川崎殺傷事件『ウィキペディア(Wikipedia)』他
2019年5月28日

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(出典:毎日新聞社※上3枚)
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(出典:朝日新聞社※上3枚)
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(出典:産経新聞社)
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(出典:毎日新聞社※上6枚)
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(出典:gettyimages)
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(出典:産経新聞社)
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(出典:讀賣新聞社)
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(出典:週刊フラッシュ)
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川崎殺傷事件(かわさき さっしょうじけん)は、2019年(令和元年)5月28日に神奈川県川崎市多摩区登戸で発生した通り魔殺傷事件。被害者には、2人が死亡、17人が負傷(重軽傷)した。犯行の直後に、加害者も自ら刺して、死亡した。



概要


2019年5月28日午前7時45分頃、川崎市の登戸駅付近の路上で、通行人やスクールバスを待っていた小学生児童らが近づいてきた男に相次いで刺された。

容疑者は保護者の男性(後に死亡確認)を背後から刺した後、約50mを無言で走って移動しながら保護者の女性と児童17人(後に死亡確認された女児1人を含む)を襲撃した。容疑者はスクールバスの運転手から「何をやっているんだ」と叫ばれた後、さらに数十メートル移動して自剄に及んだ。襲撃開始から容疑者が自ら首を切るまで十数秒程度だった。

聖マリアンナ医科大学病院に容疑者と被害者2人、日本医科大学武蔵小杉病院に被害者4人、川崎市立多摩病院と新百合ヶ丘総合病院に被害者各5人が搬送されたが、このうち日本医科大学武蔵小杉病院に搬送された小学6年生の女児と39歳の男性が死亡。(死者は28日時点。加害者を含まず)。他に16人の女児と保護者の女性が上半身を集中して切りつけられるなどして、女児2人と女性が重傷を負った。負傷者のうち11人が入院した。


加害者


目撃者によると黒のTシャツに黒のジーンズのような服装をしており、スキンヘッドでがっちりとした体形。凶行の直後に自らも刃物で刺し、警察に確保された時点で既に意識不明の状態で、搬送先の病院で死亡が確認された。両手に柳刃包丁を持ち襲った他に、リュックからは別の包丁2本も見つかった。

目撃証言によると、加害者は当日午前7時頃に自宅を出て、登戸駅まで電車で向かい、そのまま犯行現場へ歩いて向かい突然凶行に及んだとみられる。



事件後の対応



事件に際し、内閣総理大臣安倍晋三は28日、小中学生の登下校時の安全確保について国・自治体で連携し早急な対策を講じるよう指示した。また29日に関係閣僚会議を開く予定である事を談話した。


事件の反響


事件発生時はアメリカ大統領のドナルド・トランプが来日中で、トランプは海上自衛隊横須賀基地に停泊していた護衛艦かがの艦上で"On behalf of the first lady and myself, I want to take a moment to send our prayers and sympathy to the victims of the stabbing attack this morning" "All Americans stand with the people of Japan and grieve for the victims and for their families"(『私とファーストレディーは東京近郊でけさ起きた事件について、被害に遭われた方々に祈りをささげます』『すべての米国民は日本国民と共にあり、被害者と家族に哀悼の意を表する』)と述べた。

日本国外のメディアであるCNN、BBC、中国中央テレビ、AFP、Reutersなども速報で事件を伝えた。


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川崎19人殺傷 容疑者が伯父伯母に「ひきこもりとはなんだ」 親族が市に相談
5/29(水) AbemaTIMES


川崎市が会見

川崎市多摩区のJR登戸駅の近くで小学生ら19人が刺され、小学6年生の栗林華子さん(11)と外務省職員の小山智史さん(39)が死亡した事件で、川崎市が29日に会見を開き、岩崎隆一容疑者(51)の親族から相談を受けていたことを明らかにした。

岩崎容疑者の親族から市へは、「伯父・伯母が同居はしているものの本人(岩崎容疑者)との接触は一切なく、伯父・伯母の高齢化に伴い、今後の介護サービス導入について、外部の支援者が家の中に入ることにより本人の反応がどうなるかを心配している」との相談があったという。2017年11月15日に親族から電話相談があった後、親族との面接は8回、電話連絡は6回。2019年1月10日の最終相談時には、親族から「岩崎容疑者が親族とコミュニケーションをとらないことを選んでおり、しばらく様子を見る」との意向が示されたという。

一連の相談内容について、精神保健福祉センターの津田多佳子課長は「岩崎容疑者が長期間就労していない、ひきこもり傾向にある中に外部の人が入るのは大丈夫だろうかという心配と、伯父・伯母が高齢になられての生活と合わせてのご相談だったと思う」と説明。岩崎容疑者と親族とのトラブルはなく、容疑者の将来を心配する相談もあったという。

また、親族らに岩崎容疑者と手紙でコミュニケーションを取ることを勧めたというが、手紙に対し岩崎容疑者は「自分の生活は自分でやっている」「食事・洗濯を自分でやっているのに、ひきこもりとはなんだ」といった内容を伯父伯母に口頭で返したということだ。

そして、1月10日の最終相談以降、市が様子を見ると判断したことについては、「これ以上無理矢理介入して家族関係を壊してしまうよりも、静かに見守るという点は、この時点においては悪い方向ではなかったと思う。では(岩崎容疑者が)なぜ事件を起こしたのかと言われると、そこは我々も不可解であり、少なくとも最終相談時点でご家族、ご親族、容疑者の関係の中で、人間関係が決定的に破壊されて立ち行かないという危機的な状態ではないと考えているし、ご家族の話からも感じ取れなかった」とした。(AbemaTV/『AbemaNews』より)




川崎19人殺傷事件、ドライブレコーダーに犯行の一部始終
5/30(木) TBS News i AbemaTIMES


川崎市の路上で小学生ら19人が包丁を持った男に襲われ、2人が殺害された事件で、スクールバスのドライブレコーダーに男が走りながら手当たり次第に刺す犯行の様子が写っていたことがわかりました。

この事件は28日午前、川崎市多摩区の路上で、スクールバスを待っていた小学生ら19人が包丁を持った男に次々と襲われ、小学6年生の栗林華子さん(11)と外務省の職員の小山智史さん(39)が死亡し、3人が重傷を負ったものです。

岩崎隆一容疑者(51)は、現場で自らの首を刺し、死亡していますが、捜査関係者への取材で、バスのドライブレコーダーに、岩崎容疑者が小走りで、小学生らを包丁で手当たり次第に刺す犯行の様子が写っていたことがわかりました。岩崎容疑者の部屋の押し入れからは包丁4本の空き箱が見つかっていて、事前に購入していた可能性があるということです。

「やっぱり落ち着きがなくて、からかわれやすい感じの子。そんな大それたこと、できるような子とは思えなかった」(岩崎容疑者の中学時代の担任)

警察によりますと、岩崎容疑者はおよそ4キロ離れた自宅から電車を使って現場に直行したとみられていて、児童などが多く集まる場所を事前に把握し計画的に事件を起こした可能性があるということです。

亡くなった栗林華子さんの両親は、「人生で最も大切な、最愛の娘を突然奪われ、今は全く気持ちの整理がつかない状態です」とコメントしています。

また、亡くなった外務省職員の小山智史さん(39)は、上皇さまが在位中に4回ミャンマー語の通訳を務めていて、ご夫妻は30日、外務省を通じて小山さんの妻に弔意を伝えられたということです。




川崎襲撃、“居候”扱いされた容疑者の“兄”はカリタス出身
5/29(水) 16:00 NEWS ポストセブン


「警察? 今、おまわりさん来てるよ。事件のことなんて、なんにもわかんないよ。そんなことおれに聞かないでよ!」

絶叫に続いて響いたのは、川崎襲撃事件の犯人と目される岩崎隆一容疑者(51才)の“父親”が、受話器を荒々しく置く音だった。

事件は5月28日の朝、神奈川県川崎市の閑静な住宅街で起きた。前日までの暑さが少しやわらいだ「三角公園」の名で親しまれる公園近くのバス停で、スクールバスを待つ女子児童の列があった。この学校では先週の土曜日に運動会が行われたばかり。前日の月曜日は運動会の振替休日で、この日は3日ぶりの登校だった。

スクールバスが到着すると、近くのコンビニあたりから、ひとりの男が歩いて近づいてきた。姿勢は少し前のめりで、黒の半袖シャツにデニムパンツを身につけている。刈り上げた頭髪は白い。

両手には2本の柳刃包丁。男は一気に距離を詰めると、表情一つ変えずに、手当たり次第に子供たちに包丁を振り下ろした。「怖いよ!」「ママ!」などと子供たちは叫びながら散り散りに。それでも男は執拗に一人ひとりを追いかけて、包丁を振り下ろした。

見送りに来ていた保護者は、突然のことに戸惑いながらも小さな命を守ろうと懸命に身を挺する。その背中にも男は容赦なく包丁で切りつけた。

スクールバスの運転手がバスから転げ落ちるように降りて「何をやってるんだ!」と叫ぶと、男はすかさず真っ赤に染まった包丁を、自分の首に突き立てた。

救急隊が到着すると、最初に行われたのがトリアージだった。トリアージとは、緊急度や重症度などに応じて手当の優先順位をつけることだ。

「小学6年生の女児と39才の男性の2人が“黒”、つまり、手の施しようがないと判断されました。女児は鎖骨から頸部にかけて真横に1か所。男性は首の前側や背中など4か所も刺されていた。子供を必死に守っていたことがうかがえます。搬送された病院の救急救命センターで治療を受けましたが、及びませんでした。病院側が会見で『激しい怒りを感じる』と言葉を強めていましたが、傷の状態がそこまで酷かったということでしょう。

それから現場で“赤”、つまり最優先で治療すべきと判定されたのは、小学生の女児2人、40代女性1人、そして、50代男性です」(全国紙記者)

その“赤”の男が、岩崎だったが、程なくして死亡が確認された。被害に遭った児童たちが通っていたのが私立の名門校、カリタス小学校だった。

「都内から通う子も少なくない、カトリックの“お受験校”で、幼稚園から高校まであります。登校には原則として市営バスかスクールバスを使うことになっています。

小学校の時から英語だけでなくフランス語の授業もあり、帰国子女からの人気も高く、インターナショナルスクールからの転校生もいる。中学校からは女子校ですが、小学校は共学。学費は6年間で500万円にも上る。共学といっても男子児童の数はごく限られていて、実質的には女子校ですね。そのせいか、学校近辺では不審者の目撃情報も多いようで、川崎市による防犯アプリを使う親御さんもいます」(進学塾関係者)

◆「クレーマー居候」評もあった

今回の犯行について、岩崎の実家近くに住む近隣住民は、彼の家族構成に関係があるのではないか、と語る。電話口で怒鳴っていた“父親”とは、「実の父子ではない」という。

「隆一が小学生の時に両親が離婚し、彼だけがこの家に預けられた、と聞いています。関係は、父方の兄夫婦だとか。養子に入ったという話もあります。私たちは彼のことを“居候”と呼んでいました。

隆一の実の親が顔を見に来た記憶はないですね。彼はここに来た時から屈折していたというか、変わった子でした。『金魚鉢の金魚を見たいから』なんて言って、他人の家に勝手に侵入したことが何度もありました。高校に入ってからは引きこもっていたとかで、再び姿を見かけるようになったのは、ここ1〜2年だと思います。日中はほとんど姿を見せず、深夜から早朝にかけて外出しているようでした。去年の夏には、朝の5時半頃に、近所の家に庭の木が邪魔だと怒鳴り込んだみたいで、近隣住民のなかには“クレーマー居候”なんて言う人までいました」

実家には、ほかにも岩崎と同世代の男女が暮らしていたという。

「その2人は兄夫婦の実子ですよ。隆一から見たら、“兄妹”になるのでしょうか。あの家では彼だけが実の子ではなく、居心地はよくなかったのではないか。実はその“兄”が、子供の頃、カリタス小学校に通っていたという話ですよ」(前出・近隣住民)

事件の約1時間前、岩崎に会ったという近隣住民が青ざめた表情で言う。

「家の玄関を開けた隆一が走ってきて、『おはようございます!』と笑顔で頭を下げたんです。姿を見るのは1年ぶりぐらいで、これまで挨拶なんてしなかったから驚きました。彼はリュックを背負っていたが、その中に包丁を忍ばせ事件現場に向かう途中だと思ったらゾッとしました」

再び、冒頭の会話に戻ろう。岩崎容疑者の“父親“はこう話した。

「(岩崎はふだん家に)いるような、いないようなだね。一緒に暮らしてるってもんじゃないよ。甥っ子のことはわかんないよ!」

幼い頃から“父親”として暮らしてきた相手に突き放された51才の男の理不尽な狂気は、無邪気な児童たちと保護者の罪なき命を奪った。
(女性セブン2019年6月13日号)




川崎連続殺傷事件「引きこもり男」が“カリタス小”を狙ったワケ
5/29(水) FRIDAY


5月28日朝、川崎市内の登戸駅前は凄惨な現場となった

岩崎隆一容疑者―。

28日午前に発生した“川崎無差別殺傷事件”の被疑者の名前だ。

しかし、今はその名前も虚しく響くだけ。保護者含む19人を殺傷後、自ら首を切り、命を絶ったため、動機は永遠に解明されることはない。

同容疑者の自宅は現場となった川崎市多摩区登戸新町の路上から直線距離にして約4キロ、車で15〜20分の場所にある。1962年に建てられたこの家に、岩崎容疑者は伯父と伯母の3人暮らし。複雑な家族構成の理由は幼少期に両親が離婚したことにある。一般的に父親、母親のどちらかに引き取られるケースが大半だが、同容疑者は父方の兄である伯父のMさんに預けられた。

「Mさんにも2人の男女の子供がいて、同容疑者と合わせて幼少期は3人でよく遊んでいた。岩崎容疑者は3人のなかでは1番年下。周りからは『りゅうちゃん』と呼ばれていた」(近隣住民)

地元の小学校、中学校を卒業するまでは、どこにでもいる男の子。だが、その後、同容疑者の目撃談は激減する。“引きこもり”になったためだ。地元関係者の話。

「まるっきり姿を見なくなったので、引っ越したと思っていた。ニュースを見て、彼が容疑者と聞いて驚いた。存在感がなく、あの家(岩崎家)自体が他の家と積極的に交流を持つ方ではなかったから…」

近所を取材しても、同容疑者に関する情報は幼少期か直近1週間のものばかり。中学卒業から30年近くポッカリ“記憶”が抜け落ちているのは違和感しかない。

ある近隣住民は「あの家(岩崎家)とはみんな深く関わらないようにしているから…」と言葉少な。ちょうど1年前、岩崎容疑者が隣の民家に「おたくの庭に生えている木が目に入る!」と、押しかけてきたという報道もあった。ある種のトラブルメーカーだった。

奇妙なのは同居する伯父と伯母との関係性だ。事件を起こした犯人に岩崎容疑者の名前が挙がると、神奈川県警の捜査員は同居する伯父と伯母に事情を説明した。

「この時、伯母は『何かの間違いだと思いますよ』と認めなかった。岩崎容疑者のことを信じるというよりは、引きこもりで行動範囲の狭い彼が『そんな度胸のいることをするはずがない』という感じだったようだ。結局、捜査員は容疑者の指紋を照合して人定した」(全国紙社会部記者)

同容疑者は30年以上、子供部屋で暮らし、2人と同居するも隔離された生活空間で生きていた。伯父も伯母も岩崎容疑者がどこで何をしているかわからない。事件直後、一部取材に伯父が「(一緒に)いるような、いないような…」と答えたのは、そういう意味だ。

事件の最大の関心事は、なぜカリタス小の生徒を狙ったのか、だ。行き当たりばったりの通り魔的な犯行ではなく、同容疑者は新品の刺身包丁2本を握り締め、リュックサックの中にはさらに2本のスペア包丁を用意していた。亡くなった小学6年栗林華子さんと外務省職員・小山智史さんへの刺し傷はいずれも深く、強い殺意が感じられる。

「容疑者にとっては、カリタスの児童でなければダメな理由があった。岩崎容疑者の親族の中に子どもカリタスに通わせている、もしくは通っていた人物がいるのではという情報もある。その親族との間で何らかのトラブルがあり、逆恨みした容疑者が凶行に走った可能性も指摘されている」(捜査関係者)

ただし、それを裏付けようにも、岩崎容疑者はすでにこの世にはいない。同居する伯父と伯母も関係性から言って、詳しく知る由もない。近隣住民はとっくに敬遠している。令和最初の凄惨事件となってしまった本件は、救いようのない結末に突き進んでいる―。




衝撃的な川崎殺傷事件「予備軍は多い」に対する大きな違和感 正確な犯罪理解をするには
2019年5月30日 現代ビジネス


また社会を震撼させる悲惨な事件が起こってしまった。

神奈川県川崎市で5月28日に起きた無差別殺傷事件は、2人が死亡、17人が重軽傷を負うというきわめて重大な結果を引き起こした。

なかでも、多数の幼い子どもたちが巻き込まれてしまったことに、社会は大きな怒りと不安に包まれている。

これまで子どもをターゲットした犯罪に対する防犯策では、一人歩きの子どもが不審者などに狙われるようなケースを想定していたものが多く、集団登下校や大人の見守りなどに力点が置かれていた。

しかし、この事件は、まさに教師や保護者が見守る集団登校中の小学生が被害を受けたものであり、学校側もこれ以上できないというほどの万全の対策を講じていた。

そうしたなかでの惨劇であったため、われわれは計り知れない恐怖と無力感を抱いているのが現状である。

まだ情報が断片的にしか出ていないなかで、事件の分析をするのは時期尚早であることは間違いない。

しかし、その断片的な情報でもつなぎ合わせてみると、事件に関連すると思われるいくつかの要因が浮かび上がってくることもまた事実である。

たとえば、これまで起きた無差別殺傷事件は、ほとんど場合、犯人は社会不適応状態で孤立し、世の中に大きな恨みや被害者意識を募らせた男性であった。類似事件の数こそは少ないが、本件もそのような典型例であるといえる。

こうした状況のなかで、本人は心理的に追い詰められ、視野狭窄状態に陥って、「失うものは何もない」という気持ちから、いわば破れかぶれの状態に至って、大きな破壊衝動を外にも、そして内にも向けて、無差別殺傷と自殺という帰結を招いたものだと解することができる。

この状態を表すキーワードの1つが、「拡大自殺」である。世の中に絶望し、追い詰められた挙句の自殺であれば、どこかでひっそりと首を吊ったり、飛び降りたりする人もいるだろう。

しかし、この事件の加害者とされる男は、社会に対して計り知れぬほどの恨みや憤懣(ふんまん)を募らせていたことが想像される。

それゆえに、「どうせ死ぬのであれば、これまで自分に酷い仕打ちをしてきた社会に仕返しをして、世の中に一泡も二泡も吹かせてから死にたい」との思いから、罪もない無関係の人々に刃を向けたのだと考えられる。

さらに、そうした最後の思いを完璧に遂行するためには、確実に殺害できる相手をターゲットに定めて、弱い子どもたちに襲いかかったのであろう。

成人もまた被害に遭っているが、その場合も背後から狙っており、相手に抵抗されることがない状況を狙ったのだといえる。

もっとも、これらは現時点での断片的な情報と、過去の類似事件をもとにした1つの仮説であることをあらためて強調しておきたい。

一方、事件を報じるワイドショーのなかで、犯人の心理を分析した精神科医が、「こういう事件の予備軍はたくさんいます」と力説していたのを見て、私は大きな違和感を抱いた。 

たしかに、格差社会の拡大、リストラ、生涯未婚率の増加、地域社会の解体など、現代社会のキーワードを並べてみると、加害者とされる男性と似たような境遇の人が増加していることは間違いない。

また、本人がいわゆる「高齢ひきこもり」であったとの情報が、川崎市の会見で明らかにされた。

しかし、それらの人々をあたかも「凶悪犯罪者予備軍」のようにとらえるのは、非常に乱暴であり、危険なスティグマにつながる。

現実的に、こうした人々が増えていても、わが国では凶悪事件は減少の一途であり、彼らの圧倒的大多数は、何の罪も犯さない善良で遵法的な市民である。

恵まれない環境にあっても、正しく生きている大多数の人々をこのような形で一括りにして貶めることは、断じてあってはならない。

したがって、事件を正しく理解するためには、本件の加害者は、似た境遇にある多くの人々とどこが違うのか、なぜ彼はこのような事件を起こすに至ったのかについて、もっと緻密で丁寧な分析が必要である。

その答えの1つは、彼のパーソナリティにある。

犯罪のリスクファクターとして、最も重要なものの1つが「反社会的パーソナリティ」である。

それは、法や社会のルールを軽視する傾向、目先の利益を追い求める傾向、攻撃性、衝動性、共感性の欠如、自己中心性、被害者意識、敵意などで特徴づけられるパーソナリティである。

こうしたパーソナリティの持ち主であれば、自分の現状に対して、自らを反省したり奮起したりするのではなく、他罰的に周囲を責め、いたずらに被害者意識や敵意を募らせ、衝動的に攻撃的な行動に出ることは容易に想像できる。

しかも、本人が社会的に孤立し、不適応に陥った原因も、元々こうしたパーソナリティに起因するのかもしれない。

報道では、近所の人ともたびたびトラブルを起こし、自分勝手な理由から大声で怒鳴り込んだりしていたということである。

こうしたパーソナリティや行動パターンを有した人が、周囲から疎まれ、孤立していくことは想像に難くない。

しかし自らが蒔いた種で不適応状態に追い込まれても、本人は自分の行動を改めるわけではなく、なおさら周囲に責任転嫁して、さらに憎悪を募らせる一方となる。

本件の加害者は死亡しているが、今後周囲の証言などが集まってくるなかで、こうした事件前のパーソナリティの一端がますます明らかになれば、本件の爆発的ともいえる拡大自殺に至る経路をより正確に理解することにつながるだろう。

そして、本件の理解をさらに深めるためにできることがもう1つある。しかし、それを述べると、大きな批判を浴びることになるかもしれない。

それを覚悟のうえで、しかし正確な犯罪理解のため、そして科学的な犯罪心理学的な見地からは、どうしても避けて通れない点がある。それは、本人の生物学的な問題からの理解である。

加害者は死亡しているが、その脳を分析しようと思えば、それは今からでも不可能ではない(実際に行うかどうは別として、可能性だけについて言えばということである)。

実は、近年の犯罪心理学で最も注目を集めているのは、犯罪者の脳や神経系など、犯罪につながる生物学的な要因についての研究なのである。

実際、粗暴犯罪者の生物学的特徴として、脳のさまざまな部位の構造的、機能的異常が報告され、エビデンスが蓄積されつつある。さらに、先述のパーソナリティにしても、それには多くの生物学的要因が影響している。

そうした所見を、この加害者が有しているかどうかを分析することは、事件の解明だけでなく、今後の犯罪学の発展にとても大きな前進となることは間違いない。

しかし、犯罪理解において、生物学的なトピックを持ち出すことは、危険な一面もはらんでいて、読者のなかにはその危険性を感じた方も多いであろう。その理由はたくさん考えられる。

1つは、優生学に結びつくのではないかという懸念である。危険な脳の持ち主が、危険な犯罪に至るのであれば、脳のスキャンをして、社会から隔離すればよいなどという、映画さながらの状況へとつながるかもしれない。

2つ目は、1つ目の理由とも大きく関連するものである。環境が犯罪の原因であれば、それを変えることによって、犯罪対策になるかもしれないが、脳が原因となると、何をどうすればよいかわからなくなる。そして、それこそ優生学に行きつくのではないかという懸念につながる。

しかし、現実世界において、脳や生物学的要因の影響は、従来考えられていたほど単純なものではない。脳に危険な兆候があったとしても、それを発現させるのは、環境の影響が非常に大きい。

さらに、脳には大きな可塑性(かそせい)があり、特に発達の早期であれば、教育や周囲の働きかけ、すなわち環境によって、その機能不全の発現を予防したり、補ったりすることもできる。

逆に、脳に危険な兆候がなくても、環境が劣悪であれば、犯罪などの問題行動を誘発することもある。

ここで大切なのは、決定論的な単純化ではなく、生物学的要因と環境的要因の「相互作用」ということである。こうした複雑な相互作用を丁寧に検討しなければ、犯罪という複雑な現象の理解もできないということである。

つまり、「氏か育ちか」という二者択一的な説明ではなく、「氏も育ちも」そのどちらもが重要であり、それらの複雑な相互作用を理解することが、真の犯罪理解に到達できる方法だということである。

科学とは、イデオロギーや先入観に縛られず、まずは冷静に客観的に現象を観察することから始まる。それは、犯罪心理学においても同様である。

本件で加害者の生物学的要因にどれだけ迫ることができるのか、そもそもそのような捜査がなされるのかどうかはわからない。そして何かわかったところで、効果的な対策につながるとは限らない。

しかし、悲惨な事件を理解し、将来的な対策につなげるためには、科学的な理解が必要だということを強調したい。

最後に、加害者の生物学的な点で、1つ気になっていることがある。それは、加害者の年齢である。これまでの類似事件の加害者を見ると、ほとんどが20代、30代の比較的若い年代である。

本件の一報を聞いたとき、私は加害者は若い男性であろうと想像していたが、50代ということを聞いて、少し驚いた。

通常、人間の攻撃性には男性ホルモンであるテストステロンが深く関与しており、その分泌は20代をピークに徐々に減少していく。人が加齢とともに丸くなって穏やかになるのはそのためである。それと呼応するように、特に40代以降の粗暴犯罪も減少する。

加害者は、何らかの理由で壮年期に達しても血中テストステロンが高値であったのかもしれない。あるいは、ほかに攻撃性や負のエネルギーを増大させる他の生物学的、環境的な要因があったのかもしれない。

加害者が亡くなったいま、その謎も解明されないかもしれないが、単なる社会環境だけの一方的な説明では、複雑な犯罪行動の十分な理解には至らないことを再度強調しておきたい。




スマホやパソコン所持せず 世間から孤立…なぜ突然凶行に
2019年5月30日 産経新聞


川崎市多摩区でスクールバスを待つ私立カリタス小の児童ら19人が刃物で殺傷された事件で、犯行後に自殺した岩崎隆一容疑者(51)は、スマートフォンやパソコンを所持せず、長期間にわたって社会から孤立した引きこもり状態だったとみられる。

専門家によると、世間から隔絶された末に通り魔事件を起こす場合、40代以降の中高年は通常、20〜30代と違って攻撃性が減少するという。なぜ岩崎容疑者は突然、凶行に走ったのか。

犯行翌日の29日、神奈川県警は岩崎容疑者が80代の伯父夫婦と住んでいた川崎市内の一軒家を捜索した。ワゴン車2台に加え、トラックを準備。10人ほどの捜査員が自室などを入念に調べたが、押収したのは犯行に使ったとみられる包丁の空き箱やノートなど段ボール1箱分のみだった。トラックはほぼ空の状態で引き上げた。

捜査関係者によると、自室は片付いており、テレビやテレビゲーム機、携帯ゲーム機はあったものの、パソコンや充電器、コード類は見当たらなかった。スマホや携帯電話はもともと持っていなかったとみられる。さらに飲食店のポイントカードやレンタルビデオ店の会員証がなく、睡眠薬や精神安定剤といった薬物も見つからなかった。

「誰とも接点を持たず、どんな生活を送っていたのか」。捜査関係者は首をかしげる。

幼少期に両親が離婚し、伯父夫婦に引き取られたという。夫婦には長男と長女がおり、一緒に暮らしていたとみられる。人付き合いが苦手だったとみられ、小学校の卒業文集には、失敗した体験をあえてさらけ出すような自虐的な言葉が並ぶ。思い出をつづるページには、多くの級友が「林間学校」などと記す中、友人に石をぶつけて《5年になって最初におこられた》と書いた。生まれかわるとしたら《大金持ち》、将来なりたいものは《動物園の飼育係》とつづっていた。

定期的に遊ぶなどしていた友人はおらず、同級生は「印象に残っていない」「影が薄い」などと口をそろえる。卒業後も接点はなかったとみられ、同級生の一人は取材に「誰と仲が良かったのか思い出せない」と打ち明けた。

その後、10代後半で一度、伯父夫婦宅を出たが、また戻った。夜中などに出歩くことはあったものの、近隣住民と言葉を交わすことはなかった。事件当日、現場に向かう岩崎容疑者と出くわした近所の40代女性によると、この10年間で見かけたのはこのときを含めてわずか2回だった。

伯父夫婦から小遣いをもらう一方、トイレや食事のルールを作り、家の中で接触を避け続けていたようだ。見かねた夫婦が今年1月、手紙で「将来どうするのか」と尋ねると、「閉じこもっているわけではなく、ちゃんと生活している」と反発していた。

筑波大の原田隆之教授(犯罪心理学)は「通り魔事件は、社会から孤立した20〜30代が起こすことが多く、40代以降は敵意や攻撃性が減少する。今回の事件は異例だ」と指摘。

「このままではダメという気持ちがありつつ、今さら挽回もできない。仕事や友達、パートナーがおらず、頼っていた伯父らも高齢になって絶望し、長年ため込んだ鬱屈した感情が爆発した可能性がある」とする一方、「日本で高齢の引きこもりは少ない数ではなく、そうした人たちが犯罪予備軍というわけでは決してない。岩崎容疑者が他の人と違うのは、『周りが悪いからこうなった』と、社会に対する不満や恨みを絶望感とともに蓄えていたとみられる点だ」と話した。




岩崎隆一 同居の伯父夫婦とも顔合わせなかった「ひきこもり」台所や風呂の時間ルール
2019年5月30日 J-CASTテレビウォッチ


川崎市多摩区の路上で登校中の児童らが襲われて19人が死傷した事件で、岩崎隆一容疑者(51)について、川崎市はきのう29日(2019年5月)に岩崎の伯父夫婦から計14回にわたって相談を受けていたことを明らかにした。

岩崎は80代の伯父夫婦と3人で暮らしていた。伯父夫婦が介護保険を利用するにあたり、「自宅に介護サービスの人が入った時に、おいが精神的動揺をきたさないか」という相談が、おととし11月(2017年)に川崎市に寄せられ、相談回数は今年1月までに面接8回、電話6回に及んだ。

面倒を見てくれる人がいなくなる不安で凶行?

市健康福祉局の坂元昇さんによると、伯父夫婦は岩崎の状態について、「暴力をふるったり暴れたりすることはないが、コミュニケーションがまったくない」と話したという。岩崎は伯父夫婦と顔を合わせないように、台所を使う時間やお風呂に入る時間を分けるルールを作っていた。

市の担当者の提案で、今年1月上旬(2019年)に伯父夫婦は岩崎の部屋の前に手紙を置いてみたが、岩崎は口頭で「食事、洗濯を自分でやっているのに、引きこもりとはなんだ」とドア越しに反論したという。

坂元さんは「(岩崎は)面倒をみてくれている人が老いていくという現実を見た時に、とてつもなく不安になったと思います。その不安が今回の事件に結びついたかどうかはわかりませんが」と話している。

他人を巻き込んでやろうという復讐心と絶望感

阿部祐二リポーター「伯父夫婦は恐怖を感じて相談したのではなく、自分たちがいなくなったら、この子はどうするんだろうかという不安、愛情から訴えたということでした」

下川美奈(日本テレビ解説委員)「引きこもりがすぐに自殺には直結しません。自分は社会に必要とされていないという絶望感と、他人を巻き込んでやろうという復讐心を招くきっかけがどこかにあったはずです。そのきっかけの解明が捜査のポイントとなります」




襲撃時に現金10万円所持 川崎、児童ら殺傷事件
6/1(土)共同通信



川崎市多摩区でスクールバスを待っていた私立カリタス小の児童らが殺傷された事件で、自殺した岩崎隆一容疑者(51)=同市麻生区=が襲撃時に現金約10万円を所持し、自宅から通帳とキャッシュカードが押収されていたことが1日、神奈川県警への取材で分かった。これまでの家宅捜索や親族の事情聴取で動機に関するものは浮かんでおらず、県警は生活実態を調べて解明につなげる。

県警によると、容疑者の居室には複数のゲーム機とソフトがあった。襲撃時に現場に残された包丁4本は新品で、いずれも自分で購入したとみられ、県警は口座の出入金の状況を捜査している。



計画的な無差別殺人か ドライブレコーダーに犯行の一部記録 川崎殺傷
5/30(木) 産経新聞


川崎市多摩区で私立カリタス小の児童ら19人が殺傷された事件で、岩崎隆一容疑者(51)=犯行後に自殺=が、スクールバスに乗り込もうとする児童を背後から次々と突き刺す姿がドライブレコーダーに記録されていたことが30日、捜査関係者への取材で分かった。極めて短時間の犯行で、特定の人物を狙った様子はなく、神奈川県警多摩署捜査本部は強い殺意で計画的に実行した無差別殺人だったとみて調べている。

また、岩崎容疑者がスマートフォンやパソコンなど電子通信機器を所持していなかったことも判明。世間と断絶した生活を長期間続けてきたとみられ、捜査本部は動機の解明も急ぐ。

捜査関係者によると、ドラレコには犯行の一部が記録され、岩崎容疑者は刃渡り約30センチの包丁を両手に持ち、小走りで児童を背後から次々と突き刺していた。

捜査本部が詳細に調べた結果、最初に襲われ死亡した保護者で外務省職員の小山智史(おやま・さとし)さん(39)に続いて、同小6年の栗林華子(はなこ)さん(11)が首を1カ所刺され死亡、保護者の女性(45)が重傷を負わされたことを確認。前後して16人の児童が襲われた。

岩崎容疑者は襲撃時、両手に手袋をはめており、握った包丁を滑りにくくしたとみられる。

小山さんの死因は出血性ショックで、4カ所の刺し傷があった。背中を2回刺され、振り向いた際などに胸や首を刺されたとみられる。胸の傷は心臓まで達していた。栗林さんは失血死だった。

現場近くのコンビニエンスストアの敷地に置いたリュックサックから別の包丁2本も見つかった。29日の自宅の家宅捜索で、捜査本部は包丁の空き箱4個を押収。現場で見つかった包丁4本のものとみられ、犯行に新品を使ったとみて入手先や時期を調べている。また、ノート1冊を含む数十点が押収されたが、動機につながるものは確認されていない。




川崎殺傷事件「へっこき」と呼ばれた容疑者の孤絶人生
6/4(火) 週刊FLASH 2019年6月18日号


「授業中にいきなりふらふらっと教室から抜け出して、校庭に出てみたり、ちょっとしたことでも突っかかってきて、唾を吐きかけてきたり。キレやすくて嫌なヤツ。いつも先生の手を焼かせていました」

川崎市多摩区で、私立カリタス小学校の児童ら20人を殺傷した岩崎隆一容疑者(51)。小学校時代の同級生が語る思い出は、かなり辛辣なものだった。

あだ名は「へっこき」。卒業アルバムには同級生が《岩崎君は “へっこき” “へっこき” とよばれて、なんともないのかしら》という一文を寄せている。

担任教諭も《動物の世話が大好き。けんかも……好きなのかな? 一人でいる時は、とっても、ものわかりのいい子なのですが……》と書いていた。

「幼いころは『隆ちゃん』と呼ばれ、よくうちの近くで遊んでいましたね」(近隣住民)

「隆ちゃん」の家庭には複雑な事情があった。前出の同級生は、こう記憶している。

「親がいなくて、おばあちゃんと暮らしていると聞いていました。複雑なんだなぁ、と思ったことがあります」

幼少期に両親が離婚し、父親の兄にあたる伯父の家族と同居していた岩崎容疑者。その伯父夫婦には、同容疑者と同年代の長男、長女がいた。

「きょうだいはともに、カリタスに通っていたと聞いていました。2人とも、小学校の集団登校には来ていませんでしたからね」(別の近隣住民)

私立の名門小学校の児童を狙った、今回の事件。同じ屋根の下で暮らすいとこは、カリタスに通い、自身は地元の公立小、中学校に通う。鬱屈した感情は、そのころから岩崎容疑者の心に蓄積した。中学校の同級生に聞くと、岩崎容疑者の印象はより薄くなっていく。

「当時は1学年で11クラス、400人を超える生徒数。『岩崎』という生徒がいたことも思い出せない」(中学校の同級生)

ほかの同級生も、事件が報じられて初めて同級生だったと知る人が多かった。覚えていた同級生も「存在感が薄い生徒だった」と話す。中学卒業後、岩崎容疑者は職業訓練校に通ったとの話もある。

一方、2人のいとこはそれぞれ独立。伯父夫婦と岩崎容疑者の3人だけの生活が続いた。岩崎容疑者は、引きこもり生活を送ってきたようだ。

「たまに長女が、車で子供と一緒に帰ってきて、ご両親の面倒を見ていたようです。でも、彼を見かけることはなかった」(前出の近隣住民)

岩崎容疑者の部屋には、テレビやゲーム機などが置かれていた。押収されたものはノートなど数十点にのぼるが、携帯電話やパソコンなどはない。伯父らとは長い間、顔を合わせることはなかった。食事や小遣いを渡すときも、対面することはなかったという。

だが、そんな生活も限界に達していた。伯父と伯母は訪問介護が必要な状態になり、2017年11月、親族が川崎市に相談。相談回数は、2019年1月を最後に、15回に及んでいたという。2018年6月からは、実際に伯父と伯母への訪問介護が始まっている。

市の担当者によると「目立ったトラブルはなかった」と語るが、このままの引きこもり生活を、今後も続けることができなくなるという現実を突きつけられた。

岩崎容疑者が、凶器となった包丁2本を購入したのは2019年2月。自宅からは、海外の猟奇的な殺人事件などが載った雑誌2冊が見つかっている。怨念を、カリタス小に通う子供たちに向けたのだろうか。

凶行に及んだ直後に自殺した岩崎容疑者。自身の首前側の上下2カ所に、包丁を突き刺した。ためらった様子は、まったくなかったという。




自立促す手紙、ビリビリに 容疑者が反発か 川崎殺傷
6/27(木) 朝日新聞



川崎市多摩区の路上で5月28日、私立カリタス小学校の児童ら20人が殺傷された事件で、ひきこもり状態だった岩崎隆一容疑者(51)=事件直後に自殺=に対し、同居していた伯母が今年1月、自立を促す内容の手紙を2度渡していたことが神奈川県警への取材でわかった。うち1通は破られた状態で見つかり、岩崎容疑者は手紙の内容に反発した様子だったという。

伯母は昨年11月、川崎市精神保健福祉センターからコミュニケーションの手段として手紙を書くことを提案されていた。

県警によると、伯母は1月2日と7日に「自立してはどうか」という趣旨の手紙を渡した。岩崎容疑者は8日、「自立しているじゃないか」と反論。2日の手紙はビリビリになって家の中で見つかった。

翌2月には、岩崎容疑者が事件現場に持ち込んだ刃物4本を東京都町田市と川崎市麻生区の量販店3店で購入した可能性があるという。

岩崎容疑者は生まれてまもなく両親が離婚。小学6年生のころから不登校になり、中学校にもほとんど通学していなかった。

中学卒業後の一時期に、複数の工場やマージャン店で働いたとみられるものの、事件当時に働いていた形跡はなかった。2014年ごろ、約70万円を遺産相続。事件当時は約10万円を所持し、本人名義の銀行口座に約24万円が残されていた。普段は伯父伯母に小遣いをもらうなどして生活を続けていた。交友関係も確認できていないという。

岩崎容疑者は5月28日午前7時40分ごろ、川崎市多摩区の路上で、スクールバスを待っていた児童らを刃物2本で襲ったとされる。私立カリタス小学校6年栗林華子さん(11)=東京都多摩市=と、別の児童の保護者で外務省職員の小山(おやま)智史さん(39)=東京都世田谷区=が死亡。同小の男児1人、女児16人の計17人と、保護者の無職女性=東京都世田谷区=が負傷した。

現場周辺や最寄り駅の防犯カメラを調べたところ、事件4日前と6日前に容疑者とみられる男の姿が確認され、県警は下見をしていたとみている。



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犠牲者の方々のご冥福をお祈り申し上げます。