3月11~12日、今週は風が良さそうだったのですが、飛行は我慢。
前から気になっていた、Polini THOR 200 エンジンの分解・整備でした。
今回特に、調子が悪いというわけでは無いのですが、
少し温度が上がり気味ということもあったので、分解・整備に踏み切りました。

・カーボン除去
・ピストンリング、固着対策
・デコンプ穴のつまり
・サンドブラスト
・マフラー塗装

日常メンテナンスです
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便利な工具。作業が早くなります。
マキタの電動工具。本当に良いです。下のペンインパクトは
あまりにも使い勝手がよいので、常に車1台、作業場に1本と
2台買ってしまいました。
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腰上分解だけなのですが、エンジンを降ろします。
本当に面倒です。変なカバー付けなければ良いのに。
カバーがなければ、エンジン降ろさずピストンだけ点検ができます。
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途中で、エンジンマウントの破損が見つかりました。
ポリーニ Thor200は、バランサーが付いているので、
振動がほとんど無いので
まったく、気がつきませんでした。恐ろしい・・
やっぱり、エンジン下ろして良かったです。
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ヘッド部分です。
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エンジンを開けた状態
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カーボンが少々付いております。
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薬品で落とします。(この後ピカピカになりましたが、写真を撮り忘れです)
今回は、塗料剥がしを使いました。きれいに落ちます。
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シリンダーを外した状態です。
予想通り、ピストンリングは固着しておりました。
いままでThor系は、5~6台分解しましたが、すべてのエンジンでリングが固着しておりました。
(稼働時間20時間ですでに、ピストンリングが固着しているエンジンもありました)
ちなみに、日本製のDKのGT(200cc)も数台見てきましたが、
まったくそのような事はありませんでした。
エンジンに対する考え方の違いですね。
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デコンプホールです。 やはり詰まっていました。
この穴ですが、よく詰まりますね。
2.5mmのドリルを穴に入れて、掃除。
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ついでなので、面倒でしたが、サンドブラスト処理をしました。
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ガラスビーズ ♯100です。
クランクケース・シリンダーフィンなどの、アルミ部品の仕上げに適してます。
軽度なさび止め効果と、放熱効果作用もあるようです。
それよりも、一番の効果はキレイに見えることです。
この効果は、絶大でエリアに持っていくと、
「おお~キレイだねー」と、なれば良いのですが、
作業者本人が一番喜ぶ効果が絶大です。自己満足効果です。
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商売ができるのではナイカ?と思ってしまうできのよさです!!
(丁寧に正しくヤレば誰でもキレイになってしまいますが)
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ビッカビカ。手作業ではこんなにキレイになりません。
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いぶし銀の渋いカガヤキです。
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ピストンリング固着対策をした、使用時間極少のピストンを装着
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ヘッド取り付け
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ボルトの締め付けは、トルクレンチを使用。正確に均等に締め付ける事が
できます。機械いじりたての頃は、手締のカンで十分と思っていましたが
やはり、あったほうが良いです。
何が良いか?  「ちょっと締めすぎじゃない?」と手が思っていても、
レンチは、正確なトルクで締め付けてくれます。
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このカバーがあるから、全部降ろさなければならなくなります。
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ついでに、マフラーも塗装。内陸フライトだけでも、サビてきます。
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完成です。一発始動。
デコンプホールのつまりを取ったので、
リコイルスターターがとても軽くなりました。
外観きれいに仕上りました。
やはり空を飛ぶ機械なので、150時間に一回くらいは、
分解整備・確認はしておきたいです。
点検することによって、次の数十時間の安心につながると思います。
(日本製ではありませんので、絶対と言うことは無いです)
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サンドブラストです。
中華製なので当初は、ブラスト粉が、飛び散りましたが、筐体を組み直して
シーリング密閉加工で、だいぶマシになりました。
写真の状態に、大型コンプレッサーを接続して使います。
いつも使う工具ではないので、引っ張り出すのが面倒です。
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使用するサンド
・強力なサビ落としには、アルミナサンド♯60~100
・シリンダー等アルミ部品仕上げには、ガラスビーズ♯80~120
・キャブレター精密部品のクリーニングは、ガラスビーズ♯240
など使用用途で使い分けますが、
どんな粉でも、ある程度キレイになってしまいます。
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内部はこんな感じです。
密閉しても、やはり粉は飛びます。
じっくりやると、作業者粉だらけです・・
扇風機をバックに作業をすれば、なんとかなるかも。
それよりもパラのエンジンを回して風を送れば良いかも。
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