ‘僧
ぁ/硬
ァ|転
◆ ̄篷
(投手)
大村
湯本
渡辺
試合前にスタンドに挨拶を終えた選手たち。スタンドにいるベンチに入らない選手に向かってスタンドの一番前に集まれ、と声をかけた。
遠慮がちな1年生に対しても「1年生、もっとこっちに来い!」と呼び集める。そしてグラウンドで掛け声の音頭を壇上がとって何かを叫ぶと、グラウンドの選手とスタンドの選手たちが全員で雄たけびを挙げて盛り上がった。
グラウンドの選手もスタンドの選手もむっちゃ明るくて元気で、見ているこっちまで元気になってくる。ベンチの選手だけでなくスタンドの仲間も一緒に戦うのだという一体感が気持ちいい。
今年のチーム、みんなとても明るい。ベンチの雰囲気もいい。とても大切なことである。
試合で勝てるかどうかは、個々の部員がどういうアクションを起こし、それがきちんと機能したかに尽きる。
レギュラーであれ、控え選手であれ、ベンチに入れない選手であっても、個々の部員たちが自分のすべきことをきちんと考え、一生懸命努力し、仕事をきちんとこなし、野球を愛して、チームが勝つための役割を全うできたら必ず勝てるはず。
「試合に勝つということは、チーム全体で『作品』を作っていくようなもの。この『作品』こぞが「エンジョイ・ベースボール」である。(上田誠氏著書「エンジョイ・ベースボール」から)
選手たちがどこまで意識してのことかわからないが、このグラウンドとスタンドの選手一体となった雄たけびもチーム全体での『作品』作りであり、それを意識せずにみんなが自然な気持ちで作り上げているのが素晴らしいと感じた。
選手一人ひとりの顔を見てみると、本当、みんな楽しそうな表情をしているから、見ているこっちまで楽しくなってきてしまうのである。

試合開始。





塾高先発は大村。立ち上がり、先頭に四球を与えるが後続三人を抑えた。

立花学園先発はエース根本ではなく背番号10の左腕櫻井。

先頭の渡辺が四球で出塁するが、矢口の一ゴロで渡辺は二塁フォースアウト。ベンチに戻ってきた渡辺は櫻井投手の投球について湯本に情報を伝達する。渡辺はフルカウントからの四球で6球を見たので、そこからの感覚を伝えたことだろう。

しかし塾高も後続を断たれ無得点に終わった。
2回表、立花学園は一死から6番がセンター前ヒットで出塁するも、7番のショートライナーで1塁ランナー戻れずにフォースアウトのゲッツー、3人でチェンジ、大村はわずか8球でこの回を終えた。

2回裏、先頭の八百板が四球で出塁。ここは徳留がしっかりと送って一死2塁。

徳留も立花学園櫻井投手の情報を次打者の壇上に伝える。

森田三振で二死2塁でその壇上が打席に入った。カウントツーボールワンストライクのバッティングカウントから壇上はレフト前にタイムリーヒット、2塁から八百板生還し塾高が1-0と先制。徳留情報は参考になったのだろうか。

壇上二盗で二死2塁とチャンスを広げた。

延末はレフト前タイムリーヒットで壇上生還し2-0とする。


生還した壇上はくしゃくしゃの顔でガッツポーズ。

ここで立花学園は櫻井に代えてエース根本をマウンドに送った。先発櫻井もいい投球をしていたと思うが、2点を取られてさすがにこれ以上は点を取られたくない、いうところで早々の交代となった。
根本投手、投球練習を見ると、左手を大きく振り上げて思いっきり手を振ってくるダイナミックなフォームで評判通りの力強い速球を投げこむ。ただ、塾高打線は変則的な投手には手こずる過去があるが、速球主体の投手には案外しっかりと打っており、今のチームも上位から下位までしっかりとバットを振ってきているので、案外ついていけるかも、なんて予感はした。 

試合再開。二死1塁で打席は渡辺。ワンストライクワンボールからの3球目、ワイルドピッチで延末が二塁へ進んで二死2塁。根本、ここは絶対に抑えてやるとかなり力が入ったかもしれない。
渡辺は冷静だった。ワイルドピッチのあとの4球目のストライクを取りに来た甘く入ったストレートを強振すると打球はレフトスタンドの芝生へ吸い込まれるツーランホームラン、4-0とリードを広げる大きな一発となった。

2塁ベース手前で飛び跳ねて喜ぶ渡辺。



立花学園はこれ以上塾高に点を与えることはできない、と根本に交代したその最初の打者にツーランホームランを打たれ、かなりショックは大きかったものと思う。ただ、まだ試合は2回で始まったばかりであり、まだまだ勝負はこれからである。
3回は両チームともに三者凡退で終わる。大村もコントロールがよく、わずか6球でこの回を終える。
しかし4回表、立花学園は先頭打者がライト前ヒットで出塁。次打者四球で無死1、2塁とランナーを背負うと、ここで森林監督が動いた。大村に代わり湯本をマウンドに送る。手元記録では大村の投球数はまだ38球だったが、投手層が厚い塾高は、ここは早めの継投策をとってきた。


打席は4番主将の山内。立ち上がり湯本はストライクが入らずスリーボールとなるが、ここからストライクを続け、山内は送りバント成功で一死2、3塁と立花学園はチャンスを作る。
5番今松が打席に入る前に、たった今、送りバントを成功させた山内が伝令で走った。

湯本はDHで出場していたが、投手への交代により塾高はDHが消滅。

その伝令を受けた5番今松はワンボールからの2球目をレフト前タイムリーヒット、2塁ランナー生還し1点を返した。伝令情報が効いたかな。
なおも四球で一死満塁から7番にレフト前タイムリーを打たれ2者生還、この回3点を取られて3-4と一気に1点差に詰め寄られ、一気に試合展開がわからなくなった。
4回裏、塾高は二死から壇上がヒットで出塁するも盗塁しで三者で終わる。
壇上はこの試合6回にもヒットを打ち3安打。法政二戦でもスタメンで三塁打を含む2安打と7番、8番の下位打線に座りながらしっかりと打てる頼もしい下位打者である。

5回表、勢いがついてきた立花学園は1番俊足の菅沼がショートへの内野安打で出塁。2番八代は送りバントするが、これを湯本がセカンドへ送球するもセーフ、フィルダースチョイスとなった。
俊足菅沼の足やバントの転がり方を見ると二塁でのアウトは難しいタイミングだったが、ここはなんとしても立花学園の勢いを止めたいという湯本の焦りからフィルダースチョイスが発生した。
送りバントで一死2、3塁、一打逆転のピンチを招いて立花学園は4番主将の山内が打席に。ここで踏ん張れるか、または同点さらには逆転とされるか、この試合の中盤の大きな山場を迎えた。
ワンボールから空振り、見逃しストライクでワンボールツーストライクになった時、立花学園ベンチから打席の山内に伝令が送られた。笑顔で山内の所の走る伝令選手。この笑顔がとても爽やかで清々しい。

この珍しいタイミングでの伝令。笑顔で山内に何かを伝えている。何を伝えたのだろう。伝令を終えて頼んだぞ、という伝令選手の表情と、ヨシ!とばかりの表情の山内。二人とてもいい表情で絵になっている。


ただ、それと勝負は別である。ツーボールルーストライクからファールで2球粘る山内。湯本も山内もここは引けない場面である。そして投じた7球目、湯本の高目のストレートを山内は思い切り強振したがバットは空を切った。空振り三振で二者残塁、湯本が無死1、2塁のピンチを凌いだ。
この場面がこの試合では大きなポイントだった。4回の勢いを受けて立花学園に流れが行くのか、それとも塾高がそれを食い止めて渡さないのか。見ごたえのある攻防だった。湯本、よく踏ん張った。

5回表、塾高は一死から渡辺がライト前ヒットで出塁。矢口の時、二盗を試みるもアウトで二死ランナーなし。

渡辺の盗塁死で勢いを絶たれそうな塾高だったが、ここで矢口は粘った。フルカウントからの7球目を内野安打で出塁。簡単には終わらない、何としてもくらいついていく、という気持ちが表れた打席だった。

打者湯本の2球目、5球目とヒットエンドランを仕掛けるもファールとなる。何とかしかけてタンスを広げたい塾高。すると6球目の時、矢口が二盗成功で二死2塁。いろいろと仕掛けてくる森林監督だ。

湯本のバットに期待がかかる。7球目、外角の変化球に泳がされながらもバットを投げるように食らいいて当てた打球はレフト前へのタイムリーヒットで矢口が2塁から生還しまず1点。

矢口、いい笑顔で生還だ。

なおも大棒がセンター前ヒットで繋ぎ二死1、2塁。立花学園はベンチかえら伝令が走りマウンドで集まった。

5番八百板は左中間への二塁打。

湯本に続いて1塁から大棒も生還しこの回3点をあげた。

二死からの4連打、つなぐ4連打でドロドロと粘り強く、しつこく取った3点。このチームは大きいのも打てるが、上位から下位までそつなく打てる打線が強みであり、まさにどれだけ繋ぐことができるかがチーム力を示していく。
「ツーアウトから点を取ることに命をかけろ」のエンジョイベースボール、それを久々に見た塾高打線だった。こういう点の取り方ができるチームは強いなと思う。
立花学園にとっても、1点差としてくらいついてきた中、二死ランナーなしからの4連打で3点を取られたことのダメージは大きい。この3点は4点、5点くらいに感じる重みのある得点だった。5回表の無死1、2塁のピンチを凌いだからこそ呼び込めた流れでもあった。まさに試合の流れをうまく呼び込んだ塾高の見事な攻撃だった。
2塁ベース上で吠える八百板。

ホームインした大棒の敬礼がペコちゃんみたいで可愛い(笑)

5回を終了して横浜隼人園芸が保土ヶ谷名物のグラウンド整備を行う。久々に見たけど、相変わらずキビキビしていて気持ちがいい。ただ、トンボ掛けをトレーニング変わりにしているという中腰での姿勢、前は膝を90度直角に曲げるまでもっと腰を深く落として、こりゃキツイわ!といった姿勢でのトンボ掛けだった。外野がごめんなさい、いつも楽しみにしているので(笑)。いつもありがとう。

6回以降、湯本は安定した投球を見せた。8回表、先頭打者に二塁打を打たれ、内野ゴロで一死3塁も、3点差があることから塾高内野陣は前進守備を取らずに定位置での守備位置につく。そしてショートゴロの間に三塁ランナー生還は許して1点を渡したがアウトカウントを進め二死ランナーなし。
ここで湯本に代わってファーストを守っていた渡辺が3番手でマウンドへ。ショート八百板がファーストに入り、ショートには関が入った。湯本はライトのポジションについた。
渡辺はわずか1球でショートゴロに打ち取り8回を終了して7-4と塾高リード。

9回表、渡辺は連打を浴びて無死1、2塁のピンチを背負うも次打者を4-6-3の併殺打に打ち取った。

併殺打に吠える八百板と併殺を完成した二塁手森田を指さして気持ちを伝える渡辺。

そして最後の打者を打ち取り試合終了、右手をぐるぐる回して喜ぶ渡辺。

2023年の全国大会優勝以来、春3年ぶりのベスト4を果たし、夏の大会第一シード獲得に喜ぶ選手。飛び跳ねて喜んでいる選手もいるし、勝ち上がるたびにチームの力をつけ、調子も上がってきており、全員が本当に満面の笑みで明るくてチーム全体の雰囲気がとてもいい。


スタンド。


さあ次の準決勝は横浜創学館との対戦。勝てば関東大会出場が決まる試合である。このチーム、試合を重ねるごとに力をつけてきており、関東の強豪校との試合はさらにチームが成長する大きなチャンスである。
だからこそ、次の準決勝の勝利はとても大きな意味を持つ絶対に負けられない試合であり、個人的にも久々に関東大会に連れて行ってほしいと思います。次の試合もとても楽しみです。
◆準決勝
2026年5月2日
対横浜創学館
@横浜スタジアム
12:00〜(第二試合)
2026年04月25日
立花学園との対戦は20年ぶり。懐かしい観戦記から
立花学園との試合っていつ以来だろう、と思って調べたら、2006年秋季県大会3回戦で塾高が6-2で勝利して以来の対戦であることがわかった。20年ぶりの対戦ということになる。もちろん森林監督になってからは初めての対戦である。
この頃はかなり熱くブログも書いていたので観戦記も残っていた。当時から応援していたファンの方には懐かしい試合である。当時の観戦記を読み直して懐かしいつぶやきです(笑)
【観戦記】立花学園戦(3回戦:060909)
・2番手投手の黒住は今、NHKアナウンサーで頑張っている。甲子園スタンドからの中継などでも時々元気な顔を見ます。当時から男前だった(笑)。
・新2年生主体メンバーの中で1年生2名スタメン、レジェンド山崎錬と鈴木裕司。懐かしいな。彼らが最上級生になった2008年夏に46年ぶり17回目の夏の甲子園出場して準々決勝まで進出した。ずっと開けることができなかった重たい扉を開けたこの年、2023年塾高の甲子園日本一は、ここから始まったのである。
(記事)
46年ぶりの甲子園出場を決めた伝説の激闘・東海大相模との決勝戦
・球場が改装前の等々力球場である。写真を見てもスタンドが古くて金網も錆があり、かなり老朽化した球場であることがわかる。ただ、写真の3塁側ベンチ奥で観戦している方がいるが、昔の等々力球場は1塁側も3塁側もそこで観戦することができたので、球場でマスコミ関係者が撮るようにグラウンドの選手と同じ目線で撮影ができて、迫力、臨場感のある写真が撮れる唯一の球場で好きだった。今はグラウンド目線から撮影できる球場はないからな。懐かしい。

・この写真の奥にベンチの選手が並んでいるが、今の選手は当時に比べたらかなり体が大きくなっているな、と思う。当時は少しユニフォームがダブダブの選手もいて、まだ体が細い高校生。20年間で練習方法、筋力トレーニングなども改良され、選手の体つきがこれだけ変わったのだと思う。ベンチの一番左にいる上田誠監督が懐かしい(笑)。
【神奈川新聞】塾高対立花学園、戦力分析
明日、準々決勝で対戦する立花学園、昨年夏は第二シードからベスト、新チームになった昨秋県大会も桐光学園を破ってベスト4。但し準決勝では塾高がこの春3回戦で破った法政二に負けているから高校野球はわからない。
いずれにせよ最近は力をつけているチームであり、この秋、塾高が大きく成長するための大きな一戦である。神奈川新聞からです。
<立花学園>
俊足長打で好機演出
立花学園は上位打線が好調。俊足の1番菅沼、長打もある2番八代がチャンスをどれだけ演出できるか。最速143キロ右腕のエース根本は藤沢翔陵との4回戦で7回無失点と圧巻の投球内容だった。精神面や制球面での成長が見られ、与四球が少ない。
<慶應義塾>
試合重ね調子は上々
慶應は試合を重ねるごとに調子を上げる、チームの柱は投打の二刀流で活躍する湯本。法政二との3回戦では公式戦初本塁打を放った。4番大棒も横浜青陵戦で3安打3打点と当たっている。是永や寺本など枚数のそろう投手陣を正捕手延末がうまくリードしたい。
<これまでの戦績>
◆塾高
2回戦 6-4 茅ヶ崎北稜
3回戦 7-3 法政二
4回戦 12-2 横浜青陵
◆立花学園
2回戦 9-2 大磯(7回コールド)
3回戦 9-1 横浜商(7回コールド)
4回戦 7-0 藤沢翔陵(7回コールド)
◆準々決勝
対立花学園
9:30
@保土ヶ谷球場

【観戦記26-03】横浜青陵(4回戦:260418)
高校野球春季神奈川県大会4回戦、塾高は昨年春のセンバツ甲子園に21世紀枠で出場した横浜青陵と対戦。投打が嚙み合った塾高が12-2で完勝した。
■2026年4月18日(土)
高校野球春季神奈川県大会(4回戦)
等々力球場
慶應義塾 001 140 024 =12
横浜青陵 000 100 010=2
(慶)渡辺○、是永、志村、寺本−延末
(法)松嶋●、西田、二野宮、吉田隆、吉田幸、池田−加藤
【本】大棒(慶)
【二】湯本、橋本2、大棒(慶)、大和地、吉田隆(横)
(出場選手)
─〔雜
湯本
D 渡辺
А‖臻
八百板
ぁ/硬
ァゞ極
H 東
R6 藤森
関
2 一条
◆ ̄篷
H 上籔
R 門
5 徳留
P 渡辺
P 是永
P 志村
P 寺本






1回表、塾高は先頭矢口がサード強襲ヒットで出塁。

しかし湯本、渡辺、大棒と打ち取られ、ここは横浜青陵の松嶋が塾高を無失点に抑えた。無失点に抑え笑顔でベンチに戻る松嶋。野球少年の屈託のない笑顔がとても可愛い。この試合で撮った写真の中で、塾高選手も含めて一番笑顔が輝いていた写真である。

塾高先発は公式戦初先発の渡辺。投手兼DHであり、法政二戦での湯本に続いて二刀流だ。キャッチャー延末とは世田谷西シニアの同期バッテリーとなる。


先頭打者を初球ショートゴロに打ち取ると2番、3番を連続三振と素晴らしい立ち上がりで初回を三者凡退の無失点に抑えた。
先取点をあげたのは塾高。3回、この試合は先発ショートに入った関がセンター前ヒットで出塁。

法政二の観戦記で伝令に走る関のことを書いた。下級生の時はレギュラーショートだったが今大会は背番号16で、背番号6は八百坂がつけている。法政二戦ではファーストを守っていた渡辺がこの試合では先発、八百板はファーストに入り関がショートに入った。
ファースト八百板

選手層が厚く、内野陣の競争は激しそうだ。結果を出したい選手たちにとっては大切な一打席一打席だろう。そんな中、関にとっては一打席目から大きなアピールとなるヒットとなった。

延末が送り矢口右飛の二死2塁から湯本は初球から積極的に打ちに行くと打球は右中間を破るタイムリー二塁打、2塁から関が生還し1点を先制。


スタンド若き血。

4回表、塾高は先頭の大棒がライトオーバーの二塁打。森田の二ゴロで二死3塁からワイルドピッチで大棒生還、2-0とリードを広げた。

5回表、一死を取ったところで横浜青陵は先発の松嶋に代えて二番手に西田をマウンドに送った。ここまで2失点だが投球数も42球と少なく、決して悪い投球内容には見えなかった松嶋の交代は何か体調の悪さでもあったのであろうか。なぜ?と思う交代であった。
二番手の西田は矢口に四球、湯本には死球で一死1、2塁として打席は渡辺。渡辺はツーボールツーストライクからボールを一つ挟んで5球ファールで粘ると11球目をレフト前へタイムリー。このヒットも外角の変化球?を粘りながらレフトへ運んだ技ありのヒットであった。

渡辺に10球粘られた上のタイムリー、しかも3点目の失点は塾高に少し突き放された気持ちにもなる。交代したばかりの横浜青陵の西田投手にとっては精神的なダメージは大きかったかもしれない。
そんな中、続く4番大棒はツーボールとボール先行となった3球目のストライクを取りにきたストレートを見逃さなかった。当然、ストライクを取りに来るだろうと狙っていただろう。ドンピシャで振り抜いた打球はライトスタンドに飛び込むスリーランホームランで3点追加、6-0と大きくリードを広げた。

ホームランボールはライトスタンドの金網場外から試合を眺める観客の目の前に落ちた。(写真赤丸)

湯本(背番号7)を迎える森田ら選手たち。


スタンドは若き血で大いに沸く。

応援指導部も甲子園優勝以来部員も増えて、元気よくスタンドをリードして応援を続ける。僕も昔みたいに応援指導部とコンタクトはないから部員の名前もわからないけど、太鼓叩き、隙間から何枚か撮ったので載せてみます。



塾高渡辺は2回、3回とランナーを出すも危なげなく後続を断ち安定した投球を続ける。体が大きい渡辺から投げられるボールは重そうだし、何よりも低めに丁寧にコントロールされた投球が見ていて安心できた。
横浜青陵のスタンド応援は制服を着た選手が太鼓を叩き、ボードを掲げてスタンドをリードした。きびきびとした応援は球場の雰囲気を引き締め盛り上げた。


渡辺は4回も先頭にヒットを許すも5-4-3のゲッツーで相手に流れを渡さない。

しかし5回裏、二死から1番打者はレフトオーバーの大きな打球、大棒が懸命に飛び込むもわずかに届かずレフトオーバーの二塁打を打たれる。

二死2塁から2番打者にセンター前タイムリーを打たれ1点を返された。
5回を終わって6-1と塾高リード。両チームとも投手のコントロールがよく投球数が少なく、5回を終わって試合時間は1時間10分と早い試合展開となっている。
6回表、関がこの日二本目のヒットを打つも後続断たれる。

6回裏から塾高は渡辺に代わって是永が二番手でマウンドに上がった。是永は6回を三者凡退、7回も先頭打者に四球を与えるも後続を三人で抑えた。

8回表の塾高、先頭森田が四球のあと、橋本がこの試合2本目の二塁打を放つと一塁ランナーの森田が一気にホームインして1点追加。その後も関の送りバントとエラーでさらに1点近して8-1とリードを広げた。


8回裏、塾高は3番手で志村がマウンドに上がった。この回を無失点に抑えればコールド勝ちとなったが、ここは横浜青陵が意地を見せた。連打で無死2、3塁とすると内野ゴロの間に1点を返し、8-2として7回コールドはなくなった。志村は1点を失うも、その後2奪三振の力は見せた。

9回表、塾高は2安打に3つの四球、相手エラーも絡み4点を追加、12-2と大きくリードした。
この回びっくりしたこと。森田はずっと左打席だったけど、この回は右打席に立ってレフト前にヒットを打った。スイッチヒッターだったのである。しかも左の時はシルバーのバット、右の時はゴールドのバットと使用するバットが違っている。右と左で振りも力も違うのでだからだと思うけど、細かいところまでの感覚を大切にした打撃なのだと思う。
左打席の森田と右打席の森田。


あとは控え選手が代打、代走などで出場してきたので、写真だけ貼り付けます。
橋本の代打、東

東の代走、杉森

延末の代打、上藪

上籔の代走、門

延末に代わってキャッチャーに一条も入りましたが写真撮れなくてごめんなさい。また、次回に。
9回裏、塾高は4番手で寺本がマウンドへ。三者凡退で締めた。

この試合も投打にバランスよく試合を進め、12-2で完勝。

スタンドへ挨拶。



今年のスタンドにはとても元気のよいお母さまもいらっしゃった。良く声が通ってました。

横浜日吉新聞の記事では、森林監督インタビューで「あまり偏らず、相手がというよりは、自分たちのやるべきことを行ってきました。長打も出たので点は入りましたが、まだもうちょっと。ミートの精度とか追及したいと思います」と語り、夏に向けて育て甲斐があるチームと感じていると評価していたと書かれていた。
「育て甲斐のあるチーム」というのが楽しみである。選手まだまだ試合経験の若い素材のいい選手がたくさんそろっているので、これから試合を積み重ねながらの伸びしろは相当大きなものを森林監督も感じていることなのだと思う。選手の成長はもちろんのこと、選手のポテンシャルを引き出してチーム全員の力で勝ち進んでいく森林監督の腕も見せどころというとこである。
ちなみに先発の渡辺投手は73点くらいと採点したとのこと。随分と細かい点数だな(笑)と思いがら、ここも100点に向かって伸びしろたっぷりである。
※関連記事
2026年04月20日
2026年04月18日
【本日の一発】大棒スリーラン
2026年04月17日
【観戦記26-01】法政二(3回戦:260411)
春季県大会3回戦、塾高の対戦相手の法政二は昨秋の県大会で準優勝、33年ぶりに出場した関東大会ではセンバツに出場した花咲徳栄に5回まで9-0とリードしながら大逆転負けを喫して惜しくもセンバツ出場はならなかったが、エース松田投手を擁して力のあるチームである。
一方で塾高は2024年秋こそ準々決勝まで進んだが、2025年春は3回戦、夏は4回戦、新チームになった秋は初戦(2回戦)に武相に敗退と苦戦が続いていた。正直、新チームの力も未知であり、法政二との試合もかなり厳しい試合になるのではないか、もしかしたらこの夏、塾高はノーシードもありうるのでは、と心配もしたが、蓋をあけてみれば、湯本、大村の投手リレー、そして各打者の力強い打撃で7-3と法政二に完勝。
久々にとても気持ちの良い試合で日吉・武蔵小杉の東横線沿線対決、いやいや古豪対決を勝利で飾り夏の第三シードを確保、まずは一つの大きなヤマを越えた。

■2026年4月11日(土)
神奈川県高校野球春季大会(3回戦)
相模原ギオンベースボールパーク
法政二 000 003 000 =3
慶應義塾 100 032 01×=7
(慶)湯本○、大村−延末
(法)松田●、大塚−江澤
【本】湯本(慶)
【三】檀上(慶)
【二】延末(慶)
(出場選手)
3 渡辺
D 湯本
8 矢口
7 大棒
6 八百板
5 徳留
4 森田
9 壇上
2 延末
P 湯本
P 大村
2026年4月1日から施設命名権により、これまで15年間呼ばれてきたサーティーフォー相模原球場から、新たに7年間の契約で相模原ギオンベースボールパークの愛称に変更されたとのこと。スコアボードも名称が変わっていた。
新チームは秋初戦敗退もあり、まだほとんど選手の顔と名前がわからず。1試合でも多く試合を観戦して覚えることができますように(笑)。




試合開始、整列。




塾高先発は湯本。この春からDH制を導入した高校野球だが、塾高は「大谷ルール」で湯本が投手兼2番・DHに入った。初回、一死から連打、四球で一死満塁のピンチを背負うが、後続を右飛、一飛に打ち取り無失点に抑えた。


法政二先発の松田。

1回裏、塾高は先頭の渡辺が一塁への強い当たり、一塁手がはじき、1塁カバーに入った松田投手にトスするも、際どいタイミングで渡辺の足が速くセーフ。

湯本三振、矢口一ゴロでランナー入れ替わった後、ワイルドピッチで二死2塁から4番大棒がセンター前にタイム−ヒット。

2塁から矢口が生還して塾高が1点を先制した。

先制タイムリーに笑顔の大棒。

法政二のエース松田、どこまで打てるのだろう、という不安もあった中、立ち上がりに先制できたこと、そして何よりも松田から先に点を取っていけるぞ、打てるぞ、という雰囲気を作った大棒のこのタイムリーは、まずは大きな流れを塾高に引き寄せるという意味で、とても大きな一打だった。

2回からは湯本もだんだんと落ち着いた投球となった。2回表、一死から三塁線上の小飛球を八百坂がジャンプしてグラブを伸ばすも落球で一死2塁とランナーを許すも後続を打ち取る。

3回表は一死から四球、内野安打で二死1、3塁とまたもや得点圏にランナーを背負ったが、牽制で1塁ランナーが飛び出し1,2塁間に挟まれると3塁ランナーが本塁突入のタイミングを伺う。
しかし塾高内野陣は落ち着いていた。挟殺プレーを行いながらも3塁ランナーには目を配り、3塁ランナーが突入すると本塁送球でタッチアウト、落ち着いたいいプレーだった。

本塁タッチアウトに吠えるキャッチャー延末。お兄ちゃんと同じメガネなので、彼はすぐにわかる(笑)。


3回裏、塾高は二死からショートエラー、矢口のセンター前ヒット(写真)で二死1、2塁とチャンスを作るが、大棒ライトフライで追加点を奪えず。

湯本は4回三者凡退に抑えると、5回は先頭打者に死球を与えると犠打、ワイルドピッチで一死3塁とピンチを迎えた。
ここで背番号16の関がマウンドに伝令で走る。そして大きく深呼吸。

ベンチに戻る関は笑顔。そして両手を広げてベンチの仲間を煽る。

昔、このブログでよく引用させていただいた上田誠氏(現・慶大野球部コーチ)著書、エンジョイベースボールで、「笑いは、闘争心を薄めるのではなく、冷静な自分を取り戻すのにとても役にたつ。ピンチを迎えても、選手が勝手に自分たちでくだらないことを言って笑って盛り上がることができれば言うことはない。これは多くの公式戦を経験して多くの修羅場をくぐらなければ、なかなかできるものではない」と書かれており、僕は結構好きなフレーズである。
関のこの笑顔、ベンチ仲間への煽りはそれを意識しているのかはわからないが、関は今は背番号16をつけてベンチスタートだが、下級生の時からショートレギュラーを守ってきた選手であり、シニア時代からそれなりに修羅場をくぐってきた選手。
だからこういうピンチの場面での笑顔、明るさの大切さを心からわかっているのかもしれない。彼の満面の笑みには明るさがあり、チームに元気を与える。関の活躍もこれからの塾高躍進には欠かせない力、いいレギュラー争いをしていってほしい。

そしてこの回も湯本は後続を断ち、5回まで3安打3四死球で法政二打線を無得点に抑えた。ニュースによれば、ネット裏スカウトのスピードガンでは自己最速の146キロを記録したとのこと。

再び試合が動いたのは5回裏の塾高の攻撃。
先頭の延末が左中間に二塁打で出塁。


渡辺のショートゴロをエラーして無死1、2塁で打席には湯本を迎えた。バントの構えからバットを引いて初球はボール。

2球目もバントの構えからバットを引いたバスターでフルスイングした打球は打った瞬間「イッター」という打球。

ライト芝生席奥に吸い込まれたスリーランホームランで4-0とリードを広げた。ベースを回る湯本は野球少年の満面の笑みだ。

左から延末、湯本、渡辺。


5回を終わって4-0のリードにスタンド選手たちも雰囲気は明るく、掛け合いも盛り上がる。肩の凝らない自然な明るさと元気がいいな(笑)。



6回から塾高は湯本に代わり背番号1の大村が2番手でマウンドに上がった。

湯本は手元記録では投球数80球。この日、初夏の気候で温度はかなり上がっており、暑さへの体調の変化にも気をつけたいところ。塾高の中心選手として活躍する湯本だがまだ2年生、体力もまだまだこれからついていくところだろう。
だから森林監督も80球は湯本を交代させやすい球数だったのだと思う。もちろん、大村への信頼があるからこそロングリリーフを任せられることは言うまでもない。
しかし、代わり端の大村がつかまった。死球、ヒット、ショートエラーで二死満塁から3連打を食らい3失点、4-3と一気に1点差に詰め寄られた。

6回裏、塾高は一死から森田がこの日2本目のライト前ヒットで出塁。

壇上が左中間三塁打で森田が生還し5-3と再びリードを広げた。



7番森田、8番壇上はともにこの日2本目のヒット。下位打線がこれだけしっかりと打ってくれると試合展開もだいぶ楽になる。塾高打線は昨秋に比べて全体的にパワーアップしている印象だ。
壇上のこの左中間の打球を捕りに行った法政二のセンター富房が頭からフェンスに激突し、しばらく立ち上がれなかった。


意識はあるもののタンカで運ばれて交代というアクシデントとなった。


大昔みたいにコンクリートの外野フェンスではないけれど、クッションの硬さは球場それぞれで、相模原はあまりクッション性は高くないように見える。富房選手、なんともないといいが。勇気あるプレーに球場全体のスタンドから大きな拍手が送られた。
なおも一死3塁で打席は延末。前の打席では二塁打を打っている。ここも何としてでももう1点、3塁ランナーを返したいところで延末のバットに期待がかかる。
するとワンボールからの2球目、ベンチ森林監督は延末にスクイズのサイン、これをしっかりと決めて3塁から壇上生還でこの回2点目を上げて6-3とリードを3点に広げた。


ホームインした壇上。

スクイズを決めた延末。みんな野球少年の楽しそうな顔をしていていいな。

6回に3点を取られて1点差となったその裏に2点取り返して3点差としたのは、試合の中でゲームの流れを相手に渡さないとても大きな2得点であった。
7回表、大村は先頭打者に内野安打を許すも次打者をセカンドゴロゲッツーで三者凡退に抑えた。


7回裏、若き血のスタンド。

8回表も大村は法政二を三者凡退に抑えるとその裏、塾高は先頭の延末がサードエラーで出塁。渡辺四球の無死1、2塁から湯本のセンター前タイムリーヒットで延末が生還し7-3と点差を4点に広げた。


9回表、大村はヒット、エラーで二死2、3塁までランナーを背負ったが粘りの投球で後続を断ち、無失点に抑えて勝利を飾った。


法政二の好投手松田相手に塾高は12安打、この試合は徳留だけヒットが出なかったが、上位から下位まで力強い打球を打っており、一冬超えて逞しくなった塾高打線を感じた。湯本のホームランを含む3安打は頼もしかったし、本当、久しぶりに気持ちの良い勝利であった。


スタンドへの勝利の挨拶後、ベンチに戻る前に森林監督が選手を集めて何か話をした。珍しい光景である。法政二に勝利してもまだまだ最初の一歩、ホッとした選手の気持ちを引き締めるための話しだったのかもしれない。



公式戦は選手の力を大きく伸ばすのは過去の試合を見てきてとても強く感じること。去年は春、夏、秋とあまり勝ち上がることができずにきたが、このチームはとても伸びしろのあるチームとの印象。だからこそ一つでも多く勝ち上がって、しびれるような試合を経験して力をつけて行ってほしい。
ちょっと楽しみな今年の春季大会である。
2025年07月11日
塾高対SFC:4度目の慶慶対決

(写真は2013年春季県大会、塾高対SFC戦から)
第107回全国高校野球神奈川大会、明日2回戦で対戦する塾高とSFCとの対戦は、公式戦でこれまで3度あるが、夏の大会で対戦するのは今回が初めて。
塾高は応援指導部、SFCは応援指導委員会が応援を引っ張るが、どんな雰囲気になるだろう。
・どちらの攻撃も慶應のチャンスパターンが流れる。
・どちらが点を取っても若き血が歌われる。
・7回表、裏、それぞれの攻撃で若き血が歌われる。
・どちらが勝利しても勝利チームの校歌は塾歌が歌われる。
などなど。
試合前は両チームそれぞれに塾歌を歌うのだろうか?神宮の早慶戦で早慶両校が「早慶讃歌」を一緒に歌うが、いっそのこと、塾歌も同時に歌ったら楽しいのにな(笑)。
試合前のエール交換では相手のことをなんて呼ぶんだろう。塾高もSFCも「フレ〜、フレ〜、慶應」と自分のチームにエールを切った後に「フレ〜、フレ〜、○○」と相手チームにエールを切る。
今回は「フレ〜、フレ〜、慶應」を自分にも相手にも使うのだろうか?塾高はSFCのことを「藤沢」と呼ぶのかな?SFCは塾高を何と呼ぶ?「塾高?」
グラウンドでは同じユニフォームで試合が行われ、スタンドでは同じ応援歌が歌われ、何とも不思議な雰囲気かもしれない。これまでの3度の対戦は、SFCは応援がない春季、秋季県大会だったので(SFCの応援指導委員会は夏の大会のみ組成される)、応援が入るこの夏はどんな雰囲気になるのか楽しみである。


(SFC応援指導委員会による応援:過去の試合から)
これまでの3度の対戦は以下のとおり。どれも観戦記を残していた。世の中にこんな詳細な試合記録を残しているブログはない。改めてこのブログは凄いな、と自己満足(笑)。
2007年は春、秋と連続して対戦した。初めて対戦した2007年春は、塾高はSFCに勝利してそのまま県大会で日大藤沢を破り優勝しており、塾高はかなり強い時代でのSFCとの初対戦は8回コールドで塾高が勝利した。
そして新チームになってからの2007年秋季県大会は、その後大学、社会人ではエネオスで活躍した山崎錬を主将として、力道山の孫として話題になった田村、そして只野の2枚看板で2008年夏には、今でも語り継がれる決勝で東海大相模との死闘延長戦の末、優勝して46年ぶりの夏の甲子園出場を決めた強い代の塾高だった。
そんな強い代との2度目の対戦となったSFCは、塾高に1-2で惜敗した。当時のSFCのエース竹林は大学でも神宮で活躍した好投手で、もちろんその他にもいい選手が集まった強いチームでこの接戦好試合はとても記憶に残っている。
今年のSFCは昨秋、今春ともに地区予選敗退で県大会に出場できていない。もしかしたら塾高との実力差はあるのかもしれない。でも勝っても負けても一生懸命プレーし、それぞれの選手が持てる力を精一杯出し切り、好プレーで見せる笑顔に沸き、何よりも元気よく明るくプレーする選手たちの姿を僕らは応援できることに喜びを感じる。
選手もスタンドも慶應カラー一色となる独特の雰囲気を楽しみながら、両チームの選手にエールを送って観戦したいと思います。
本当、両チームには1試合でも多く試合ができる長い夏になってほしかったので、もちろん両チームの対戦は楽しみなんだけど、こんな早い2回戦で対戦はしてほしくなかったな。
明日は頑張れ塾高、頑張れSFC。
<過去の対戦成績>
■2007年4月14日(等々力球場)
春季県大会(3回戦)
SFC 000 000 00 =0
塾高 111 020 02×=7
<8回コールド>
(塾)只野、田村−伊場
(S)熱田−小野
【本】野俣(塾)
【三】矢島、田村(塾)
【二】伊場、宮本(塾)
■2007年9月16日(横須賀スタジアム)
秋季県100大会(4回戦)
塾高100 010 000 =2
SFC 100 000 000 =1
(塾)田村−鈴木亮
(S)竹林−菰田
【二】山崎(塾)
■2013年4月14日(日吉台)
春季県大会(3回戦)
塾高 210 43 =10
SFC 000 00 =0
<5回コールド>
(塾)原田、亀井、津留崎−三枝
(S)藁科−有賀
【二】小原、塩、藤川2(塾)
それぞれの観戦記はこちら。昔から応援されている方は、懐かしく読んでください。
・2007年春季県大会(塾高7−0 SFC)
・2007年秋季県大会(塾高2−1 SFC)
・2013年春季県大会(塾高10−0 SFC)
2025年07月10日
【観戦記25-02】厚木西戦(1回戦:250710)
第107回全校高校野球選手権神奈川大会、今大会ノーシードで1回戦から戦う塾高は、1回戦で厚木西と対戦。寺本、是永、関谷の投手リレーで厚木西を完封し、7回9-0のコールドゲームで勝利した。
■2025年9月10日(木)
第107回全校高校野球選手権神奈川大会(1回戦)
サーティーフォー保土ヶ谷球場
厚木西 000 000 0 =0
塾高 200 052×=9
(慶)寺本、是永、関矢−金山
(厚)伊従、神崎−栗林
【三】寺本、湯本(慶)
【二】原、酒井
(出場選手)
ぁー魄
1 関矢
ァ〆位
А\通
─々掌
R4 森田
◆ゞ盪
湯本
9 楢原
原
Αヾ
湯本
1 是永
H 大棒
R8 佐々木
異常な暑さが続く毎日、今日もとにかく暑かった。でも青空の下に映える保土ヶ谷球場に夏の高校野球の始まりを感じるのである。どれだけ暑くてもたまらないな、この雰囲気は。
平日の1回戦だからお客さんが少ないということはあるのだけれど、ほぼ全員、スタンド上段の屋根の下の日陰に席をとる。太陽の下で観戦するのは、僕のように写真を撮りたい人と、ネット裏から試合を見たいというマニアックなファンくらい。太陽の下での観戦も気持ちいいんだけどね(笑)。

ベンチには「勝」の千羽鶴。
試合前ノックの森林監督と外野ノックから担当する学生コーチ(すみません、お名前がわからなくて・・・・)
さあ、試合開始、夏の大会が始まります。







塾高先発は背番号10をつけた寺本。
1回は四球を与え二死1塁も4番を空振り三振に。
2回にイレギュラーヒット、詰まったヒットなどもあり二死満塁のピンチを背負うが、1番打者を遊ゴロに打ち取り無失点で切り抜けた。
3回は先頭にヒットを許すも後続を断ち、4回もサードゴロエラーで先頭打者を出すも後続を断ち、なんだかんだと緊張することもある夏の大会の初戦としては、いつもの安定した寺本らしい投球で安心して見ることができた。
先制したのは塾高。1回裏、一死から紺野が四球のあと、青木がセンター前ヒットで続く。
4番江戸はライト前タイムリーで紺野が2塁から生還し1点先制。
今大会、塾高は絶対的なエースを持たない中、打ち勝つ、点を取る野球が求められる。特に青木、江戸の3番、4番がどれだけ打てるか、というのが結構キーになってくるような気がする。だから、初戦の第一打席に青木、江戸にヒットが出たのは、本人たちにとってもホッとしただろうし、短期決戦、勢いに乗ってほしい。
厚木西のエース伊従は主将でもあり、マウンドから気持ちのこもったボールを投げてチームを引っ張る。2回から4回までは、2回に寺本が三塁打で出塁しただけで、あとはノーヒットに抑えられた。
厚木西は守備も良かった。2回裏、塾高関はセンターへライナー性のいい当たり。これを厚木西のセンター三橋が前進しながら最後はダイビングキャッチのファインプレー。
開会式の選手宣誓で山田主将は選手たちに「今大会中、お互いのチームの好プレーに対して拍手や歓声を送り、たたえ合うことにしませんか。」と球児たちに呼びかけた。
このファインプレーに、塾高スタンドだけでなく、球場の多くのファンからも大きな拍手が送られた。山田主将の呼びかけがより多くの拍手を起こしたな、と感じた瞬間であった。でも、こういう拍手は気持ちがいいね。
内野手も堅実な守備を見せた。塾高打者の低く強いゴロを低いグラブ捌きでアウトにしたプレーは試合を引き締めた。
塾高は5回から2番手で是永がマウンドに上がった。
2イニングを投げて1安打無四球2奪三振で厚木西の1番からの攻撃を抑えた。僕は是永の投球を見たのはこの試合が初めてだった。一見、そんな迫力を感じるわけでもないのだが、ボールの出所が見えにくそうだし、見た目よりもボールに切れがあるような印象だった。コントロールも良く緩急付けた投球はとても安定していた。まだ2年生、この夏の大会中にも投げるごとに成長を見せてくれたらいいな。
5回裏、塾高は打者一巡でビッグイニングを作った。
先頭の是永が四球、1番酒井がセンター前ヒットでチャンスを広げると紺野は内野安打で無死満塁、3番青木のレフト前ヒットで二者生還。
なおも無死1、2塁から4番江戸はセンターへの大きな打球。
2塁ランナー紺野が2塁から3塁へタッチアップ、中継ミスを見て本塁へ生還し5-0とリードを広げた。隙あればひとつでも先の塁を狙うという意識が相手ミスを突いた積極的な走塁であった。
続く湯本はセンターの頭を超えるタイムリー三塁打。
ここも厚木西の中継プレーにミスが出て、湯本は一気にホームイン、この回一挙5点を挙げて7-0とした。
5回終了して暑さ対策で10分間のクーリングタイム。

その間にグラウンド整備で横浜隼人野球部員によるグラウンド整備、いわゆる隼人園芸が職人技のグラウンド整備を見せる。砂埃が凄かった。でもたとえ砂埃が自分たちに向かって来ても怯むことなく腰を落として、黙々とグランド整備を続ける。保土ヶ谷名物の職人技、芸術である。見ていて元気をもらうな。

6回裏、先頭の代打大棒がセンター前ヒットで出塁。
大棒に代走佐々木。チーム一の俊足とのこと。

佐々木は普段はサードコーチャーで活躍している。
すぐに二盗成功で無死二塁から酒井がレフトオーバーの二塁打で1点追加。外寄りのボールをバットに載せて運んだ打球はよく伸びた。2枚目の写真、あまりこういうフォローは見ることなくて、カッコいいな。
2塁からホームインの佐々木。
二塁打の酒井。
紺野はセンター前ヒットで酒井が2塁から一気にホームを狙ったが、ここは厚木西の素晴らしい中継プレーでホームクロスプレー、アウトとなった。
しかしその後江戸のこの試合2本目のライト前ヒットで二死1、3塁とし、パスボールで9-0とリードを広げた。
7回表、3番手投手として今大会背番号1を付けた関矢がマウンドに上がり、三者凡退で締め、7回コールド勝ちで試合終了。
整列。悔しさの中にも厚木西の選手には笑顔も見える。結果は9-0のコールドと差がついたが、中盤までは厚木西の好守も随所に見られ、スコア以上に引き締まったいい試合ではなかったかなと思う。
これも開会式の山田主将の選手宣誓の言葉を借りると、「試合の中で、お互いを認め合い、試合の後、このチームと戦うことができて良かった、そう思えるいい試合が続く大会にしたい」と思える試合がお互いにできたのではないかなと感じた。
もちろん、勝利の塾歌をベンチ前で聞く厚木西選手には涙もあった。3年間頑張ってきた大好きな高校野球が終わったのである。悔しい気持ち、寂しい気持ち、きっといろいろな思いが各自の中で走ることだろう。でも、自分たちの力を出し切って、負けはしたけど塾高と戦うことができて良かった、と思ってくれているのではないかと願う気持ちも込めながら思うのである。
選手だけでなく僕らも「ありがとう、厚木西」という気持ちをいつもより強く感じること、強く意識したこと、改めて山田主将の選手宣誓のインパクトは強かったな、と感じるのである。
スタンド。


スタンドに勝利の挨拶。





さあ、2回戦は慶應湘南藤沢との対戦。慶慶対決である。公式戦で対戦するのは3度目だが、夏の大会で対戦するのは初めてである。
SFCは2回戦からの登場なので初戦となる。塾高にもSFCにも1戦でも多く試合ができる夏にしてほしいから、2回戦でお互いが対戦するのは対戦という意味ではとても楽しみだけど、こんな早くには当たりたくなかった。
過去の対戦は時間があれば明日書きます。どちらも頑張れ!
■2回戦
対慶應藤沢
@平塚球場
11:30(第二試合)
開会式&山田主将選手宣誓(250707)

7月7日、第107回全国高校野球選手権神奈川大会、開会式。今年は合同チーム6チームを含む172チームが出場。愛知の173試合に続く全国2番目の参加チーム数とのこと。今年から熱中症対策として全国でも開会式の夕方開催が取り入れられ、16時からの開会式となった。
選手入場では塾高より先にまずSFCが登場。Tvkのチーム紹介では、「走塁に力を入れてきた慶應藤沢。春の東京六大学野球ではOBが二人出場、力をもらいました」と大学でクリーンアップを打つ常松(4年生)とこの春に神宮デビューし、早慶戦を含む3試合に登板した田上(3年生)の活躍を紹介していた。

みんなニコニコしていていい笑顔。

ということで組み合わせが近いので、SFCの次の次に塾高が入場。「一昨年、全国制覇の慶應義塾。山田望意キャプテンがこの後、選手宣誓を務めます」だけの簡単な紹介で終わった。

塾高もみんなニコニコしながらの入場。特に手を大きく降って歩くこともしない自然体の行進は昔からこんな感じかな?

入場最後172チーム目は市が尾高校。手を頭の上まで振り上げた勢いある独特な行進が目を引いた(笑)。

関係者の挨拶で整列する各チームが映される中、塾高とSFCが並ぶ映像にオオッ!!となった。でも塾高とSFCは組み合わせ番号が続いてないのに何故隣同士で並んでいるの?と思ったが、どうやら奇数・偶数で球場の左右に分けて整列しているようで、写真の左から111横浜学院、113SFC、115塾高、117横浜商と整列してるようだ。

塾高とSFCが夏の大会で対戦することも珍しいが、こうやって隣同士で並ぶのももちろん初めてのこと。このシーンは今後も見られることがあるかどうか・・・・、恐らく限りなく可能性は低いだろうな。だからこのショットは、物凄く貴重なショットかもです(笑)。

そしていよいよ、山田主将の選手宣誓。選手宣誓は107校の立候補校から抽選で選ばれたのである。第107回大会に107校の中から選ばれた。一昨年の2023年に全国優勝したのは107年ぶりだった、と「107」という数字には特別な感じを抱かせる、と日吉倶楽部会長が選手激励会の時にスピーチしていた。何か起きるかな、今大会(笑)。
ちなみに塾高が夏の大会で選手宣誓を務めるのは、62年前に一度あったそうで、それ以来2回目のことである。選手宣誓ということでは、1949年の選抜大会、そして2023年春季関東大会での大村主将が行っている。
Tvkの録画で見たが、非常に素晴らしい山田主将の選手宣誓だった。

「いい試合には選手全員のいい顔があふれています。」とはいい言葉だな。そしてメッセージ性、独自性のある選手宣誓にしたいとの思いから、「今大会中、お互いのチームの好プレーに対して拍手や歓声を送り、たたえ合うことにしませんか。試合の中でお互いを認め、このチームと戦うことができて良かった。そう思えるいい試合が続く、最高の大会にしませんか」と途中から球児たちに呼びかける文言を取り入れたとても斬新な選手宣誓であった。
2分17秒、前を向いて、とても落ち着いた口調でゆっくり、しっかりと思いを伝えてきた山田主将、本当に立派な選手宣誓でした。
さあ、塾高は明日1回戦を迎えます。塾高の沢山の「いい顔」が見られる大会となりますように。
<山田主将の選手宣誓>
「宣誓、七夕の日に願います。今年の神奈川大会が最高の大会になりますように。最高の大会は、数多くのいい試合で作りあげられます。いい試合には選手全員のいい顔があふれています。私の考えるいい顔とは、真剣勝負の顔、ナイスプレーに喜ぶ顔、そして大好きな野球を全力で楽しむ顔です。
しかし、その顔は自分1人で作ることはできません。チームメート、支えてくれる家族、指導者、関係者の方々はもちろん、同じ野球を愛する相手がいてから、成り立つものです。
ここで、選手の皆さんにお願いがあります。今大会中、お互いのチームの好プレーに対して拍手や歓声を送り、たたえ合うことにしませんか。試合の中で、お互いを認め合い、試合の後、このチームと戦うことができて良かった、そう思えるいい試合が続く、そんな最高の大会にしませんか。
私たち選手一同は、ありがとうの気持ちを忘れず、いい顔で、常にチャレンジし続けることを誓います。
令和7年7月7日、選手代表、慶応義塾高等学校野球部主将、山田望意」
2025年04月09日
(登録メンバー)橘戦(2回戦:250406)

塾高2回戦、橘戦のベンチ入り選手。
1 寺本光希(3年:市が尾:横浜青葉S)
2 金山大佑(3年:東京・瀬田:東京城南B)
3 原遼希(3年:太洋:湘南B)
4 酒井一玖(3年:東京・上一色:軟式)
5 江戸佑太郎(3年:東京・府中第四:武蔵府中S)
6 徳留海(2年:鹿児島・甲東:軟式)
7 青木祐貴(3年:愛知・陸成:四日市B)
8 紺野真太郎(3年:千葉・太田:千葉市S)
9 楢原幹二郎(3年:慶應普通部:横浜緑S)
10 山田望意(3年:愛知・愛知教育大付属岡崎・岡崎中央B)
11 品川千尋(3年:群馬・群馬大教育学部付属:軟式)
12 藤吉泰生(2年:菅田:軟式横浜クラブ)
13 長谷川海輝(2年:東京・開進第三:東京城南B)
14 森田竜平(2年:東京・御徒町台東:世田谷西S)
15 小川哲生(3年:慶應普通部:武蔵府中S)
16 大澤優喜(3年:慶應中等部:世田谷西S)
17 佐々木芽一(3年:共進:世田谷西S)
18 山内陸大(3年:慶應普通部:東京ヴェルディ:軟式)
19 大棒琉雅(2年:宮城・西多賀:東北楽天S)
20 大村哲誠(2年:愛知・平板:豊田S)
21 志村泰輔(2年:千葉・久寺:船橋B)
22 一条皇慶(2年:慶應普通部:東練馬S)
23 上藪琢祥(2年:慶應普通部:世田谷西)
24 藤原宗也(3年:城北:二宮大磯S)
25 財津新汰朗(3年:慶應中等部)
記録
田中良汰(3年:慶應普通部)
2025年04月08日
【観戦記25-01】橘(250406:2回戦)
久しぶりに少しだけ観戦記です。

■2025年4月6日(日)
神奈川県高校野球春季県大会(2回戦)
俣野公園横浜薬大スタジアム
橘 000 000 0 =0
塾高 000 000 7×=0
(慶)寺本−金山
(橘)橋口、郷上−藤間
【本】江戸(慶)
【二】紺野
(出場選手)
ぁー魄
─〆位
А\通
ァ々掌
原
R 山内
◆ゞ盪
樽原
Α(‘
〇本
H 大棒
地区予選で横浜サイエンスフロンティアに48-0、中大横浜に10-0、橘学苑に17-0ととんでもない得点で勝利した塾高。県大会2回戦からの登場です。
午後からの雨予報の関係で試合開始は9時40分と少しだけ早まった。
選手整列。





塾高先発は寺本。橘は先頭が初球、2番打者が2球目とストライクを積極的に打ってきたが中飛、右飛とイージーなフライで二死。3番にフルカウントから四球を与えるも4番をツーストライクと追い込んだ3球目を二ゴロで危なげなく初回を抑えた。

1回裏、塾高は一死から紺野が右中間に二塁打。


青木もセンター前ヒットで続き一死1、3塁と先制チャンスを作った。

打者江戸の時、青木二盗で一死2、3塁、江戸は四球で一死満塁と好機を作ったが、5番原は三振、金山も遊ゴロに打ち取られ先制点は取れず。
2回表、一死から橘は6番森が初ヒットで出塁するも、後続を打ち取り無失点。この回も橘は初球から積極的に振ってきた。
2回裏、塾高は先頭の楢原がセンター前ヒットで出塁。

福留四球、寺本送って一死2、3塁となるも、酒井は三飛、紺野は右飛と打ち取られこの回もチャンスを生かせず。初回の一死満塁、この回の無死1、2塁とチャンスを生かせず5残塁、まだまだ始まったばかりとはいえ嫌な感じである。
3回から橘のエース橋口も落ち着いた。3回、4回と塾高を三者凡退に抑える。

塾高寺本も安定した投球で3回三者凡退、4回も1安打許すも無失点。ストライク先行で安定している。橘も早いカウントから打ってくるがチャンスを作れない。

5回表、橘は二死から遊ゴロ、これを徳留がエラーで二死1塁。ここまでテンポ良く守ってきただけに、ここはベンチから主将の山田が伝令でマウンドへ走り、一呼吸入れた。ちょっと落ち着こうというなかなかいいタイミングでの伝令である。

試合再開、次打者を二ゴロに打ち取り、ここも落ち着いて無失点に抑えた。選手を迎えるベンチ選手。

そしてベンチ前円陣。打順も三周りめとなり、そろそろ先制点が欲しいところである。

5回裏、塾高は先頭の寺本が四球で出塁。これまで低めに集めていた橘の橋口投手だが、ここは抑えが効かずに高めに抜けるボールが続いての四球だった。
酒井送りバントで一死2塁。紺野の右飛で2塁ランナーの寺本は三塁へタッチアップで二死3塁。3番青木は四球で二死1、3塁。
橘の橋口はストライクとボールがはっきりとわかる投球で試合中盤、球数はまだ80球程度だったが、少し疲れが出てきたか。
打席には4番江戸を迎えた。ここまでピンチを凌ぎながら塾高打線を無得点に抑えてきた橘、ここで江戸に打たれたらズルズルと失点を重ねるかもしれない。試合を作るためにも、塾高に食らいついていくためにも絶対に江戸を抑えたい場面。橘にとっては試合中盤の大切な場面となった。
ベンチ塾高選手。


その大切な場面であることを橘・橋口投手も分かっていた。前の打者・青木への投球とは違ってワンボールから低目にストレートを丁寧に投げこむ。そしてワンボールツーストライクと追い込んだ4球目、江戸の打球はサードゴロ。

ファーストはクロスプレーでアウトとなり、またもやピンチを乗り切った。橘・橋口の気持ちのこもった素晴らしい投球である。

橘のファースト折谷の「守りきったぞ」とでも言っているような喜びの表情がとても可愛い。高校野球のいい絵だな。相手チームだけど、見ていて楽しくなる写真です。




5回を終了して0対0。再三のチャンスをモノにできない塾高は、5回のグラウンド整備の時間にベンチ内で選手が集まり話し合い。試合後半に向かい、どう攻略していくかについての確認か。

6回表、橘は先頭がヒットで出塁するも寺本が続く3番、4番、5番のクリーンナップを危なげなく抑えた。この日の寺本はコントロールも良くとても安定した投球で、橘打線に打たれる気がしなかった。

6回裏、塾高は一死から金山が右前打。

楢原は二ゴロが併殺崩れで二死1塁。楢原は二盗を試みるもキャッチャーからの送球が逸れたのを橘のショート中渡瀬が体制を崩しながら捕球し、背中からひっくり返るように楢原にタッチ、アウトとした。反り返りながらもランナー楢原をしっかりと見てタッチするファインプレーである。ちょっと「忍者プレー」だったな。


ここも満面の笑顔でベンチの戻る中渡瀬。野球少年のいい笑顔である。

7回表、橘は先頭の6番打者はセカンド酒井とライト楢原の間にフラフラと打ち上げたフライ。酒井が深追いするが追いつけず、最後は楢原との呼吸が悪く楢原の前に落ちる右前打で出塁。試合も終盤に入り1点を争う試合。橘は先制点が欲しい大切なランナーである。
嫌なヒットに山田が伝令でマウンドに走った。

次打者7番、当然送ってくると思ったが初球をヒッティング。強気の攻めである。2球目も強打でファールと追い込んで一つボールのワンボールツーストライクからの4球目、1塁ランナーが盗塁してきたが、ここは金山が二塁で刺殺した。橘はあくまでの強気の攻めを仕掛けてきた。

次打者に四球を与え再び一死1塁とランナーを許したが、次打者を4-6-3の併殺打に打ち取りピンチを凌いだ。橘に傾きそうな流れだったが、相手の強気の攻撃を守備で凌いたのが、その裏の塾高のビッグイニングに繋がったのかもしれない。
7回裏の塾高の攻撃を前に、若き血がスタンドに響く。


先頭の徳留が四球で先頭が出塁した。マウンドに集まる橘内野陣。

塾高はここでここまで好投の寺本に代打の大棒。大棒はセーフティー気味の送りバントも投手橋口がセカンド送球で封殺で一死1塁。こういうワンプレーが勝負を分けてくるので求めらえれていることを丁寧にプレーしていきたい。
ノーアウトのランナーを送れなかった塾高がこのままこの回も無得点に抑えられるのか、それともチャンスを広げて均衡を破るのか、どちらの展開に転ぶのかは、次打者の酒井の打席がこの試合のポイントになると感じた。
NHKのプロ野球中継でここが勝負所、勝負の行方を分けるポイントと感じると解説者が「勝負眼」の札を上げる。僕はこの酒井の打席に「勝負眼」を上げた。スコアブックをつけて写真を撮りながら試合を見ているのだが、この打席、僕はスコアブックに赤ペンで「勝負ポイント」と書き込んだのである。まるで解説者気分(笑)。

その酒井の打席。ボール、ボール、ストライク、ボール、空振りのフルカウントからの橘・橋口投手と酒井の粘りあいの勝負は見応えがあった。
絶対に四球は与えたくない橋口に対して、酒井はファール、ファール、ファール、ファール、ファールと5球続けてファールで粘った。どちらも譲れない対決である。橋口も投球は120球になろうとしていた。前日の1回戦からの連投であり、肉体的にも精神的にもキツイはずだ。

そして橋口が酒井に投じた11球目はボールとなり、酒井が粘り勝ち。四球で一死1、2塁とチャンスを広げた。この酒井の粘りに粘って次に繋げチャンスを広げた四球は、この試合の大きなポイントであり、ビッグイニングに繋がった。実に価値のある大きな四球となった。
打席は紺野。ツーストライクと追い込まれた3球目の外角低めのスライダー?を上手く拾うと打球はセンター前へ。2塁から大棒生還し、ついにこの試合塾高が先制点をあげた。

なおも一死1、3塁から3番青木は初球をセンター前タイムリーで酒井が生還、2-0と追加点をあげ勢いをつけた。

一死1、3塁で打席は4番江戸。スリーボールワンストライクからの5球目を振り抜くと打球は右中間スタンドに吸い込まれるスリーランホームラン。長打力のある江戸、県大会でのホームランは1年秋の2023年秋季県大会2回戦の舞岡戦以来のホームランかもしれない。彼のバットが、彼の長打が塾高打線には欠かせない。本人にとっても久々に出た待望の一発だったかもしれない。

だからベースを回る江戸はこんないい笑顔。これからも沢山見たいものである。


ベンチも笑顔いっぱい。


5-0とリードを大きく広げたが、火が付いた塾高打線はこれで止まらなかった。
原が中前打で出塁で一死1塁。
ここで橘は橋口に代わりマウンドは2番手投手の郷上が上がった・橋口の表情は清々しい笑顔でボールを郷上に渡す。粘り強くここまでよく投げた。ナイスピッチだったと思います。

金山のセカンドゴロをエラーで一死1、2塁。この試合、ここまで橘の内野守備は堅かった。堅守でピンチを救ってきたがここでこういうエラーが出るとは勢いとはこういうものか。
続く楢原はタイミングを外されたライトへのフライもポテンと落ちる。もうすべてが塾高にいいように回ってしまう。

原の代走山内は三塁に進む。

そして一死満塁から徳留がセンター前タイムリーで二者生還しこの回一挙に7得点をあげ、7回7点差でコールド勝ちとなった。

試合終了の整列。



ひと冬越えて見た塾高野球は楽しかった。橘も気持ちのいい鍛えられたいいチームだったな。次戦3回戦は横浜商大との対戦。次も楽しみです。
■3回戦
4月12日(土)
12:30
@等々力球場
対横浜商大
2024年10月13日
【観戦記24-03】平塚学園(240926:準々決勝)
神奈川県高校野球秋季県大会準々決勝、塾高は平塚学園と対戦。平塚学園とは久々の対戦、振り返ったら2018年秋季県大会2回戦で12-0で勝利して以来の対戦である。
試合は4-1とリードした最終回に同点に追いつかれ延長タイブレークでサヨナラ負けを喫した。8回まで平塚学園を寺本、大村の1年生リレーでわずか2安打1失点に抑えていただけに、9回の同点劇はあっという間のまさかの展開だったし、その勢いでタイブレークで敗れ、課題も多く残った試合となった。
■2024年9月28日(土)
神奈川県高校野球秋季県大会(準々決勝)
保土ヶ谷球場
慶應義塾 002 000 200 0 =4
平塚学園 100 000 003 1×=5
(慶)寺本、大村、紺野−山田
(平)石塚、山口、小俣−武井
【三】楢原(慶)
【二】青木、金山(慶)、藤原、松本(平)
(出場メンバー)
А\通
Αヾ悄
1 紺野
江戸
ぁー魄
楢原
◆〇嚇
─‖臻
H 原
R 佐川
1 大村
5 徳留
寺本
H 金山
R8 佐々木
H 森田
8 高橋
試合前のスタンド挨拶。



試合前恒例のスタンド選手とのジャンケン。ジャンケン声かけリーダは毎試合代わるが、この試合の声かけリーダーは佐川。何がきっかけでどんな目的でこれ始めたんだろう?誰か教えてください。

試合開始。


■1回裏
1回表、塾高三初凡退のあとの平塚学園の攻撃。塾高先発は前週の4回戦、日大藤沢戦で完投勝利をした1年生の寺本が再び先発のマウンドに。

日大藤沢戦も立ち上がりが不安定で死球をきっかけに1点を失ったがこの試合も先頭打者に死球を与え、犠打の一死2塁から三番藤原に左中間二塁打を打たれ1点を先制された。
次打者の遊ゴロはショート関が三塁へ送球し二塁ランナータッチアウトで二死1塁と変わる。ランナー判断が悪かったとはいえ落ち着いたプレーで得点圏のランナーを刺殺したことで、まだまだ立ち上がりが不安定だった寺本は落ち着いたことだろう。次打者をレフトフライに打ち取りこの回を1点で抑えた。 


■3回表
塾高は先頭の山田がピッチャー強襲ヒットで出塁。

次打者の大棒は初球をセーフティー気味のバントで失敗。

2球目はどっしりと構えてバント成功で一死2塁。

2塁ベース上で山田と平塚学園のショート松本、主将同士で何やら楽しそうに話をしている。うん、和やかに楽しそうだ(笑)。


寺本三振で二死2塁から青木がツーボールワンストライクからの4球目をライトオーバーのタイムリー二塁打、山田が生還し1-1の同点とした。

同点打に塁上で吠える青木。

なおも二死二塁から関がレフト前タイムリーで青木が生還し2—1と一気に逆転した。



関は今大会、2回戦、3回戦、4回戦とここまで三試合7番を打っていたが、この試合では2番に打順を上げてきた。早速にチャンスでのタイムリー、打順を変更した森林監督の期待に応えた。

■3回裏
四球、犠打を寺本が2塁送球するもセーフ(記録はフィルダーチョイス)、犠打で一死2、3塁のピンチ。ベンチから佐々木が伝令でマウンドへ。


4番森をセンターフライもタッチアップはできす二死、5番木曽を三振に打ち取りピンチを凌いだ。
ガッツポーズでマウンドから戻る寺本。


山田もいい笑顔。可愛い笑顔だね。

■4回表
二死から楢原がライトオーバーの三塁打。



この際、平塚学園のライト藤原が打球を追ってフェンス激突、起き上がることができず担架でベンチに戻った。

写真でフェンス右側に濡れた後が三か所ついている。藤原が激突して着いた汗の後だ。恐らく正面からかなりの勢いでフェンスにぶつかったと思われる。

担架で運ばれる藤原。ベンチの仲間も心配そうに様子を伺う。


治療のためしばし試合が中断した。担架で運ばれるほどだから戻ることは難しいのでは?と誰もが思っただろう。塾高スタンドからも「藤原頑張れ」の声援が飛ぶ。どのくらい中断しただろう。平塚学園ベンチから元気に藤原が出て元気に守備位置に戻った。スタンドからは暖かい拍手が送られる。怪我がなくて良かったな、ほっとした瞬間である。
ライトのポジションに戻ると藤原は直立不動で帽子を取ってまずは塾高側スタンドに帽子を取って深々とお辞儀をした。そしてネット裏、平塚学園スタンドに向かいお辞儀を続けた。
自分の怪我治療のために試合を中断させてしまって申し訳ないです、というお辞儀だが、なかなかできることではない。藤原選手が、そしてこういう感謝の気落ちを伝えることを普段から教えている平塚学園野球部は立派だな、と感心したのである。改めてスタンドからは拍手と藤原に向けた声援が送られた。

二死3塁からの試合再開、山田はセンターフライで無得点に終わった
■5回裏
塾高先発の寺本、初回に失点をしたものの、2回から4回までノーヒットに抑えた。3回あたりから腕が振れてストレートにもスピードが出てきて、武器であるチェンジアップも低めに決まりだし調子を上げてきたように見える。
中指をボールから浮かせて投げるチェンジアップ。ストレートが走り出してきたので打者のタイミングを外す効果的な変化球として効果的に使えている。

■5回裏
先頭打者に四球を与え犠打、ヒットで一死1、3塁のピンチを迎えたが、3番藤原を6-4-3のゲッツーで打ち取りピンチを凌いだ。

ファーストの江戸、やったぜ、とばかりの笑顔。後ろではゲッツーを打ちガックリする平塚学園の藤原。 
■6回表
先頭の関がこの試合二本目のヒットで出塁。2対1と1点リードで中盤を迎え、ここは次の1点を積み重ね、着実に点差を広げていきたいところ。得点圏にランナーを送るべく3番紺野はバントをするが、これがピッチャーへの小飛球となり送れず。江戸、酒井連続三振でチャンスを作れなかった。写真は紺野のバント小飛球。

■6回裏
一死からネット裏に上がったキャッチャーファールフライを山田がネット間際でナイスキャッチ。山田、いい笑顔だな。

■7回表
山田、代打原の連続四死球で無死1、2塁とチャンスを作った。1塁ランナーは原に代わり代走は試合前のジャンケンリーダー佐川。

そしてここで森林監督は好投を続ける寺本に代えて金山を代打に送った。多少投手陣に不安がある塾高だが、森林監督、ここは勝負に出た。

金山対石塚の勝負。ツーボールからストラク、ファールでカウント2-2。石塚は絶対に金山を歩かせたくはないので、次のボールが勝負球だったはず。しかしこれがボールとなりフルカウントに。フルカウントになって状況は金山有利となった。絶対にストライク勝負をかけてくる6球目、金山がフルスイング。

打球はレフトフェンス直撃の二塁打、二者生還し4-1と点差を広げた。あと70cmくらい高かったらホームランだったな。

2塁塁上でベンチに応える金山。森林監督の期待に応えた。


金山に代わって代走佐々木。

金山の2点タイムリーは試合の流れを引き寄せる大きな一打だった。一死2塁、もう1点欲しかったが青木一ゴロで二死3塁も関はセンターフライでこの回は2点で終わった。
■7回裏
寺本に代打が出たので、この回から塾高マウンドに大村が上がり、7回を三者凡退で抑える。

■8回表
一死から江戸、酒井の連打で一死1、3塁とチャンスを作る。


江戸、大きな体を飛ばして三塁へ。

しかし後続断たれ、この回も追加点をあげられず。
■9回裏
3点リードで迎えた最終回の守り。大村は7回、8回とノーヒットで抑えた3イニング目だが、3点リードがあれば大丈夫だろうな、とは思われた。が・・・・
6番武井にツーストライクと追い込んでからの3球目をレフト前に運ばれる。7番後藤の二塁打で無死2、3塁。8番三振で一死から9番遊ゴロで三走生還で4-2。
二死2塁で2点差。ゲームセットまであと一人、大村はここで踏ん張れるだろう、とは願いを込めてスタンドは見守った。

しかし平塚学園の勢いは止まらんまい。続く1番松本にはフルカウントから右中間二塁打で2塁ランナー生還し4-3と1点差に追い上げられた。
平塚学園ベンチは全員必死の応援。みんな野球少年のいい顔をしている。

なおも二死2塁から、2番望月にライト前タイムリーを打たれ、2塁ランナー生還、なんとあっという間に3点リードを追いつかれ、ついに土壇場で同点とされた。
同点にされてベンチから佐々木が伝令でマウンドへ。1年生の大村の肩に手をかけながら皆で大村に声をかける。振り出しに戻っただけ、ここから気持ちを切り替えよう、気にするな、なんて声をかけてるのだろうな。大村を見る先輩の眼差しが優しい。


そして大村、ここは気持ちを切り替えて3番藤原をライトフライに打ち取り同点で延長戦に突入した。
延長戦は無死1、2塁からのタイブレークで始まる。
■10回表
塾高は2塁に青木、1塁に関を置いて打席は紺野からの開始。

後攻が有利と言われているタイブレーク。まずは最低でも1点は取らないと苦しくなる。そのためにもランナーを2、3塁に進める送りバントが定番であるが、ここも紺野にはバントのサインが出た。
しかし紺野、初球ボールの後の2球目をバントするも三塁線を切れてファール、続く3球目もファールで失敗、カウントワンボールツーストライクと追い込まれた。

追い込まれた4球目はヒッティングに切り替えたがセカンド正面の4-6-3のゲッツー、最悪のパターンとなった。


二死2塁で打席は江戸。前の打席でセカンド強襲ヒットを打っているが、今大会、まだ本来の当たりは出ていない。ツーボールから3球目のストレートをフルスイングするも空振り。4球目も空振り、そして5球目も空振りで三振に終わり、塾高は無得点で終わった。 939

■10回裏
この回から塾高はマウンドに紺野が三番手でマウンドに上がった。

無死1、2塁で4番からの打席。初球パスボールで無死2、3塁となると申告敬遠で無死満塁と満塁策を取った。5番曽根はフルカウントからの打球はライト前のライナーが楢原の前でワンバウンドしたが、3塁ランナーはタッチアップに備えて3塁についていたことからスタートが遅れ、楢原が本塁へ送球してフォースアウト、一死満塁と代わった。

2023年センバツ甲子園での仙台育英戦、同点での延長戦10回裏、塾高は一死満塁とサヨナラ負けの大ピンチにレフト前にライナーでヒットを打たれたがランナーがタッチアップで帰塁しており、レフト福井がホームに送球してフォースアウト、レフトゴロの記録を作った時のことを思い出す。
その時の仙台育英戦では次打者にヒットを打たれ、結局サヨナラ負けを喫した。
今回はどうなるか。一死満塁とまだまだピンチは続く。打席は6番武井。ツーボールとボール先行で紺野が苦しくなり、次はストライクが欲しいところ。当然に武井も狙てくる。強打した打球はセンターへの大きな飛球、3塁ランナー余裕でタッチアップで生還し、平塚学園がサヨナラ勝ちで接戦を制した。


サヨナラ勝利にベンチから飛び出して喜びを表現する平塚学園選手。ユニフォームの前が真っ黒な選手は決勝の犠牲フライを打った武井。

平塚学園は10年ぶりのベスト4進出とのこと。

目の前の勝利がこぼれ落ちた塾高選手はさすがに落胆の表情だ。


この秋の関東大会は神奈川県で行われるため神奈川からは3校出場できたこともあり。この試合は絶対に勝って関東大会出場へ大きく近づきたかっただけに、とても残念な敗戦となった。
タイブレークの攻撃が勝敗を分けた。タイブレークは後攻の方が勝率が高いことは数字が示しており、一般的にはタイブレークになったら後攻が有利とはよく言われる。ただ、web Sportivaというサイトに興味深い記事があった。
2023年夏の地方大会49地区の準々決勝以降でのタイブレークとなった試合で、先攻が17勝、後攻が16勝と勝率はほぼ互角。ただその内容を見ると、先攻チームが得点0に終わった場合は13敗、2点以上取った場合は15勝1敗だという。つまり先攻チームは少なくとも1点を奪い、あわよくば2点以上を狙う。逆に後攻のチームは、いかに0点に抑えるかが焦点になる、というものだ。
タイブレークに先攻はとにかく1点を確実に取ることがまずは一番大切なことなのである。仮に0点で終われば、相手チームにとっては攻撃の選択肢が広がり、プレッシャーの少ない攻撃となるのである。
この試合、10回表のタイブレーク塾高の攻撃、2球バント失敗して強攻策に切り替えて失敗した紺野の打席は試合の行方を左右する非常に重要なプレーとなった。スリーバントという選択もあるが、紺野はこの試合、6回にもバント失敗で関を送ることができなかったことがあり、森林監督としてはスリーバントのサインは出しにくかったところだったのかもしれない。
今年のチームは爆発的な打力を持っているわけでも、圧倒的な投手力があるわけでもなく、精度の高い小技を決めながら総合力で勝ち進んでいくチームだと思う。負けたら終わりの高校野球、「ここ」で決められなかったバントで涙を呑むことは沢山ある。最後の夏にそんな涙を流さないためにも、チームとしてバントを含めて精度の高いプレーが確実にできるようにしていこう、ということはきっとチーム全員が感じたこといだろう。改めて本番での「1本」の重要性を感じた。
0点では終わりたくない、という意味では、紺野ゲッツーの後の二死三塁で江戸がフルスイングで3球空振りで試合終了となった場面、3スイングともにここでホームラン(長打)が欲しい、と言わんばかりの豪快なフルスイングであった。パワーのある江戸だから当たったら凄い打球が飛ぶのだろう。でもあの場面、無死二塁からのゲッツーで二氏塁と変わり、塾高としてはものすごく流れが悪い中、絶対に0点で終わりたくない、どうしても1点だけは欲しい場面、だから長打ではなくていい、繋ぐ1本が欲しかった場面であり、そういうバッティングを心掛けても良いと思った。
外野の声ですみません。でも久々に泥臭く勝ち上がっていく、今年はそんなカラーの塾高野球だと感じていますし、それだけに一人ひとりが日替わりヒーローになったり、縁の下の力持ちになったり、そんあチームに成長していくのではないかな、と楽しみにしています。この試合の敗戦は本当に残念だけど、来年に繋げないともったいない敗戦。だからこそ、一冬超えて、選手たちがさらに大きく成長した姿を見られることを楽しみにしています。



















































































