薔薇の言葉

フランス語・フランス語教育/フランス語圏の諸相と女性事情/メディアと現代女性など

2014年07月

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イベントタイトル:共同討議《結婚の脱構築〜フランス同性婚合法化以後》

日時:8月5日(火)3時〜5時半
場所:西南大学・西南コミュニティセンター2F会議室

発言者:
ギヨーム・ルブラン(ボルドー・モンテーニュ大学)
ファビエンヌ・ブルジェール(ボルドー・モンテーニュ大学)
相澤伸依(東京経済大学)
坂本尚志(京都薬科大学)
藤田尚志(九州産業大学)

趣旨:
カンギレムからフーコーへと至るフランス・エピステモロジーの政治的系譜の最良の継承者にして、SDF(ホームレス)や移民問題など現代社会の「不可視」の部分に繊細なまなざしを注ぐエッセイストとして著名なギヨーム・ルブラン氏(ボルドー大教授)。18世紀スコットランド啓蒙の美学・道徳研究から出発して、ケア倫理やジュディス・バトラーのフェミニスト理論に至るまで英米の「感性の政治哲学」とでも言うべき系譜に通暁したファビエンヌ・ブルジェール氏(ボルドー大教授)に、気鋭のフーコー研究者である相澤伸依氏(東京経済大学)、坂本尚志氏(京都薬科大学)を迎えて、昨年5月17日に同性婚法が成立して以後、結婚をめぐる動きが再び激しくなりつつあるフランスなどを例に、「結婚の脱構築」について共同討議を行ないます。

入場無料 講演はフランス語・通訳あり

【主催】科学研究費補助金・若手研究(B)「フランス現代哲学における主体・個人・人格概念(家族の解体・再構築を軸に)」(研究課題番号:25870989)

【助成】 日本学術振興会平成26 年度外国人招へい研究者事業(短期)

【共催】西南学院大学文学部フランス語専攻

【連絡先】九州産業大学国際文化学部藤田研究室 hfujita@ip.kyusan-u.ac.jp

*PORTO-RICO.
3eme colloque international sur l'enseignement du Francais langue etrangere (FLE), Universidad de Puerto Rico (Rio Piedras), 27 fevrier – 1er mars 2014. Theme du colloque :

"didactique du FLE a reinventer : mondialisation, immigration, referents culturels en copartage"

*CANADA. 7eme colloque international Women in French : ≪ Femmes et memoire ≫, Universite de Guelph, Canada, 22-24 mai 2014


http://www.amisdegeorgesand.infohttp://www.amisdegeorgesand.info

日時:2014年7月28日(月)午後3時〜6時(15時〜18時)
場所:慶應義塾大学三田キャンパス 北館 第3会議室(地下)

プログラム:
1)これまでの2回の会合の振り返り(野澤)
2)フランス語学習の指針としてどのようなものを構想するか
  - フランス語学習指導要領(2014.2.23 文科省への提言)(古石・松田)
  - めやす、CEFR 、ナショナル・スタンダーズ(古石・野澤)
3)グループの作り方
4)今後のロードマップ
5)その他

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参加を希望なさる方は、次のメールアドレス双方にご氏名とご所属先を7月25日までにご連絡ください。
第2回会合の議事録をお送りいたします。また、当日までに目を通しておいていただきたい文献も
お知らせいたします。A bientot !

古石篤子 akak@sfc.keio.ac.jp
野澤 督 nozawa@sfc.keio.ac.jp

【7月25日(金)19時】「合理的で円滑な意思決定のためのコミュニケーションのあり方とは:危機学からの問い」(講師:開沼博(福島大学)、坂井田瑠衣(慶応義塾大学))
7月福島学研究会


詳細
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2014年7月 福島学研究会
「合理的で円滑な意思決定のためのコミュニケーションのあり方とは:危機学からの問い」
日時:2014年7月25日(金) 19時から21時
場所:徳間書店 会議室
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職場での連絡相談や日々の家庭や友人・地域との関係の中で、私たちは常に他者とコミュニケーションを重ねながら意思決定や合意形成を行っています。
しかし、ますます不確実で不安定さを増す現代社会においては、私たちは常に合理的で効率的な意思決定や合意形成をもたらすコミュニケーションが出来るとは限りません。

今回は、地震・津波と原発事故という危機を経験した福島を事例に、福島の方々が当時こうした危機にどのように対応したのかを分析します。
どのようなコミュニケーションが合理的で効率的な意思決定・合意形成をもたらしたのか。あるいは、どのようなコミュニケーションがそうした可能性をつぶしてしまったのか。
こうした福島の「教訓」をもとに、合理的で効率的な意思決定・合意形成をもたらすためのコミュニケーションや振る舞いについて考えてまいります。

当日は福島学構築プロジェクトでおなじみの開沼先生(福島大学)のほか、コミュニケーション分析のエキスパートである坂井田先生(慶應義塾大学)より危機コミュニケーションに関する話題を交えながら、皆様と意見を交換したいと思います。

企業において重要な意思決定を下す立場におられる方や、リスクコミュニケーションに関心をお持ちの方々、そして日々のお仕事・地域活動の中で他者と関わる中でコミュニケーションの困難さを実感されている皆様のご参加をお待ちしております。


今回の研究会では、危機コミュニケーション論の専門家である、慶応義塾大学 坂井田先生をお呼びして、「危機的な状況に陥った時に、人と人はどのようにコミュニケーションを取るのか」に関して世界的な研究動向および実際の分析事例の両方について話題提供して頂きます。

東日本大震災の危機を通して、私たちは何を学べるのか。今後の危機に対する対処の指針を一緒に探っていきませんか。
多くの皆様のご参加をお待ちしております。
日程やプログラム等の詳細は以下の通りになります。

◆日時:
2014年7月25日(金) 19時から21時

◆場所:徳間書店 会議室 (東京都港区芝大門2丁目2番1号)
※都営地下鉄大江戸線「大門」駅A3番出口から徒歩1分、JR山手線「浜松町」駅北出口から徒歩5分、都営地下鉄三田線「芝公園」駅、「御成門」駅から徒歩8分。

◆参加費:
おひとり様2000円
※参加費は本プロジェクトおよび研究会の準備・運営・報告に活用いたします。
※なお申込みをキャンセルされた場合、ご返金はしかねますので、ご容赦ください。参加費は本プロジェクトの活動費用として活用させていただきます。

◆定員
30名程度(申込み多数の場合は先着順とさせていただきます)

◆当日のプログラム(予定)
・開沼博先生(福島大学)「危機学のススメ:震災後に何が起こったのか?」
・坂井田瑠衣先生(慶応義塾大学)「危機における人々の振る舞いを科学する:危機コミュニケーション論の挑戦」
・グループディスカッション・発表・講評「コミュニケーション不全により困った経験を挙げ、解決に向けて実施出来ることを考える」
・伊達(事務局)「福島学構築プロジェクトの今後の展開と皆様へのお願い」


◆企画者:
福島大学 福島学構築プロジェクト
(事務局:株式会社ビジネスリサーチラボ)

◆ご注意:
本研究会の様子は、予告・許諾なく、写真・ビデオ撮影・ストリーミング配信する可能性があります。写真・動画は企画者・協力機関が関与するWebサイト等の広報手段、講演資料、書籍等に許諾なく用いられる場合があります。マスメディアによる取材に対しても、許諾なく提供することがあります。ご参加に際しては、上記をご了承いただける方に限ります。

◆お申込み
画面右のチケット購入フォームよりお申込みください。

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Les Presses universitaires de Rennes ont le plaisir de vous annoncer la parution de l'ouvrage

"Samourai. 1000 ans d’histoire du Japon" 2014

Pierre-Francois Souyri
C’est un magnifique portrait du samourai que restitue Pierre-Francois Souyri dans cet ouvrage illustre. Quels furent reellement ces guerriers, apparus au Xe siecle et qui dominerent l’histoire du Japon durant un millenaire ? Guerrier violent, adepte de la mort volontaire et soumis a un exigeant code moral, administrateur zele au service de son seigneur, fin lettre habite par la poesie et la spiritualite, esthete amateur d’art et de the, le samourai fut tout cela au cours des ages. En coedition avec les editions du chateau des ducs de Bretagne. Avec des prefaces de Yoichi Suzuki, Aurelie Filippetti, Johanna Rolland et Bertrand Guillet.

ISBN : 978-2-7535-3423-0
Prix : 39,5 euros


Auteur(s) :
Pierre-Francois Souyri, ancien directeur de la Maison franco-japonaise a Tokyo, est professeur a l’universite de Geneve ou il enseigne l’histoire du Japon.


ピエール・フランソワ・スイリさんは、かつて日仏会館(東京/恵比寿)の館長さんでいらした方で、現在はジュネーヴ大学で日本の歴史について教鞭を執っておられます。
『さむらい 日本の歴史千年』は、今年2014年、レンヌ大学出版から刊行されたところです。

Charlotte Gainsbourg / L'un part l'autre reste


Ta P'tite Flamme: Amelie-Les-Crayons



Julio Iglesias - Caminito



Julio Iglesias - Nostalgie


その昔、フリオ・イグレシスに悩殺されてしまって、追っかけをしていた、とても美人の友人がいた。その頃は、愛に飢えた40代の女が、その表面的な優しさにとろけてしまう類の単なる「世界の貴公子」かと思っていたが、ボクサーだったか,何かのスポーツ選手をやっていて九死に一生を得て、それ以降、歌手に転身したという話をどこかで聞いてから、そういえば、彼はいつも祈るように歌っている、と思うようになり、それまでと考えが変わり、私もミーハーかもと思いつつ、時々、ひどく彼の優しさに打ちのめされてみたい欲求に駆られる。

ああ、しかし、そうもしていられない。今週は、世の先生方と同様、まだこれから200枚余のレポートの採点が待ち構えているのです。海の日や花火大会の噂を聞くと、そわそわしてきてしまいますが、先生方も猛暑の中(梅雨はいつ明けるのでしょう!)、夜明かしなどして無理をなさらずに、どうぞ頑張ってくださいね!

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女性大臣と男性大臣の数が15対15で同数。ということは、昨年のオランド内閣がフランス史上、初めて実現した時と同じ組閣ということですね。

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大臣
Laurent Fabius
ローラン・ファビウス
 Ministre des Affaires etrangeres et du Developpement international
外務・国際開発大臣

Biographie/略歴
Segolene Royal
セゴレーヌ・ロワイヤル
 Ministre de l’Ecologie, du Developpement durable et de l’Energie
エコロジー・持続可能開発・エネルギー大臣

Biographie/略歴
Benoit Hamon
ブノワ・アモン
Ministre de l’Education nationale, de l’Enseignement Superieur et de la Recherche
国民教育・高等教育・研究大臣

Biographie/略歴
Christiane Taubira
クリスチャーヌ・トビラ
Garde des Sceaux, ministre de la Justice
国璽尚書、司法大臣

Biographie/略歴
Michel Sapin
ミシェル・サパン
Ministre des Finances et des Comptes publics
財務・公会計大臣

Biographie/略歴
Arnaud Montebourg
アルノー・モントブール
Ministre de l’Economie, du Redressement productif et du Numerique
経済・生産再建・デジタル大臣

Biographie/略歴
Marisol Touraine
マリソル・トゥーレーヌ
Ministre des Affaires sociales et de la Sante
厚生大臣

Biographie/略歴
Francois Rebsamen
フランソワ・レブサメン
Ministre du Travail, de l’Emploi et du Dialogue social
労働・雇用・労使対話大臣

Biographie/略歴
Jean-Yves Le Drian
ジャン=イヴ・ル・ドリアン
Ministre de la Defense
国防大臣

Biographie/略歴
Bernard Cazeneuve
ベルナール・カズヌーヴ
Ministre de l’Interieur
内務大臣

Biographie/略歴
Najat Vallaud-Belkacem
ナジャット・ヴァロー=ベルカセム
Ministre des Droits des femmes, de la Ville, de la Jeunesse et des Sports
女性権利・都市・青少年・スポーツ大臣

Biographie/略歴
Marylise Lebranchu
マリリーズ・ルブランシュ
Ministre de la Decentralisation, de la Reforme de l’Etat et de la Fonction publique
地方分権・国家改革・公務員大臣

Biographie/略歴
Aurelie Filippetti
オレリー・フィリペティ
Ministre de la Culture et de la Communication
文化・通信大臣

Biographie/略歴
Stephane Le Foll
ステファヌ・ルフォル
Ministre de l’Agriculture, de l’Agroalimentaire et de la Foret, Porte-parole du Gouvernement
農業・農産物加工業・林業大臣、政府報道官

Biographie/略歴
Sylvia Pinel
シルヴィア・ピネル
Ministre du Logement et de l’Egalite des territoires
住宅・地域間平等大臣

Biographie/略歴
George Pau-Langevin
ジョルジュ・ポー=ランジュヴァン
Ministre des Outre-mer
海外県・海外領土大臣

Bigraphie/略歴
担当大臣
Jean-Marie Le Guen
ジャン= マリー・ル・グエン
Secretaire d’Etat aux Relations avec le Parlement, aupres du Premier ministre
首相付 国会関係担当大臣

Biographie/略歴
Thierry Mandon
ティエリー・マンドン
Secretaire d’Etat charge de la reforme de l’Etat et de la simplification, aupres du Premier ministre
首相付 国家改革・簡素化担当大臣

Biographie/略歴
Fleur Pellerin
フルール・ペルラン
Secretaire d’Etat chargee du Commerce exterieur, de la promotion du Tourisme et des Francais de l’etranger, aupres du ministre des Affaires etrangeres et du Developpement international
外務・国際開発大臣付 貿易・観光振興・在外フランス人担当大臣

Biographie/略歴
Harlem Desir
アルレム・デジール
Secretaire d’Etat aux Affaires europeennes, aupres du ministre des Affaires etrangeres et du Developpement international
外務・国際開発大臣付 ヨーロッパ問題担当大臣

Biographie/略歴
Annick Girardin
アニック・ジラルダン
Secretaire d’Etat au Developpement et a la Francophonie, aupres du ministre des Affaires etrangeres et du Developpement international
外務・国際開発大臣付 開発・フランコフォニー担当大臣

Biographie/略歴
Frederic Cuvillier
フレデリック・キュヴィリエ
Secretaire d’Etat charge des Transports, de la Mer et de la Peche, aupres de la ministre de l’Ecologie, du Developpement durable et de l’Energie
エコロジー・持続可能開発・エネルギー大臣付 運輸・海洋・漁業担当大臣

Biographie/略歴
Genevieve Fioraso
ジュヌヴィエーヴ・フィオラゾ
Secretaire d’Etat a l’Enseignement superieur et a la Recherche, aupres du ministre de l’Education nationale, de l’Enseignement superieur et de la Recherche
国民教育・高等教育・研究大臣付 高等教育・研究担当大臣

Biographie/略歴
Christian Eckert
クリスチャン・エケルト
Secretaire d’Etat au Budget, aupres du ministre des Finances et des Comptes publics
財務・公会計大臣付 予算担当大臣

Biographie/略歴
Carole Delga
キャロル・デルガ
Secretaire d’Etat chargee du Commerce, de l’Artisanat, de la Consommation et de l’Economie sociale et solidaire, aupres du ministre de l’Economie, du Redressement productif et du Numerique
経済・生産再建・デジタル大臣付 商業・手工業・消費・社会的連帯経済担当大臣

Biographie/略歴
Axelle Lemaire
アクセル・ルメール
Secretaire d’Etat chargee du Numerique, aupres du ministre de l’Economie, du Redressement productif et du Numerique
経済・生産再建・デジタル大臣付 デジタル担当大臣

Biographie/略歴
Kader Arif
カデル・アリフ
Secretaire d’Etat aux Anciens combattants et a la Memoire, aupres du ministre de la Defense
国防大臣付 退役軍人・記憶担当大臣

Biographie/略歴
Andre Vallini
アンドレ・ヴァリニ
Secretaire d’Etat a la Reforme territoriale, aupres de la ministre de la Decentralisation, de la Reforme de l’Etat et de la Fonction publique
地方分権・国家改革・公務員大臣付 地方改革担当大臣

Biographie/略歴
Laurence Rossignol
ローランス・ロシニョル
Secretaire d’Etat chargee de la Famille, des Personnes agees et de l’Autonomie, aupres de la ministre des Affaires sociales et de la Sante
厚生大臣付 家族・高齢者・自立支援担当大臣

Biographie/略歴
Segolene Neuville
セゴレーヌ・ヌヴィル
Secretaire d’Etat chargee des Personnes handicapees et de la Lutte contre l’exclusion, aupres de la ministre des Affaires Sociales et de la Sante
厚生大臣付 障害者・疎外防止対策担当大臣

Biographie/略歴
Thierry Braillard
ティエリー・ブライヤール
Secretaire d’Etat aux Sports, aupres de la ministre des Droits des femmes, de la Ville, de la Jeunesse et des Sports
女性権利・都市・青少年・スポーツ大臣付 スポーツ担当大臣

Biographie/略歴

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 NHKの特集「女性が働きやすい社会 フランスでは」は、知りたい内容が解りやすく、よく纏められていると思いました。しかしながら、次のような結論には、緊迫感が欠けているのではないかという印象を受けました:1)声をあげる  2)経験を参考に、限られた時間をやりくりしたり男性の家庭での役割を見直したりする 3)国の役割:日本独自の工夫を重ねていく必要がある

 その点で、本学会の研究発表会(2014年7月12日土曜日)における松本伊瑳子さんの男子学生たちの現状認識の変容に関する発表の結論は、非常に現実的で説得力がありました。大学の講義と学習者のグループ学習を通し、学生達の多様な局面における意識の変容をみたとする実践に基づいた研究発表だった訳ですが、教師の教えるモチベーションと学生たちの自主的な学習が信じがたいほど大きな成果を収めた、極めて深い教訓と示唆に富んだ内容でした。ジェンダーという言葉を一言も使わないにもかかわらず、授業の回数を重ねるごとに、少子化問題、パリテ、パックス、子育て支援、ワークライフバランスといった問題に対する若い男子学生たちの姿勢が受け身から能動的なものに変容し、国を変えていくことや政治に参加することの重要性を学生達が自らの言葉で表現するまでに至ったとする知見は、実践と事実を土台しているだけに非常に説得力があり、大変な勉強になりました。
 また、目黒ゆりえさんの「現代の母親たちは何を考えているか」を主要テーマとする発表も、子供をもつ20代から40代の首都圏および地方在住の母親たち75名にアンケートを実施し、彼女たちを取り巻く現状をデータ化した実践的な内容を包括しており、母親たちの苦労や苦悩を可視化している点で独創的かつ有意義な発表だったのではないかと思います。
 二つの発表はNHKの報告の結論を補完するものです。メディアは、生半可な結論に小さく自己完結し充足してしまう閉じられたトポスで時代に遅れた憶見に基づいて草案された机上の理想論からは即脱却し、世界の最先端をゆく知的人間的に高度なレベルの報道精神をもってして、現実に女性達が地道な努力をすでにスタートさせ成果を上げている、このような研究発表を嚆矢とする事例を広範に取材し、ジェンダー発展途上国の古びた意識の根本的な変革を目指すべきではないかと感じた次第です。

 このほか、本会では、鳴子博子さんのルソーの女性観と国家論を中心に戦争と女性の問題を論じた、大きなパースペクティヴのもとにダイナミックに構築された発展的な研究発表がありました。サンド研究者にはよく知られているように、ジョルジュ・サンドは、自らを「ルソーの娘」と称していました(『我が生涯の記』)。ルソーはアンチフェミニストと見なされがちですが、果たしてその通りだったのか。本人に女性的なところがあったと指摘されている通り(Cf. 『告白』)、ルソー自身は女性を二義的な存在とは考えてはいなかったように思われます。『エミール』の中でも、男女は異なる性ゆえにそれぞれの教育が必要であり、両性がお互いに足りない部分を補完し合うべきだと述べています(18世紀の科学者たちの見解を反映する当時の二元論的な性補完論)。したがって、決してモリエールのように女嫌いで女性蔑視的な考えを持っていたわけではなく、国の行く末を第一に考えていた思想家であることを、今回、私自身のこれまでの稚拙な研究を振り返りつつ、深く学ばせて頂きました。
 さらに、リオン大学で日本語と日本文学について教鞭を執っておられる細井綾女さんの、フロイト、ラカンの精神分析やクリステヴァの母の理論を涵養した三人の韓国人作家の作品分析を基軸とした発表は、稀少かつ非常に含蓄のある内容でした。発表を拝聴しながら、韓国の女性監督、呉美保による映画「そこのみにて光輝く」(2014)を思い浮かべていました。この映画にもまた、切迫した現実と超えがたい不条理や男女の性愛が描かれており、母なるアブジェが娘を通して、三人の作家とは違う形で、しかしながら同じ問題に通底する不可視のテーマを表象していると思われたからでした。このような韓国人作家の作品分析は、刺激的な斬新さを内包している点で極めて貴重であると感じました。

 それぞれの発表に関しコメンテーターによる解説のあと、発表者と参加者間でも活発な質疑応答が交わされました。今年の会員研究発表会は、教育学、政治学、哲学、社会学、精神分析、文学といった多様な領野の横断領域的な視点から現代のジェンダーの問題を照射した点で、重層的かつ示唆に富んだ、非常に画期的な研究会であったというのが私の率直な感想でした。
 

Unknown




「マルスリーヌ・デボルド=ヴァルモール研究」7/19 3pm

日時:7月19日(土)3pmー5pm
場所:跡見学園女子大学文京キャンパス 1号館3階小会議室
   地下鉄丸ノ内線茗荷谷駅徒歩2分
   http://www.atomi.ac.jp/univ/about/campus/access.html

発表:岡部杏子(早稲田大学)
題目:「マルスリーヌ・デボルド=ヴァルモール研究 − 1830年代の状況詩を中心に −」
発表要旨:
 本発表の目的は、19世紀前半から中葉のフランスで活動した女性詩人マルスリーヌ=デボルド=ヴァルモール(1756-1859)の生涯と作品を概観し、その特徴を明らかにすることである。発表の構成は以下のとおりである。まず、デボルド=ヴァルモールの生涯および執筆活動を簡潔に紹介する。次に、古典的な先行研究に基づいて、恋愛・母性愛といった女性らしい主題の歌い手という、デボルド=ヴァルモールに付与される典型的なイメージを確認する。そして最後に、最新の研究動向を踏まえつつ、デボルド=ヴァルモールの韻文詩を読解・分析する。それによって、これまでの典型的な詩人像とは異なる側面、すなわち社会に参与する女性文学者という新たな側面を提示したい。

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参加をご希望の方は、お手数ですが、西尾までご連絡下さい。会場は2階ではなく3階ですのでお気をつけ下さい。

http://blog.goo.ne.jp/csophie2005

Marce-Valmore

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