2013年03月

なくなるもの,残るもの

3月31日は年度末。このタイミングで切り替わるものはたくさんある。公的機関が関与するものなどは特に,年度始まり/終わりで区切られることが多い。

平成24年度末をもって,鳴門市の市営バスが64年の歴史に幕を下ろす。決して大規模ではないが,ある意味ユニークな事業者だった。コミュニティバスなどでよく指摘されるように,自治体が関与するとどうしても地域から大きく踏み出すことは,まれ。ところが鳴門の市バスは,市域を越えて隣接する町に入り,市どころか県域すら越えて香川まで走り,さらにかつては県域どころか海をも越えて淡路島まで乗り入れていた。

130331この姿は今日31日限り。新年後からは徳島バスが引き継ぐ。

ところで方向幕の「阿淡汽船」とは,遠い昔に鳴門と南淡の福良港(淡路島)を結んでいた航路。四国と淡路を結ぶ大鳴門橋の開通で航路廃止になったはずだから,かれこれ30年近く前にはサヨナラ運行をしたはずだ。行き先表示としては,そのときになくなっていても不思議ではない。

航路がなくなってから30年,存在はなくなっても地域の意識の中には残っているということか。市バスの路線は徳島バスの路線になるが,30年後に鳴門市営バスを思い出させるものは,地域にどれほど残るのだろう。(や)

小田急グループのバスが大集合!

首都圏に広範な路線網を持つ小田急グループ7社のバスが,今日30日,箱根登山バス城東車庫に大集合した。これは箱根登山バスの開業100周年記念事業の一環として,7社集結という過去にないイベントが実現したもの。これに加えてバスメーカー3社と,地域の自動車学校なども参加し,出展バス12台という規模になった。さらに部品販売,グッズ販売,オリジナルミニカー製作コーナーなど豊富な内容で,あいにくの曇り空にもかかわらず家族連れ,バスファンで大いに賑わった。イベント推進の中心となった箱根登山バスのM氏は,大勢の来場者を前に喜びを隠せない様子だった。バスラマ掲載前なのでほんの少しだけお目にかけるが,各社の新鋭バスに加え,メーカーから意外な車両が参加,バスファンを沸かせていた。
登山1登山2
下:
さてこちらは箱根登山バスの玄関口・小田原駅。正面に立つのは箱根登山鉄道の商業施設・ベルジュである。1959年に小田原市内初の百貨店・箱根登山デパートとして開業,昭和40年代初頭には売り上げで地域トップの商業施設となったが,1980年に専門店街に業態替えしたという。そのベルジュが明日3月31日をもって閉館する。ほとんどテナントの去った館内では,箱根登山デパート時代の写真を中心に,現在の定点比較も交えた写真展が開かれていた。筆者はイベント取材の帰りにたまたま観覧したが,1950~1960年代の登山バス,伊豆箱根バスも少なからず見ることができた。会場には写真を観覧した地元住民のコメントが並べられ,箱根登山デパート華やかなりし頃を懐かしがる人も多かった。(S)登山3

路面電車メモリアル9

 昨年1月以来のご無沙汰となった「路面電車メモリアル」,今回は川崎市交通局を取り上げる。川崎市電は戦中の1944年に,軍需工場の輸送力確保を目的に開業した。戦後もそのまま工業地帯の足となり,国鉄貨物列車の乗り入れによる一部三線軌条化,さらには京浜急行大師線の一部に乗り入れるとともに,その後同区間を買収,そして買収区間の一部を国鉄貨物駅の開業で休止するなど,短期の間に様々な変化を遂げた歴史がある。しかし市内のバス路線拡充の中で運行は開業以来の1路線にとどまり,19693月末をもって廃止された。営業期間はわずか25年,完全な工場輸送のための路面電車という点では異色だったといえる。

 筆者が訪れたのは最終日当日であった。川崎に出向いたのもそれが初めてだったと思うが,どんよりした雲が空を覆い,いかにも川崎らしい雰囲気などと勝手に思ったものである。1969年は5月に東急玉川線の廃止が予告され,また都電も横浜市電も路線を減らしており,首都圏だけに限っても路面電車の廃止ブームの最中といえた。それだけに路線規模の小さな川崎市電がなくなるのは,当然とは言わないまでも大した話でなかったかといえる。

 運行区間は川崎駅前-池上新田間の1系統だけだから,労もなく全線を撮り歩いた。成就院前にあった車庫も訪問したが,構内で不用品が焼かれる中(いまなら環境問題でNGだ),部品を頂戴したことも想い出である。その一つ,ブレーキレバーは昨年まで所蔵していたが,腐食が進んでいたことからやむなく処分した。写真の一枚はバスラマ№45にも掲載したが,ここではそれ以外のカットを紹介しよう。(S)

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上:併用区間の第一国道電停での装飾電車。周囲には初代日野レンジャー,日産クリッパー,2代目後期型トヨエース,日産ディーゼルサングレイト,
130セドリックタクシーなどが見える。なお最終日当日,川崎駅前や主要停留所にはカメラを持ったファンや沿線住民が見られたが,あくまでも限られた存在。最近の東横線渋谷駅地下化の時のような「誰でもカメラマン」状態など,当時は想像もつかなかった。


下:工場地帯に入ると専用軌道だったから,自動車の影響はほとんどなかった。その一部区間は単線で,タブレット交換も見られた。終着の池上新田で,別れを惜しむ装飾電車。左端に見える線路は国鉄の貨物線であろう。700形は市電の最後を飾った車両では主力の一つ。

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小田急,いよいよ地下へ

首都圏では,先日の東横線の渋谷駅地下化と副都心線への直通化は大々的なニュースとなった。そして今週末,ぽると出版のある下北沢では,より身近で大きな変化がある。これまで地上を走っていた小田急線が地下に潜り,駅周辺が一変する。

その変化を記録しようと,この1週間ほどはいつになく下北沢は大賑わい。日ごろから人通りは多い街だが,いつもはあまり目立たない鉄道ファンが,そこここでカメラを構えている。今朝も早朝からカメラを持った鉄道ファンがあちこちに。通りがかりに眺めてみたら,ぽると出版が仕事で使っているカメラより,よほど高級品をお持ちのようです。いいな…。

それはさておき,小田急が下北沢の地上を走るのは今日まで。明日には地下化するので,陽光差し込むこの光景も見納め。
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それにしても,普段撮り慣れない電車を撮るのって案外と難しいと痛感。いつもはせいぜい12m程度の“小さな”サイズのモノしか撮らないので,どこからどう撮ればいいのやら,結局後ろからスナップ的に撮ってお茶を濁してしまいました。(や)

大賑わい,三菱ふそう喜連川研究所の公開イベント

2月15日の本ブログで告知した,三菱ふそうの喜連川研究所で開催する「2013フェスティバル はたらく車を体験しよう!」に行ってきました。普段はまず目にすることができない自動車メーカーのテストコースに入れることもあり,当日は朝から大盛況。天気に恵まれたこともあり,家族連れで大賑わいでした。

各種ステージイベントのほか,テストコース(高速周回路やオフロード路)の試乗,大型バス・トラック同乗試乗など,自動車メーカーならではの体験型イベントが盛りだくさん。また車両展示も,ふそうの大小様々なバス・トラックに加え,東日本大震災の復興支援で活躍したゼトロスの里帰りや,消防車や警察車両,自衛隊車両をはじめとする“はたらくくるま”が盛りだくさんで人気を集めていました。

何とも太っ腹だと感じたのが,各種の車両実験の実演や試験室の公開。ここまで見せてくれるイベントは,そうそうありません。車両が大きいだけに迫力もまたひときわで,大型バスの転角試験やエアバッグ実演,さらには本物の車両を使った衝突実験まで。編集子も「まさか本物のクルマを潰すことはないだろう」と思っていたので,正直驚くと同時に,今どきのキャブの丈夫さには新鮮な驚きもありました。

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車両実験の実演から,エアロエースの転角実験。この時点で22~3°まで傾いていますが,さらに35°超まで傾けて,片側の車輪が浮いていました。でも倒れないなんて,やっぱりすごい。

広報担当者に聞いたら,お昼過ぎぐらいの時点で来場者が5,000人を上回ったとか。さくら市の人口が45,000人程度なので,単純計算で市民の1割以上が来たことになります。東京で考えたら,動員100万人規模に相当!?このイベントの様子は,4月5日発行のワーキングビークルズNo.52と,4月25日発行のバスラマNo.137でたっぷりご紹介します!

さらば相互乗り入れ路線

 3月31日限りで,東京都営バスの特徴的な路線が廃止される。それは東98系統:東京駅南口-等々力(とどろき)。戦後間もなく,鉄道の輸送力補完などの目的で,都心―郊外間に相次いで開設された都営・民営相互乗り入れ路線の生き残りである。東京急行(現東急バス)と共同で運行開始,全盛期にはラッシュ時3分ヘッドで旺盛な需要に対応し,また首都高速開通以降の一時期は都心までの一部区間を高速経由として速達性を高めた。ただ,今回の都営バス廃止は都営バス側だけが撤退するもので,東急バスは継続する。これまで,この種の路線は途中で分断し,都心側を都営バス,郊外側を民営バスが継続するケースが多かっただけに,やや意外ともいえるが,東急バスは都心乗り入れを継続することになる。写真は港区内の虎ノ門1丁目を行く都営バス。頭にみんくるの付いたバス停ポールは東急仕様に置き換えられるのだろうか? なおこの路線の最盛期の話は,バスラマアーカイブス03「東京急行のバス達」にも触れられている。(S)
東98

あひる,陸に上がる。

この3月17日から,東京で日の丸自動車の水陸両用バス・スカイダックが運行を始める。試乗会の様子はテレビの全国放送などでも取り上げられていた。合図に従って,派手に水しぶきをあげて川に入るスカイダックはとても迫力があり,絵的にもおいしいので,テレビで目にされた方も多いだろう。バスラマでも4月25日発行のNo.137でご紹介する。

さて,印刷物たる本誌では“動いているバス”は残念ながらご紹介できない。そこで先行おまけ(?)として,あひるの上陸シーンをご紹介。

ざばざばと上がってくる姿は,水に突入する瞬間と比べるとやっぱり地味。でもスクリューから車輪へと動きが切り替わるタイミングなど,これはこれで面白いかも!?
なお色が褪せたカラーフィルムみたいになっているのは,編集子のコンデジの仕様です…(や)

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