Gori ≒ ppdwy632

〈ぼく〉の思索の一回性の偶然性の実験場。

2011年07月

本「人口論  An Essay on the Principle of Population (光文社古典新訳文庫129)」マルサス、斉藤悦則 訳5

ブログネタ
読んだ本♪ に参加中!
人口論 (光文社古典新訳文庫)
人口論  Thomas Robert Malthus “An Essay on the Principle of Population”, 1798. (光文社古典新訳文庫129)

○著者: マルサス、斉藤悦則 訳
○出版: 光文社 (2011/7, 文庫 307ページ)
○価格: 940円
○ISBN: 978-4334752316
クチコミを見る



前途多難、いちなん去ってまたいちなん、というのか、アタリマエのように人生は、生きるってことはカンタンなことではない、おもいどおりにゆかないことのほうがおおくて、もっとも、おもいどおりにいった(とそのときに思ったような)ことであっても、それがすなわち(将来にわたって不変で絶対的に)好適な結果をもたらすともかぎられない、いうなれば逆もまた真でもあったりしてみたり、おもいどおりにゆかない(とそのときには思い悩んで苦にしたような)ことでも、えてしてヒョンなところから意外な展開が生じるひらけるようなことだって、なにがどうなるものやら、よくもわるくも価値観の転倒みたいなものは



「人口は等比級数的に増加するが、食糧は等差級数的にしか増えない。そして、人の性欲はなくならない。」 シンプルな命題を提起し、人口と食糧のアンバランスが生む問題に切り込んで、19世紀の進歩思想に大きな影響を与えた本書は、現在の世界においてもますます輝きを増している。


≪目次: ≫

凡例

人口論』 An Essay on the Principle of Population. As It affects the Future Improvement of society, with Remarks on the Speculations of Mr. Godwin, M. Condorcet, and Other Writers. London: Printed for J. Johnson, in St. Paul's Church-yard: 1798

序文
第一章  問題点――意見対立のせいで問題の解決がむずかしいこと――人間と社会の完成可能性に否定的な考え方については、ちゃんとした反論がない――人口増加がもたらす問題の性質――本書の主張の概要
第二章  人口と食糧の増加率の違い――増加率の違いの必然的な帰結――下層階級の暮らしぶりの上下運動――この上下運動がさほど注目されてこなかった理由――本書の主張全体の基礎をなす三つの命題――それに関連して検討されるべき人類の歴史の諸段階
第三章  未開段階、あるいは狩猟民族について――遊牧民族、あるいはローマ帝国を侵略した蛮族――食糧増加を上回る人口増加――北方からの民族大移動の原因
第四章  文明国の状態――現在のヨーロッパはシーザーの時代より人口が多いかもしれない――人口についての最良の規準――ヒュームが用いた人口推計の規準はおそらく誤っている――ヨーロッパの多くの国における人口の伸びの鈍さ――二つの主要な人口抑制法――そのひとつ、事前予防的な人口抑制をイングランドを例に検討する
第五章  第二の人口抑制、すなわち、積極的な抑制をイングランドで検証――イングランドで貧乏人のために徴収された巨額の金が、貧乏人の生活を改善しない真の原因――救貧法が本来の目的からそれていく強力な傾向――一時しのぎながら貧乏人の困窮を緩和する策の提言――窮乏化の圧力を下層階級から完全に除去することは、人間の本性の不変の法則により、絶対に不可能である――人口抑制の全体は、貧困と悪徳にわけられる
第六章  新しい植民地――その人口増加が速い理由――北アメリカ植民地――奥地の植民地での人口急増は異例――歴史の古い国においても、戦争、疫病、飢餓、天災による荒廃からの復興は迅速である
第七章  伝染病の原因と考えられるもの――ジュースミルヒ氏の統計表の抜粋――周期的な疫病の発生はありうること――短期間の出生と埋葬の比を、その国のじっさいの平均的な人口増加の基準とするのは不適切――長期間の人口増加の最良の基準――きわめて質素な生活が中国やインドで起こった飢饉の一原因――ピット氏が提案した救貧法案の条項の有害な傾向――人口増加を促す唯一の適正な方法――国民の幸福の諸原因――飢饉は、自然が人口過剰を抑制するもっとも恐ろしい最後の手段――確定できたと考えられる三つの命題
第八章  ウォレス氏――人口増加による困難の発生は遠い未来の話と考えるのは誤り――コンドルセ氏が描く人間精神進歩の歴史――コンドルセ氏のいう振動が人類において発生する時期
第九章  人間の身体的な完成可能性と寿命の無限ののびにかんするコンドルセ氏の説――限界が特定できないことから、部分的な改良を進歩の無限性に結びつける主張の誤り。家畜の改良と植物の栽培を例に、それを明らかにする
第十章  ゴドウィン氏の平等社会――人類の悪徳をすべて社会のせいにすることの誤り――人口増加がもたらす問題にたいするゴドウィン氏の第一次回答はまったく不十分――ゴドウィン氏が実現を予想した美しい平等社会――それは単純に人口の原理によって、わずか三十年で完全に崩壊する
第十一章  ゴドウィン氏の推測によれば、男女間の性欲はやがて消えてなくなる――その推測には根拠がない――愛の情念は、理性にも道徳にも反するものではない
第十二章  人間の寿命は無限にのびるとするゴドウィン氏の憶測――精神への刺激が肉体におよぼす影響についての誤った考え方とその諸例――過去にもとづかない憶測は非学問的――人間は地上での不死に接近しているというゴドウィン氏とコンドルセ氏の憶測は、懐疑論の不整合性の奇妙な実例
第十三章  人間をたんに理性のみの存在と考えるゴドウィン氏の誤り――人間は複雑な存在であり、肉体的な欲望が知的な決断を乱す力として働く――強制についてのゴドウィン氏の考え方――人から人へ伝達しえない真理もある
第十四章  政治的真理にかんするゴドウィン氏の五つの命題。それは、彼のすべての基礎であるが、しかし確たるものではない――人口の原理による貧窮のために、人間の悪徳と道徳的な弱さは撲滅できない。それはなぜかという理由を明らかにする――ゴドウィン氏がいう意味での完成可能性は、人間にはあてはまらない――人間がほんとうに完全なものになりうるかどうかの例証
第十五章  あまりにも完全なモデルは、改善にとって有益というより、しばしば有害――ゴドウィン氏の論文「吝嗇と浪費」――社会にとっての必要労働を公平に分割することの不可能――労働批判は現実の弊害を増すだけで、将来の改善にはほとんど、あるいはまったく役立たない――農業労働の量を増やすことはかならず労働者に益をもたらす
第十六章  アダム・スミス博士は、社会の収入やストックの増加をすべて、労働の賃金にあてられる資金の増加とみなす点で誤っているのではなかろうか――国が豊かになっても、貧しい労働者の生活が良くならない実例――イングランドでは富が増大したが、労働者の賃金にあてられる資金はそれに比例して増加しなかった――中国の貧民の生活は、工業で国を豊かにしても改善されない
第十七章  国の豊かさに正しい定義について――製造業の労働はすべて不生産的だというフランスのエコノミストの理屈と、その誤り――職人および製造業者の労働は個人にとっては生産的だが、国家にとってはそうではない――プライス博士の二巻本『観察記』の注目すべき一節――プライス博士は、アメリカ人の幸福と急速な人口増加を主としてその文明の特殊さに結びつけているが、それは誤っている――社会の改善の前途に横たわる困難に目をとじるのは何の益ももたらさない
第十八章  人口の原理は人間をつねに苦しめるので、そのために人は未来に希望を託すようになる――人性を試練と見なすのは、神の先見性という観念と矛盾する――この世は物質を目覚めさせ、それに精神を与える力強いプロセスであろう――精神の成長の理論――肉体的な欲求による刺激――一般法則の働きによる刺激――人口の原理がもたらす人生の厳しさによる刺激
第十九章  人生の悲しみは、人の心にやさしさと人間味をもたらすために不可欠――社会的な共感能力への刺激は、たんなる才人よりも、もっと上等な人間をつくりだす――道徳的にすぐれたものが生まれるためには、道徳的に悪いものが必要――自然の無限の変化と、形而上の問題のむずかしさが、知的な欲求による刺激をたえずかきたてる――神の啓示にまつわる難点は、この原理によって説明される――聖書で示される程度の神のあかしが、人間の能力を向上させ、人間の道徳心を改善するためには、適度である――精神は刺激によってつくられるという考えで、自然と社会における悪の存在理由は説明されるように思われる

解説的場昭弘(神奈川大学経済学部教授)    自然と理性の相克/マルサスと「人口法則」/社会主義者、共産主義者の批判/なぜマルサス主義はつねに議論になるのか
マルサス年譜 (1766年〜1834年)
訳者あとがき (二〇一一年四月 斉藤悦則)


≪著者: ≫ マルサス Thomas Robert Malthus [1766-1834] 古典派経済学を代表するイギリスの経済学者。父はルソーヒュームと親交があり、その影響を受けて育つ。ケンブリッジ大学を卒業後研究員になり、のち牧師となる。32才の時に匿名で出した本書『人口論』(初版)は当時のイギリス社会に大きな衝撃を与えた。その後名前を明かしたうえで第2版を出し、約30年をかけて第6版までを刊行した。39才で新設の東インド会社付属学院の教授に就任、歴史、経済を教える。穀物の輸入自由化をめぐりリカードウとの論争が有名である。著書に『経済学原理』『経済学における諸定義』『価値尺度論』など。

[訳者] 斉藤悦則 Saito Yoshinori 1947年生まれ。鹿児島県立短期大学教授。共編著に『ブルデュー社会学への挑戦』。訳書に『プルードンの社会学』(アンサール)。共訳書に『出る杭は打たれる』(レノレ)、『構成的権力』(ネグリ)、『システムの解体』(シャバンス)、『逆転の思考』(コリア)など。






人気ブログランキングへ


本「山田孝雄――共同体の国学の夢 (再発見 日本の哲学)」滝浦真人5

ブログネタ
読んだ本♪ に参加中!
山田孝雄 共同体の国学の夢 (再発見 日本の哲学)
山田孝雄――共同体の国学の夢 (再発見 日本の哲学)

○著者: 滝浦真人
○出版: 講談社 (2009/10, 単行本 224ページ)
○価格: 1,470円
○ISBN: 978-4062787604
クチコミを見る



あぁ、セミが鳴いているなぁ、セミの鳴き声がしているなぁ、とかんじたのは、もしかして、意識して耳にしたのは、ことしのなつはじめてのことかもしれなくって、旧い校舎がたつ敷地に、おおきな樹木が豊かな緑が心地好い(とぼくはかんじて好きだ)ガッコウでのこと、そう、いまにかぎったことではないんだけれども、このところ著しく余裕を欠いていた(とは自覚していないものでもない)のは、そのおおきな要因のひとつとしては(細かいことのひとつひとつをあげたらキリがない)単位認定試験があって、けふ2つを終えて、明日さいしゅうの1つ(あぁおわるんだなぁ)、ジッサイにセミの鳴き声を意識したのは今日の2つ(2科目)の試験を受験する前の自習をしているときのことだから、それでも、翌日の夕方にはすべてを終えて、とりあえず目の前に立ち塞がっている試験の緊張からは、よくもわるくもなにがあろうがなかろうがどうあっても、解放される(後戻りはできない)、そんなことを意識しないものでもないのであって、んでもって、そののちに、いろいろボンヤリのらりくらりといつものように考えるには、そのうちには、セミの音と耳鳴りとが、なんだかぼくのかんじている耳鳴りはセミの鳴き声(止むことのない音響)に、もしかしたら似ているのかもしれないなぁ、などと考えるには、やがて耳鳴りのほうが、すでにセミの鳴き声なんかちっとも聞こえなくなっている(場所も時間もあきらかにハズれている)のに、耳鳴りだけは妙にハッキリ意識されるようになってしまって(すこしつかれているのかもしれない、体調の精神状態のバロメータみたいなものでもあって、すこしブレーキをかけてアクセルを緩めよう、そのように意識して意識している)、もっとも、ぼくにとっての耳鳴りは長く長く付き合っていくつもりでいるものだから(とくに医学的な科学的な治療みたいなもので人為的?!に強制的に音響を止めてしまうつもりは考えは、ない)、むしろ耳鳴りが聞こえなくなったときのほうがシンパイしなくちゃいけない(聴力を失う?!)ような考えもあるのであって、そうそう、どうやらぼくの会社の社長も、社長のビジネスパートナーもそれぞれ耳鳴りしているみたいでね(そんな会話が交わされていたような)、まぁ、耳が聞こえていないわけでは聞こえなくなっちゃっているわけではなくって、フツーに聞こえているんだけれども、さらに余計な音まで過剰に聞こえている、ある意味では聞こえすぎているだけで、たとえばマイクがハウリングするみたいなかんじかしら


文法、敬語、国体論そして連歌…… 国語学と国学を貫く“畢生の目的”とは?

国学者としての山田は、戦前における国粋主義的言説に強く現れたが、それらの言説は敗戦とともに顧みられなくなった。そうすると、後世の評価においては、国語学者の山田は語れるが、国学者の山田は語れないという傾きになる。本書は、このことを疑う。そして、山田が始めから国学者を志したこと、国学者であろうとしたからこそ国語学者山田があり得たのであって、逆ではなく、そのいみでは国語学者山田は国学者山田の一部と見なければならない。 ――本書より


≪目次: ≫
凡例
はじめに
第一章 国学と国語学――畢生の目的    二つの出発/「南海浮浪」/「国の文献学」から「国学」へ――文法学に見出されたもの/旧派 対 新派/山田は本居宣長をどう読んだか
第ニ章 文法という思想――喚体・述体とは何だったか    「山田文法」というトピック/思考の鋳型としての言語/山田における語論と句論/句論の展開――述体句と喚体句/〈はたらき〉と〈かたち〉の齟齬/「か」と陳述の力/二つのモダニティーと山田文法――王公と家臣の地位をめぐって
第三章 敬語の「法則」は発見されたか――敬語論と「人称説」    震災と『敬語法の研究』/敬語論における語論と句論――「法則」であるために必要なこと/発見された「法則」/敬語の二分法――消された「丁寧」/「法則」は発見されたか/法則的対応の夢
第四章 「敬語」の語り方――山田が遺したもの    敬語を語り出すこと/負の日本語/見出され放擲されたもの/「推譲」と「親愛」/「自敬敬語」という論点/軍人勅諭と「親愛(したしみ)」/「親愛の敬語」はあるか?/言語の普遍と日本語の特殊のはざま
第五章 国体と桜――最後の連歌師と“動かぬもの”    「万世一系」とは何か?/歌の共同体/連歌、そして言葉の「本意」/『櫻史』/日本精神と本居宣長/国史編修院長と公職追放/本意の辞典、中今の句集
おわりに


引用文献

附録
 山田孝雄 年譜 (1875・明治8年〜1958・昭和33年)
 読書案内
 『山田孝雄博士著作年譜』

あとがき


山田孝雄 (やまだ・よしお) 1875年、富山に生まれる。尋常中学1年修学ののち、独学で教員免許を取得。富山県内の小学校教員を経て、奈良県、高知県などで中学教諭。1906年に上京、08年に『日本文法論』を上梓。以後、国語学・国文学・国史学に加え、国学全般にわたる膨大な著作をのこす。1915年に結婚、忠雄(国語学)、英雄(日本史学)・俊雄(国語学)・みづえ(詩人)ら9人の子をもうける。日本大学を経て、1925年東北帝国大学に赴任。27年、同教授。1933年に退官後は神宮皇学館大学学長などを歴任。1945年8月国史編修院長に就任するも、11月に依願免官。翌年、公職追放されるが、1951年追放解放後、文化功労者、文化勲章受賞、富山市名誉市民。1958年仙台にて没。享年83。


≪著者: ≫ 滝浦真人 (たきうら・まさと) 1962年、岩手県生まれ。東京大学文学部卒業。同大学院人文科学研究科博士課程中退。麗澤大学外国語学部・大学院言語教育研究科教授。専攻は言語学・コミュニケーション論。対人関係の言語学として、敬語やポライトネスを主に研究。ほかに、ことば遊び、オノマトペ(擬音語・擬態語)、失語症に関する研究もある。著書に『日本の敬語論』(大修館書店)、『ポライトネス入門』(研究社)など。


嘉戸一将 『北一輝――国家と進化』(再発見 日本の哲学、講談社、2009年) '11/07/23
吉田真樹 『平田篤胤――霊魂のゆくえ』(再発見 日本の哲学、講談社、2009年) '11/07/17
宮川敬之 『和辻哲郎――人格から間柄へ』(再発見 日本の哲学、講談社、2008年) '11/06/23
木村純二 『折口信夫――いきどほる心』(再発見 日本の哲学、講談社、2008年) '11/06/13
佐藤正英 『小林秀雄――近代日本の発見』(再発見 日本の哲学、講談社、2008年) '11/06/02
荒谷大輔 『西田幾多郎――歴史の論理学』(再発見 日本の哲学、講談社、2008年) '11/05/27
野矢茂樹 『大森荘蔵――哲学の見本』(再発見 日本の哲学、講談社、2007年) '11/05/19
藤村安芸子 『石原莞爾――愛と最終戦争』(再発見 日本の哲学、講談社、2007年) '11/05/12
栗原剛 『佐藤一斎――克己の思想』(再発見 日本の哲学、講談社、2007年) '11/04/29
小林敏明 『廣松渉――近代の超克』(再発見 日本の哲学、講談社、2007年) '11/04/21
熊野純彦 『埴谷雄高――夢みるカント』(再発見 日本の哲学、講談社、2010年) '11/04/15
シリーズ「再発見 日本の哲学」、菅野覚明熊野純彦 責任編集、日本の近代思想を読みなおす!


杉浦克己 『日本語学 母語のすがたと歴史 '09』(放送大学教材、放送大学教育振興会、2009年) '10/07/26





人気ブログランキングへ


本「日中韓はひとつになれない (角川oneテーマ21 A-91)」小倉紀蔵5

ブログネタ
読んだ本♪ に参加中!
日中韓はひとつになれない (角川oneテーマ21)
日中韓はひとつになれない (角川oneテーマ21 A-91)

○著者: 小倉紀蔵
○出版: 角川グループパブリッシング (2008/12, 新書 197ページ)
○価格: 740円
○ISBN: 978-4047101722
クチコミを見る



半島(韓国、朝鮮)を、大陸(中国)と列島(日本)との関係を、古代以来綿々と継がれてきたような一筋縄ではゆかないような関係を、それを単独できりはなして考えることはできないだろう。そもそも「国民国家」(近代以降の西洋的な?!)といったような枠組み(システム?!)自体が、すでに、なかなかそれだけでは応対しきれない矛盾をはらんで解決することが応対することに、どうなんだろう、限界があるのかもしれない、グローバリゼーション??!、列島(日本)は、大陸(中国)に陸つづきではないことから、よくもわるくも距離をおいて対応することが可能になるんだろうけれども、陸つづきの半島にあっては、その緊張感というのか距離感を考えるには、近い遠いの距離的な親近が同異が



日本とアジア諸国をへだてる大きな溝とは?
▼不確定要素の塊“中国” ▼“韓流ファン”とは何だったのか ▼東アジアを通る“性善説ライン”とは ▼知識人の姿勢の根本的な誤り ▼歴史認識問題をどう考えるか ▼日本の政権と東アジア外交


≪目次: ≫
はじめに 本書で語りたいこと    理解しあえない東アジア/性善説が東アジアを破壊する/中国……鍋の蓋が危ない/韓国……上も下も性善説の危険/日本……「メタ」から「ベタ」へ/「韓流(かんりゅ)ファン」という名の「幻想と誤解の主体」/「東アジア共同体」の危険性/「未来志向」という誤解/「東アジア共同体」ではなく「東アジア共異体」を
第一章 東アジア化する日本    1 この十年は何だったのか? (「日本的な」日本の時代/時代遅れの森内閣/アンチ戦後日本的な首相/東アジア的な首相/新しいアジア)/2 東アジア化する日本 (小泉政権の性格/「韓国に学べ(ルックコリア)」/日本の東アジア化とは?)
第二章 中国・・・・・・鍋の蓋が危ない    1 性善説がわからない日本人 (カビくさい「性善説」/東アジアへの無知と誤解/知識人の姿勢の根本的な誤り)/2 性善説はダイナミックな思想 (思想的ダイナマイトとしての性善説/性善説とは何か)/3 東アジアの性善説ライン (「性善説エリア」とは/性善説と性悪説)/4 中国における「性善鍋」の構造 (性善説・性悪説の発祥の地として/政権と国民の相克/ほころびの兆候/鍋の蓋が噴き飛ばされるとき/日本との違い)
第三章 韓国・・・・・・上も下も性善説の危険    1 李明博大統領の時代 (韓国とは……/時代は変わった)/2 韓国はどこに向かっているのか (韓国社会を読み解くためのヒント/餃子と牛肉/携帯とネットの意味/これは民主主義なのか?/これはマルチチュードなのか?/儒教との関係/韓国に何を学ぶ?)/3 「性善説国家」の危うさ (上も下も性善説の国家=韓国/韓国の周囲の状況/北朝鮮/南北の関係)/4 日韓関係は善意の競争へ (未来志向の競争関係/互いに学びあう関係へ)
第四章 日本・・・・・・「メタ」から「ベタ」へ    1 安倍政権と東アジア (東アジアを意識する日本/安倍政権の隠された性格/安倍政権と盧武鉉政権の共通点/東アジアの一員へ/「韓国化」する日本)/2 価値のずれ (民主主義の転換/「価値」の二重性)/3 「ベタくさい人間」と「メタくさい人間」 (メタからベタへ/ベタからメタへ)
第五章 「韓流ファン」と日本の変化    1 ペ・ヨンジュン人気の意味 (知的な真摯さ/特別なペ・ヨンジュン/聖別されるペ・ヨンジュン/プレモダン、モダン、ポストモダン/「韓国」という記号)/2 小泉元首相との連関性 (ペ・ヨンジュンと小泉純一郎)/3 韓流ファンの誤解 (久しぶりの「断固」/もういちど整理すると……/多様な韓流ファン/成長する韓流ファン/韓流ファンは自信を持つべき)/4 歴史認識問題をどう考えるか (小泉首相の韓国観/竹島問題について/歴史教科書問題について/おかしな図式)/5 これからの韓流は (もっともっと成長しなくてはならない/在日のこと/これからは韓流への批判も)
第六章 「東アジア共異体」へ    1 東アジアをなぜつくるのか? (東アジアはつくれるか?/中国と東アジア)/2 誰が東アジアを構築するのか (「誰が」という問いの意味/切羽詰った問い/新しい人間観を持った人が東アジアを構築すべき/「右」も「左」も古い人間観の持ち主/東アジアへの敬意はあるか/倫理性の問題)/3 「東アジア共同体」ではなく「東アジア共異体」を (「共同体」から離れる/「共同体」ではなく「共異体」)/4 「未来志向」という誤解の種 (未来志向というあいまいさ/未来志向的な「未来志向」を)/5 「東アジア共異体」の中心は韓国 (韓国が中心となるべき理由/日本や中国が中心であることの危険性/歴史的文脈から/韓国は自国の相対化をすべき)/6 「ずれ」から「創造」へ (摩擦と議論/東アジア市民とは誰か/どのような人間観が必要なのか?)
終わりに (二〇〇八年十一月十日 小倉紀蔵)


≪著者: ≫ 小倉紀蔵 Kizo Ogura 1959年、東京生まれ。東京大学ドイツ文学科卒業。電通勤務の後、韓国に留学。ソウル大学哲学科大学院博士課程単位取得。東海大学助教授を経て、京都大学大学院准教授。専門は韓国哲学。NHKテレビ・ラジオ「ハングル講座」講師、外務省「日韓友情年2005」実行委員をつとめる。著書に『韓国は一個の哲学である』(講談社現代新書)、『韓国語 はじめの一歩』(ちくま新書)、『心で知る、韓国』(岩波書店)など多数。

小倉紀蔵 『韓国は一個の哲学である 〈理〉と〈気〉の社会システム』(講談社学術文庫、2011年) '11/06/22





人気ブログランキングへ



本「平安京遷都 (シリーズ日本古代史5、岩波新書1275)」川尻秋生5

ブログネタ
読んだ本♪ に参加中!
平安京遷都〈シリーズ 日本古代史 5〉 (岩波新書)
平安京遷都 (シリーズ日本古代史5、岩波新書1275)

○著者: 川尻秋生
○出版: 岩波書店 (2011/6, 新書 256ページ)
○価格: 840円
○ISBN: 978-4004312758
クチコミを見る



さて、試験もようやく折り返しをすぎて、7科目中の4科目を終えて、まだまだ気を抜けない状況で、暗記しなくちゃいけない、せめてポイント(試験に出題されて問われるであろうと思しきことがら?!)だけでも頭に叩き込んで刻み込んで、なにがなんでも、なにがどうあろうとも、なにをどうしたって、クリア(合格)したい!、とつよく思うのは、じつは、今回の試験のイッパツメでコケタ(たぶん不合格だ再試験だろう)、苦い経験(あぁクヤシイ)から、油断や慢心があったのかもしれない(マチガイナクソウダロウ)、もっとも、アタリマエのようにときどき失敗しながら痛い(辛く苦しい)おもいを経て乗り越えて、といったようなものなのかどうなのか


権力争いの結果、予期せず皇位について桓武は、皇統の革新を強調すべく二度の遷都を行った。以後長らく日本の都として栄えることとなった平安京。その黎明期、いかなる文化が形成されたのか。天皇を中心とした統治システムの変遷や、最澄空海による密教の興隆、また地方社会の変化にも目配りしつつ、武士誕生の時代までを描く。


≪目次: ≫
はじめに――平安時代を脱ぎ、着る明治天皇
 地図「古代都城位置図」

第一章 桓武天皇とその時代
1 長岡京への遷都
    新王朝の成立の背景/「王朝交替」の演出/なぜ、長岡だったのか/遷都の実際/掘り出された長岡京/藤原種継の暗殺
2 平安京の成立    長岡京廃都/遷都計画のはじまり/平安京遷都/平安宮の構造/平安京の特徴/桓武天皇の変革/地方支配の強化
3 北へ向かう坂上田村麻呂    三十八年戦争/桓武天皇の征夷/坂上田村麻呂の登場/徳政相論/東アジアの情勢/桓武の最期

第二章 唐風化への道
1 皇位継承をめぐる確執
  伊予親王の謀反/薬子の変嵯峨淳和の確執/桓貞親王の悲劇
2 「唐風」の礼式へ    跪伏礼から立礼へ/天皇の服装の変化/格式の編纂/天皇を縛る法
3 最澄空海    山林修行と神仏習合/苦悩する神/最澄と天台教学/空海の生い立ち/唐での修行/奥義の伝授/最澄と空海の関係/その後の二人
4 対外関係の変化    平安時代の遣唐使/新羅との関係悪化/「神国日本」の成立/日本の「鎖国」化/渤海との交流/入唐僧の活躍

第三章 「幼帝」の誕生と摂政関白の出現
1 九歳の天皇「清和
    惟仁親王と惟喬親王応天門の変/天皇の機関化/幼帝と天皇制/藤原良房摂政/関白の出現
2 政治としての宮中儀式    大極殿から内裏へ/新しい政務の出現/陣定の出現
3 大地動乱と社会不安    地震と洪水/大地震と光孝天皇の死/火山の爆発/疫病と社会

第四章 成熟する平安王朝
1 宇多醍醐の時代
    仁明への回帰/藤原氏との対決/近臣の躍進/蔵人制の変化/醍醐天皇の即位/菅原道真の左遷/延喜の改革
2 漢詩から和歌へ    文書経国思想/平仮名の誕生と和歌/『古今和歌集』編纂の意義/道真の感慨
3 天暦の治の実像    醍醐の死と藤原忠平政権/天暦の治の実像/安和の変/イエの成立/家職の成立
4 消える官衙と受領の成立    官衙の消長/受領の成立/郡司の変質/院宮王臣家の進出

第五章 の滅亡と内乱の時代
1 東アジアの激動
    遣唐使の停止/唐の滅亡と新しい国々/外交の実態/「唐物」の流行
2 知られざる地・東北の動乱    エミシとの交易/元慶の乱/謎の多い東北
3 将門・純友の乱    国司の土着/平将門の乱/国家への謀叛/謀叛の結末/藤原純友の乱/純友包囲網
4 武士の誕生へ    将門の乱の影響/武士の誕生/武士の実像

第六章 都鄙の人々
1 人々のくらし
    貴族の家/ケガレ観念の広がり/シダラ神の入京/農村の生活/文字の持つ力/庶民の信仰
2 地域社会と都    荘園と牧/国司の下向/物資の交易
3 変わりゆく支配体制    人から土地へ/田堵の出現/新しい税制の出現/都市と地域の流通

おわりに――起源としての一〇世紀 (二〇一一年五月 川尻秋生)


図版出典一覧
参考文献
略年表 (770・宝亀元年〜988・永延2年)
索引


≪著者: ≫ 川尻秋生 (かわじり・あきお) 1961年千葉県生まれ。1986年早稲田大学大学院文学研究科修士課程史学(日本史)専攻修了。千葉県立中央博物館上席研究員を経て、早稲田大学文学学術院教授、博士(文学)。専攻、日本古代史。著書、『古代東国史の基礎的研究』(塙書房)、『日本古代の格と資財帳』 (吉川弘文館)、『戦争の日本史4 平将門の乱』(吉川弘文館)、『全集日本の歴史4 揺れ動く貴族社会』(小学館)、『歴史と古典 将門記を読む』(編著、吉川弘文館)。


坂上康俊 『平城京の時代』(シリーズ日本古代史4、岩波新書、2011年) '11/07/24
吉川真司 『飛鳥の都』(シリーズ日本古代史3、岩波新書、2011年) '11/07/22
吉村武彦 『ヤマト王権』(シリーズ日本古代史2、岩波新書、2010年) '11/07/19
石川日出志 『農耕社会の成立』(シリーズ日本古代史1、岩波新書、2010年) '11/07/15

木簡学会編 『木簡から古代がみえる』(岩波新書、2010年) '11/05/18





人気ブログランキングへ


本「イブン=ハルドゥーン (講談社学術文庫2053)」森本公誠5

ブログネタ
読んだ本♪ に参加中!
イブン=ハルドゥーン (講談社学術文庫)
イブン=ハルドゥーン (講談社学術文庫2053)

○著者: 森本公誠
○出版: 講談社 (2011/6, 文庫 480ページ)
○価格: 1,418円
○ISBN: 978-4062920537
クチコミを見る




なんなんだろうね、この不快?!な暑さ(スッキリからりと晴れることがないような不穏?!な気象状況)は、もっとも、夏だから暑いのは当然のことで(夏に夏なのに涼しいことのほうがイレギュラーだろう異常なことだろうから)シカタガナイとは覚悟を決めて、だから汗なんかは流れ出るままに(あまり水分をとりすぎないようにしていてもなお、ゆえに)放置して、あえて気にしないように意識して心掛けて(ムッチャ意識してるやん)



十四世紀のチュニスに生まれ、政治家として栄達と失脚を繰り返すなかで独自の「文明の学問」を拓いたイブン=ハルドゥーン。文明と王権はいかにして崩壊するのか、都会と田舎の格差はなぜ広がるのか、歴史の動因となる「連帯意識(アサビーヤ)」とは――。イスラーム世界にとどまらない普遍性と警句に満ちた主著『歴史序説』の抄訳と、波瀾の生涯。


≪目次: ≫
まえがき (一九八〇年四月八日 森本公誠)

I イブン=ハルドゥーンの思想
1 日本におけるイブン=ハルドゥーン    日本人にとってなじみの薄い思想家/外国でのイブン=ハルドゥーンの評価/未開拓の日本におけるイブン=ハルドゥーン研究
イスラームにおける社会思想の系譜    イブン=ハルドゥーンの思想の中核は社会思想に/イスラームにおける三つの社会思想の流れ/法学者におけるイスラーム法シャリーアの成文化運動/ファラースィファと総称される哲学者の運動/帝王学派の存在/三つの流れの批判・総合のうえに立つイブン=ハルドゥーンの思想
3 人間社会の分析    『歴史序説』執筆の目的は社会の解明にある/社会一般についての前提的説明/「田舎」と「都会」の二つの範疇からなる人間社会/両者を分かつ生計の求め方の相違/社会集団の絆としての連帯意識
4 歴史の哲学    従来の歴史学の陥穽/歴史の動因としての連帯意識
5 国家理論    国家に関する一般理論/政治の基本原理としての王権論=支配権力論
6 経済理論    富の源泉は協業によって生じる余剰労働力にある/商品の価格論
7 学問論と教育論    「文明学」としての学問/思考における三段階/学問の二大範疇

II イブン=ハルドゥーンの生涯
はじめに(波乱万丈の生涯/詳しい自叙伝の存在)
1 イブン=ハルドゥーンの生誕と時代的背景
 一 歴史的な背景 (十四世紀のイスラーム世界/エジプトを支配したマムルーク朝/空前の活況を呈するカイロ/北アフリカのイスラーム化/ベルベル人の二王朝/十三・十四世紀の北アフリカ/スペインのナスル朝
 二 ハルドゥーン家 (イブン=ハルドゥーンの祖先/北アフリカに亡命したハルドゥーン家)
2 政治への志向
 一 青年期と学業 (激変の時代に青年期をおくる/師たる哲学者アービリーとの出会い/多くの異変を経験)
 二 政治世界への旅立ち (初めて官職の国璽書記官になる/スルタンの側近と接触する機会をえる/二人の要人に会う)
 三 投獄――最初の陰謀の失敗 (アブー=アブドッラーとの密議/陰謀の発覚によって逮捕される)
 四 陰謀の成功 (権力争奪のドラマに参加/国璽尚書に任命される)
 五 失意の旅――グラナダへ (政治への夢破れる/単身、スペインのグラナダへ)
 六 残忍王ペドロへの修好使節 (ムハンマド五世の篤い信頼をえる/ペドロへの修好使節を果たす)
 七 ムハンマド五世の教育と破綻 (ムハンマド五世に帝王学を授ける/宰相イブン=アルハティーブとの友情に亀裂が/アブー=アブドッラーの招請にグラナダを去る/宰相イブン=アルハティーブの悲劇)
 八 栄達の果てに (イブン=ハルドゥーンが赴任するベジャーヤの国情/ベジャーヤの執権職につく)
3 思索と著述の時代
 一 煩悶とそれからの脱却 (政治生活での挫折/悶々とした日々/政治への野心を絶ち、学問の世界へ)
 二 強いられた政治生活 (再び政争の渦中に/スルタン−アブドルアズィーズの命ずるままに)
 三 放浪の旅 (家族ともどもビスクラの町を去る/安住の地を見出しえず/フェスから家族を呼び寄せる)
 四 隠棲と著述 (念願の隠棲がかなう/西方イスラーム世界の歴史の執筆を企図/新しい歴史観の構想を迫られる/大著『歴史序説』を完成)
 五 故郷に帰る (望郷の念に駆られる/二十六年ぶりに故郷に帰る/法学者イブン=アラファと対立/再び北アフリカに帰らず)
4 第二の人生
 一 カイロに着いて (壮麗・殷賑な世界の都、カイロ/宗教と学問の殿堂アズハルで講義を請われる/スルタンバルクークの厚い保護のもとに/正式の公職、カムヒーヤ学院教授に任命される)
 二 マーリク派大法官になる (マーリク派大法官に就任/宿年の悪弊を絶ち、公正な裁判をめざす/イブン=ハルドゥーンに対する周囲の反発と攻撃)
 三 メッカ巡礼と内乱騒ぎ (長年の希望であったメッカ巡礼の旅へ/スルガトミシュ学院の伝承学教授に/ヤルブガーの反乱とバルクークの復位)
 四 バルクークの怒り――公職追放 (スルタンを激怒させたバルクークへの宣戦布告書への署名/バイバスル修道院長を罷免される/バルクークの怒りようやく解ける)
 五 ティムールの出現 (バルクークの病死により、長子ファラジュがスルタンを継ぐ/モンゴルのティムールの武力進出)
 六 ティムールとの会見 (ティムール軍を迎え撃つスルタン−ファラジュ/スルタンの逃亡とティムール軍の和平/ティムールとの会見に胸高鳴る)
 七 ダマスカス陥落 (ティムール軍によるダマスカス制圧/ティムールの厚い庇護下に)
 八 イブン=ハルドゥーンの最期 (ティムールの許可をえてカイロへ帰る/卒然として波瀾にみちた生涯をとじる)

III イブン=ハルドゥーンの著作――『歴史序説
 〔凡例〕
 著作概観
 『歴史序説』の構成
歴史序説
 〔まえがき〕
 序論 歴史学の真価、その考え方の評価、歴史家が犯す各種の誤りの指摘、その誤りの起こる理由
第一部 人間の文明の本質について。田舎や砂漠と都会、支配権の獲得、所得・生計・学問・技術など、文明に現われるあらゆる現象、その理由と原因
 第一章 人類の文明についてその一般論と諸前提 (第一前提 社会的結合は人間にとって絶対に必要である/第二前提 地球上において文明の存在する部分と、そのなかにある海洋・河川および諸気候帯について/第三前提 温暖な気候帯と〔寒暑の〕厳しい気候帯。人間の皮膚の色など、人類の多くの状態に気候が与える影響/第四前提 気候が人間の性格に与える影響について/第五前提 食物の豊かさと不足に関連する文明状態の相違、その相違が人間の体格と性格に与える影響について/第六前提 超自然的知覚能力を先天的に、あるいは修行によってもつ各種の超能力者、それに先立つ霊感と夢についての議論)
 第二章 田舎や砂漠の文明、野蛮民族・諸部族およびこれらが示すさまざまな状態 その内部に横たわる定理と説明について (1 田舎や砂漠の民と都会の民とはともに自然な集団である/2 砂漠のアラブ族は生来まったく未開な種族である/3 田舎や砂漠の生活形態は都会に先行し、田舎や砂漠は文明の根源であり、都会はその副次物である/4 田舎や砂漠の人々は都会の人々よりもより善良である/5 田舎や砂漠の人々は都会の人々よりも勇敢である/6 都会の人々が公権威に対してもつ依頼心は、彼らの勇気や抵抗力を失わせる/7 砂漠のようなところに住むことができるのは、連帯意識という絆を持った人々としての部族のみである/8 連帯意識は血縁集団もしくはこれに類した集団のうちに見られる/9 純粋な血統は砂漠に住むアラブ族のような野蛮人にのみ存在する/10 血統の乱れはいかにして起こるか/11 指導権というものは、連帯意識を分かちあう人々のうちで、特定の中核になる集団によって絶えまなく引き継がれる/12 連帯意識を分かちあう人々に対する指導権は、出身系統を異にする人々には決して属さない/13 連帯意識をもちあっている人々にのみ、名実ともにそなわった真の意味での貴族名門が存在するのであって、一方連帯意識をもちあっていない人々には有名無実の空しい家しか存在しない/14 家臣や従臣が貴族や高貴に加わることができるのは、主人の恩顧を通じてであって、血統のためではない/15 一つの家系で名門を保てるのはせいぜい四世代である/16 野蛮な民族ほど支配権を獲得する可能性をもっている/17 連帯意識が到達しようとする目標は王権である/18 王権への発展段階中現われる障害は、奢侈への誘惑であり、部族民の富裕生活への耽溺である/19 部族が他者に対してもつ従順さや恭順性は、王権への道に横たわる障害となる/20 王権へ近づきうる徴候の一つは、称讃に値する資格か、あるいはその逆の資格にしろ、これを獲得しようとする熱意である/21 野蛮な民族ほどその王権を拡大することができる/22 王権というものは、たとえある一派から消えたとしても、その民族全体がなお連帯意識を温存しているならば、かならず同じ民族のうちの他の一派に移る/23 被征服民は物腰・服装・考え方などあらゆる風俗習慣について、征服民の様子を熱心に模倣しようとする/24 被征服民族や被支配民族は急速に消滅する/25 砂漠のアラブ族が征服を行なうことができるのは、平原地帯においてのみである/26 砂漠のアラブ族に蹂躙された場所は急速に滅亡する/27 概して砂漠のアラブ族は、預言とか聖者の教えとか、あるいは宗教的大事件とかのような宗教的感化力を用いることなくして王権を獲得することができない/28 アラブ族は民族のうちでも、王権によって統治するということにおよそ縁遠い民族である/29 部族とか連帯集団を問わず、田舎や砂漠の住民は平常都市の住民に支配される)
 第三章 王朝、王権、カリフ位、政府官職およびこれらに伴うあらゆる事項、その基本的提議と補足的提議 (1 一般に王権・王朝の建設は、勇気ある連帯意識をもつ集団によってのみ達成される/2 王朝はひとたび確立すれば、連帯意識がなくても存続できる/3 王家の成員は、場合によっては連帯意識なしでも王朝を建設できることがある/4 広範な宗主権や強力な王権をもつ王朝は、預言とか正しい宣教とかにもとづく宗教にその起源がある/5 王朝は、もしその初期において宗教的宣伝をも行えば、それは支持者の数に相応した連帯意識の団結力以上の力を人々に与えることができる/6 宗教的宣伝も連帯意識なしには成就できない/7 王朝はそれぞれ一定範囲の属州や領土を所有するが、それ以上広げることはできない/8 王朝の実力、その領域の広さ、その存続期間はその王朝の支持者の人数の多寡しだいである/9 多くの違った部族や連帯集団のいる地域では、王朝が確立されることはまれである/10 王権の所有者は本質上、栄誉を独占し、奢侈に没入し、平穏無事を好む/11 栄誉を独占し、奢侈と平穏を求める王朝の本質的傾向が目立ってきたとき、その王朝は老衰に近づく/12 王朝は個人と同じように自然の寿命をもつ/13 諸王朝における田舎や砂漠の生活から都会の生活への変容/14 奢侈も最初は王朝に力を付け加えることができる/15 王朝の諸段階について、発達段階が違えば、砂漠的気風のうえで人々にどのような状態の変化が起こるか/16 王朝の文化遺産はその王朝本来の力に比例する/17 支配者は、自分の一族や連帯意識を分けもった人々を斥け、家臣や従臣の助けを求める/18 王朝における家臣や従臣の状態について/19 支配者を傀儡とし、牛耳ることについて/20 支配者を牛耳って権力を手に入れた者は、決して王者としての特別な称号を付けようとはしない/21 王権の真義とその種類について/22 苛酷な支配は王権にとって有害であり、往々にして王権の崩壊を導く/23 カリフ位とイマーム位の意味/24 カリフ位の王権への変質/25 カリフの宗教的職掌/26 徴税と税収入の増減の理由/27 支配者の商業活動は人民に害があり、租税収入を破壊する/28 支配者によって与えられる手当の削減は、税収入の減少を示す/29 圧制は文明の崩壊をもたらす/30 王朝はなぜ崩壊するか/31 人間の文明は、その秩序を維持しうる政治なしには存在できない)
 第四章 市、町、村、およびこれらに類するあらゆる都会文明の形態、そこに生ずる諸事情ならびにその発展について (1 王朝があってこそ都市が存在する。都市は王権の副産物である/2 王朝は都市への定住をも促す/3 都市建設に要する条件とこれを無視した場合の結果について/4 イフリーキヤやマグリブには都市が少ない/5 都市崩壊の原則について/6 住民の富裕、市場の活況という点での都市の優劣は、その都市の文明の程度に相当する/7 都市における価格について/8 田舎や砂漠の人々は人口の多い都市に定住することはできない/9 貧富という経済状態に関して地方差が生じる原因は、都市の場合と同じである/10 不動産および私領地の〔所有権の〕都市集中と、これらの財産の収入と収益について/11 およそ文化は王朝の所在する都市に発生し、その王朝が持続安定すれば、その文化もまた確固として定着する/12 文化は文明発展の頂点、文明成長の終末を意味し、文明堕落の徴候を示す/13 ある種の技術は、特定の都市にしか存在しないという特殊性について/14 都市における連帯意識の存在と、一部の住民が他の者を支配することについて)
 第五章 生計とその手段としての所得や技術およびこれらに伴うあらゆる事項、その内部に横たわる諸問題について (1 糧〔としての賃金〕および所得の真意と説明、所得は人間の労働力が生み出した価値量である/2 生計を営むための手段とそのさまざまな方法について/3 奉公は生計として自然な方法ではない/4 農業は心の弱い人々や田舎の民のように貧困にあえいでいる人々の生計の道である/5 商業の定義、方法とその種類について/6 商人による商品の輸送について/7 退蔵について/8 物価の下落は商人に安売りを余儀なくさせ、損害を与える/9 商業を行う者と行わない者との種類について/10 技術は師を必要とする/11 技術は完全で極度に発達した都会文明が存在するときにのみ完成する/12 技術はこれに対する需要が多い場合にのみ洗練され、多様性を帯びるようになる)
 第六章 学問の種類、教育の方法、それらに関連するあらゆる事項、ならびに序言と附言 (序言/1 人間の思考力/2 学問や教育は人間の文明にとって自然なものである/3 学問の教育は技術の一つである/4 人口が多く都会の文明が栄えているところに学問も発達する)

IV 後世への影響
1 「孤独の思想家」か    絶賛するトインビー/果たして先駆者も後継者もいないのか
2 マムルーク朝の歴史家たち    直接教えをうけた一群の学者たち/最も深い影響を受けたマクリーズィー/部分的にしか認めないイブン=ハジャル/真の後継者は現われず
3 オスマン朝の歴史家たち    ウェイシ=エフェンディ/ハッジー=ハリーファ/ナイーマー/トルコ語訳生まれる
4 ヨーロッパにおけるイブン=ハルドゥーン研究    十七世紀に入って初めて紹介される/十九世紀初め、学会が注目しはじめる/その社会哲学を高く評価する一群の学者たち/多彩化した研究動向
5 現代におけるイブン=ハルドゥーン    ヨーロッパ列強の進出がアラブ世界に与えた衝撃/アラブにおけるイブン=ハルドゥーン再発見の機運/イブン=ハルドゥーンの思想的遺産/イブン=ハルドゥーン再評価への努力

イブン=ハルドゥーン関連年表 (西暦1332年〜1406年)
文献案内
学術文庫版のあとがき (二〇一一年三月三十一日 森本公誠)
解説/池内 恵(いけうち・さとし 東京大学先端科学技術研究センター准教授


※本書の原本『人類の知的遺産22 イブン=ハルドゥーン』は、1980年に小社より刊行されました。


≪著者: ≫ 森本公誠 (もりもと こうせい) 1934年生まれ。京都大学卒。文学博士。京都大学講師、東大寺別当・華厳宗管長を経て、東大寺長老・東大寺総合文化センター総長。おもな著書に『初期イスラム時代エジプト税制史の研究』『世界に開け華厳の花』『聖武天皇――責めはわれ一人にあり』ほか。訳書に、イブン=ハルドゥーン『歴史序説』(全4巻)。






人気ブログランキングへ


本「故郷の風景 もの神・たま神と三つの時空 (ちくまプリマー新書145)」佐藤正英5

ブログネタ
読んだ本♪ に参加中!
故郷の風景 もの神・たま神と三つの時空 (ちくまプリマー新書)
故郷の風景 もの神・たま神と三つの時空 (ちくまプリマー新書145)

○著者: 佐藤正英
○出版: 筑摩書房 (2010/9, 新書 158ページ)
○価格: 756円
○ISBN: 978-4480688460
クチコミを見る



ぼくは、ぼんやりしていたからかなぁ、こどものころの記憶みたいなものが、あまりハッキリしていないようなところがあってね、いまもかつてもきっとちっとも変わることなく、みずからの外側にたいする注意や関心やなんか以上に、よりおおきく内側のみずからのことであり至近な近親の近縁なところとの(近視眼的な?!)関係にばかり、それだけでイッパイイッパイみたいなかんじ、だったのかどうなのか、、、ぼくにとっては、1970年代後半から80年代の


日本人なら誰もが、懐かしく、心地よく感じる原風景。そこには、自然や神仏と接する、三つの時間と空間がある。失われた近代日本の土俗の風物と暮らしを、美しい文章でたどり返し、体感する。


≪目次: ≫
はじめに
春の章
夏の章
秋の章
冬の章

あとがき


≪著者: ≫ 佐藤正英 (さとう・まさひで) 1936年長野県生まれ。東京大学文学部倫理学科卒業。同大学院博士課程満期退学。東京大学文学部教授、共立女子大学文芸学部教授を経て、東京大学名誉教授。専門は、倫理学、日本倫理思想史。主な著書に『日本倫理思想史』(東京大学出版会)、『歎異抄論釈』(青土社)、『小林秀雄――近代日本の発見』(講談社)、『親鸞入門』(ちくま新書)、『隠遁の思想』『五輪書』(ちくま学芸文庫)、『聖徳太子の仏法』(講談社現代新書)、編著に『世界宗教事典』(青土社)他多数。

佐藤正英 『古事記神話を読む 〈神の女〉〈神の子〉の物語』(青土社、2011年) '11/06/21
佐藤正英 『小林秀雄――近代日本の発見』(再発見 日本の哲学、講談社、2008年) '11/06/02





人気ブログランキングへ



本「なぜヒトは旅をするのか 人類だけにそなわった冒険心 (DOJIN選書037)」榎本知郎5

ブログネタ
読んだ本♪ に参加中!
なぜヒトは旅をするのか―人類だけにそなわった冒険心 (DOJIN選書)
なぜヒトは旅をするのか 人類だけにそなわった冒険心 (DOJIN選書037)

○著者: 榎本知郎
○出版: 化学同人 (2011/1, 単行本 208ページ)
○価格: 1,575円
○ISBN: 978-4759813371
クチコミを見る



そう、許容、許して容れる?!、、、ゴメンネ、イイヨ、アソボ、アソボ、、、
冷静に考えるには(冷静に考えるまでもなく)、別にどうってことはこともない、いちいち目くじらたてて言い咎めることも怒りをあらわにすることも、そもそもコトをあらだてることに平安を場の空気みたいなものを乱すことに、バッカジャナイノ


ヒトはなぜ旅ができるのか。渡りをする鳥や所属集団を替える霊長類は存在する。しかしそれは、各個体の生活圏での行動である。ヒトは、自らが所属する集団の生活圏を離れ、見ず知らずの集団の生活圏に入り、ふたたび自らの生活圏に戻る「旅」ができる。このような行動はなぜ可能になったのか。本書では、旅が可能になる、見知らぬ他者でも中立的で対等にコミュニケーションできる性質を「許容」と呼び、これがどのように進化したか、ヒトと近縁のサル類との比較から浮き彫りにする。


≪目次: ≫
まえがき
第1章 旅する人たち    1 民族大移動(フローレス島/グレート・ジャーニー)/2 お輿入れ(古代エジプトのお輿入れ/政略結婚)/3 仏教僧の旅(インドをめざした法顕/フンザからタキシラへ/ひとりっきりの帰路/国禁を破った玄奘のインド行/ウズベキスタンをめぐってインドへ/玄奘、中国へ帰る)/4 好奇心にかられた人の旅(イブン・バットゥータの大旅行/江戸時代の旅/マルコ・ポーロは中国へ行ったか)/5 旅のかたち
第2章 なぜ動物は移動するのか    1 移動の目的(越冬のための渡り/ライフサイクルで生活の場を変える回遊/生活圏を確保するナワバリ/集団移動――ジャーニー)/2 属する集団を替えるサル類の移籍(群れを乗っ取るハヌマンラングールの移籍/序列が明確なニホンザルの群れ/雌が移籍するチンパンジー/群れる理由の違い)/3 移動様式
第3章 旅とはなにか    1 誤解された進化論(原始人=野蛮人?/社会進化思想/ヒトは同じ能力をもつ)/コラムI 遺伝子のバラツキが小さいヒト――ボトルネック効果とファウンダー効果/2 文明以前、ヒトはどんな社会をつくったか(小笠原諸島へも移動したヒト/縄文時代の集落/黒曜石の移動からわかる人びとの交流/西アジアから中国へもたらされた彩色土器/アメリカ先住民への迫害)/3 旅人への便宜供与(「旅」の辞書的な意味/旅が可能になる条件/ルソーが受けた便宜/コンゴの旅事情/エスキモーの“妻貸し”/便宜供与の損得勘定/旅先でのトラブルは例外的)/コラムII 適応度と包括適応度/4 なぜヒトは旅ができるのか(“うちの集団”/“よその集団”/金銭に勝る情報の価値/旅とはなにか)
第4章 “よその人”との対等な関係    1 不平等の誕生(人間の平等と不平等/ルソーが考えた“不平等”)/2 分配と平等主義(アカ・ピグミーの平等主義/平等主義の進化/トゥルカナ族の互酬性/互酬的利他行動/平等原則/旅人との関係は対等)
第5章 許容が生まれるコミュニケーション    1 メタコミュニケーションのかたち(「あいさつ」/「ほほえみ」/「おじぎ」)/2 コミュニケーションはなぜ可能か(コミュニケーション・システム/コミュニケーション・ネットワーク/コミュニケーションのチャンネル/人と人との関係性)/コラムIII シンボルによる情報伝達/3 許容関係を支える言語とトレード(許容関係をなかだちする信号/言語の役割 /トレードの基盤)
第6章 許容はいかに進化したか    1 雌に選ばれる雄(派手な雄/例外的な雌のセックスアピール/地味な雌/強い雄を選ぶ雌の戦略)/コラムIV 自然淘汰と性淘汰/2 ヒトではなぜ女性が着飾るのか(ペア結合仮説/生殖管淘汰/家族であることのメリット/愛の役割/セックスアピールの進化)/3 許容の誕生(“われわれ”を越えたコミュニケーション/分節構造はいつ生まれたか/許容を生んだ要因)/4 許容がもたらす利得(類人猿にとっての言語/許容の進化)
第7章 ヒトはなぜ旅をするのか    1 許容はヒトに固有の特徴(許容が旅を可能にした/許容はヒトにとって普遍的/ダライ・ラマの許容/遭難者を助けるこころ)/2 許容が拓く共存への道(文明がもたらした適応度の低下/アステカ王国の滅亡/パレスチナの共存/十字軍の侵攻/イスラエルが築いた壁/敵と味方の危うさ)/3 ヒト 旅をするサル(旅への原動力/なぜヒトは旅が好きなのか)

参考文献
あとがき (二〇一〇年八月一二日 チベット ラサにて  榎本 知郎)


≪著者: ≫ 榎本知郎 (えのもと ともお) 1947年、鳥取県生まれ。74年、京都大学理学部卒業。理学博士。前 東海大学医学部准教授。専門は霊長類学。長年ニホンザルとピグミーチンパンジーの行動研究に従事してきた。著書に、『性器の進化論』(化学同人)、『ヒト 家をつくるサル』(京都大学学術出版会)、『人間の性はどこから来たのか』(平凡社)、『愛の進化』(どうぶつ社)など多数ある。

榎本知郎 『人間の性はどこから来たのか』(平凡社・自然叢書、1994年) '10/03/19
榎本知郎 『ボノボ 謎の類人猿に性と愛の進化を探る』(丸善ブックス、1997年) '10/03/13
榎本知郎 『ヒト 家をつくるサル』(学術選書、京都大学学術出版会、2006年) '10/03/05
榎本知郎 『性器の進化論 生殖器が語る愛のかたち』(DOJIN選書、化学同人、2010年) '10/02/28





人気ブログランキングへ



本「平城京の時代 (シリーズ日本古代史4、岩波新書1274)」坂上康俊5

ブログネタ
読んだ本♪ に参加中!
平城京の時代〈シリーズ 日本古代史 4〉 (岩波新書)
平城京の時代 (シリーズ日本古代史4、岩波新書1274)

○著者: 坂上康俊
○出版: 岩波書店 (2011/5, 新書 272ページ)
○価格: 861円
○ISBN: 978-4004312741
クチコミを見る



酒をあおってごまかして逃げて逃避している場合じゃないよ、現実はキビシイね、アタリマエのように思い通りにウマくなんかはゆかない、カッコ悪くって情けなくって(だぁれも見ちゃあいない気になんかしちゃあいないんだろうけれどもミナジブンノコトダケデセイイッパイ)、あぁ、穴があったら這入りたい?!(這入ってしまえ消えて失せてしまえバカタレ)


八世紀の日本は、国家のすみずみにまで統治を及ぼす大宝律令の施行で幕を開けた。つづく平城遷都、の編纂など、を手本にした体制が整えられ、奈良の都に天平文化が花開く。ところがそこに襲う疫病の流行、皇位継承をめぐる争い……。揺れ動く時代を人々はどう生きたのか。天皇・貴族や人民の動向を、豊富な資料を駆使して描く。


≪目次: ≫
はじめに――平城京の時代はどう見られていたか

第一章 律令国家の成立
1 文武天皇の即位    『続日本紀』の始まりから/同時代史料としての宣命/即位宣命の論理/太上天皇という地位
2 大宝律令の施行    「文物の儀、ここに備はれり」/大宝律令の施行/唐律の継受/唐令の継受/律令と律令国家/知太政官事の設置/慶雲の改革養老律令の性格
3 「外」との交わり――「蕃国」と「夷人雑類」    七世紀の東アジア/日本国使の登場/中国から見た位置づけ/遣唐使とは何か/普遍法と帝国法/新羅との交渉/対隼人政策の展開/対蝦夷政策の展開/隼人・蝦夷の位置づけ

第二章 国家と社会の仕組み
1 軍国体制の基盤    日本と唐の国勢/戸と家族/里と集落/人の動員と戸・里/軍団兵士制の特質/東国と防人・鎮兵
2 租調庸の本質とは    班田収受の目的と仕組み/条里制/田籍と田図/初穂公出挙制の始まり/ミツギモノと力役/国家財政の運営
3 郡司という立場    里長の位置づけ/国司郡司/郡司になる者/国府郡家
4 京と五畿七道――政治の区画    五畿七道/京と京戸/畿内制/官僚制の仕組み

第三章 平城遷都
1 中継ぎ女帝の即位    八世紀の時期区分/女帝の時代/不改常典
2 平城京平城宮    藤原京と平城京/和同開珎の発行/銭貨流通策/平城京の平面プラン/朝堂内裏
3 歴史書の編纂    『古事記』/『日本書紀』/藤原不比等藤原氏の勢力基盤/皇親の待遇
4 聖武即位    元正女帝大嘗祭郷里制の施行/辺境経営の進捗/対新羅関係の安定/順風満帆の青年君主/渤海の登場
5 皇位継承の難題    皇太夫人藤原宮子/後継者問題/私兵の系譜/長屋親王宮/長屋王の変官稲混合

第四章 聖武天皇仏教
1 疫病大流行    悲劇の遣新羅使/疫病の猛威/真備/軍縮の時代へ/小さな政府/藤原広嗣の乱/聖武天皇の彷徨
2 鎮護国家を求めて    律令国家と仏教/写経事業の展開/国分寺・国分尼寺の建立/盧舎那仏の造立/鑑真招請/女性皇太子安陪/東大寺の起源/大僧正行基/陸奥産金/大仏開眼供養
3 荘園と「富豪の輩    造寺・造仏と国家財政/北陸の東大寺領荘園/公廨稲の設定/墾田永年私財法/開発の明暗/村落の風景/郡司の権威失墜/富豪の輩の発生

第五章 古代社会の黄昏
1 天武皇統の落日    光明皇太后藤原仲麻呂紫微中台大炊王の立太子/橘奈良麻呂の変仲麻呂の権勢/藤原仲麻呂の乱/法王道鏡光仁擁立
2 再編されゆく華夷秩序    新羅との軋轢/仲麻呂の新羅征討計画/東北経営の進展/蝦夷との戦闘再開/華夷秩序の再編成
3 古代社会への挽歌    生まれ出づるもの、消え去りゆくもの/『万葉集』の成立/日本語書記法の進化/美意識と歴史認識の規準/仏に帰依する神々

おわりに――平城京の時代をどう見るべきか

図版出典一覧
参考文献
略年表 (690・持統4年〜810・弘仁元年)
索引


≪著者: ≫ 坂上康俊 (さかうえ・やすとし) 1955年生まれ。東京大学大学院博士課程中退。九州大学大学院教授。専攻、奈良・平安時代史。著書、『唐令拾遺補』(共編、東京大学出版会)、『律令国家の転換と「日本」』(講談社)ほか。

坂上康俊 『律令国家の転換と「日本」』(日本の歴史05、講談社学術文庫、2009年) '11/01/12

吉川真司 『飛鳥の都』(シリーズ日本古代史3、岩波新書、2011年) '11/07/22
吉村武彦 『ヤマト王権』(シリーズ日本古代史2、岩波新書、2010年) '11/07/19
石川日出志 『農耕社会の成立』(シリーズ日本古代史1、岩波新書、2010年) '11/07/15

木簡学会編 『木簡から古代がみえる』(岩波新書、2010年) '11/05/18





人気ブログランキングへ




本「北一輝――国家と進化 (再発見 日本の哲学)」嘉戸一将5

ブログネタ
読んだ本♪ に参加中!
北一輝――国家と進化 (再発見 日本の哲学)
北一輝――国家と進化 (再発見 日本の哲学)

○著者: 嘉戸一将
○出版: 講談社 (2009/7, 単行本 284ページ)
○価格: 1,575円
○ISBN: 978-4062787598
クチコミを見る



あらしのごとく、マーゴンさんは台風6号で(ウロウロフラフラとなが居してようやく日本列島から離れて行った)、すこしまえまでは、いまから考えるにはありゃなんなんだったんだろうとかるく混乱に陥ってしまうのだが(少なくともぼくは変化に対応するのにストレスをさまざまに感じないものではない)、そう、まいにちまいにち抜けるような青空の夏空がひろがって(雲ひとつその姿を見せないような、迷いのない?!、逃げ場のない??!)太陽ギラギラ、もっとも湿気が湿度が低い分だけそれまでの梅雨空のムシムシジメジメした不快感に比するには(猛烈な不快感を経て体感して耐え忍んできたがゆえに!?)、どうなんだろう、それでも順応するのに過分な労力(体力の消耗)を要するね、失われ奪われる体力は水分、血液の濃度とかビタミンとか、体内の水分の出入りが激しいと汗とかかいて流出する消失するエネルギーや栄養分も相当な分量になるであろうことから、まぁバランスを保つことの体調を維持することの困難は想像に難くなくフツーに疲労するだろう、んでもって、このところ(マーゴンさんの置き土産、などと言ってしまうにはその影響は変化の度合いは小さくない!?)暑いんだか涼しいんだか判断に迷うというのか体が反応がかるく混乱しちゃっているようなケンメイに調整を図っているのかな、ヒトのからだはそれなりによくできたもので、やがて時間の経過とともに慣れる順応する(スゴイね♪)
さて、いよいよ明日から緊張の単位認定試験が7科目、6日にわたって、、、まわりみちばっかり厭うことなくむしろ好んでしてるから、どうしても素直になれなくって♪、すでにかなりヘトヘトヘロヘロなんだけど、それをあらしの台風の暑さの気温変動のせいにしてみたところで



独自の社会主義論、進化論、そして革命と改造…… その思想の根幹を照射する! 「国家」に可能性はあるか!?

たしかに社会主義革命の方法論の次元では、北の国家論は大きく「転回」している。しかし、果たして、革命の方法論上の「転回」は、思想的な断絶を意味するのだろうか。この点で興味深いのは、当時の内務省による北の評価である。警察は北の前半生を社会主義者として、後半生を過激な国家社会主義者として監視していた。ところが、内務省は北を転向したとは見ていなかった。内務省の公文書に記された北の思想は、一貫したものだったのだ。 ――本書より


≪もくじ: ≫
はじめに

第一章 国体論批判と理想の国家
第一節 国体論と北一輝    国体論とは何か/穂積八束批判/有賀長雄批判という謎
第二節 明治憲法体制をめぐって    明治憲法制定期の準拠論/明治憲法体制の国家と道徳/穂積八束のモデルはキリスト教
第三節 「純正社会主義」の目指すもの    権力闘争としての体制批判/道徳論の拒絶
第四節 道徳と科学主義    国民道徳としての教育勅語/北一輝の教育勅語批判/井上哲次郎の教育勅語論/北一輝の「忠君」批判、あるいは道徳論の解消
第五節 「神類」とは何者か    社会進化論をめぐって/北一輝の進化論/理想の国家か、畜群の世界か

第ニ章 理想の国家とは何か
第一節 進化論の意味するもの    「神類」という理想状態について/明治憲法体制とニーチェ受容/「神類」は主権者たりうるか
第二節 実在する人格としての国家    個人主義をめぐって/北一輝の国家有機体説/精神を宿すものとしての有機体/北一輝とヘーゲル――精神の体現者をめぐって
第三節 有機体としての国家と精神    体制イデオロギーにおける有機体説/有機体説の民主化に向けて/北一輝と美濃部達吉/北一輝と吉野作造
第四節 北一輝とプラトン    マルクス批判とプラトン主義/明治期のプラトン受容と北一輝のプラトン主義/イデア革命としての社会主義革命

第三章 北一輝と革命
第一節 北一輝と戦後改革    民主化としての「国家改造」と戦後改革/「一君万民」論をめぐって――北一輝と敗戦直後の法学者たち/田辺元の「社会民主主義」論/「国家改造」というプラトン主義
第二節 北一輝における天皇    北一輝と「青年将校」たちとの「疎隔」という問題/北一輝の本音/北一輝と国民の「疎隔」
第三節 平等はいかにして実現されるのか    北一輝と地方問題/北一輝の社会改良論批判・国家社会主義批判/帝国主義をめぐって/北一輝と幸徳秋水/国家の強権性が意味するもの/国民としての同化・「覚醒」という論理
第四節 絶対者をめぐって    三木清の準拠論としての神話論/北一輝における神話

むすび

附録
 北一輝 年譜 (明治16・1883年〜昭和12・1937年)
 読書案内


北一輝 (きた・いっき) 1883(明治16)年、新潟県佐渡郡に生まれる。佐渡中学入学の頃から社会問題に関心を寄せる。眼疾を得て入院。18歳で『明星』に短歌を投稿。上京し社会主義思想に関心を持つ。1906年、『国体論及び純正社会主義』を自費出版。発禁になる。中国改革に協力し、33歳で法華経信仰を深める。1926年、『日本改造法案大綱』出版。1932年、『対外国策ニ関スル建白書』執筆、領布。1936年、ニ・ニ六事件。憲兵隊に引致され、警視庁で取調。調書が軍法会議に送られ、死刑求刑。1937年8月14日、死刑判決。同19日、銃殺刑。


≪著者: ≫ 嘉戸一将 (かど・かずまさ) 1970年大阪府生まれ。東京大学法学部卒業、京都大学大学院人間・環境学研究科博士課程中退。相愛大学准教授。専攻は、法思想史、政治思想史。主な論文に「正統性と〈理性〉――井上毅と法・行政の礎」など。著書に『西田幾多郎と国家への問い』、共著に『明治国家の精神史的研究――〈明治の精神〉をめぐって』(いずれも以文社)などがある。


吉田真樹 『平田篤胤――霊魂のゆくえ』(再発見 日本の哲学、講談社、2009年) '11/07/17
宮川敬之 『和辻哲郎――人格から間柄へ』(再発見 日本の哲学、講談社、2008年) '11/06/23
木村純二 『折口信夫――いきどほる心』(再発見 日本の哲学、講談社、2008年) '11/06/13
佐藤正英 『小林秀雄――近代日本の発見』(再発見 日本の哲学、講談社、2008年) '11/06/02
荒谷大輔 『西田幾多郎――歴史の論理学』(再発見 日本の哲学、講談社、2008年) '11/05/27
野矢茂樹 『大森荘蔵――哲学の見本』(再発見 日本の哲学、講談社、2007年) '11/05/19
藤村安芸子 『石原莞爾――愛と最終戦争』(再発見 日本の哲学、講談社、2007年) '11/05/12
栗原剛 『佐藤一斎――克己の思想』(再発見 日本の哲学、講談社、2007年) '11/04/29
小林敏明 『廣松渉――近代の超克』(再発見 日本の哲学、講談社、2007年) '11/04/21
熊野純彦 『埴谷雄高――夢みるカント』(再発見 日本の哲学、講談社、2010年) '11/04/15
シリーズ「再発見 日本の哲学」、菅野覚明熊野純彦 責任編集、日本の近代思想を読みなおす!






人気ブログランキングへ


本「飛鳥の都 (シリーズ日本古代史3、岩波新書1273)」吉川真司5

ブログネタ
読んだ本♪ に参加中!
飛鳥の都〈シリーズ 日本古代史 3〉 (岩波新書)
飛鳥の都 (シリーズ日本古代史3、岩波新書1273)

○著者: 吉川真司
○出版: 岩波書店 (2011/4, 新書 240ページ)
○価格: 798円
○ISBN: 978-4004312734
クチコミを見る



あぁもうフツーによく分かんなくって体系的な理解には程遠く混乱から抜け出すべく糸口のようなものすら見出すことができてないんだけれども、たとえば「古事記」が712年で「日本書紀」が720年で、日本に固有の文字はない??!、それ以前にも書きことばは歴然とあって、ただ単に統一が共通化がなされていなかっただけなのかどうなのか???!、そんなことを考えているヒマがあったら課題問題をポイントを要点を暗記すべきなんだろう、試験(「日本古代中世史」)対策にいそしんだ方が得策(賢明)であるんだろうけれども♪



舞台はいよいよ飛鳥へ。歴代王宮がこの地に営まれた七世紀、中国大陸・朝鮮半島の動乱に翻弄されつつも、倭国はいくつもの改革を断行し、中央集権国家「日本」へと変貌を遂げていった。推古天皇即位の背景から大化の改新白村江の戦い壬申の乱、そして大宝律令成立前夜まで。考古学の成果も視野に、激動の時代の実像を最新の知見で描く。


≪目次: ≫
はじめに――七世紀史をどうとらえるか    甘樫丘から/七世紀史のイメージ/新しい七世紀史像
 地図「飛鳥・藤原京要図」「畿内周辺要図」

第一章 飛鳥の王法と仏法
1 飛鳥寺創建
    最初の伽藍寺院/飛鳥寺発掘/飛鳥寺の役割/花組と星組
2 アジアの中の推古朝    新しいアジア情勢/推古朝の政権構成/新羅との戦争/遣隋使の始まり
3 小墾田宮の王権    小墾田宮へ/冠位十二階憲法十七条/史書と天皇号
4 二つの王家    上宮王家と斑鳩聖徳太子の死/押坂王家/舒明朝の政治
5 から    隋・高句麗戦争/第一次遣唐使/新しい知識人

第二章 大化改新
1 乙巳の変
    皇極天皇/唐の膨張と朝鮮三国/上宮王家の滅亡/蘇我本宗家の滅亡
2 改新のプログラム    新政の始動/部民制の廃止/公民制の創出/官僚制の創出/大化改新詔
3 遷都とイデオロギー    難波への遷都/難波宮の遺跡/仏教イデオロギー/儒教イデオロギー/列島社会の文明化
4 孝徳朝から斉明朝へ    皇太子専権/王都飛鳥の整備/蝦夷支配の進展/百済の滅亡/御船西征

第三章 近江令の時代
1 白村江敗戦
    百済の役/高句麗の滅亡/国土防衛/近江遷都/中臣鎌足
2 天智朝の国制    甲子の宣/庚午年籍近江令/近江令官制/律令体制の成立
3 壬申の乱    唐と新羅の対立/天智天皇の死/壬申の乱/飛鳥浄御原宮/天智朝と天武
4 白鳳寺院の展開    川原寺/京内二十四寺/道昭/神々の文明化

第四章 律令体制の確立
1 天武一〇年の転換
    草壁立太子/浄御原令/官人社会の秩序/律令的土器様式/史書の編纂
2 アジアの新秩序と倭国    唐・吐蕃突厥/平時体制へ/天武朝の終焉/持統天皇の即位/譲位と女性太上天皇
3 藤原京    新城から藤原京へ/十条十坊の王都/正方形の王都/複都制の模索/天智天皇陵
4 変わりゆく列島社会    弥勒寺遺跡群/評家と白鳳寺院/租税の貢納と生産/暦の普及/方格地割と直線道路/七世紀史の終焉

おわりに――ハニフのサトから (二〇一一年三月 吉川真司)


図版出典一覧
参考文献
略年表 (552・欽明13年〜701・大宝元年)
索引


≪著者: ≫ 吉川真司 (よしかわ・しんじ) 1960年、奈良県生まれ。1989年、京都大学大学院文学研究科博士後期課程修了。京都大学教授。専攻、日本古代史。著書、『律令官僚制の研究』(塙書房)、『天皇の歴史02 聖武天皇と仏都平城京』(講談社)、『日本の時代史5 平安京』(編著、吉川弘文館)、『展望日本歴史6 律令国家』(共編著、東京堂出版)、『列島の古代史』(共編著、全8巻、岩波書店)。


吉村武彦 『ヤマト王権』(シリーズ日本古代史2、岩波新書、2010年) '11/07/19
石川日出志 『農耕社会の成立』(シリーズ日本古代史1、岩波新書、2010年) '11/07/15





人気ブログランキングへ




本「友達がいないということ (ちくまプリマー新書159)」小谷野敦5

ブログネタ
読んだ本♪ に参加中!
友達がいないということ (ちくまプリマー新書 159)
友達がいないということ (ちくまプリマー新書159)

○著者: 小谷野敦
○出版: 筑摩書房 (2011/5, 新書 187ページ)
○価格: 819円
○ISBN: 978-4480688606
クチコミを見る



サイキン、どうなんだろう?!、屋外のベンチとかで昼間、手弁当を食する人の姿をおおく見かけるような気がしているんだけれども、ぼくもそのひとりで、などと言ってしまうほどにカッコいいものでもなくって(外食は苦手だ、メンドクサイ、気が乗らない、なによりモッタイナイ)、ジッサイまるで隠れるように、ひとりムシャムシャと本を片手に読み耽りながら



「便所めし」という言葉があるが、友達がいないということは、「もてない」よりもつらいかもしれない。文学作品を始め、さまざまな視点から描く、ネット時代の友達論。


≪目次: ≫
まえがき――「便所めし」の悲哀
第一章 友達にだって片思いはある    人間関係プロレタリアート/レイプされたら友達を呼ぶ?/人づきあいの面倒な人/「どうしてあいつがいるの?」/友達片思い/「もてない」よりもつらい/趣味が合っても気が合わず……/徒党を組む「悪人」/生きるのが下手な人/子供っぽい大人のつきあい/他人の笑いについていけない/いじめられっ子か、孤高の人か/東大生は性格が悪い?
第二章 虚構としての友達物語    みんなそんなに友達がいるの?/淋しい人必見のドラマ/ヴァラエティー番組の「親友」は、やらせ?/民放のドラマは嘘臭い/昔の「友情」が美しい理由/さまざまな「友情」作品/漱石の孤独、上田敏の淋しさ/菊池寛の友情/大学内の作家仲間/長電話文化と「単独者」/江藤淳も友がいなかったのでは?
第三章 友達関係はホモソーシャル    男同士の絆(きずな)/ホモソーシャルとは?/「やおい」は女のホモソーシャル?/異性の友達は可能か?/精神的ホモエロティック/漢詩と男の友情/前近代の日本に友情はなかった?/バイセクシャル(両刀使い)/近代になって男色が復活/『平家物語』はホモ文学?/世界の文学は同性愛から始まった
第四章 友情か、正義か    母子関係が友達関係に影響する?/友達の悪行を見逃せるか?/自己啓発書の友達論/世間はそんなに甘くない/知識人向け人生論/フロム愛するということ』/過去は美化される/犬猫への愛情
第五章 「いじめ」のことなど    「いじめ」の定義/暴力の否定が「いじめ」を増やした/「言葉いじめ」の陰湿さ/言葉づかいと友達/「友達が多い自分」への憧れ/不良にもなれず、優等生にもなれない/「引っ越し」の哀しみ
第六章 友達は面倒でもある    誰かを選べば誰かを排除することになる/『徒然草』の友情観/北方謙三村上龍の人生論/結婚のすすめ/「男同士」の友情への嫌悪/実らぬ恋のまま生涯を終えること/田中英光『オリンポスの果実』/役に立たない実用書/精神を病む/阿部和重『グランド・フィナーレ』/「友達に全否定される」怖さ/喧嘩別れのあと/一人でいるのが平気な人/義理に縛られたつきあい
第七章 ネット時代の友達論    現代文学における友達/大江健三郎の関係描写/文人同士のつきあい/ネット時代にも変わらない側面/ネットでの交流/変人に癒(いや)される
第八章 孤独な人々のための読書    孤独を描いた名作/男は嫌われて一人前――子母沢寛勝海舟』/『大明帝国 朱元璋(しゅげんしょう)』の恐ろしさ/ビジネス書はビジネスの役に立つのか?    
終章 「あきらめ」と「明日」    「不幸な人生」というものはあるのか?/一人ぼっちは本人のせいじゃない
あとがき

※イラストレーション=なかむらるみ


≪著者: ≫ 小谷野敦 (こやの・とん) 1962年茨城県生まれ。本名読み・あつし。東京大学文学部英文科卒、同大学院比較文学比較文化専攻博士課程修了、学術博士。1990−92年、カナダのブリティッシュ・コロンビア大学に留学。大阪大学助教授、東大非常勤講師などを経て、作家、文筆家。著書に『もてない男』『バカのための読書術』(ちくま新書)、『〈男の恋〉の文学史』(朝日選書)、『日本売春史』(新潮選書)、『聖母のいない国』(河出文庫、サントリー学芸賞受賞)、『恋愛の昭和史』(文春文庫)、『現代文学論争』(筑摩選書)ほか多数。小説に『悲望』『童貞放浪記』(幻冬舎)、『母子寮前』(文藝春秋、芥川賞候補)などがある。






人気ブログランキングへ


本「美術を支えるもの (講座日本美術史6)」木下直之 編5

ブログネタ
読んだ本♪ に参加中!
講座日本美術史 (6) 美術を支えるもの
美術を支えるもの (講座日本美術史6)  “Studies in the History of Japanese Art 6: What Makes Art Possible”, Naoyuki KINOSHITA, editor, University of Tokyo Press, 2005

○著者: 木下直之 編著、五十殿利治佐藤康宏/蔵屋美香/平瀬礼太/岩切信一郎北澤憲昭/武笠朗/玉蟲敏子三浦篤
○出版: 東京大学出版会 (2005/4, 単行本 355ページ)
○価格: 4,410円
○ISBN: 978-4130840866
クチコミを見る



あらしが、大型の台風6号が日本列島付近をノロノロとウロウロしているみたい(20日20時には御前崎の南南西約150kmにあって、東南東へ毎時20kmで進んでいます。中心気圧は980hPa、中心付近の最大風速は30m/s)で、ときおりはげしい雨がつよい風とともザワザワザワとやってきては、ふと、まるでなにごともなかったかのようになにごともないかのようにおだやかにしずかに(しかし着実にコチラにむかって歩をすすめているみたい)、ブキミ



美術」はどのように生まれ、扱われ、後世に語り伝えられていくのか。「美術」という価値を与えられたさまざまな物の側から、それらをとりまく仕組みを考えていく。美術史、美術館、国宝…… 美術にかかわる「もの」を捉え直す新たな視点を提示。


≪目次: ≫
刊行にあたって (二〇〇五年三月 編者一同)

 美術を支えるもの (木下直之)

第1章 美術を生み出す (=宝物論、行為論、作者論)
明治維新名古屋城――金鯱・御殿障壁画・天守の行方 (木下直之)    1 金鯱(無用の長物/珍物/古器旧物と什器/巨大物品)/2 御殿障壁画(御成御殿/離宮)/3 天守(城郭保存)
美術の「近代」と美術家の「行為」 (五十殿利治)    1 展示空間という舞台(書画会と席画/余興と芸/演説する)/2 美術家のアイデンティティー(制服を着る芸術家/1903年(明治36年)の大転換――仮装と活人画)/3 演劇的「近代」との併走(画塾や美術研究所の余興――活人画から演劇へ/街頭へ)
都の事件――「年中行事絵巻」・「伴大納言絵巻」・「病草紙 (佐藤康宏)    1 市街の喧騒、追われる民――「年中行事絵巻」/2 結果としての門、泣く女――「伴大納言絵巻」/3 都の病者、嘲笑する傍観者――「病草紙」

第2章 美術を扱う (=場所論、移動論、メディア論、規制論)
壁画タブロー――1900-1940年代 (蔵屋美香)    1 はじめに/2 装飾性と平面性――1900-1910年代/3 内と外――1920-1940年代/4 おわりに
戦争と美術コレクション――そこにあってはならないもの (平瀬礼太)    1 銅像の行方――戦中/2 銅像の行方――戦後/3 戦争画の制作、移動、もしくは移動の延期
メディアとしての版画――近代版画揺籃期の考察 (岩切信一郎)    1 はじめに/2 日本近代版画の源流(白馬会展と合田清の木口木版画/白馬会第5回展におけるエミール・オルクリの版画/白馬会第5回展における西欧ポスター(広告画)の受容/白馬会第6回展のポスター展示)/3 「版による絵」の時代(白馬会への版画出品/『明星』からの「版画」/明治37、8年の「版の絵」の隆盛)/4 おわりに
美術における政治表現と性表現の限界 (北澤憲昭)    1 「美術に対する規制」と「美術という規制」――『頓智協会雑誌』の発禁/2 国家と美術――ノモスへの意志/3 天皇制へのノモス――「限界」と「境界」/4 視覚の権力――「見られる天皇」と「見る天皇」/5 写真と絵画――「御真影」とリアリズムの変質/6 展示と礼拝――「御真影」の二重性/7 スラッシュ上の裸体画――ノモス/ピュシス/8 裸体画のアンビヴァレント――男性/女性/9 裸体と玉体――父権的秩序と女性=男性像

第3章 美術を語る (=批評論、歴史論、教育論)
平等院鳳凰堂阿弥陀如来像の近代 (武笠 朗)    1 仏像の近代化と問題提起(仏像の近代/鳳凰堂像の問題提起)/2 平等院と鳳凰堂の評価(近世までの平等院/『國華』に載る/京都・平安文化の復権と共に/特別保護建造物指定とその後)/3 定朝と平安時代・藤原彫刻(近世までの評価(仏師の定朝観)/天心の平安時代観と定朝観/『稿本』から『国宝帖』へ)/4 鳳凰堂像の評価(国宝となる/定朝作ではない?/1931年の田中豊蔵と源豊宗/像の写真/雲中供養菩薩像の評価/『平等院図鑑』)
江戸の古画趣味と日本の美術史学――宗達平家納経」補修説と牧谿伝記資料『松斎梅譜』の出現をめぐって (玉蟲敏子)    1 はじめに/2 「平家納経」の補修/3 宗達補修説の登場/4 牧谿伝記資料、呉太素撰『松斎梅譜』の発見/5 江戸後期の古画趣味/6 おわりに――江戸の古画趣味の行方
黒田清輝と西洋美術教育 (三浦 篤)    1 はじめに/2 留学時代の黒田清輝と美術教育/3 帰国後の黒田清輝と美術教育/4 おわりに


掲載図版一覧


≪編著者: ≫ 木下直之 (きのした・なおゆき) 1954年生まれ。東京大学大学院人文社会系研究科教授。著書、『美術という見世物』(筑摩書房)、『世の途中から隠されていること』(晶文社)。

≪著者: ≫ 五十殿利治 (おむか・としはる) 1952年生まれ。筑波大学人間総合科学研究科教授。著書、『大正期新興美術運動の研究(改訂版)』(スカイドア)、『日本のアヴァンギャルド芸術』(青土社)。
≪著者: ≫ 佐藤康宏 (さとう・やすひろ) 1955年生まれ。東京大学大学院人文社会系研究科教授。著書、『新編名宝日本の美術27 若冲・蕭白』(小学館)、『絵は語る11 湯女図』(平凡社)。
≪著者: ≫ 蔵屋美香 (くらや・みか) 1966年生まれ。東京国立近代美術館。論文、「旅――『ここではないどこか』をいきるために」『旅――ここではないどこか」を生きるための10のレッスン』展カタログ(東京国立近代美術館)。
≪著者: ≫ 平瀬礼太 (ひらせ・れいた) 1966年生まれ。姫路市立美術館。論文、「戦争画とアメリカ」(『姫路市立美術館研究紀要』第3号)、「戦争とアメリカ 補遺」(『姫路市立美術館研究紀要』第5号)。
≪著者: ≫ 岩切信一郎 (いわきり・しんいちろう) 1950年生まれ。東京文化短期大学(新渡戸文化短期大学)生活学科教授。著書、『橋口五葉の装釘本』(沖積舎)、「明治期木版文化の盛衰」『近代日本版画の諸相』(共著、中央公論美術出版)。
≪著者: ≫ 北澤憲昭 (きたざわ・のりあき) 1951年生まれ。跡見学園女子大学教授(を経て、女子美術大学教授)。『眼の神殿』(美術出版社)、『境界の美術史』(ブリュッケ)。
≪著者: ≫ 武笠 朗 (むかさ・あきら) 1958年生まれ。実践女子大学文学部教授。著書、論文、水野敬三郎監修『カラー版日本仏像史』(共著、美術出版社)、「中尊寺金色堂壇上諸仏研究の現状と問題点」(『佛教藝術』277号)。
≪著者: ≫ 玉蟲敏子 (たまむし・さとこ) 1955年生まれ。武蔵野美術大学造形学部教授。著書、『生きつづける光琳』(吉川弘文館)、『都市のなかの絵』(ブリュッケ)。
≪著者: ≫ 三浦 篤 (みうら・あつし) 1957年生まれ。東京大学大学院総合文化研究科助教授(を経て、同教授)。著書、『まなざしのレッスン 1 西洋伝統絵画』(東京大学出版会)、『自画像の美術史』(編著、東京大学出版会)。


玉蟲敏子 編著 『講座日本美術史 第5巻 〈かざり〉と〈つくり〉の領分  Studies in the History of Japanese Art 5: The Domains of Decoration and Image-Making』(藤井恵介/川本重雄/金行信輔/武笠朗/日高薫/荒川正明/泉万里/丸山伸彦/木下直之/山崎剛 著、講座日本美術史、東京大学出版会、2005年) '11/07/18
長岡龍作 編著 『講座日本美術史 第4巻 造形の場  Studies in the History of Japanese Art 4: Sites of Artistic Production and Reception』(太田昌子/木下直之/海老根聰郎/高橋範子/榊原悟/根立研介/加須屋誠/奥健夫/大久保純一 著、講座日本美術史、東京大学出版会、2005年) '11/07/13
佐藤康宏 編著 『講座日本美術史 第3巻 図像の意味  Studies in the History of Japanese Art 3: Iconology』(長岡龍作/泉武夫/相澤正彦/板倉聖哲/須藤弘敏/中島博/浅野秀剛/奥平俊六/成澤勝嗣 著、講座日本美術史、東京大学出版会、2005年) '11/06/29
板倉聖哲 編著 『講座日本美術史 第2巻 形態の伝承  Studies in the History of Japanese Art 2: Transmission and Transformation of Froms』(井手誠之輔/根立研介/河野元昭/藤岡穣/相澤正彦/武田光一/佐藤康宏/島尾新/玉蟲敏子 著、講座日本美術史、東京大学出版会、2005年) '11/06/26
佐藤康宏 編著 『講座日本美術史 第1巻 物から言葉へ  Studies in the History of Japanese Art 1: From Objects to Words』(有賀祥隆/田邉三郎助/島尾新/山本勉/林温/川本桂子/松原茂/黒田泰三/塚原晃 著、講座日本美術史、東京大学出版会、2005年) '11/06/07





人気ブログランキングへ




本「ヤマト王権 (シリーズ日本古代史2、岩波新書1272)」吉村武彦5

ブログネタ
気になる本 に参加中!
ヤマト王権〈シリーズ 日本古代史 2〉 (岩波新書)
ヤマト王権 (シリーズ日本古代史2、岩波新書1272)

○著者: 吉村武彦
○出版: 岩波書店 (2010/11, 新書 272ページ)
○価格: 861円
○ISBN: 978-4004312727
クチコミを見る



さぁ、まもなくあとすうじつで、ぼくの大学生ライフ二年目の第一学期の、だから三回目だね、そう、単位認定試験の期日が迫ってきていて、ヒリヒリカリカリイライラしないものでもない、いつもにも増して落ち着きを失している、緊張しないものでもない、、、いわゆる効果測定(落とすことを選抜することを主目的としない、ゆえに難易度はけっして高いものではない)なのだから!?、ダメ(不合格)ならもういちどつぎの学期に再試験する機会があらかじめ用意されているんだからそれはそれでも(ジックリ余計に時間と労力を費やしたって)いいじゃないか?!、そもそも、履修した科目を試験(マークシートで数値化して判定)するなんてナンセンスだ!!?くらいの考え方だってあるだろう(すくなくともぼくはたびたびそう思う)、しかしやっぱり卒業したいし学士が欲しいし、組織のなかで組み込まれたシステムを逸脱した主張(抵抗、反抗)を試みたとしても、どうなんだろう、すでに悲しいかなぼくには無自覚?!に主張できるほどの気力(若さ)もなく、まぁそういうことなんだろうなぁ


日本列島にはじめて成立した全国的な統治システム、ヤマト王権。その始まりはいつだったのか。初代の「天皇」とは誰なのか。王宮や王墓の変遷は何を物語るのか――。「魏志倭人伝」など中国の正史や金石文ほか、貴重な同時代史科に残された足跡を徹底的にたどり、ひろく東アジアの動きを視野に、多くの謎を残す時代の実像に肉迫する。


≪目次: ≫
はじめに――奈良人からみた「いにしえ」
 地図「畿内周辺要図」

第一章 東アジアの倭人倭国
1 「楽浪海中倭人あり」――中国からの視線
    中国正史と倭人 『後漢書』の朝貢記事 倭国への統合
2 「魏志倭人伝」と邪馬台国    「魏志倭人伝」とは 「邪馬台国」の読み 「魏志倭人伝」の史料価値 と邪馬台国 倭国の統合化と邪馬台国
3 邪馬台国とはどんな「国」だったか    倭の女王・卑弥呼 卑弥呼の二つの顔 倭国的官職と中国的官職 市の管理 邪馬台国時代の社会と身分

第二章 ヤマト王権の成立
1 ヤマト王権のはじまり
    はつくにしらすスメラミコト 『日本書紀』の天皇と闕史八代 帝紀と旧辞 稲荷山出土鉄剣 鉄剣銘文が語るもの 崇神天皇の実在性 前方後円墳とヤマト王権論 倭国統合のプロセスとヤマト王権  
2 初期のヤマト王権    ヤマト王権と邪馬台国・卑弥呼 崇神天皇の伝承 歴代遷宮 『日本書紀』の天皇物語
3 「謎の四世紀」    東アジアからみた倭国 石神神宮所蔵の七支刀

第三章 東夷の小帝国と倭の五王
1 朝鮮半島へのまなざし
    広開土王碑文 碑文からみたヤマト王権と高句麗 神功皇后と「胎中天皇
2 の建国と倭の五王    宋とヤマト王権 「安東将軍、倭国王」 朝鮮半島の国々 五世紀における倭国王 倭の五王とは誰か
3 鉄剣銘文が語るワカタケル    五世紀の鉄剣銘と大刀銘 人制の職能集団 「王」と「大王」 「治天下の王」と「左治天下」 「画期としての雄略朝」
4 「記・紀」の王宮・王墓からみた五世紀    応神以降の王宮と王墓 王宮・王墓の移動の意味 王墓が移動する歴史的意味 王朝交替論の功罪 前方後円墳が語る政治秩序
5 朝鮮半島から移住してきた技術者集団    列島の文明化と朝鮮半島の移住民 半島と列島間の往来 大和における渡来系移住民と手工業 河内における渡来系移住民と馬文化 陶邑窯跡群

第四章 継体天皇の即位と伽耶
1 新王統の誕生
    仁徳天皇系の断絶 継体天皇の即位 継体天皇の政治的基盤
2 伽耶の盛衰と百済    任那と伽耶 伽耶諸国の縮小と百済 伽耶と「任那日本府」 「任那日本府」とヤマト王権
3 継体没後の新天皇    継体以前の王位継承と大兄制 新天皇の選任と群臣の地位 継体天皇の没年と王位継承 継体没後の即位問題
4 地方の反乱と国造制    磐井の反乱 武蔵国造の争い 国造による地域支配 「国主」から「国造」へ

第五章 仏教の伝来蘇我氏
1 欽明朝の成立と蘇我氏
    欽明天皇と蘇我氏 蘇我氏の出自と系譜 蘇我氏と吉備の屯倉
2 大伴氏物部氏    氏の名 部民制とは 部民の特徴とその表記 系と系の氏族 氏姓古墳の政治的秩序 
3 仏教の伝来と受容    百済と倭国 仏教の伝来と神 仏教受容と群臣 倭国と伽耶
4 崇峻天皇の暗殺    敏達朝の外交と私部  物部本宗家の滅亡 「東国の調」献上と天皇暗殺

おわりに――「飛鳥」以前、日本列島の文明化の時代 (二〇一〇年一〇月 吉村武彦)

参考史料    (1) 『三国志・魏書』巻30 東夷伝・倭人条(「魏志倭人伝」、一部抜粋)/ (2) 倭王武の上表文(『宋書』倭国伝より)/(3) 広開土王碑文(一部抜粋)
図版出典一覧
参考文献
略年表 (西暦8年〜西暦593・推古1年)
索引


≪著者: ≫ 吉村武彦 (よしむら・たけひこ) 1945年、朝鮮大邱生まれ。京都・大阪育ち。1968年、東京大学文学部国史学専修課程卒業、同大大学院国史学専攻博士課程中退。明治大学文学部教授。専攻、日本古代史。著書、『日本古代の社会と国家』(岩波書店)、『日本社会の誕生』(岩波ジュニア新書)、『聖徳太子』(岩波新書)、『日本の歴史3 古代王権の展開』(集英社)、『古代天皇の誕生』(角川選書)、『列島の古代史』(共編著、全8巻、岩波書店)ほか。


石川日出志 『農耕社会の成立』(シリーズ日本古代史1、岩波新書、2010年) '11/07/15





人気ブログランキングへ



本「〈かざり〉と〈つくり〉の領分 (講座日本美術史5)」玉蟲敏子 編5

ブログネタ
読んだ本♪ に参加中!
講座日本美術史〈第5巻〉“かざり”と“つくり”の領分
〈かざり〉と〈つくり〉の領分 (講座日本美術史5)  “Studies in the History of Japanese Art 5: The Domains of Decoration and Image-Making”, Satoko TAMAMUSHI, editor, University of Tokyo Press, 2005

○著者: 玉蟲敏子 編著、藤井恵介/川本重雄/金行信輔/武笠朗/日高薫/荒川正明/泉万里/丸山伸彦木下直之/山崎剛 著
○出版: 東京大学出版会 (2005/11, 単行本 330ページ)
○価格: 4,410円
○ISBN: 978-4130840859
クチコミを見る



ああ美しい♪、うつくしいうつくしいうつくしい、さて

じつは、むすめのピアノの発表会にオヨバレして、たしか会うのは春休み以来久しぶりのことで、ぼくにはよく分からないのだけれども、ベートーヴェンのピアノソナタ第8番ハ短調 『悲愴』(Klaviersonate Nr. 8 c-Moll "Grande Sonate pathetique" )だったのかなぁ、ずいぶん忙しく両手をときにクロスされて動かして、ダークカラーのドレスもステキダッタヨ、まるで親バカ♪なんだろうけれども、ジッサイ


造形の場について考察した後、美術史学は「美術と工芸」という分類概念を問い直し、〈かざり〉と〈つくり〉の視点を提案する。ものがかざられる空間としての寺院や武家庭園を分析し、漆芸や陶磁器におけるかざりとつくりの方法を探る。そして染色やつくりものの豊かな造形性をあらためて捉え直す。


≪目次: ≫
刊行にあたって (二〇〇五年三月 編者一同)

 〈かざり〉と〈つくり〉の領分 (玉蟲敏子)

第1章 かざる空間の意味と機能
構造から意匠へ――平等院鳳凰堂を解析する
 (藤井恵介)    1 はじめに/2 日本建築の見方/3 鳳凰堂の解析(「裳階」/「連続する小壁」)/4 おわりに
住まいの系譜と飾りの系譜 (川本重雄)    1 日本の住まいとその起源/2 寝殿造の空間と装束(正月大饗の装束――庭を飾る/移徙に見る寝殿の装束――寝殿造の住空間を飾る/母屋調度と庇調度/移徙に見る出居・侍廊の装束――寝殿造の執務空間)/3 寝殿造から書院造へ(襖障子の成立/引き違い建具を用いた住まいの成立/調度の建築化)/4 室町将軍邸に見る空間と飾りの変遷(室町殿行幸の飾りI――寝殿の空間と飾り/室町殿行幸の飾りII――会所の空間と飾り/東山殿の飾り)/5 二条城行幸の飾り(行幸御殿と大広間の飾り)/6 住まいの系譜と飾りの系譜
武家庭園の近代――江戸から東京へ (金行信輔)    1 はじめに――庭園都市のゆくえ/2 庭園の幕末(調練の庭/黒船と庭園)/3 維新と庭園(上地令と桑茶政策/邸宅の庭/饗宴の再開)/4 おわりに――近代化のなかで

第2章 かざりとつくりの方法
〈かざり〉と〈つくり〉と絵画の位相
 (玉蟲敏子)    1 日本絵画の自律/2 絵の輪郭・絵の帰属/3 絵の空間――延宝八年の座敷飾/4 絵と他のジャンルの交流――絵師の職分・結ぶメディア/5 絵と料紙装飾・下地装飾
仏像における〈工芸的〉なこと――仏像の金属製荘厳具をめぐって (武笠 朗)    1 はじめに――工芸的な仏像とは(峰定寺千手観音像と光台院阿弥陀三尊像)/2 仏像の荘厳具(飛鳥前期・飛鳥後期(白鳳)/奈良(天平)/平安前期/平安後期/鎌倉)/3 峰定寺像と光台院像(美麗の仏像として――峰定寺像の場合/生身の仏像の表象として――光台院像の場合/かざりの強調と生身性の表象と)
蒔絵の「色」――絵画と工芸のはざまで (日高 薫)    1 はじめに/2 蒔絵における色彩表現(金銀と色彩/平安蒔絵の色彩表現/鎌倉時代から室町時代へ)/3 高台寺蒔絵の革新性(高台寺蒔絵様式の特徴/絵梨地と色彩表現/高台寺蒔絵以降)/4 おわりに
陶磁のかざり――宴のうつわを中心に (荒川正明)    1 新たな陶磁史の構築を目指して/2 宴のうつわ――古代から中世の陶磁/3 伊達道具の誕生――桃山時代の陶磁/4 大皿の時代――江戸時代前期の陶磁(大皿の波到来/江戸の大名屋敷から出土した大皿/古久谷の意匠/古九谷の受容者)

第3章 かざりとつくりの諸相
外への視線――標の山・南蛮人・唐物
 (泉 万里)    1 標の山/2 南蛮人/3 唐物荘厳
友禅の虚像と実像 (丸山伸彦)    1 はじめに/2 近代の視線I――教科書問題/3 近代の視線II――辞典類の状況/4 画工か染工か/5 信じられていた友禅の真蹟/6 符合する岸駒の出世譚/7 おわりに
屋根の上のつくりもの (木下直之)    1 灰色の大海/2 屋根の上の鯱と翁/3 「大行之造り物又ハ如何敷造物」/4 看板と凱旋門


掲載図版一覧


≪編著者: ≫ 玉蟲敏子 (たまむし・さとこ) 1955年生まれ。武蔵野美術大学造形学部教授。著書、『生きつづける光琳』(吉川弘文館)、『都市のなかの絵』(ブリュッケ)。

≪著者: ≫ 藤井恵介 (ふじい・けいすけ) 1953年生まれ。東京大学大学院工学系研究科助教授(を経て、同教授)。著書、『密教建築空間論』(中央公論美術出版)、『関野貞アジア踏査』(共編、東京大学出版会)。
≪著者: ≫ 川本重雄 (かわもと・しげお) 1953年生まれ。京都女子大学家政学部教授(を経て、同学長)。著書、『寝殿造の空間と儀礼』(中央公論美術出版)、『類聚雑要抄指図巻』(共編、中央公論美術出版)。
≪著者: ≫ 金行信輔 (かねゆき・しんすけ) 1966年生まれ。広島大学大学院工学研究科助手(を経て、千葉大学大学院工学研究科准教授)。著書、『江戸の広場』(共著、東京大学出版会)、『シリーズ 都市・建築・歴史 第5巻 近世都市の成立』(共著、東京大学出版会)。 
≪著者: ≫ 武笠朗 (むかさ・あきら) 1958年生まれ。実践女子大学文学部教授。著書、論文、水野敬三郎監修『カラー版日本仏像史』(共著、美術出版社)、「中尊寺金色堂壇上諸仏研究の現状と問題点」(『佛教藝術』277号)。
≪著者: ≫ 日高薫 (ひだか・かおり) 1961年生まれ。国立歴史民俗博物館研究部助教授(を経て、同教授)。著書、『日本の美術427 海を渡った日本漆器II』(至文堂)、『日本美術のことば案内』(小学館)。
≪著者: ≫ 荒川正明 (あらかわ・まさあき) 1961年生まれ。出光美術館(を経て、学習院大学文学部哲学科教授)。著書、『板谷波山の生涯』(河出書房新社)、『やきものの見方』(角川書店)。
≪著者: ≫ 泉万里 (いずみ・まり) 1957年生まれ。大阪大学総合学術博物館教授。論文、「月次祭礼図模本について」(『國華』1230号)、「壬生地蔵縁起絵巻とその周辺」(『佛教藝術』268号)。 
≪著者: ≫ 丸山伸彦 (まるやま・のぶひこ) 1957年生まれ。武蔵大学人文学部教授。著書、『図説 江戸図屏風をよむ』(共編、河出書房新社)、『日本の美術340 武家の服装』(至文堂)。
≪著者: ≫ 木下直之 (きのした・なおゆき) 1954年生まれ。東京大学大学院人文社会系研究科教授。著書、『美術という見世物』(筑摩書房)、『世の途中から隠されていること』(晶文社)。


長岡龍作 編著 『講座日本美術史 第4巻 造形の場  Studies in the History of Japanese Art 4: Sites of Artistic Production and Reception』(太田昌子/木下直之/海老根聰郎/高橋範子/榊原悟/根立研介/加須屋誠/奥健夫/大久保純一 著、講座日本美術史、東京大学出版会、2005年) '11/07/13
佐藤康宏 編著 『講座日本美術史 第3巻 図像の意味  Studies in the History of Japanese Art 3: Iconology』(長岡龍作/泉武夫/相澤正彦/板倉聖哲/須藤弘敏/中島博/浅野秀剛/奥平俊六/成澤勝嗣 著、講座日本美術史、東京大学出版会、2005年) '11/06/29
板倉聖哲 編著 『講座日本美術史 第2巻 形態の伝承  Studies in the History of Japanese Art 2: Transmission and Transformation of Froms』(井手誠之輔/根立研介/河野元昭/藤岡穣/相澤正彦/武田光一/佐藤康宏/島尾新/玉蟲敏子 著、講座日本美術史、東京大学出版会、2005年) '11/06/26
佐藤康宏 編著 『講座日本美術史 第1巻 物から言葉へ  Studies in the History of Japanese Art 1: From Objects to Words』(有賀祥隆/田邉三郎助/島尾新/山本勉/林温/川本桂子/松原茂/黒田泰三/塚原晃 著、講座日本美術史、東京大学出版会、2005年) '11/06/07





人気ブログランキングへ



本「平田篤胤――霊魂のゆくえ (再発見 日本の哲学)」吉田真樹5

ブログネタ
読んだ本♪ に参加中!
平田篤胤――霊魂のゆくえ (再発見 日本の哲学)
平田篤胤――霊魂のゆくえ (再発見 日本の哲学)

○著者: 吉田真樹
○出版: 講談社 (2009/1, 単行本 284ページ)
○価格: 1,575円
○ISBN: 978-4062787581
クチコミを見る



いやぁ、日本の哲学(再発見♪)、、、いわゆるところの「哲学」は近代になって(明治維新?!)から西洋からやってきた(よくもわるくも押し寄せてきて容れられた)、ようなものなんだろう?!!けれども、さて、近代以前に哲学(みたいなもの)は日本になかった、のかどうなのかなどと考えるに??!(マジムズイ)



近代は篤胤から何をつくりだし、何を見失ったのか? 人間の尊厳を問うた思考の粋!

篤胤において死の問題は、死後の存在としての霊魂の問題となり、さらには霊魂の行き場所の問題となる。もし人が死後に霊魂となることが確実であり、霊魂の行き着く場所が特定されるのであれば、先に現在の私たちに即して述べたような死の問題は、「解決」されるに違いない。篤胤はまさにそのことを『霊の真柱』において試み、「幽冥界」という観念を提示することになる。 ――本書より


≪もくじ: ≫
はじめに
第一章 篤胤の抱えた問い――自己    「兄弟をころして家をうばふ相」/近世人相学と業の問題/篤胤の問い
第二章 神へ――問いの具体化    1 神の体験/2 宣長へ(夢中入門/村岡説の「解釈」/「夢中対面図」の内容/「をしへ子」篤胤/夢を信じる「あやしさ」/篤胤の「あやしさ」への批判)/3 『呵妄書(かもうしょ, 1803年)』(なぜ宣長か/「道」と「神」/宣長との距離/「神道」をめぐる篤胤と宣長/「神」の定義/身の大本)
第三章 『新鬼神論(しんきしんろん, 1805年)』――死んだら霊魂となる    1 『新鬼神論』の前提(白石『鬼神論』の背景/「白石先生」の意味/篤胤と儒学/実感としての儀礼・祭祀/宣長の場合/篤胤による分裂の否定)/2 『新鬼神論』の思想(『新鬼神論』の総論/篤胤の朱子学批判/篤胤の孔子論/誰でも祀ることができるか/通常の神祀り/篤胤の人鬼論/淫祀論に対して/死の問題/霊魂と肉体の関係/宣長における「産霊」/死者こそ尊厳を獲得できる/篤胤が宣長に見出した活路/図式化)
第四章 近世庶民仏教と『出定笑語(しゅつじょうしょうご, 1811年)』    1 近世庶民仏教の思想(近世庶民仏教思想の図式化/仏教における死後転落の問題)/2 『出定笑語』の仏教批判
第五章 『霊の真柱』――霊魂のゆくえ    死の問題/『霊の真柱』の序/神がかりでの執筆/篤胤学の構想/「真道」へ/『霊の真柱』の壮大さ/死の問題のもたらす壮大さ/篤胤の乗り越え/『三大考』と『霊の真柱』/『三大考』における分離としての死/『霊の真柱』へ/伊邪那美命は死んでいない/風・火・水・土の神/なぜ死ぬか/火神の死/火産霊神の憎しみ/分け霊/大国主命の居場所/幽冥のイメージ/死後黄泉行き説の否定/地獄説/人の側に即した幽冥界イメージ/今の現の事実/霊魂は墓の上にいる/志は墓を超越する
終章 近代へ    『霊の真柱』以降の篤胤/『仙境異聞』の二つの極/霊魂の尊厳と業/近代国家による篤胤像/民俗学と儒学/篤胤による業の体現


参考文献

附録
 平田篤胤 年譜 (安永5・1776年〜天保14・1843年)
 読書案内


平田篤胤 (ひらた・あつたね) 1776(安永5)年秋田藩士大和田清兵衛祚胤の四男として生まれる。幼名正吉。20歳で脱藩し江戸へ向かう。25歳で松山藩士平田藤兵衛の養嗣子となる。28歳で本居宣長の著書に出会い、夢中で対面。29歳、真菅乃屋と称して講釈をはじめ、以降、『古道大意』『仏道大意』(後の『出定笑語』)『古史徴』など旺盛に著述を開始。37歳で主著『霊の真柱』成立。『仙境異聞』『大扶桑国考』などを成立させ、1843(天保14)年、68歳で死去。


≪著者: ≫ 吉田真樹 (よしだ・まさき) 1971年、東京生まれ。東京大学大学院人文社会系研究科博士課程修了。博士(文学)。静岡県立大学国際関係学部講師(を経て、静岡県立大学国際関係学部准教授)。専攻は倫理学・日本倫理思想史。主な論文に、「死と生の祀り――イザナキ・イザナミ神話の生命思想」、「光源氏の存在の基底について」などがある。


宮川敬之 『和辻哲郎――人格から間柄へ』(再発見 日本の哲学、講談社、2008年) '11/06/23
木村純二 『折口信夫――いきどほる心』(再発見 日本の哲学、講談社、2008年) '11/06/13
佐藤正英 『小林秀雄――近代日本の発見』(再発見 日本の哲学、講談社、2008年) '11/06/02
荒谷大輔 『西田幾多郎――歴史の論理学』(再発見 日本の哲学、講談社、2008年) '11/05/27
野矢茂樹 『大森荘蔵――哲学の見本』(再発見 日本の哲学、講談社、2007年) '11/05/19
藤村安芸子 『石原莞爾――愛と最終戦争』(再発見 日本の哲学、講談社、2007年) '11/05/12
栗原剛 『佐藤一斎――克己の思想』(再発見 日本の哲学、講談社、2007年) '11/04/29
小林敏明 『廣松渉――近代の超克』(再発見 日本の哲学、講談社、2007年) '11/04/21
熊野純彦 『埴谷雄高――夢みるカント』(再発見 日本の哲学、講談社、2010年) '11/04/15
シリーズ「再発見 日本の哲学」、菅野覚明熊野純彦 責任編集、日本の近代思想を読みなおす!






人気ブログランキングへ


本「株とは何か 市場・投資・企業を読み解く (講談社選書メチエ502)」山本昌弘5

ブログネタ
読んだ本♪ に参加中!
株とは何か 市場・投資・企業を読み解く (講談社選書メチエ)
株とは何か 市場・投資・企業を読み解く (講談社選書メチエ502)

○著者: 山本昌弘
○出版: 講談社 (2011/6, 単行本 256ページ)
○価格: 1,680円
○ISBN: 978-4062585057
クチコミを見る



ガバナンス⇒統治 governance

かなり夏バテ(フツーにバテるでしょ、尋常ではいられない、まだまだつづくよ日本の夏、ぼちぼちいきまひょ♪)・・・・・・


高度発達したファイナンス技術は、活発な企業活動を促すとともに、リーマン・ショックのような資本市場の暴走にも帰着する。また、破綻した企業の再生やベンチャー育成、社会にとってよりよい企業を育てるSRI(社会的責任投資)を実現させられるのも株の力によるものである。ファイナンス[企業の資金調達や投資]とガバナンス[企業をいかに統治するか]――株式の持つ相克する本質を掴み、市場社会の諸問題を基底から思考する!


≪目次: ≫
まえがき (二〇一一年四月 山本昌弘)
第1章 株とは何か    1 ファイナンスのための株(株とノーベル経済学賞/投資の二重構造/株はハイリスクでハイリターン/社債とローンの違いは/実は最後の資本調達手段/経営者は株の重要性を低下させる)/2 ガバナンスのための株(コーポレート・ガバナンスと新制度派経済学/株式会社を規定する会社法/ドイツ法から英米法へ/株を上場するということ/増資によって株主責任は希薄化する)/3 ファイナンスとガバナンスの相克――本書の構成
第2章 株式会社と資本市場の歴史的発展    1 準則主義+産業革命+証券取引所=近代株式会社(勅許会社として興隆した英国東インド会社/産業革命がもたらした準則主義/株式を売買するための証券取引所の設立)/2 コーポレート・ガバナンスをどう設計するか(現代株式会社における支配とコーポレート・ガバナンス/バーリとミーンズの経営者支配論/ガルブレイスのテクノストラクチャーと委員会設置会社/労使同権によるドイツ企業のガバナンス/常務会と監査役による日本企業のガバナンスは有効か/会社が会社を所有すると経営者支配になる/経営者は株主の忠実なエージェントたりうるか)/3 資本市場制度の国際政治経済学(進展する資本市場の国際統合/ファイナンシャル・ゲートキーパーとしての公認会計士/セルサイドとバイサイドの証券アナリスト/格付会社は何を格付するのか/アメリカを規範とする日本のファイナンシャル・ゲートキーパー)
第3章 現代ポートフォリオ理論の展開――デリバティブへの道    1 部分均衡理論としてのMM理論(実務に不可欠なミクロ経済学の知識/割引現在価値の考え方/配当割引モデルと最適資本構成/株式と負債の無差別性――MMの第一定理/配当とキャピタル・ゲインの無差別性――MMの第二定理/MM理論を覆す税の影響)/2 CAPM――部分均衡から一般均衡へ(分散投資の基礎を作ったポートフォリオ選択理論/最も重要なたった一つの影響力を抽出したCAPM/ベータを活かした加重平均資本コストによる投資決定/株価は効率的資本市場でランダムウォークする)/3 精緻化する金融工学とデリバティブ(大阪堂島に端を発する先物取引/権利を売買するオプション取引/市場価格を作るブラック・ショールズのオプション方程式/キャッシュフローを交換するスワップ取引/現代ポートフォリオ理論についてまとめると)
第4章 株式投資のメカニズム    1 企業価値に基づくファンダメンタル分析(『会社四季報』を使いこなす/会社情報を理解する/ファンダメンタル分析の中心はROE/株価分析の基本指標PER/キャッシュフロー情報を活用する/フリー・キャッシュフローの潤沢な会社は)/2 M&Aのための株式投資(企業が行うM&A投資/トービンのQとPBRによるM&A評価/TOBによる敵対的M&A/M&Aの相手を利用するLBO)/3 心理学に基づく行動ファイナンス(ヒューリスティックスに起因するバイアス/近視眼的なフレーム依存性仮説/アルファを生じさせる資本市場の非効率性/チャートを利用したテクニカル分析)
第5章 資本市場は暴走する    1 繰り返されるバブルと金融危機(ニュートンも大損した英国の南海会社バブル/アメリカ発、世界金融恐慌/財テクに踊った日本のバブル経済/資本市場を欺いたアメリカ不正経理事件/インサイダー化していたファイナンシャル・ゲートキーパー/システミック・リスクを招いたリーマン・ショック/サブプライム・ローン問題は、証券化問題/ここでも、デリバティブが/さらに格付や会計監査の問題も)/2 暴走する資本市場を制御する(SECとIOSCOによる監視/不正経理事件に対処する企業改革法/リーマン・ショックに対処する金融規制改革法)/3 資本市場の不確実性理論(アニマル・スピリットで乗り越える不確実性/「株式投資は美人投票である」/ミンスキーの金融不安定仮説/コーポレート・ガバナンスからマーケット・ガバナンスへ)
第6章 社会のためのファイナンス    1 株式上場を促進するベンチャー・ファイナンス(株を会社のために役立てる/容易になった会社設立/ベンチャー企業を設立する/ベンチャー・キャピタルによる支援政策/株式上場してキャピタル・ゲインを実現させる/グローバル企業に不可欠な国際ファイナンス)/2 破綻企業を救う事業再生ファイナンス(企業再生ではなく事業再生/融資中心の事業再生ファイナンス/事業再生ファイナンスの事例/事業再生ファイナンスの意義/自力再生かM&Aか/国策会社JALの破綻/政府主導によるJAL再生)/3 「良い会社」を育てるSRI(倫理に基づくSRI/SRIの基礎となるCSR/SRIを実践しよう/平時の株、有事の株)

参考文献


≪著者: ≫ 山本昌弘 (やまもと・まさひろ) 1960年奈良県に生まれる。同志社大学商学部卒業、京都大学大学院経済学研究科博士後期課程中退。明治大学商学部教授。博士(商学)。専攻は国際会計論、国際ファイナンス。主な著書に、『会計とは何か』(講談社選書メチエ)、『戦略的投資決定の経営学』(文眞堂)、『会計制度の経済学』(日本評論社)、『実証会計学で考える企業価値と株価』(東洋経済新報社)など。






人気ブログランキングへ



本「フラ語動詞、こんなにわかっていいかしら?」清岡智比古5

ブログネタ
読んだ本♪ に参加中!
フラ語動詞、こんなにわかっていいかしら?
フラ語動詞、こんなにわかっていいかしら?  Les verbes du français, si faciles à apprendre...

○著者: 清岡智比古
○出版: 白水社 (2002/5, 単行本 142ページ)
○価格: 1,575円
○ISBN: 978-4560002759
クチコミを見る



およそモノゴトにはなにごとにもルールというのかきまりごとみたいなものがあって、もちろん例外もあるだろうけど、まずは覚えて、必要最低限のことは有無を言わさず暗記するよりほかに方法はないんだろうけど、それから、どうなんだろう、時間を労力を費やして費やしてじっくりコツコツコツコツ


このフランス語動詞活用表、なんとオール読み仮名つき! 活用した形すべてを完全インデックス。原形・意味・読み方、すぐに検索! 覚え方のコツ伝授コーナー&発音の手引をプラス。


≪もくじ: ≫
今、本屋さんで立ち読みをしているあなたへ

さがしたい動詞はどれ? 活用形(アルファベット順)から検索! フラ語動詞・さくいん

フラ語動詞 スッキリ解説    動詞ってナニ?/これが「―er」動詞だ!/不規則動詞はこう覚えろ!/フラ語、発音のポイント/過去分詞について

[活用表PART1] 最重要動詞70    1 acheter 買う アシュテ/2 aimer 愛する エメ/3 aller 行く アレ/4 appeler 呼ぶ アプレ/5 apporter もってくる アポルテ/6 apprendre 学ぶ アプランドル/7 arriver 到着する アリヴァ/8 attendre 待つ アタンドル/9 avoir 持つ アヴォワール/10 boire 飲む ボワール/11 chanter 歌う シャンテ/12 chercher さがす シェルシェ/13 choisir 選ぶ ショワジール/14 commencer 始める、始まる コマンセ/15 comprendre 理解する コンプランドル/16 connaître 知っている コネートル/17 coûter (値段が)…だ クーテ/18 danser 踊る ダンセ/19 déjeuner 昼食をとる デジュネ/20 demander 尋ねる、たのむ ドゥマンデ/21 descendre 下りる デサンドル/22 devoir …ねばならない ドゥヴォワール/23 dîner 夕食をとる ディネ/24 dire 言う ディール/25 donner 与える ドネ/26 dormir 眠る ドルミール/27 écouter 聞く エクテ/28 écrire 書く エクリール/29 entendre 聞こえる アンタンドル/30 entrer 入る アントレ/31 envoyer 送る アンヴォワイエ/32 être 在る、…である エートル/33 faire 作る、する フェール/34 falloir …が必要だ ファロワール/35 fermer 閉める フェルメ/36 finir 終える、終わる フィニール/37 habiter 住む アビテ/38 inviter 招く アンヴィテ/39 jouer 遊ぶ、演じる ジュエ/40 lire 読む リール/41 manger 食べる マンジェ/42 marcher 歩く マルシェ/43 mettre 置く、着る メットル/44 monter 上る モンテ/45 ouvrir 開ける ウーヴリール/46 parler 話す パルレ/47 partir 出発する パルティール/48 passer 通る、すごす パッセ/49 pensser 考える パンセ/50 pleurer 泣く プルレ/51 pleuvoir 雨が降る プルヴォワール/52 pouvoir …できる プーヴォワール/53 prendre 食べる、飲む、買う プランドル/54 préparer 準備する プレパレ/55 regarder 見る ルガルデ/56 rentrer 帰る ラントレ/57 rester とどまる レステ/58 réussir 成功する レユシール/59 s'appeler …という名前である サプレ/60 savoir 知っている サヴォワール/61 sortir 外出する ソルティール/62 téléphoner 電話する テレフォネ/63 tourner 曲がる トゥルネ/64 travailler 働く、勉強する トラヴァイエ/65 trouver 見つける トルーヴェ/66 vendre 売る ヴァンドル/67 venir 来る ヴニール/68 visiter 訪れる ヴィジテ/69 voir 見る ヴォワール/70 vouloir 欲する ヴーロワール

[活用表PART2] 重要動詞40    1 acheter 買う アシュテ(同型:achever, lever, mener, promener, soulever)/2 aimer 愛する エメ(同型:―er 動詞)/3 aller 行く アレ/4 appeler 呼ぶ アプレ(同型:jeter, rappeler)/5 s'asseoir 座る サソワール/5 s'asseoir(別形) 座る サソワール/6 attendre 待つ アタンドル(同型:descendre, entendre, perdre, rendre, répondre)/7 avoir 持つ アヴォワール/8 boire 飲む ボワール/9 commencer 始める、始まる コマンセ(同型:annoncer, avancer, forcer, lancer, placer)/10 connaître 知っている コネートル(同型:apparaître, disparaître, paraître, reconnaître)/11 courir 走る クーリール(同型:accourir, parcourir)/12 croire 思う クロワール/13 devoir …ねばならない ドゥヴォワール/14 dire 言う ディール/15 écrire 書く エクリール/16 envoyer 送る アンヴォワイエ/17 être 在る、…である エートル/18 faire 作る、する フェール(同型:défaire, satisfaire)/19 falloir …が必要だ ファロワール/20 finir 終える、終わる フィニール(同型:choisir, obéir, réussir)/21 lire 読む リール(同型:élire)/22 manger 食べる マンジェ(同型:changer, déranger, nager, obliger, partager, voyager)/23 mettre 置く、着る メットル(同型:admettre, commettre, permettre, promettre, remettre)/24 mourir 死ぬ ムーリール/25 naître 生まれる ネートル/26 ouvrir 開ける ウーヴリール(同型:couvrir, découvrir, offrir, souffrir)/27 payer 支払う ペイエ/27 payer(別形) 支払う ペイエ(同型:essayer)/28 plaire …の気に入る プレール(同型:déplaire, (se)taire)/29 pleuvoir 雨が降る プルヴォワール/30 pouvoir …できる プーヴォワール/31 prendre 食べる、飲む、買う プランドル(同型:apprendre, comprendre, surprendre)/32 répéter 繰り返す レペテ(同型:céder, considérer, espérer, pénétrer, posséder, préférer)/33 rire 笑う リール(同型:sourire)/34 savoir 知っている サヴォワール/35 sortir 外出する ソルティール(同型:dormir, partir, sentir, servir)/36 suivre ついていく スュイーヴル(同型:poursuivre)/37 venir 来る ヴニール(同型:devenir, obtenir, (se)souvenir, tenir)/38 vivre 生きる ヴィヴル(同型:survivre)/39 voir 見る ヴォワール/40 vouloir 欲する ヴーロワール


装丁・活用表レイアウト 白畠かおり
本文イラストレーション 石原昭男


≪著者: ≫ 清岡智比古 (きよおか ともひこ) 上智大学大学院博士課程修了。法政大学、明治大学講師(を経て、明治大学理工学部准教授)。主要著書、『おいしいフランス語』、『パリ24時間』(共著)。
ブログ→http://tomo-524.blogspot.com/

清岡智比古 『フラ語練習、楽しいだけじゃだめかしら?  Les exercices de francais, utiles et excitants 』(白水社、2005年) '11/07/09
清岡智比古 『フラ語デート会話、恋ってどんなものかしら?  Le te donne un rendez-vous. Un rendez-vous pour la vie...... 〈CD付〉』(白水社、2007年) '11/06/30
清岡智比古 『フラ語入門、わかりやすいにもホドがある!  Les regles du francais, si faciles a apprendre... 〈CD付・改訂版〉』(白水社、2009年) '11/06/24





人気ブログランキングへ




本「農耕社会の成立 (シリーズ日本古代史1、岩波新書1271)」石川日出志5

ブログネタ
読んだ本♪ に参加中!
農耕社会の成立〈シリーズ 日本古代史 1〉 (岩波新書)
農耕社会の成立 (シリーズ日本古代史1、岩波新書1271)

○著者: 石川日出志
○出版: 岩波書店 (2010/10, 新書 256ページ)
○価格: 840円
○ISBN: 978-4004312710
クチコミを見る




にっぽんの夏は、キンチョウ(金鳥)の夏♪、蚊取線香のにおいがぼくはきらいではなくって、どこでだったか、大学の旧い校舎でのことだと記憶しているのだが、昔と言ってしまうほど旧いものではないのであろうけれども、電気に化石燃料に依存することなく、リキッドで電気で虫が寄りつかない、とかではなく、燃え尽きて我が身?!を燃やしてシンプルに、たしかににおいには好き嫌いの問題があって、好きな人がいればモチロン嫌いだと感じる人も少なからずいるであろう、ぼく自身が蚊取線香臭くなったらイヤだなぁ、とか考えて、じゃぁ加齢臭は?、外で炎天下での仕事に励んだ後の汗の臭いはどうなんだろう??!、とか考えるには、おのずと限界みたいなものがそこには歴然と存在して立ち塞がって避けることはできないね、ということは、気にしてもシカタガナイ(絶対的には回避することができない不可能性?!)、ゆえに、気にしなくてもイイ!!?、で、ニッポンノナツ♪


「海を越えてやってきた渡来人が、縄文人にかわり、西日本を中心に新しい文化を築いた」という一般的な弥生時代のイメージ。しかし、稲作の導入を契機とする日本列島の歴史の大きな分岐点は、もっと緩やかにして多様なものであった。縄文から弥生への連続性と、地域文化の豊かさに注目しつつ、「複線」としての歴史像を新鮮に描きだす。


≪目次: ≫
はじめに――三つの道筋から日本列島をみる
地図「弥生時代および同時代の主な遺跡」

第一章 発掘された縄文文化
1 「日本列島の歴史」のはじまり    旧石器時代への扉 何時代とみるか? 新しい調査・研究方法の登場 前・中期旧石器捏造事件 どこから日本列島へ 石器をつくる技術 地域ごとの違い 食料資源は何か
2 移動から定住へ    縄文時代の成立 土器の出現 定住のはじまり 生活の季節性 農耕は行われたか?
3 集落と相互の交流    環状集落 物資の広域流通 縄文時代の範囲
4 縄文時代はなぜ終わったか    分散化する後・晩期の集落 儀礼の複雑化 食料獲得の多角化 縄文時代の終焉と朝鮮半島

第二章 弥生時代――稲作のはじまり
1 「初めに板付ありき」    「弥生式時時代」から「弥生時代」へ 「初めに板付ありき」 縄文時代の稲作?
2 米はどこから来たか    稲作の起源地 稲作伝来ルート 初期水田の二つのタイプ
3 稲作と米食の技術    水田の造成と集落間協業 水田耕作と田植え 収穫から貯蔵へ
4 生業の複合性    コメ以外の植物質食料 漁撈の変質
5 「弥生時代」を定義する    弥生時代になって現われた諸事象 はじまりの基準は灌漑稲作 終わりの基準は古墳の成立

第三章 弥生社会の成長――地域ごとの動き
1 大陸からきた文化要素    縄文文化と弥生文化 人骨から見た縄文/弥生
2 弥生集落の成長――北部九州    北部九州の縄文/弥生 継続する弥生集落 吉野ヶ里集落の重要性
3 集団間・集団内格差の拡大――北部九州    考古学者はなぜ墓が好きなのか 有力者層の出現 青銅器とその鋳造 鉄器も出現 三雲南小路と須玖岡本 「王墓」という評価
4 銅鐸祭祀の発達――近畿周辺    稲作技術の東方波及 拠点集落の象徴的建物 銅鐸の鋳造 銅鐸の役割 九州との違い
5 環濠の採用――中部・関東    縄文から弥生へ 突如出現する本格的農耕集落 北陸や中部高地も
6 色濃い縄文の伝統――東北    遠賀川系土器と稲作の受容 水田開発と集落 縄文的祭儀具の終焉 北海道系文化の影響

第四章 弥生文化を取り巻く世界
1 歴史の道の複線化    歴史の分岐点 北海道・沖縄の文化
2 卓越した漁撈の民――北海道続縄文文化    「続縄文」文化とは 見事な銛と漁撈 弥生系文物 開かれた交流
3 サンゴ礁の民――南島後期貝塚文化    海に依存する生活 貝の交易 鉄と貨幣
4 朝鮮半島と東アジア    朝鮮半島の時代区分 青銅器から鉄器へ 東アジアの交流

第五章 生まれいづる「クニ」
1 金印がつたえる世界    『後漢書』の記事から 伊原鑓溝遺跡と桜馬場遺跡 九州最後の弥生「王墓」 『魏志倭人伝』と伊都国 奴国の遺跡群
2 「祭祀」と「墓」の変質    中期拠点集落の終焉 青銅器祭祀終焉のはじまり 墳丘墓・首長墓の出現
3 日本海の「鉄器」文化    青谷上寺地遺跡 北近畿の墳丘墓と武器副葬 青銅器祭祀から墳丘墓へ
4 考古学がみる「邪馬台国    定型的前方後円墳とは 広域連携の形成 纏向型「墳丘墓」 漢鏡分布の急変 中平年銘大刀 そして纏向遺跡 三角縁神獣鏡・大和古墳群・桜井茶臼山古墳 ヤマト王権の形成

おわりに――「弥生時代」を問い直す (二〇一〇年九月 石川日出志)


図版出典一覧
参考文献
略年表「弥生時代をめぐる文化動向や主な遺跡」
遺跡名索引/主要事項索引


≪著者: ≫ 石川日出志 (いしかわ・ひでし) 1954年、新潟県に生まれる。1983年、明治大学大学院文学研究科博士課程中退。明治大学文学部教授。専攻、考古学。著書、『「弥生時代」の発見』(新泉社)、『弥生人のまつり』(共著、六興出版)、『考古資料大観1 弥生・古墳時代土器1』(共著、小学館)、『弥生時代の考古学7』(共著、同成社)ほか。


岡村道雄 『縄文の漆』(ものが語る歴史シリーズ20、同成社、2010年) '11/04/10
岡村道雄 『旧石器遺跡捏造事件』(山川出版社、2010年) '11/04/06
寺沢薫 『王権誕生』(日本の歴史02、講談社学術文庫、2008年) '10/12/17
岡村道雄 『縄文の生活誌』(日本の歴史01、講談社学術文庫、2008年) '10/12/03





人気ブログランキングへ




本「近代哲学の名著 デカルトからマルクスまでの24冊 (中公新書2113)」熊野純彦 編5

ブログネタ
読んだ本♪ に参加中!
近代哲学の名著 - デカルトからマルクスまでの24冊 (中公新書)
近代哲学の名著 デカルトからマルクスまでの24冊 (中公新書2113)

○著者: 熊野純彦 編著、柿本佳美/古田徹也/城戸淳/宮村悠介/馬渕浩二/勢力尚雅/佐々木雄大/鈴木康則/三重野清顕/小林亜津子/島田由紀/木元麻里/荒谷大輔/宮裕助/麻生博之/柏葉武秀/大熊洋行/山蔦真之/神山紗良/矢島壮平/中野裕考/田島卓 執筆
○出版: 中央公論新社 (2011/5, 新書 297ページ)
○価格: 924円
○ISBN: 978-4121021137
クチコミを見る



♪やっぱりボクはタイヤキさ、すこしコゲあるタイヤキさ、、、♪、あぁ、ぼくは「ふどうさんや」で、ふどうさんやとして生きてメシ食って死んでいくんだろうなぁ、とりあえず、それなりのお金が毎月毎月これからもしばらくは、ぼくがみずからの生活をちいさなものにする努力を怠らなかったとしても、そう、お金が必要なんだよ、お金なしではキレイゴトだけでは生きていけないメシは食えない生活できない(すくなくともぼくはそうオモウ)



デカルトカントヘーゲルなど、近代に活躍した哲学者は枚挙に暇がない。だが、この時代の哲学では何が問題だったのだろうか。「私」の発見や知識の確実性、道徳の起源など、さまざまな議論が重層的に連なる西洋近代哲学。この沃野を一望して、本質をつかむのは容易ではないが、そのための最良の手がかりは哲学者の残した書物にあるのだろう。本書では、24篇の古典の論点を丁寧に整理し、近代哲学の全体を展望する。


≪目次: ≫
編集にあたって――近代哲学を展望するひとつのこころみのために    はじめに(本書の構成)/1 近代形而上学(デカルトと「コギト」/スピノザの「神即自然」/バウムガルテンカント)/2 経験論の内外(ベーコンホッブズロック/ロック、ニュートンボイル/ロック、ライプニッツクザーヌスバークリの知識批判)/3 啓蒙の諸様相(ロックとヒューム――利子と地代/ヒュームとスミス――憐憫と共感/コンディヤックルソー――フランス啓蒙思想の光陰)/4 超越論的哲学(カント――ドイツ啓蒙の完成者/経験と、経験に先だつもの/形而上学批判と実践哲学/人格、貨幣、資本)/5 ドイツ観念論(カント哲学の受容と批判/マイモンフィヒテシェリングヘーゲル――真理の生成と、「他なるもの」の存在論)/6 ヘーゲル以降(大森廣松柄谷――バークリとカント、カントとマルクス/シェリングの再登場/フォイエルバッハシュティルナー、マルクス)/おわりに (熊野純彦)

I 「私」への問い
デカルト René Descartes 1596-1650 『方法序説』 Discours de la méthode, 1637    萌芽期の科学的探究から生まれた「方法」/「私は考える、ゆえに私は存在する」という真理/「考える私」とは誰のことか/デカルトのコギトに内在する問題 (柿本佳美)
バークリ George Berkeley 1685-1753 『人知原理論』 A Treatise Concerning the Principles of Human Knowledge, 1710    世界は物質の集合なのか/「物質」とはどのようなものか/世界はここから眺められる/ここではないところからの眺め、あらゆるところからの眺め/法則性と奇跡――神の存在を示すもの/「神の死」以降――色褪せない思考 (古田徹也)
カント Immanuel Kant 1724-1804 『純粋理性批判』I Kritik der reinen Vernunft, 1781/1787    誤謬推理論におけるデカルト批判/ライプニッツの「意識表象 apperception < a+perception」の概念/「統覚 Apperzeption」と「私は考える」/経験的統覚から超越論的統覚へ/統覚の総合的統一による自己意識/生における多と一 (城戸淳)
フィヒテ Johann Gottlieb Fichte 1762-1814 『全知識学の基礎』 Grundlage der gesamten Wissenschaftslehre, 1794    諸学の原理へ/事行としての自我/近代哲学としての知識学/合一点としての構想力/絶対者のほうへ (宮村悠介)
シュティルナー Max Stirner 1806-1856 『唯一者とその所有』 Der Einzige und Sein Eigentum, 1845    〈この私〉への問い/唯一者/普遍への抵抗/自由と所有/力と所有/『唯一者とその所有』の射程 (馬渕浩二)

II 知識の生成論へ
ロック John Locke 1632-1704 『人間知性論』 An Essay Concerning Human Understanding, 1690    分類基準の範型としての一般観念/抽象作業は何のために、どのようになされる作業か?/言葉のプライベートな鋳造所/知識と信念/人格・労働・所有/現代は「象徴の貧困」の時代だろうか? (勢力尚雅)
ライプニッツ Gottfried Wilhelm Leibniz 1646-1716 『人間知性新論』 Nouveaux essais sur l'entendement humain, 1704    モナドの不安/タブラ・ラサと大理石/精神、魂、モナド/観念とは何か、真理とは何か/自己の表出から宇宙の表現へ (佐々木雄大)
コンディヤック Étienne Bonnot de Condillac 1714-1780 『人間認識起源論』 Essai sur l'origine des connaissances humaines, 1746    人は学ぶことができるのだろうか/「偶然的記号 les signes accidentels」、「自然的記号 les signes naturels」から「制度的記号 les signes d'institution」へ/「本能」は言語の獲得を説明するか/「天才 génie」と言語の関係/「天才」が出現する条件とは (鈴木康則)
マイモン Salomon Maimon c.1753-1800 『超越論的哲学についての試論』 Versuch über die Transzendentalphilosophie, 1790    知と存在/所与性の起源/「微分 Differential」と諸対象の生成/規定可能性の原則/「経験論的懐疑主義者」として (三重野清顕)
ヘーゲル Georg Wilhelm Friedrich Hegel 1770-1831 『精神現象学』 Die Phänomenologie des Geistes, 1807    魅力を放ちつづける意識の旅物語/自己形成としての意識の「経験」/絶望を乗り越える意識の自己実現/学知から降ろされた梯子/精神のオデュッセイア/歴史と概念 (小林亜津子)

III 多様性の存在論
クザーヌス Nicolaus Cusanus 1401-1464 『知ある無知』 Docta Ignorantia, 1440    設計図のある世界/クザーヌスの生涯/知ある無知と数学/「否定的に無限なもの」である神と「欠如的に無限なもの」である宇宙と「縮限」/一性と多性/イエス・キリストと人間性 (島田由紀)
ライプニッツ 『形而上学叙説』 Discours de métaphysique, 1846    この世界は最善である?/個体的実体と完全概念/ルビコン河を渡らないカエサル――事実の真理と可能性世界論/身体の実体的実在性――個体的実体からモナドへ/存在の問いと、思考可能なものの多様性 (木元麻里)
ヒューム David Hume 1711-1776 『人性論』 A Treatise of Human Nature, 1739-40    世界は実在しないのか?――極端な懐疑論/感覚的印象の実在/蓋然性と習慣/人為的徳と自然的徳/情念における「印象」の連合 (荒谷大輔)
カント 『判断力批判』 Kritik der Urteikskraft, 1790    特異な個物としての自然への眼差し/判断力とはなにか――規定的判断力と反省的判断力/自然の合目的性という根源的フィクション/「快」の謎――目的論的判断力から美的判断力へ/『判断力批判』という多様性 (宮裕助)
ヘーゲル 『論理学』 Wissenschaft der Logik, 1812-16, 1832    『論理学』を導く課題/「ロゴス」の体系知/「或るもの」と「他なるもの」/同一性と非同一性との同一性 (麻生博之)

IV 近代と形而上学
デカルト 『省察』 Meditationes de Prima Philosophia, 1641    「哲学の木」の比喩に見る形而上学の位置/「欺く神」と「考える私」/神の存在証明と神の誠実さ/感覚的認識の復権/心身の分離から心身合一へ (柿本佳美)
スピノザ Baruch de Spinoza 1632-1677 『エチカ』 Ethica ordine geometrio demonstrata, 1675    世界と真理/超越から内在へ/決定論を超える必然主義/精神の永続性/世界の真理と私の真理 (柏葉武秀)
バウムガルテン Alexander Gottlieb Baumgarten 1714-1762 『形而上学』 Metaphysica, 1739    美学の「創始者」/美学の定義/外延的明晰性/徴表と無限/調和をもたらす技術/美学がうながすもの (大熊洋行)
カント 『純粋理性批判』II Kritik der reinen Vernunft, 1781/1787    「理性批判」の終極点へ/魂、世界、神/世界から神へ/概念、存在、実在性/理性の深淵へ (宮村悠介)
シェリング Friedrich Wilhelm Joseph Schelling 1775-1854 『人間的自由の本質』 Philosophische Untersuchungen öber das Wesen der menschlichen Freiheit und die damit zusamennhängenden Gegenstände, 1809    神の概念/全能の神/神の内なる「根拠」/さかさまの神/受難する神 (山蔦真之)

V 共同性の倫理学
ルソー Jean-Jacques Rousseau 1712-1778 『言語起源論』 Essai sur l'origine des langues, 1781    理想的な言語のあり方とは/自然状態の孤立の原理/真の言語は家庭に起源を持たない/言語の起源は情念にある/南方言語の賛美/精神の自発的な結びつき (神山紗良)
スミス Adam Smith 1723-1790 『道徳感情論』 The Theory of Moral Sentiments, 1759    道徳判断とは何か?/行為の適切さと不適切さ/行為の功績と罪過/「称賛への愛 love of praise」と「称賛に値することへの愛 love of praise-worthiness」/道徳の一般規則 general rules of morality/なぜ道徳判断を下すのか? (矢島壮平)
カント 『実践理性批判』 Kritik der praktischen Vernunft, 1788    義務、必然性、自由/意思の実質、確率の形式/道徳性と自由/理性の事実/行為の動機と目的/人間にとっての道徳性 (中野裕考)
フォイエルバッハ Ludwig Andreas Feuerbach 1804-1872 『将来の哲学の根本革命』 Grundsätze der Philosophie der Zukunft, 1843    神学という人間の疎外/理性主体という新たな自己喪失/存在するものへ/「このもの」への眼差し/「わたし」と「きみ」/三位一体の神 (田島卓)
マルクス Karl Marx 1818-1883 『経済学批判要綱』 Grundrisse der Kritik der politischen Ökonomie, 1857-58    社会中心的思考へ/ロビンソン物語の批判/イデオロギー的な取り違え/社会から説明する/マルクスと現代 (馬渕浩二)

あとがき (二〇一一年四月 熊野純彦)
関連年表
執筆者一覧


≪編者: ≫ 熊野純彦 (くまの・すみひこ) 1958(昭和33)年、神奈川県に生まれる。81年、東京大学文学部卒業。北海道大学助教授、東北大学助教授を経て、東京大学文学部教授。著書、『レヴィナス』(岩波書店)、『ヘーゲル』(筑摩書房)、『差異と隔たり』(岩波書店)、『戦後思想の一断面』(ナカニシヤ出版)、『西洋哲学史全2冊(岩波新書)、『和辻哲郎』(岩波新書)、『現代哲学の名著』(中公新書、編)、『日本哲学小史』(中公新書、編著)、『埴谷雄高――夢みるカント』(講談社)など。訳書、『全体性と無限』全2冊(レヴィナス、岩波文庫)、『共同存在の現象学』(レーヴィット、岩波文庫)。

熊野純彦 『埴谷雄高――夢みるカント』(再発見 日本の哲学、講談社、2010年) '11/04/15
熊野純彦編 『日本哲学小史 近代100年の20篇』(中公新書、2009年) '10/02/04
熊野純彦 『差異と隔たり 他なるものへの倫理』(岩波書店、2003年) '10/01/08
熊野純彦 『ヘーゲル 〈他なるもの〉をめぐる思考』(筑摩書房、2002年) '09/12/30
熊野純彦編 『現代哲学の名著 20世紀の20冊』(中公新書、2009年) '09/12/26
熊野純彦 『レヴィナス入門』(ちくま新書、1999年) '09/12/09
熊野純彦 『西洋哲学史 近代から現代へ』(岩波新書、2006年) '09/12/04
熊野純彦 『西洋哲学史 古代から中世へ』(岩波新書、2006年) '09/12/01
熊野純彦 『和辻哲郎 文人哲学者の軌跡』(岩波新書、2009年) '09/11/13





人気ブログランキングへ




本「造形の場 (講座日本美術史4)」長岡龍作 編5

ブログネタ
読んだ本♪ に参加中!
講座日本美術史〈第4巻〉造形の場
造形の場 (講座日本美術史4)  “Studies in the History of Japanese Art 4: Sites of Artistic Production and Reception”, Ryusaku NAGAOKA, editor, University of Tokyo Press, 2005

○著者: 長岡龍作 編著、太田昌子/木下直之/海老根聰郎/高橋範子/榊原悟根立研介/加須屋誠/奥健夫/大久保純一 著
○出版: 東京大学出版会 (2005/9, 単行本 353ページ)
○価格: 4,410円
○ISBN: 978-4130840842
クチコミを見る



ようこそ日本美術史へ♪、「場」違いなのは、お呼びでない、お呼びでない、こりゃまたシツレイいたしましたっ、てなグアイで、ある意味では、そもそも「場」に沿った合致した適合した、などと言われるところの「場」って、まぁもっともぼくには縁のないところなのかもしれない、適う人が、結果的にその「場」に適った人が、呼ばれて飛び出てジャジャジャジャ〜〜ン♪


様式論・図像学・図像解釈学という美術史学の方法論の新展開をみたうえで、本巻では、造形と場とのかかわりを探る。それぞれの時代に特有な空間意識と造形の関係、作品の構造そのものを規定する場のあり方と造形の機能、そして造形をとりまく人々――仏師、施主など――、さらには造形の生きる社会について考察する。


≪目次: ≫
刊行にあたって (二〇〇五年三月 編者一同)

 造形の場――「美術」はいかに人間と関わったか (長岡龍作)

第1章 造形の居場所
仏像をめぐるいとなみ――上代法隆寺を場として考える
 (長岡龍作)    1 はじめに/2 仏像の銘文とその意義――法隆寺金堂釈迦三尊光背銘の再検討(法隆寺金堂釈迦三尊光背銘/知識と邑義/奉為の造像)/3 天平時代法隆寺における仏像の「伝承」と「再定義」(伝承/再定義)/4 おわりに
花鳥の居場所――西本願寺書院のイメージ・システムを中心に (太田昌子)    1 ジャンルの階層性(ジャンルを横並びにみる/「美術鑑賞」の文化/絵画は「場所」の文化/ハイ・カルチュアと基層文化/皇帝コレクションの記録『宣和画譜』とジャンルのヒエラルキー/西本願寺の書院に中国五代の簿廟から光を当てる)/2 儀礼の場におけるジャンルの交差(二つの儀礼空間を比較する/西本願寺の大広間――対面儀礼の空間装置/王処直墓の前室――葬送儀礼の空間装置/儀礼の場の求心的構造――王処直墓では中核に山水/対面儀礼のなかの絵の居場所――大広間の花鳥をどう位置づけるか/西本願寺大広間の求心的構造――核心に中国故事人物図)/3 建築空間のなかの「図」と「地」――花鳥はどこに?(ジャンルの交差とその立体化の仕掛け/儀礼の場に儀礼の主題――商山四皓図の意味と働き/絵は場所を「イメージづけ」する/人物か花鳥か――「イメージづけ」とジャンルのヒエラルキー/求心的構造のなかで中国故事人物図をフレーミング/花鳥というジャンルの特異な「場」の作り方/「図」を引き立てる「地」の働き/花鳥は「場所」に貼りつき、「場所」に精気を吹き込む)/4 西本願寺書院のイメージ・システムと「地」をなす花鳥の多元的な広がり(イメージ・システムの外縁部で動くもの/ハイ・カルチュアにおけるモノクロームの優位/複合的イメージづけによる格差の可視化/「地」をなす花鳥の位置/多元的な花鳥の広がり)
殿様の銅像 (木下直之)    1 手も足もない肖像/2 偉人の俤――亀井茲藍像/3 公園と銅像――西郷隆盛像・井伊直弼像

第2章 造形と個別の磁場
頂相管窺――成立をめぐって
 (海老根聰郎)    1 日本における頂相理解(近代以前/近代)/2 頂相の成立(頂相前史/名称の始まり/新語としての頂相/嗣法・伝承と頂相/造形)
詩画軸の構造と場――杜甫の詩意図をめぐって (高橋範子)    1 五山文化――禅僧と漢詩文学/2 「詩画軸」前史――義堂周信の文雅と杜詩/3 文雅の気運――元末の禅林文化への憧れ/4 応永の詩画軸「柴門新月図」/5 詩画軸の展開――禅僧がそこに何を見たか/6 詩画軸とは
屏風=儀礼の場の調度――葬送と出産を例に (榊原悟)    1 葬送の場で(逆さに立てる/様ことに立てる/裏返して立てる/絵方を外になす)/2 出産の場で(自絵屏風/白綾屏風)

第3章 造形の生きる社会
院政期の僧綱仏師をめぐる仏像制作の場――仏師賢円を中心にして
 (根立研介)    1 はじめに/2 仏像制作の場/3 仏師賢円とは/4 「家貧無貯」、仏師法印賢円は何を要求したのか/5 結び
ジェンダー論――地獄に堕ちた女たち (加須屋誠)    1 はじめに/2 病気にかかった女/3 死んでしまった女/4 地獄に落ちた女/5 おわりに
生身仏像論 (奥健夫)    1 はじめに――四体の生身仏像/2 清涼寺釈迦像の造立と日本における反応/3 霊場の成立と生身仏像の秘仏(あるいは納入品)化/4 裸形着装像/5 像内への舎利納入/6 仏三十二相の付与/7 おわりに
錦絵の制作と流通 (大久保純一)    1 錦絵の大衆性/2 錦絵の制作過程/3 錦絵の販売/4 錦絵制作の舞台裏


掲載図版一覧


≪編著者: ≫ 長岡龍作 (ながおか・りゅうさく) 1960年生まれ。東北大学大学院文学研究科教授。著書、『世界美術大全集 東洋篇 五代・北宋・遼・西夏』(共著、小学館)、『文化史の構想』(共著、吉川弘文館)。

≪著者: ≫ 太田昌子 (おおた・しょうこ) 1944年生まれ。金沢美術工芸大学芸術学部教授。著作、『絵は語る9 松島図屏風』(平凡社)、『日本の時代史13 天下統一と朝鮮侵略』(共著、吉川弘文館)。
≪著者: ≫ 木下直之 (きのした・なおゆき) 1954年生まれ。東京大学大学院人文社会系研究科教授。著書、『美術という見世物』(筑摩書房)、『世の途中から隠されていること』(晶文社)。
≪著者: ≫ 海老根聰郎 (えびね・としお) 1938年生まれ。東京藝術大学美術学部教授。著書、『元代道釈人物画』(東京国立博物館)、『日本の美術333 水墨画――黙庵から明兆へ』(至文堂)。
≪著者: ≫ 高橋範子 (たかはし・のりこ) 1957年生まれ。正木美術館。著書、『水墨画にあそぶ』(吉川弘文館)、『禅と天神』(共著、吉川弘文館)。
≪著者: ≫ 榊原 悟 (さかきばら・さとる) 1948年生まれ。群馬県立女子大学文学部教授。著書、『美の架け橋』(ぺりかん社)、『日本絵画の見方』(角川書店)。 
≪著者: ≫ 根立研介 (ねだち・けんすけ) 1956年生まれ。京都大学大学院文学研究科教授。著書、『日本彫刻史基礎資料集成 鎌倉時代造像銘記篇』(共編、中央公論美術出版)、『日本の美術452 彫刻の保存と修理』(至文堂)。
≪著者: ≫ 加須屋 誠 (かすや・まこと) 1960年生まれ。奈良女子大学文学部助教授。著書、『仏教説話画の構造と機能』(中央公論美術出版)、『美術史と他者』(共編、晃洋書房)。
≪著者: ≫ 奥 健夫 (おく・たけお) 1964年生まれ。文化庁文化財部美術学芸課。論文、「清涼寺・寂光院の地蔵菩薩像と『五境の良薬』――像内納入品論のために」(『佛教藝術』234号)。
≪著者: ≫ 大久保純一 (おおくぼ・じゅんいち) 1959年生まれ。国立歴史民俗博物館研究部助教授(を経て、同教授)。著書、『浮世絵の観賞基礎知識』(共著、至文堂)、『日本の美術366 豊国と歌川派』(至文堂)。
 

佐藤康宏 編著 『講座日本美術史 第3巻 図像の意味  Studies in the History of Japanese Art 3: Iconology』(長岡龍作/泉武夫/相澤正彦/板倉聖哲/須藤弘敏/中島博/浅野秀剛/奥平俊六/成澤勝嗣 著、講座日本美術史、東京大学出版会、2005年) '11/06/29
板倉聖哲 編著 『講座日本美術史 第2巻 形態の伝承  Studies in the History of Japanese Art 2: Transmission and Transformation of Froms』(井手誠之輔/根立研介/河野元昭/藤岡穣/相澤正彦/武田光一/佐藤康宏/島尾新/玉蟲敏子 著、講座日本美術史、東京大学出版会、2005年) '11/06/26
佐藤康宏 編著 『講座日本美術史 第1巻 物から言葉へ  Studies in the History of Japanese Art 1: From Objects to Words』(有賀祥隆/田邉三郎助/島尾新/山本勉/林温/川本桂子/松原茂/黒田泰三/塚原晃 著、講座日本美術史、東京大学出版会、2005年) '11/06/07





人気ブログランキングへ




本「成熟する江戸 (日本の歴史17、講談社学術文庫1917)」吉田伸之5

ブログネタ
読んだ本♪ に参加中!
成熟する江戸 日本の歴史17 (講談社学術文庫)
成熟する江戸 (日本の歴史17、講談社学術文庫1917)

○著者: 吉田伸之
○出版: 講談社 (2009/11, 文庫 408ページ)
○価格: 1,260円
○ISBN: 978-4062919173
クチコミを見る



七月の風を、ジッサイには照りつける太陽の下を無防備のままにおよそ三時間ちかくもかち(徒歩)したならば(オシゴトオシゴトオシゴトオシゴト雇用を報酬の獲得を持続させるためとあらばおよそなんでもするよ)、ぼくのけっしてたかくはない(どちらかといえばひくく、まっすぐではなく、そして上を向いている)鼻の頭は赤く、疲労感?!はなかなかとれない抜けない



十八世紀、社会的成熟をとげた「江戸」。それは豪商などが君臨する上層から貧しい乞食(こつじき)=勧進層や芸能者が身分的周縁を形作った最下層まで、様々な階層が溶け合う小宇宙たる大都市だった。そのさまを現代に伝える絢爛絵巻の内実とは何か。また、人々の営みやネットワークとはどのようなものか。前近代の達成である成熟の諸相をミクロの視点から描き出す。


≪目次: ≫
第一章 十八世紀、通史から全体史へ    1 通史と全体史 (「成熟」を描く――通史とは/全体史と社会的結合/全体史と「重層と複合」論/社会的権力と分節構造)/2 十八世紀の政治過程 (赤穂事件から伊能忠敬まで/静まる国際情勢/十八世紀の中央政治史――家宣家継期/吉宗政権期=享保改革家重家治期(宝暦天明)と田沼政治/家斉政権初期=寛政改革)/3 秩序構造――支配身分 (将軍家――多様な身分の頂点/大名――幕府と似た支配機構をもつ武家/旗本御家人――名家から「組の者」まで/朝廷社会――天皇家と公家/僧侶――四十六万の寺院)/4 秩序構造――民間社会 (在地社会――村と百姓/都市社会――町と町人/六万三千の村、一万の町/仲間と組合――町・村とは異なる共同組織/社会的権力と身分的周縁/本書の構成)/5 『熙代勝覧』の世界 (繁栄する江戸を描く/町並みを上空から俯瞰/表店と振売り/雛市のにぎわい/道行く魚屋、大道舂、太神楽、そして読売り/巨大な三井越後屋の店舗/市場周辺の大にぎわい/“成熟”のリアルなイメージ)
第二章 社会的権力――豪商と町    1 「社会的権力」とは何か (地域社会と社会的権力/村方地主――在地社会の社会的権力/大店――都市域の社会的権力/本章の構成――三井越後屋の確立過程)/2 超大店・三井越後屋 (三井の各家と店舗/三井越後屋以前――高安から殊宝まで/高利の三人の兄/高利と三井越後屋の誕生/本町一、二丁目店/店前売/前売と町売・脇売/「下店」と前売/呉服仲間からの営業妨害を乗り切る/両替屋の集まる駿河町へ/三井、両替業にも携わる/三井の窮状を救った男伊達/拝領町屋敷を買い取る/二つの幕府御用を務める/高利の遺産/日本第一の家徳/売場のセクション/手代と子供――前売の単位/「兄弟一致」で永続を願う)/3 町と大店――京都冷泉町 (三井本店の京都仕入れ店/京都の町についての稀有な史料/冷泉町文書との出会い/有力商人が預かった町有文書/町のスケール/十六世紀末は零細な手工業者の町/土地売買の急増と有力商人の登場/超大店の出現/初期町人の残映/若者が町から出奔した/冷泉町の古い町人十一屋の家系/十一屋は弁太郎のものに/弁太郎出奔の真相は/発見された妖怪封じの鎮札/祈祷者に説諭された妖怪/妖怪の怨念を金銭で封じこめる/「妖怪の難」がある井筒屋の町屋敷を借地/木嶋神社を取り込んだ三井/現代に蘇った妖怪)
第三章 身分的周縁――勧進と芸能    1 近世社会を構成する「身分的周縁」 (士農工商の身分枠に収まらない人々/百姓と職人――近世民衆の基幹的な身分/商人――身分社会における異端/日用――一日単位の労働者/乞食=勧進層――他者からの施しを乞う/芸能者――乞食=勧進層から派生/身分的周縁と十八世紀/本章の構成――最底辺の実態解明)/2 願人坊主――僧侶か乞食か (子供がにらみおろす僧形の男/芸能を生業とする/源義経のお供の僧を由来とす/触頭――願心集団のリーダー/願人と乞食坊主との違いは何か/古刹にあった願人の記録/鞍馬寺が願人を認定し礼銭を徴収/触頭から下願人まで――願人仲間の構造/町家の裏店に居住/三井抱屋敷に願人が居住した――橋本町/御家人の町屋敷に住んだ願人――下谷山崎町/願人の職分 宗十す坿進/女願人は存在したか/願人の職分◆宗修阿貊彪弍帖心蠖与頭動詞の主導権争い/後任候補への正反対の人物評/先代触頭に「法師僧正」位を願い出た/財産を継承するイエ集団の存在/江戸の「繁花」に寄生した願人たち/家、財産、法をもつ共同組織を達成/願人の門付け芸が生んだスター)/3 乞胸――特異な芸能者集団 (浪人に発するそのルーツ/乞胸の家業は十二種/乞胸仲間の構造――頭が手下から札銭を徴収/非人頭が乞胸を“支配”/浅草寺での芸能者の争いの記録/乞胸頭の支配をきらう下級芸能者/「売薬渡世」と乞胸のちがい/浅草寺境内に位置する見世・小屋/幕府公認の芝居と未公認の宮地芝居/三座に準じそこねた江戸七太夫座/「三座」とは別流のオデデコ芝居/采女ケ原でも興行された香具芝居/寄席――町家で催された芸能/文化・文政期、寄席は乞胸頭に認知される/寄席への大弾圧と復活/新たな民衆文化の形成へ/民衆文化の化石化を超えて)
第四章 市場に集う人々    1 商人と市場社会 (民間社会と小経営/問屋――売場と金融/仲買――産地と消費地での売買に携わる商人/小売――商人の本源的形態/社会的権力としての市場社会)/2 青物市場と薩摩芋 (日本最大の青物市場/市場と散在問屋/八ケ所組――地域の問屋仲間/駒込市場と市場仲間/山方荷主と仲買の売買/仲買と小売商人の売買/御用品確保が問屋経営の鍵/御用システムの確立/水菓子の御用と納入/特化品目の御用システム――慈姑の場合/水菓子の特化品目と御用/卵と乾物も青物役所下に/特異な品目だった薩摩芋/文化度の議定――芋売買のとりきめ/山方が御用芋を直納/芋問屋仲間結成をめぐる争い/芋荷の運送をめぐる争い/焼芋が庶民の主食に/八百屋と現代社会)/3 魚市場内部を探る (四つの魚市場と九組の魚問屋仲間/日本橋――魚河岸と売場/新肴場――創出された魚市場/四日市――塩干魚の市場/芝雑魚場――東海道筋の市場/御用システムで高級魚を大量に消費/魚問屋と浜方の関係/新肴場の成立と浜方/幕府の資金で新肴場付浦に/隠売買と脇売がくり返される/「日本橋魚市」図/板舟権をもたない仲買/板舟のひろがる範囲が魚市場/安針町にも板舟は並ぶ/室町一丁目の出商人への規定/品川町裏河岸――鮮魚市場の周縁/塩干魚の出商人――売場の利権をめぐる争い/深川・築地の「肴屋」と七組の争い/市場社会のゆれ動き/近世から伝わる魚市場のざわめき)
第五章 江戸の小宇宙    1 広場と境内 (居所と分離した空間/江戸橋広小路――錯綜する利権/四日市の塩干魚市場――二重の空間構造/塩干魚という特性/前栽物と蜜柑を季節ごとに扱う/棒手振が通った市場――民衆的位相 深禺圓板火消の喧嘩――民衆的位相◆森場――経済、遊興、文化の成熟の集約点)/2 十八世紀社会の達成と歴史の「最深宇宙像」 (近世社会の全体像へ――外圧の動き/宝暦〜天明期の社会状況――民衆世界と権力/文化状況――民間社会が発信源に/歌舞伎や出版文化の隆盛/ミクロコスモスと全体史/歴史の「最深宇宙像」/社会の分節的な把握/社会的権力と地域/十八世紀と「成熟」)

学術文庫版あとがき (二〇〇九年九月 吉田伸之)

江戸市街図
年表 (1701年・元禄14年〜1800年・寛政12年)
参考文献
索引


編集委員 網野善彦大津透鬼頭宏桜井英治山本幸司


※本書の原本は、二〇〇二年、小社より刊行されました。


≪著者: ≫ 吉田伸之 (よしだ のぶゆき) 1947年生まれ。東京大学大学院人文科学研究科修士課程修了。東京大学大学院人文社会系研究科教授。専門は日本近世史。主な著作に『近世巨大都市の社会構造』『近世都市社会の身分構造』『巨大城下町江戸の分節構造』『身分的周縁と社会=文化構造』『21世紀の「江戸」』などがある。


横田冬彦 『天下泰平 (日本の歴史16)』(講談社学術文庫、2009年) '11/06/19
池上裕子 『織豊政権と江戸幕府 (日本の歴史15)』(講談社学術文庫、2009年) '11/05/26
大石直正/高良倉吉/高橋公明 『周縁から見た中世日本 (日本の歴史14)』(講談社学術文庫、2009年) '11/05/07
久留島典子 『一揆と戦国大名 (日本の歴史13)』(講談社学術文庫、2009年) '11/04/20
桜井英治 『室町人の精神 (日本の歴史12)』(講談社学術文庫、2009年) '11/04/11
新田一郎 『太平記の時代 (日本の歴史11)』(講談社学術文庫、2009年) '11/03/27
筧 雅博 『蒙古襲来と徳政令 (日本の歴史10)』(講談社学術文庫、2009年) '11/03/15
山本幸司 『頼朝の天下草創 (日本の歴史09)』(講談社学術文庫、2009年) '11/03/04
大津透/大隅清陽/関和彦/熊田亮介/丸山裕美子/上島享/米谷匡史 『古代天皇制を考える (日本の歴史08)』(講談社学術文庫、2009年) '11/02/14
下向井龍彦 『武士の成長と院政 (日本の歴史07)』(講談社学術文庫、2009年) '11/01/29
大津 透 『道長と宮廷社会 (日本の歴史06)』(講談社学術文庫、2009年) '11/01/21
坂上康俊 『律令国家の転換と「日本」 (日本の歴史05)』(講談社学術文庫、2009年) '11/01/12
渡辺晃宏 『平城京と木簡の世紀 (日本の歴史04)』(講談社学術文庫、2009年) '11/01/07
熊谷公男 『大王から天皇へ (日本の歴史03)』(講談社学術文庫、2008年) '10/12/29
寺沢薫 『王権誕生 (日本の歴史02)』(講談社学術文庫、2008年) '10/12/17
岡村道雄 『縄文の生活誌 (日本の歴史01)』(講談社学術文庫、2008年) '10/12/03
網野善彦 『「日本」とは何か (日本の歴史00)』(講談社学術文庫、2008年) '10/11/20





人気ブログランキングへ




本「明るいニヒリズム」中島義道5

ブログネタ
読んだ本♪ に参加中!
明るいニヒリズム
明るいニヒリズム

○著者: 中島義道
○出版: PHP研究所 (2011/5, 単行本 214ページ)
○価格: 1,470円
○ISBN: 978-4569797823
クチコミを見る



月あかりの、夜空を照らす月の「あかるさ」(あかるいさま)というのか、もちろん太陽とは昼間のあかるさとは同じではないのだが、そう、家屋の壁に囲まれた息苦しさみたいなものを、不自然(人工的)?!というのか、違和感と言ってしまうほどのものでもないんだろうけれども、オシリがムズムズと座りが落ち着きが居心地が悪いような、ときに、、、モチロン夜の太陽のない(沈み隠れた)世界(時間帯)は相対的に暗い、すべてのものがハッキリくっきり(視認できる)とはいかないけれども、そもそもハッキリくっきり見える(見る)必要があるのかどうかと考えるには、消極的にではあるがすべてがまるで見えすぎないほうが、程よくほどほどに見えないところがあるくらいのほうが


すべては壮大な、幻想かもしれない。
過去もない。未来もない――。哲学を突き詰めたとき仄見える、清潔であっけらかんとした世界。

一瞬一瞬、宇宙の総体は消え続けているのであり、持続してあるかのようなものは観念の集合であって、人間が言語によって拵え上げた架空物なのである。過去は「ない」のであるから、私が死んだ「あと」ビッグバン以来の一五〇億年に及ぶ「客観的世界」が広がっているわけではない。(中略)私はいずれ死ぬであろう。そして、何も失わないであろう。 [本文より]


≪目次: ≫
まえがき    負の能力/能動的ニヒリズム/「明るいニヒリズム」とは?
1 宇宙の全体は消え続けてきた    「あった」というあり方/〈いま〉とは何か?/〈いま〉の交代という謎/想起という根源的作用/過去の痕跡も〈いま〉知覚される/過去の場所はない/すべてが〈いま〉起こっているだけである/あっという間の出来事/「一つのもの」とその属性
2 「客観的世界」という仮象    客観的時間の成立/「縦の志向性」と「横の志向性」/実在とその観念/ノエマとしての家とレアールな家/年表的世界像/過去を取り戻すことができる?/タイムトラベル?/「過去透視」/未来をも観念化する/〈いま〉をも観念化する/観念とその「そと」/超越論的仮象/触発するもの=X
3 〈いま〉に染み込んでいる過去    ギレライエでの体験/想起の出来事それ自身が「立ち現われる」?/過去は「天から降ってくる」?/知覚風景に「もはやない」という意味を注ぎ込む/過去はどこにも「保存」されていない/眼前の風景に染み込んでいる過去/〈いま〉過去を「再現」することができる?/非意図的再認/世界内存在と過去/無に向けての企て?/あらゆる芸術は〈いま〉成立する
4 世界に意味付与する「私」    超越論的自我の成立/「自我と時間の双生」/「現在するもの」と「不在のもの」/内官(innerer Sinn)と内的経験/“cogitam, ergo eram”/過ぎ去ったばかりの体験は明晰かつ判明である/非措定的(non-thétique あるいは「非定立的」non-conditionnel)意識の身分/ドイテン(deuten)とエアドイテン(erdeuten)/エアドイテンの諸層/眼前の知覚風景に「不在のもの」を読み込む/〈いま〉の知覚風景に至るまでの過去/個人史と記憶喪失/他者/まなざし/重層的な意味付与の現場
5 根源的湧き出しとしての〈いま〉    世界が消えゆく時としての〈いま〉/世界が湧き出す時としての〈いま〉/世界に意味付与する時としての〈いま〉/「私は夢を見ていた」/〈いま〉と自由/心身問題のありか/多元的原事実
6 私は死に、そして何も失わないだろう

あとがき (二〇一一年 二月末 また来ん春と人は云ふ(中原中也) 中島義道)


≪著者: ≫ 中島義道 (なかじま よしみち) 哲学者。1946年、福岡県生まれ。前電気通信大学教授。「哲学塾カント」を主宰。東京大学教養学部並びに法学部を卒業。77年、東京大学大学院人文科学研究科修士課程修了。83年、ウィーン大学基礎総合学部哲学科修了。哲学博士。専門は時間論、自我論。著書に『哲学の教科書』(講談社学術文庫)、『孤独について』『観念的生活』(以上、文春文庫)、『悪について』(岩波新書)、『「死」を哲学する』(岩波書店)、『カントの自我論』『カントの時間論』(以上、岩波現代文庫)、『「純粋理性批判」を噛み砕く』(講談社)など多数。






人気ブログランキングへ



本「中国が読んだ現代思想 サルトルからデリダ、シュミット、ロールズまで (講談社選書メチエ501)」王前5

ブログネタ
読んだ本♪ に参加中!
中国が読んだ現代思想 サルトルからデリダ、シュミット、ロールズまで (講談社選書メチエ)
中国が読んだ現代思想 サルトルからデリダ、シュミット、ロールズまで (講談社選書メチエ501)

○著者: 王 前 (Oh Zen)
○出版: 講談社 (2011/6, 単行本 248ページ)
○価格: 1,680円
○ISBN: 978-4062585040
クチコミを見る




ぼくにとって?!、はれたのは、そう、「梅雨空」なのであって(コレって重要でしょ?!)、関東甲信越地方の梅雨あけが宣言された(H23.7/9)翌日は、わらってしまう(わらわずにはいられない、ヘラヘラヘラヘラとちからなく、およそ夏バテしてグロッキーな)くらいに、湿った湿気を帯びた雨雲が去って何処までも高く澄みわたる青い夏空、吹き抜ける風はフシギに心地好い♪(気分としては爽やかな(穏やかな?!)秋を感じさせるような、ちと気が早すぎるであろろうが、願望、ワガママ)



日本の120年を30年で駆け抜ける! 貪欲な受容と激しい思考 サルトルハイデガーフッサールウェーバーレヴィ=ストロースフーコーデリダハーバーマス丸山眞男ハイエクロールズシュミットシュトラウス……

文化大革命の暗黒が晴れたそのときから、中国の猛烈な現代思想受容がはじまった! 日本のたどった道とよく似ているけれど、より切実で熱い思考にあふれたその現場と可能性を、自らも体感してきた中国人研究者が克明に描き出す。知られざる、そして知っておきたい中国がここにある。


≪目次: ≫
プロローグ
第1章 新しい啓蒙時代の幕開け――『読書』の創刊とヒューマニズムの復権    『読書』という思想世界の誕生/ヒューマニズムの福建とサルトル・ブーム/ジダーノフの幽霊/不条理の哲学――サルトルの論敵カミュも登場
第2章 マックス・ウェーバーの再発見――「出土文物」の運命    『プロ倫』と近代化をめぐる切実な問い/近代化と伝統文化/『儒教と道教』にいかに反駁するか
第3章 異彩を放つ現代ドイツ哲学    ニーチェの「汚名返上」/超人気哲学者となったカッシーラー/ハイデガーはマルクスのよき理解者?/ハイデガーと中国哲学
第4章 西のマルキシズム「西馬」――フランクフルト学派を中心に    『自由からの逃走』がなぜ読まれたか
第5章 日本はいずこ?――一九八〇年代中国における福沢諭吉    『文明論之概略』の問題意識/伝統への反省
第6章 遠のいていく新しい啓蒙時代――一九八〇年代の一つの総括    文化人の時代と経済人の時代
第7章 人気学問となった現象学    なぜ現象学が関心を集めたのか/現象学創始者の本格的登場/現象学と唯識論、マルキシズム/「海学」が大人気――ハイデガー再登場/ハイデガーと東洋思想と連関/ガダマーと「実践知」/さらに進展している現象学受容と研究
第8章 リクールとレヴィ=ストロース――フランス老大家の本格登場    再開されたヨーロッパ大陸との知的交流/「正義と報復」/現象学大家のレッスン/レヴィ=ストロースへの熱い視線/中国はレヴィ=ストロースから何を学ぼうとしかた
第9章 フーコー受容の倒錯と可能性    もっとも有名な作品は『性の歴史』?/社会科学において顕著な受容と発展/中国人研究者による貴重なインタビュー
第10章 脱構築と中国――デリダ訪中のインパクト    熱烈歓迎されたデリダ/デリダが考える「赦し」(pardon)は難しい?/「条件なき大学」は中国でいかにして可能か?/脱構築と中国文化/デリダのマルクスと中国のマルキシズム/デリダの訪中は「大山鳴動」か
第11章 「西馬」再来――ハーバーマスと中国思想界    ハーバーマス・ブーム/「アジア的価値観」への批判/国際化の時代における国民国家の在り方?/「現代のヘーゲル」という評価/ハーバーマスの訪問の成果
第12章 自由と正義への熱い思考――ハイエク、バーリン、ロールズ    市場経済へのアレルギーが消えた後/「中国のハイエク主義」/中国の読者も共感した自由論――読まれ続けるバーリン/心底から共鳴した自由への分析/転換期の中国とロールズの政治哲学
第13章 合わせ鏡としての現代日本思想――丸山眞男の受容    福沢諭吉経由の受容/思想における伝統と近代
第14章 注目される自由主義への批判者――カール・シュミットとレオ・シュトラウス    新世紀はシュミットの時代か?/シュミットに何を求めているのか/中国のシュトラウス学派と古典的政治哲学への回帰/劉小楓が得たmagic eye
エピローグ――統括と展望


参考文献
あとがき (二〇一一年四月 王前)
索引


≪著者: ≫ 王 前 (おう・ぜん) 1967年上海市に生まれる。上海外国語大学卒業、東京大学大学院総合文化研究科博士後期課程修了。専攻は政治哲学・思想史。東京外国語大学など兼任講師、東京大学グローバルCOE「共生のための国際哲学教育研究センター」(UTCP)共同研究員。主な論文に、「丸山眞男的思想世界」(『本体的解構与重建――対日本思想史的新詮釈』所収、上海社会科学院出版社)、「I・バーリンとその批判者たち」(『思想史研究』第3号)、「洋学派林達夫における思想と政治」(『思想史研究』第7号)などがある。






人気ブログランキングへ




本「フラ語練習、楽しいだけじゃだめかしら?」清岡智比古5

ブログネタ
読んだ本♪ に参加中!
フラ語練習、楽しいだけじゃだめかしら?
フラ語練習、楽しいだけじゃだめかしら?  Les exercices de français, utiles et excitants

○著者: 清岡智比古
○出版: 白水社 (2005/4, 単行本 217ページ)
○価格: 1,575円
○ISBN: 978-4560002971
クチコミを見る




とにかくまもなくやがて、フランス語の入門Iの、ぼくが選択した今学期、ジッサイには先学期の単位認定試験を終えたことし2月からはじめた、あ〜ぁあ、フランス語入門Iの単位認定試験があるというのに(中国語も日本古代中世史も日本美術史もetc...あぁあぁあ)、この問題集を、手で筆記して書いて覚えよう身につけようと目論んで、しかし、とくに忙しいということも(忙しくないということも)ないんだけれども、仕事がどうのこうのとか言い訳する考えは、そう、余計なことを考えることも煩わしい、もっとも有り余るほどに時間があったとしても、どうなんだろうね、ぼくの実感(経験)としては、それはそれで、なかなか有効に時間を使うことの活用することの困難みたいなものは


≪もくじ: ≫
今、本屋さんで立ち読みをしているあなたへ

Leçon 01 名詞 ――モノ、コト、ヒト、を表す語
Leçon 02 冠詞 ――名詞に付いて、その性や数を表す語
Leçon 03 人称代名詞・主語 / être & avoir ――最重要2動詞、登場!
Leçon 04 提示の表現 ――目の前のものから始めましょ
Leçon 05 形容詞 ――「甘い」恋か、「深い」愛か
Leçon 06 ―er動詞 ――「見つける」「電話する」「招待する」「始まる」…全部言えます!
Leçon 07 否定形・疑問形 ――「愛してないの?」と訊かれたら…
Leçon 08 前置詞と定冠詞の縮約 ――合体って、イイよね…(by Hamachan)
Leçon 09 指示形容詞・疑問形容詞・所有形容詞 ――相手が変われば、こちらも変わります
Leçon 10 aller / venir ――知るも知らぬも逢坂の関
Leçon 11 疑問副詞 / 疑問代名詞 ――問題は「いつ」「どこで」「誰と」…ですね
Leçon 12 finir / partir・sortir・dormir ――活用2タイプ、語幹に注目!
Leçon 13 比較級・最上級 ――もっと愛して、一番愛して……
Leçon 14 faire・prendre / 非人称表現 ――英語で言えば make & take
Leçon 15 vouloir・pouvoir / 命令形 ――望むこと、それはできること 見本ページへ
Leçon 16 見ます、言います、聞こえます!(voir / dire / entendre) ――日光のサルとはちがうの!
Leçon 17 人称代名詞〜直接目的語・間接目的語 ――「彼女に」電話し、「彼女を」愛す♥
Leçon 18 人称代名詞〜強勢形 ――「彼女と一緒に」踊りたい♥
Leçon 19 複合過去 ――オレの後ろに道はできる……
Leçon 20 関係代名詞 ――ツナギ方は4通り
Leçon 21 強調構文 ――またの名はラーメン構文(ウソ)
Leçon 22 代名動詞 ――She loves herself. みたいな……
Leçon 23 単純未来 ――明日という字は明るい日と書くのね♪
Leçon 24 en le y ――ナニカの「代わり」をする語です。 
Leçon 25 半過去 ――「半分過去」? じゃありません!
Leçon 26 受動態 / 現在分詞・ジェロンディフ ――「眠っている」娘に「愛される」…
Leçon 27 動詞の時制、まとめるよ! ――復習! マタ楽シカラズヤ(by Kôshi)
Leçon 28 条件法 ――もしあなたがB.ゲイツだったら…
Leçon 29 接続法 ――サヨナラだけが人生だ(by Masuji)
00 4ページでわかっちゃう、フラ語、発音のルール


本文レイアウト・装丁 白畠かおり
本文イラストレーション 石原昭男


≪著者: ≫ 清岡智比古 (きよおか ともひこ) 上智大学大学院博士課程修了。法政大学・明治大学講師(を経て、明治大学理工学部准教授)。主要著書、『フラ語入門、わかりやすいにもホドがある!』『フラ語動詞、こんなにわかっていいかしら?』『フラ語練習、楽しいだけじゃだめかしら?』『ボンボン・ショコラ』『おいしいフランス語』。
ブログ→http://tomo-524.blogspot.com/
清岡智比古 『フラ語デート会話、恋ってどんなものかしら?  Le te donne un rendez-vous. Un rendez-vous pour la vie...... 〈CD付〉』(白水社、2007年) '11/06/30
清岡智比古 『フラ語入門、わかりやすいにもホドがある!  Les regles du francais, si faciles a apprendre... 〈CD付・改訂版〉』(白水社、2009年) '11/06/24





人気ブログランキングへ


本「近代日本のナショナリズム (講談社選書メチエ500)」大澤真幸5

ブログネタ
読んだ本♪ に参加中!
近代日本のナショナリズム (講談社選書メチエ)
近代日本のナショナリズム (講談社選書メチエ500)

○著者: 大澤真幸
○出版: 講談社 (2011/6, 単行本 224ページ)
○価格: 1,575円
○ISBN: 978-4062585019
クチコミを見る



アツイアツイムシムシアツイニホンノナツ


戦前期のナショナリズムは、なぜ、ウルトラナショナリズムに向かったのか。「靖国問題」とはなにか。戦後社会とナショナリズムの相関とは……。「日本」を根本から考えなおすべき今、ナショナリズム研究に大きな足跡を残してきた社会学者が問う、日本のナショナリズムの本質!


≪目次: ≫
まえがき (二〇一一年五月二六日 大澤真幸)

第1章 ナショナリズムという謎    1 ナショナリズム研究の中心的な問い(レーニンのショック/「想像された共同体」)/2 ナショナリズムのパラドクス(ネーションの「古い起源」/無名戦士の墓碑/二種類の系列性)/3 三つの理論(産業化という要請――ゲルナー/出版/資本主義――アンダーソン/エトニーのナショナルな起源――スミス)/4 ナショナリズムの季節はずれの嵐
第2章 ナショナリズムからウルトラナショナリズムへ    1 明治ナショナリズム(日本ナショナリズムと天皇制/ウルトラナショナリズムにおける変化/ナショナリズムの変質)/2 国民の天皇(ナショナリズムとウルトラナショナリズムのギャップ/「天皇の国民」から「国民の天皇」への転倒)/3 天皇なき国民(天皇なき国民/大正期における近代的権力)/4 資本主義としての哲学(広義の資本主義/田辺による「種の論理」/西田による場所の論理)/5 昭和期のウルトラナショナリズム(神秘的な自我/代表制の機能不全/具象的超越への逆説的な回帰/満州国という理念/農本主義)
第3章 「靖国問題」と歴史認識    1 「終りに見た街」/2 死者のまなざし/3 必勝の自動人形/4 歴史神学
第4章 〈山人〉と〈客人〉    1 敗戦に際して――柳田折口/2 〈山人〉と〈客人〉/3 外的関係の主体化
第5章 現代日本の若者の保守化?    1 ほんとうに保守化しているのか?――意外な調査結果(若者は保守化している/ナショナリズムの強度/若者は保守化していない?/宗教心をめぐる逆説)/2 スターニリズムへの迂回(スターリンはスターリニストか?/項目「Beria」)/3 二つのケース(在日コリアンからナショナリストへ/『コードギアス』)/4 戦後史の第三局面(理想の時代/虚構の時代/……/オタク/政治的有効性感覚)/5 アイロニカルな没入(多文化主義的な転回――「信じていないは信じている」/外部委託とその失敗/暗黙の(反)規範)

初出一覧


≪著者: ≫ 大澤真幸 (おおさわ・まさち) 社会学者。1958年生まれ。東京大学大学院社会学研究科博士課程単位取得満期退学。社会学博士。千葉大学文学部助教授、京都大学大学院人間・環境学研究科教授を歴任。『ナショナリズムの由来』(講談社)で毎日出版文化賞受賞。その他の主な著書に、『行為の代数学』(青土社)、『身体の比較社会学』(勁草書房)、『不可能性の時代』(岩波新書)、『量子の社会哲学』(講談社)など多数。思想月刊誌『THINKING 「O」』(左右社)を主宰。
大澤真幸オフィシャルサイト(http://www.sayusha.com/MasachiOsawaOfficial/)


三土修平 『頭を冷やすための靖国論』(ちくま新書、2007年) '09/11/24
小島毅 『靖国史観 幕末維新という深淵』(ちくま新書、2007年) '09/11/19
高橋哲哉 『靖国問題』(ちくま新書、2005年) '09/10/27





人気ブログランキングへ



本「後白河法皇 (講談社学術文庫1777)」棚橋光男5

ブログネタ
読んだ本♪ に参加中!
後白河法皇 (講談社学術文庫)
後白河法皇 (講談社学術文庫1777)

○著者: 棚橋光男
○出版: 講談社 (2006/8, 文庫 288ページ)
○価格: 1,008円
○ISBN: 978-4061597778
クチコミを見る







源頼朝に対抗し、守旧勢力を巧妙に操った老獪な〈大天狗〉。はたまた『梁塵秘抄』を編纂した粋狂な男。後白河がいなければ、天皇制は存続しなかったかもしれない。古代王権を中世王権へと再生させるために、法皇は何を考えていたのか? 王権の機能を再編成し、文化情報の収集・独占と操作の意味を透視した天才の精神に迫る。


≪目次: ≫
解説――故・棚橋光男の人と仕事/高橋昌明

プロローグ    偉大なる暗闇/〈もし〉の集合体

第一章 後白河論序説
はじめに
1 悪左府頼長――偏執と狂気    生涯と壮絶なる死/学問の指向性/政治的実践の学/異彩を放つ日記/無礼に及ぶも景味あり
2 少納言入道信西――黒衣の宰相の書斎を覗く    父譲りの才能/学問と技芸のアウトライン/『道憲入道蔵書目録』と〈信西政権〉/即戦的資料=ファイル/蔵書群の運命……
3 法皇後白河――梁塵秘抄・蓮華王院宝蔵・流転の「皇居」    今様狂いの前半生/帝王と遊芸の徒との交錯/蓮華王院と絵巻物制作――パトロン兼チーフプロデューサー後白河/表現の可能性・限界への挑戦/〈少年の心〉を持ち続ける/直衣を着た好奇心/新制を読み解く必要/危機に対応する王権
補論 《「人格的靱帯=“縁”のネットワーク」の科学》のためのメモ    法則性を発見しなければならぬ/主従制の特質をあぶり出す

第二章 後白河王権期の都市京都――『方丈記』に見るイメージ
1 火宅都市    左京郊外への発展/鴨長明の見た京都
2 方丈の庵    執心の人
3 安元の大火    仮屋から起こった大火/再生へのエネルギー
4 養和の大飢饉    屍のあふれる都/海の道へのアクセス
補章 後白河の新制と都市法    後白河期の新制/後白河期の性格/後白河の都市法/王権(の象徴)の警衛に関する法/京都市中の法/ミクロコスモスとしての全体像

第三章 中世国家の成立
1 三つの段階    漸次的な移行
2 職と職の体系    在地支配秩序の成立/体系の成立
3 中世国家の成立    古代政治秩序からの訣別/訴訟制度の転換/荘園領主階級の共同の権力機構/検非違使庁の形成/『法曹至要抄』と王朝国家法
4 平氏の台頭    合戦にそなえる悪僧・神人/保元の乱と「武者の世」/平氏の台頭と矛盾
5 鎌倉幕府の成立    ラディカルな路線/「天下落居」の到来/中世王権の確立/「くだんの輩を搦めまゐらしめよ」/一元化に向けての胎動

第四章 『参天台五台山記』――日宋交流史の一断面
はじめに    藤原佐理の子?
1 成尋の家系    滞宋九年ののちの客死/決意表明の言葉
2 日宋の交通ネットワーク    現地社会での集団/ノウハウの継承と更新/情報センターとしての溜まり場
3 東アジアの知的交流世界    新訳経典の領布/『今昔物語集』をさかのぼる/東アジアの知的交流のなかで読み解く

原本あとがき (一九九五年十月十日 棚橋ひとみ)
学術文庫版あとがき (二〇〇六年七月二日 高橋昌明)
人名索引


※本書の原本(講談社選書メチエ)は一九九五年十二月、小社から刊行されました。


≪著者: ≫ 棚橋光男 (たなはし みつお) 1947年山形市生まれる。京都大学文学部卒業、同大学院博士課程単位取得満期退学。文学博士。金沢大学文学部助教授。専攻は日本中世史。1994年没。本書は遺稿集でもある。著書に『中世成立期の法と国家』『王朝の社会』などがある。


高橋昌明 『平清盛 福原の夢』(講談社選書メチエ、2007年) '11/06/04
高橋昌明 『平家の群像 物語から史実へ』(岩波新書、2009年) '11/05/24

後白河法皇編纂 『梁塵秘抄』(川村湊訳、光文社古典新訳文庫、2011年) '11/07/04





人気ブログランキングへ



本「正義論の名著 (ちくま新書907)」中山元5

ブログネタ
読んだ本♪ に参加中!
正義論の名著 (ちくま新書)
正義論の名著 (ちくま新書907)

○著者: 中山元
○出版: 筑摩書房 (2011/6, 新書 270ページ)
○価格: 861円
○ISBN: 978-4480066121
クチコミを見る



そう、〈正義〉、たぶん??!ここ(本書)ではおよそ「justice」でありながら(さて、どこまで遡るかといえば)、トウゼンに古代ギリシアの「デイケー」といったような概念から♪、およそなにかを解くには説かれるには、なんにもないところからではなく、前提とするべきなにか伝承された文書(なり口伝?!による論考みたいなもの??!)があって、批判的(Critical)な解釈のなかからの発展、展開、といったようなものなのかどうなのか


西洋思想史上、「正義」について考えることは、「道徳」「倫理」「政治」などの問題とかかわりあいながら、つねにひとつの軸となってきた。「公正さとは何か」「正しさの基準はどこにあるのか」などなど、今日でも喫緊の課題として論じられるこれらについて、大思想家たちの「名著」は大きなヒントと刺激を与えてくれることだろう。プラトンアリストテレスから、ホッブズロックベンサムニーチェ、さらにはロールズデリダサンデル……。この一冊で主要な思想のエッセンスがわかる!


≪目次: ≫
はじめに

第一章 公共善と正義
ホメロスオデュッセイアー(Odyssea)』――ゼウスの正義    歓待/復讐の正義

プラトン(Platōn, 427-347BC) 『国家(Politeia)』――正義は、国家や人間における調和である    正義は強者の利益/正義と国家/国家の三つの階級/魂における正義/正義とは/不正な人の魂の状態/不正という災厄

アリストテレス(Aristotelēs, 384-322BC) 『ニコマコス倫理学(Ethica Nicomachea)』――正義とは公的な善の実現である    正義とアレテー/正義の政治学/普遍的な正義/特殊的な正義/幾何学的な正義/矯正的な正義/正義としての貨幣

キケロ(Marcus Tullius Cicero, 106-43BC) 『義務について(De offciis)』――徳の女王としての正義    ギリシアの正義論の限界/キケロの普遍的な正義論/他国への正義/奴隷、女性、未成年への正義/公共善としての正義/徳の女王としての正義

アウグスティヌス(Aurelius Augustinus, 354-430) 『神の国(De Civitate Dei contra Paganos)』――「遍歴の旅」の途上の正義    神の国と地の国/最高善/ローマの正義の批判/地の国の正義/遍歴の旅の途上の正義

トマス・アクイナス(Thomas Aquinas, 1225-1274) 『神学大全(Summa Theologica)』――天上の浄福を準備するのが支配者の正義    トマスの正義論の目的/法と正義/正義の種類/体制論/世俗の支配者と魂の支配者

マキアヴェッリ(Niccolô Machiavelli, 1469-1527) 『君主論(Il Principe)』――自由な共和国における正義    正義と公共善の絆/マキアヴェッリの大衆観/マキアヴェッリの君主観/マキアヴェッリの願い/君主と民衆/公的な徳

第二章 社会契約論と正義
ホッブズ(Thomas Hobbes, 1588-1679) 『リヴァイアサン(Leviathan or the matter, forme and power of a common-wealth ecclesiasticall and civil, 1651)』――国家が正義を執行する    ホッブズの人間観/自然状態における平等/自然権/自然法/社会契約/正義の自然法/国家と正義/正義の回復の道

スピノザ(Baruch De Spinoza, 1632-1677) 『エチカ(Ethica; ordine gometrico demonstrata, 1677)』――民主的な国家のうちで最高の自由と正義が実現する    スピノザの人間観/国家の成立/自然権の保持/正義/最高権力と正義/最善の国家/国家体制と正義

ロック(John Locke, 1632-1704) 『市民政府論(Two Treatises of Government, 1690)』――不法に抵抗するのは正義である    ロックの自然状態/社会状態と所有権/所有権の基盤としての労働/歯止めの解消/貨幣/不平等な私有財産の承認/二重の不正/政府状態の設立/国家の形態

ルソー(Jean-Jacques Rousseau, 1712-1778) 『社会契約論(Du Contrat Social, 1762)』――社会契約が正義を実現する    野生人と正義/社会状態と正義/正義の発達の三段階/革命の必要性/社会契約の課題/政治体の成立/国家法と正義/社会契約と正義

カント(Immanuel Kant, 1724-1804) 『人倫の形而上学(Die Metaphysik der Sitten, 1797)』――永遠平和のうちで地球的な正義を    社会の成立/正義の社会/公民的な状態へ/法と正義/国家における正義と革命/国家体制論/世界公民状態へ

第三章 市民社会
ヒューム(David Hume, 1711-1776) 『人性論(A Treatise of Human Nature, 1739)』――人間はその本性からして社会を作り、正義を実現する    社会の形成と効用/人間の反社会的な要素/三つの財産/正義の実現/正義の起源/情念論/穏やかな情念/道徳と正義

アダム・スミス(Adam Smith, 1723-1790) 『道徳感情論(The Theory of Moral Sentiments, 1759)』――人間には正義を望む道徳的な感情がある    共感の概念/正義を守る法/中立な観察者/「内部の人」/社会の形成/見えざる手/経済学と正義

ベンサム(Jeremy Bentham, 1748-1832) 『道徳および立法の諸原理序説』――最大多数の最大幸福(the greatest happiness for the greatest number)    最大多数の最大幸福/立法者の視点/快楽計算

ヘーゲル(Georg Wilhelm Friedrich Hegel, 1770-1831) 『法の哲学(Grundlinien der Philosophie des Rechts, 1821)』――正義を欠いた幸福は善ではない    人格と正義/不正と正義/道徳と正義/幸福と正義/市民社会と国家

第四章 現代の正義論
マルクス(Karl Marx, 1818-1883) 『ドイツ・イデオロギー(Die deutsche Ideologie, 1845-1846)』――イデオロギーとしての正義    イデオロギーとは/搾取の不正義/分配的な正義/正義の社会

ニーチェ(Friedrich Wilhelm Nietzsche, 1844-1900) 『道徳の系譜学(Zur Genealogie der Moral, 1887)』――約束する人間の正義とルサンチマンの正義    「約束する人間」の誕生/正義の弁証法――共同体の正義/正義の弁証法――矯正の正義/正義の弁証法――正義の止揚としての赦し/反動的な人間/ルサンチマンの正義/キリスト教の役割

ベンヤミン(Walter Benjamin, 1892-1940) 「暴力批判論」――未曾有の正義    暴力と正義/二種類の暴力/警察/神話的な暴力と神的な暴力

ハイエク(Friedrich August von Hayek, 1899-1992) 『法と立法と自由 二 社会正義の幻想』――配分的な正義は不正    開かれた社会/正義に適うルール/社会正義の不正/正義論批判

ロールズ(John Rawls, 1921-2002) 『正義論(A Theory of Justice, 1971)』――公正としての正義    『正義論』の目的/社会契約の前提/原初的な状態と正義の状況/無知のヴェール/ロールズの原理

ノージック(Robert Nozick, 1938-2002) 『アナーキー・国家・ユートピア(Anarchy, State, and Utopia, 1974)』――正義の国家は最小国家    相互保護協会/超最小国家の誕生/最小国家の誕生/ロールズ批判/最小国家の魅力

マイケル・ウォルツァー(Michael Walzer, 1935- ) 『正義の領分(Spheres of Justice: A Defense of Pluralism and Equality, 1983)』――財が異なると、正義も異なる    正義の内実/財の多元性/複合的な平等/財の領域

マイケル・サンデル(Michael J. Sandel, 1953 - ) 『これからの「正義」の話をしよう(Justice: What's the Right Thing to Do?, 2009)』――善は正義よりも優先される    付加なき自我の批判/正義と善/道徳的な責任の三つのカテゴリー/目的論

ハーバーマス(Jörgen Habermas, 1929- ) 『討論倫理』――討議において正義と連帯が実現する    ロールズの正義論の評価/三つの欠陥/討議的な倫理/討議と正義

ホネット(Axel Honneth, 1949- ) 『正義の他者』――不正から正義を考えよう    不正からみる正義/愛の圏域――個人としての承認/法の圏域――人格としての承認/連帯の圏域――共同体に参画する人格としての承認/三つの圏域の正義の衝突

レヴィナス(Emmanuel Lévinas, 1906-1995) 『全体性と無限(Totalité et Infini, 1961)』――他者との語り合いが正義である    イリヤ(il y a)/存在の不快/他者と時間/責任/正義/貨幣

デリダ(Jacques Derrida, 1930-2004) 『法の力(Force de loi, Le 《Fondement mystique de l'autorit》, 1994)』――正義とはアポリアである    法と脱構築/法の脱構築/正義と脱構築/第一のアポリア――規則の適用/第二のアポリア――決断不可能性/第三のアポリア――切迫性/贈与のアポリア


≪著者: ≫ 中山 元 (なかやま・げん) 1949年生まれ。東京大学教養学部中退。思想家・翻訳家。『フーコー入門』『高校生のための評論文キーワード100』(以上、ちくま新書)、『賢者と羊飼い』(筑摩書房)、『フーコー思想の考古学』(新曜社)、『フーコー 生権力と統治性』(河出書房新社)などの著書のほか、多数の翻訳書がある。インターネットの哲学サイト『ポリロゴス』を主宰。






人気ブログランキングへ




本「失われた時を求めて 〈2〉 スワン家のほうへ II (岩波文庫 赤N511-2)」プルースト、吉川一義 訳5

ブログネタ
読んだ本♪ に参加中!
失われた時を求めて(2)――スワン家のほうへII (岩波文庫)

失われた時を求めて 〈2〉  スワン家のほうへ II   Marcel Proust: “À la recherche du temps perdu: Du côté de chez Swann, 1913”, 1913-1927. (岩波文庫 赤N511-1)

○著者: プルースト吉川一義
○出版: 岩波書店 (2011/5, 文庫 528ページ)
○価格: 987円
○ISBN: 978-4003751114
クチコミを見る



そう、ぼくがフランス語のベンキョウを、昨年いちねんかけてドイツ語をベンキョウした後に、中国語と同時にフランス語のベンキョウをはじめたのは、先学期(平成22年度第2学期)の単位認定試験をおえた今年の2月あたまから、と記憶している。だから、吉川一義の翻訳による『失われた時を求めて』の〈1〉を読んだ2011年1月の時点では、ぼくはフランス語についてチンプンカンプンでなにも分かっていない、もっともいまとなっても、ジッサイまもなく単位認定試験が迫っていて数週間の後には受験しなければならないのに、課題問題としてかかげられている問題のひとつひとつを教科書なしに(結果、教科書のページのあちらこちらを開いてさがして、問題の該当する箇所とにらめっこしながら「よく分かんないけど、どうやらそういうことなんだろうなぁ」などとツブヤキながら)解答することの困難ばかりがあって、まぁ焦るなんてもんじゃぁない(ドウショウモナイ)、、、まったくさぁ、暗記するだけのことなら、サルだってできるだろうに、どうしてヒトのぼくがただただ暗記するなんてことを強いられなきゃいけないの??!、とかって思ってみて、しかし、サルにだってできちゃうような丸暗記をもできないようなぼくは要するにサル以下ってことで、サル以下のぼくには文句を偉そうに口外する権能を有しているものなのか?!などとは考えるまでもない、ノウガキたれずに(そんなヒマがあるならば)「まずは覚えろ!!」ってなことなんだろうなぁ(とは頭で分かってないわけじゃないんだけれども、なかなか素直になれない)



社交界の寵児スワンと、粋筋の女(ココット)オデット。追う女/追われる男の立場はいつしか逆転し、男は年下の恋人への猜疑と嫉妬に日夜悶える(スワンの恋)。ジルベルトは二人の娘、幼い「私」はシャンゼリゼで見たこの少女に思慕を捧げる(土地の名―名)。二つの恋の回想。(全14冊)


≪目次: ≫
凡例
『失われた時を求めて』の全巻構成
本巻について
本巻の主な登場人物
地図(フランス中心部/ノルマンディー・ブルターニュ地方/パリとブーローニュの森)

第一篇 スワン家のほうへ II  Du côté de chez Swann, 1913
 第二部 スワンの恋
 第三部 土地の名―名


場面索引
プルースト略年譜
訳者あとがき(二)    スワンの恋と『失われた時を求めて』/社交風俗(ブルジョワのサロンと貴族のサロン)/「土地の名―名」 (二〇一一年三月末日 吉川一義)
図版一覧

プルースト 『失われた時を求めて 〈1〉  スワン家のほうへ I』(吉川一義訳、岩波文庫、2010年) '11/01/14

吉川一義 『プルースト美術館 『失われた時を求めて』の画家たち』(筑摩書房、1998年) '11/02/10
吉川一義 『プルーストと絵画 レンブラント受容からエルスチール創造へ』(岩波書店、2008年) '11/02/03
吉川一義 『プルーストの世界を読む』(岩波セミナーブックス、2004年) '11/01/20

マルセル・プルースト 『失われた時を求めて [完訳版] 全13巻』(鈴木道彦訳、集英社文庫ヘリテージシリーズ、2006〜07年) '10/09/07〜'11/01/23
マルセル・プルースト 『失われた時を求めて 〈1〉 第一篇「スワン家のほうへ1」』(高遠弘美訳、光文社古典新訳文庫、2010年) '10/10/10
プルースト 『消え去ったアルベルチーヌ』(高遠弘美訳、光文社古典新訳文庫、2008年) '08/12/16





人気ブログランキングへ



本「梁塵秘抄 (光文社古典新訳文庫128)」後白河法皇 編纂、川村湊 訳5

ブログネタ
読んだ本♪ に参加中!
梁塵秘抄 (光文社古典新訳文庫)
梁塵秘抄 (光文社古典新訳文庫128)

○著者: 後白河法皇 編纂、川村湊
○出版: 光文社 (2011/6, 文庫 288ページ)
○価格: 820円
○ISBN: 978-4334752309
クチコミを見る



そう、後白河法皇(第77代の天皇で、やがて譲位して上皇になって、さらに出家して法皇になった)をじつはちょっとスゴイお方なのかもしれないなぁ、とぼくが認識するようになったのは比較的さいきんのことで(いまさらなにを)、いわゆる「いい国つくろう」1192年に源頼朝が征夷大将軍に任官されて鎌倉幕府をひらいたとされる(さきだつこと1185年にすでに鎌倉幕府はひらかれていたといったような解釈が有力のようではあるが)、まさに1192年というのは後白河法皇が死んだ年であって、あるいは後白河法皇が死んだことによって、もしも後白河法皇が死なずに生きながらえていたならば、、、もっとも、武家政権は、その始祖とされる鎌倉幕府にさきだって、じつは平清盛が六波羅であり福原において実質的にはひらいてひらかれていたんじゃないかといったような解釈もあって、なるほどなるほど、じつはそこにも後白河法皇の存在は(うまく説明できないのはぼくの理解が不足しているからに他ならない)



歌の練習に明け暮れ、声を嗄らし喉を潰すこと、三度。サブ・カルチャーが台頭した中世、聖俗一体の歌謡のエネルギーが、後白河法皇を熱狂させた。画期的新訳による中世流行歌全100選! 「わたしは バカな 女です」「マリーのひとりごと」「わが子ゆえの嘆き」「も一度 抱いて」etc.


≪目次: ≫
まえがき
署名の由来

1 しだれ柳と下がり藤/2 ギャンブラーの好むもの/3 わたしには やさしい あなた/4 いつでもいるわ/5 あなたの 約束 忘れない/6 わたしは バカな 女です/7 女にゃ五つの罪がある/8 わたしとあなたの住む家は/9 いとしいひとは/10 あなたが帰った わたしの部屋に/11 ひとり港で/12 甘い言葉も やさしい嘘も/13 マリーのひとこと/14 としとるなんて/15 ひとりねの朝に/16 ザンゲの値打ちもなく/17 近江の湖は/18 ビワの湖に/19 熊野へゆこう I/20 熊野へゆこう II/21 熊野へゆこう III/22 熊野に来れば/23  この世に 女と生まれて/24 春の焼け野で/25 きょうは 嵯峨のへ ピクニック/26 日本全国 霊験所めぐり/27 清水寺にまいるには/28 めでためでたの ツル カメさまよ/29 ゴールド・ラッシュの 山の中/30 山のメロディー 海のメロディー/31 鈴を振ってる 巫女(みこ)さんよ/32 筑紫の門司の関の関守/33 くるくる 可愛く 踊るもの/34 おもしろ おかしく 舞うものは/35 恋するふたりは/36 あなたへの思いは 陸奥(みちのく)ばかりで/37 こんなに飾った部屋に/38 三本角(づの)の男/39 独身男が ようやくに/40 あんたは 情(じょう)なし/41 美女を見るたび/42 あんたの愛したアヤイ笠/43 月給トリは かわいそう/44 鳥は鳥でも/45 遊ぼうよ 遊ぼうか/46 せっかくお店に誘っても/47 山また山の ふるさとを/48 王子の社(やしろ)の 庭の草/49 わが子ゆえの嘆き――老女の哀歌 I/50 わが子ゆえの嘆き――老女の哀歌 II/51 わが子ゆえの嘆き――老女の哀歌 III/52 わが子ゆえの嘆き――老女の哀歌 IV/53 清太の造った 草刈る鎌は/54 清太の造った お屋敷の畑には/55 熟(う)れすぎたトマトは どうしよう?/56 京より 下った人形遣い/57 楠葉(くすは)の御牧(みまき)の土鍋造りの娘/58 この尼めは/59 遊びオンナのうたうウタ/60 筑紫の湯には/61 憎しみ かうもの/62 カラスは 見れば見るほど/63 鳥のなまえを 数えれば/64 淀川あたりの河口を 角を並べて/65 イバラの下オーケストラ/66 「あそこに立っているのは、ありゃ誰だ?」/67 ピチピチギャルは/68 エビ取りおじさん どこ行くの?/69 さあさあ 出かけよう お隣さん/70 男を待ってる女たち/71 隣の家の姉娘は/72 踊れ 踊れよ カタツムリ/73 鏡を見ては/74 頭で遊ぶのは 虱(しらみ)です/75 越(こし)の国/76 心さびしく思うもの/77 山は山でも/78 ほらほら トンボ/79 コマまわしのウタ/80 春の野に/81 垣根ごしに こっそりと/82 風よ 伝えてよ/83 わたしの恋人/84 さしさしきしと 抱きしめて/85 カキのたたき売りのウタ/86 わたしの恋は 片思い/87 わたしが思えば思うほどに/88 雨の降る夜に 別れたの/89 山伏の法螺貝/90 津軽から来た男/91 淀川の鮎の子/92 も一度 抱いて/93 恋しいの いとしいの/94 うまい酒と/95 稲荷のお社(やしろ)の/96 八人の少女/97 東京にゃ 女はおらへんの?/98 神さまだって/99 お尻を出して/100 奥山に しばし 楽(がく)の音(ね)

梁塵秘抄口伝集第一
梁塵秘抄口伝集第十(抄)    私の今様修業時代/歌い手の数々/師・乙前(おとまえ)の死/結語

解説――「今様」という現代/川村湊
テキスト
後白河法皇年譜 (1127・大治2年〜1192・建久3年)
訳者あとがき (二〇一〇年十一月三十日 北京友誼賓館 頤園公寓の一室にて  川村 湊)


≪編纂者: ≫ 後白河法皇 Goshirakawa houou [1127-1192] 日本の第77代天皇。鳥羽天皇の第四皇子。母は藤原璋子(しょうし)。諱(いみな)は雅仁。1155年即位。1158年譲位し、以後5代34年のあいだ、院政をおこなう。在位中は保元の乱などの戦乱が続き、また平氏政権から鎌倉幕府の確立にいたる変動期にあたる。朝廷の威信保持のために政治的計略を巡らし、源頼朝からは「日本一の大天狗」と評される。一方で仏教を深く信仰し、熊野詣では34度にわたった。また今様を熱愛し、『梁塵秘抄』を編纂するとともに、その解説書ともいうべき『梁塵秘抄口伝集』を著した。

[訳者] 川村湊 Kawamura Minato 1951年生まれ。文芸評論家。1982〜86年、韓国釜山の東亜大学で日本・日本文学を教える。法政大学国際文化学部教授。著書に『異郷の昭和文学』『戦後文学を問う』『海を渡った日本語』『満洲崩壊』『妓生(キーセン)』『狼疾正伝』『牛頭天王と蘇民将来伝説』『福島原発人災記』ほか多数。訳書に『歎異抄』(唯円著・親鸞述)。

唯円著・親鸞述『歎異抄』(川村湊訳、光文社古典新訳文庫、2009年) '09/10/09





人気ブログランキングへ




本「天災と国防 (講談社学術文庫2057)」寺田寅彦5

ブログネタ
読んだ本♪ に参加中!
天災と国防 (講談社学術文庫)
天災と国防 (講談社学術文庫2057)

○著者: 寺田寅彦
○出版: 講談社 (2011/6, 文庫 208ページ)
○価格: 798円
○ISBN: 978-4062920575
クチコミを見る



あぁワスレテタ、、、忘れてしまいたいこと、忘れちゃいけないこと、どうなんだろう、年月の経過とか、ヒトの記録力には限りがないものでもなくって、よくもわるくも忘れることにはその必要があるのかもしれない、忘れてしまわなければ、記憶が薄れて傷の痛みを忘れてしまって、だからこそ、よくもわるくも一歩前に足を踏み出すことができるものなのかどうなのか(そう、ぼくはその忘れることの効用?!を否定しない、むしろ、ときと場合に応じては少し悪意をこめてみたりして、あえて実験的?!に採用しちゃわないものでもないのだが)


標題作「天災と国防」ほか、自らの関東大震災経験を綴った「震災日記より」、デマに対する考察「流言蜚語」など、地震・津波・火災・噴火などについての論考やエッセイ全十二編を収録。平時における備えと災害教育の必要性など、物理学者にして名随筆家ならではの議論はいまだに有効である。天災について再考するための必読書。(解説・畑村洋太郎


≪目次: ≫
天災と国防 (昭和9〔1934〕年11月)
火事教育 (昭和8〔1933〕年1月)
災難雑考 (昭和10〔1935〕年7月)
地震雑感    1 地震の概念/2 震源/3 地震の源因/4 地震の予報 (大正13〔1924〕年5月)
静岡地震被害見学記 (昭和10〔1935〕年9月)
小爆発二件 (昭和10〔1935〕年11月)
震災日記より (昭和10〔1935〕年10月)
函館の大火について (昭和9〔1934〕年5月)
流言蜚話 (大正13〔1924〕年9月)
神話と地球物理学 (昭和8〔1933〕年8月)
津浪と人間 (昭和8〔1933〕年5月)
厄年とetc. (大正10〔1921〕年4月)

解説/畑村洋太郎    いまも輝きを失っていない中身/必須の六つの視点/「三現」と「三ナイ」/「三日、三年、三十年、三百年」/自然を力で抑えるのは無理/「リスク・ホメオスタシス理論」/「責任追及」と「原因究明」/「胸のすくほど愉快に思ったこと」/「内部基準」を備える/福島第一原発の事故について思うこと/災難を成長の糧にする (二〇一一年五月)


※本書は『寺田寅彦全集』『寺田寅彦随筆集』(岩波書店)を底本に、物理学者で随筆家でもある寺田寅彦の発表したもののなかから災害に関連するものを集め、再構成したものです。


≪著者: ≫ 寺田寅彦 (てらだ とらひこ) 1878年〜1935年。東京帝国大理科大学実験物理学科卒業。理学博士。東京帝国大理科大学教授。帝国学士院会員などを歴任。地球物理学者、随筆家。身近な現象について科学的に考察する「寺田物理学」でも知られる。著書に、『地球物理学』『万華鏡』『蒸発皿』『物質と言葉』『柿の種』など多数。『寺田寅彦全集』『寺田寅彦随筆集』も刊行されている。

[解説者] 畑村洋太郎 (はたむら・ようたろう) 1941年生まれ。東京大学工学部機械工学科修士課程修了。東京大学大学院工学系研究科教授、工学院グローバルエンジニアリング学部特別専任教授を歴任。東京大学名誉教授。工学博士。専門は失敗学、創造的設計論、知能化加工学、ナノ・マイクロ加工学。2001年より畑村創造工学研究所を主宰。2002年にNPO法人「失敗学会」、2007年に「危険学プロジェクト」を立ち上げた。著書に『危険不可視社会』『失敗学のすすめ』『創造学のすすめ』『危険学のすすめ』『みる わかる 伝える』『畑村式「わかる」技術』『回復力』(以上、講談社)、『直観でわかる数学』『技術の創造と設計』『数に強くなる』(以上、岩波書店)などがある。






人気ブログランキングへ


最新記事
訪問者数
  • 今日:
  • 昨日:
  • 累計:

since 2007.11.19

Categories
じゃらんnet 宿・ホテル予約

Amazon
honto
TagCloud
本が好き!
本が好き!
記事検索
管理人・連絡先
管理人 Gori が書き記しています。 不適切な表現及び解釈などありましたら連絡ください。
ppdwy632@yahoo.co.jp
livedoor プロフィール

Gori

主として“本”が織りなす虚構の世界を彷徨う♪

‘表 BLOG (since 2006.8)
▲ロスバイク TREK 7.3FX(神金自転車商会 since 2008.8)
写真 Canon IXY900IS(since 2006.12.4) & EOS40D + EF-S17-85mm F4-5.6 IS USM(since 2008.7.23) + EF100mm F2.8 Macro USM(used, since 2008.9.10) + EF-S55-250mm F4-5.6 IS(used, since 2008.9.30) + EF50mm F1.8 供used, since 2009.4.4)

Archives
Recent Comments
BlogRanking
  • ライブドアブログ