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この記事は仕事をしない旦那を心配する妻の続きです。

連日の猛暑が影響して仕事をサボり気味だったが、ピナちゃんから失職したのではないか?と心配されてしまい、大黒柱の威厳を保つため暑さに立ち向かい仕事を再開する事にした。


馴染みの不動産屋に何か面白い物件はないか聞こうと電話をすると、開口一番「太郎さんの好きそうな廃墟物件があるよ!丁度電話しようと思ってたんだよ」と、まるで私が廃墟不動産が好みだと言わんばかりの口ぶりに、「別に好きじゃない!ボロ物件しか買えないだけだ!」と言いたかったが、悲しくなるのでやめておいた(涙)

できる事なら築浅で小綺麗なビルを買いたいけれど、6%とか7%の利回りには魅力を感じず、欲張りな私は高利回り物件を狙ってしまって、どうしても宜保愛子や織田無道がお祓いに来る、心霊番組の舞台になりそうな物件を選んでしまう。


メールで送ってもらった廃墟物件の資料を見ると、朽ち果ててはいるものの、床や天井は残っていて手を入れれば解体をしなくても使える可能性があり、駅まで徒歩圏内で場所も悪くはない優良廃墟に見える。

ただ売主がありのままの姿を見せると引くと思ったのか、添付されている画像の明度を上げる姑息な手段を使っており、どの画像も白飛びしていて実際の状態が掴めないし、それ以外にも廃墟物件には予測不能な落とし穴が多くあるので、現地を確認するまでは安心できないのである。

資料上では優良廃墟の可能性を感じさせてくれたが、実際に見ない事には判断できないし、家にいても暑いだけなので、物件を確認するため不動産屋と現地で待ち合わせをして、不動産屋と面識のあるピナちゃんを連れ立って廃墟ビルへと向かった。


現地へ到着すると周囲の景観と馴染んでいない異彩を放つ建物があり、以前は社員寮として使われていた築40数年のビルは、手入れをしていなかった為か実際の築年数よりも古く感じる。

外観を資料に添付されていた写真と見比べても、明度がどうこうではなく20年くらい前に撮影した写真を使っているのではないかと思うほど違う(汗)

しかし外観なんて外壁塗装をすれば良いだけなので、問題は室内の朽ち果て具合である。


生い茂っている草を縫うように避けて入口へと向かい、不動産屋がドアに巻かれた鎖に施錠してある南京錠を解錠しようとすると、南京錠の鍵穴が錆びているのか鍵が回らないのである。

不「太郎さん、これ回んないよ(汗)」

私「貸してみなよ」

グリッ!! バキッ!!

(((( ;゚д゚)))折れた!?

自分も開けれなかったくせに「入れなくなったじゃないか」と私を責める不動産屋に、「鍵の確認くらいしとけ」と逆切れをしていると、醜い争いを止めるように離れた場所から「アエイ( ・Д・)!!」とピナちゃんの声が聞こえた。

いつの間にかビルの横に回り込んでいたピナちゃんの元へ行くと、腰の高さにある窓ガラスが割られているのを発見していて、お陰で難なく中へ入れた。お手柄である。


建物内部はまだ原型をとどめていて、所々砲撃を受けたような穴を塞いであったりもするが、朽ち果てレベルは"中"といった所だろうか。過去の廃墟物件と比べても中々の高品質で、ピナちゃんも「中々いいじゃないか」という表情で、目を合わせると無言で親指を立ててくる。


生々しい砲撃の爪痕?が残っている壁
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給水管がむき出しのモダンな造作風呂
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見れば見るほど素敵な朽ち果てポイントが満載で、RC造(鉄筋コンクリート)なので解体費もかさむし、私以外は誰も買わないだろうと勝手に運命を感じていたが、物件を調査する中で一つだけ気になる事があった。

この建物は長期にわたり誰も住んでいないのに、何か人の気配がする(恐怖)

生活音が聞こえるわけでもないし普通の廃墟なのだけど、言葉では表し難い感覚で何か空間に違和感を感じて、幽霊など信じていないし霊感もない私でさえ妖怪アンテナがビンビンである。

不動産屋に「何かこの建物おかしくないか?」と聞いても、「メンテしてないし古いからね」と、構造的な問題について答えてきたけれど、私の感じる違和感はそうではない。

この嫌な予感は気のせいであれば良いなと考えていたが、残念ながら嫌な予感は的中する事になる。

つづく・・・