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日々の記録。

■中原圭介

【いよいよ、円安トレンドが終焉する(中原圭介の「経済を読む」-2015.12.14)】


【いよいよ、円安トレンドが終焉する(中原圭介の「経済を読む」-2015.12.14)】


拙書『これから日本で起こること』(2015年1月刊行)および
『経済はこう動く〔2016年版〕』(2015年10月刊行)では、
米国の利上げを契機に、いよいよ円安トレンドは終わるだろうという見通しを述べさせていただきました。

それでは、円安トレンドが終わった場合に、どのくらいまで円高に振れると考えたほうがよいのでしょうか。
私は購買力平価を判断の基準として、
100円〜105円あたりがひとつの目安になるのではないかと考えています。

ただし、ここで留意しなければならないのは、仮に円高が進んだとしたら、
2016年中に追加緩和が行われる可能性が次第に高まっていくということです。
ですから、円高トレンドに傾いた相場が大きな抵抗もなく、
ずるずると100円〜105円のレンジに近づいていくとは予想しておりません。

安倍首相と黒田総裁の間では、「2016年の国政選挙までは追加緩和を行わない」
という約束があるものの(もちろん、私の推測ではありますが)、
円高が進む過程では株価も下落していくので、
株安を嫌う安倍首相が一転して追加緩和を催促する可能性が高まっていくと考えているからです。

おそらくは、円相場が110円を割り込む頃合いには、市場でも追加緩和への期待が高まっていき、
実際に追加緩和が決定されるのではないでしょうか。
そして、当然のことながら、従来の緩和策では日銀は国債が買いたくても買えなくなるので、
国債やETF以外にも新しい金融商品を買う決断をしなければならないでしょう。

外貨投資の分野では、私は自分の予測に基づき、2012年12月にドルだけに集中投資を開始し、
先月から先週初めにかけて123円台ですべて売却しましたが、
2016年は安倍首相や黒田総裁の発言の変遷を見ながら、
ワンチャンスの買い場(最大で10円幅の円反落を想定)を探っていくことになりそうです。

追記 : 先週末、常陽銀行からの招待で、森田京平氏の講演を聞いてきました。
多くのエコノミストと同様に、森田氏は「米国の利上げにより、さらなる円安が進む」と言っていましたが、
果たして本当にそうなるのでしょうか。

2014年の世界経済のリスクを点検する(中原圭介)


2014年01月14日

ご存知のとおり、迷走を続けてきた米議会の財政協議が前進し、民主・共和両党は、
今後2年間の予算の大枠で合意した。この合意により、政府機関が再び閉鎖される事態は、
回避できる形となったが、来年2月には、債務上限引き上げの期限を控えている。
この問題が、2014年の米国が抱える最大のリスクになると思われる。

気になるのは、11月頃までは共和党に世論の風当たりが厳しかったのだが、
12月に入ってからは、オバマ政権へのさらなる逆風が吹き始めているということである。
CNNの最新(12月)の世論調査によると、オバマ政権の支持率は、過去最低の41%、
不支持率は、過去最高の56%を記録した。
政権を支えてきたリベラル層からも、批判が強まってきている。

他の世論調査でも、支持率が過去最低を記録するという結果が出ており、この結果を受けて、
共和党が再び強硬姿勢に転じる可能性が高まってきている。
共和党は、債務上限を引き上げる代わりに、社会保障制度の抜本改革などを通じた、
財政赤字削減策を強く求めていく方針を固めたようであり、与野党対立が、
再び激化する情勢になりつつある。

にもかかわらず、オバマ大統領は、債務上限引き上げの問題について、
未だに共和党に無条件で引き上げるよう求めている。1週間前にも、改めて、
「議会と交渉をするつもりはない」と明言したばかりである。
こうなると、米国経済、ひいては、世界経済の来年の最大のリスクのひとつが、来年2月に迎える、
債務上限引き上げ問題(=政治的リスク)になるのは避けられそうもない。

2014年の世界経済を考えるときに、もうひとつのリスクとなるのが欧州の問題である。
2008年から2012年まで、欧州は金融危機、ギリシャ危機、南欧債務危機と毎年のように、
危機に見舞われてきたが、2013年は何事もなく無難に乗り切ったかのように見える。
しかし、景気の低迷は相変わらず続いており、ユーロ圏およびEUの失業率は、
依然として、過去最高の水準で推移している。

そういった状況にあるのに、為替市場では不健全なユーロ高が進んでいる。
景気が低迷し続けているのに、ユーロ高が進んでいるのは、欧州の銀行が、
来年1月からのストレステストを控え、海外資産を処分して、ユーロを買い戻しているからである。
欧州の銀行が、不良債権処理を進めているために、米国や日本の株式・債券で運用していた
資金を本国へ戻そうとユーロを、買っているのである。
現在のユーロ高は、域外への輸出競争力を削いで、遅かれ早かれ、
ユーロ圏の経済に跳ね返ってくるであろう。


さらに、来年の欧州には、政治的な分裂が深刻化するリスクもある。
2014年の各国の選挙では、反EUを掲げる政党が、議席を伸ばす勢いにあるからである。
英国の独立党、仏極右政党の国民戦線、ギリシャの黄金の夜明けなど、中には、
既存の政党を抑えて、第1位の得票を獲得する政党も出てくるかもしれない。
欧州の政治的な分裂が進めば、ストレステストで判明する不良債権の処理方法すら、
具体的に決めることができなくなってしまう。

もちろん、日本経済にもリスクはある。それは、消費税引き上げ後に消費が伸び悩むことである。
たとえ景気対策として財政支出を5兆円程度増やしたとしても、駆け込み需要の反動は避けられない。
すでに住宅市場では、その影響が出始めているが、
来年4月以降の経済指標は、政府が想定しているよりも悪くなるだろうと予想している。

先進国を見渡した時に、米国は政治リスク、欧州は政治と経済の両方のリスク、
日本は経済のリスクと、それぞれにリスクのあり方が異なるが、いずれにしても、そのすべてが、
世界経済あるいは国際金融のリスクに直結していく。これらのリスクを如何にして消化していくのかが、
2014年の経済や金融市場を見る上で大きなポイントになるのではないか。

2014年の世界経済のリスクを点検する(中原圭介)
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