2016年07月

マイナー怪獣のバス

世を挙げてのゆるキャラブーム,自治体はもとより,交通事業者もオリジナルキャラの設定に余念がないが,首都圏のバスに至っては,どの事業者も先駆けとなった都営バスを意識しすぎたのか,どれもあまり変わり映えがしないように見える。
さて本日取材で立川バスを訪問したら,写真のようないすゞエルガがいた。「ウドラバス」である。立川バスのキャラクターはいうまでもなく「リラックマ」。自社オリジナルではなくメジャー系キャラを採用し全国のリラックマファンから注目されているが,ではウドラって何?
実はウドラは立川市のキャラクターを選定する際,「優勝」ではなく次選となった,微妙な立場のキャラクター。特産品のウドが怪獣に突然変異したらしいが,現在話題の「シン・ゴジラ」などに比べればほとんど誰も知らない怪獣といえる。そして次選だけに市から公認されることなく,自ら「公認なりそこね」(非公認)を主張しているあたりがいじましい。
こうしたキャラがバスに仕立てられるのも可笑しいが,立川バスでは以前も立川を舞台としたコミック『聖☆おにいさん』のラッピングバスもあったから,(広告費用の流れなどはわからないが)立川に纏わるものなら何でもOK,なのかもしれない。
「ウドラバス」は2台あり,いずれも立川駅発着路線で運行中とのこと。写真は2012年式のAT車で,「23」の希望番号が示すように元は『聖☆おにいさん』バスだった。  (S)

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修悦体、下北沢に現る

ぽると出版のある下北沢。数年前から小田急の複々線化工事が進められていて、時折構内構造や動線ががらりと変わる、そんな状況が続いています。

利用者の混乱を防ぐため、壁にはベタベタとパソコン仕上げの案内の紙が貼られて、貼り替えられて、立派な看板に成長したりと、はや幾星霜。そして数日前、ついに修悦体の掲示が現れました。

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中央の「←南口北口」が俗に言う修悦体。なんとも味わいのある書体で、編集子は大好きなんです。

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ガムテープで作られたとはとても思えないほど、よく出来ています。
まさに職人技。丁寧な仕上には惚れ惚れします。

現場でガムテープを使って施工(?)デザイン(?)しているので、全く同じものは存在せず、同じ「南」という字体も掲示場所が違うとご覧のとおり。出来合いのフォントセットではありえない、人の温かみも感じられます。

驚くのが、修悦体は元々は警備員さんが案内のために作り始めた、という由来。工事期間のわずかな間だけ現れる、そんなユニークな文字案内、探してみると小田急側の下北沢駅構内のあちこちに掲示してありました。本物の修悦さん作なのか、あるいは模倣なのかは分かりませんが、しばらくは(ごく一部の)通勤客や駅利用者の目を楽しませてくれそうです。

路面電車メモリアル番外編 函館市電近況

2011年12月に『路面電車メモリアル4』で紹介した函館市電。地元の方からも注目されたブログだったが,今回は函館市電の近況をご紹介しよう。
函館から市営バスが姿を消して久しく,市電に集約された函館市交通局はその後函館市企業局交通部に改称して現在に至る。だが今年3月の北海道新幹線開通により函館は観光客が増えており,沿線に観光スポットの多い市電も乗客が増えていると聞く。一方で市営バスを引き継いだ函館バスはバスラマNo.80で訪問して以降も,サービス向上,観光客に利便性の高い路線・ダイヤ設定に熱心である。
今では市電と函館バスをうまく使えば,市内の観光地の多くを巡ることができる。観光客に便利な1日券は市電だけだと600円,バスだけだと800円だが,両者の共通1日券は1,000円,2日券は1,700円だから,何かと出費の多い観光客にはありがたい。また1日券・2日券に限らず,決められた停留所ではバス-バス,バス-市電の乗継割引制度があるから,民営・公営の区別なく利用できるわけだ。下は市電と並ぶ函館バス。函館バスの大型車はかつてのグループ会社・東急バスからの移籍車が多いが,これらは自社工場で再塗装や暖房の強化などが図られて第一線に出ていく。

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市電は現在,2つの系統が運行されているが,全体の8割方は区間が重複し,西側の一部区間のみ2つに分かれた形である。1970年代には全廃が囁かれ,事実,利用者の少ない一部区間は1970~1990年代に廃止されたものの,基幹部分は全国的な路面電車廃止ブームの嵐に耐えて今に至る。何より、観光資源でもある市電を安易に廃止しなかったことに拍手したい。現在の系統番号は『2』と『5』。大方が重複しているので分ける必要はなさそうに思うし,いっそのこと『1』と『2』に改めてもいいように思うが,昔からの利用者も尊重しているのだろう。運賃は210~250円の多区間制である。
現在の車両は1960年代の新造車,その車体新造車,1990年代の新造車,2007年以降のノンステップ車(アルナ製リトルダンサー)にほぼ分けられる。そしてここにきて1994年に新造された3002号(下写真)を車体更新するにあたり,新たな施策が導入された。前後系統番号表示のカラーLED化と,腰板に取り付けられた側面表示器のスクロール表示併用(右)である。系統番号は前後に表示板でも掲げられているが,夜間や降雪時を含めて観光客にもよりわかりやすくという方針のようだ。そしてこれらは本来バス用のオージ製を採用している。さらに2灯式から4灯式に改めたヘッドランプもバス用のLED式で,ロービーム/ハイビームの両方が装備されている。こうしたバス用の機器を採用する手法は,市営バスで音声合成装置やバスロケの開発などにも携わった H 課長の考えによるもので,鉄道用よりもコストの低いバス用を選択することで,限られた予算の範囲で最大の効果を上げることをねらったという。なお3002号の更新に当たっては,路面電車の工事ができる企業が道内に見当たらず,東京・八王子の京王重機で施工された。
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市電は今後もICカードシステム(西鉄系ニモカ)導入などの動きがある。なぜ北海道でニモカなのかは興味深いが,より市民や観光客に使いやすい交通機関へのさらなる前進を期待したい。  (S)

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