9月19日からバス・トラックのビッグイベントである国際商用車ショー・IAA2018がドイツ・ハノーバーで開催される。
IAAはバスラマとワーキングビークルズが長らく独自取材を続けているイベントであり,ヨーロッパを中心とする大型車メーカーはIAAを新型車の発表の場にするケースも多い。またこのイベントはドイツでの開催ということもあり,地元のダイムラーでは各国の報道関係者に対して,ダイムラー独自のプレイベントを含めた取材ツアーを催している。ぽると出版もグループの三菱ふそうを通じてこのツアーに参加したので,本ブログではプレイベントとIAAプレスデーを含めた取材経過を現地から数回エントリーしよう。
初日の17日はメルセデス・ベンツ商用車の基幹組立工場であるヴェルト工場および,その中のCKD(ノックダウン)工場の見学である。
ベンツの商用車はドイツ各地にコンポーネントの生産工場があるが,これらで作られたコンポーネントはライン川に近いヴェルト工場に集積され,キャブ製造と組み立てが行われている。ベンツはほかにも海外生産拠点としてトルコやブラジルなどで組み立てが行われるが,ヴェルト工場は年間約8万台の大中型トラックを生産する,まさに総本山ともいえる場所。アクトロス(新旧),アントス,アクサー,アテーゴ(新旧),総輪駆動のウニモグ,そして近く日本でも販売される低床トラックのエコニックなどが1日400台規模で生産されている。併せて,開発センターや,顧客がオーダーした完成車を直に引き取ることができるカスタマーセンターなども併設されている。
続いて見学したCKD工場は,海外で組み立てるためのCKD部品を梱包するとともに一部のコンポーネントを製造して海外のCKD工場に送る工場で,1日50ないし60台分のキットが出荷され,至近のライン川の港に搬送している。
ワーキングビークルズの次号ではこれら工場の概要,テストコースで行われたアクトロスの最新安全装備の実演,周辺の公道で行われた省燃費走行の実演など,そしてその後の移動中に立ち寄った,ワーキングビークルズ読者なら心惹かれるであろうある場所(筆者は驚きで一瞬声を失ったほどだ)を紹介しよう。(S)

111
ヴェルト工場の組立ラインから。大型・中型クラスのラインは各車種混流で流される(写真はダイムラー/三菱ふそう提供)

222
今回のツアーの足となったメルセデス・ベンツ トラヴェーゴ。ドイツの大手事業者PULM社のハイグレード車で,ベテランドライバーとシフトパイロットのコンビネーションもあり,きわめて快適な乗り心地だった。ヴェルト工場のカスタマーセンターの前で

333
夕暮れのアウトバーンを行くトラックの一団。メルセデス,DAF,ボルボが見えるが,ほかにもスカニア,ルノー,MANといったヨーロッパの顔役達に次々に遭遇した