時間が潤沢にあればいいが、ほとんどは「一発勝負」にならざるえを得ない「走行中のバス写真」のシャッターチャンスの難しさの続き。初めての場所ながら、一応の条件を満たす撮影ポイントが決まった。自分が乗ってきたクルマも邪魔じゃない場所に駐車した。撮影ポイントに立つ。

「さあいつでも来い」

このあたりから、心の中を流れる時間の速さが急にゆっくりになる。バスが来ない…。「どないしたんや?」

目の前に停留所があれば通過時刻を確認すればいい。そうでない場所だと、本当に目の前の道をバスが来るんだろうか、そんな基礎的なことでも不安がよぎる。路線バスは「人を乗せてなんぼ」の商売。だから広い道路があっても、沿道に屋根が無い道は通らない。

昔はよく失敗した。絶景(?)の場所で待ち構えていてもバスが来ない。心配になった頃、川の向こう岸の狭い道の木々の間に走り行くバスが…。最近はこうした路線形態が分かってきたから、脇道に入っている間に追い越して別の場所で迎え撃つ、いや「迎え撮る」やや上級テクニックも使えるようになったが、旧道への分岐の見極めは一種の勘を養う必要がある。多くの場合、バスは古くからの道路を選ぶ。橋の脇にある旧道などは要チェックである。ま、今回の撮影ポイントはバス路線を押さえていることは分かっている。あとはバスを待つばかり…。ところがだ。(次回に続く。W)

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一例。右岸は(写真では見えていないが)センターラインのある立派な国道、左岸を通るのは集落を結ぶ昔からの細い旧道。どちらを走るかは時刻表には書いていない。勘違いして、左岸側から新道をねらってカメラを構えていようものなら、背後をバスが駆け抜けていく羽目に。