薔薇の言葉

フランス語・フランス語教育/フランス語圏の諸相と女性事情/メディアと現代女性など

カテゴリ : セミナー・研究会

公開研究会のお知らせ


 標記の研究会を下記の通り開催いたしますので、万障お繰り合わせの上、ご出席
くださいますようお願いいたします。




1.日 時 2016年7月27日(水)16:40〜19:00

2.場 所 中央大学多摩キャンパス 2号館10階
      第一共同研究室 21061号室

3.講 師 河上 睦子 氏(相模女子大学名誉教授)

4.テーマ 【共生社会への模索―「共食」論をめぐって―】

※ 主催:中央大学「暴力・国家・ジェンダー」チーム(幹事 中島 康予)
 共催:中央大学経済研究所「思想史研究会」

      
**以下は、講師の河上睦子氏が示してくださった概要と参考文献です。
参考になさってください。

概要:
異なるものたちがいかに共存しあっていくか、という共生への問いは、
現代社会の課題です。個人主義化していく時代のなかで、自由と平等、
ジェンダー、差異と公正、支配と依存、排他性と多様性など、コミュニ
ティのあり方が問われています。これらの問いは人間間の問題だけでなく、
自然やモノとのかかわり方の問題も含んでいます。
食の世界においてもまたコミュニティのあり方が問われています。
個食・孤食・「欠食児童」・市場化など、「家族」という「共食共同体」が
揺れ動いています。食の世界における共生のあり方について、「自立と
依存」「自由とケア」など、「共食」論を通して考えてみたいと思います。

参考文献:
・河上睦子『いま、なぜ食の思想か』社会評論社、2015
・尾関周二『多元的共生社会が未来を開く』農林統計出版、2015
・「共食−食のコミュニケーション」『vesta』No.100、味の素食の文化センター、2015
・ポール・ロバーツ『食の終焉−グローバル経済がもたらしたもうひとつの危機』
 ダイヤモンド社、2012
・エヴァ・フェダー・キテイ『ケアの倫理からはじめる正義論―支えあう平等』
 岡野八代・牟田 和恵訳、現代書館、2011

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第10回 会員研究発表会
日仏女性研究学会
2016年7月16日(土)13:35〜16:25
日仏会館(東京/恵比寿)501号室

司会 西尾治子

第1発表者:押田千明(日仏女性研究学会) 13:35ー14:15

 「黒人の友の会」初代会長コンドルセとオランプ・ドゥ・グージュ
   ―黒人奴隷制度をめぐって―

第2発表者:中村彩(東京大学大学院博士課程)14:15ー14:55 
             
 ボーヴォワールの文学論再考

―休憩(5分)―

第3発表者:佐藤朋子(関東学院大学非常勤講師)15:00 ー15:40

 成熟の思想
  ―マリア・トローク『女性における"ペニス羨望"の意味』(1964年)のセクシュアリティ論―


3つの発表への自由討論(コメンテーター&司会:棚沢直子・木村信子) 15:40−16:20

全体のまとめ(棚沢直子) 16:20ー16:25

会員以外の方の参加も大いに歓迎いたします。

参加費(資料代)500円

連絡先
cdfjf.info@gmail.com


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研究促進プログラム「パロールの言語学」では、第2回研究会を公開(参加自由・入場無料)で実施することとなりましたので、お知らせいたします。関心のおありの方は、どなたでもご参会いただければ幸いです。

(1月にもご案内いたしましたが、実施まで約1週間になりましたので、一部詳細化したお知らせをお送りいたします)

日時:3月8日(日)14時から17時15分
場所:慶應義塾大学・三田キャンパス・研究室棟1階A会議室
三田キャンパスまでの経路、および構内の地図(研究室棟は地図の【10】):
http://www.keio.ac.jp/ja/access/mita.html

プログラム:
(1)14hー15h
大塚陽子(白百合女子大学)
「フランス語初級テキストにおける応答に関するポライトネス・ストラテジー」
(2)15hー16h
江川記世子(大阪大学非常勤講師)
「単純過去による書き手の事態記述と読み手の解釈」
休憩
(3)16h15ー17h15
秋廣尚恵(東京外国語大学)
「会話コーパスにおける『理由』を表す従属節 car,comme,parce que,puisque」

司会:
(1)・(2)大久保朝憲(関西大学)
(3)酒井智宏(早稲田大学)

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日本フランス語学会研究促進プログラム「パロールの言語学」世話人:
大久保朝憲(関西大学)・川島浩一郎(福岡大学)・酒井智宏(早稲田大学)・渡邊淳也(筑波大学)

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東京フランス語学研究会では、第13回研究会を以下の要領で開催いたします。
関心のおありのかたはどなたでもご参会ください。
今年度より、会場が早稲田大学に変更になりますのでご注意ください。

東京フランス語学研究会 第13回研究会
 日時: 4月19日(土) 13時から14時30分
 場所: 早稲田大学文学学術院 (戸山キャンパス) 33号館16階第10会議室
 発表者: 守田貴弘(東洋大学)
 題目: 所格論仮説と類型論ーTalmy類型論の現状と射程(仮題)

#早稲田大学文学学術院 (戸山キャンパス) :
 http://flas.waseda.jp/flas/access/

今年度、研究会での5月以降の発表者はすべて未定となっております。とくに若手のみなさんから発表希望を歓迎いたします。
発表を希望なさるかたは、このメールの発信元アドレス、または下記ホームページの「お問い合わせ」の項目から、世話人あてにご連絡ください。
どうぞよろしくお願いいたします。

#東京フランス語学研究会ホームページ:
 http://lftky.jimdo.com/

世話人:渡邊淳也 (筑波大学)・塩田明子 (慶應義塾大学非常勤)

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渡 邊 淳 也 / WATANABE, Jun-ya
http://www.ne.jp/asahi/watanabe/junya/

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第28回関西フランス語教育研究会(ランコントル)は2014年3月28日(金),29日(土)の両日にわたりアンスティチュ・フランセ関西−大阪にて開催されます.

共通テーマは「L'evaluation 評価方法」,「Ma vision de l'enseignement et de l'apprentissage わたしの教育観・学習観」の2つです.

Les 28emes RENCONTRES PEDAGOGIQUES DU KANSAI auront lieu les vendredi 28 et samedi 29 mars 2014, a l'Institut francais du Japon - Kansai‐Osaka.
Les deux grands themes pour ces Rencontres 2014 sont :" L'evaluation " et " Ma vision de l'enseignement et de l'apprentissage ".

アトリエ申し込みフォーム:
http://www.rpkansai.com/info.html

論考申し込みフォーム:
https://docs.google.com/forms/d/1UtJpM1a6Ltb_4I6Hog3uxJ030FCS52E2P8EBr6vCFI4/viewform

http://www.rpkansai.com/info.htmlhttp://www.rpkansai.com/info.html

28日の会が迫って参りました。ご参加下さいます皆さま、押し迫った時期で恐縮です。まだ今週も授業のあるところもあるという事情をご了承頂けますと幸いに存じます。年末の多忙な時期ですが、どうぞよろしくお願い申し上げます。


第28回「女性作家を読む」会

日時  2013年12月28日(土)2pmー4pm
場所  跡見学園女子大学文京キャンパス:1号館3階小会議室

研究会
テーマ:「"Ces femmes qui ont reveille la France" を読む」 

- 企画案の検討: 佐藤浩子 松田裕子 吉川佳英子 田戸ひろ子 西尾治子

- 報告:2014 年春の講演会開催に関する経過報告

懇話会:丸の内のワインバーにて

コーデイネーター
西尾治子

寒さが厳しくなってきました。どうぞ風邪にお気をつけ下さいますよう。

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みなさま

下記の要領で日本フランス語学会第290回例会を開催します。
発表要旨もあわせてご覧ください。

今回が今年度最後の例会で、次回は2014年4月の開催となります。
なお、来年度から例会会場が変更となる予定です。新しい会場につきましては改めてご案内させていただきます。

みなさまの、跡見学園女子大学での最後の例会へのご来場をお待ちしております。

酒井 智宏 (日本フランス語学会・企画運営担当 / 跡見学園女子大学)

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第290回例会 2013年12月7日(土) 15:00-18:00
会場: 跡見学園女子大学文京キャンパス 2号館7階 M2707教室
(東京メトロ丸ノ内線 茗荷谷駅下車 徒歩2分、東京メトロ有楽町線 護国寺駅下車 徒歩8分)

(1) 小田 涼 (関西学院大学)

「『オウムの聖母』と『オウムと女』 − 絵画のタイトルにおける言葉の結びつき」

(2) 東郷 雄二 (京都大学)

「半過去を支える解釈領域 — 視野狭窄の半過去を中心に」

司会: 酒井 智宏 (跡見学園女子大学)

*跡見学園女子大学へのアクセス (文京キャンパスでの開催となりますので十分ご注意ください。)
http://www.atomi.ac.jp/univ/about/campus/access.html
*学会ホームページ
http://www.sjlf.org/
*日本フランス語学会事務局
〒150-8366 東京都渋谷区渋谷4-4-25
青山学院大学フランス文学科合同研究室内
belf-bureau@cl.aoyama.ac.jp
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(1) 小田 涼 (関西学院大学)「『オウムの聖母』と『オウムと女』 − 絵画のタイトルにおける言葉の結びつき」

絵画のタイトルに二つまたは三つ以上の名詞があるとき、それらの名詞の結びつけ方または前置詞や接続詞の選択には、描かれた対象同士の関係が反映されている。例えば、『オウムの聖母』は、前置詞aを用いてLa Madone au perroquetのように表されるが、『オウムと女』については、前置詞a を用いたFemme au perroquetも、前置詞avecを用いたFemme avec un perroquetもどちらも可能である。また、『牝鹿を連れたディアナ』はDiane a la bicheのように前置詞aを用いるが、『レダと白鳥』はLeda et le Cygneのように接続詞etを用いる。
 本発表では、絵のタイトルにおける前置詞aとavec、接続詞etそれぞれの語の選択が絵に描かれた対象同士の関係をどのように反映しているのかについて分析する。絵画のタイトル≪ X a Y ≫における前置詞aは、La Vierge a l’Enfantタイプのタイトルでは、XとYとを分かちがたく結びつけており、avecによる置き換えは不可能である。同じく、La Madone au perroquetタイプのタイトル≪ X a Y ≫では、YがXにとって象徴的な意味を持つ対象であることがほとんどであり、前置詞avecによる置き換えは難しい。一方、Femme au perroquetタイプのタイトルでは、≪ a Y ≫はもっぱら弁別的機能を果たしており、前置詞avecによる置き換えが可能であることが多い。前置詞aを用いた≪ X a Y ≫型のタイトルおよびavecを用いた≪ X avec Y ≫型のタイトルでは、XとYのあいだに何らかの従属関係が認められるのに対して、接続詞etを用いた≪ X et Y ≫型のタイトルでは、XとYとは対等な関係にあるものとして表されている。

(2) 東郷 雄二 (京都大学)「半過去を支える解釈領域 — 視野狭窄の半過去を中心に」

前島(1997)は、半過去を未完了過去形とするアスペクト価値による伝統的な見方では、次の例を説明できないことを論じた。
(1) J’ai tourne la chaine. Un flic { tirait / ??a tire } sur une bagnole qui { prenait / ??a pris } feu. Sur une autre chaine, l’OM {marquait / ??a marque } son quatrieme but. Sur la derniere, une grosse femme { engueulait / ??a engueule } son bonhomme.
(2) J’ai pris le metro. Une fille { engueulait / *a engueule } son copain.
 前島は人称と状況との交渉という発話理論に基づく説明を提示したが、本発表では話し手と聞き手による談話の構築・解釈という観点から説明してみたい。
 本発表では次の点を論じる。
(A) 解釈領域 : 時制形式の意味解釈にはある時空間を指定する解釈領域が必要である。
(B) 情報のアクセスポイント : 話し手は時制を用いた文Sによる談話構築にあたって、Sの伝える情報に心的にアクセスしなければならず、そのために適切なアクセスポイントを選択する。
(C) 上の例 (1) (2)は過去スペースへの視点の移動を伴う知覚的半過去である。また(1)ではTVのチャンネルを変えたときに画面に映し出された場面を、(2)では地下鉄に乗った際に目に入った場面を述べており、いずれも先行する場面を持たない。
(D) このとき過去スペースへの1回の心的アクセスで取得できる談話情報は、評価時t1においてその成立・不成立が確認できる状態性の事態に限られる。このために(1) (2)では複合過去を用いることができず、半過去を用いなくてはならない。
 同様の談話的制約は次の日本語の例でも観察できる。
(3) [誘拐され薬をかがされて意識を失っていた]
  はっと気がつくと、後ろ手に {しばられていた /??しばられた}。
 またいわゆる「ムードのタ」が状態性述語に限られることも同じ制約で説明できる。
(3) 君は確か鳥取の生まれだったね。
(4) ??君は確か鳥取で生まれたね。

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みなさま

下記の要領で日本フランス語学会第290回例会を開催します。
多数のご参加をお待ちしております。
酒井 智宏 (日本フランス語学会・企画運営担当 / 跡見学園女子大学)

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第290回例会 2013年12月7日(土) 15:00-18:00
会場: 跡見学園女子大学文京キャンパス 2号館7階 M2707教室
(東京メトロ丸ノ内線 茗荷谷駅下車 徒歩2分、東京メトロ有楽町線 護国寺駅下車 徒歩8分)

(1) 小田 涼 (関西学院大学)

「『オウムの聖母』と『オウムと女』 − 絵画のタイトルにおける言葉の結びつき」

(2) 東郷 雄二 (京都大学)

「半過去を支える解釈領域 — 視野狭窄の半過去を中心に」(仮題)

司会: 酒井 智宏 (跡見学園女子大学)

*跡見学園女子大学へのアクセス (文京キャンパスでの開催となりますので十分ご注意ください。)
http://www.atomi.ac.jp/univ/about/campus/access.html
*学会ホームページ
http://www.sjlf.org/
*日本フランス語学会事務局
〒150-8366 東京都渋谷区渋谷4-4-25
青山学院大学フランス文学科合同研究室内
belf-bureau@cl.aoyama.ac.jp
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第9回京都言語文化教育研究会
2013年11月30日(土)14:00より
京都大学吉田南構内総合館216(南棟2階)
参加費300円(お茶代)
終了後に懇親会あり

初期の上田万年のローマ字論
アリポヴァ カモラ(京都大学大学院)
 発表者は、従来論じられることが少なかった上田万年(1867〜1937)のローマ字論について研究している。なぜ上田は国語を表記するのにローマ字がいいと思ったのか。ローマ字にするためにどうすればいいと考えたのかを理解することが課題である。
 これらの課題を明らかにする第一歩として、本発表においては、1895年の論文「新国字論」を中心に、上田のローマ字論の出発点を探り、ローマ字運動と上田万年との関わりについて考察する。

「戦前期の官立高等商業学校における第二外国語教育ーースペイン語を事例として」
 坂野鉄也(滋賀大学)
 戦前期日本の高等教育機関には、「専門学校」と称される諸学校があった。この旧制の専門学校においては、「実学」、つまり卒業後すぐに役に立つと考えられた様々な知識が日本語で教授された。学術技芸の「蘊奥ヲ攷究スル」ことが目的とされた帝国大学を頂点とするエリート養成システムとは別の、分野ごとの即戦力エリートを養成するルートが存在したのである。設立目的の異なる二つの教育システムにおいては当然のことながら、異なる語学教育が実施された。それが典型的に現れるのは開講された言語である。専門学校では、学問の奥義を探求するために必要な英、仏、独語だけでなく、「実用語学」とされる中、露、朝鮮語も教授されるばあいもあった。特に、国策に則った商業人を育成することが目指された官立高等商業学校では、通商や移民送出において必要となる、西、葡、蘭、あるいはマレー語が教授されることもあった。ここでは、実学教育の場である官立高等商業学校においておこなわれた「実用語学」教育の一端をスペイン語教育を事例として紹介する。

景色秋






下記の要領で日本フランス語学会第289回例会を開催します。
発表要旨とあわせてご案内いたします。

多数のご参加をお待ちしております。

酒井 智宏 (日本フランス語学会・企画運営担当 / 跡見学園女子大学)

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第289回例会 2013年11月9日(土) 15:00-18:00
会場: 跡見学園女子大学文京キャンパス2号館7階 M2707教室
(東京メトロ丸ノ内線 茗荷谷駅下車 徒歩2分、東京メトロ有楽町線 護国寺駅下車 徒歩8分)

(1) 津田 洋子 (京都大学大学院)

「〈voila+名詞句+関係節〉 構文をめぐって―先行場面とスキーマ化されたシナリオ―」

(2) 春木 仁孝 (大阪大学)

「大過去の前景化効果について―時間的先行性を表わさない大過去―」

司会: 守田 貴弘 (東洋大学)

*跡見学園女子大学へのアクセス (文京キャンパスでの開催となりますので十分ご注意ください。)
http://www.atomi.ac.jp/univ/about/campus/access.html
*学会ホームページ
http://www.sjlf.org/
*日本フランス語学会事務局
〒150-8366 東京都渋谷区渋谷4-4-25
青山学院大学フランス文学科合同研究室内
belf-bureau@cl.aoyama.ac.jp
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1. 津田 洋子 (京都大学大学院)「〈voila+名詞句+関係節〉 構文をめぐって―先行場面とスキーマ化されたシナリオ―」

〈voila+名詞句+関係節〉構文には、話し手の目の前で起こった出来事に聞き手の注意を向けさせようとする(1)のようなタイプの文がある。

(1) a. C’est bien. Ah, voila le feu qui flambe.
b. Arrete, mais arrete ! ca y est ! voila mes plaques qui recommencent !

この文タイプは、「発話状況への注意喚起(Rothenberg 1971)」、「聞き手に直接知覚可能(Lambrecht 2000)」など、直示性の観点から説明されることが多かった。一方、voilaは空間的直示機能だけでなくアスペクトマーカーとしての機能を持つことも指摘されてきた(Lafontaine 1989, Leard 1992)。これらの先行研究をふまえ、津田(2013)では、il y a 構文との比較から、話し手の目の前で起こった同じ出来事を表現しながらも、voila構文には先行場面が存在するという仮説を提示した。
 本発表では、この先行場面との関係性にもとづく、話し手の目の前で起こった出来事の予測可能性について考察する。そして、出来事を表わす〈voila+名詞句+関係節〉構文が定名詞句と共起しやすいことを示した上で、定名詞句の場合には、時系列上にスキーマ化された出来事のシナリオの存在により、先行場面から予測可能な出来事を表わすことを説明する。
 また、〈voila que 節〉との対比においては、出来事の中核的参与者である名詞句の指示対象が出来事の予測に組み込まれているかどうかが、両構文の意味の違いとなることを説明する。

2. 春木 仁孝 (大阪大学)「大過去の前景化効果について―時間的先行性を表わさない大過去―」

大過去は教科書的には「過去における過去」を表わすと言われるが、小説などの語りにおいては時間的先行性を表わさず、当該文脈で自らに先行する半過去、単純過去、複合過去などが表わす事態に対して継起的な事態を表わしている場合がある。半過去に関しては過去全体をカバーできる時制であるところから、大過去が表わす事態よりも以前の未完了的な事態を表わすことがあることは知られているが、物語的半過去や単純過去に対して継起的な事態を表わす大過去が存在することはこれまで論じられることはなかった。本発表では中村芳久氏が提唱する認知モードの観点を導入して、Iモード的な語りの文脈において時間的に先行する事態を表わしていない大過去は、前景的な事態を表わすために用いられていることを示す。Iモード的な語りは、通常の半過去の使用や物語的半過去の使用などによって構成されるが、本発表で問題にするような大過去そのものの使用がIモード的語りの開始となることもある。また、自由間接話法(または自由直接話法)的な語りによって構成されることもある。
 発表では大過去以外の時制に関しても、Iモード的(そしてDモード的)な語りとの関係についても多少とも言及する予定である。

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