DRAMの低迷期がまたやって来る
07年9月には価格下落へ (2007/08/30)

 DRAMメーカーにとって冬の時代が、またしてもやって来るようだ。米国の市場調査会社であるiSuppli社によると、2007年第2四半期にいったん下げ止まったかに見えたDRAMの価格が、2007年9月には再び下落基調に転じる見通しだという。

 DRAM市場は2006年10月以降、深刻な低迷期に陥っていたが、2007年第2四半期にDRAM価格は若干持ち直した。しかし、iSuppli社によると、2007年におけるDRAM市場の成長率は、わずか1.97%増にとどまる見通しだ。さらにDRAM市場は現在、供給過剰に陥っているため、2007年9月には価格が再び下落し始めると予測する。実際にDRAMのスポット市場では、こうした兆候がすでに表れている。価格下落の理由は、液晶パネルの供給がひっ迫していることにある。液晶パネルの価格上昇によって、電子機器メーカーは、パソコン向けDRAMの購入用に確保していた予算を、液晶パネルの価格上昇分の補填として振り向けてしまったのだ。


 DRAM市場の体質を強化するには、各DRAMメーカーが2007年第3四半期(7〜9月)から生産規模を縮小することが必要だ。しかしiSuppli社によると、たとえDRAMメーカーが生産規模を縮小したとしても、2007年第4四半期(10〜12月)のDRAM価格は米ドル換算で10%程度下落し、同年第3四半期での価格上昇分を取り崩してしまう可能性があるという。「この結果、同年第4四半期におけるDRAMメーカーの収益は、第3四半期に比べて悪化するだろう」(同社)。

 iSuppli社でメモリー/ストレージ部門の担当チーフ・アナリストを務めるNam Hyung Kim氏は、「電子機器メーカーでは、2007年1月からだぶついていたDRAMの在庫調整がまだ終わっていない。このため、多くのメモリー・メーカーにとって、2007年第4四半期の見通しは暗いと言わざるを得ない」と指摘する。「さらに言えば、液晶パネルの供給ひっ迫が引き金となって、小売店が独自ブランドで販売している『ホワイト・ボックス・パソコン』を製造するメーカーが、DRAMの購入を控えている状況にある。液晶パネルの価格上昇は、2007年第3四半期におけるDRAMのビット換算成長率を抑える原因となっている」(同氏)。


 ただし、2007年第4四半期におけるDRAM市場の見通しに対して修正を促す可能性がある要素も存在する。それは、韓国のSamsung Electronics社におけるNAND型フラッシュ・メモリー製造工場で起こった停電事故である。この事故によって、同社はDRAMの生産設備の一部をNAND型フラッシュ・メモリーに振り向けることを余儀なくされた。これにより、「2007年第3四半期に、DRAMのビット換算成長率を約25%増加させるという計画は、実現できなくなる見通しだ」(iSuppli社)という。しかしiSuppli社のNam Hyung Kim氏は、「この停電事故がDRAM市場に与える影響の大きさは、在庫問題よりも小さいだろう」という。

 iSuppli社によると、世界全体におけるDRAMのビット換算成長率は、2007年に前年比97%増と驚異的な伸びを達成する見込みだ。しかし、2008年は同60%増を下回ることになりそうだ。「これによってDRAMの需要と供給のバランスが調整される可能性がある」(同社)。

 ところが、同じく米国の市場調査会社であるIC Insights社の見解は、iSuppli社とは大きく異なる(関連記事)。同社による最近の調査では、「DRAM市場は2007年上半期に低迷したものの、現時点において業界関係者の間では、慎重な態度は崩さないものの楽観的な見方が大半を占めている」とする。このため同社は、「DRAM市場は2007年7月に好転し、今後は回復に向かう」と予測する。同社は2007年のDRAM売上高を前年比49%増とみている。さらにビット換算の成長率も同81%増と大きく伸びるという。「この成長率は、1998年の実績である同88%増に次ぐ高い値になる」(同社)。

(Mark LaPedus:EE Times JAPAN)