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日々の記録。

■日本の経済政策

日銀総裁、緩和縮小論を封印 与党注文「出口リスク喚起を」

日銀総裁、緩和縮小論を封印 与党注文「出口リスク喚起を」

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金融政策決定会合後、記者会見する日銀の黒田東彦総裁
=27日、東京都中央区の日銀本店 (菊本和人撮影)
(写真:産経新聞)

 日銀の黒田東彦(はるひこ)総裁は27日の記者会見で、物価上昇率について
「2%に達するのは平成30年度ごろになる可能性が高いが、安定的に(2%を)
超える時期はそれよりも後になる可能性が高い」と述べた。

「異次元の金融緩和」の開始から5年目を迎えるが、
緩和の「出口」(縮小)の道筋はまだ見えない。
国債購入の限界論も意識されるなか、
出口段階のリスクを喚起すべきだとの声も出てきている。

 「具体的なイメージを持って話すのは『時期尚早』だ」。
黒田総裁は会見で、出口の議論に関して、これまでと同様の訴えをした。
議論を開始する時期についても「2%目標の達成が始まりだ」とした。

安倍晋三政権が目指すデフレからの脱却と経済再生に向けた「三本の矢」のうち、
日銀が行ってきた大規模な金融緩和の「第1の矢」は評価されてきた。
ただ、ここに来て与党からも出口の説明を求める声が出始めるなど、
風向きは変わりつつある。

 19日公表の自民党行政改革推進本部の提言は、
大規模な金融緩和が当面継続されるとしつつも「リスクを喚起し、
適切な対応を日銀や関係府省庁に求める」とした。
また、出口の段階で「毎年数兆円規模の損失が発生すると指摘されている」
と警告。日銀に「出口戦略に伴うリスクの分析に関して、
市場との対話をより一層円滑に行うことを求める」と注文をつけた。

 市場関係者らからも出口への関心が高まっている。
大規模な金融緩和に限界が見え始めているためだ。
日銀は年間80兆円をめどに国債の買い入れを行っており、
3月20日時点で日銀が保有する国債は423兆円に達した。
この1年間で約2割増加し、国債発行残高に占める保有比率も4割を超えている。

 「大規模な国債買い入れの持続可能性について疑念が抱かれている」
(農林中金総合研究所の南武志氏)など、
日銀が現行の金融緩和を続けると市中に出回る国債を買い尽くし、
近い将来国債を買い入れることができなくなるとの見方は根強い。

今回の展望リポートで、31年度の物価上昇率の見通しは、
31年10月に予定されている消費税増税の影響を除いた数値で1・9%だった。
朝鮮半島情勢の緊迫化や欧米で顕著な反グローバリズムの動きなど
海外発のリスクも高まっており、
30年度ごろとしている2%の物価目標達成時期には不透明感が漂う。

 「米連邦準備制度理事会(FRB)も出口戦略をかなり前に語ったが、
現在行っている政策とは違うものだ」。
黒田総裁は緩和縮小を進めるFRBを例に、
現段階での出口戦略の議論を封印する考えも見せた。

BNPパリバ証券の河野龍太郎氏は
「超金融緩和の継続で
日銀は継続的な債務超過も避けられない状況に陥るリスクが高まっている」
と指摘する。

黒田総裁の任期は1年を切った。続投もささやかれるが、
次期総裁への引き継ぎを視野に出口の道筋を示す責任を果たすときに来ている。
.
(産経新聞 2017 4/28)

アベノミクスの「偽薬効果」が消えるとき(池田信夫-2013.12.19)

【アベノミクスの「偽薬効果」が消えるとき(池田信夫-2013.12.19)】

株高の原因は、円安で割安になった日本株を外人がポートフォリオに組み込んだことと、
円安→輸出増→好景気という予想で輸出産業の株が買われたことだ。たしかにトヨタの
業績は劇的に改善したが、電機産業は輸入超過に転落した。

全体としては輸出数量は減り、今年の貿易赤字は過去最大になる見通しだ。



こうなった最大の原因は、日本がもはや「貿易立国」ではなく、製造業が海外生産に移行したためだ。
海外生産比率は20%に近づき、繊維製品やテレビなどコモディタイズした商品の9割以上は、
海外の工場で製造した輸入品だ。これは円高に適応したためだが、
そのコストは円安で大きく上昇した。


このような「空洞化」は、必ずしも嘆くべきことではない。付加価値が日本に還元されて雇用が
維持されれば、むしろ望ましい。問題はそうなっていないことだ。

日経平均に組み込まれている輸出産業の収益は大きく上がったが、
輸入コストの上がった流通などの収益は落ちた。


つまり、

企業の中でも、円安の恩恵を受ける大企業と受けない中小企業の企業間格差が
拡大しているのだ。輸出部門の比率は関連産業を合わせて3割ぐらいだから、
円安で日本経済全体の潜在成長率は下がるおそれがある。
こういう長期的な影響は、
一時的な「Jカーブ効果」の調整される、来年あたりから出てくるだろう。



日本には、超効率的な輸出産業と、規制だらけの国内産業の二つの経済があるが、
アベノミクスは、その構造を変えないで、格差を拡大しただけだ。

その唯一の政策だった日銀の量的緩和も、円安を促進して、株高を演出した
心理的効果ぐらいしかなかった。

日経平均は、明らかに上がりすぎだ。それはバブルというほど高水準ではないが、
TOPIXと比べても3%ぐらい高く、大企業バイアスが見られる。
アベノミクスは偽薬としてはよくきいたが、その効果はそろそろ消えるだろう。

【2014年はリフレ政策の試練の年となる】(2013.12.26‐中原圭介の「経済を読む」)

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移民拒否を続ければ日本は亡びる(毎日中国経済)

【新華網】 シンガポール華文紙の聨合早報は21日、
「李光耀:シンガポールの成功は信頼感が生んだ」と題した記事を掲載した。
これによれば李光耀(リー・クアンユー)元首相はシンガポールの現状と未来などについて語り、
「いかなる国の首都もシンガポールとは程遠い」と、自信を示した。この記事の主な内容は、
以下のようなものだ。

天然資源を持たないシンガポールが成功する上での重要ポイントは、投資家や投資機関の信頼感を
得たことだ。この信頼感は安定した体制や健全な政策、開放的な貿易が基盤となっている。
「シンガポール建国の父」と呼ばれる李光耀元首相は、スタンダード・チャータード銀行主催のフォーラムで
20日、シンガポールの成功ポイントについて同行のピーター・サンズ最高経営責任者(CEO)の質問に
答え、「信頼感がキーワードだ。この信頼感は揺るがすことができない。信頼感は安定的な体制や政策、
開放的な貿易が基盤となっている」と話した。
中国の沿海都市とシンガポールの間の競争について同氏は、上海などの沿海都市は開放が徹底されて
おらず、シンガポールを脅かすことはないとしている。同氏はまた、「一部の国は健全なメカニズムを構築
しておらず、シンガポールの地域金融センターとしての地位を信頼している。整った体制を確立するには、
政権、政策の安定が必要だ」と指摘した。

李元首相は先月、入院した。20日のスピーチは退院後、初の講演となった。元気な様子の元首相は、
50分近くのフォーラムで、米連邦準備制度理事会のポール・ボルカー元議長と幅広い視点から、
意見を交換した。中国、米国、インドの関係や欧州連合(EU)の発展などのほか、複数の問題が、
シンガポールの競争力と関係していると指摘している。シンガポールは、他国に追いかけられることを、
懸念するかとの質問に、李元首相は、「1人当たりの国内総生産(GDP)において、他国はシンガポール
とは程遠い。シンガポールは、2012年の1人当たりGDPは6万5000シンガポールドル(約490万円)
だった。われわれにはメカニズムがあり、また法規がある。いかなるアジアの国もシンガポールとは程遠い」
と強調した。


移民政策については「質をコントロールし、優秀な外国の人材を取り込む必要がある」と述べた。
李元首相は「人口の減少は、国の致命傷になる」と指摘する。高齢化が進む日本について同氏は
「日本は、高齢化や景気減速による苦境に陥っている。これは、移民拒否と関係している」と分析した。

同氏はまた、「ある国の規模は、わずか20年間で、半分に縮小した。政策を調整しなければ、更に縮小し、
最終的に、終わりになるだろう」「国には人が必要だ。若者が経済を動かせるようにし、製品や、
おいしい食べ物を買えるようにしなければならない。日本のように移民を拒否すれば、国は亡びる。
そうなる前に、日本は政策を変えるだろう」と語った。


李元首相は「シンガポールも出産率が低いが移民を通じて人口不足を補っている」と説明した。
2030年までに人口を690万人に増やすと政策を示した人口白書が波紋を広げたシンガポールで、
李元首相は初めて、人口問題に言及した。
(移民拒否を続ければ日本は亡びる=シンガポール・李光耀元首相(毎日中国経済)
(翻訳 王秋/編集翻訳 恩田有紀)

延命期に入った資本主義経済(辻元)

今、日本では、中小企業金融円滑化法、雇用調整助成金、公的資金で製造業支援、公的資金で工場、
設備買い取り1兆円超といった政治による危機の先送り、あるいは、日銀の独立性を奪い、
日銀の資産を強制的に増やし、為替を政府が操縦し、財政ファイナンスを行いながら、
財政拡張による景気対策を行う、という。

こうなると今や、日本は資本主義自由経済から、国家社会主義経済に変質してしまったように思われる。

このような異常な政策の背景には、資本主義の行き詰まりがある。ここでは、そのことについて考えたい。

疲弊する先進国経済

フランスの経済学者ダニエル・コーエンが、
「迷走する資本主義ーポスト産業社会についての3つのレッスン」
という本を書いている。資本主義自由経済がフランス社会にどのような社会問題を引き起こしたのか、
資本主義の病理が良く分かる好著である。
経済格差、格差の固定化、分断される社会、これはフランスだけでなく、先進国全般に当てはまる現象だ。

フランスでは新自由主義的な政策を推し進めたサルコジ政権は倒れ、それに替わって社会主義的な
オランド政権が誕生した。
オランド政権では、最高税率を75%にまで上げ、高額所得者が海外に移住する事態になっている。

一方、他のヨーロッパ諸国に於いても、経済の疲弊が顕著であり。ユーロ危機で南欧諸国は経済危機に
陥った。 スペインでは若年層の失業率が45%にも達している。 イタリアでは、緊縮財政への批判が高まり、
緊縮財政を推進するモンティ内閣が総辞職する事態に発展している。 

フランスやドイツでは移民排斥の動きが強まり、極右政党、社会主義政党の台頭といった動きが顕著である。
社会の閉塞状況に不満を持つ人々が増え、極端な方向に社会を変えようとする人たちが増えているのだ。

アメリカでは、所得格差の拡大が深刻である。また若年層の就職難も深刻で、アメリカの19歳から
20代前半の若者(ハイスクール卒、大学卒)の4割は職がない状態である。
その結果、"We are the 99%"をスローガンにOccupy Wall Streetと呼ばれる大規模なデモが発生している。 

このように、先進国全体の経済が行き詰まり、社会が不安定化している。 
経済が疲弊し社会が分断されているのは、日本だけではない。  
先進国全体が同じ問題を抱えているのだ。


資本主義の危機

資本主義は、投資したお金が自己増殖をするシステムである。 その自己増殖=経済成長が止まれば、
資本主義は行き詰まる。 経済成長のために必要なのは、


(1) 安くて豊富な労働力
(2) 安くて豊富な資源
(3) 技術革新


だが、これら全ての供給が行き詰まっている。
労働力についてみると、90年のベルリンの壁崩壊以降、社会主義国の労働力が資本主義に組み入れられ、
安くて豊富な労働力が、供給された。90年代、世界経済はグローバリゼーションの恩恵に浴した。
しかし、もうそういった安い労働力を供給してくれるフロンティアは非常に限られている。

安くて豊富な資源は、最早、地球上に存在しない。
これは「地球の有限性の顕在化と資本主義の機能不全」で書いた通りである。
一部の人たちがシェール革命ともてはやしている、アメリカのシェール層の開発にしても、シェールオイル、
シェールガスとも生産コストは高く、安い資源ではない。

技術革新は今でもスピードを落とすことなく続いているが、経済成長に与えるインパクトは
大幅に減じている。これは一人当たりの使用可能エネルギー量とエネルギー効率により我々の物質的
豊かさは決定されるが、最近のIT革命など殆どの技術革新は、エネルギー革命ではないからだ。  

今、我々が見ている先進国の疲弊した状況は、資本主義の終わりの始まりなのだ。


これは何度も書いたことだが、
現在は、資源制約のために大きくならないパイを、成長が大きい新興国と、
先進国が奪い合っている状態である(「地球の有限性の顕在化と資本主義の機能不全」参照)。
そのため、資源、食糧価格が高騰する一方、グローバル化にる新興国との競争ために価格転嫁できず、
人件費を下げ薄利多売することで対応している。


それでなくても、グローバル化、機械化により、新興国、機械との競争が起きており、
人件費低下圧力は高いため、これは合理的な対応である。 

元旦の朝日朝刊に、カリフォルニア大学のライシュ教授のインタビュー記事が掲載され、教授は、
中間所得層の復活が先進国経済復活の鍵であると述べているが、
これは非現実的な話のように思われる。 経済低迷の結果として、中間所得層の衰退があるのであって、
その逆ではないからだ。 ライシュ教授は、経済はゼロサムではない、と説くが、
現実には資源制約のために、ゼロサムになっているからだ(「ゼロサム社会のゆくえ」参照)。
従って、上位1%の高額所得者の所得を再配分するだけでは、残り99%の所得を少し押し上げるのが
精一杯のように思われる。 日本でも野田前首相が、「分厚い中間層の復活」を説いたが、
アメリカほど貧富の差が激しくはない日本の場合は、中間層の復活は、さらに難しい。

21世紀に入ってから今まで、低下した経済成長を復活させようと、金融技術を駆使した金融商品の
導入など、新しい試みがなされてきた。 しかし、こういった措置はバブルの生成とその崩壊を
生むだけで、資本主義の延命に繋がっているようには見えない。

経済成長の本質は生産の拡大であり、こういったバーチャルな領域での技術革新は実体経済を
ほとんど変えなかったように思われる。 

金融といったバーチャルな世界で操作を行っても、実体は変わらない。



今、安倍政権が行おうとしていることを検証すると、金融緩和、為替操作という、
バーチャルな領域の操作だけでなく、財政出動というリアルな操作も含んでいる。
だから一時的にはある程度の効果があるかも知れないが、もう少し長期で見れば、
やはり、実体経済の基礎条件は、何も変わっていない。
アベノミクスは、労働力、資源、技術革新の何れにも働き掛けない。
日本の場合、資源はないのだから、労働力、技術革新に働きかけるしか、活路はないはずだ。 
 

世界的に見ても、資本主義の原動力である、安い労働力、安い資源、経済成長に寄与する技術革新
とも、豊富に供給し続けることは不可能なように思われる。
資本主義は危機を通り越して延命期に入ったと言えるだろう。

延命期に入った資本主義経済(辻元)

《米国債バブル崩壊懸念と日本への波及リスク》(竹中正治氏)(2012-12-21)

《米国債バブル崩壊懸念と日本への波及リスク》(竹中正治氏)(ロイター)(2012-12-21)

[東京 21日 ロイター] 

米国の10年物国債の利回りが、1.6―1.8%程度と、歴史的な低位水準にある。


米国では消費者物価指数はリーマンショック後の2009年は、
一時的に前年比でマイナスになったものの、
その後は2%前後で推移している。
したがって、名目利回り(1.6―1.8%)からインフレ率を引いた、
10年物国債の実質利回りはマイナス0.2―0.4%となっている。

すなわち、債券に投資しても、インフレによる目減りを勘案すると、マイナスのリターンしか得られない。
これは、異常な事態であり、やがて、転換局面が到来するだろう。
問題は、それが、ハードランディング的な調整局面になるリスクが高いことだ。

日本の国債市場も、その時点で、多少でもインフレと円安基調に転換していれば、
連鎖的な影響を受ける可能性もある。

下の図をご覧頂きたい。図には10年物米国債利回り、政策誘導金利であるフェデラル・ファンド金利
(オーバーナイト・レート、O/N)、両者の金利格差、そして消費者物価指数をベースにした、10年物米国債の実質利回りを示してある。

長期国債の実質利回りが、足もとでマイナスになっていることがおわかり頂けると思うが、こうした事態は、
50年遡っても、過去に2度しか起こっていない。


今の債券市場の異例な状態が、超金融緩和政策の終了とともに終わることは間違いない。
終わる時には長期債券利回りは急騰し(価格は急落し)、
逃げ遅れた投資家は、大きな損失を被ることになる。
金融関係者には言わずもがなのことだが、期間の長い債券ほど、利回りに対する価格の変化は大きくなり、
10年物債券の場合、利回りが1.7%から、2.7%に1ポイント上昇すると、価格は約8.7%下落する。

大規模な債券価格急落という事態は、90年代では94年から95年にかけて、金融政策が、
緩和から引き締めに転じた時に、劇的に起こった。
当時、フェデラル・ファンド金利は、3%から6%まで引き上げられ、
10年物国債利回りは、5%台後半(94年年初)から、8%近辺(94年第4四半期)まで急騰した。

当然のことながら、それまで長短金利格差で利鞘を稼いでいた、金融機関の債券ディーラーは、
多額の損失を被った。

2004年から05年にかけて、金融政策が緩和から引き締めに転じた時は、
フェデラル・ファンド金利の上昇幅に比べて、長期債券利回りの上昇が著しく鈍く、
債券価格の急落は起こらなかった。当時のグリーンスパンFRB議長は、これを「謎(conundrum)」
と呼んだが、この時は、日本や中国など、経常収支黒字国から、米国への大規模な資金流入が、
中長期の米国債に投じられたことが、長期金利の上昇を抑制した、大きな原因になっていることが、
実証研究で、明らかになっている。

12月12日の連邦公開市場委員会(FOMC)は、現在の超金融緩和を持続させる目安として、
1.目先のインフレ見通しが2.5%を超えない、
2.失業率が6.5%へ低下するまで、
という2点を提示し、その継続期間については、柔軟性のあるスタンスを示している。

したがって、現在7.7%の米国の失業率が、7%を割り込めば、
金融機関や投資家は、超金融緩和解除に向けたカウントダウンを始めるということだ。
なにしろ逃げ遅れれば、債券価格の急落という津波に巻き込まれるのだから。


厄介なことに、この津波は、債券から逃げようとする人々(投資家)の、
群衆行動自体が波となるので、多くの投資家が速く走るほど津波の速度も上がり、
結局大半の人々は巻き込まれる運命にある。

もうおわかりだろう。

今の長期債券市場は、最後まで走り続ければ(=保有し続ければ)、
崖から転落するチキンレースの局面に入ったのだ。
金融機関の債券ディーラーが、レースから抜けるのが早過ぎれば、その後の利鞘を失う。
最後まで走り続ければ、崖から転落する(=債券価格の急落で損失する)。
典型的なバブル局面が、すでに始まっている。

米国の債券バブルが崩壊する時に、もし、日本で安倍政権の下で、デフレからインフレへの、
転換が起こっていれば、日本の国債価格の急落も、重なる可能性が高い。
インフレ率1―2%の下で、利回り1%を割り込んだ長期国債を、日本の投資家が、
保有し続けるはずはないからだ。


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2%のインフレ目標は可能か(池田信夫ブログ 2012.12.21)

2012年12月21日 10:36 経済
2%のインフレ目標は可能か
すごい勢いで円が下がっている。ドルはここ1週間で2円、ユーロは図のように5円も上がった。
これは「アベノミクス」のせいもあるが、ギリシャのユーロ離脱がなくなったという報道も大きいようだ。
これまで円高の最大の原因になっていたリスクオフで、ユーロから円に逃避してきた資金が、
環流しているのかもしれない。

そんな中で、日銀は2%のインフレ目標を設定するようだが、これは実現するのだろうか。
藤沢数希氏が指摘するように、日本のインフレ率は、アメリカよりほぼ2%低い水準で動いている
(彼は超大手投資銀行のトレーダーなので、これは世界の投資銀行の見解)。

日銀が2%のインフレを実現するためには、アメリカが4%のインフレになる必要があるが、
FRBは2.5%のインフレ目標を掲げているので、それは不可能だ。
これは、国際金融市場で実質金利の鞘取りが行なわれるためで、
その結果はフィッシャー方程式、実質金利=名目金利−インフレ率

で説明できる。脇田成氏もいうように、世界の実質金利は均一化している。
最近の世界各国の実質金利は、0〜1%の範囲なので、
上の式で、実質金利を1、日本の名目金利を0とすると、インフレ率は−1、つまり1%のデフレになる。
名目金利(国内の資本収益率)が国際的な実質金利より低いため、
意図せざる金融引き締めが起こってデフレになるのだ。

逆に、アメリカのように、国際的な水準より収益率が高いと、インフレになる。
つまり、日米のインフレ率の差は、資本収益率の差なのだ。
したがって、日本経済の潜在成長率(資本収益率)を高めない限り、
デフレからは脱却できない。
「日銀が輪転機をぐるぐる回せばインフレになる」
などと思っている金融のプロは、世界にはいない。

国際金融市場では、1日に10兆ドル以上の資金が動くので、
日銀の一国ケインズ主義は、もはや機能しない。
インフレが起こるのは、市場が「日銀は財政ファイナンスを始めた」と見て、
日本から資金を逃避するときだ。
少なくとも私は、安倍政権で、円と国債が暴落するリスクを見込んで、
資産を外貨預金に移している。
2%のインフレ目標は可能か(池田信夫ブログ 2012.12.21)

土建国家復活ならインフレ対策に走った方がいい(日本国財政破綻Safety Net)

1085.土建国家復活ならインフレ対策に走った方がいい

自民党政権は正式には12月26日に発足する予定ですが、日経平均株価の上昇、
為替の円安が日本経済の先行きを暗示しているようです。自民党は、
補正予算の編成を急がせていますが、これは、2013年度本予算の成立が
来年6月頃になるからです。なんだ、それでは4月から6月までの暫定予算でも
いいのではないか、と思うかもしれませんが、景気は失速状況にあり、とりあえず、
2月までに10兆円規模の補正予算を成立させようとしています。
これで6月まで持たせるつもりなのです。どんな本予算を組むのかわかりませんが、
7月の参院選までに、カネをジャブジャブにさせなければなりません。

今のところ、自民党は補正の財源には言及していません。
まだ政権の座についたわけでもないので、説明する義務もない。ただ、
「旧来型の公共事業はやめろ」 の大合唱の中、日経新聞によると10兆円のほとんどが
旧来型の公共事業になるらしい。旧来型でない公共事業って何でしょうか。
そんなものはない。投資効果の上がる公共事業は最早やり尽くされている、
と言っても過言ではありません。
ですから、2013年度事業の前倒しでいいから、すぐに執行できるものを、
何でもいいからカネを積み上げてこい。中央自動車道の笹子トンネル事故が、
絶妙のタイミングで起こった。トンネル、橋梁点検はすぐにやれ。
カネは必要なだけ要求してこい。
国交省の中央官僚は、こんな感じではないでしょうか。今週、3日間出張で、
地方に行っていましたが、高速道路のトンネル箇所の多くが片側通行でした。
緊急点検を実施しているようです。

国土強靱化計画は、今回の選挙期間中、自民党はあまり強調しませんでした。
民主党の「土建国家に戻るのか」 という、反対攻撃も国民の耳には
届かなかったでしょう。国民は、もはや民主党に聞く耳は持たない。公共事業は、
都道府県、政令市と国の直轄部隊が事業実施主体です。
都道府県は人口減少地域や過疎地では公共事業をやりたがらない。
というよりそんなカネがない。だから国が直轄部隊を投入して地方の山間僻地で、
公共事業をやる。自民党の都道府県議員は自分の地盤に県の公共事業費を、
好きなように誘導する。仕方なく市町村長(地方末端の行政組織)、
市町村議会(地方の住民代表)は国の直轄事業を頼りに、
自民党国会議員に陳情する。今回、地方の建設業協会などは相当動いたという話も、
新聞で報道されました。これから論功行賞がある。
日本のほとんどの地方の主たる産業は建設業ということを忘れてはなりません。
日本の人口の7割を占める地方が国全体8割強の票を握っている。
鳥取、島根や高知の議員定数はいくら言われても減そうとしない。
都市部の国民を愚弄している。

今回、10兆円の大型補正は、「国土強靱化計画」の中の
"切り出し" で行われようとしています。(日経報道による) 補正という隠れ蓑のもとに、
既成事実が作られようとしているのです。10兆円程度で日本の財政がどうこう、
というのはないと思いますが、200兆円のカネが動き、
それが例えば日銀の金融緩和の一環として「建設国債の買い入れ」として行われるならば、
日本国債の今後はわかりません。
何かのきっかけで売られるかもしれない。
本当に2%のインフレ目標を政府・日銀が連携して実施していくなら、
夏までには円安が加速していく可能性がある。
インフレはすぐには来ないとは思いますが、
インフレヘッジの準備に走るべき時期が来たように思います。

(土建国家復活ならインフレ対策に走った方がいい(日本国財政破綻Safety Net))
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