2009年04月26日
どうした中林！？突然の乱調で明治に逆転負け
東京六大学野球、慶應対明治1回戦。塾は1点リードして迎えた6回、先発の中林が突然乱調となり、4連続安打で1点を失った無死満塁から、まさかの3連続押し出しの四球等でこの回一気に6点を失い、二番手田中宏、村山が抑えたものの時すでに遅く、初戦を2-7で落とした。
2009年4月26日（日）（神宮球場）
■東京六大学春季リーグ戦（慶明1回戦）
慶應 110 000 000 ＝2
明治 000 106 00×＝7
【慶】●中林、田中宏、村山−高橋、伊場
【明】○野村、隈部−安田
（六大学HP試合詳細）
先発メンバーには、立教1回戦に続いて漆畑、竹内、山口、渕上、高橋玄、中林と塾高出身者6人が並んだ。
今日から応援指導部の1年生も応援席で元気に参加。そう、小山の元気な顔が見えたのだ。 ■1回表：塾の攻撃（塾1-0明治）
先頭漆畑がセンター前ヒットで出塁。漆畑、立教戦もそうだったけど、今シーズンはどんな投手からもコンスタントにヒットを打っている。今シーズンは結構いい打率が残せるんじゃないだろうか。竹内四球、山口三振の後、青山のレフト前ヒットで一死満塁とチャンスを広げ、湯元のセカンドゴロで漆畑がホームインし1点を先取した。（写真は青山のヒットでホームを伺おうとする漆畑）■2回表：塾の攻撃（塾2-0明治）
先頭の渕上がセンター前ヒットで出塁。玄ちゃん送って中林三振、漆畑がサードゴロエラーで出塁し、二死1、3塁のチャンス。ここで1塁ランナー漆畑がディレードスチールのように塁を飛び出した。野村は慌ててセカンドへ送球するが、ベースカバーに入ったショート上本との呼吸が合わず、送球はセンターへ抜けた。記録は投手のエラーで三塁から渕上還って1点追加した。
明治のショート上本は、昨年まで早稲田のセカンドで活躍し、昨年のドラフトで阪神に入団した上本の弟だ。兄貴も弟も広島の広陵高校出身。兄貴は大学1年の春季リーグ戦から活躍し、大学4年間、セカンドのレギュラーとして公式戦全試合先発出場した素晴らしい選手だった。
弟は明治のショートポジションを、大学1年のこの春季リーグ戦から先発出場している。高校時代も有名な選手であったが、兄貴についで1年から先発出場とは、なんともすごい兄弟である。これからまた六大学野球のスター選手として成長していくのかな・・・。田村、只野、雄太、山崎、裕司などなど、同期として負けないように頑張れよ。
青山は初回、3回と二打席連続ヒットで出塁。立教戦のホームランで何か吹っ切れたのかどうかわからないが、結果が出たからそう見えるのかも知れないけれど、思い切りのいいスイングをしていた。■1〜5回裏：明治の攻撃（塾2-1明治）
先発中林、3回までは2つの四球を出すものの、相手のバント失敗によるダブルプレーや、内野安打になりそうなショートゴロを渕上の好守備でアウトにしたりと、しっかりと守っていいリズムでの投球が続く。
4回、二塁打を打たれ、犠飛で1点を還されたが5回も三者凡退で片付け、5回わ終わって被安打2、2四球、1失点、球数62球と、まずまずのペースでのナイスピッチが続いた。
■6回裏：明治の攻撃（塾2-7明治）
先頭打者の当たりはボテボテの一二塁間への当たり。小野寺捕るが、ファーストカバー誰も入れず不運な内野安打。ここから中林のリズムが崩れ始めた。これまでストライク先行だった投球が、ストライクが取れなくなりボール先行の苦しい投球となり始めた。
2番遠山にはまずボール2つ先行した。1つストライクとってカウント1-2からヒットエンドランを仕掛けてきた。バント警戒して前進守備のファースト小野寺の頭をワンバウンドで超えるライト前ヒットで無死1、3塁のピンチ。
続く3番謝敷にもストライクが入らない。ボール3つ先行する苦しい投球だ。なんとか2つストライクを取り返したカウント2-3から謝敷にセンター前タイムリーヒットを打たれ2-2の同点。
なおも無死1、2塁から4番小道は3塁線にうまいバントを転がした。中林捕って１塁へ送球するも送球が高くなりファーストセーフ。記録はヒットとなり、先頭打者から４者連続のヒットだ。しかし、そのうち３本はアンラッキーヒットであり、決して力負けしたものではない。しかし再び無死満塁。ここからエース中林の投球は完全に狂いだした。
５番千田にもストライクが入らない。3つボールが続き押出しのピンチ。ひとつ真ん中にストライクを投げたが、続く投球は明らかなボールで押出しの四球。明治3-2と１点勝ち越しである。
続く6番安部。もう中林コンピューターは、どこかが完全におかしくなっていた。まったくストライクが入らない。変化球が低めワンバウンドのボール、またはすっぽ抜けたような明らかに高目のボールの繰り返し。ストレートで押出しの四球で明治4-2.
続く７番安田にもまったくストライクが入らない。これまた４球連続ボールで押出しの四球で明治5-2。なんと三者連続押し出し四球と信じられないようなピッチングである。どうした、中林！！何が、どう狂ってしまったのか・・・。自分でも何がどうなったのかわからずどうしようもない、といった表情の中林。
２番遠山への投球から何かおかしくなってきていたが、最後にここまで狂ってしまうとは誰も想像しなかった。ブルペンでは他の投手が投球練習もしていたが、相場監督もまったく動かず。三者連続四球は、さすがに我慢しすぎだったのでは、とも思うが。
マウンドは二番手の田中宏。1安打１犠飛でさらに２点を失い、結局この回、明治は６点を挙げるビッグイニングとなった。
それまであまり元気のなかった明治応援席も俄然元気が出できた。応援団リーダー部の活動がなくなり、吹奏楽部、バトン部で組成している明治大学応援団。こうして大声上げて野球を応援している学生は、本当に心から明治野球を愛し、楽しんでいるのだろうな、と思う。相手側ながら、彼らの楽しそうな表情を見ていると、少しだけほのぼのしたものを感じてしまうのである。■5〜9回表：塾の攻撃（塾2-7明治）
明治先発の野村は、立ち上がりはあまりボールのスピード、切れともにイマイチで、本来の調子からは遠いと思われたピッチング内容であった。しかし、中盤からだんだんと立ち直り、速球と低めに落ちる変化球で三振を取るなどしり上がりに調子をあげていった。
７回表、一死ランナーなしの場面で、高橋玄の代打で伊場が登場した。いいね、伊場ちゃん、注目である。しかし、期待したものの野村からまったくタイミングをはずされて、当てただけのショートゴロ。ここは伊場の豪快なスイングはさせてもらえなかった。チェンジになって伊場がそのままマスクをかぶった。マスクをかぶるのは多分公式戦初であろう。なかなか活き活きとしていたように見えたな。これから彼のマスク姿も見る機会が増えてくるのかな。楽しみである。
塾は8回裏、三番手でアンダーに近いサイドスローの村山が登板。先頭打者にヒットを打たれるも、後続を三人で打ち取った。５点を追う最終回塾の攻撃も代打松本がファーストフライ、渕上三振、そして二打席目を期待した伊場も詰まったセカンドゴロに終わり最後の打者となった。2-7でゲームセットである。
今日は中林に尽きたな。本当にあの突然の乱調は何が起きたのだろうか。どういう変化があったのだろうか・・・。明日は立教戦と同じように小室が先発かな。そして第三戦はまた中林がリベンジの投球。ここで勝ち点を落としてモタモタしているわけにはいかないよ。明日からの巻き返しに期待である。
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この記事へのコメント
1. Posted by 独立自尊 2009年04月27日 00:44
とても早い時期に観戦記をアップしていただき、本当にありがとうございます。今日は観戦出来なかったので、このページで神宮の空気を感じることが出来た気がします。
特に伊場君のあたりの描写は塾高時代から思い入れたっぷりに見てらっしゃるポポさんならでは！のものでしたね。周りに気を遣わず、早くあのふてぶてしい打席の入り方の伊場君を見たいですね。
最近の観戦記のペースの凄さに、ちょっとポポさんの体調が気にもなりますが、これからもどんどんすばらしい記事をお願いします。
特に伊場君のあたりの描写は塾高時代から思い入れたっぷりに見てらっしゃるポポさんならでは！のものでしたね。周りに気を遣わず、早くあのふてぶてしい打席の入り方の伊場君を見たいですね。
最近の観戦記のペースの凄さに、ちょっとポポさんの体調が気にもなりますが、これからもどんどんすばらしい記事をお願いします。
2. Posted by ｋｋｔｆ 2009年04月27日 19:10
中林君、どうしたんでしょうね。彼の将来のために野球の神様が与えた試練なのかも？綱町三田会発行の「メッセージ・ＰＥＮ」に伝説の早慶六連戦の記事がありました。当時、早稲田は明治戦で勝ち点を落としてから奮起。早慶第５戦、延長11回絶対絶命のピンチを凌いで栄冠を手にしたそうですよ。因みに、その時本塁憤死したのは後の阪神監督安藤氏、彼は今でも「あれはセーフ」と主張しているそうですが。前回ＷＢＣの例もあり、まだまだこれからです。チーム漆畑を信じて、声援していきましょう。
3. Posted by ポポ 2009年05月03日 19:54
独立自尊さん
なかなかコメントを書くところまでパワーが続かなくて、ずっと長いこと返信できなくて申し訳なかったです。先週の明治戦のコメントいただきながら、もう昨日、今日で東大戦も終わっちゃいましたものね。本当、季節はずれの返信になっちゃってごめんなさい。
早稲田も昨日の立教からの敗戦は10季ぶりの3連敗、とのこと。今日は勝ったけど明日はまたどうなることか。塾もまだまだチャンスあり。楽しみですね。
なかなかコメントを書くところまでパワーが続かなくて、ずっと長いこと返信できなくて申し訳なかったです。先週の明治戦のコメントいただきながら、もう昨日、今日で東大戦も終わっちゃいましたものね。本当、季節はずれの返信になっちゃってごめんなさい。
早稲田も昨日の立教からの敗戦は10季ぶりの3連敗、とのこと。今日は勝ったけど明日はまたどうなることか。塾もまだまだチャンスあり。楽しみですね。
4. Posted by ポポ 2009年05月03日 19:57
ｋｋｔｆさん
今週の東大戦は見に行けなかったのですが中林の調子はどうだったのでしょうか。再来週の法政戦が大きな山場ですね。
六大学HPの個人打撃ベスト10を見てみると、ベスト10に6人も法政の選手が入っています。一方、塾は漆畑が第三位に。結構打っている印象がありましたが、打率は.375なんですね。やはり、もう少し塾の打棒爆発を期待していきましょう。
今週の東大戦は見に行けなかったのですが中林の調子はどうだったのでしょうか。再来週の法政戦が大きな山場ですね。
六大学HPの個人打撃ベスト10を見てみると、ベスト10に6人も法政の選手が入っています。一方、塾は漆畑が第三位に。結構打っている印象がありましたが、打率は.375なんですね。やはり、もう少し塾の打棒爆発を期待していきましょう。
