Gori ≒ ppdwy632

〈ぼく〉の思索の一回性の偶然性の実験場。

2012年07月

本「建武政権 後醍醐天皇の時代 (講談社学術文庫2115)」森茂暁5

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建武政権――後醍醐天皇の時代 (講談社学術文庫)
建武政権 後醍醐天皇の時代 (講談社学術文庫2115)

○著者: 森 茂暁
○出版: 講談社 (2012/6, 文庫 256ページ)
○定価: 924円
○ISBN: 978-4062921152
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いわゆる建武の中興・建武の新政、建武政権について。鎌倉・室町の両武家政権にはさまれて、短命(1333年〜1336年)でこそあれ、公家一統体制をとったことを、後醍醐天皇親政



ようやっとあといちにち、8月1日が平成24年度第一学期の単位認定試験の最終日で、だから、最後のひとふんばり、油断することなく気を抜くことなく、そう、とくになにが終わるということもなく、ひと区切り、ただただ、ひとつの通過点でしかないのだけれども、なんだかんだといろいろいろいろないものでもなくってね、8月1日を長く気にかけて気になって気にしてきた、なによりもなにをおいても優先してきたから、劣後してあとまわしにしたことの後始末や後片付けみたいなことを考えると気が滅入るのだけども、はたまた次のステップを建設的に考えるタイセツなポイント(時期)でも、ある



北条得宗家の執政体制下、幕府は武士の支持を失い、朝廷は大覚寺統持明院統の対立と両統迭立(てつりつ)の中にあった鎌倉時代後期に出現した公家一統体制。それは復古反動か、封建王政か? 延喜(えんぎ)・天暦(てんりゃく)の治を理想とする天皇の政権はどのように誕生し、どんな構成と性格を有し、短期間で滅んでいったのか。史料の精緻な読みを通し、後醍醐の夢と挫折を解明する。


≪目次: ≫
まえがき (昭和五十五年十月二日 著者)

はじめに――建武政権論をめぐって

第一章 鎌倉後期の公武交渉
1 公武交渉の推移
関東祗候の廷臣/関東申次と東使/『花園天皇宸記
2 皇統の分裂と幕府の立場
文保御和談」/得宗専制の末期症状

第二章 後醍醐天皇前期親政
1 討幕運動の展開
後宇多院政の廃止/後醍醐天皇と邦良皇太子/後宇多院政と後醍醐親政/室町院領/討幕志向の萌芽/元亨・正中の改元/後醍醐天皇をとりまく人々/日野資朝/無礼講/正中の変/競馬/量仁親王の立坊/寺社勢力への接近
2 意欲的な政治とその思想的背景
記録所の活動/洛中の支配/使別当北畠親房/元徳の関所停止令/摂津国兵庫関/祈願所の設定/親政の思想的基盤/後醍醐歌壇/和歌における儒教的要素

第三章 建武政権の成立と展開
1 元弘の乱
得宗政権の終焉/二階堂道蘊長崎高資/討幕運動の新段階/元弘の変/密謀の参画者たち/怪僧の跳梁/後伏見院政/京都合戦/関東合戦/博多合戦/元弘の討幕勢力
2 新政の諸相
新政の理念/『建武記』/新政の三段階/新政を支える人々/内蔵寮の経済/軍役の賦課/大内裏造営計画
3 新政の諸政策
「個別安堵法」の問題点/当知行地の安堵/本主権の後退/建武の徳政令/宗教政策/僧中礼の改変/関所停止令

第四章 建武政権の行政機構
1 中央官制
記録所/恩賞方/雑訴決断所/決断所奉行人富部信連/決断所と伝奏/窪所・武者所/検非違使庁
2 地方広域行政府
奥州府/鎌倉府
3 国司・守護、国上使の制度
国司と守護/併置の実態/建武期の守護の特質/国司使

第五章 建武政権の崩壊
1 足利尊氏の去就
鎌倉期の足利氏/幕府滅亡と足利氏/建武政権下の足利氏/尊氏の発給文書
2 武家政権樹立への胎動
北部九州の反乱/中先代の乱/尊氏東下後の鎌倉/『建武式目』/南北朝の並立


さらなる理解のために
学術文庫版あとがき (平成二十四年四月一日 著者 しるす)
関連年表 (1317・文保元年〜1336・建武三・延元元年)


※カバー図版: 後醍醐天皇画像(大徳寺所蔵)


※本書の原本は、一九八〇年十一月、教育社より刊行されました。


≪著者: ≫ 森 茂暁 (もり・しげあき) 1949年、長崎県生まれ。九州大学大学院文学研究科博士課程中途退学。福岡大学人文学部教授。文学博士(九州大学1985年)。専攻は日本中世史。著書に『鎌倉時代の朝幕関係』『後醍醐天皇』『皇子たちの南北朝』『南北朝期公武関係史の研究』『南朝全史』『闇の歴史、後南朝』『中世日本の政治と文化』『室町幕府崩壊』などがある。






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本「心の病 回復への道 (岩波新書1373)」野中猛5

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心の病 回復への道 (岩波新書)
心の病 回復への道 (岩波新書1373)

○著者: 野中 猛
○出版: 岩波書店 (2012/6, 新書 240ページ)
○定価: 798円
○ISBN: 978-4004313731
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ヒトは独りでは生きてゆけない、ゼッタイテキに他人に社会に依存して生きている、であってしかし、、、
ジッサイ、生きてゆくのはカンタンなことではない、よ、なぁ、ホントに、、、フツーにヒトの社会生活のことごとくにストレスは少なくなく、小さくないストレスにさまざま変調をきたさないともかぎられない、およそ容易に、病む、だろう、誰よりぼくじしんにその自覚は、ある、そう考えるには予防もたしかに必要な戦略であり、なにより病むことを、むしろ特別視することなく、だから、リカバリー(回復)への、道


職場で学校で、大きな問題となっている心の病。なぜ人は心を病むのか? どのような対処が適切で、回復には何が必要なのか? チームケアに取り組む精神科医が、身近な具体例とともに、精神障害者のおかれた歴史、精神医学の最新知見や、日本・世界の新たな潮流を紹介する。ハウツーにとどまらず、心にしっかり効く一冊。


≪目次: ≫
はじめに
四人に一人/予防の時代/「心の病」とは/「回復」とは/本書のねらい

第1章 心の健康の危機――21世紀の課題としての精神疾患
1 身近で深刻な精神疾患
同級生のA君と私/Bさんの回り道/病気について知る/WHOレポート/疾病による負担/自殺率の高さ/自殺実態一〇〇〇人調査/この邦に生まれたるの不幸/立ち遅れる政策
2 「障害」とは? 「病名」とは?――言葉をめぐって
Bさんの回復過程/「障害」について/「精神障害」という言葉/国際疾病分類/どこからが「病気」か/精神保健現場での混乱/あいまいな病名/病名とのつきあい方
3 すべての人にとっての精神保健
精神保健という言葉/慢性疾患の時代/「健康」の概念/精神保健の系譜/精神保健の対象

第2章 対策はどう変わってきたか――小さな精神病院の実践から
1 駆け出しの精神科医
実家の座敷牢相馬事件呉秀三の調査/身近な精神病者/変わった研修/多彩なスタッフ/慢性病棟にて/ロボトミー/自分が心身症を発症
2 精神病院を改革する
「いたこ」や「ごみそ」/病院改革/平均在院日数/収容政策/退院支援
3 法律がなくとも――地域支援活動の挑戦者たち
保健師の力/群馬の「生活臨床」/共同作業所運動/黎明期の地域生活支援活動/やどかりの里/地域とのつきあい/公設リハビリテーションセンター/世代による視点の違い

第3章 もしも精神疾患を発症したら――相談窓口と治療法
1 心のサインをとらえる
昇進した商社マンの憂うつ/身体症状/行動上の変化/主観的な体験/悩みを相談する
2 心の病のメカニズム
脆弱性−ストレス−対処モデル/病気の意義
3 心の病の相談窓口
Eさんへのアドバイス/診療科目の選び方/診療報酬制度/精神保健相談/窓口へのアクセス改善と啓発活動/緊急の場合/精神科救急
4 心の病とのつきあい
再発への対処/認知行動療法/休職から職場復帰へ/アルコール症/断酒新生/サイコセラピー/精神分析療法と私/全体的な存在

第4章 生活を取り戻す――リハビリテーションの現在
1 呼び名は何か?
患者か利用者か/コンシューマー/自分の名前
2 障害の構造
障害は複数の要因で成り立つ/国際生活機能分類/障害の規定/「健康条件」の悪化/「心身機能と構造」の制限/「活動」の制限/「参加」の制限/内なる偏見を超えて
3 法律の整備
宇都宮病院事件/精神保健法の改正/改正の積み重ね
4 地域精神保健の実践――埼玉県での実践から
総合的な精神保健活動/一次予防/二次予防/処遇困難事例/三次予防
5 具体的なリハビリテーション活動
デイケア/デイケアの意義と「限界」/宿泊型自立訓練/アパートへ/働きたい/職業リハビリテーション/援助つき就労/新たな就労支援/家族の苦労/家族どうしのつながり/ケースマネジメント/ケースマネジャーの役割/地域生活支援の定着

第5章 世界では、いま――精神疾患はどうとらえられているか
1 世界放浪から学んだこと
精神保健見学ツアー/発展途上国から学ぶ/統合失調症の国際的な疫学調査
2 アメリカ合衆国の先進的技術
セルフヘルプグループ活動/一人ぼっちではない(We are not alone: WANA)/社会生活の技能/社会生活技能訓練の実際/「成人役割」に対する支援/効果実績の積み重ね/ACT(Assertive Community Treatment)/「ザ・ビレッジ」という方法/ケン・スティールの物語
3 イギリスの医療福祉制度
大学の教員になる/学び直し/イギリスへの留学/ケアマネジメントのシステム/日本の制度は細切れ/直接支払い制度/Mさんへの支援事例/それぞれの文化に応じて

第6章 これからの精神保健――真のリカバリーのために
1 リカバリーということ
新しい生き方/べてるの家/リカバリー(回復)が意味するもの/不便だが不幸ではない/社会の仕組みとの闘い/政策に採用されたリカバリー/専門職側の問題/リカバリーの過程
2 精神障害に対する理解
これまでの精神医学(サイキアトリ)/病名の告知/見方は変わってきた/名称変更/「普通の人」どうし/偏見と差別/偏見の実態/学校教育に対する期待/教員とメンタルヘルス
3 力をあわせる
チームワークの必要性/変わる流れ/サービスをまとめる/ある一家の危機/チームワークの技術/チームワークに必要なもの/パートナーシップ/当事者と専門職の合同会議/当事者による支援/歩みつづける

あとがき (二〇一二年四月  野中 猛)
主な引用文献


≪著者: ≫ 野中 猛 (のなか・たけし) 1951年栃木県に生まれる。1976年弘前大学医学部卒業。藤代健生病院、代々木病院などに精神科医として勤務。1988年より埼玉県立精神保健総合センターにて地域精神保健にかかわる。2001年からは日本福祉大学教授。日本福祉大学研究フェロー、日本精神障害者リハビリテーション学会会長。著書、『悩む心の処方箋』(連合通信社)、『図説 ケアマネジメント』(中央法規出版)、『図説 精神障害リハビリテーション』(中央法規出版)、『ケア会議で学ぶ精神保健ケアマネジメント』(中央法規出版)、『精神障害リハビリテーション論』(岩崎学術出版社)ほか共著、訳書多数。






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本「図説 エリザベス一世 (ふくろうの本・世界の歴史)」石井美樹子5

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図説 エリザベス一世 (ふくろうの本/世界の歴史)
図説 エリザベス一世 (ふくろうの本・世界の歴史)

○著者: 石井美樹子
○出版: 河出書房新社 (2012/6, 単行本 119ページ)
○定価: 1,890円
○ISBN: 978-4309761930
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Elizabeth I of England(1533-1603、在位1558-1603)


ルネサンス期のイギリス絶頂期を築いた女王の評伝。不幸な少女時代、姉との確執、王位という栄光、生涯独身を貫いた心のうちなど、宿命に動かされた生涯を、多数図版とともに解説する。
孤独な少女が、王冠を手にし、ローマ教皇をして「あのちっぽけな島の女がスペイン、フランス、神聖ローマ帝国など、すべての国々から恐れられている」と語らせた。生涯独身を貫き、イギリスを七つの海を制覇する大国に育て上げた女王の美しく、激しい人生を描く。


≪目次: ≫
はじめに――エリザベスへと続く道
美しき女王 肖像画の世界

第1章 フランス育ちの母アン・ブーリン
貴婦人になるために/マルガレーテの学校/宮廷デビュー/恋する王/絶望/王妃の処刑
column 1 女王が大切にした指輪
第2章 レディ・エリザベス
王位継承権の剥奪/ヘンリー八世の四番目と五番目の后/自愛あふれる継母キャサリン・パー/母の面影/父の死/継母との別れ/学問に専念して/海軍卿の処刑
column 2 エリザベスのファッション
第3章 姉との闘い
九日間の王女ジェーン・グレイメアリー女王の報復/王女の時代への布石/ロンドン塔へ/空しい華燭の典/フランス戦
第4章 王冠を我が手に
これは主の御業/二つの身体/勝利のロンドン入城/枢密院委員/戴冠式
第5章 イギリスと結婚した女王
英国国教会の統治者/結婚の証/和平条約/ヴァロア家の悲劇
column 3 三つのBの国イギリス
第6章 女王の恋
お目々ちゃん/女王と成り上がり者の恋/女王のスキャンダル/エイミー・ロブサートの怪死/天然痘に倒れる
第7章 国情不穏
オランダ独立戦争メアリー・スチュアートの亡命と陰謀/扇動的なスペイン大使/サン・ホアン・デ・ウルアの悲劇/不穏と危機
第8章 無敵艦隊を破る
ドレイクの帰還/バビントン陰謀事件/大逆罪で裁かれて/スペインのイギリス侵略/フェリペの作戦の落とし穴/王の心を持つ女王/レスター伯ロバートの死
終章 黄金のスピーチ
女王とフランス大使/アイルランドの反乱/エセックスの反乱/黄金のスピーチ/女王の最期
column 4 冬の王妃――エリザベス女王の再来

エリザベス略年表
あとがき (二〇一二年春 石井美樹子)
主要参考文献


≪著者: ≫ 石井美樹子 (いしい・みきこ) 1971年、津田塾大学大学院博士課程修了。英国ケンブリッジ大学で中世英文学・演劇を研究。神奈川大学教授。文学博士。主な著著に『エリザベス――華麗なる孤独』(中央公論新社)、『ルネサンスの女王エリザベス』『イギリス 王妃たちの物語』(朝日新聞社)、『イギリス・ルネサンスの女たち』(中公新書)、『図説ヨーロッパの王妃』『図説イギリスの王室』『図説ヨーロッパ宮廷の愛人たち』(河出書房新社)など多数。






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本「地下水は語る 見えない資源の危機 (岩波新書1374)」守田優5

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地下水は語る――見えない資源の危機 (岩波新書)
地下水は語る 見えない資源の危機 (岩波新書1374)

○著者: 守田 優
○出版: 岩波書店 (2012/6, 新書 240ページ)
○定価: 798円
○ISBN: 978-4004313748
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見えない(フツーに危機のことごとくなにごとかを想像することの困難みたいな)、公共の資源、としての、地下水


井戸水や湧き水として身近な地下水。都市化のなかでその大量利用が続いた結果、地盤沈下や湧水の涸渇、新たな汚染が発生している。世界の穀倉地帯には、農業用水の危機も迫る。日本の事例についてさまざまな障害がどのように発生するかを解説し、これからの地下水との付き合い方を、資源・環境・文化の面から考える。


≪目次: ≫
はじめに 世界の地下水の危機と日本
見えない資源/見えない危機/アジアの都市がかかえる地盤沈下の脅威/日本の地下水の危機

第1章 沈む大地
1 沈み行く東京
高潮の謎/沈下する地盤/沈まぬ都市/地盤沈下の原因は?
2 地盤沈下と地下水
西大阪の地盤沈下/アメリカの地盤沈下のはじまり/地下水とは/被圧地下水/地盤沈下の仕組み/井戸の抜け上がり沖積層と洪積層/地盤沈下の被害
3 東京ゼロメートル地帯
工業地帯の拡大/工業用水としての地下水/深井戸は語る/ゼロメートル地帯の出現/浦和水脈/ゼロメートル地帯の現在/深層収縮/被圧帯水層の不圧化
4 地盤沈下の現在
工業用水と地下水/工業用水法/ビル用水法/地下水位の回復/地盤沈下防止法案の挫折/全国に広がる地盤沈下/雪国の地盤沈下/海外の地盤沈下事情/「沈み行く東京」の現在

第2章 涸渇する名水
1 都市をうるおす湧水
日本の名水/井の頭池の涸渇/さまざまな湧水/台地の湧水/地下を流れる川/早い時期の涸渇はなぜ?/武蔵野台地の湧水涸渇
2 井の頭池はなぜ涸渇したか
戦前の武蔵野台地の地下水/武蔵野台地の水収支/浸透域の減少か?/一日一ミリ/武蔵野台地の地下水開発/漏水の実態/水循環不全
3 水循環不全という地下水障害
健全な水循環/水循環不全/水循環不全の進行/不圧化のメカニズム/武蔵野台地の地下水はいまどうなっているか/水循環不全と地下水涸渇/「井の頭池」の現在

第3章 地下水と日本人
1 湧き水と井戸
井戸のはじまり/仏教伝来と皇都造営による井戸技術の発展/「枕草紙」の井戸/まいまいず井戸/新田集落と地下水/地下水から見た集落の立地/江戸の上水と地下水/上水井戸掘井戸/京都の食文化と地下水
2 井戸掘削の技術革新
享保の水道改革/掘抜き井戸のはじまり/村の生活と井戸/上総掘り/井戸掘削の技術革新/大量揚水への道

第4章 環境としての地下水
1 有機塩素化合物による汚染
ハイテク汚染の衝撃/追跡調査と暫定水質基準/汚染源はどこか?/地下水の水質汚染/地下水の水質基準/水みち/深井戸からの地下水汚染/深井戸の経年劣化/汚染の現在/原発事故による地下水の放射能汚染/原発による地下水汚染の今後
2 地下水が地下駅を持ち上げる
上野駅の地下水上昇/変化する自然水位/地下鉄の駅の湧水を環境用水に/新小平駅の浸水/豪雨による地下水位の上昇
3 地下鉄が地下水を堰き止める
国分寺市の地下水異変/地下水流動阻害/京都の水の異変/大深度地下開発

第5章 地下水とどう付き合うか
1 地下水は誰のものか
先送りされたミネラルウォーター税/私水論のはじまり/合理的制約を認めた判決/諸外国の地下水法/地下水を公水とする国々/水循環基本法へ向けて/「公共の水」
2 「公共の水」としての地下水
湧水保全の住民運動/野川流域の湧水文化/水循環の保全/小金井市の雨水浸透事業/「ざる田」が養う熊本市の地下水/市民共通の財産/湧水保全の意義
3 地下水の将来
水資源としての地下水の今後/水循環の健全化/文化としての水循環/地下水位という管理指標/地下水水質のリスク管理/地下水と地域コミュニティ/共有資源としての地下水

あとがき (二〇一二年四月  守田 優)
参考文献


≪著者: ≫ 守田 優 (もりた・まさる) 1953年熊本県熊本市に生まれる。東京大学工学部土木工学科卒業、同大学大学院修士課程修了。東京都土木技術研究所にて地盤沈下、地下水、都市河川の研究に従事。工学博士。芝浦工業大学工学部教授。専攻、都市水文学、地下水水文学。著書、『首都圏の水』(共著、東京大学出版会)、『地下水理学』(共著、丸善)、『都市をめぐる水の話』(共著、井上書院)など。


貝塚爽平 『東京の自然史』(講談社学術文庫、2011年) '11/12/09





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本「第五の書  Cinquieme Livre (ガルガンチュアとパンタグリュエル5、ちくま文庫)」ラブレー、宮下志朗 訳5

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ガルガンチュアとパンタグリュエル 5 第五の書 (ちくま文庫)
第五の書  François Rabelais: “Le Cinquiesme et dernier livre des faicts et dicts heroïques du bon Pantagruel, composé par M. François Rabelais, Docteur en Medecine. Auquel est contenu la visitation de l'Oracle de la Dive Bacbuc, et le mot de la Bouteille: pour lequel avoir, est entrepris tout ce long voyage. Nouvellement mis en lumiere. M.D.LXIIII. [NRB54]”, 1564 (ガルガンチュアとパンタグリュエル5、ちくま文庫)

○著者: フランソワ・ラブレー宮下志朗
○出版筑摩書房 (2012/5, 文庫 535ページ)
○定価: 1,680円
○ISBN: 978-4480429216
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ナツイアツ(夏とは暑いものだろう)、イロイロイロイロナイモノデモナイ(なにがあろうがなかろうが)


フランス・ルネサンス文学を代表する作家ラブレーの記念碑的傑作――爆発的な哄笑と荘厳とが交錯する不思議な文学世界の魅力を伝える新訳、完結。「聖なる酒びん」のご託宣を求めて大航海へと船出したパンタグリュエル一行は、難儀な教皇鳥や司教鳥の飛び交う〈鐘の鳴る島〉、刀剣の類が実る大木の茂る〈金物島〉などの異様な島々を巡り、ついには神託所に到達してお告げを解き明かす。奇想あふれる版画「パンタグリュエルの滑稽な夢」全120点を収録。(全5巻・完結)


≪目次: ≫
『第五の書』 Le Cinquiesme et dernier livre des faicts et dicts heroïques du bon Pantagruel, composé par M. François Rabelais, Docteur en Medecine. Auquel est contenu la visitation de l'Oracle de la Dive Bacbuc, et le mot de la Bouteille: pour lequel avoir, est entrepris tout ce long voyage. Nouvellement mis en lumiere. M.D.LXIIII. [NRB54], 1564

フランソワ・ラブレー先生の前口上
第1章 パンタグリュエルが鐘の鳴る島に到着して、いかなる音を聞いたのか
第2章 鐘の鳴る島には、鳥になってしまったシティシーヌ族が住んでいたこと
第3章 鐘の鳴る島には教皇鳥(パプゴー)が一羽しかいないこと
第4章 鐘の鳴る島の鳥は、すべて渡り鳥であること
第5章 鐘の鳴る島では、貪欲騎士団鳥(グルマンドウール)は口をきかないこと
第6章 鐘の鳴る島の鳥たちは、どんなふうに食べ物にありついているのか
第7章 パニュルジュ、アエディトゥス先生に、軍馬とラバの譬え話をする
第8章 教皇鳥(パプゴー)を拝見するのに難儀したこと
第9章 金物島(フエルマン)島に上陸する
第10章 パンタグリュエル、カサード島に到着する
第11章 シャ=フレ族の大公グリップ=ミノーが住む獄門島(ル・ギシエ)に渡る
第12章 グリップ=ミノーが謎歌(エニグム)を出したこと
第13章 パニュルジュ、グリップ=ミノーの謎歌を解き明かす
第14章 シャ=フレ族は、賄賂(コリユプシオン)で生きていること
第15章 ジャン・デ・ザントムール修道士、シャ=フレ族を袋だたきにしようと決意する
第16章 われわれがウートル島に立ち寄り、パニュルジュが殺されかかったこと
第17章 われわれの船が座礁して、カント国の臣民である旅人たちに助けられたこと
第18章 カント・エサンス王国、別名エンテレケイアに到着する
第19章 女王カント・エサンスが、歌曲で病人を治療していたこと
第20章 食後、女王はいかに時をすごすのか
第21章 カント国の役人たちには、さまざまな仕事があること。そして、女王がわれわれを、抽出師(アプストラクトウール)として引き止めたこと
第22章 女王の夕食にはなにが出されるのか、また彼女の食べ方について
第23章 カント国女王の臨席のもと、勝ち抜き戦(トウルノワ)方式により、楽しい舞踏会がおこなわれたこと
第24章 三二人が舞踏会で戦うこと
第25章 あらゆる道が歩いている街道(オドス)島に上陸したこと
第26章 木靴族(エクロ)の島に立ち寄ったこと、ならびにフルドン修道会について
第27章 パニュルジュがひとりフルドン会修道士にものを尋ねたところ、単音節(モノシラブ)の返事しか返ってこなかったこと
第28章 エピステモンは、四旬説(カレーム)という制度が気に入らないこと
第29章 われわれがサテン国を訪れたこと
第30章 サテン国で、証言学校を開いている風間先生(ウィ・ディール)に会ったこと
第31章 われわれにより、ランテルノワ国が発見されたこと
第32章 われわれがリクノビアン人たちの港で下船して、ランテルノワ国に入ったこと
第33章 われわれが酒びんの神託所に到着したこと
第34章 酒びんの神殿に入るために、われわれが地下に降りたこと。また、シノンが世界第一の町であること
第35章 われわれが、聖なる四段階段をくだり、パニュルジュが恐怖におそわれたこと
第36章 驚くべきことに、神殿の扉がひとりでに開いたこと
第37章 神殿の床が、驚くようなモザイクで作られていたこと
第38章 神殿のモザイクに描かれていた、バッコス神がインド人に勝利を収めた合戦の絵図について
第39章 モザイクに、善良なるバッコス神がインド人たちにけしかけた突撃と攻撃の様子が描かれていたこと
第40章 神殿が、驚くようなランプで照らされていたこと
第41章 神祇官(じんぎかん)バクブックにより、神殿内で幻想的な泉を見せられたこと
第42章 泉の水が、飲む人々の想像力によってワインの味になること
第43章 聖なる酒びんのお告げを授かるべく、バクブックがパニュルジュに装束を着せたこと
第44章 神祇官バクプックが、パニュルジュを聖なる酒びんの前に引き出す
第45章 バクプック、酒びんのお告げを解き明かす
第46章 パニュルジュや仲間たちが、詩的な熱狂により連歌を巻く
第47章 バクブックに別れを告げて、一行は酒びんの神託所を後にする
エピグラム


『「お腹(なか)パンク島」と神秘的に解釈されているところの、いとも甘口ワイン生産的にして、いともがつがつ食べ物満載的なる、パニゴン王国のなじみの描写』 Familiere description du tres vinoporratimalvoisé & tres envitaillegoulementé Royaume Panigonnois, mystiquement interpreté l'Isle de Crevepance. A Lyon, par Pierre de la Maison-neufve.


『パンタグリュエルの滑稽な夢』 Les Songes drolatiques de Pantagruel, où sont contenues plusieurs figures de i'invention de maistre François Rabelais: & derniere æuvre d'iceluy, pour la recreation des bons esprits. A Paris. Par Richard Breton, rue S. Jaques, à l'Ecrevisse d'argent. M.D.LXV.


解説
集合体としての『第五の書』/合成版か、単独版か/『第五の書』 [64] のあらすじ/隠れた意味を探して/底本、主要なエディションと翻訳/『お腹パンク島』(1560年頃)/『パンタグリュエルの滑稽な夢』(1565年)/『フランドル語・フランス語対照ことわざ辞典』におけるラブレー/略語表

あとがき (二〇一二年二月三日(節分の日) 宮下志朗)


※カバー装画 ギュスターヴ・ドレ


≪著者: ≫ フランソワ・ラブレー (François Rabelais, 1483?−1553) フランスの作家・医師。 モンテーニュとともに16世紀フランスを代表する文学者。 トゥーレーヌ地方シノンに、 弁護士の末子として生まれる。 フランチェスコ会修道院に修道士として起居し、 哲学・神学を学ぶかたわらギリシャ語を独習。 1528年ごろパリに上る。 30年秋、モンプリエ大学医学部に登録。 32年にリヨン市立病院に勤務、 医師・古典学者として第一歩を踏み出す。そのころ『パンタグリュエル』を発表。 34年『ガルガンチュア』、 46年『第三の書』、 52年に『第四の書』を完成。

[訳者: ] 宮下志朗 (みやした・しろう) 1947年生まれ。東京大学大学名誉教授、放送大学教養学部教授。著書に、『本の都市リヨン』『ラブレー周遊記』『読書の首都パリ』『書物史のために』ほか多数。

フランソワ・ラブレー 『第四の書 (ガルガンチュアとパンタグリュエル4) Quart Livre, 1546 』(宮下志朗 訳、ちくま文庫、2007年) '09/12/10
フランソワ・ラブレー 『第三の書 (ガルガンチュアとパンタグリュエル3) Le Tiers Livre, 1546 』(宮下志朗 訳、ちくま文庫、2007年) '09/07/21
フランソワ・ラブレー 『パンタグリュエル (ガルガンチュアとパンタグリュエル2) Pantagruel, 1532 』(宮下志朗 訳、ちくま文庫、2006年) '09/07/16
フランソワ・ラブレー 『ガルガンチュア (ガルガンチュアとパンタグリュエル1) Gargantua, 1534 』(宮下志朗 訳、ちくま文庫、2005年) '09/07/12

オノレ・ド・バルザック 『グランド・ブルテーシュ奇譚  La Grande Bretéche, 1832/Le Message, 1832/Facino Cane, 1836/Madame Firmiani, 1832/De l'État Actuel de la Librairie, 1830 』(宮下志朗訳、光文社古典新訳文庫、2009年) '09/10/06
ミシェル・ド・モンテーニュ 『モンテーニュ エセー抄』(宮下志朗 編訳、大人の本棚、みすず書房、2003年) '09/07/04
荻野アンナ 『ラブレーで元気になる』(理想の教室、みすず書房、2005年) '09/04/23





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本「マルティン・ルター ことばに生きた改革者 (岩波新書1372)」徳善義和5

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マルティン・ルター――ことばに生きた改革者 (岩波新書)
マルティン・ルター ことばに生きた改革者 (岩波新書1372)

○著者: 徳善義和
○出版: 岩波書店 (2012/6, 新書 208ページ)
○定価: 735円
○ISBN: 978-4004313724
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改革、者



ことばの真理を追い求め、聖書を読んで読みぬく。ひとりの若き修道士の飽くなき探究心が、キリスト教の世界を根底から変え、新しい時代への扉をひらいた。マルティン・ルターMartin Luther, 1483-1546)。宗教改革者。聖書のことばをひたむきに見つめ、ヨーロッパに中世と近代とを画す歴史の転機をもたらした生涯を描く。


≪目次: ≫
序章 ことばに生きる
ことばに生きる/キリスト教はことばの宗教/不安な民衆たち/使命への目覚め

第1章 ことばとの出会い
1 父と子
上昇志向/父の期待/突然の修道院入り
2 修道士として
修道院の生活/修行の日々/葛藤
3 一点突破
神学研究の道へ/聖書への集中/新設の田舎大学/詩篇講義/神の義とは何か/一点突破へ

第2章 ことばが動き始める
1 町と人びと
ヴィッテンベルク/町の人びと
2 全面展開
ローマ書講義/十字架の神学/分かち合いから問いかけへ
3 九五箇条の提題
神学討論/ローマ教会への問い/魂の救いのために

第3章 ことばが前進する
1 嵐の中で
アウグスブルク審問/ライプツィヒ討論/波紋の大教勅/ウォルムス喚問/ルター、ルターになる
2 聖書を民衆の言葉に
騎士ヨルク/パトモスの小島より/エラスムスの『新約聖書』/新約聖書を翻訳する/民衆の口の中をのぞいて
3 宗教改革とは何か
力によらず、ことばによって/改革の伝統/宗教改革分布図/再形成化としての宗教改革/さまざまな変革の波/信仰の再形成

第4章 ことばが広がる
1 語るルター
説教運動と文書運動/最初のマスメディア/キリスト教者の自由について
2 歌うルター
ゆっくりとした改革/賛美歌の始まり/コラールの歌ごえ運動
3 生活の新しい姿
変わる学校教育/ルターの結婚/子育てからの気づき

第5章 ことばを受けとめる
1 危機と限界
重なりあう危機/エラスムスとの論争/ドイツ農民戦争/ユダヤ人とルター
2 聖書を読みつづける
ライフワークとしての聖書翻訳/聖書の読み方を変える/最後の聖書講義

終章 ことばに生きた改革者
キリスト教的一体世界の終焉/祈り、黙想、試練/死の床のかたわらに

引用・参考文献
ルター略年譜 (1483年-1546年)
あとがき (二〇一二年五月 徳善義和)


≪著者: ≫ 徳善義和 (とくぜん・よしかず) 1932年東京生まれ。1954年東京大学工学部卒業、1957年日本ルーテル神学校卒業。専攻、歴史神学(宗教改革)。ルーテル学院大学、ルーテル神学校名誉教授。著書、『マルチン・ルター 生涯と信仰』、『キリスト者の自由 訳と注解』(教文館)ほか。訳書、『ルター著作選集』(教文館、共訳)、『ルター著作集』(聖文舎、共訳)ほか。


森田安一 『ルターの首引き猫 木版画で読む宗教改革  Die luterisch strebkatz: the Reformation as seen in the Woodcuts 』(歴史のフロンティア、山川出版社、1993年) '11/12/03
森田安一 『図説 宗教改革』(ふくろうの本・世界の歴史、河出書房新社、2010年) '11/11/30
森田安一 『ルターの首引き猫 木版画で読む宗教改革  Die luterisch strebkatz: the Reformation as seen in the Woodcuts 』(歴史のフロンティア、山川出版社、1993年) '11/02/09
R. W. スクリブナー/C. スコット・ディクスン 『ドイツ宗教改革  R. W. Scribner and C. Scott Dixon: “The German Reformation, Second Edition, Studies in European History”, Palgrave Macmillan, 1986, 2003 』(森田安一 訳、岩波書店、2009年) '11/02/04
森田安一 『図説 宗教改革』(ふくろうの本・世界の歴史、河出書房新社、2010年) '11/01/27
草光俊雄/五味文彦/杉森哲也 編著 『歴史と人間 '08』(放送大学教材;基礎科目、放送大学教育振興会、2008年) '10/09/25





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本「確率と曖昧性の哲学」一ノ瀬正樹5

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確率と曖昧性の哲学
確率と曖昧性の哲学

○著者: 一ノ瀬正樹
○出版: 岩波書店 (2011/3, 単行本 320ページ)
○価格: 3,360円
○ISBN: 978-4000258050
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さてさて、はじまりました。過去形ね、前日までは始まっていなかった、はじまる、未来形だったものが、いよいよハジマッタ、「それでは解答をはじめてください」とは、AM9:15のこと、単位認定試験はすでに5回目をかぞえるのだがマッタク慣れるようなことはなく、いまだにひどく緊張する、がしかし、なにはともあれ始まりを迎えたということは、ただただ時間の経過によって規定されたタイムスケジュールにしたがって機械的に事務的に、ぼくなんかの都合とはゼンゼン無関係に一切考慮することもされることもなく、有無を言わさず粛々と進行するのであって、やがて、確実に、終わりを迎える、「ハイ、時間です」
そう、試験対策としては、教科書と提出課題(問題と解答)と過去問題だけを集中してシッカリ勉強すれば、それだけでじゅうぶんなのかもしれない、であってしかし、ぼくとしては、どうしてもこの本まで試験前に読了(再読)しておきたかった、のであって、あらかじめその目的で図書館から借りて目の前に積んであって、もちろんなかなか予定通りにものごとはすすまず(ジッサイおよそおおくは予定通りに進行しているのだが)、どうにも気になったままに、なにを優先して、なにを劣後するか、その選択を、その場の状況をいろいろ考慮して考慮して決定を迫られよう、前日の夕方は早目に帰宅して夕食を済ませて、満腹になって油断をすると酒をひとくち口にしてしまうと、緊張感はときほぐされ集中力は持続できない、ということで、思い切って戦略を変更して、早々に就寝することとして、ぼくの睡眠時間は6時間がベストであり、5時間半を切るとボンヤリして集中力を欠き作業効率が落ちる、はたまた、おおく睡眠をとったからといって作業効率が増すものでもなく、むしろバランスを崩すことにもなりかねない、およそ6時間を前後すること10%〜20%くらいが最適であることを考えるには、午後10時すぎに就寝したら計算上は午前4時すぎに起床することが理にかなう計算結果が導かれる、ということで、すこし疲労感があることを加味して、午前4時40分に携帯電話のアラームをセットした、で、すこしゆっくり朝の支度をして、しっかりいつも通りに朝食を摂り、そそくさと最寄駅を6:16発の各駅停車の乗客の少ない電車に乗って座席に座って試験会場の渋谷へと向かい、朝マックするかどうしようかと少しだけ迷って(空調の効きすぎた猥雑な空間の弛緩した空気に触れることを忌避した)、大和田の坂の上の公園のベンチで屋外で、隣りのベンチのホームレス風のおじさんが少し気にならないでもなかったが、電車の中から読み始めた本を読み耽る、朝から暑い、汗をかきながら、それでもときおり吹き抜ける風は心地好い、まもなく始まるであろう試験の緊張感が気分の高揚が、これがビーチリゾートの浜辺のデッキチェアでの読書だったら、こんなには集中できないだろうなぁなどと思いながら、予想外に(予定通りに)快調に読みすすめた(試験前に読了した)、もちろん、理解はいつも通りにおぼつかないものではあって、しかし、、、はてさて、試験はアタリマエのようにむつかしく、なにがむつかしいって、ぼくが母語としている(と思って疑うことがない)日本語であって日本語とは思えないようなコトバ、概念がおおく長文で列挙され、択一式の問題であってその問題文を読み込むだけでひと苦労があって、まずは問うていることの意味をとって、それから、持ち込みが許可されている教科書の該当するであろう箇所を探り当てて読み込んで詳細をその正誤を判別する作業のひとつひとつの困難、たった10問の問題を50分間の制限時間の中ではじっくり読み込むことができずに、時間の配分を誤って焦ってあわてて混乱して、最後の2問までは手が回らなくて、、、どうだろう、60点で合格だからボーダーラインを超えればいいのだけれども、じつはこの科目は再試験科目だから、すでに後がないのが気がかりなのだけれども、それはそれでチャンスが残されていないということはそういうことでダメなら諦める以外に方法はないことから、そう、結果を結果として引き受けて受け止めるだけのことで、他でリカバーするのか、もう一度お金払ってリトライするのか、それは結果が出てから考えよう



不確実さと曖昧さを組み込んだ、「音楽化された認識論」のために。
私たちの思考と行動に、果たして「自由」はあるのだろうか。生活の場に浸透する不確実さと、先端科学が提起するリアルな曖昧さの発見―― これらの源を、認識・知識のダイナミックな振幅と、生命現象に探り出していく。あらためて、いくつかのパラドックスに挑戦し、因果性の再定義を企てるとともに、そこに「自由の程度説」を基礎づける。意識から生命まで、あらゆる局面に浸潤する決定論に抗して、再び自由の礎石をすえようとする知的挑戦の書。


≪目次: ≫
序 不確実性のリアリズム――決定論の虚妄性

第1章 知識は自然現象か――自然主義のゆらぎ
1 知識のほころび
2 自然主義的認識論の固有性
3 制度的知識の位置づけ
4 「知識の所有」という陥穽
5 ソラティーズ・パラドックス
6 パラドックスの射程
7 ソラティーズの因果説

第2章 因果は確率的か――「ベイジアン・ネット」と「シンプソンのパラドックス」
1 因果関係の認識
2 確率的因果の基本的着想
3 トマス・ベイズとベイズ主義
4 ベイズ的確証理論の発想
5 ベイジアン・ネットによる因果推論の表示
6 シンプソンのパラドックスの衝撃
7 母集団に対する相対性
8 高次のシンプソンのパラドックス
9 「条件なし確率」の困難
10 神秘化と無限性
11 対象化のアポリア
12 アポリアと日常性の振幅

第3章 生命現象は偶然的か――自然選択と遺伝的浮動
1 生命現象の両義性
2 DNAと遺伝子
3 遺伝子による語り
4 氏と育ち
5 生物に関する決定論
6 過去性・不確実性・自己言及性
7 決定論の不思議
8 過去性と個体性
9 偶然性への道
10 決定論的偶然性
11 客観的偶然性としての傾向性
12 環境への偶然性の浸潤
13 過去の流動性の形而上学
14 進化理論と歴史性
15 自然選択という語法
16 自然選択の確率的性格
17 遺伝的浮動という偶然性
18 適応度の概念
19 自然選択の低確率の結果
20 決定論への揺り戻し
21 因果的超越のアポリア
22 抽出エラーによる逸脱
23 道具主義と確率解釈
24 偶然性の深遠
25 進化の帰結としての確率
26 規範としての自然選択
27 決定性と偶然性の共闘

第4章 曖昧性は矛盾を導くか――「真理値グラット」アプローチ
1 矛盾の爆発性
2 「ソライティーズ・パラドックス」再び
3 真理値ギャップ
4 真理値グラットの導入
5 細評価論によるパラドックス解消
6 双対性
7 存在的な曖昧性
8 「真理値グラット」と確率の文法
9 傾向性確率と矛盾
10 確率評価論――ハイブリッドの試み
11 輪郭のぼやけ
12 曖昧な対象
13 多数問題と一〇〇一匹猫
14 エバンズの議論
15 ポスト・エバンズ
16 「真理値グラット」再び
17 存在論的な矛盾
18 確率と自由度

第5章 自由は生命現象か――時制差と自由度の導入
1 自由をめぐる錯綜
2 p‐自由とf‐自由
3 二つの条件文
4 逸脱・責任そして権利
5 「自由度」の概念
6 決定論の拒絶
7 犯罪行動の生命科学的条件
8 リベットの実験
9 拒否する自由
10 自由の持続性
11 倒錯か洞察か
12 不確実性と規範性

あとがき (二〇一一年一月 土浦にて 一ノ瀬正樹)
文献表
人名・事項索引


※カバー画; パウル・クレー「さまざまな倒錯の分析」1922, パリ.


≪著者: ≫ 一ノ瀬正樹 (いちのせ まさき) 1957年、茨城県土浦市に生まれる。1988年、東京大学大学院人文科学研究科博士課程(哲学専攻)単位取得。東京大学大学院人文社会系研究科教授、博士(文学)。主要著訳書、『人格知識論の生成――ジョン・ロックの瞬間』(東京大学出版会、1997年、和辻哲郎文化賞および中村元賞受賞)、『原因と結果の迷宮』(勁草書房、2001年)、『原因と理由の迷宮――「なぜならば」の哲学』(勁草書房、2006年)、『功利主義と分析哲学――経験論哲学入門』(放送大学教育振興会、2010年)、『死の所有――死刑・殺人・動物利用に向きあう哲学』(東京大学出版会、2011年)、Philosophy of Uncertainty and Medical Decisions. Bulletin of Death and Life Studies. vol. 2.(共著, 21st Century COE Program DALS. Graduate School of Humanities and Sociology. The University of Tokyo. 2006)、D. ヒューム『人間知性研究』(共訳、法政大学出版局、2004年)。


一ノ瀬正樹 『死の所有 死刑・殺人・動物利用に向きあう哲学』(東京大学出版会、2011年) '12/07/17
一ノ瀬正樹 『原因と理由の迷宮 「なぜならば」の哲学』(勁草書房、2006年) '12/07/08
一ノ瀬正樹 『原因と結果の迷宮』(勁草書房、2001年) '12/07/02
一ノ瀬正樹 『人格知識論の生成 ジョン・ロックの瞬間』(東京大学出版会、1997年) '12/06/06
一ノ瀬正樹 『死の所有 死刑・殺人・動物利用に向きあう哲学』(東京大学出版会、2011年) '11/12/30
一ノ瀬正樹 『確率と曖昧性の哲学』(岩波書店、2011年) '11/09/04





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本「功利主義入門 はじめての倫理学 (ちくま新書967)」児玉聡5

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功利主義入門 : はじめての倫理学 (ちくま新書)
功利主義入門 はじめての倫理学 (ちくま新書967)

○著者: 児玉 聡
○出版: 筑摩書房 (2012/7, 新書 221ページ)
○定価: 798円
○ISBN: 978-4480066718
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おもむろに、健康なカラダに感謝♪、父さん母さんアリガトウ♪、なんだかんだといいながらも大きく調子を崩すこともなく、もっとも、大したことなどなしえていないのだから、もっと負荷をかけてさらに無理を強いて酷使してもっともっとまだまだ頑張りが足りないのかもしれない、ジッサイ着実に老化しつつあり体力は衰えつつある、だから、カラダの声を、発せられるなんらかのサインを、いろいろな角度から視点を違えてじっくりじっくり検証しつつ、あわてることなかれ
さて、いよいよ単位認定試験がはじまる、始まりがあれば終わりがある、始まらないものには終わりはこない、終わりを迎えるためにも始まらなければならない、はやく終わってほしい、開放されたい、開放されることの快楽・幸福を考えるには、その前に歴然と立ちふさがる小さくない苦痛をともなうような試験だって、立ち向かうことなく回避することはできないのだから、試験の出来不出来を考えると勉強量が圧倒的に不足していることから(なかなか計画的にできないなぁ)気が重いのだけれども、そんなことまで含めて、誰でもなく自分自身のことであって、自分自身だけのことでしかない、結果がどうであろうとも他人に迷惑をかけることはなく、自らがその責任において全面的に結果を引き受ければいいだけの話であって、そもそもその結果を引き出した要因はすべて自分自身にあるのだから、ますますもって引き受けるしかなく、引き受けないことは不可能であり、ただただよくもわるくも引き受けちゃえばいいだけのこと、あぁ


倫理学とは「倫理について批判的に考える」学問である。すなわち、よりよく生きるために、社会の常識やルールをきちんと考えなおすための技術である。本書では、「功利主義」という理論についてよく考えることで、倫理学を学ぶことの意義と、その使い方を示す。「ルールはどこまで尊重すべきか」や「公共性と自由のあり方」という問いから「幸福とは何か」「理性と感情の関係」まで、自分で考える人の書。


≪目次: ≫
はじめに
倫理を学ぶ二つの仕方/「批判的に考える」の意味/功利主義から倫理学を学ぶ

第1章 倫理と倫理学についての素朴な疑問
倫理についての誤解/倫理は相対的か/宗教なしの倫理はありえるか/「人間は利己的」だから倫理は無駄か/「自然に従う」だけではいけないのか/倫理学は「非倫理的か」

第2章 功利主義とは何か
事例で考える/J美、ベンタムの『序説』を読む/功利性の原理とそれに対立する二つの原理/功利計算/なぜ功利主義に従うのか/J美の回答/功利主義の三つの特徴

第3章 功利主義者を批判する
『シザーハンズ』での問いかけ/功利主義者の答え/われわれは誰の幸福を気にかけるべきか/ゴドウィンの過激な主張/ゴドウィンとウォルストンクラフト

第4章 洗練された功利主義
ゴドウィンの修正/規則や義務の重視/ミルの他者危害原則/わら人形攻撃(非呪術)/公平性と「道徳的に重要な違い」

第5章 公共政策と功利主義的思考
歴史的背景/現代の公共政策における功利主義的思考/功利主義と分配的正義/功利主義と自由主義/功利主義の二つの顔/「公衆衛生」とは/公衆衛生と功利主義/チャドウィックJ・S・ミル/公衆衛生の倫理学/介入はどこまで許されるか/人間はどこまで合理的か/喫煙規則のケース

第6章 幸福について
低調な「幸福論」/「幸福とは何か」という問い/ベンタムやミルの快楽説/快苦の定義は可能か/機械や薬で幸福になる?/幸福=欲求の満足か/適応的選好の形成/愚かな選好を充足すべきか/幸福=利益を充足させることか/筆者の暫定的な見解/幸福再考のすすめ

第7章 道徳心理学と功利主義
なぜわれわれは援助しないのか/特定の人の命と統計上の人命/経験的思考と分析的思考/記述理論と規範理論の関係/「直観的思考の強化」戦略/「共感能力の特性利用」戦略/「理性的思考の義務付け」戦略/倫理学から実践へ

おわりに
あとがき (二〇一二年四月  児玉 聡)
ブックガイド


≪著者: ≫ 児玉 聡 (こだま・さとし) 1974年大阪府生まれ。京都大学大学院文学研究科博士課程研究指導認定退学。博士(文学)。東京大学大学院医学系研究科専任講師。専門は、倫理学・政治哲学。功利主義を軸として英米の近現代倫理思想を研究する。また、臓器移植や終末期医療等の生命・医療倫理の今日的問題をめぐる哲学的探求を続ける。著書に『功利と直観――英米倫理思想史入門』(平成23年度日本倫理学会和辻賞受賞)、共著に『入門・医療倫理』(I・II)(以上、勁草書房)などがある。






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本「暗号 情報セキュリティの技術と歴史 (講談社学術文庫2114)」辻井重男5

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暗号 情報セキュリティの技術と歴史 (講談社学術文庫)
暗号 情報セキュリティの技術と歴史 (講談社学術文庫2114)

○著者: 辻井重男
○出版: 講談社 (2012/6, 文庫 264ページ)
○定価: 924円
○ISBN: 978-4062921145
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ヒ・ミ・ツ・・・

ソーシャル、モバイル、クラウド、スマート……。爆発的発展を遂げる情報化社会は、有史以来、軍事・外交の「秘匿」を担った暗号の役割を、「認証」へと一変させた。情報セキュリティを担う現代暗号の特性とは? 「共通鍵暗号」「公開鍵暗号」「零知識対話証明」の数理も平易に解説。暗号の歴史と倫理、その技術基盤のすべてがわかる格好の入門書。


≪目次: ≫
学術文庫版まえがき (二〇一二年三月四日 辻井重男)

プロローグ 近代からポストモダンへ (一九九六年 正月 辻井重男)

第一章 文明の誕生 暗号の誕生
1 ギリシア・ローマの時代
暗号方式の原型/シーザー暗号/言葉の定義/換字式と多表式/スキュタレーは木の棒/合言葉やパスワードは暗号ではない
2 孫子の兵法と字変四十八の法
紀元前四百年にあっては東洋が先んじていた/蜘蛛の経路と『武経要略』の「行間篇」/中国人の剰余定理/技法の高度化と複雑化/第二の基軸時代

第二章 日米暗号文化の比較
1 第二次世界大戦と暗号技術
暗号と文化/ブラック・チェンバー/情報部門の立場/紫暗号の解読/真珠湾攻撃と大統領選挙/日米開戦と暗号/日独同盟と暗号/ナチスドイツのエニグマ暗号/エニグマの解読とウルトラ
2 明るい「暗号」の登場
米国の組織力/シャノンの情報理論/アルゴリズム公開型暗号(DES)の判定/国防総省安全保障局のお墨付き/暗号政策/国際軸と国家軸の矛盾/鍵供託システム/KES構想の問題点/情報化とプライバシー/情報通信倫理/日本政府に望まれる対応/雄弁術と鍵の文化/故意の脅威

第三章 情報化と文明構造の変革
1 ディジタル技術とマルチメディア
なぜディジタルなのか/ONとOFF/ディジタル技術の統合力とマルチメディア/情報の自由化/マルチメディア時代の虚実/自分の場所が失われていくという気分
2 文明構造の変容と情報セキュリティ
国際ボーダレス化/光速の商取引/「赤面恐怖症を直す」/日本人論の変容/ダイレクト・コミュニケーションによる個性化の時代/「インターネット米」・直接民主主義・オンデマンド方式

第四章 暗号革命と現代社会
1 社会基盤としてのポストモダン暗号
秘匿も認証も/七〇年代の画期的な出来事
2 現代社会と暗号利用
ポストモダン暗号のパラダイム/公開鍵暗号の秘匿機能/公開鍵暗号の認証機能/カード即本人/本人にしか書けないことに意味がある/一対一と一対多/共通鍵暗号の処理速度/アナログ方式に対応するスクランブル方式/共通鍵暗号による認証/公開鍵暗号による認証の利点
3 インターネット・電子投票・電子キャッシュ
CA(Certificate Authority)とは/「署名検証」というアイコン/電子投票/電子マネー/モンデックス・システム/変更後のシステム/CA(Certificate Authority)の機能/電子マネーの要件/多くの課題と経済の地殻変動

第五章 ポストモダン暗号と数理の魔術
1 共通鍵暗号
DES(Date Encryption Standard)からAES(Advanced Encryption Standard)へ/DESの概要/実際の処理/初期転置・最終転置 唇賚暫聞柔◆身鸚形回路/非線形性について/鍵の種類と安全性ぁ唇豢綣掘伺代中頃の論争/総当たり法/解読の難しさ/差分攻撃法と線形攻撃法
2 整数の世界
演算の自由度/自然数の世界/整数の世界と有理数の世界そして実数の世界/無理数と虚数/「体」と「環」/四則性のみをもつ数の世界/mod7の世界/mod10の場合/フェルマーの小定理久留島オイラー関数/mod15の場合/素因数分解の難しさ/離散対数問題/行きはよいよい帰りは手強い
3 公開鍵暗号
鍵の配送は難事業/二つの鍵/なぜ、暗号化の鍵を公開しても安全なのか?/正当なる受信者は素早く復号できなければならない/RSA(Rivest, Shamir, Adleman)方式/復号のからくり/秘密の構造/エルガマルの公開鍵暗号とディフィ・ヘルマンの共通鍵配送方式
4 零知識対話証明
数理マジック/種も仕掛けもある/チューリングマシンの理論/証明付安全性――Provably Secure と Probably Secure

エピローグ フェルマーの定理と暗号の未来
真に驚嘆すべき証明/nが3以上の場合/ぼくは挑戦せずにはいられなくなる/豊かで美と調和に満ちた成果が安全性を高める

ブックガイド


※本書の原本は、弊社より一九九六年に刊行された『暗号――ポストモダンの情報セキュリティ』です。


≪著者: ≫ 辻井重男 (つじい しげお) 1933年生まれ。東京工業大学卒業。工学博士。東京工業大学教授、中央大学教授、情報セキュリティ大学院大学学長、総務省電波監理審議会会長など歴任。東京工業大学名誉教授。専門は情報通信システム、暗号理論。著書に、『情報社会・セキュリティ・倫理』『暗号と情報社会』、『暗号理論と楕円曲線』(共著)などがある。






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本「震災と原発 国家の過ち  文学で読み解く「3・11」 (朝日新書336)」外岡秀俊5

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震災と原発 国家の過ち 文学で読み解く「3・11」 (朝日新書)
震災と原発 国家の過ち  文学で読み解く「3・11」 (朝日新書336)

○著者: 外岡秀俊
○出版: 朝日新聞出版 (2012/2, 新書 256ページ)
○定価: 819円
○ISBN: 978-4022734365
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下敷きにされたレポート「被災地で考える」は、インターネット上の『WEBRONZA』(朝日新聞社)で2011年5月から8回にわたって連載された


「無明」の被災地でジャーナリストが見たのは、震災原発事故に対応する国家の「罪」! この国の「再生」を文学作品を介して考える。
深い洞察力と透徹した文章で知られる元・朝日新聞編集委員が、大震災原発事故に震える現地を何度も歩いた。そして知る――。著名な文学作品の数々が、この国の過ちを言い当てていたと。「汚染の拡大」「孤立」「内部被曝の危険性」をも告発していたと。


≪目次: ≫
はじめに

第1章 復興には、ほど遠い――カミュペスト
宮古で/気仙沼で/石巻で/『ペスト』の国/災厄の構図〔であるがごとく/隔離、追放、永遠の足踏み/終わりなき未決状態/隔離に生じる不平等/人間的な温かみ〕/今できること

第2章 「放射能に、色がついていたらなあ」――カフカ
南相馬で/政府がしたこと/何が起きているのか/学校で/特別養護老人ホームで/「指示」と現実のズレ/カフカの『城』/『城』の構図〔ダブルバインド/役所と掟/職務と自分自身〕/「安心」が崩れるリスク

第3章 「帝国」はいま――島尾敏雄『出発は遂に訪れず』
「戦争文学」は何を伝えたか/〔戦争文学の4類型/1 「内務班」文学/2 
「彷徨」の文学/3 「戦記」としての文学/4 「虚妄の帝国」を撃つ文学〕/第二の敗戦?/戦時下に書かれた『暗黒日記』/〔帝国の文法/1 言い換え/2 すり替え/3 形容詞は最大級に/4 敵を誇大に描く〕/〔帝国の作法/1 「負ける」は禁物/2 「想定」してはならない。考えてはならない/3 帝国では、心に思うことと正反対の言葉をいわねばならない〕/「安全神話」の崩壊/「帝国」と同じ体質

第4章 東北とは何か――ハーバート・ノーマン『忘れられた思想家 安藤昌益のこと』
「東北文学の歴史的性格」/『忘れられた思想家』/再び、東北の可能性

第5章 原発という無意識――エドガール・モランオルレアンのうわさ
やらせメール/核燃料サイクル/「脱原発」四つの立場/『オルレアンのうわさ』/「神話の構造」/「対抗神話」/『「フクシマ」論』/〈原子力ムラ〉と「原子力ムラ」/「3・11」以前のチェック/「安全神話」と「対抗神話」

第6章 ヒロシマからの問い――井伏鱒二黒い雨
放射能と差別/『黒い雨』と『重松日記』/『重松日記』の足取り/『黒い雨』の足取り/改編の理由/「黒い雨」報告書/原爆症認定訴訟/近畿訴訟判決/ヒロシマ・ナガサキからフクシマへ

第7章 故郷喪失から、生活の再建へ――ジョン・スタインベック怒りの葡萄
楢葉町では/富岡町では/人災と自然災害の複合/故郷と家/大恐慌とグローバル化/「生活再建」を

終章 「救済」を待つのではなく――宮沢賢治雨ニモマケズ
藤原先生との出会い/宮古では/釜石よ、よみがえれ/両石の仮設住宅で/尾崎白浜の漁師たち/大船渡から気仙沼へ

おわりに (二〇一二年一月 外岡秀俊)


≪著者: ≫ 外岡秀俊 (そとおか・ひでとし) ジャーナリスト。北海道大学公共政策大学院(HOPS)研究員。1953年、札幌市生まれ。朝日新聞社で学芸部、社会部、ニューヨーク特派員、編集委員などを経て2006年から2年間、東京本社編集局長を務めた。2011年、退社。著書に『地震と社会』(みすず書房)、『情報のさばき方――新聞記者の実戦ヒント』(朝日新書)などがある。

外岡秀俊 『3・11 複合被災』(岩波新書、2012年) '12/05/24





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本「正義論の名著 (ちくま新書907)」中山元5

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正義論の名著 (ちくま新書)
正義論の名著 (ちくま新書907)

○著者: 中山 元
○出版: 筑摩書房 (2011/6, 新書 270ページ)
○定価: 861円
○ISBN: 978-4480066121
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んむぅ〜〜〜、道徳の領域と政治哲学の領域を貫く「要石(かなめいし)」のような、正義の概念。とくに、西洋の正義の概念を歴史的に考察することで、西洋の政治哲学と道徳哲学の歴史を統一的に振り返り、正義の思想の大きな流れを理解することで、西洋の政治構想と倫理思想の大きな流れを読み取る、こころみ


西洋思想史上、「正義」について考えることは、「道徳」「倫理」「政治」などの問題とかかわりあいながら、つねにひとつの軸となってきた。「公正さとは何か」「正しさの基準はどこにあるのか」などなど、今日でも喫緊の課題として論じられるこれらについて、大思想家たちの「名著」は大きなヒントと刺激を与えてくれることだろう。プラトンアリストテレスから、ホッブズロックベンサムニーチェ、さらにはロールズデリダサンデル……。この一冊で主要な思想のエッセンスがわかる!


≪目次: ≫
はじめに

第一章 公共善と正義
ホメロス 『オデュッセイアー』――ゼウスの正義
歓待/復讐の正義

プラトン 『国家』――正義は、国家や人間における調和である
正義は強者の利益/正義と国家/国家の三つの階級/魂における正義/正義とは/不正な人の魂の状態/不正という災厄
※Platōn, 427-347BC

アリストテレス 『ニコマコス倫理学』――正義とは公的な善の実現である
正義とアレテー/正義の政治学/普遍的な正義/特殊的な正義/幾何学的な正義/矯正的な正義/正義としての貨幣
※Aristotelēs, 384-322BC

キケロ 『義務について』――徳の女王としての正義
ギリシアの正義論の限界/キケロの普遍的な正義論/他国への正義/奴隷、女性、未成年への正義/公共善としての正義/徳の女王としての正義
※Marcus Tullius Cicero, 106-43BC

アウグスティヌス 『神の国』――「遍歴の旅」の途上の正義
神の国と地の国/最高善/ローマの正義の批判/地の国の正義/遍歴の旅の途上の正義
※Aurelius Augustinus, 354-430

トマス・アクイナス 『神学大全』――天上の浄福を準備するのが支配者の正義
トマスの正義論の目的/法と正義/正義の種類/体制論/世俗の支配者と魂の支配者
※Thomas Aquinas, 1225-1274

マキアヴェッリ 『君主論』――自由な共和国における正義
正義と公共善の絆/マキアヴェッリの大衆観/マキアヴェッリの君主観/マキアヴェッリの願い/君主と民衆/公的な徳
※Niccolò Machiavelli, 1469-1527

第二章 社会契約論と正義
ホッブズ 『リヴァイアサン』――国家が正義を執行する
ホッブズの人間観/自然状態における平等/自然権/自然法/社会契約/正義の自然法/国家と正義/正義の回復の道
※Thomas Hobbes, 1588-1679

スピノザ 『エチカ』――民主的な国家のうちで最高の自由と正義が実現する
スピノザの人間観/国家の成立/自然権の保持/正義/最高権力と正義/最善の国家/国家体制と正義
※Baruch de Spinoza, 1632-1677

ロック 『市民政府論』――不法に抵抗するのは正義である
ロックの自然状態/社会状態と所有権/所有権の基盤としての労働/歯止めの解消/貨幣/不平等な私有財産の承認/二重の不正/政府状態の設立/国家の形態
※John Locke, 1632-1704

ルソー 『社会契約論』――社会契約が正義を実現する
野生人と正義/社会状態と正義/正義の発達の三段階/革命の必要性/社会契約の課題/政治体の成立/国家法と正義/社会契約と正義
※Jean-Jacques Rousseau, 1712-1778

カント 『人倫の形而上学』――永遠平和のうちで地球的な正義を
社会の成立/正義の社会/公民的な状態へ/法と正義/国家における正義と革命/国家体制論/世界公民状態へ
※Immanuel Kant, 1724-1804

第三章 市民社会論
ヒューム 『人性論』――人間はその本性からして社会を作り、正義を実現する
社会の形成と効用/人間の反社会的な要素/三つの財産/正義の実現/正義の起源/情念論/穏やかな情念/道徳と正義
※David Hume, 1711-1776

アダム・スミス 『道徳感情論』――人間には正義を望む道徳的な感情がある
共感の概念/正義を守る法/中立な観察者/「内部の人」/社会の形成/見えざる手/経済学と正義
※Adam Smith, 1723-1790

ベンサム 『道徳および立法の諸原理序説』――最大多数の最大幸福
最大多数の最大幸福/サンクション/立法者の視点/快楽計算
※Jeremy Bentham, 1748-1832
※John Stuart Mill, 1806-1873
※Michel Foucault, 1926-1984

ヘーゲル 『法の哲学』――正義を欠いた幸福は善ではない
人格と正義/不正と正義/道徳と正義/幸福と正義/市民社会と国家
※Georg Wilhelm Friedrich Hegel, 1770-1831

第四章 現代の正義論
マルクス 『ドイツ・イデオロギー』――イデオロギーとしての正義
イデオロギーとは/搾取の不正義/分配的な正義/正義の社会
※Karl Marx, 1818-1883
※Louis Althusser, 1918-1990

ニーチェ 『道徳の系譜学』――約束する人間の正義とルサンチマンの正義
「約束する人間」の誕生/正義の弁証法――共同体の正義/正義の弁証法――矯正の正義/正義の弁証法――正義の止揚としての赦し/反動的な人間/ルサンチマンの正義/キリスト教の役割
※Friedrich Wilhelm Nietzsche, 1844-1900

ベンヤミン 「暴力批判論」――未曾有の正義
暴力と正義/二種類の暴力/警察/神話的な暴力と神的な暴力
※Walter Benjamin, 1892-1940

ハイエク 『法と立法と自由 二 社会正義の幻想』――配分的な正義は不正
開かれた社会/正義に適うルール/社会正義の不正/正義論批判
※Friedrich August von Hayek, 1899-1992

ロールズ 『正義論』――公正としての正義
『正義論』の目的/社会契約の前提/原初的な状態と正義の状況/無知のヴェール/ロールズの原理/ロールズの正義
※John Bordley Rawls, 1921-2002

ノージック 『アナーキー・国家・ユートピア』――正義の国家は最小国家
相互保護協会/超最小国家の誕生/最小国家の誕生/ロールズ批判/最小国家の魅力
※Robert Nozick, 1938-2002

マイケル・ウォルツァー 『正義の領分』――財が異なると、正義も異なる
正義の内実/財の多元性/複合的な平等/財の領域
※Michael Walzer, 1935-

マイケル・サンデル 『これからの「正義」の話をしよう』――善は正義よりも優先される
付加なき自我の批判/正義と善/道徳的な責任の三つのカテゴリー/目的論
※Michael J. Sandel, 1953 -

ハーバーマス 『討論倫理』――討議において正義と連帯が実現する
ロールズの正義論の評価/三つの欠陥/討議的な倫理/討議と正義
※Jürgen Habermas, 1929-
※George Herbert Mead, 1863-1931

ホネット 『正義の他者』――不正から正義を考えよう
不正からみる正義/愛の圏域――個人としての承認/法の圏域――人格としての承認/連帯の圏域――共同体に参画する人格としての承認/三つの圏域の正義の衝突
※Axel Honneth, 1949-

レヴィナス 『全体性と無限』――他者との語り合いが正義である
イリヤ/存在の不快/他者と時間/責任/正義/貨幣
※Emmanuel Lévinas, 1906-1995

デリダ 『法の力』――正義とはアポリアである
法と脱構築/法の脱構築/正義と脱構築/第一のアポリア――規則の適用/第二のアポリア――決断不可能性/第三のアポリア――切迫性/贈与のアポリア
※Jacques Derrida, 1930-2004


≪著者: ≫ 中山 元 (なかやま・げん) 1949年生まれ。東京大学教養学部中退。思想家・翻訳家。『フーコー入門』『高校生のための評論文キーワード100』(以上、ちくま新書)、『賢者と羊飼い』(筑摩書房)、『フーコー 思想の考古学』(新曜社)、『フーコー 生権力と統治性』(河出書房新社)などの著書のほか、多数の翻訳書がある。インターネットの哲学サイト『ポリロゴス』を主宰。

中山元 『正義論の名著』(ちくま新書、2011年) '11/07/06





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本「「三国志」の政治と思想 史実の英雄たち (講談社選書メチエ529)」渡邉義浩5

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「三国志」の政治と思想 史実の英雄たち (講談社選書メチエ)
「三国志」の政治と思想 史実の英雄たち (講談社選書メチエ529)

○著者: 渡邉義浩
○出版: 講談社 (2012/6, 単行本 288ページ)
○定価: 1,785円
○ISBN: 978-4062585323
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曹操の革新性の本質、諸葛亮劉備の緊張関係、孫呉の盛衰の基底にある力学―― 史実の三国時代は、権力確立を希求する君主たちと、儒教的思想と文化、名声を力とする「名士」がせめぎ合う、緊迫した政治空間であった。中国史上の大転換点として、史実の三国時代を当代の第一人者が描ききる、これぞ、三国志研究の決定版!


≪目次: ≫
はじめに

第一章 黄巾の乱と群雄割拠
1 黄巾の乱と理想
繰り返される蜂起/聖漢への異議申し立て/後漢「儒教国家」
2 董卓の名士挙用
董卓と涼州兵/名士の抱負/蔡邕の故事集成
3 袁紹の覇権と限界
人物評価の恣意性と分裂性/名士本流/寛治の限界
4 群雄の類型
公孫瓚と商人/名士と君主権力

第二章 曹操(じゅんいく)
1 曹騰の遺産
橋玄に見出される/大義名分
2 徐州大虐殺
軍事的基盤/最大の危機
3 荀と潁川名士
潁川の荀氏/献帝の擁立
4 華北統一
官渡の戦い/官渡の勝因/袁氏の滅亡/寛治の限界

第三章 文学の宣揚
1 猛政の展開
荀の理想/肉刑/孔融の死
2 荀の死
赤壁の敗戦/唯才主義/儒教に殉ずる
3 建安文学の興隆
志をうたう/儒教を超える文化
4 後継者問題
儒教か「文学」か/九品中正制度と性三品説/潁川名士の行方

第四章 孫呉政権と揚州名士
1 孫堅から孫策
孫堅の勢力伸張/孫堅の残したもの/自立する孫策/漢室匡輔
2 盧江の周氏
美周郎張紘張昭の役割/陸康族滅
3 天下三分の計
孫権の名士政権/魯肅の先進性と異端性
4 赤壁の戦い
降服の論拠/赤壁の戦い/荊州争奪

第五章 劉備諸葛亮
1 傭兵集団
荊州名士の優越/成りあがりの英雄/荊州の平和
2 三顧の礼
劉備の魅力/徐庶の役割/草盧対/諸葛亮と荊州名士の優越
3 劉備の入蜀
劉璋政権の矛盾/劉備の入蜀と益州名士・豪族
4 遺孤を託す
法正の寵用/益州在住の荊州名士/君自ら取る可し

第六章 君主と文化
1 文章は経国の大業
文学の独立宣言なのか/『典論』の全体像/文化的諸価値の収斂
2 漢魏革命の正統性
革命/天下を公と為す/宗教性から理へ
3 明帝の礼制改革
公と私/六天説に基づく郊祀/司馬懿への恐れ
4 舜の無為
何晏玄学/州大中正の制/正始の政変

第七章 死して後已む
1 諸葛亮の益州統治
蜀漢名士社会の形成/既得権益の保全
2 出師表
曹魏への北伐/北伐の目的
3 荊州学と蜀学
春秋左氏伝』を典拠/讖緯の学
4 蜀漢の滅亡
丞相を継ぐ者/蜀漢名士社会の分裂

第八章 孫呉政権の崩壊
1 丞相の適任者
会稽四姓の生き残り/満座のなかでの恥辱/孫呉名士社会
2 二宮事件
太子への期待/両派の拠り所
3 君主権力再編への努力
諸葛恪の名士政権/宗室と名士のせめぎあい
4 醒めた孫晧
暴君と呼ばれて/国山碑/貴族制の萌芽

第九章 魏晉革命と天下統一
1 名士勢力の糾合
諸生の家/司馬懿の基盤/権力の継承/蜀漢の滅亡
2 五等爵制と帰属制
爵位の有用性/五等爵の就官者/九品中正制度との関係
3 西晉「儒教国家」の成立
魏晉革命の正統性/秦始律令と『礼記』/経の「理」と皇帝権力
4 三国、一に帰す
羊祜の思い/孫呉を滅ぼす/儒教の限界

終章 中国史上における三国時代の位置
1 所有と文化
漢魏交代期の社会と国家/貴族の存立基盤/寄生官僚制論/豪族共同体論/民衆史観の限界
2 名士論の射程
文化資本論/名士層の形成/君主の対応
3 蜀漢と孫呉
名士の抱負の実現――蜀漢/君主権力の強化――孫呉
4 曹魏の革新性
新たな価値の創出/儒教の復権/曹魏への反動――西晉/漢の影響力と魏の果断さ


引用・参考文献

あとがき (二〇一二年一月四日 勝浦 下町丸竹都寿司にて 渡邉義浩)

附表
1 曹魏政権の人的構成/2 孫呉政権の人的構成/3 蜀漢政権の人的構成/4 曹魏政権の枢要官/5 孫呉政権の枢要官/6 蜀漢政権の枢要官

索引


≪著者: ≫ 渡邉義浩 (わたなべ・よしひろ) 1962年、東京都生まれ。筑波大学大学院博士課程歴史・人類学研究科史学専攻修了。文学博士。大東文化大学文学部中国学科教授。三国志学会事務局長。専攻は中国古代史。国家と儒教の関わりや『後漢書』の翻訳などに取り組む一方、「三国志」についての一般向け解説、啓蒙も精力的におこなう。著書に、『儒教と中国 「二千年の正統思想」の起源』(講談社選書メチエ)をはじめ、『三國政権の構造と「名士」』(汲古書院)、『三国志 演義から正史、そして史実へ』(中公新書)、『関羽 神になった「三国志」の英雄』(筑摩選書)、『全譯 後漢書』(主編、汲古書院)など多数。

渡邉義浩 『儒教と中国 「二千年の正統思想」の起源』(講談社選書メチエ、2010年) '10/11/23
宮川尚志 『諸葛孔明 「三国志」とその時代』(渡邉義浩 解説、講談社学術文庫、2011年) '11/11/16
井波律子 『論語入門』(岩波新書、2012年) '12/07/07





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本「自由論  On Liberty (光文社古典新訳文庫150)」ミル、斉藤悦則 訳5

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自由論 (光文社古典新訳文庫)
自由論  John Stuart Mill: “On Liberty”, 1859 (光文社古典新訳文庫150)

○著者: ジョン・スチュアート・ミル、斉藤悦則 訳
○出版: 光文社 (2012/6, 文庫 301ページ)
○定価: 1,100円
○ISBN: 978-4334752507
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いわゆる意志の自由、が本書におけるテーマではない。市民的な自由、社会的な自由、について、逆にいえば、個人にたいして社会が正当に行使できる権力の性質、およびその限界が論じられる。
民衆を支配する、政治的支配者の専制、権威と自由の対立



個人の自由への干渉はどこまでゆるされるのか。反対意見はなぜ尊重されなければならないのか。なぜ「変わった人間」になるのが望ましいのか。市民社会における個人の自由について根源的に考察し、その重要さを説いたイギリス経験論の白眉。現代人必読のもっともラディカルな書である。


≪目次: ≫
凡例
 ※本書の底本には John Stuart Mill, On Liberty and Other Essays, Oxford World's Classics, 1991. を用いた。

自由論On Liberty, 1859
第1章 はじめに Introduction
第2章 思想と言論の自由 Of the liberty of thought and discussion
第3章 幸福の要素としての個性 On individuality, as one of the elements of wellbeing
第4章 個人にたいする社会の権威の限界 On the limits to the authority of society over the individual
第5章 原理の適用 Applications


解説――「間」の思想家としてのミル/仲正昌樹(金沢大学教授)
一 「ミル」のイメージ/二 ミルの思想史的位置/三 自己決定の領域/四 世論の専制と言論の自由

ジョン・スチュアート・ミル年譜 (1806-1873)

訳者あとがき (二〇一二年四月 斉藤悦則)


≪著者: ≫ ジョン・スチュアート・ミル John Stuart Mill [1806-1873] 19世紀イギリスを代表する哲学者、経済学者。功利主義の始祖ベンサムの盟友だった父、ジェームズ・ミルによって幼少時から厳格な教育を受ける。ギリシャ語、ラテン語、ユークリッド幾何学、経済学などを学ぶが、学校教育は受けず、17歳で東インド会社に就職。専門職としての学者生活を一度も送ることはなかった。東インド会社退職後の晩年は、婦人参政権を要求するなど議員として選挙制度改革に取り組んだ。主な著書に『論理学体系』、『経済学原理』、『功利主義論』など。死後『ミル自伝』出版。

[訳者: ] 斉藤悦則 Saito Yoshinori 1947年生まれ。元鹿児島県立短期大学教員。共編著に『ブルデュー社会学への挑戦』。訳書に『人口論』(マルサス)、『プルードンの社会学』(アンサール)。共訳書に『出る杭は打たれる』(レノレ)、『構成的権力』(ネグリ)、『システムの解体』(シャバンス)、『逆転の思考』(コリア)など。


ミル 『自由論  On Liberty, 1859 』(山岡洋一 訳、光文社古典新訳文庫、2006年) '08/09/12
ジョン・スチュアート・ミル 『ミル自伝  Autobiography, 1873 』(村井章子 訳、大人の本棚、みすず書房、2008年) '09/06/23
マルサス 『人口論  An Essay on the Principle of Population, 1798 』(斉藤悦則 訳、光文社古典新訳文庫、2011年) '11/07/31





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本「政治の教室 (講談社学術文庫2116)」橋爪大三郎5

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政治の教室 (講談社学術文庫)
政治の教室  Daisaburo Hashizume: “Politics For Beginners”, Kodansha, Tokyo 2012:06/originally Published from PHP Institute, Tokyo 2001:10 (講談社学術文庫2116)

○著者: 橋爪大三郎
○出版: 講談社 (2012/6, 文庫 240ページ)
○定価: 882円
○ISBN: 978-4062921169
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それでも、政治は必要だ。税金を集め、法律をつくり、行政を行なう。その恩恵を人びとの誰もが受けている。だからこそ、人びとが自分の手で、憲法と政府と、政党を樹立すること、をテーマとして。それには、有権者として、政治を勉強しましょ。まずは概略(というには語り口は平易ながらもその内容はカンタンなものではない)、政治とはどういうものか?、その教科書として


日本人に民主主義は可能か? 民主主義はもっともすぐれた政治制度だと唱える本書は、それが、全員一致と連帯責任のムラ政治をつづけてきた日本の伝統とは相反することを認めるところから出発する。ムラ原理がもたらす破滅とは何か? 民主主義を手づくりするには何からはじめればいいのか? 「可能なこと」の提示と呼びかけにつとめる実践の書。


≪目次: ≫
はじめに

プロローグ
社会科学と自然科学の違い/社会科学の存在意義/政治が面白くなるトータルな知識を

第1部 原理編
1 政治の本質
「決断」が「現実」をつくり出す/社会全体で「現実」を選び取っていく/決定の正統性が揺らぐと社会は混乱する/祭政一致の意思決定システム/権力には人びとの承認が必要/多数決と全員一致
2 ギリシャの民主制
都市国家が政治を発展させた/政治制度の選択は究極の政治/ポリスとオイコス/言論による説得と投票による決着/民主制の欠点も自覚していたギリシャ
3 ユダヤ教の政治思想
絶対神ヤハウェは危険なエイリアン?/あらゆる政治形態を経験したユダヤ教社会/二王国論に基づくキリスト教の政治思想/統治契約と憲法
4 儒教の政治思想
民主制は儒教の天敵/政治の基本は「過去」にある/共産主義と儒教は相性がいい
5 近代民主主義の特徴
なぜ議会に立法権があるのか/法は恩恵か迷惑か/民主制と君主制は両立可能/民主主義の対立概念は何か/もっとも強力な正統性を持つ政治制度/いかに決定の質を高めるか

第2部 現実編
1 日本人の行動原理
なぜ日本人は日本人論が好きなのか/「古代化」の失敗と「荘園」の誕生/全員一致制と連帯責任のムラ政治/血縁より地縁重視のムラ社会/選択の余地がない固定社会がムラ原理を生む
2 明治維新と大日本帝国憲法
維新の理論的裏付け/西欧の近代国家との違い/天皇機関説になれなかった明治憲法/運命共同体としての国家
3 戦後政治を振り返る
日本国憲法は日米安保条約とセット/国民が選択肢を奪われていた戦後政治/自民党内のムラ原理による「政権交代」/自由な憲法論議への動き
4 民主主義の蘇生に何が必要か
日米安保条約の質的変化/あらゆる事態を想定するリアリズムを/言論に自由をしっかり確保する/内側に閉じている日本の意思決定システム/民主主義に「死票」など存在しない

第3部 改革編
1 選挙制度と二大政党制
投票のパラドックス/比例代表制か小選挙区制か/総合的な国家運営プランを示すのが政党の役目
2 政治資金の制度改革
「お金のかからない選挙」などありえない/コストを支払えば関心が高まる/正しく資金を集めるための党員チケット制/二大政党制を促進する次点歳費制
3 政治家を育成する
有能な人材が政治家になれない現状/本格的な政治家養成システムを持った大学を/政治家という職務に名誉を
4 質の高い「情報」が質の高い選択を生む
有権者の意思決定に必要な情報は何か/言論の自由と情報公開/政治家の立証責任とインターネット/自分のことを自分で決めれば必ず政治は面白くなる

草の根民主主義のつくり方 10ヵ条
 第1条 政党として、活動しよう
 第2条 どんな意見も、自由にのべよう
 第3条 何人か集まりグループをつくろう
 第4条 地域ごとに、政党支部をつくろう
 第5条 政党支部の役員を、選挙しよう
 第6条 予備選の準備をしよう
 第7条 会計報告をガラス張りにしよう
 第8条 予備選で候補者を決めよう
 第9条 選挙をボランティアでやり抜こう
 第10条 政党の本部の、言うなりになるのはやめよう

あとがき (二〇〇一年九月 橋爪大三郎)
文庫版あとがき (二〇一二年四月 橋爪大三郎)


※本書の原本は、2001年10月に、PHP研究所より刊行されました。


≪著者: ≫ 橋爪大三郎 (はしづめ だいさぶろう) 1948年、神奈川県生まれ。1977年、東京大学大学院社会学研究科博士課程単位取得退学。東京工業大学教授。社会学者。著書に『はじめての構造主義』『言語ゲームと社会理論』『仏教の言説戦略』『言語派社会学の原理』『だれが決めたの? 社会の不思議』『言語/性/権力』『世界がわかる宗教社会学入門』『裁判員の教科書』『はじめての言語ゲーム』『ふしぎなキリスト教』(共著)など。

橋爪大三郎×大澤真幸 『ふしぎなキリスト教  Wonders In Christianity 』(講談社現代新書、2011年) '11/11/11





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本「妹背山婦女庭訓 (橋本治・岡田嘉夫の歌舞伎絵巻 5)」橋本治 文、岡田嘉夫 絵5

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妹背山婦女庭訓 (橋本治・岡田嘉夫の歌舞伎絵巻 5)
妹背山婦女庭訓(いもせやま おんなていきん) (橋本治・岡田嘉夫の歌舞伎絵巻 5)

○著者: 近松半二 原作、橋本治 文、岡田嘉夫 絵
○出版: ポプラ社 (2012/5, 大型本 54ページ)
○定価: 1,680円
○ISBN: 978-4591129265
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もっともっとまだまだ時代物の名作を艶やかな絵本「歌舞伎絵巻」で読みたいたのしみたいなぁ!、がしかし、たった全5巻で完結、だぁなんて、物足りないようなおもいはするのだけれども仕方がない(いろいろな事情があるのだろう)


自他共に認める歌舞伎通の作家・橋本治と画家・岡田嘉夫による「歌舞伎絵巻」シリーズ(第5弾)完結巻。時代物の名作が艶やかな絵本になりました。

みなさんは、蘇我蝦夷子蘇我入鹿という名前を知っていますか? 大化の改新と言われた歴史の事件に登場する、有名な悪役です。『妹背山女庭訓(いもせやまおんなていきん)』は、その大化の改新をヒントにして作られたファンタジー物語です。魔王のようになった蘇我入鹿を、みんなが力をあわせて倒します。悲しい恋物語もあります。読んで、びっくりしてください。(橋本 治)


 かたじけない帝がお治めになるこの日本にある三種の神器というものは、聡明な知性と慈しみの心をあらわすものです。
 英雄の鋭い剣は、言うことを聞かない悪い人たちを倒します。人の心をなぐさめる和歌の教えは、荒れた世の中をいやします。
 多くの人の言うことを聞く耳を持ち、正しい呼び声を、妻を求める牡鹿の鳴き声のように高くして、よくないことは直そうという性格を持つのが、帝がお治めになる日本なのです。
 古い昔には、いいことばかりでなく、よくないこともありました。そのような歴史を持つ日本の三十九代目の帝が、天智天皇です。天智天皇がおいでになった奈良の都の冬の時から、この物語は始まります。


≪作家: ≫ 橋本 治 (はしもと おさむ) 1948年、東京都生まれ。東京大学文学部国文科卒業。77年、『桃尻娘』で講談社小説現代新人賞佳作。小説、評論、古典の現代語訳、エッセイなど多彩に執筆活動中。著書は、「桃尻娘」シリーズ(全6巻/講談社)、『桃尻語訳 枕草子』(河出書房新社)、『風雅の虎の巻』『大江戸歌舞伎はこんなもの』(共に筑摩書房)など多数。岡田嘉夫とのコンビを組んだ作品に、『双調 平家物語』(中央公論新社)、『女賊』(集英社)、『三日月物語』(毎日新聞社)などがある。

[画家: ] 岡田嘉夫 (おかだ よしお) 兵庫県生まれ。あでやかな色づかいと繊細な線で、一般文芸書の挿し絵、装画など幅広く活躍している。主な作品に、『古典まんだら』(講談社)、『絵草紙 源氏物語』(角川書店)、児童書・絵本の作品に、『西郷隆盛 薩摩ハヤトのバラード』『吉田松陰 吟遊詩人のグラフィティ』(共に小峰書店)、『かぐやひめ』(文渓社)、『四谷怪談』(ポプラ社)など多数ある。

『国性爺合戦』(近松門左衛門 原作、橋本治・岡田嘉夫の歌舞伎絵巻4、ポプラ社、2010年) '10/07/06
『菅原伝授手習鑑』(竹田出雲/三好松洛/並木千柳 原作、橋本治・岡田嘉夫の歌舞伎絵巻3、ポプラ社、2007年) '10/06/26
『義経千本桜』(竹田出雲/三好松洛/並木千柳 原作、橋本治・岡田嘉夫の歌舞伎絵巻2、ポプラ社、2005年) '10/06/20
『仮名手本忠臣蔵』(竹田出雲/三好松洛/並木千柳 原作、橋本治・岡田嘉夫の歌舞伎絵巻1、ポプラ社、2003年) '10/06/17





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本「死の所有 死刑・殺人・動物利用に向きあう哲学  Ownership of Death: A Philosophy towards the Death Penaity, Homicide, and the Use of Animals 」一ノ瀬正樹5

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死の所有―死刑・殺人・動物利用に向きあう哲学
死の所有 死刑・殺人・動物利用に向きあう哲学  Masaki Ichinose: “Ownership of Death: A Philosophy towards the Death Penaity, Homicide, and the Use of Animals”, University of Tokyo Press, 2011

○著者: 一ノ瀬正樹
○出版: 東京大学出版会 (2011/1, 単行本 408ページ)
○定価: 6,090円
○ISBN: 978-4130101196
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あぁむつかしい、もうまもなくの単位認定試験(今学期受験の全9科目のうちのその1科目)は再試験科目だから後がない。先学期の試験問題(不合格だった)は手元にある、その前の学期の試験問題は公開されていることからすでにノートに書き写してある、教科書だけしっかりみっちり読み込んでおけば、多分それだけでいいのかもしれない、むしろ余計なことなどせずに欲張らずに頑張りすぎずに必要以外のことは排除して選択して集中すべきなのかもしれない、なにごとにも限りが限界がある(ないものではない)ことからも、注意が散漫になってしまっては本末転倒といったところなのかもしれない


死刑、安楽死、脳死、殺人、戦争、動物利用――さまざまな倫理的問題に潜んでいる虚構とは何か? 「人格」「所有」といった近代的な概念が可能にしている“死をめぐる思考”を問い直し、社会制度や宗教文化をふまえた、私たちの死生観の深層を探る。和辻哲郎文化賞、中村元賞を受賞者した『人格知識論の生成』から、さらに現代の課題に挑む渾身の一作。


≪目次: ≫
まえがき (二〇一〇年一二月 一ノ瀬正樹)

序章 「涙の哲学」に向けて――「死」の誕生
 1 泣くという作用
 2 「涙の哲学」のプログラム
 3 死という喪失
 4 パースペクティブの反転
 5 人称の交錯
 6 彼岸視点 /現世視点そして「死の所有」

第1章 死刑不可能論――死刑存廃論に潜む倒錯
 1 死という逆説
 2 死刑の迷宮
 3 人格に対する所有権
 4 人格と生命の相違
 5 所有権の喪失としての刑罰
 6 死刑の残虐性と恣意性
 7 誤判と抑止効果の問題
 8 安楽死や自殺への結合可能性
 9 死刑存廃論から死刑不可能論へ
 10 「死の所有」の観念

第2章 「死ぬ権利」の欺瞞――安楽死の陥穽
 1 死者のパラドックス
 2 安楽死論争の構図
 3 「殺すこと」と「死なせること」
 4 「殺すこと」へのためらい
 5 自己決定の倒錯
 6 所有権の捏造
 7 「死者のパラドックス」から「死の所有」へ

第3章 生命倫理と死ぬ主体――胎児、代理母、クローン、そして死にゆく人
 1 伝統と変化の交錯
 2 主体性の交錯
 3 代理母と親概念の変容
 4 遺伝子の共有
 5 死にゆく人からの誘引
 6 「自己決定」をめぐる係争
 7 「人格」概念への揺り戻し
 8 「パーソン論」の欺瞞
 9 響き合う「人格」
 10 「人格」の実在性
 11 死を所有する
 12 「死の所有」の顕現

第4章 殺人者の人格性――虚構なのか適応なのか
 1 「殺すこと」の日常性
 2 尊厳性を損なう負性のパラドックス
 3 人格性の神話
 4 虚構性の空転
 5 繁殖への衝動
 6 明快性に潜む罠

第5章 殺された人の非存在性――「害グラデーション説」の試み
 1 「殺された人」への死後表現
 2 エピクロスの死無害説
 3 死の恐怖
 4 被害者の非存在
 5 殺人の被害性
 6 害グラデーション説
 7 一人称的経験の仮託
 8 死者のオントロジー
 9 「死の所有」と因果的哀切の想い
 10 因果的プロセスのグラデーション
 11 mens rea の暗号

第6章 戦争という法外な殺戮――戦争をめぐる事実と規範
 1 殺人と戦争の懸隔
 2 正戦論からユートピア論へ
 3 「正当な戦闘行為」の亀裂
 4 戦争の常在性
 5 戦争の称賛
 6 攻撃性の進化理論的効用
 7 戦争犯罪の問題
 8 「涙の哲学」への回帰

第7章 動物たちの叫び――動物実験と肉食の彼方
 1 隠蔽された日常性
 2 動物実験という問題
 3 動物実験のモラル
 4 「モラル」を語ること
 5 義務説
 6 動物権利論と動物開放論
 7 自体的「動物の権利」
 8 権利の競合
 9 派生的「動物の権利」
 10 種差別
 11 不安定性と教条性の克服
 12 パーソンへの回帰
 13 「声主」としてのパーソン
 14 動物のパーソン性
 15 パーソン度の概念
 16 道徳的配慮度
 17 肉食への問い
 18 いのちをいただく
 19 死の所有の隠蔽
 20 非発展というプライド

終章 死に基づく認識論――生と死を貫く同一性
 1 認識と同一性
 2 「ピュシス」と「ノモス」
 3 認識の基盤としてのパーソン
 4 パーソン分裂の深層
 5 応報的均衡の観念
 6 死刑を支える「死の所有」の虚構
 7 身近な存在者の死
 8 「別離」の瞬間



参考文献
事項索引
人名索引


≪著者: ≫ 一ノ瀬正樹 (いちのせ まさき) 1957年茨城県土浦市に生まれる。1981年東京大学文学部卒業。1988年東京大学大学院人文科学研究科博士課程(哲学専攻)単位取得。東洋大学文学部専任講師、助教授、東京大学大学院人文社会系研究科・文学部助教授、英国オックスフォード大学 the 2010 Uehiro Lecturer などを歴任。東京大学大学院人文社会系研究科・文学部教授、博士(文学)。主要著訳書、『人格知識論の生成――ジョン・ロックの瞬間』(東京大学出版会、1997年、第10回和辻哲郎文化賞・第6回中村元賞受賞)、『原因と結果の迷宮』(勁草書房、2001年)、『原因と理由の迷宮――「なぜならば」の哲学』(勁草書房、2006年)、『功利主義と分析哲学――経験論哲学入門』(放送大学教育振興会、2010年)、Philosophy of Uncertainty and Medical Decisions. Bulletin of Death and Life Studies. vol. 2.(共著, 21st Century COE Program DALS. Graduate School of Humanities and Sociology. The University of Tokyo. 2006)、『死生学5 医と法をめぐる生死の境界』(共編、東京大学出版会、2008年)、『岩波講座哲学02 形而上学の現在』(共著、岩波書店、2008年)、D・ヒューム『人間知性研究』(共訳、法政大学出版局、2004年)。


一ノ瀬正樹 『原因と理由の迷宮 「なぜならば」の哲学』(勁草書房、2006年) '12/07/08
一ノ瀬正樹 『原因と結果の迷宮』(勁草書房、2001年) '12/07/02
一ノ瀬正樹 『人格知識論の生成 ジョン・ロックの瞬間』(東京大学出版会、1997年) '12/06/06
一ノ瀬正樹 『死の所有 死刑・殺人・動物利用に向きあう哲学』(東京大学出版会、2011年) '11/12/30
一ノ瀬正樹 『確率と曖昧性の哲学』(岩波書店、2011年) '11/09/04





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本「小僧の神様 他十篇 (ワイド版岩波文庫310)」志賀直哉5

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小僧の神様 他十篇 (ワイド版岩波文庫)
小僧の神様 他十篇 (ワイド版岩波文庫310)

○著者: 志賀直哉
○出版: 岩波書店 (2009/6, 単行本 238ページ)
○定価: 1,050円
○ISBN: 978-4000073103
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どうなんだろう、いろいろなことのことごとく、とてもとてもウマく(滞りやら障碍やなんかのさまざまがなにもなく円滑に)いっているとは思えないのだが、いまにはじまったことではない、子どものころからず〜っとずっとそうだった、かわらない、わからない


志賀直哉(1883-1971)は、他人の文章を褒める時「目に見えるようだ」と評したという。作者が見た、屋台のすし屋に小僧が入って来て一度持ったすしを価(ね)を言われて置いて出て行った、という情景から生まれた表題作のほか、「城の崎にて」「赤西蠣太」など我孫子時代の作品を中心に11篇を収めた、作者自選の短篇集。(解説 紅野敏郎


≪目次: ≫
小僧の神様  『白樺』 1920年(大正9)1月
正義派  『朱欒』 1912年(大正元)9月
赤西蠣太(あかにしかきた) (原題「赤西蠣太の恋」)  『新小説』 1917年(大正6)9月
母の死と新しい母  『朱欒』 1912年(明治45)2月
清兵衛(せいべえ)と瓢箪(ひょうたん)  『読売新聞』 1913年(大正2)1月1日
(はん)の犯罪  『白樺』 1913年(大正2)10月
城の崎(きのさき)にて  『白樺』 1917年(大正6)5月
好人物の夫婦  『新潮』 1917年(大正6)8月
流行感冒 (原題「流行感冒と石」)  『白樺』(十周年記念号) 1919年(大正8)4月
焚火(たきび) (原題「山の生活にて」)  『改造』 1920年(大正9)4月
真鶴(まなづる)  『中央公論』 1920年(大正9)9月

あとがき
解説(紅野敏郎
志賀直哉略年譜(1883・明治16年〜1971・昭和46年)


志賀直哉 『小僧の神様 他十篇』(岩波文庫、改版 2002年) '08/01/04


小僧の神様―他十篇 (岩波文庫)小僧の神様 他十篇 (岩波文庫)
○著者: 志賀直哉
○出版: 岩波書店 (改版 2002/10, 文庫 238ページ)
○定価: 609円
○ISBN: 978-4003104620
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本「西洋哲学史III 「ポスト・モダン」のまえに (講談社選書メチエ513)」神崎繁/熊野純彦/鈴木泉 責任編集5

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西洋哲学史 3 「ポスト・モダン」のまえに (講談社選書メチエ)
西洋哲学史III 「ポスト・モダン」のまえに (講談社選書メチエ513)

○著者: 神崎繁熊野純彦/鈴木泉 編者、大西克智、楠川幸子、村上勝三、上野修 執筆者
○出版: 講談社 (2012/6, 単行本 400ページ)
○定価: 1,890円
○ISBN: 978-4062585163
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近世、、、近代へと向かい、古代(ヘレニズム、古典古代の文化におけるギリシア的な要素、とか)を呼び戻し、(もちろん?!、中世は暗黒の時代などではなく)、、、(じっさいなかなかとらえがたい、むつかしいなぁ)、「ポスト・モダン」のまえ


神という絶対的な真理と人間の理性をめぐって、多様な思索が交錯する――。近世に呼び戻されたヘレニズム哲学。デカルト、ホッブズ、スピノザ。そして、アリストテレス哲学の展開からヘーゲル、マルクス、ハイデガーへ。近代へ向かう哲学史の脈動を、鮮やかにとらえた論考を収載。また、シリーズ全4巻の人名・書名総索引を附す。


≪目次: ≫
第III巻 「ポスト・モダン」のまえに

序論 アウグスティヌス主義の射程・素描 熊野純彦
1 対照
2 告白
3 自己
4 懐疑
5 超越
6 交錯

1 ヘレニズム復興 大西克智
1 史実としてのヘレニズム「復興」
「天才の世紀」に先立って/宗教戦争という書割/人文主義の系譜/ヘレニズム三潮流の基本的発想と相互の対立
2 解離する力の喪失から、懐疑する意志の力へ――二つのキリスト教的ストア主義
「摂理」と「運命」、そして「不屈」/思想が耐えるもの/「人間の智慧 sagesse humaine 」を求めて/エポケーから、意志による懐疑へ
3 第十トロポスの行方――《Esprit fort》による懐疑主義
時代の鬼子/第六の対話「神性について De la divinité 」/懐疑主義と無神論
4 原子論の行方――ガッサンディによるエピクロス
「真理とは、私の判断するところ、人間の眼には深く隠されたものなのです」/「非質料的な魂」というスキャンダル
5 結語に代えて――モンテーニュ、あるいは「自然」と「責務」に生じた亀裂
『エセー』におけるヘレニズム思想/自然と摂理/《officium/office》の捩れ

2 近世スコラと宗教改革――ルター主義者とアリストテレス哲学 楠川幸子 宮崎文典・訳

ヤーコプ・シェック(1511-1587)
フィリップ・メランヒトン(1497-1560)
結論

3 デカルトと近代形而上学 村上勝三
1 一七世紀の哲学を考えるために
四つの先入見/「である」(本質 essentia)と「がある」(実在 existentia)/「である is」と「べきである ought」/「理由 reason」と「原因 cause」/「智恵」の探究
2 スアレスと形而上学
「形而上学 metaphysica」という名称の広がり/「形而上学の対象」/「理拠的存在」
3 一七世紀の「形而上学」
エウスタキウスの「形而上学」/デュプレックスの「形而上学」
4 一七世紀「存在論」の流れ
ゴクレニウスの「オントソフィア」/クラウベルクの「存在論」
5 クリスチャン・ヴォルフの存在論
「第一哲学」の特質/スコラ哲学との関係と基礎となる原理/存在についての基礎概念
6 デカルト哲学と形而上学
「形而上学」と「第一哲学」/「形而上学」と「抽象」/「ある」と「知る」/デカルト形而上学の確立/デカルト形而上学の革新性

4 ホッブズとスピノザ――われわれは自分の外にいる 上野修
はじめに――問題としたいこと
準備
1 ホッブズ――われわれはしるしを読まれる物体である

言語の物質性/思考そのものの外在性/物体でなければ対象ではない/われわれは計算する物体である/取り消し不可能なもの
2 スピノザ――われわれは自分を知らない真理である
存在としての真理/幾何学的証明/在ることのすべて/存在と思考の同一性/自分を知らない真理/目をあけて見る夢/倫理的・神学的・政治的
3 国家をめぐって――ホッブズとスピノザ
あたかも……/ホッブズの信約の論理/パラドックス/約束の暴力/スピノザ、群集の力能/だれも身体に何ができるか知ってはいない/虚偽意識の物質性/最高権力を超えるもの/神的暴力と神話的暴力

5 アリストテレスの子供たち――ヘーゲル・マルクス・ハイデガー 神崎繁
序論
はじめに――プロテスタントのアリストテレス/知性における能動と受動/理性の悟性に対する優位とその再逆転
I ヘーゲル(1770-1831)
「精神(Geist)」と「知性(nous)」/「自己意識」と「欲望(Begierde)」/「必要の体系(System der Bedürfnisse)」/「主と奴の弁証法」/ヘーゲルの『魂論』翻訳――同一物の二側面としての「能動/受動」
II マルクス(1818-1883)
原子と自己意識/体系の崩壊から見えるもの/原子と個人、そして「相互的交通」/言語/意味と事物/価値――媒介的関係/マルクスの『魂論』読解――「感覚」の社会性/「財獲得術(ktetike)」から「財産獲得術(chrematistike)」へ――『政治学』第一巻八〜九章/「必要(chreia)」と「交換(allage)」――『ニコマコス倫理学』第五巻五章/「労働力」という考え方/スコラ哲学の「労働観」
III ハイデガー(1889-1976)
ハイデガーのアリストテレスとの出会い/「調整者としての神」と「創造者としての神」/栄光の神学(thologia gloriae)と十字架の神学(theologia crucis)/「力」としての「存在」――ハイデガーの勇み足/隠された自然の開放としての労働/「存在・神・学(Onto-theo-logie)」の自己呪縛/結びにかえて

執筆者紹介

附録 人名・書名総索引


≪編者: ≫ 神崎 繁 (かんざき・しげる) 1952年生まれ。東京大学大学院博士課程単位取得満期退学。専修大学教授。専攻は、西洋古代哲学、西洋古典学。主な著書に、『プラトンと反遠近法』『ニーチェ――どうして同情してはいけないのか』『フーコー――他のように考え、そして生きるために』『魂(アニマ)への態度』など。

≪編者: ≫ 熊野純彦 (くまの・すみひこ) 1958年生まれ。東京大学大学院博士課程単位取得満期退学。東京大学教授。専攻は、倫理学、哲学史。主な著書に、『レヴィナス』『カント』『ヘーゲル』『差異と隔たり』『西洋哲学史』『埴谷雄高』など。

≪編者: ≫ 鈴木 泉 (すずき・いずみ) 1963年生まれ。東京大学大学院博士課程中途退学。東京大学准教授。専攻は哲学、とくに西洋近世および現代フランス哲学。主な論文に、「ドゥルーズ哲学の生成 1945-1969」「スピノザ哲学と『形而上学的思想』」など、共著に『ドゥルーズ/ガタリの現在』など。

≪執筆者: ≫ 大西克智 (おおにし・よしとも) 1970年生まれ。東京大学大学院博士課程を経てパリ第一大学で哲学博士号取得。神奈川大学非常勤講師。主な論文に、“Volonté et indifférence chez Descartes (デカルトにおける意思と非決定)”、共著に『哲学への誘いV 自己』『世界の感覚と生の気分』がある。 〔第1章〕

≪執筆者: ≫ 楠川幸子 (くすかわ・さちこ) 1963年生まれ。国際基督教大学卒業。ケンブリッジ大学科学史科学哲学科博士課程修了。ケンブリッジ大学トリニティ・カレッジ・フェロー。科学史家、哲学者。主な著書に、Picturing the book of nature: Image, text, and argument in sixteenth-century human anatomy and medical botany (Chicago: University of Chicago Press, 2012)、The Transformation of Natural Philosophy: the case of Philip Melanchthon. Ideas in Context. Cambridge: Cambridge University Press, 1995. など。 〔第2章〕

≪執筆者: ≫ 村上勝三 (むらかみ・かつぞ) 1944年生まれ。東京大学大学院博士課程人文科学研究科哲学修了。東洋大学教授。専攻は、哲学、倫理学。主な著書に、『デカルト形而上学の成立』『観念と存在――デカルト研究1』『新デカルト的省察』など。 〔第3章〕

≪執筆者: ≫ 上野 修 (うえの・おさむ) 1951年生まれ。大阪大学大学院文学研究科博士課程単位取得満期退学。大阪大学教授。専攻は、哲学・哲学史。主な論文に、“Spinoza et le Paradoxe du contrat social de Hobbes: ”, Cahiers Spinoza. no.6, 1991. 著書に『デカルト、ホッブズ、スピノザ――哲学する十七世紀』(『精神の眼は論証そのもの』の文庫化)、『スピノザの世界――神あるいは自然』『スピノザ――「無神論者」は宗教を肯定できるか』など。 〔第4章〕


神崎繁/熊野純彦/鈴木泉 責任編集、乗立雄輝/小田部胤久/滝口清栄/杉山直樹 執筆 『西洋哲学史IV 「哲学の現代」への回り道』(講談社選書メチエ、2012年) '12/05/16
神崎繁/熊野純彦/鈴木泉 責任編集、近藤智彦/土橋茂樹/永嶋哲也/周藤多紀/山本芳久/上枝美典/加藤和哉/藤本温/山内志朗 執筆 『西洋哲学史II 「知」の変貌・「信」の階梯』(講談社選書メチエ、2011年) '12/01/05
神崎繁/熊野純彦/鈴木泉 責任編集、納富信留/木原志乃/斎藤憲/中畑正志/金子善彦/丸橋裕/村井則夫 執筆 『西洋哲学史I 「ある」の衝撃からはじまる』(講談社選書メチエ、2011年) '12/01/01





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本「ブラス・クーバスの死後の回想 (光文社古典新訳文庫148)」マシャード・ジ・アシス、武田千香 訳5

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ブラス・クーバスの死後の回想 (光文社古典新訳文庫)
ブラス・クーバスの死後の回想  Machado de Assis: “Memórias Póstumas de Brás Cubas”, 1881 (光文社古典新訳文庫148)

○著者: マシャード・ジ・アシス武田千香
○出版: 光文社 (2012/5, 文庫 571ページ)
○定価: 1,380円
○ISBN: 978-4334752491
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ブラジルの独立は1822年に果たされた。1500年にポルトガル人が、いわゆる「発見」して、初めて上陸して以来、300年以上にわたって、植民地としてポルトガルの支配を受けてきた。
ポルトガルの新大陸進出において、王室は征服の手段として十字架を使い、カトリック教会もまた世俗の王権を利用した(宗教と政治の一体化)。政教分離が実現したのは、1889年に共和制に移行したとき。
経済的には、砂糖を、金を、コーヒーを、ヨーロッパへ送り続ける、ヨーロッパの第一次産品の供給地であった。それは、アフリカから連れてこられた黒人奴隷の労働力が支えとなっていた。奴隷制度が廃止されたのは遅く(イギリス帝国1833年廃止、ラテンアメリカの多くの国は19世紀前半に廃止、アメリカ大陸最後の廃止国となった)、1888年に廃止されるまで長く維持された。
19世紀のブラジルの、新と旧、伝統と近代、理想と現実、秩序と非秩序、、、「神と悪魔が住む国」、対照的なものが混在する社会


死んでから作家となった書き手がつづる、とんでもなくもおかしい、かなしくも心いやされる物語。カバにさらわれ、始原の世紀へとさかのぼった書き手がそこで見たものは……。ありふれた「不倫話」のなかに、読者をたぶらかすさまざまな仕掛けが施される。ブラジル文学の秘められた大傑作。


≪目次: ≫
ブラス・クーバスの死後の回想Memórias Póstumas de Brás Cubas, 1881
第四版への序文 (マシャード・ジ・アシス)
読者へ (ブラス・クーバス)
献辞
一章 作者の死去
二章 膏薬
三章 家系
四章 固定観念
五章 ある女性の耳の登場
六章 シメーヌ、だれがそんなことを言ったのか? ロドリーグ、だれがそんなことを信じたのか?
七章 精神錯乱
八章 「理性」対「狂気」
九章 転換
十章 その日
十一章 子どもは人の父
十二章 一八一四年のエピソード
十三章 ひとっ跳び
十四章 ファースト・キス
十五章 マルセーラ
十六章 非道徳的な考え
十七章 空中ブランコとその他のことについて
十八章 廊下の幻像
十九章 船上で
二十章 わたしは卒業する
二十一章 ロバ引き
二十二章 リオへの帰還
二十三章 悲しいが、短い章
二十四章 短いが、明るい章
二十五章 チジュカにて
二十六章 作者は迷う
二十七章 ヴィルジリア?
二十八章 ただし
二十九章 客
三十章 茂みの花
三十一章 黒い蝶
三十二章 生まれつき悪い足
三十三章 下りぬ者は幸いなり
三十四章 繊細な心へ
三十五章 ダマスクスへの道
三十六章 ブーツについて
三十七章 ついに
三十八章 第四版
三十九章 隣人
四十章 馬車の中で
四十一章 幻覚
四十二章 アリストテレスが思いつかなかったもの
四十三章 侯爵夫人ですよ、だって、ぼくは侯爵になりますから
四十四章 クーバスが!
四十五章 覚え書き
四十六章 遺産
四十七章 隠遁
四十八章 ヴィルジリアの従兄弟
四十九章 鼻の頭
五十章 人妻ヴィルジリア
五十一章 おれのもの!
五十二章 謎の包み
五十三章 ・・・・・・
五十四章 振り子
五十五章 アダムとイヴの古(いにしえ)の対話
五十六章 時間的都合
五十七章 運命
五十八章 打ち明け話
五十九章 出会い
六十章 抱擁
六十一章 計画
六十二章 枕
六十三章 逃げよう
六十四章 合意
六十五章 監視人と傍受人
六十六章 脚
六十七章 小さな家
六十八章 鞭
六十九章 狂気の一粒
七十章 ドナ・プラシダ
七十一章 本の欠点
七十二章 書籍狂
七十三章 午餐会
七十四章 ドナ・プラシダの話
七十五章 ひとりごと
七十六章 肥やし
七十七章 逢瀬
七十八章 知事職
七十九章 妥協案
八十章 秘書として
八十一章 和解
八十二章 植物学的な問題
八十三章 十三
八十四章 葛藤
八十五章 山頂
八十六章 謎
八十七章 地質学
八十八章 病人
八十九章 臨終(イン・エクストレミス)
九十章 アダムとカインの古(いにしえ)の会話
九十一章 奇妙な手紙
九十二章 奇妙な男
九十三章 昼食
九十四章 秘密の動機
九十五章 過ぎし日の花
九十六章 匿名の手紙
九十七章 口と額のあいだ
九十八章 削除
九十九章 平土間で
百章 あり得る話
百一章 ダルマチア革命
百二章 休憩
百三章 うっかり
百四章 彼だった!
百五章 窓の等価性
百六章 危険なゲーム
百七章 メモ
百八章 理解されないもの
百九章 哲学者
百十章 三十一
百十一章 塀
百十二章 世間
百十三章 かすがい
百十四章 ある対話の結末
百十五章 朝食
百十六章 昔日のページの哲学
百十七章 ウマニチズモ
百十八章 第三の力
百十九章 余談
百二十章 無理やりにも連れてきなさい(コンペ−レ・イントラーレ)
百二十一章 下山
百二十二章 実に殊勝な意図
百二十三章 本当のコトリン
百二十四章 幕間の章
百二十五章 墓碑
百二十六章 慰めからも見放されて
百二十七章 形式
百二十八章 議事堂にて
百二十九章 良心の呵責もなく
百三十章 百二十九章の付記
百三十一章 誹謗中傷によせて
百三十二章 まじめでない章
百三十三章 エルヴェシウスの原則
百三十四章 五十歳
百三十五章 忘却(オブリヴィオン)
百三十六章 無益
百三十七章 シャコー
百三十八章 批評家へ
百三十九章 いかに国務大臣にならなかったかについて
百四十章 前章の説明
百四十一章 犬
百四十二章 秘密の依頼
百四十三章 行くもんか
百四十四章 相対的有用性
百四十五章 たんなる繰り返し
百四十六章 設立趣意書
百四十七章 狂気
百四十八章 難問
百四十九章 恩の理論
百五十章 自転と公転
百五十一章 墓碑銘の哲学
百五十二章 ヴェスパシアヌスの貨幣
百五十三章 精神科医
百五十四章 ピレウスの船
百五十五章 心からの考え
百五十六章 使用人の誇り
百五十七章 輝かしい時代
百五十八章 二つの出会い
百五十九章 半狂気
百六十章 否定の章


索引

解説 マーシャド・ジ・アシスと『ブラス・クーバスの死後の回想』/武田千香
一 「小説」への挑戦
「小説」の常識を覆す「小説」/マシャードの挑戦/理想と現実が相克する十九世紀ブラジル
二 対立概念とは無縁の世界
死者の語り手/五コントのドラマ
三 問われる規範・制度・道徳・知の体系
規範・制度・道徳とは何か/問われる西洋の知/ウマニチズモ
四 視覚テクストと演劇性
「人生=演劇」メタファー/「人生=本」メタファー
五 マシャード・ジ・アシス、人生と文学
マシャード・ジ・アシス/作家マシャード/マシャードの文学の中の『ブラス・クーバスの死後の回想』

マシャード・ジ・アシス年譜(1839-1908)

訳者あとがき


≪著者: ≫ マシャード・ジ・アシス Machado de Assis [1839-1908] ブラジルを代表する作家。第二帝政期の奴隷制度が敷かれたリオデジャネイロの貧しい家庭で育つ。父方の祖父母は解放奴隷で、母親はポルトガル移民。独学で、書店や印刷所で働きながら詩人として文壇にデビュー。新聞の時評、詩、戯曲、短・長編小説、翻訳など手がけたジャンルは多岐にわたる。ブラジル文学アカデミーの初代会長を務めた。一般に本書と『ドン・カズムッホ』『キンカス・ボルバ』を合わせた長編小説が三大傑作とされ、「精神科医」をはじめとする短編も評価が高い。マシャードを抜きにブラジルの文学を語れないほどの存在感を誇る。

[訳者: ] 武田千香 Takeda Chika 東京外国語大学教員。文学を中心にブラジルの文化を研究する。主な訳書にJ・アマード『果てなき大地』、シコ・ブアルキ『ブダペスト』、P・コエーリョ『ポルトベーロの魔女』、著書に『ブラジルのポルトガル語入門』ほか、編書に『現代ポルトガル語辞典』などがある。


金七紀男 『図説 ポルトガルの歴史』(ふくろうの本・世界の歴史、河出書房新社、2011年) '12/01/015
増田義郎 『図説 大航海時代』(ふくろうの本・世界の歴史、河出書房新社、2008年) '11/03/22
増田義郎 『黄金の世界史』(講談社学術文庫、2010年) '11/01/26





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本「旧約聖書と哲学 現代の問いのなかの一神教」関根清三5

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旧約聖書と哲学―現代の問いのなかの一神教
旧約聖書と哲学 現代の問いのなかの一神教

○著者: 関根清三
○出版: 岩波書店 (2008/6, 単行本 310ページ)
○定価: 2,730円
○ISBN: 978-4000225663
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さて、間近にひかえる単位認定試験での問いは、記述式の解答が求められるであろう(論ぜよ、と)、たとえば、平成23年度の第一学期の過去問(オフィシャルに公開されている)によるならば、およそ、旧約の姦淫禁止の律法と、イエスのその解釈をめぐって、、、600字


人間のエゴイズムとモラルの崩壊、肥大する欲望と環境破壊…… 旧約聖書の思想は、現代になお生きたメッセージを発信しているのだろうか。
カントキルケゴールレヴィナスデリダユング西田幾多郎――旧約に問いかけ、その世界像や神観念と格闘した思想家たちと対話する。旧約の〈信〉の核心に置かれた象徴を解釈学の方法によって解読し、受苦・受難の逆説と贖罪思想とが拓く宗教の次元に哲学的な表現を与える。
価値が多様化し拡散した今日、普遍的な規範を再生することは可能だろうか。旧約聖書学と哲学とが交差する地点に立って構想された、新たな〈普遍への理路〉。


≪目次: ≫
はじめに 歴史学的解釈との比較における哲学的解釈
歴史学的解釈/歴史学的解釈の実例/哲学的解釈/哲学的解釈の実例/二つの解釈の関係と本書の課題/現代の問いの中の一神教

凡例
聖書翻訳書 略号表
旧約・新約聖書 諸文書略号表


第一部 旧約聖書と哲学
第一章 イサク献供物語の哲学的解釈――創世紀二二章の謎を解く

はじめに
1 キルケゴールの解釈とその評価
1.1 キルケゴールの解釈/1.2 ヴェスターマンの批判/1.3 ヴェスターマンへの疑問
2 カント、ブーバー、レヴィナス、デリダ、宮本の解釈とその批判
2.1 カントの解釈/2.2 ブーバーの解釈/2.3 レヴィナスの解釈/2.4 デリダの解釈/2.5 宮本の解釈/2.6 批判的小括
3 ヨセフスと西田幾多郎の解釈
3.1 ヨセフスの翻案/3.2 西田幾多郎の解釈
4 結論
4.1 ニッサーの意味/4.2 歴史学的・神学的解釈の到達点(フォン・ラート)/4.3 フォン・ラートへの残る疑問/4.4 哲学的解釈(西田)/4.5 哲学的解釈(私解)/4.6 ヤハウェ・イェーラーエーの翻訳と意味
おわりに

第二章 受難の逆説――第二イザヤとソクラテスを比較して
はじめに
1 ヘブライ宗教における受難の神義論
1.1 第二イザヤ書における義人の受難/1.2 M・ウェーバーの解釈とその当否/1.3 生前の絶望
2 ギリシア哲学における受難のエゴイズム
2.1 ソクラテスの刑死/2.2 アリストテレスにおける愛と受難の関係/2.3 生前の希望
3 エゴイズムからの解放の起点としての受難
3.1 エゴイズムの放棄/3.2 帰依/3.3 受難の逆説

第三章 旧約的一神教の再構築――旧約学と哲学との対話から
はじめに
1 一神教のどこが問題なのか
2 旧約の自己理解における神観の諸相
2.1 イスラエルの戦争を主導する神/2.2 イスラエルの罪を他民族を用いて罰する神/2.3 歴史を導くことをしない神
3 宗教学的に整理した神観の諸相
3.1 多神教との関係/3.2 拝一神教の法則/3.3 唯一神教の成立と意味
4 神概念についての哲学的反省
5 贖罪信仰の人間論的な意味
5.1 ユダヤ・キリスト教における義人の贖罪/5.2 ギリシア哲学における受難のエゴイズム/5.3 エゴイズムからの解放の起点としての贖罪
おわりに


第二部 旧約思想と現代
第四章 旧約的神理解の現代性――コーヘレス、シェーンベルク、ユング

1 旧約の神への疑惑・批判・罵詈雑言
1.1 善悪に報いる神に対する、コーへレスの疑惑/1.2 偶像を否定する神に対する、シェーンベルク流の批判/1.3 ユングによる「ヨブの神は愚かだ」発言
2 旧約からの応答
2.1 コーヘレスによる、ニヒリズムとその超克――有的な人格神と無的な超越者/2.2 シェーンベルクの戸惑い――贖罪思想へ向けて/2.3 ユングの見落としているもの――創造物語の非神話化
3 旧約聖書の神理解は、現代に何を問いかけるか
3.0 現代とはどういう時代か/3.1 神観念の揺さぶり/3.2 受苦への感受性/3.3 存在の所与性

第五章 倫理の再生へ――喜ばしい共生の理路を尋ねて
はじめに
1 倫理に対する二つの態度
1.1 感情論的な厳罰主義と倫理教育/1.2 理論的な倫理相対主義と懐疑主義/1.3 失語症状況とその克服へ
2 殺人を否定する二つの根拠・理の認識
2.1 創造論的な理/2.2 救済論的な理/2.3 小括
3 二つの理の認識に至る七つの路
3.1 宗教/3.2 哲学/3.2.a ガダマー、リクールらの哲学的解釈学/3.2.b プラトンの民主主義批判/3.2.c 驚き(thaumazein)が哲学(philosophia)の始まりである/3.3 科学/3.4 小括/3.5 法律/3.6 政治/3.7 芸術/3.8 善事発見術
おわりに


第三部 預言者と救済論
第六章 預言者的救済の系譜――イザヤ、第二イザヤ、エレミヤ

1 イザヤ書から
1.1 イザヤの召命/1.2 前期のメシア預言/1.3 ダビデの末裔/1.4 教えを受けた者たち/1.5 第二イザヤの苦難の僕
2 エレミヤ書から
2.1 エレミヤと申命記史家/2.2 偽預言者/2.3 メシア/2.4 犠牲/2.5 新しい契約

第七章 預言者と申命記主義(上)――研究史暼見
1 アモス書からマラキ書に至る預言書と申命記主義
1.1 アモス/1.2 ホセア/1.3 ミカ、ゼファニヤ/1.4 イザヤ/1.5 エゼキエルその他
2 エレミヤ書と申命記主義
2.1 エレミヤ書における申命記主義的現象の発見/2.2 エレミヤ書についての文書説的考察/2.3 エレミヤ書の編集史的考察/2.4 エレミヤ書の申命記史家的編集をめぐるティール説/2.5 ティール後に残る問題/2.5.a 単一で組織的な編集でなく、複雑で雪達磨式ほ編集は考えられないか?/2.5.b エレミア書の申命記史家的編集者は、申命記−列王記下の申命記史家と対立していないか?/2.6 小括

第八章 預言者と申命記主義(下)――エレミヤ書の場合
1 真贋問題
2 真正預言者と偽預言者
3 申命記史家の編纂意図をめぐるティール説の検討
3.1 ティールの挙げる申命記史家の神学/3.2 申命記史家固有の思想・表現(ティールの挙げるもの以外)/3.3 エレミヤ固有の思想
4 「新しい契約」預言の解釈――第一の争点
5 「新しい契約」預言の解釈――第二の争点
6 エレミヤの真正テクストの預言内容
7 申命記史家の思想の比較
8 真贋問題再び――哲学的解釈の課題



あとがき (二〇〇八年 万緑新たな季に 関根清三)

事項・人名索引


≪著者: ≫ 関根清三 (せきね せいぞう) 1950年、東京生まれ。東京大学大学院人文社会系研究科倫理学専攻博士課程修了。東京大学より博士(文学)。ミュンヘン大学よりDr.theol。東京大学大学院人文社会系研究科・文学部・教授。著訳書、Die Tritojesajanische Sammlung (Jes 56-66) redaktionsgeschichtlich untersucht, BZAW, 175, de Gruyter, 1989、『旧約における超越と象徴――解釈学的経験の系譜』(東京大学出版会、1994)、『倫理思想辞典』(共編著、山川出版社、1997)、『イザヤ書』 旧約聖書VII(岩波書店、1997)、『旧約聖書の思想――24の断章』(岩波書店、1998/改訂版、講談社学術文庫、2005)、Transcendency and Symbols in the Old Testament, BZAW 275, de Gruyter, 1999、『死生観と生命倫理』(編著、東京大学出版会、1999)、『性と結婚』 講座 現代キリスト教倫理 第2巻(編著、キリスト教団出版局、1999)、『旧約聖書と現代』(共著、教文館、2000)、『倫理思想の源流――ギリシアとヘブライの場合』(放送大学教育振興会、2001/改訂版、2005)、『倫理の探索――聖書からのアプローチ』(中公新書、2002)、『エレミヤ書』 旧約聖書VIII(岩波書店、2002)、『宗教の倫理学』 現代社会の倫理を考える 第17巻(編著、丸善、2003)、A Comparative Study of the Origins of Ethical Thought, Rowman & Littlefield Publishers, 2005、『応用倫理学事典』(共編著、丸善、2007)ほか。

関根清三 『旧約聖書の思想 24の断章』(講談社学術文庫、2005年) '12/06/25
関根清三 『倫理の探索 聖書からのアプローチ』(中公新書、2002年) '12/06/18
関根清三 『ギリシア・ヘブライの倫理思想』(東京大学出版会、2011年) '12/04/15





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本「象形文字入門 (講談社学術文庫2118)」加藤一朗5

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象形文字入門 (講談社学術文庫)
象形文字入門 (講談社学術文庫2118)

○著者: 加藤一朗
○出版: 講談社 (2012/6, 文庫 272ページ)
○定価: 966円
○ISBN: 978-4062921183
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文字、もじモジもじモジ


古代エジプトの文字世界を、ヒエログリフの読み方にはじまり、数々の物語などを交えて、あざやかにレクチャー。さらには未開社会の絵文字と象形文字との比較から文字の起源を問い、アルファベットの誕生や世界の象形文字、日本の文字文化へと思いを馳せる、格好の入門書にして縦横無尽に展開する文字論。ヒエログリフの単語集、解読練習問題付き。


≪目次: ≫
ヒエログリフの字体について

インディアンの手紙
文字の発明/インディアンの手紙/絵と字/表意から表音へ/文明社会と絵文字/結縄/アステカの「移民の記録」/奇怪なマヤの象形文字/文字を生むもの

ヒエログリフ
黒い船/ナルメル王のパレット/ヒエログリフ/横向きの顔/太陽の子/ヨコ書きとタテ書き/ホルスの目/暦/ヒエログリフのつづり方

パピルスのつたえる物語
パピルス/書記になれ/魂との対話/兄弟物語/ウェンアムンの航海/シヌへの物語

永遠の生命
神々の書記、トト神/ピラミッド・テキスト/オシリスラー死者の書カーアビドスの供養碑/護符/スカラペ/クフ王の母/生命のシンボル

ヒエログリフからアルファベットへ
シナイ山/牛の頭/海の商人、陸の商人/地中海のライバル/ギリシアの旅行家/デモティック/オシリスとキリスト/コプト文字とローマ字/ロゼッタ石

象形文字のいろいろ
楔形文字の誕生/ヒッタイトの象形文字/解読の待たれる象形文字(原エラム文字クレタ文字インダス文字)/甲骨文字

日本語の文字

付章 ヒエログリフの読み方
アルファべット(単音記号)/2音記号の例/決定詞の例/文章/単語集(練習問題のために)/練習問題/練習問題の解答

解説/大城道則
年表
索引


※本書の原本は、1962年11月に、中公新書として刊行されました。

カバー写真: コム・オンボ神殿の柱に刻まれたヒエログリフ(前4〜前3世紀) Science Photo Library/アフロ


≪著者: ≫ 加藤一朗 (かとう いちろう) 1921年、東京都に生まれる。京都帝国大学西洋史学科卒業。高校教諭、シカゴ大学人文学部東洋言語文学科留学などを経て、関西大学教授、同大学名誉教授。専攻は古代エジプト史。著書に、『古代エジプト王国 偉大な王たちの神秘の世界』など。2009年に死去。勲四等旭日小綬章。


大城道則 『古代エジプト文明 世界史の源流』(講談社選書メチエ、2012年) '12/05/12
大城道則 『ピラミッドへの道 古代エジプト文明の黎明』(講談社選書メチエ、2010年) '10/08/03





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本「カラー版 北斎 (岩波新書1369)」大久保純一5

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カラー版 北斎 (岩波新書)
カラー版 北斎 (岩波新書1369)

○著者: 大久保純一
○出版: 岩波書店 (2012/5, 新書 208ページ)
○定価: 1,050円
○ISBN: 978-4004313694
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そう、「この千年に偉大な業績を挙げた世界の人物100人」(1998年、アメリカのグラフ誌『ライフ』の特集)の中で、日本人としてはただ一人挙げられた(86位)、北斎(1760・宝暦10年〜1849・嘉永2年)。2013年度からの高等学校の英語教科書に取り上げたものがある、ようだ


「画狂人」と称した葛飾北斎(一七六〇〜一八四九)は、生涯自らの到達点に満足することなく、画業に専心し、多彩な作品を遺した。初期の役者絵から、美人画、摺物、読本挿絵、絵手本(北斎漫画)、風景画、花鳥画、そして晩年の肉筆画まで、傑作・代表作六九点を収録し、その画業を江戸絵画史の中に位置づけながら、読み解く。


≪目次: ≫
はじめに

第1章 浮世絵師になる――春朗時代
1 幼年期の北斎
本所、割下水に生まれる/彫師の修業を始める
2 勝川派への入門
役者似顔絵の誕生/浮絵の改良/第一人者、勝川春章/春章に入門を請う/細判役者絵で出発/細判役者絵の特徴/洗練された姿態表現/春朗時代の美人画/浮絵の世界――名所絵・物語絵/滑稽味ある「百物語」/武者絵・子供絵/版本の挿絵
3 勝川派からの離脱
錦絵制作から離れる/破門説と不仲説/画号「群馬亭」の意味は?

第2章 摺物と狂歌絵本――宗理様式の時代
1 二代目宗理を襲名
二代目宗理となる/北斎以前の宗理/なぜ宗理の号を襲ったのか/宗理様式の時代
2 美人画の世界
日本美人の理想像を具現
3 狂歌絵本
淡雅で気品に満ちた画趣/独創性あふれる構成
4 摺物
最高の木版技術を投入/雅趣のある作風/花鳥画
5 南蘋派の摂取
長崎に渡来した沈南蘋/浮世絵に強い影響を与える

第3章 再び浮世絵の本流へ――北斎の時代
1 読本の挿絵
読本の一大ブーム/人気の浮世絵師を起用/馬琴との二人三脚/みなぎる運動のエネルギーと効果的な黒
2 洋風風景画の試み
急増する名所絵/東海道シリーズ/摺物風名所絵/空間表現力の向上/洋風を前面に/田善を模した銅版画/油絵風の揃物/相次ぐ洋風版画の刊行
3 『北斎漫画
絵手本と絵本/絵づくりの基本原理/絵手本の傑作/出版の動機/絵手本出版の流れの中で/鍬形澪に倣って/南画的な描法/続編が次々と/絵本・画譜と比べて遜色なし/滑稽味ある戯画

第4章 天保の錦絵――為一時代
1 文政期の風景表現
鳥瞰図――自由自在な空間表現/注目すべき工芸図案集
2 《冨嶽三十六景》の誕生
名所絵揃物/中国絵画風の表現
3 《冨嶽三十六景》の史的意義
後世に大きな影響/ベロ藍の効果/異例の売れ行き/次世代の揃物につながる要素/揃物の画帖化へ
4 風景版画の諸作
大判サイズ/諸国物/水の世界
5 天保期の花鳥版画
質感再現技術の完成/経験の積み重ねの結実/横大判の揃物/永寿堂版の中判揃物/花鳥画のジャンルの確立

第5章 晩年の北斎
1 画道へのあくなき執着
絵手本・絵本・肉筆画に専念/広重の台頭/「真景」が売り物に/北斎と広重のちがい/永寿堂西村屋の衰退/最晩年を飾る錦絵/老境という通過点/足場を肉筆画に/絵師の中の絵師
2 『冨嶽百景』
三冊本の刊行動機/森羅万象を集大成/「近像型構図」の多用/彫りと摺り/絵手本としても活用
3 晩年の絵本や絵手本など
異国や歴史をイメージして/本格的な絵手本/西洋画への強い関心
4 晩年の肉筆画
肉筆画を多作/自家の作風に安住せず/娘お栄のこと
5 北斎の死
最後の最後まで

あとがき (二〇一二年四月 著者)
北斎略年譜 (1760・宝暦10年〜1849・嘉永2年)

参考文献
索引


※カバー写真: 諸国瀧巡り 下野黒髪山きりふきの滝 大判錦絵 天保4年(1833)頃 財団法人東洋文庫所蔵


≪著者: ≫ 大久保純一 (おおくぼ・じゅんいち) 1959年徳島県生まれ。1985年東京大学大学院人文科学研究科修了。博士(文学)。専攻、江戸絵画史。国立歴史民俗博物館研究部教授。著書、『浮世絵の鑑賞基礎知識』(共著、至文堂、1994)、『広重 六十余州名所図会』(共著、岩波書店、1996)、『広重と浮世絵風景画』(東京大学出版会、2007)、『カラー版 浮世絵』(岩波書店、2008)ほか。


長岡龍作 編著 『講座日本美術史 第4巻 造形の場  Studies in the History of Japanese Art 4: Sites of Artistic Production and Reception 』(太田昌子/木下直之/海老根聰郎/高橋範子/榊原悟/根立研介/加須屋誠/奥健夫/大久保純一 著、講座日本美術史、東京大学出版会、2005年) '11/07/13





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本「政治学への道案内 (講談社学術文庫2110)」高畠通敏5

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政治学への道案内 (講談社学術文庫)
政治学への道案内 (講談社学術文庫2110)

○著者: 高畠通敏
○出版: 講談社 (2012/5, 文庫 608ページ)
○定価: 1,680円
○ISBN: 978-4062921107
クチコミを見る



伝説の、教科書♪


「政治学は何の役に立つ?」 幾度もの改訂を重ねながら読み継がれてきた伝説の「教科書」に著者最後の増補原稿を加え、完全版として待望の復刊。政治学におけるあらゆる分野の基礎知識を平易に解説する本書は、統治の学から自治の学へととらえなおす視点で貫かれ、入門書でありながら我々にとっての政治学の実用価値を知らしめる。復権、市民教養!


≪目次: ≫
序 政治学は何の役に立つ?――まえがきにかえて

I 政治学
1 政治学――歴史・分野・特質

歴史/分野/特質

II 政治
1 政治とは何か

政治の定義のしかた/政治の一般的定義/「政治」観と問題意識/近代日本の「政治」観/自治を中心とする「政治」観の意味
2 政治の〈原理〉について
日本における政治のイメージ/マキャヴェリと政治的リアリズム/ウェーバーとマルクスの政治リアリズム/日本における政治的リアリズムの伝統/政治的リアリズムと政策的思考/政治的リアリズムと政治的な主体性/市民の政治的リアリズム/市民のもつ力とは何か/現代市民のヴィルチュについて/人間のつくった世界

III 国家とナショナリズム
1 近代国家の特質

国家の意味/国家の多様性/近代国家の成立/ネイション・ステイトの成立/近代の国家論/現代国家とデモクラシー/国家をこえるもの
2 日本人であること
3 民族と国民
民族と国民の概念/ヨーロッパにおける国民の形成/国民国家と民族国家/冷戦終結後の民族紛争/自民族中心主義と民族差別/日本における民族と国民

IV 国際政治と日本
1 国際社会の政治構造

国民国家とナショナリズム/勢力均衡と権力政治/大国と小国/政治体制と国際紛争/国際世論
2 国際法と国際機構
国際法の概念/国際連盟の成立と崩壊/国際連合の成立/国際連合と国際政治
3 第二次大戦後の世界
東西冷戦と軍拡競争/平和共存と多極化/デタント・新冷戦・新自由主義/冷戦の終結と相互依存の深まり
4 二一世紀の国際社会
(1) 発展途上国の問題
発展途上国と南北問題の始まり/発展途上国の貧困と開発独裁/発展途上国と援助
(2) 大量殺戮兵器の管理と軍縮
大量殺戮兵器の発達
(3) 地球環境と国際政治
悪化する地球環境/地球サミットと京都議定書/慎重なアメリカとロシア
(4) 深まる相互依存と国際社会の組織化
相互依存の国際社会/国際機構と地域組織/市民活動の国際的組織化
(5) 国際社会における日本の立場と役割
日本の伝統的な対外意識/明治維新と開国/敗戦と二度目の開国/冷戦下の日本/国際化の時代と第三の開国/冷戦の終結と安保の再定義/相互依存世界のなかでの日本の貢献と役割/踏まえなくてはならないこと/アジア・太平洋諸国と世界への貢献

V 権力と支配
1 政治権力

権力の実体的味方/エリートの理論/権力の機能的見方/服従の確保/支配関係の成立/服従のタイプ/権力の機能的見方の問題点
2 権力の構造化――国家権力の成立
権力と支配/物理的強制力/統治機構の整備
3 権威と支配
権威の成立/権威の意味/政治的権威の理想主義的解釈/支配の正当性/権威の現実主義的解釈/権力の零和観と非零和観/権威のジレンマ
4 支配の状況化
支配の状況化/抵抗と革命

VI リーダーシップ
1 政治的リーダーシップ

相反的な概念/リーダーシップ論とその背景/リーダーシップ過程/リーダーシップの型/指導者と大衆の分化/一体感の培養/現代社会とリーダーシップ

VII シンボルとイデオロギー
1 シンボルとイデオロギー

シンボル動物としての人間/政治におけるシンボルの機能/制度理念とイデオロギー/現代社会におけるシンボルとイデオロギー
2 やさしい心――政治における「事実」と「イメージ」

VIII 政治意識と政治的人間
1 政治意識とは何か

定義/問題史/構造/量的な構造分析
2 政治的無関心のタイプ
前近代社会/市民社会/現代社会
3 政治的人間の論理
4 家庭と政治

IX 民主主義
1 民主主義――意味と力学

意味と歴史/論理と力学
2 民主主義――歴史と類型
民主主義の歴史/現代民主主義の政治制度/日本の民主主義

X 議会主義
1 議会とは何か

議会の歴史/議会の構成/議会の活動/議会政治
2 近代議会主義と国民代表制
市民革命の政治的課題/理性と普遍性への信仰/国民代表と多数決/議会主義と政党政治/名望家政党の現実

XI 政治運動
1 政治運動への視角

政治運動の意味/政治運動の歴史的展開/古典的な市民運動/現代的市民運動の出現
2 大衆運動の論理と構造
大衆運動の成立/大衆運動の構造/大衆運動の機能/形態
3 市民参加の論理と展望
市民参加の世界的広がり/代表制民主主義批判の系譜/市民参加の構造的基盤/市民参加の展望

XII 現代政治
1 現代政治のダイナミクス

現代社会の政治的特質/政党と圧力団体/政治家・官僚・リーダーシップ/現代政治の新しい力学
2 独裁について
独裁の問題/独裁の概念/現代社会と独裁
3 全体主義とファシズム
全体主義(totalitarianism)/ファシズムの意味
4 現代革命の思想と論理
現代革命という問い/先進国革命の思想/第三世界における革命思想/被差別者の革命思想/現代における革命思想の展望

XIII 日本の政治
まえがき

1 日本の政治的風土
政治的風土/権力の偏重/天皇/欲望自然主義/国家/公共/党・派・閥/ハラ・勘・ねわざ/権力
2 近代日本の政治
御一新/出世民主主義/政治の二重構造/転向/世代/デモ
3 戦後日本の政治構造
政治制度の枠組/保守と革新/中道政党と連合政治/内閣支持率/国政選挙の構造/地方政治
4 戦後日本の政治過程
戦後議会政治の展開/政治的エリートの構造/政治運動と政治文化/政治文化の継承と変化
5 現代日本の権力構造――政財官複合の形成
官僚と政界の癒着/官僚と財界の癒着/政党と財界の癒着/参議院と地方自治

XIV 政治理論
1 現代の政治理論

政治理論とは何か/政治理論の古典的形態/制度論の解体と現代型政治理論の成立/政治過程論の形成/政治行動論の勃興/一般政治理論への志向/権力の理論/決定作成の概念/政治体系(政治システム)の理論/政治の量的分析


文献案内
あとがき (高畠通敏)
新訂版にあたって (一九八四年八月 高畠通敏)
私家版はしがき (二〇〇二年一〇月 駿河台大学研究室にて 高畠通敏)
解説(五十嵐暁郎、政治学者)
索引


◎政治学の道しるべ
国家主義と人権/日本の生き方のスタイル/日本人国/抱合組織体/スポイルズ・システム/保守と革新/管理社会/抑圧的寛容/ユーロ・コミュニズム/第三世界の発展と変革/権威主義体制(authoritarian regime)/強調国家(corporate atate)/連合民主政(多極共存型民主政/consociational democracy)/「支持なし」層の投票行動



※本書の原本は、1976年に三一書房より刊行されました。文庫化にあたっては1984年刊行の新訂版を底本とし、著者による「私家版」(2002年)掲載の増補部分を収録しました。


≪著者: ≫ 高畠通敏 (たかばたけ みちとし) 1933〜2004年。東京生まれ。東京大学法学部卒業。東京大学法学部助手を経て、立教大学教授(同名誉教授)、駿河台大学教授。専攻は計量政治学。『政治の発見』『地方の王国』『新保守の時代はつづくのか』『政治学のフィールド・ワーク』など著書多数。訳書に、ダール『ポリアーキー』『現代政治分析』がある。没後には『高畠通敏集』1〜5が刊行された。






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本「図説 密教の世界 (ふくろうの本・日本の文化)」正木晃5

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図説 密教の世界 (ふくろうの本/日本の文化)
図説 密教の世界 (ふくろうの本・日本の文化)

○著者: 正木 晃
○出版: 河出書房新社 (2012/5, 単行本 127ページ)
○定価: 1,890円
○ISBN: 978-4309761916
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インド大乗仏教の最終ランナーであり、神秘的な体験を重視し、シンボルをたくさん使い、儀礼を盛んにおこなう仏教、としての、「密教」とは??
仏教では、ブッダ以来(1500年以上)、伝統的に最高の真理は言葉では表現できない、とみなされてきた、真理は言葉で伝えられないという原則をまもりつつ、象徴(シンボル)を駆使するならば、真理もまた伝えられるとみなす発想があった、、、「密教化」するまで、大乗仏教は高尚な理念や思想をしるす経典や論書というかたちで、僧院の片隅に、ごく一部のエリート僧たちが細々と継承してきたにすぎなかったらしい、「密教」という形態を採用することで、やっと人々の心に届きはじめたようである、鎌倉新仏教も密教を母胎として誕生した
空海の言葉(『御請来目録(ごしょうらいもくろく)』)として、、、密蔵(みつぞう)は深玄(しんげん)にして翰墨(かんぼく)に載(の)せ難(がた)し。更に図画(とが)を仮(か)りて悟(さと)らざるに開示(かいじ)す。



インド・チベット・日本の曼荼羅をはじめとする造形・表現から修法、寺院・霊場、人物・歴史まで、1500年の時空を超えた神秘の領域「密教の世界」。豊富な写真を掲載したビジュアル版。


≪目次: ≫
はじめに

序章 密教の神秘
スピリチュアルブームと現代日本
パワースポット/修行復活
世界的な密教ブーム
密教の世界的な広がり/チベット密教ブーム
いまに息づく密教
人々を魅了する密教/現代密教の諸相/よみがえる曼荼羅

第1章 密教の造形と表現
曼荼羅
曼荼羅の原型/日本の曼荼羅/チベットの曼荼羅/砂曼荼羅
密教の仏たち・彫像
如来/菩薩/明王/天部・眷属(けんぞく)
密教の仏たち・絵画
如来/菩薩/明王/天部・眷属
密教の法具
金剛杵(こんごうしょう)と金剛鈴(れい)/錫杖(しゃくじょう)

第2章 密教の修行と儀礼
本格的な修行と儀礼
伝法灌頂(でんぽうかんじょう)/月輪観(がちりんかん)と阿字観
代表的な修行と儀礼
真言密教の修行/八千枚護摩供(ごまく)、滝行、奥駈(おくがけ)

第3章 密教の聖地・寺院・霊場
密教の聖地
空海ゆかりの地(善通寺/満濃池/東寺・高野山)/チベット密教ゆかりの地(大昭寺(ジョカン)/ポタラ宮/ガンデン大僧院/カン・リエポチェ)
密教の寺院
代表的な真言宗の寺院(神護寺(じんごじ)/醍醐寺(だいごじ)/仁和寺(にんなじ)/泉涌寺(せんにゅうじ)/観心寺(かんしんじ)/大覚寺(だいかくじ)/長谷寺/智積院/室生寺(むろうじ)/西大寺(さいだいじ)/成田山新勝寺(なりたさんしんしょうじ)/深川不動堂/川崎大師/高尾山薬王院/大聖院(だいしょういん)/護国寺(ごこくじ)/金峯山寺(きんぶせんじ)/圓教寺(えんぎょうじ)/寛永寺(かんえいじ)
密教の霊場
日本の聖地霊場(恐山(おそれざん)/川倉地蔵尊/天台寺/黒石寺(こくせきじ)/海向寺(かいこうじ)/日光男体山(にっこうなんたいさん)/富士山/日石寺(にっせきじ)/金峯山(きんぶせん)/青岸渡寺(せいがんとじ)/剣山(つるぎさん)/石槌山(いしづちやま)/三佛寺(さんぶつじ)/六郷満山(ろくごうまんざん)

第4章 密教の歴史
密教とは何か
密教の定義/チベット密教とのちがい
チベット密教の世界
チベット密教のはじまり/チベット密教の全盛期(カギュー派/サキャ派/ゲルク派)
日本の仏教――空海と最澄
空海以前(密教経典の輸入/玄(げんぼう)/道教(どうきょう))/空海と最澄の時代/平安時代の密教(東密と台密/台密の成長――円仁/円珍/安然(あんねん)/東密の復興――聖宝(しょうぼう)・観賢(かんげん)・仁海(にんがい)/覚鑁(かくばん)の登場)
鎌倉仏教への影響
鎌倉時代の密教美術/鎌倉新仏教と密教(親鸞(しんらん)への影響/栄西(えいさい)への影響/道元(どうげん)への影響/日蓮への影響/一遍(いっぺん)への影響)/淫祠邪教(いんしじゃきょう)という烙印
近世・近代の密教
江戸時代の密教/近代日本の密教

あとがき (平成二四年(二〇一二)五月 正木 晃)
参考文献/図版(写真)提供


≪著者: ≫ 正木 晃 (まさき・あきら) 1953年、神奈川県生まれ。筑波大学大学院博士課程単位取得満期退学。国際日本文化研究センター客員助教授、中京女子大学助教授、純真短期大学教授を経て、慶應義塾大学文学部・立正大学仏教学部非常勤講師。日本密教・チベット密教を研究し、修行における心身変容や宗教図像学(マンダラ研究)を主な研究課題としている。著書に『』空海をめぐる人物日本密教史』、『はじめてのチベット密教美術』、『はじめての宗教学 「風の谷のナウシカ」を読み解く』(以上、春秋社)、『密教』、『性と呪殺の密教 怪僧ドルジェタクの闇と光』(以上、講談社選書メチエ)、『マンダラとは何か』(日本放送出版協会)、『現代の修験道』(中央公論新社)などがある。






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本「原因と理由の迷宮 「なぜならば」の哲学  The Labyrinth of Cause and Reason: The Philosophy of 'Because' (双書エニグマ11)」一ノ瀬正樹5

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原因と理由の迷宮 (双書エニグマ)
原因と理由の迷宮 「なぜならば」の哲学  Ichinose Masaki: “The Labyrinth of Cause and Reason: The Philosophy of 'Because'”, Keiso shobo, 2006 (双書エニグマ11)

○著者: 一ノ瀬正樹
○出版: 勁草書房 (2006/5, 単行本 317ページ)
○定価: 3,360円
○ISBN: 978-4326199143
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さて、まもなく、7月25日から単位認定試験がはじまる。すでに単位認定試験は5回目を数えるのだが、毎度毎度のことながらユウウツ。再試験科目1科目を含む全9科目、延べ6日間、8月1日まで。ジッサイすでにすこしまえから気が気じゃなくって、気になって気になって仕方がなくって、だから、いろいろなことはすべて(可能な限りで)あとまわし。慌てると、それでなくても要領がいいとは決していえないのだから、いま以上に状況を悪くしないためにも、ムリは禁物、体力勝負できるほどには(周囲に及ぼすであろう悪影響とかに無自覚でいられるほどには)すでに若くは、ない
なるようにしかならない、よくもわるくも(ならないようにはならない)、どうなんだろう、よくなるのもそれなりで、はたまた、わるくなったとしても、これまたそれなりでしかなく、どちらもみずからの許容の範囲内である、とするならば、あえて意識して、一見するにはわるくなる(ように見える)ようなことを選択して採用して、わるい(ように見える)ような状況をときに甘受するようなことも


現代哲学で取りあげられる題材に即しつつ、原因や理由という根拠がどうしても不確実でしかありえないことを論じる。前半一・二章で、不確実性の内実をなす「確率」と「曖昧性」を主題にする。後半では前半の議論を原因と理由の二つのタイプ(過去言及と未来包含)に応用する。つまり第三章では過去言及タイプである「歴史認識」を取りあげ、第四章では未来包含タイプの「仮説の確証」の場面に即して検討する。全三部作の第二弾。


≪目次: ≫
まえがき

序章 不確実性の認識論 call and response
 1 原因なのか理由なのか
 2 「なぜならば」文の響き
 3 「呼びかけと応答(コール・アンド・リスポンス)
 4 不確実な「応答(リスポンス)

第一章 確率の原因 a tempo primo
 1 意識の迷い
 2 過去的出来事の確率
 3 確率概念の多様
 4 確率1のミステリー
 5 確率の崩壊
 6 ポパーの遺産
 7 ハンフリーズのパラドックス
 8 過去についての決定論
 9 確率1の遡行的割り振り
 10 「ニューカム問題」と決定論

第二章 曖昧な理由 vibrante
 1 境界線のゆらぎ
 2 曖昧性の区分
 3 エピステミックな包摂
 4 ソライティーズの提示
 5 パラドックスの実在性
 6 論理の保全と逸脱
 7 論理・認識・倫理への波及
 8 文脈主義の洞察
 9 エジントンの程度理論
 10 ソライティーズの因果説
 11 ソライティーズの記述的解明
 12 非推移性の共有
 13 曖昧性のベイズ的探求

第三章 歴史の認識 ad libitum
 1 不在性の支配
 2 過去の実在性
 3 歴史的因果関係の確率的理解
 4 ベイズ的条件づけと文脈の選択
 5 物語行為による過去制作
 6 行為論の歴史化

第四章 仮説の確証 deciso
 1 確率的戦略
 2 ベイズ的確証理論
 3 証拠的連関
 4 古証拠問題
 5 確証の意思決定負荷的アスペクト
 6 確証の意思決定指向的アスペクト
 7 責任の論理


あとがき (二〇〇六年二月 土浦市の自宅にて 一ノ瀬正樹)
文献表
人名/事項索引


≪著者: ≫ 一ノ瀬正樹 (いちのせ・まさき) 1957年 土浦市に生まれる。1988年 東京大学大学院人文科学研究科哲学専攻博士課程単位修得。博士(文学)。2002年 オックスオード大学客員研究員。東京大学大学院人文社会系研究科・文学部助教授(を経て、東京大学大学院人文社会系研究科・文学部教授)。第10回和辻哲郎文化賞および第6回中村元賞受賞。著訳書 『人格知識論の生成――ジョン・ロックの瞬間』(東京大学出版会)、『原因と結果の迷宮』(勁草書房)、R.M.セインズブリー『パラドックスの哲学』(勁草書房)、G.バークリ『視覚新論』(共訳、勁草書房)、D.ヒューム『人間知性研究』(共訳、法政大学出版局)、ほか。

一ノ瀬正樹 『原因と結果の迷宮』(勁草書房、2001年) '12/07/02
一ノ瀬正樹 『人格知識論の生成 ジョン・ロックの瞬間』(東京大学出版会、1997年) '12/06/06
一ノ瀬正樹 『死の所有 死刑・殺人・動物利用に向きあう哲学』(東京大学出版会、2011年) '11/12/30
一ノ瀬正樹 『確率と曖昧性の哲学』(岩波書店、2011年) '11/09/04





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本「論語入門 (岩波新書1366)」井波律子5

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論語入門 (岩波新書)
論語入門 (岩波新書1366)

○著者: 井波律子
○出版: 岩波書店 (2012/5, 新書 256ページ)
○定価: 840円
○ISBN: 978-4004313663
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とりあげられる『論語』の条文(146条)について、原文、訓読、現代語訳のあと、多様な角度からの解説がつけられる
孔子の対話の記録、、、いつどのような人々によって編纂されたかについては、詳しいことはわからない。ユニークで優秀な弟子たちと向き合い、語り合った対話の記録


大古典『論語』から精選した百四十六条を味読する。その無類の面白さの中核は、孔子という人物にある。約二千五百年のはるかな時を超えて立ち上がる、臨場感あふれる弟子たちとの対話のなかに、不遇にあって大らかさを失わず、ときに笑い、怒り、慟哭しながら、明朗闊達な精神をもって生きぬいた孔子の、稀有の魅力を読みとく。


≪目次: ≫
序 (井波律子)

第一章 孔子の人となり
1 みずから語る生の軌跡
吾れ十有五にして……/貧しかった少年時代/家族を語る/みごとな自画像
2 実践としての学び
学問への姿勢/学びと思索/いかに学ぶか、いかに生きるか
3 生活のなかの美学
公私の「場」における姿/食へのこだわり/ふるまいの美意識

第二章 考えかたの原点
1 核となるキーワード
「君子」――徳は孤ならず
「仁」――誠実な思いやり
「孝」――父母への敬愛
「礼」――真情の表現形式
「道」――理想社会への希求
「文」――文化のとらえかた
「鬼神」――不可知なものとの距離
「狂」――過剰なる者への好意
2 政治理念と理想の人間像
政治とは何か/理想の境地

第三章 弟子たちとの交わり
1 教育者としての孔子
噴せずんば啓せず
2 大いなる弟子たち
顔回(がんかい)――「賢(けん)なる哉(かな)」、最愛の弟子
子貢(しこう)――「一を聞いて二を知る」秀才
子路(しろ)――「由や果」、純情な熱血漢
さまざまな弟子との語らい
3 弟子、孔子を語る
弟子から見た孔子/他者に語る大いなる孔子像
4 受け継がれゆく思想
曾子――思想を広める/子夏――学問を受け継ぐ

第四章 孔子の素顔
1 ユーモア感覚
機智に富む言葉/柔軟なる精神
2 不屈の精神
堅固な意志/逆境のなかで/強烈な自負
3 激する孔子
許せなかった事/愛情にみちた怒り
4 嘆く孔子
過ぎゆく時のなかで/弟子たちへの思い
5 辛辣な孔子
舌鋒するどく/鋭い批判
6 楽しむ孔子
楽しむ生きかた/『詩経』を愛する/音楽を楽しむ/弟子たちとともに

あとがき (二〇一二年四月 井波律子)

主要参考文献
関連地図
孔子年表 (前551-479)
人名索引
主要語句索引


≪著者: ≫ 井波律子 (いなみ・りつこ) 1944年富山県に生まれる。1966年京都大学文学部卒業。1972年同大学院博士課程修了。金沢大学教授、国際日本文化研究センター教授を経て、国際日本文化研究センター名誉教授。専攻、中国文学。著書、『三国志名言集』 『中国名言集 一日一言』 『中国名詩集』(岩波書店)、『三国志演義』 『奇人と異才の中国史』 『中国の五大小説』上・下(岩波新書)、『三国志曼荼羅』(岩波現代文庫)、『故事成句でたどる楽しい中国史』(岩波ジュニア新書)、『中国侠客列伝』(講談社)、『破壊の女神』(光文社知恵の森文庫)、『酒池肉林』(講談社学術文庫)ほか多数。訳書、『三国志演義』全7巻(ちくま文庫)ほか。


安冨歩 『生きるための論語』(ちくま新書、2012年) '12/06/01





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(上篇)
学而(がくじ)第一
為政(いせい)第二
八佾(はちいつ)第三
里仁(りじん)第四
公冶長(こうやちょう)第五
雍也(ようや)第六
述而(じゅつじ)第七
泰伯(たいはく)第八
子罕(しかん)第九
郷党(きょうとう)第十
(下篇)
先進(せんしん)第十一
顔淵(がんえん)第十二
子路(しろ)第十三
憲問(けんもん)第十四
衛霊公(えいれいこう)第十五
季氏(きし)第十六
陽貨(ようか)第十七
微子(びし)第十八
子張(しちょう)第十九
堯曰(ぎょうえつ)第二十



本「日本近代史 (ちくま新書948)」坂野潤治5

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日本近代史 (ちくま新書)
日本近代史 (ちくま新書948)

○著者: 坂野潤治
○出版: 筑摩書房 (2012/3, 新書 461ページ)
○定価: 1,155円
○ISBN: 978-4480066428
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なるほど、「公武合体」が「改革の時代」、「尊王倒幕」が「革命の時代」、「殖産興業」が「建設の時代」、「明治立憲制」が「運用の時代」、「大正デモクラシー」が「再編の時代」、「昭和ファシズム」が「危機の時代」(あるいは「崩壊の時代」)に相当する、日本近代80年の歴史


この国が最も激しく揺れ動いた一八五七(安政四)年から一九三七(昭和一二)年までの八〇年間。近代日本の劇的な歩みを、「改革」「革命」「建設」「運用」「再編」「危機」という六つの時代に区分し、通観する――。はたして日本の近代とは何だったのか。わずか数十年の間にめざましい「近代化」を実現しながら、やがて「崩壊」へと突き進まざるをえなかった根本原因はどこにあるのか。史料を精緻に読み解くことで、図式的な理解を超えて、近代史をダイナミックに捉えなおす。


≪目次: ≫
はじめに

第1章 改革 1857-1863
1 「尊王攘夷」と「佐幕開国」
明治維新への紆余曲折/悪戦苦闘の四段階
2 西郷隆盛の「合従連衡」論
「変革相場」の変化/「開国」・「攘夷」対立の棚上げ/西郷書簡と薩土盟約/島津斉彬の識見
3 単独出兵か合従連衡か
島津久光率兵上京/西郷の批判
4 「尊王攘夷」の台頭と薩長対立
長州と土佐の尊攘派の台頭/「挙藩勤王」の挫折
5 混迷の文久二年
勝海舟と横井小楠/誠忠組と御楯組/久光の意見書

第2章 革命 1863-1871
1 西郷構想の復権
参預会議/西郷隆盛の赦免
2 公会議
禁門の変/西郷・勝会談と公議会論/長州藩の「攘夷」放棄
3 薩長同盟
同盟の経緯/木戸孝允の六ヵ条/有名大名会議/薩土盟約
4 「公会議」か「武力倒幕」か
「官軍」の形成/平和路線か武力路線か/幕府の軍事力
5 革命の終焉
改革派と保守派/倒幕の戦術と戦略/江戸無血開城へ/東北戦争/「官軍」か「藩兵」か
6 「官軍」の解散と再編
「官軍」の帰郷/脆弱な中央集権政府/旧官軍の不満と三藩献兵/廃藩置県の断行

第3章 建設 1871-1880
1 「建設」の青写真を求めて――岩倉使節団の欧米視察
殖産興業の再認識/議会よりも憲法を
2 「強兵」と「輿論」
「強兵」の意味変化と外征論/「外征論」の急浮上/西郷の「征韓論」/旧土佐藩の民撰議院論
3 「富国強兵」と「公議輿論」
大久保と西郷の和解――台湾出兵へ/大久保と木戸の対立/大久保配下の対清開戦論/木戸と板垣の接近/二つの「大阪会議」
4 「公議輿論」派の分裂と「富国」派の全盛
江華島事件/江華島条約/「外征派」と「憲法派」の挫折/大久保利通の時代/西南戦争/反乱の結末/「富国派」の勝利/双子の赤字/地租改正の問題点/「富国派」の挫折

第4章 運用 1880-1893
1 農民の政治参加
「氏族民権」の不振/河野広中の土佐訪問/氏族民権と農民民権
2 「富国」路線の挫折と立憲政体構想の分化
財政論と憲法論の関係/上からの国会開設/大隈重信の憲法意見/大隈路線の批判/井上毅の憲法意見/現行税制維持論/植木枝盛の議会主権論/保守派と急進派の奇妙な棲み分け/明治一四年の政変と自由党結党
3 「強兵」の復権と日中対立
韓国内の親日派育成/山県有朋の清国脅威論/「強兵」論の現実主義化
4 憲法発布と議会開設
官僚の時代/「田舎紳士」の時代/議院内閣制の復活/後藤象二郎の大同団結運動/拒否権型議会の勝利/憲法発布/議会の抵抗と妥協/自由党の方向転換/和協の詔勅/詔勅の意義/「官民調和」の二つの途

第5章 再編 1894-1924
「再編の時代」の二つの課題/「再編」を阻む「官民調和」
1 積極主義と立憲政友会の結党
政官癒着体制のはじまり/日清戦争へ――東学党の乱/陸奥宗光の対清開戦論/閣議決定vs.天皇の意志/日清戦争の終結――下関条約と三国干渉/軍拡と増税/増税を強行できない憲法体制/地主議会の固定化/大連立から官民調和へ/官民調和の立役者/第二次山県有朋内閣/積極主義と東北開発/立憲政友会の支配体制
2 日露戦争と政界再編期待
「総力戦」としての日露戦争/北一輝の普通選挙論/普選論なき民衆運動――日露講和反対運動/原敬の官民調和路線/桂園時代の到来/増税を甘受した農村地主/「官民調和体制」のアキレス腱/増大しつづける軍拡欲
3 大正政変
噴出する多元化した要求/満蒙権益と陸軍二個師団増設/第一次憲政擁護運動/政友会参加の負の側面/短命に終わった第一次憲政擁護運動
4 「民本主義」の登場
海軍内閣とシーメンス事件/貴族院と民衆運動/第二次大隈内閣の成立/吉野作造の普選・二大政党制論/吉野作造の大隈内閣支持
5 「憲政の常道」と「苦節十年」
第一次世界大戦の勃発/寺内正毅内閣と政友会の復権――大戦景気の到来
6 原敬内閣と「民本主義」の対立
寺内内閣の親米路線/シベリア出兵と米騒動/普通選挙に反対した平民宰相/二大政党制を拒む平民宰相/吉野作造人気の盛衰/普選運動から社会主義運動へ/高橋是清の参謀本部廃止論/高橋政友会の路線転換――第二次憲政擁護運動/護憲三派内閣の誕生

第6章 危機 1925-1937
1 内政・外交の両極化
憲政会の二一ヵ条への固執――ワシントン会議/憲政会の協調外交/憲政会の方向転換――幣原外交/田中政友会の方向転換/憲政会の「平和と民主主義」/二大政党制と政策距離/陸軍中堅の満蒙領有論/民政党の対中国協調論/ロンドン海軍軍縮と統帥権の独立/美濃部憲法学と海軍軍令部条例/軍令部の自制/美濃部の勇み足/海軍青年将校の反発/陸軍青年将校の接近/「明治維新」と「昭和維新」/経済政策の二大政党化――金本位制への復帰と離脱/昭和五年の総選挙/社会主義政党の不振
2 危機の顕在化と政党の凋落――満州事変から五・一五事件へ
クー・デタの危機/満州事変/幣原外交の敗北/安達内相の大連立構想/井上蔵相の大連立反対/政友会単独内閣の成立/昭和七年の総選挙/クー・デタの危機の存続――五・一五事件へ
3 危機の渦中の民主主義
挙国一致内閣下での危機の鎮静化/政党勢力の反撃/「憲政常道」論の分裂/美濃部の「円卓巨頭会議」構想
4 「危機」から「崩壊」へ
挙国一致ではなかった岡田内閣/内閣審議会と内閣調査局/指導者層の四分五裂/政友・民政の対立激化――政友会の天皇機関説攻撃/陸軍内部の対立激化/「重臣ブロック」をめぐる攻防/昭和一一年の総選挙での「左揺れ」/二・二六事件クー・デタ/広田弘毅内閣の成立/二・二六事件後の議会の反撃/親軍的な社会主義政党/政友会の反ファッショ化/宇垣流産内閣/陸軍と財閥の提携(狭義国防)/「広義国防」とデモクラシー/自由主義か国家社会主義か/国家指導者の脆弱化と日中戦争/日中戦争と太平洋戦争/「危機」から「崩壊」へ

おわりに (二〇一一年九月 著者)

参考文献・史料
索引


≪著者: ≫ 坂野潤治 (ばんの・じゅんじ) 1937年神奈川県生まれ。東京大学文学部国史学科卒業。同大学院人文科学研究科博士課程中退。東京大学社会科学研究所教授、千葉大学法経学部教授を経て、東京大学名誉教授。専攻は、日本近代政治史。著書に『昭和史の決定的瞬間』『未完の明治維新』(以上、ちくま新書)、『近代日本の国家構想』(岩波現代文庫、吉野作造賞受賞)、『日本憲政史』(東京大学出版会、角川源義賞受賞)、『明治国家の終焉』(ちくま学芸文庫)、『近代日本の出発』(新人物文庫)、『自由と平等の昭和史』(講談社選書メチエ)、『近代日本政治史』(岩波書店)、『明治デモクラシー』(岩波新書)、『明治憲法体制の確立』(東京大学出版会)など多数。


坂野潤治 『明治国家の終焉 1900年体制の崩壊』(ちくま学芸文庫、2010年) '10/08/11
坂野潤治 『日本政治「失敗」の研究』(講談社学術文庫、2010年) '10/04/20
坂野潤治 『近代日本の国家構想 1871-1936』(岩波現代文庫、2009年) '10/04/01
坂野潤治+大野健一 『明治維新 1858-1881』(講談社現代新書、2010年) '10/02/23
坂野潤治×田原総一朗 『大日本帝国の民主主義 嘘ばかり教えられてきた!』(小学館、2006年) '10/02/20
坂野潤治 『明治デモクラシー』(岩波新書、2005年) '10/02/17
坂野潤治 『未完の明治維新』(ちくま新書、2007年) '10/02/10
坂野潤治 『昭和史の決定的瞬間』(ちくま新書、2004年) '10/02/03
坂野潤治/田村裕美/北村公子、坂野潤治編 『自由と平等の昭和史 一九三〇年代の日本政治』(講談社選書メチエ、2009年) '10/02/01





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本「図説 バロック 華麗なる建築・音楽・美術の世界 (ふくろうの本・世界の文化)」中島智章5

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図説 バロック (ふくろうの本/世界の文化)
図説 バロック 華麗なる建築・音楽・美術の世界 (ふくろうの本・世界の文化)

○著者: 中島智章
○出版: 河出書房新社 (2010/8, 単行本 143ページ)
○定価: 1,890円
○ISBN: 978-4309761497
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およそダイナミックな造形(派手な外見)によって、ひときわ自らの存在を主張しまくって、独特の存在感を放射しつづけて、まわりからひときわ目立とうとする態度と、はたまた、町並みに統一感をもたらそうと、全体を統一された厳かな外観で整える態度、、、なるほど、どちらの傾向もそのなかに共存している、バロックの特質とは何なのか??!、建築を中心に、ヨーロッパのさまざまなバロックをみていきながらそれらを浮かび上がらせるこころみ♪


劇的な流動性、過剰ともいえる装飾性をもつ、ヨーロッパで栄えた美術・文化の様式「バロック芸術」。時代を画したバロックの建築・美術・音楽を総合的に論じる画期的な一冊。


≪目次: ≫
はじめに ヨーロッパの町角に今も息づくバロック
バロックは目立ちたがり屋?
column1 ルネサンスとバロック
ルネサンスの対概念/マニエリスム
column2 ファサード
「建築の顔」/垂直に立つ一枚の面
column3 建築の五つのオーダーとは?
理想としたのは古代ギリシア・ローマの神殿建築/五種類のオーダー
column4 ルネサンスとバロックの造形の違いの背後にあるもの
規範にしたがう/軸組構法の呪縛

第1章 カトリックの改革とバロックの誕生――イエズス会の建築
宗教改革カトリック改革/イル・ジェズ型ファサードの誕生/イル・ジェズ型ファサードのバロック化/イル・ジェズ型ファサードの伝播/建築と絵画と彫刻が渾然一体となった世界

第2章 リュベンスの建築と絵画
一七世紀のベルギー/アントウェルペン司教座聖堂のリュベンス/シント・カルロス・ボロメウス聖堂(ケルク)
column5 ピーテル・パウル・リュベンスとそのアトリエ
多作を支えた職人集団/今も残るアトリエ
column6 (サン)カルロ・ボッロメーオ

第3章 バロックの幕開け――サン・ピエトロ使徒座聖堂の拡張事業
ルネサンスの殿堂 新サン・ピエトロ使徒座聖堂/ギリシア十字からラテン十字へ/サン・ピエトロ使徒座聖堂ファサードに用いられたバロック建築の手法/ローマ・バロックのスター建築家ベルニーニ/カトリック世界最大の聖空間/透視図法の魔術師
column7 三位一体説
column8 イタリア半島のバロック絵画
イタリア半島のバロック画家は?/明暗が印象的なカラヴァッジョ

第4章 歪(ゆが)んだ真珠――ベルニーニボッロミーニ
バロックの語源/巨匠ベルニーニの最高傑作?/エキセントリックな変人建築家ボッロミーニ/パラッツォ・バルベリーニ

第5章 バロック音楽の巨匠モンテヴェルディサン・マルコ礼拝堂
建築と音楽の競演/音楽における「ルネサンス」?/傑作「オルフェーオ」
column9 クラウディオ・モンテヴェルディ
傑作オペラ「オルフェーオ」を上演/サン・マルコ礼拝堂の楽長に就任/サン・マルコの巨匠モンテヴェルディ/ヴェネツィア・オペラの大家/
column10 ミサの構成
ミサとは?/バッハの「ミサ曲ロ短調」(BWV232)

第6章 イタリア・オペラとフランス・オペラ
常設劇場建築の登場/古代劇場とバロック劇場の違い/万人に開放された劇場/ヴェネツィア・オペラの興隆/レチタディーヴォアリアの分化/フランスにおけるオペラの苦戦/フランス・オペラの創造/音楽悲劇における王のイメージ
column11 太陽王の音楽家 ジャン・バティスト・リュリ
国王付室内楽団音楽監督として/フランス独自のオペラを完成

第7章 フランスのローマ・バロック――ヴォー=ル=ヴィコント城
仮説建築のバロックから常設建築のバロックへ/ヴォー=ル=ヴィコント城館/コレージュ・デ・キャトル・ナシオン

第8章 ローマ・バロック敗れる――ルーヴル宮殿の拡張事業
ルーヴル城塞からルーヴル宮殿へ/クール・カレの拡張事業/時計のパヴィリヨンのバロック/ル・ヴォーのルーヴル宮殿東側ファサード案が却下される/ベルニーニ案で着工す/ル・ヴォー再び/教会バロックと王権バロック/アポロンのギャラリー

第9章 王権のバロック――ヴェルサイユ宮殿
王権バロックによる都市計画/リールのパリ門/ヴェルサイユ宮殿はバロックか?/ヴェルサイユ宮殿の天井画/ヴェルサイユ庭園の彫刻/古代神話からの脱却/バロックと鏡/ロココの誕生/愛の神とプシシェの物語/アマーリエ選帝侯妃のための小空間

第10章 ローマ・バロックの伝播
奇想の建築家グァリーノ・グァリーニ/南イタリアの栄光の教会都市レッチェの「天使のバロック」/カトリック教会による再宣教/ミュンヘンのローマ・バロック風建築/カトリック信仰の守護者ハプスブルク家/オーストリアのバロック/スペインのバロック
column12 中世のゴシック建築の中に息づくバロック
説教壇にみられるバロック/支柱に並ぶ十二使徒

第11章 都市のバロック――ベラスケスの「ブレダの開城
スペインの宮廷画家ベラスケスの「ブレダの開城」/「市民」のバロック建築?/都市と三権の場/バロックの要塞都市と「国境線」という概念の登場
column13 ディエゴ・ベラスケス

第12章 宮殿建築の建設ラッシュ――天井画の三大巨匠の一人ティエポロ
ヴェルサイユに留学したスウェーデン人建築家/スペインもブルボン家の支配下に/ヴェルサイユを超えろ!/ドイツ語圏諸国を中心とする宮殿建築の建設ラッシュ
column14 バッハヘンデル
バッハ――生前はローカルな名声にとどまる/ヘンデル――活動の主体はロンドン

第13章 バロック建築の復活――パリの旧オペラ座
バロックの終息/新古典主義とは?/歴史主義建築の登場/新たなるバロック/宮殿建築のネオ・バロック/新しいビルディング・タイプとの出会い

第14章 日本の町並みに息づくバロック
宮内省の建築家・片山東熊の建築/フランス・バロックへのあこがれ/横浜のバロック/日本のバロックとは?

おわりに (二〇一〇年六月 中島智章)
主なバロック関連図書一覧


≪著者: ≫ 中島智章 (なかしま・ともあき) 1970年 福岡市生まれ。1993年 東京大学工学部建築学科卒業。1999〜2000年 ベルギー・リエージュ大学留学。2001年 東京大学大学院工学系研究科建築学専攻博士課程修了、博士(工学)。2001〜2002年 日本学術振興会特別研究員(PD)。2005年 日本建築学会奨励賞受賞。工学院大学工学部建築学科・准教授。来年(2011年)度より工学院大学に、わが国ではじめて設立される建築学部の建築デザイン学科・准教授に就任予定。著書・訳書に『ヨーロッパの装飾芸術 第3巻 新古典主義からアール・デコ』(共訳、中央公論新社、2001年)、『痛快! ケンチク雑学王』(共著、彰国社、2004年)、『日仏都市会議2003 都市の21世紀 文化をつむぎ、文化をつくる』(共編、鹿島出版会、2004年)、『アーキラボ 建築・都市・アートの新たな実験 1950−2005』(共訳、平凡社、2004年)、『図説西洋建築史』(共著、彰国社、2005年)、『図説ヴェルサイユ宮殿――太陽王ルイ一四世とブルボン王朝の建築遺産』『図説パリ 名建築でめぐる旅』(河出書房新社、2008年)など。

中島智章 『図説 パリ 名建築でめぐる旅』(ふくろうの本・世界の文化、河出書房新社、2008年) '12/07/01
中島智章 『図説 ヴェルサイユ宮殿 太陽王ルイ一四世とブルボン王朝の建築遺産』(ふくろうの本・世界の文化、河出書房新社、2008年) '12/06/24
中島智章 『図説 キリスト教会建築の歴史』(ふくろうの本・世界の歴史、河出書房新社、2012年) '12/06/13





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 バロック芸術は16世紀末から18世紀前半にかけてのイタリア半島を中心とした芸術である、といってもそれほど的外れではないだろう。建築のベルニーニGian Lorenzo Bernini, 1598-1680)ボッロミーニFrancesco Borromini, 1599-1667)、彫刻でもベルニーニ、絵画のカラヴァッジョMichelangelo Merisi da Caravaggio, 1571-1610)ピエトロ・ダ・コルトーナPietro da Cortona, 1596-1669)、それにティエポロGiovanni Battista Tiepolo, 1696-1770)、音楽ならばモンテヴェルディClaudio Giovanni Antonio Monteverdi, 1567-1643)アルビノーニTomaso Giovanni Albinoni, 1671-1751)ヴィヴァルディAntonio Lucio Vivaldi, 1678-1741)のようなイタリア半島出身の芸術家の名が多数あがってくる。
 しかし、同時に、絵画のベラスケスDiego Rodríguez de Silva y Velázquez, 1599-1660)リュベンスPeter Paul Rubens, 1577-1640)、音楽のバッハJohann Sebastian Bach, 1685-1750)ヘンデルGeorg Friedrich Händel, 1685-1759)のように、イタリア半島以外で活躍した著名な芸術家も多く、彼らの作品に触れることでバロック芸術の裾野の広さを実感することができる。
 また、ルネサンス時代以来続いてきた芸術におけるイタリア半島のヘゲモニーが終わりを告げ、17世紀末以降はフランスが文化的にもヨーロッパの中心へと躍り出たことも、バロック時代に起きた出来事として特筆すべきだろう。最もわかりやすいのは建築の分野で、1660年代半ばのルーヴル宮殿東側ファサードをめぐる葛藤はその嚆矢となった象徴的な出来事である。また、ヴェルサイユ宮殿に鏡の間が建設されたあと、トロンプ・ルイユを駆使した天井画や色大理石などの豪華な材料を用いたイタリア半島のバロック・インテリアに、フランスの工業力を誇るかのように大面積の鏡を要所に使った新しいインテリアがとって変わっており、やがては絢爛たるロココ様式へと結実する。  (p.124-p.125、「第13章 バロック建築の復活――パリの旧オペラ座」)





本「1Q84  BOOK1 〈4月-6月〉」村上春樹5

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1Q84 BOOK 1
1Q84 〈ichi-kew-hachi-yon〉 a novel BOOK1 〈4月-6月〉

○著者: 村上春樹
○出版: 新潮社 (2009/5, 単行本 554ページ)
○定価: 1,890円
○ISBN: 978-4103534228
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……しかし月は黙して語らない。あくまで冷ややかに、的確に、重い過去を抱え込んでいるだけだ。そこには空気もなく、風もない。真空は記憶を無傷で保存するのに適している。誰にもそんな月の心をほぐすことはできない。青豆は月に向かってグラスをかかげた。
「最近誰かと抱き合って寝たことはある?」と青豆は月に向かって尋ねた。
 月は返事をしなかった。
「友だちはいる?」と青豆は尋ねた。
 月は返事をしなかった。
「そうやってクールに生きていくことにときどき疲れない?」
 月は返事をしなかった。   (p.381)


文庫版が出て、だから?!、図書館のwebサービスでチェックした予約件数は在庫数をすこし下回って

殺してはならない、姦淫してはならない、盗んではならない



「こうであったかもしれない」過去が、その暗い鏡に浮かび上がらせるのは、「そうではなかったかもしれない」現在の姿だ。
1Q84」の世界に、もし愛があるなら、それは完璧な愛かもしれない――。刊行以来、日本で、世界で、空前の話題を呼んでやまない長編小説。〈毎日出版文化賞受賞〉


≪目次: ≫
第1章 (青豆) 見かけにだまされないように
第2章 (天吾) ちょっとした別のアイデア
第3章 (青豆) 変更されたいくつかの事実
第4章 (天吾) あなたがそれを望むのであれば
第5章 (青豆) 専門的な技能と訓練が必要とされる職業
第6章 (天吾) 我々はかなり遠くまで行くのだろうか?
第7章 (青豆) 蝶を起こさないようにとても静か
第8章 (天吾) 知らないところに行って知らない誰かに会う
第9章 (青豆) 風景が変わり、ルールが変わった
第10章 (天吾) 本物の血が流れる実物の革命
第11章 (青豆) 肉体こそが人間にとっての神殿である
第12章 (天吾) あなたの王国が私たちにもたらされますように
第13章 (青豆) 生まれながらの被害者
第14章 (天吾) ほとんどの読者がこれまでに目にしたことのないものごと
第15章 (青豆) 気球に碇をつけるみたいにしっかりと
第16章 (天吾) 気に入ってもらえてとても嬉しい
第17章 (青豆) 私たちが幸福になろうが不幸になろうが
第18章 (天吾) もうビッグ・ブラザーの出る幕はない
第19章 (青豆) 秘密を分かち合う女たち
第20章 (天吾) 気の毒なギリヤーク人
第21章 (青豆) どれほど遠いところに行こうと試みてみても
第22章 (天吾) 時間がいびつなかたちをとって進み得ること
第23章 (青豆) これは何かの始まりに過ぎない
第24章 (天吾) ここではない世界であることの意味はどのにあるのだろう


≪著者: ≫ 村上春樹 (Haruki Murakami) 1949(昭和24)年、京都市生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。1979年『風の歌を聴け』(群像新人文学賞)でデビュー。主な長編小説に、『羊をめぐる冒険』(野間文芸新人賞)、『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』(谷崎潤一郎賞)、『ノルウェイの森』、『国境の南、太陽の西』、『ねじまき鳥クロニクル』(読売文学賞)、『海辺のカフカ』、『アフターダーク』、『1Q84』(毎日出版文化賞)がある。『神の子どもたちはみな踊る』、『東京奇譚集』などの短編小説集、エッセイ集、紀行文、翻訳書など著書多数。海外での文学賞受賞も多く、2006年フランツ・カフカ賞、フランク・オコナー国際短編賞、2009年エルサレム賞、2011年カタルーニャ国際賞を受賞。


ジョージ・オーウェル 『一九八四年 [新訳版]  Nineteen Eighty-Four, 1949 』(高橋和久 訳、ハヤカワepi文庫、2009年) '09/09/05





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ここは見世物の世界
何から何までつくりもの
でも私を信じてくれたなら
すべてが本物になる

It's a Barnum and Bailey world,
Just as phony as it can be,
But it wouldn't be make-believe
If you believed in me.

It's Only a Paper Moon
E.Y.Harburg & Harold Arlen




本「戦前昭和の社会 1926-1945 (講談社現代新書2098)」井上寿一5

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戦前昭和の社会 1926−1945 (講談社現代新書)
戦前昭和の社会 1926-1945 (講談社現代新書2098)

○著者: 井上寿一
○出版: 講談社 (2011/3, 新書 240ページ)
○定価: 777円
○ISBN: 978-4062880985
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〈戦前昭和〉三部作の第一弾♪


「十銭均一売場」に足を運ぶ消費者、女性の地位向上を推進するモダンガール、新興宗教ブーム、就職難にあえぐ学生――。現代社会の原点=戦前を生きた人びとの実像を描き出す一冊。


≪目次: ≫
はじめに アメリカ化・格差社会・大衆民主主義
今の日本と〈戦前昭和〉の日本/アメリカ化/格差社会/大衆民主主義

I章 昭和の大衆消費社会
1 デパート――大衆消費社会の象徴

大衆消費社会のバロメータ・三越/日本初のファッションショー/「なんでも一〇銭均一売場」――高島屋の経営戦略/「プチブルインテリの若奥様」たち/サンソム夫人が見た日本のデパート/デパートをめぐる日本社会の光と影
2 アパート――戦前昭和の縮図
大衆社会の象徴・同潤会アパート/ハイブリッドな集合住宅・江戸川アパートメント/同潤会アパートの暮らし/生活の改善/大塚女子アパートメント・ハウス
3 映画――スクリーンの向こうのアメリカ
最初のトーキー映像/一九二六年映画のベスト3/ハリウッド映画の際立つ影響力/映画をとおしたアメリカ化/アメリカニズム批判/映画と対米協調
4 家庭電化製品という希望
家庭電化製品とアメリカ化/「氷や、アイスクリームを自由に」――電気冷蔵庫/「文化の家庭に此の設備」――扇風機/電化生活の象徴――電球とランプ/「御家庭の必需品」電気アイロン/「絶対安全」電気コタツ/「当選号」ラジオ/アメリカの大衆消費社会と日本の家庭電化製品/希望のしるしとしての家庭電化製品/銀座に君臨するアメリカニズム

II章 昭和の格差社会
1 モダンガールの登場

清沢洌のモダンガール論/「西洋婦人がキモノを着たような風に」/時代の寵児・北村兼子/新しい文化の担い手――片岡鉄兵のモダンガール論/女性参政権の「必然」
2 モダンボーイ――新中間層の苦闘
「青シャツに真赤なネクタイ」/「カフェー」に流れるアメリカのジャズ/新中間層の男性への期待/「大学は出たけれど」/もはやエリートではない――大学の大衆化/昭和恐慌のなかの就職戦線/「ここを志望したことを父上に相談しましたか?」/就職の武器としての英語/「アメリカ型」と「ロシア型」学生
3 プロレタリア文学と大衆
プロレタリア文学の出現/小林多喜二『一九二八・三・一五』/消費社会を享受する大衆――「お恵」の視点/大衆の離反/その後の小林多喜二/「赤色ギャング事件
4 「エロ・グロ・ナンセンス」
世相の転換/「女給」たちと格差社会/坂田山心中事件/「ナンセンスな」二大政党制

III章 格差是正の試み
1 立ち上がる農民――雑誌『家の光』の世界

農村雑誌『家の光』/「共存同栄」/女性参政権と既成政党への疑念/『家の光』と無産政党/複数政党制への懐疑/資本主義批判/都市対農村/共同主義=農業改良主義/五・一五事件と農村青年/農村自力更生運動
2 「婦人」の登場
農村の女性/「働らく婦人」と「澄して居る婦人」/恐慌が促す社会進出/満州事変と兵士の社会的地位/国防婦人会の結成/「エプロン」――〈昭和デモクラシー〉下の女性像への挑戦/国防婦人会への逆風/「非常時小康」下の女性/富裕層のファッション消費文化
3 新しい労働者
満州事変の影響/無産政党の方針転換/漸進的な格差是正/半減する参加者――第一五回メーデー
4 新興宗教の興隆
ひとのみち教/入信の動機/誤解とスキャンダル/急速な拡大の理由/現世利益・新しい倫理・モダン性――検察当局の報告書/教祖に代わる新しいカリスマへ

IV章 カリスマ待望と戦争
1 ラジオと戦争

ラジオのカリスマ・近衛文麿/ラジオによる印象操作/危機のなかの近衛――盧溝橋事件/「不便な土地ほど便利なラヂオ」――戦争とラジオ/ラジオによる国民の慰安/ジャズ音楽の容認/「平和」を求める近衛/戦争の長期化/ラジオ辞令
2 エプロンからモンペへ
エプロン姿と洋装のあいだ/戦時下の服装問題/服装改善委員会/女性の国民服/ファッションとしての「軍国主義」/藤田嗣治の提案/服装の平準化
3 写真壁新聞というメディア
『同盟通信写真ニュース』/選挙粛正運動二・二六事件/日中全面戦争の勃発/写真壁新聞のなかの日米友好関係/ハリウッド女優と「三勇士」/日独伊〈文化〉関係/枢軸国像の転換
4 ファシズムへの共感
ヒトラー・ユーゲントの一大旋風/模範国としてのナチス・ドイツ/ヒトラーの下での平等――山田耕筰がみたドイツ/新しい生活様式のモデル/ファシズム優生学への「期待」/近衛新体制の末路

おわりに 戦前の昭和から戦後の昭和へ
失われる均衡/戦時体制の限界/「親米派」の復権/戦前と戦後の連続

参考文献リスト
あとがき (二〇一一年二月 井上寿一)


≪著者: ≫ 井上寿一 (いのうえ としかず) 1956年、東京都生まれ。一橋大学社会学部卒業。同大学院法学研究科博士課程などを経て、学習院大学法学部教授。法学博士。専攻は日本政治外交史。主な著書に、『危機のなかの協調外交――日中戦争に至る対外政策の形成と展開』(山川出版社、吉田茂賞)、『日中戦争下の日本』(講談社選書メチエ)、『昭和史の逆説』(新潮新書)、『吉田茂と昭和史』(講談社現代新書)、『山県有朋と明治国家』(NHKブックス)がある。

井上寿一 『戦前昭和の国家構想』(講談社選書メチエ、2012年) '12/06/23





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