2018年12月

路面電車メモリアル 13

かつては大分にも路面電車が走っていた。1900(明治33)年に開業し九州で最も古い電車線と言われる、大分交通軌道線=通称「別大線」である。
大分交通といえば現在ではバス事業者として名が通っているが、かつてはこの軌道線と、いくつかの鉄道線も運行していた。今回のエントリーで参考にした鉄道ピクトリアル1969年4月発行の臨時増刊(通巻223号)には、この時点で残されていた鉄道の耶馬渓線(1975年廃止)が大きな赤字を生み出す一方で、大分駅―春川駅18.4kmを走る軌道線は利用者数も堅調で黒字運営と記されている。ただし別大線は大分駅から約3 kmにわたる市街地区間を除けば国道10号を走行することで、1960年代後半から本格化したモータリゼーションの影響は深刻だったようだ。大分県・大分市から大分交通に対しては、自動車の増加した国道10号の混雑緩和(道路拡張の余地がなく、軌道敷を自動車用に利用する)を理由に、1969年時点ですでに再三の事業廃止の申し入れがされていたとされる。結局その力に抗えなかったのだろう、果たして別大線は1972年4月5日、72年の歴史をもって廃止された。
今回の写真は廃止数日前の1972年3月26日、国際観光港前で撮影したものである。本連載の長崎電軌と同じく修学旅行の時であるが、別大線は朝方、国道10号沿いのドライブインでの休憩時間に撮影したもの(ここで朝食をとったのかもしれない)。すでに廃止時期の情報は得ていたので、筆者にとって非常にラッキーではあったが、当然路線の全容をつかむことはできず、後ろ髪を引かれる思いでこの場を去ったことを思い出す。(S)


大分2
国際観光港前を行く100形112号。1928(昭和3)年・川崎車輌製で当時車齢44年という古豪である。この仲間は制御器などを改造された150形と合わせて16両が在籍し、全在籍車の約半数を占めていただけに、ファンからは別大線の典型的スタイルとして印象づけられていたと思う。遠方に西鉄バスの貸切車が数台止まっているのが見える。

大分4
車号の表記が見られないが、前後扉で比較的近代的なスタイル、また広告電車という点から、1954年に日立で2両が製作された300形である。なおこれ以降の新車は前中扉の単車と、連節車に移行するが、戦後製作された単車はご覧のように連結器を備え、連結運転ができた。

大分3
一連のネガにあった、電車の姿のない別大線の駅。単線の専用軌道の区間で、しかも国道が大きくカーブするところ。この次のカットでは、専用軌道を走る電車がわずかに映ることから、仏崎か田ノ浦と思われる。奥の線路は国鉄日豊本線だが、現代のストリートビューで確認しても、国道が拡幅されたこともあり場所が特定できない。事務室には駅員がいるが、右手の待合室らしきエリアにはベンチも見えず廃止の準備が進んでいるようだ。ちなみに当時の電車の運行は9~10分間隔、現在のバスは平日昼間で20分間隔だから、半世紀近くの間に半減していることになる。

〈速報〉東京都交通局 フルフラットバスデビュー!

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東京都交通局待望の“フルフラットバス”ことスカニア・ボルグレン オプティマス(2DG-NB4X2BVJ)が本日正式にデビューし、都庁を舞台に小池都知事を迎えてお披露目式が行われました。一般路線デビューは12月25日(火)が予定されており、走行路線は都02系統(大塚駅―錦糸町駅)となります。なお今年度は29台導入されますが、25日に路線運行を始めるのは1台。残りの車両は年度末までに順次走り出すとのこと。

“フルフラットバス”という呼び名の由来となっているのが、入口から車内後方まで続く段差のない床面です。かつて国産ノンステップバスにもありましたが、諸般の事情で近年は前中扉間ノンステップに収斂して消滅した構造です。さらに都営バスのスカニア・ボルグレン オプティマスは欧州系の最新のコンポーネントを採用し、かつてのフルフラットノンステップバスと比べて中扉以降のフロア傾斜が抑えられています。

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少し早めのクリスマスプレゼント!気になる室内後方を大公開!!
さらにボデー側もこれまでの国産大型バスにはない特徴があり、異国情緒(?)たっぷりです。

年末年始、帰省や旅行で東京にお出での際は、ぜひ最新の“フルフラットバス”乗車にチャレンジしてみてはいかがでしょうか!?

バスラマNo.171 発行迫る!

バスラマNo.171の発行が迫りました。
定期ご購読、ご予約の方は20日夕方に弊社から発送の予定です。
また書店では21日以降、27日頃までに順次販売開始の予定です。
(なお弊社では、各書店の発売日は把握できませんのでご理解をお願いいたします)

今年の12月は22・23・24日の連休により、出版流通が滞る可能性がございます。
弊社からは20日に流通に納めますが、常備店の場合も、入荷が遅れる可能性がありますので、店頭にない場合は店員の方にお問い合わせください。よろしくお願いいたします。

なおすでにお知らせしておりますが、年鑑バスラマ2018→2019の発行は2019年1月30日を予定しています

バスラマNo.171の内容の詳細はぽると出版ウェブサイトでご覧いただけます。
http://www.portepub.co.jp/

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トレーラーと牽引車(トラクター)展を見る

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東京・品川の物流博物館では12月24日まで「トレーラーと牽引車(トラクター)」という企画展を開催している。すでに12月5日発行のワーキングビークルズ69号では開催概要を報じたが、ただ筆者を含む編集部自身が行く機会を得られず、昨日ようやく行くことができたので、会期終了目前ではあるが簡単に紹介しよう。
この博物館は日本通運の資料施設が前身で、元々同社の資料が基礎になっているが、この企画展ではそれよりさらに遡り、同社社員として戦前から物流やトレーラー実用化の研究に携わるとともに、戦後に荷役研究所を設立した平原 直氏の旧蔵資料が基礎となっている。
それによれば、民間でトレーラーが実用化されたのは1933年に鉄道省(現JR)が運行開始したバス・トレーラーで、バスが鉄道の手荷物や郵便物を積んだトレーラーを牽引するもの。考え方は現代の貨客混載に相通じる点がある。1940年には本格的なセミトレーラーが民間に導入された。トレーラーは金剛製作所(戦後トレーラーバスも製作したメーカー)製で、米フルハーフを手本に製作されたという。戦後は日本通運で、運用効率向上を目的とした、オート三輪をベースにした小口配送用のトレーラーが実用化されるとともに、超重量物輸送の分野にもトレーラーが進出、現在のトレーラー普及の基礎を築いていく。
展示物は豊富だがあいにく紹介はできないので、博物館外観と案内板のみ紹介するが、筆者としては1933年頃に試作された日産90をベースとする※日本初のセミトレーラー、黒部第4ダム建設で活躍したメルセデス・ベンツ8000ターボのセメントトレーラー、さらに会場のカラー動画でも紹介される、日本通運で多数活躍した愛知機械製ジャイアントやダイハツなどの三輪車ベースの小口輸送や国鉄コンテナ用トレーラーなどに心を惹かれた。(※追記:90→80に訂正。また日産80は1937年以降なので、展示写真は試作時期よりも後に製作されたセミトレーラーと推測される)
すでに会期終了まで8日足らずとなったが、23・24日の連休まで開催されるので、首都圏在住でトレーラーやトラックの歴史に興味のある方は、ぜひ足を運ぶことをお勧めする。
物流博物館はJR・京急の品川駅、浅草線高輪台から各徒歩8分程度。三田駅・白金高輪駅からは港区ちぃばすで「東京高輪病院」下車すぐ。
http://www.lmuse.or.jp


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バスラマ171号 鋭意編集中!

バスラマNo.171は12月27日発行です。
だたいま編集部では鋭意編集中、ご期待ください。

定期ご購読・ご予約の方は12月20日夕方に弊社から発送を予定しています。また取次店(流通)には20日に納入いたしますが、今年の12月のカレンダーは22日(土)、23日(日)、24日(祝日)と3連休になることから、流通内の停滞が予想されるため、書店発売は27日を目安とさせていただきます。
なおいつものお願いとなりますが、バスラマは流通上の扱いが雑誌ではなく書籍ということもあり、各書店での発売日は弊社では把握できません。
店頭に見当たらない場合は、店員の方にお問い合わせいただきますよう、お願いいたします。

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171号の事業者訪問は江ノ電バスです。
バスラマの事業者訪問には初登場。小田急グループでもしんがりとなります。初登場を記念して(?)総ページ数25ページというボリュームでお届けします。ご期待ください。
江ノ電バスといえば藤沢・鎌倉といった江ノ電の電車の沿線周辺が主力にも感じますが、意外にもエリアは広く、横浜駅にも達しています。また元々日産ディーゼルが多かったことから、現在でも西工の様々なスタイルが在籍しています。

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江ノ電といえば乗り物ファンには電車も欠かせません(全国的には電車の方が知られているかとは思います)。
誌面では電車は少ししか登場しませんので、ここではアーカイブ写真で1点ご紹介。
1973年撮影の600形です。600形は元は東急玉川線の80形で、1969年の玉川線廃止の翌年に江ノ電に4両が移籍しました。引退後は1両が里帰りして世田谷線の沿線に保存されているほか、江ノ電の本社に近い和菓子店(江ノ電もなかの発売元)にマスクだけ保存されています。運行開始の頃は当時の江ノ電バスの貸切バスのようなアイボリーに朱帯でしたが、汚れやすかったようで、ほどなく写真の標準色になりました。(写真S)

改めてのご案内です。
毎年12月中旬に発行してきた年鑑バスラマの発行日が今年度から変わります。
年鑑バスラマ2018-2019は、新年2019年1月30日の発行となります。
より内容を充実しての発行となります。こちらもご期待ください。







札幌のバス 勝手にウォッチング

過日エントリーした路面電車メモリアル番外編に続き、今度はバスファンの方を意識して(?)バスの話をしたい。
札幌市営バスが全廃されて以降、個人的に、札幌のバスに接する機会は大きく減ってしまった。何より市営バスには独特の魅力があり、それが民営バスには見出せないからだろう。しかし事業廃止から15年近くが経った。もし市営バスが今なお健在であっても、標準化や競争入札の波の中で、昔のような魅力は感じられないかもしれない。
9月の訪問では、久しぶりに街角でバスも撮ってみた。市電は走る位置が決まっているから手前のクルマやバイクに注意さえすればいいのだが、バスは電車ほど決まっていないし、速度にもバラつきがある。やっぱりバスの撮影は難しい。(S)
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北24条駅前に集まる北海道中央バス。今回はこの駅の最寄の場所に用があったので、バスターミナルには何度か出入りした。かつて(1970年代半ば)この場所には市営バスの4R110やらMR450やらが集まっており、ウォッチングには好適だった。当時の所属は北光営業所が多かったと思う。写真はその後できた新川営業所の現在の配置車。

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北海道中央バスは一時期9mクラスを一括採用するなどしたが、現在の新車は再び長尺車が主流。一方で中古車はいろんなサイズがある。神奈川県から来たふそうKC-MP717Kワンステップ。短尺車は個人的に、札幌に似合わないサイズに映る。大通で。

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富士重工製の日産ディーゼルKC-UA460LAN。独特のテールランプから出どころは尾張方面とわかる。

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1996年式日野KC-HU2MPCA。いわずと知れた(?)元札幌市営。復刻塗装で緑に塗ってくれないものか? あるいは赤でもいい。とはいうもののこの車、市営バス時代より中央バスの暮らしの方がずっと長くなった。1997年式のKC-MP717P改も確認した。

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週末だったので自衛隊前の交通資料館にも出向いたが、なんと地下鉄のポイント増設工事とかで休館中。電車もバスもあらかたどこかへ運び出され、ボンネットバスとローザと思しき2台だけがブルーシートに包まれていた。かつて4RAといすゞステンレス車の2台の貸切バスを『廃棄』した過去を持つ博物館だけに、いま遺している車両は永遠に将来に伝えてほしい。

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真駒内に現れたじょうてつのいすゞエルガ短尺車。ラッピングしているが、屋根だけ前所有のグループ会社のままに見える。

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ついにきちんと撮れなかった北都交通のスペースアロー。新千歳空港連絡用で、スペースアロー最終モデルの直6エンジン+AT車。前身も空港連絡バスのようだ。先代のV8エンジン車も確認した。元々ふそうメインだった北都交通も銀嶺バスとの統合後は、中古車を含めて4車種が揃いバラエティ豊かになった。

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