Gori ≒ ppdwy632

〈ぼく〉の思索の一回性の偶然性の実験場。

2012年08月

本「時空のゆがみとブラックホール (講談社学術文庫2126)」江里口良治5

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時空のゆがみとブラックホール (講談社学術文庫)
時空のゆがみとブラックホール (講談社学術文庫2126)

○著者: 江里口良治
○出版: 講談社 (2012/8, 文庫 232ページ)
○定価: 840円
○ISBN: 978-4062921268
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黒洞Black hole


二百十日、満月の夜



いまや誰もが知っている科学用語でありながら、それを説明することは難しい「ブラックホール」。宇宙空間ではなぜ時空がゆがみ、ブラックホールが生じるのか。今日ではその存在は確実なものとなり、理論的研究の段階から観測の対象になりつつある「奇妙な天体」の種類や形成過程と研究史を、アインシュタインの相対論の登場からわかりやすく解説する。


≪目次: ≫
まえがき (一九九二年四月 江里口良治)

1 はじめに――ブラックホールゆかりの地プリンストン
一般相対論研究の盛衰/ブラックホールの名付け親ホイーラー/ブラックホールを予言した物理学者オッペンハイマー/恒星の進化と重力/重い星の進化の最終段階/一般相対論の生みの親アインシュタイン

2 等速度運動の世界――特殊相対論へ
速度とその基準/運動の法則――運動方程式/ガリレイの相対性原理とガリレイ変換/粒子と光の違い/マイケルソンとモーリーの実験/アインシュタインの特殊相対論における仮説/光速度の再考察/光速度不変の原理が持つ意味/時間・空間概念の変更/ローレンツ変換/ローレンツ変換に対する不変量/特殊相対論の限界

3 加速度運動の世界と重力――一般相対論へ
加速度運動系と慣性力/加速度運動系と等速運動系の差/一般相対性原理/慣性力と重力の特徴/等価原理と局所慣性系/座標変換とメトリック/アインシュタイン方程式

4 強い重力場中の粒子と光の運動
ニュートン重力/重力の強さ/ニュートン重力と天体の軌道/天体の軌道とエネルギー/中心力場の中での粒子のポテンシャル/ポテンシャルを使った軌道の解析/逆二乗法則からのずれ/シュワルツシルト解/シュワルツシルト時空中の天体の運動/シュワルツシルト時空中の光子の運動/ゆがんだ時空中の運動

5 地平面とブラックホール
シュワルツシルト時空のメトリックの特徴/シュワルツシルト時空中の時間と距離/シュワルツシルト時空における光の速度/重力赤方偏移/地平面の存在/ブラックホールの定義/固有領域と時間座標・空間座標/ブラックホール内部の時間と空間/ブラックホールを含む時空図/クルスカル図/地平面と局所慣性系/回転する天体のまわりの時空

6 ブラックホール物理学
ブラックホールの単純性――「ブラックホールには毛がない」/カー解の唯一性定理/地平面の面積増大定理/定常限界面内の運動/ペンローズ過程/ブラックホールの質量公式/ブラックホールの表面積と熱力学第二法則/ブラックホール熱力学/ブラックホール熱力学の応用/ベッケンシュタインの一般化された熱力学/エントロピー増大と情報損失/ベッケンシュタインのエントロピー/ベッケンシュタイン理論の困難/ブラックホールのまわりでの量子論/粒子の対生成・対消滅/負のエネルギー粒子の運動/ブラックホールの蒸発/ブラックホールの温度/一般化された熱力学/特異点の存在/特異点定理/ブラックホールとソリトン/冨松‐佐藤解/ブラックホールのまわりの物質

7 ブラックホールの形成とその観測
恒星の収縮とブラックホール/恒星の質量とつりあい/恒星の内部での取り得る最高温度/恒星の進化の最終段階/中性子星の上限質量/宇宙初期のミニブラックホール/恒星系におけるブラックホール形成/中性子星の合体によるブラックホールの形成/現実に形成されるブラックホールはカー・ブラックホールか?/ブラックホールの観測/銀河中心部のブラックホールの観測/今後のブラックホールの観測と理論への期待


学術文庫版のための補足説明
‘鵝伺間における理論的進展について/(a) 連星中性子星の合体過程の一般相対論的数値計算の発展/(b) 連星中性子星の合体過程などで、より現実的な状況を扱う試み/(c) ブラックホールとその周りのアクリーションディスクの形成過程とブラックホールの成長過程の数値計算/(d) 連星ブラックホールの合体過程の数値計算/二〇年間における観測的進展について/(a) 恒星質量ブラックホールの存在の確認/(b) 電波観測による超大質量ブラックホールの存在証明/(c) 「天の川銀河」中心にある超大質量ブラックホールの観測的証拠/ブラックホールの「直接」観測の新提案/(a) ブラックホールの直接観測――第一の法則/(b) ブラックホールの直接観測――第二の法則

学術文庫版のあとがき (二〇一二年五月 Dr.M.E.に心からの感謝の気持ちをこめて青々とした竹林のある東村山の病院にて 江里口良治)

索引 (項目索引・人名索引)


※本書の原本は、一九九二年に培風館より刊行されました。


≪著者: ≫ 江里口良治 (えりぐち よしはる) 1949年長崎県生まれ。東京大学理学部卒。同大学院理学系研究科博士課程修了。理学博士。西ドイツ・マックスプランク天体物理学研究所研究員などを経て、東京大学大学院総合文化研究科教授。おもな著書に『宇宙の科学』、共著に『いまこそ相対性理論』、訳書に『タイムマシン』、共訳に『シュッツ相対論入門』ほか。






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本「カラマーゾフの兄弟 〈5〉 エピローグ別巻 (光文社古典新訳文庫033)」ドストエフスキー、亀山郁夫 訳5

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カラマーゾフの兄弟 5 エピローグ別巻 (5) (光文社古典新訳文庫)
カラマーゾフの兄弟 〈5〉 エピローグ別巻  Ф. М. Достоевский: “Братья Карамазовы”, 1879-1880 (光文社古典新訳文庫033)

○著者: フョードル・ミハイロヴィチ・ドストエフスキー亀山郁夫
○出版: 光文社 (2007/7, 文庫 365ページ)
○定価: 660円
○ISBN: 978-4334751333
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夏は夜、、、明るい月夜、まるい月、満月の前夜(月齢12.5
熱帯夜イヤイヤ


「エピローグ」では、主人公たちのその後が描かれる。彼らそれぞれに、どんな未来が待ち受けているのか……。訳者・亀山郁夫が渾身の力で描いた「ドストエフスキーの生涯」と「解題」は、この至高の名作を味わうための傑出したすばらしいガイド=指針となるにちがいない。


≪目次: ≫
ドストエフスキーカラマーゾフの兄弟 Братья Карамазовы, 1879-1880 エピローグ付、四部からなる長編小説

エピローグ
 1 ミーチャの脱走計画
 2 一瞬、嘘が真実になった
 3 イリューシャの葬儀。石のそばの挨拶



ドストエフスキーの生涯/亀山郁夫
 ※扉絵: ドストエフスキー(トルトーフスキー画:1847年)
1
 父と母、そして幼年時代/シラーの『群盗』を読む――原罪の起源とは/父殺しの衝撃/「狼が来るぞ!」/『ドン・カルロス』体験
2
 『貧しき人々』の誕生/一八四五年、ペテルブルグ
3
 深みを増す作品群/逮捕、そして死刑宣告
4
 シベリア送りと『聖書』/キリストへの改心/恋、そして結婚
5
 ペテルブルグへの帰還/アポリナーリアとのヨーロッパ旅行/妻の死、兄の死/自我と「キリストの楽園」
6
 『罪と罰』が大反響を呼ぶ/速記者アンナとの再婚/ホルバインと、死の全能性/ジュネーヴにて
7
 最後の長編『偉大な罪人の生涯』の構想/『悪霊』の新しい主人公
8
 『未成年』の執筆と幸福な家庭生活/『作家の日記』ふたたび/『おとなしい女』と『おかしな男の夢』
9
 頻発するテロルと陪審員制度/新しい原理、死からの復活
10
 皇帝の不信
11
 冬宮爆破事件への反応/アリョーシャはテロリストになるのか
12
 プーシキン記念祭での講演/『カラマーゾフの兄弟』完結、突然の死
エピローグ
「ドストエフスキー関係地図」

ドストエフスキー年譜

解題 「父」を「殺した」のはだれか/亀山郁夫
 ※扉絵: ドストエフスキー(ペローフ画:1872年)
はじめに――『カラマーゾフの兄弟』の成立について
  総決算/音楽的構成
1 『カラマーゾフの兄弟』の構造
 (1) 「二人の父が死んだ日」の時刻表(ダイアグラム)
 (2) 三層構造をどうとらえるか
 (3) 終わる物語と始まる物語
2 『カラマーゾフの兄弟』の登場人物
  前提としてのポリフォニー、またはポリフォニーの犠牲者たち
 (1) 家族たちとゾシマ長老――性格と洞察1
  オウム返しのアリョーシャ/「恥辱」の人――ミーチャ/のぞき見する無神論者――イワン/父親はだれか――スメルジャコフ/支配者にして道化――フョードル/ゾシマの肉体と精神
 (2) 女たち――性格と洞察2
  グルーシェニカの演技力/カテリーナの愛と二枚舌/リーズとリーザ――引き裂かれた少女
 (3) 脇役たち――性格と洞察3
3 『カラマーゾフの兄弟』の文章の方法と物語の方法
  前提――わたし、作者、ドストエフスキー
 (1) 口述筆記、または勢いとポリフォニー
 (2) 奇妙な語順
 (3) 地の文・ト書きの重要性と、細部の仕掛け
4 『カラマーゾフの兄弟』のモチーフと主題
 (1) 小さなモチーフと大きなテーマ
  甘いものが好き/悪い足、いやな臭い/癲癇を授かった者/『ファウスト』の連続線/無意識を引き裂くお金/サディズムとマゾヒズム
 (2) 神か悪魔か
  神はいるのか、いないのか/承認のキスか、否認のキスか/ゾシマ長老の回想と説教――大成の道
 (3) 「父殺し」を「そそのかす」罪とは
  神がなければすべては許される/おれはチェルマシニャーに行く/イワンは都(ピーテル)に行きました/みんな、親父が死ぬのを願っているのさ/かぎりなく自伝的な
おわりに――序文は書き換えられる運命だったのか

訳者あとがき 『カラマーゾフの兄弟』の翻訳を終えて (二〇〇七年六月一日 亀山郁夫)


≪著者: ≫ フョードル・ミハイロヴィチ・ドストエフスキー Ф. М. Достоевский [1821-1881] ロシア帝政末期の作家。60年の生涯のうちに、以下のような巨大な作品群を残した。『貧しき人々』『死の家の記録』『虐げられた人々』『地下室の手記』『罪と罰』『賭博者』『白痴』『悪霊』『永遠の夫』『未成年』そして『カラマーゾフの兄弟』。キリストを理想としながら、神か革命かの根源的な問いに引き裂かれ、ついに生命そのものへの信仰に至る。日本を含む世界の文学に、空前絶後の影響を与えた。

[訳者: ] 亀山郁夫 Kameyama Ikuo 1949年生まれ。東京外語大学教授(東京外国語大学長)。ドストエフスキー関連の研究のほか、ソ連・スターリン体制下の政治と芸術の関係をめぐる多くの著作がある。著書に『磔のロシア』『熱狂とユーフォリア』『ドストエフスキー父殺しの文学』『「悪霊」神になりたかった男』『大審問官スターリン』ほか多数。

ドストエフスキー 『カラマーゾフの兄弟 〈4〉』(亀山郁夫 訳、光文社古典新訳文庫、2007年) '12/08/23
ドストエフスキー 『カラマーゾフの兄弟 〈3〉』(亀山郁夫 訳、光文社古典新訳文庫、2007年) '12/06/28
ドストエフスキー 『カラマーゾフの兄弟 〈2〉』(亀山郁夫 訳、光文社古典新訳文庫、2006年) '12/06/09
ドストエフスキー 『カラマーゾフの兄弟 〈1〉』(亀山郁夫 訳、光文社古典新訳文庫、2006年) '12/06/04
ドストエフスキー 『カラマーゾフの兄弟 〈5〉 エピローグ別巻』(亀山郁夫 訳、光文社古典新訳文庫、2007年) '08/08/13
ドストエフスキー 『カラマーゾフの兄弟 〈4〉』(亀山郁夫 訳、光文社古典新訳文庫、2007年) '08/08/12
ドストエフスキー 『カラマーゾフの兄弟 〈3〉』(亀山郁夫 訳、光文社古典新訳文庫、2007年) '08/07/29
ドストエフスキー 『カラマーゾフの兄弟 〈2〉』(亀山郁夫 訳、光文社古典新訳文庫、2006年) '08/07/20
ドストエフスキー 『カラマーゾフの兄弟 〈1〉』(亀山郁夫 訳、光文社古典新訳文庫、2006年) '08/07/04
亀山郁夫 『ドストエフスキー 父殺しの文学 〈下〉』(NHKブックス、日本放送出版協会、2004年) '08/06/05
亀山郁夫 『ドストエフスキー 父殺しの文学 〈上〉』(NHKブックス、日本放送出版協会、2004年) '08/06/03
亀山郁夫 『『カラマーゾフの兄弟』続編を空想する』(光文社新書、2007年) '08/05/31
亀山郁夫 『ドストエフスキー 謎とちから』(文春新書、2007年) '08/05/24





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本「日本倫理思想史 増補改訂版  The History of Ethical Thought in Japan, Enlarged and Revised edition 」佐藤正英5

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日本倫理思想史 増補改訂版
日本倫理思想史 増補改訂版  Masahide SATO: “The History of Ethical Thought in Japan, Enlarged and Revised edition”, University of Tokyo Press, 2012

○著者: 佐藤正英
○出版: 東京大学出版会 (2012/4, 単行本 238ページ)
○定価: 3,150円
○ISBN: 978-4130120609
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冒頭の「はしがき」からしてむつかしい(なんどかよみかえした)、、、
 学問には二種類ある。知識のかたちをとる学問と知恵のかたちをとる学問である。
・・・・・・
 倫理学は、私たちの現存の意味はなにか、あるいは私たちはなにを拠りどころにして生き、死ぬのかと問い、答えるところの知恵にかかわる学問である。(知恵のかたちをとる学問の内実は思いなしである。) 私たちがなにを信じ、なにを怖れ、なにを愛し、なにを願っているいるかを捉えないままに、私たちの現存の意味を総体として対象化することはできない。日本倫理思想史は、私たち、すなわち、わが国のひとびとがなにを信じ、なにを怖れ、なにを愛し、なにを願っていたかを捉えようとする学問である。
 日本倫理思想史は、知恵そのものではない。・・・・・・



何を自らの拠りどころとし、私たちは今・ここにあるのか。その知恵の痕跡を古代神話にさかのぼり、仏法のうちに捉え(中世)、天の思想に表現しつつ(近世)、文明と直面して回折する近代・現代まで、日本人の心の歴史を鮮烈に描く。昭和期を中心に増補し、『古事記』から吉本隆明まで展望する決定版。


≪目次: ≫
はしがき

序論 対象と方法
今・此処の現存/此処と彼処――事物や事象の情景/自己――有限性・一回性・非通約性/当事者――この拠りどころ/夢想者――もう一つの拠りどころ/傍観者――他者の了解/現存の意味をめぐる営為の対自化/倫理思想の痕跡の様態/時間・空間の表象/神・仏法・天・文明――他物の様態

第一章 神をめぐる思想
一 〈もの〉神の顕現――第一次神話
天地初発以前の世界/〈神の女〉の物語/〈神の女〉〈神の子〉による〈もの〉神の祭祀
二 〈たま〉神の発生――神代神話
〈もの〉神を祀るひとの物語/イザナキ・イザナミによる世俗世界の整序/死の世界の定立――黄泉国/〈神の子〉スサノヲの流離/尊貴な〈たま〉神アマテラス
三 天皇をめぐる物語と和歌
勇猛さの物語/予祝の和歌

第二章 仏法をめぐる思想
一 仏法の伝来
漢字の移入と仮名の成立/儒学の移入/仏像・祭具・経論の渡来.憲法十七条の述作――太子伝説I/勝鬘経の講説――太子伝説II/役小角――修験道の始祖/「僧尼令」と具足戒/行基――〈もの〉神から〈たま〉神へ/八幡大菩薩――皇祖神としての菩薩/『日本霊異記』――善・悪の因果
二 仏法の土着
菩薩僧の創出――最澄/密教の集大成――空海/菅原道真――天満宮天神/密教の展開と西方極楽浄土/西行――隠遁と和歌
三 仏法の成熟
法然――専修念仏/親鸞――自燃法爾/栄西――禅宗の移入/道元――修証一等/日蓮――法華経の行者/一遍――孤絶する自己
四 原郷世界と栄華
花鳥風月――原郷世界の徴表/『竹取物語』――作り物語の祖/『源氏物語』――作り物語の深化/『大鏡』――世俗世界における栄華/『愚管抄』――世俗世界の理路/『神皇正統記』――世俗世界の持続と道徳/お伽草子・『神道集』・説経節/夢幻能の世界――「井筒」

第三章 天をめぐる思想
一 武士の思想
『今昔物語』――戦いを業とする者/『甲陽軍艦』――国持ち武将の生と死/『三河物語』――合戦の想起/『五輪書』――観と見・心と意/『葉隠』――「忍ぶ恋」
二 儒学の思想
藤原惺窩・林羅山――朱子学の移入I/山崎闇斎・貝原益軒――朱子学の移入II/中江藤樹――陽明学の系譜/山鹿素行――「士道」/伊藤仁斎――古義学/荻生徂徠――古文辞学/寛政異学の禁――松平定信
三 国学の思想
神道教説の発生――両部神道・伊勢神道・吉田神道/国学の成立――契沖・荷田春満・賀茂真淵/本居宣長――「もののあはれ」/平田篤胤――復古神道/新派神道――黒住教・天理教・金光教
四 庶民の思想
円空――鉈彫りの仏像/井原西鶴――『好色一代男』/近松門左衛門――世話浄瑠璃の確立/西川如見――町人による理/石田梅岩――石門心学/安藤昌益――「自然世」/二宮尊徳――「分度」と「推譲」/良寛――孤絶した自己
五 幕末の思想
蘭学の展開――『どちりいな・きりしたん』から『解体新書』まで/尊王攘夷論――藤田東湖・会沢正志斎/和魂洋才――佐久間象山・横井小楠/吉田松陰――倒幕論

第四章 文明をめぐる思想
一 文明開化
外部としての文明――幕藩体制の崩壊/福沢諭吉――有用な理知・独立自尊/明六社の洋学者――中村正直・森有礼・西周・加藤弘之/中江兆民――民権
二 国家の核としての天皇の創出
神仏分離――仏法の排除/天皇にかかわる祭祀の変容/兵士の創出――軍人勅諭/国民道徳論――西村茂樹『日本道徳論』/教育勅語――道徳にかかわる現人神としての天皇
三 キリスト教の解禁
新島襄――同志社英学校/内村鑑三――不敬事件から無教会主義へ/キリスト教と武士道――植村正久・新渡戸稲造
四 さまざまな潮流
平民主義――徳富蘇峰/国粋主義――三宅雪嶺・志賀重昂・陸羯南/岡倉天心――日本美術の再発見と復興/社会主義――幸徳秋水・木下尚江
五 回折する理知
北村透谷――「想世界」の情念/浪漫主義者の群れ――島村藤村・与謝野晶子・国木田独歩・石川啄木/夏目漱石・森鷗外――「自己本位」と諦念
六 『善の研究』の成立
清澤満之・大西祝――『宗教哲学骸骨』・『良心起源論』/西田幾多郎――「純粋経験」
七 大正デモクラシー
民本主義・天皇機関説――吉野作造・美濃部達吉/人格主義・白樺派・耽美派――阿部次郎・武者小路実篤・有島武郎・谷崎潤一郎/大杉栄・平塚らいてう・西光万吉
八 和辻倫理学――間柄の理法
九 土俗への根ざし
宮沢賢治――法華経行者への希求/柳田国男――常民と神をめぐる学/小林秀雄――孤絶した個と土俗
十 敗戦
北一輝――超国家主義の台頭/思想と学問の抑圧――満州事変から日中戦争へ/太平洋戦争――アメリカ・イギリスとの戦い
十一 「倫理」の脱神話化
坂口安吾・丸山真男・吉本隆明――ふたたび土俗へ

参考文献


【カバー図版】 勾玉 古墳時代


≪著者: ≫ 佐藤正英 (さとう まさひで) 1936年長野県に生れる。1958年東京大学文学部倫理学科卒業。東京大学大学院人文社会系研究科教授、共立女子大学文芸学部教授を経て、東京大学名誉教授。主要著書、『隠遁の思想――西行をめぐって』(1977年、東京大学出版会:2001年、ちくま学芸文庫)、『歎異抄論釈』(1989年、青土社:1992年、新装版)、J・R・ヒネルズ編『世界宗教事典』(監訳、1991年、青土社:1999年新版)、『親鸞の核心をさぐる――徹底討論』(対談集、1992年、青土社:1997年、増補新版)、『親鸞入門』(1998年、ちくま新書)。

佐藤正英 『故郷の風景 もの神・たま神と三つの時空』(ちくまプリマー新書、筑摩書房、2010年) '11/07/26
佐藤正英 『古事記神話を読む 〈神の女〉〈神の子〉の物語』(青土社、2011年) '11/06/21
佐藤正英 『小林秀雄――近代日本の発見』(再発見 日本の哲学、講談社、2008年) '11/06/02

相良亨 『本居宣長』(講談社学術文庫、2011年) '11/06/25
相良亨 『武士道』(講談社学術文庫、2010年) '10/10/28
菅野覚明 『神道の逆襲』(講談社現代新書、2001年) '10/11/18
菅野覚明 『武士道の逆襲』(講談社現代新書、2004年) '10/11/03
熊野純彦 『埴谷雄高――夢みるカント』(再発見 日本の哲学、講談社、2010年) '11/04/15
熊野純彦 『和辻哲郎 文人哲学者の軌跡』(岩波新書、2009年) '09/11/13
遠山敦 『丸山眞男――理念への信』(再発見 日本の哲学、講談社、2010年) '11/08/06
吉田真樹 『平田篤胤――霊魂のゆくえ』(再発見 日本の哲学、講談社、2009年) '11/07/17
木村純二 『折口信夫――いきどほる心』(再発見 日本の哲学、講談社、2008年) '11/06/13
藤村安芸子 『石原莞爾――愛と最終戦争』(再発見 日本の哲学、講談社、2007年) '11/05/12
栗原剛 『佐藤一斎――克己の思想』(再発見 日本の哲学、講談社、2007年) '11/04/29





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本「失脚/巫女の死 デュレンマット傑作選  Der Sturz/Das Sterben Pythia (光文社古典新訳文庫151)」デュレンマット、増本浩子 訳5

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失脚/巫女の死 デュレンマット傑作選 (光文社古典新訳文庫)
失脚/巫女の死 デュレンマット傑作選  Friedrich Dürrenmatt: Der Tunnel, 1952 / Die Panne, 1971 / Der Sturz, 1955 / Das Sterben der Pythia, 1976 (光文社古典新訳文庫151)

○著者: フリードリヒ・デュレンマット、増本浩子 訳
○出版: 光文社 (2012/7, 文庫 328ページ)
○定価: 1,100円
○ISBN: 978-4334752538
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スイスは日本の九州ほどの面積しかない小国でありながら、憲法でドイツ語、フランス語、イタリア語、レトロマン語の四言語が国語と定められており、デュレンマットが創作の際に使用した言語はドイツ語だった。そのため、彼の作品は広い意味でのドイツ文学(正確にはドイツ語文学)に含まれる。、、、とは、「解説」p279



熱帯夜イヤ、残暑ザンショ、、、こんかいのボウズは9mm


いつもの列車は知らぬ間にスピードを上げ……日常が突如変貌する「トンネル」、自動車のエンストのため鄙(ひな)びた宿に泊まった男の意外な運命を描く「故障」、粛清の恐怖が支配する会議で閣僚たちが決死の心理戦を繰り広げる「失脚」など、本邦初訳を含む4編を収録。


≪目次: ≫
はじめに (訳者)

トンネル Der Tunnel, 1952 (1978 改訂版)
失脚 Die Panne, 1971
故障――まだ可能な物語 Der Sturz, 1955 (短編小説1955、ラジオドラマ1955、テレビドラマ1957、喜劇1979)
巫女の死 Das Sterben der Pythia, 1976

解説  増本 浩子
 デュレンマットの生涯/収録した作品について/〈『トンネル』〉/〈『失脚』〉/〈『故障――まだ可能な物語』〉/〈『巫女の死』〉/日本で紹介されたデュレンマット作品/デュレンマット作品の普遍性
デュレンマット年譜
訳者あとがき (二〇一二年五月  増本 浩子)


≪著者: ≫ フリードリヒ・デュレンマット Friedrich Dürrenmatt [1921-1990] スイスの作家。ベルン州コノルフィンゲンに牧師の息子として生まれる。ベルン大学とチューリヒ大学で哲学などを専攻。21歳で処女作『クリスマス』を執筆。24歳のときに短編『老人』が初めて活字となる。同年、最初の戯曲『聖書に曰く』の執筆を開始。'50年代から'60年代にかけて発表した喜劇によって劇作家として世界的な名声を博したほか、推理小説『裁判官と死刑執行人』がベストセラーに。'88年、演劇から離れ散文の創作に専念することを発表。晩年は自叙伝『素材』の執筆に打ち込む。'90年、ヌシャテルの自宅で死去。代表作に『老貴婦人の訪問』、『物理学者たち』など。

[訳者: ] 増本浩子 Masumoto Hiroko 1960年生まれ。神戸大学大学院人文学研究科教授。専門はドイツとスイスの現代文学・文化論。著書に『フリードリヒ・デュレンマットの喜劇』、共訳書に『ブレヒト 私の愛人』(ベアラウ)、『ドイツの宗教改革』(ブリックレ)、『ハルムスの世界』(ハルムス)など。


踊共二 『図説 スイスの歴史』(ふくろうの本・世界の歴史、河出書房新社、2011年) '11/09/24
森田安一/踊共二 編著 『スイス (ヨーロッパ読本)』(野嶋篤/岡村民夫/穐山洋子 著、河出書房新社、2007年) '11/02/07
森田安一 『スイス 中世都市の旅』(世界歴史の旅、山川出版社、2003年) '11/02/01
森田安一 『物語 スイスの歴史  知恵ある孤高の小国』(中公新書、2000年) '11/01/30





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本「「イタリア」誕生の物語 (講談社選書メチエ532)」藤澤房俊5

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「イタリア」誕生の物語 (講談社選書メチエ)
「イタリア」誕生の物語 (講談社選書メチエ532)

○著者: 藤澤房俊
○出版: 講談社 (2012/8, 単行本 256ページ)
○定価: 1,680円
○ISBN: 978-4062585354
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近代イタリアの国民国家形成の歴史、すなわちリソルジメントRisorgimento)史の通史
日本が明治維新によって近代国家を樹立する7年前、1861年に国民国家イタリアは誕生した。その時まで、イタリアは地理的名称にすぎなかった。イタリア半島には、476年の西ローマ帝国崩壊以降、統一国家は存在しなかった


一八世紀末、イタリア半島は小国の集合体だった。サルデーニャ王国ジェノヴァ共和国ヴェネツィア共和国モデナ公国パルマ公国トスカーナ大公国、教会国家、ナポリ王国ハプスブルク帝国領のミラノ公国……。フランス革命の風を受け、統一国家「イタリア」の実現を目指す「再興リソルジメント運動」の激しいうねり。大国フランスとオーストリアの狭間で、いかにして「想像の政治的共同体」は成立したのか? 明治日本にも大きな影響を与えた一大政治ドラマを活写する。


≪目次: ≫
はじめに
地理的名称・イタリアを国家に/明治のイタリア史ブーム/イタリアへの親近感/『伊太利建國三傑』/中国と朝鮮でも

第一章 「自由の木の酸っぱいけれども甘い果実を味わった最初の国」――一七九六〜一七九九年
イタリアとヨーロッパ/フランス革命とイタリア/「革命の三年間」(一七九六〜一七九九年)/「姉妹共和国」の誕生/「いかなる自由な政体がイタリアの安寧にもっとも適しているか」/新しい政治言説の登場――自由、平等、民族、統一、リソルジメント/イタリアにもたらされた近代化/「姉妹共和国」への幻想と失望/「姉妹共和国」の崩壊/クオーコの「受動的革命」

第二章 皇帝ナポレオンのイタリア支配――一八〇〇〜一八一四年
統領ナポレオンの領土再編成/皇帝ナポレオンの領土再編成/ナポレオン支配の光と影/反ナポレオンの運動/ナポレオンの失墜

第三章 不安定な王政復古体制
ウィーン体制下のヨーロッパ/ウィーン会議によるイタリアの編成/秘密結社運動の活発化/ナポリとトリノの革命/一八三一年の中部イタリア革命

第四章 秘密結社運動から政党の運動へ
リソルジメント運動と亡命者たち/マッツィーニと「青年イタリア」/「青年」が意味するもの/「イタリア」の地理的意義/「イタリア」の名において殉教した時に生まれた民族意識/マッツィーニの基本的諸理念/統一共和国の主張/進歩と義務の理念/革命の手段としての「教育と蜂起」/「青年イタリア」の活動/サヴォイア遠征と「青年イタリア」の崩壊/超民族的組織「青年ヨーロッパ」の結成/第二次「青年イタリア」の結成/識字学校の開設

第五章 革命ではなく改革を目指した穏和派
穏和派とは/ジョベルティの『イタリア人の道徳的・文明的優位』/バルボの『イタリアの希望』/ダゼーリョの『ロマーニャにおける最近の事件』/「自由主義者」の教皇ピウス九世バンディエーラ兄弟カラーブリア遠征

第六章 イタリアの長い「一八四八年革命
一八四八年のイタリアとヨーロッパ/ミラノの煙草ストライキ/南から北へ連鎖する憲法発布/「一八四八年革命」の国際化/「ミラノの五日間」/第一次独立戦争の開始/義勇兵の登場/統一戦線の崩壊/トスカーナの状況/ローマ共和国の成立/マッツィーニのローマ共和国/「フランス共和国によるローマ共和国の暗殺」/ヴェネツィア共和国の崩壊/祖国に命をささげた若者たち/公共空間に登場した民衆と愛国的言説/女性のリソルジメント運動への参加/詩・文学・オペラ・絵画が果たした役割

第七章 リソルジメントの国際化
第二次王政復古時代の特徴/憲章を堅持したサルディーニャ王国の動向/サルディーニャ王国に流入した亡命者/サルディーニャ王国におけるジャーナリズムの隆盛/「集会の自由」がもたらした新たな社会的結合/ダゼーリョの世俗化政策/カヴールの登場/カヴール内閣の誕生/クリミア戦争とサルディーニャ王国/「イタリア国民協会」の果たした役割/一八四九年以降のマッツィーニ主義者/プロンビエール秘密協定

第八章 職人的なイタリア統一
第二次独立戦争の開始/中部イタリアにおける反乱とヴィッラフランカ休戦協定/サルディーニャ王国に併合された中部イタリア/ガリバルディの「千人隊」/ナポリ入城/神話化されるガリバルディ/『バタビィア新聞』に掲載されたガリバルディの記事/西郷隆盛と比較されるガリバルディ/来日した二人の「千人隊」参加者

第九章 半島の名前から民族の名前となったイタリア
統一に「洗礼」を授けた住民投票/イタリア王国の誕生/カヴールの急逝に対する反応/「歴史的右派」政権が取り組んだ諸問題/「国家のイタリアと教会のイタリア」/「北」のイタリアと「南」のイタリア/「イタリア人を創る」ことについて

第十章 「クオー・ヴァディス、イタリア」――「おわりに」にかえて
「イタリアよ、何処に行きたもう?」/論争の二つの契機/近現代イタリアにおける三つの異なる政治体制/一九一一年の統一・五〇周年/一九六一年の統一・一〇〇周年/二〇一一年の統一・一五〇周年

あとがき

文献案内
年表 「イタリア」誕生の物語
人名索引


≪著者: ≫ 藤澤房俊 (ふじさわ・ふさとし) 1943年生まれ。早稲田大学大学院文学研究科博士課程修了。文学博士。東京経済大学教授。著書に、『赤シャツの英雄ガリバルディ――伝説から神話への変容』(マルコ・ポーロ賞受賞)、『シチリア・マフィアの世界』『匪賊の反乱――イタリア統一と南部イタリア』『大理石の祖国――近代イタリアの国民形成』『第三のローマ――イタリア統一からファシズムまで』『ピノッキオとは誰でしょうか』『マッツィーニの思想と行動』などがある。






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本「1Q84  BOOK2 〈7月-9月〉」村上春樹5

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1Q84 BOOK 2
1Q84 〈ichi-kew-hachi-yon〉 a novel BOOK2 〈7月-9月〉

○著者: 村上春樹
○出版: 新潮社 (2009/5, 単行本 501ページ)
○定価: 1,890円
○ISBN: 978-4103534235
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八月の連日の猛暑はカクジツに体力を消耗させる(発汗とか)、体調を維持することの困難(睡眠不足とか)、フツーにぼ〜っとしてしまう、、、もっともそれは、ぼくが他者との接触を交渉をなすときに、その他者もまたそうであろうと想定しなければならない、であろう


・・・・・・
天吾は続けた。「僕は誰かを嫌ったり、憎んだり、恨んだりして生きていくことに疲れたんです。誰をも愛せないで生きていくことにも疲れました。僕には一人の友達もいない。ただの一人もです。そしてなによりも、自分自身を愛することすらできない。なぜ自分自身を愛することができないのか? それは他者を愛することができないからです。人は誰かを愛すことによって、そして誰かから愛されることによって、それらの行為を通して自分自身を愛する方法を知るのです。僕の言っていることはわかりますか? 誰かを愛することのできないものに、自分を正しく愛することなんかできません。いや、・・・・・・ (p178)


ジッサイ、どうなんだろう、愛って、愛ってなんなんだろう??、、、いわゆる「人間」とかって、たとえば、人と人とのあいだ(間)の関係、コミュニケーション、社会化、社会性、とか、そう、ひとりでは生きてゆけない、しかし、生きてゆくのはひとり、生きてゆくのはラクなことなんかではない、タイヘンなことだ、work hard, work hard, work hard...



心から一歩も外に出ないものごとは、この世界にはない。心から外に出ないものごとは、そこに別の世界を作り上げていく。
「1Q84」の世界に、もし愛があるなら、それは完璧な愛かもしれない――。刊行以来、日本で、世界で、空前の話題を呼んでやまない長編小説。〈毎日出版文化賞受賞〉


≪目次: ≫
第1章 (青豆) あれは世界でいちばん退屈な町だった
第2章 (天吾) 魂のほかには何も持ち合わせていない
第3章 (青豆) 生まれ方は選べないが、死に方は選べる
第4章 (天吾) そんなことは望まない方がいいのかもしれない
第5章 (青豆) 一匹のネズミが菜食主義の猫に出会う
第6章 (天吾) 我々はとても長い腕を持っています
第7章 (青豆) あなたがこれから足を踏み入れようとしているのは
第8章 (天吾) そろそろ猫たちがやってくる時刻だ
第9章 (青豆) 恩寵の代償として届けられるもの
第10章 (天吾) 申し出は拒絶された
第11章 (青豆) 均衡そのものが善なのだ
第12章 (天吾) 指では数えられないもの
第13章 (青豆) もしあなたの愛がなければ
第14章 (天吾) 手渡されたパッケージ
第15章 (青豆) いよいよお化けの時間が始まる
第16章 (天吾) まるで幽霊船のように
第17章 (青豆) ネズミを取り出す
第18章 (天吾) 寡黙な一人ぼっちの衛星
第19章 (青豆) ドウウタが目覚めたときには
第20章 (天吾) せいうちと狂った帽子屋
第21章 (青豆) どうすればいいのだろう
第22章 (天吾) 月がふたつ空に浮かんでいるかぎり
第23章 (青豆) タイガーをあなたの車に
第24章 (天吾) まだ温もりが残っているうちに


≪著者: ≫ 村上春樹 (Haruki Murakami) 1949(昭和24)年、京都市生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。1979年『風の歌を聴け』(群像新人文学賞)でデビュー。主な長編小説に、『羊をめぐる冒険』(野間文芸新人賞)、『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』(谷崎潤一郎賞)、『ノルウェイの森』、『国境の南、太陽の西』、『ねじまき鳥クロニクル』(読売文学賞)、『海辺のカフカ』、『アフターダーク』、『1Q84』(毎日出版文化賞)がある。『神の子どもたちはみな踊る』、『東京奇譚集』などの短編小説集、エッセイ集、紀行文、翻訳書など著書多数。海外での文学賞受賞も多く、2006年フランツ・カフカ賞、フランク・オコナー国際短編賞、2009年エルサレム賞、2011年カタルーニャ国際賞を受賞。

村上春樹 『1Q84 〈ichi-kew-hachi-yon〉 a novel BOOK1 〈4月-6月〉』(新潮社、2009年) '12/07/04
ジョージ・オーウェル 『一九八四年 [新訳版]  Nineteen Eighty-Four, 1949 』(高橋和久 訳、ハヤカワepi文庫、2009年) '09/09/05





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本「世界文化小史  A Short History of the World (講談社学術文庫2122)」H・G・ウェルズ、下田直春 訳5

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世界文化小史 (講談社学術文庫)
世界文化小史  Herbert George Wells: “A Short History of the World”, 1922 (講談社学術文庫2122)

○著者: H・G・ウェルズ、下田春直 訳
○出版: 講談社 (2012/7, 文庫 528ページ)
○定価: 1,523円
○ISBN: 978-4062921220
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一気呵成に通読(されるようにもくろまれている、「序」)とは、そんなにカンタンな内容では分量(総ページ数)ではないけれども、歴史♪♪


「宇宙戦争」「タイムマシン」などのSF小説で知られるウェルズは、その後半生には世界平和を希求し、国家主義を排した普遍的な世界史叙述に取り組んだ。第一次大戦の惨禍を経て、さらなる大戦争の恐怖を前に執筆された本書は、地球と生命の誕生に始まる人類の歩みを大きな視点で物語る。現代に通じる文明観と、人類への信頼に満ちた、世界史入門の名著。


≪目次: ≫

1 空間における世界
2 時間における世界
3 生物の始まり
4 魚類の時代
5 石炭沼沢の時代
6 爬虫類の時代
7 最初の鳥類と最初の哺乳動物
8 哺乳動物の時代
9 猿、類人猿、および原人
10 ネアンデルタール人とローデシア人
11 最初の真人
12 原始思想
13 農耕の始まり
14 原始的新石器時代文明
15 シュメール、初期エジプト、および文字
16 原始遊牧民族
17 最初の航海民族
18 エジプト、バビロン、およびアッシリア
19 原始アーリア人
20 最後のバビロニア帝国と、ダリウス一世の帝国
21 ユダヤ人の初期の歴史
22 ユダヤの祭司と予言者
23 ギリシア人
24 ギリシア人とペルシア人との戦役
25 ギリシアの栄華
26 アレクサンダー大王の帝国
27 アレクサンドリアの博物館と図書館
28 ゴータマ仏陀の生涯
29 アショーカ王
30 孔子と老子
31 ローマの歴史への台頭
32 ローマとカルタゴ
33 ローマ帝国の成長
34 ローマと中国との間
35 初期ローマ帝国家の平民の生活
36 ローマ帝国家の宗教的発展
37 イエスの教え
38 キリスト教教理の発展
39 蛮族による帝国の東西分裂
40 フン族と西ローマ帝国の終息
41 ビザンティン帝国とササン朝帝国
42 中国における隋・唐王朝
43 マホメットとイスラム教
44 アラビア人の全盛時代
45 ラテン・キリスト教界の発展
46 十字軍と教皇振権時代
47 諸侯の反抗と教会の大分裂
48 蒙古人の征服
49 ヨーロッパ人の知的復活
50 ラテン教会の改革
51 皇帝チャールズ五世
52 ヨーロッパにおける政治的実験時代
53 アジアと海外におけるヨーロッパ人の新帝国
54 アメリカ独立戦争
55 フランス革命とフランスの王政復古
56 ナポレオン没落後のヨーロッパの不安な平和
57 物質的知識の発達
58 産業革命
59 近代的政治・社会思想の発展
60 アメリカ合衆国の膨張
61 ヨーロッパにおけるドイツの興隆
62 汽船と鉄道による海外諸帝国
63 ヨーロッパ人のアジア侵略と日本の勃興
64 一九一四年のイギリス帝国
65 ヨーロッパの武装時代と第一次世界大戦
66 ロシアの革命と飢饉
67 世界の政治的・社会的再建

年表
補注
解説 (一九七〇年一〇月二三日 訳者)
索引


※本書の原本は一九七一年、角川書店より刊行されました。


≪著者: ≫ H・G・ウェルズ (Herbert George Wells) 1866-1946。イギリスの著述家。『タイム・マシン』『宇宙戦争』『解放された世界』などのSF小説のほか、歴史家・社会活動家として『世界文化史大系』『新世界秩序』『人類の運命』など多くの著作を残した。

[訳者: ] 下田直春 (しもだ なおはる) 1935‐1994。長崎県生まれ。早稲田大学第一文学部卒。同大学院博士課程修了。専攻は社会学。文学博士。立教大学社会学部教授在職中に逝去。著書に『社会理論と社会的現実』『社会学的思考の基礎』ほか。


ウェルズ 『タイムマシン  The Time Machine, 1895 』(池央耿 訳、光文社古典新訳文庫、2012年) '12/05/13
ウェルズ 『盗まれた細菌/初めての飛行機  The Stolen Bacillus/My First Aeroplane, 1894-1910 』(南條竹則 訳、光文社古典新訳文庫、2010年) '10/08/07

J・G・フレーザー 『図説 金枝篇 〈下〉  The Illustrated GOLDEN BOUGH 』(M・ダグラス 監修/S・マコーマック 編集、吉岡晶子 訳、講談社学術文庫、2011年) '11/05/30
J・G・フレーザー 『図説 金枝篇 〈上〉  The Illustrated GOLDEN BOUGH 』(M・ダグラス 監修/S・マコーマック 編集、吉岡晶子 訳、講談社学術文庫、2011年) '11/05/11





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本「草地と日本人 日本列島草原1万年の旅」須賀丈/岡本透/丑丸敦史5

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草地と日本人: 日本列島草原1万年の旅
草地と日本人 日本列島草原1万年の旅

○著者: 須賀 丈/岡本 透/丑丸敦史
○出版: 築地書館 (2012/2, 単行本 244ページ)
○定価: 2,100円
○ISBN: 978-4806714347
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夏は夜、、、西の夜空に上弦の月


日本列島の土壌は1万年の草地利用によって形成されてきた――先史時代、万葉集の時代からひとびとの暮らしのなかで維持管理され、この半世紀で急速に姿を消した植生である、半自然草地・草原の生態を、絵画、文書、考古学の最新知見を通し、気鋭の研究者が明らかにする。


≪目次: ≫
序章  須賀丈
軽井沢は広大な草原だった/人間活動が維持してきた草原/「武蔵野」は美しい草原だった/里山に広がる草原/過去一万年の自然と人間のかかわりを根本から問い直す/本書のねらいと構成

第一章 日本列島の半自然草原――ひとが維持した氷期の遺産  須賀丈
明治から昭和初期の草原の記憶と今/日本の草原の減少と草原性生物の危機/日本列島・北東アジアの植生分布と人間活動「文明の生態史観」とユーラシア・日本の草原/半自然草原とは/日本の半自然草原/日本列島の生物相の由来と人間活動/日本列島の草原性生物の由来/「草甸」を維持した自然の攪乱/ブローデルの歴史の三つの時間/草原利用の歴史的変化をどうとらえるか/野火・黒色土・微粒炭/阿蘇の植生史と人間活動の変化/「東国」の草原と人間活動の歴史/半自然草原の歴史と草原性チョウ類の分布/半自然草原の歴史と保全――生物文化多様性を考える

第二章 草原とひとびとの営みの歴史――堆積物と史料からひもとかれる「眺めのよかった」日本列島  岡本透
環境変動と花粉分析から復元された植生の変化/最終氷期最盛期の植生/完新世の植生/植物珪酸体分析から復元される過去の植生/黒色土(黒ボク土)とは/黒色土にふくまれる微粒炭とその起源/微粒炭とブラックカーボンと地球環境問題/里山とは/半自然草原の誕生は縄文時代?/黒色土・微粒炭と縄文時代/弥生時代以降の草原/草原と牛馬の飼育/江戸時代の森林事情/正保国絵図に見る日本各地の山の状況/村絵図などに見る江戸時代の山の状況/絵画史料・文書史料に見る江戸時代の山の状況/幕末から明治にかけての山の風景/おわりに

第三章 畦の上の草原――里草地  丑丸敦史
最も身近な草地――子どもの遊び場だった畦/畦上の半自然草地――里草地/水田と里草地、そこに暮らす植物の歴史/里草地の特徴/里草地に成立する植生とその多様性/棚田の里草地における多様な環境/棚田の環境傾度に対応した多様性の分布/里草地における希少植物種とその分布/農地の集約化と放棄による半自然草原における生物多様性の減少/圃場整備による里草地の危機/耕作放棄による里草地の危機/希少植物種の受難/里草地に暮らす動物たち/里草地のかわりはあるのか/水田生態系および里草地の保全/どのように里草地および水田生態系を守っていくのか

あとがき
参考文献
索引


≪著者: ≫ 須賀 丈 (すか・たけし) 1965年大阪府生まれ。京都大学大学院農学研究科博士後期課程修了。長野県環境保全研究所主任研究員。専門は昆虫生態学、保全生物学。『長野県版レッドデータブック動物編』の作成に参画。共編著『信州の草原――その歴史をさぐる』(ほおずき書籍)、共著「日本列島における草原の歴史と草原の植物相・昆虫相」(『シリーズ日本列島の三万五千年――人と自然の環境史 第2巻 野と原の環境史』所収、文一総合出版)、編集総括および分担執筆『長野県生物多様性概況報告書』(長野県環境保全研究所)などがある。

≪著者: ≫ 岡本 透 (おかもと・とおる) 1969年山口県生まれ。東京都立大学大学院理学研究科地理学専攻卒。独立行政法人森林総合研究所木曽試験地主任研究員。共著に「動く大地――山並みの生いたち」(『雪山の生態学――東北の山と森から』所収、東海大学出版会)、「土壌と土地利用――黒色土の由来」(『森の生態史――北上山地の景観とその成り立ち』所収、古今書院)、「土壌に残された野火の歴史」(『信州の草原――その歴史をさぐる』所収、ほおずき書籍)などがある。

≪著者: ≫ 丑丸敦史 (うしまる・あつし) 1970年群馬県生まれ。京都大学理学研究科修了学位取得。京都大学生態学研究センターCOE特別研究員、総合地球環境学研究所非常勤研究員を経て、神戸大学人間発達環境学研究科准教授。共著に「花の性・両性植物における自家和合性と自動的自家受粉の進化」(『花生態学の最前線――美しさの進化的背景を探る』所収、文一総合出版)、「花標に学ぶ送粉共生系」(『プラントミメティックス――植物に学ぶ』所収、株式会社 エヌ・ティー・エス)などがある。


蔵治光一郎 『森の「恵み」は幻想か 科学者が考える森と人の関係』(DOJIN選書、化学同人、2012年) '12/08/12





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本「カラマーゾフの兄弟 〈4〉 (光文社古典新訳文庫032)」ドストエフスキー、亀山郁夫 訳5

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カラマーゾフの兄弟 4 (光文社古典新訳文庫)
カラマーゾフの兄弟 〈4〉  Ф. М. Достоевский: “Братья Карамазовы”, 1879-1880 (光文社古典新訳文庫032)

○著者: フョードル・ミハイロヴィチ・ドストエフスキー亀山郁夫
○出版: 光文社 (2007/12, 文庫 700ページ)
○定価: 1,080円
○ISBN: 978-4334751326
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こないだ、ぼくが大学生生活をおくる放送大学の学習センターの視聴学習室の受付カウンターで、おもむろに知らない爺さん学生に声をかけられたのは、どうやらすこしまえにおなじ面接授業を受講した方だったみたいで、いつもぼくは最前列の入口から遠い端っこの座席が落ち着くことから好きで座して、そのポジションからだと授業をする講師の顔や姿はよく見えて、他の受講生の姿は目に入らない、さらに、とくに他の受講生と話をすることもない、だから、他の受講生のことは知らないのだが、まぁココは話を合わせておくような場面だろうと判断して、ひとしきり「その節はどうも」と軽く挨拶を交わしたのだが、じつはその面接授業はアーリーバード(早朝授業)という新しい試みであり講師が前センター長だったことから取材があって、ぼくは他の数名の受講生とともに取材班のアナウンサーのインタビューに応対した、で、ぼくはその放送(オンエア)がいつだか忘れてしまって、気にならないものでもなかったけど、結果的に分からないままに放置していたのだが、どうやら採用されていたようで、「あんたイッショケンメイしゃべっていたよ」といったようなことを教えてくれた。その気になって放送大学のHPをすこしいろいろ探してみたところ、あった。テレビ「大学の窓」 @平成24年7月29日 O.A.



11月初め。フョードル殺害犯として逮捕されたミーチャのまわりで、さまざまな人々が動きだす。アリョーシャと少年たちは病気の友だちを見舞い、イワンはスメルジャコフと会って事件の「真相」を究明しようとする。そして裁判で下された驚愕の判決。ロシアの民衆の真意とは何か!


≪目次: ≫
ドストエフスキーカラマーゾフの兄弟 Братья Карамазовы, 1879-1880 エピローグ付、四部からなる長編小説

第4部
 第10編 少年たち

  1 コーリャ・クラソートキン
  2 子どもたち
  3 生徒たち
  4 ジューチカ
  5 イリューシャの寝床(ベッド)
  6 早熟
  7 イリューシャ

 第11編 兄イワン
  1 グルーシェニカの家で
  2 悪い足
  3 小悪魔
  4 賛歌と秘密
  5 あなたじゃない、あなたじゃない!
  6 スメルジャコフとの最初の面会
  7 二度目のスメルジャコフ訪問
  8 スメルジャコフとの、三度めの、最後の対面
  9 悪魔。イワンの悪夢
  10 「やつがそう言うんだよ!」

 第12編 誤審
  1 運命の日
  2 危険な証人たち
  3 医学鑑定とくるみ一袋
  4 幸運の女神がミーチャに微笑みかける
  5 突然の破局
  6 検事による論告。性格論
  7 過去の経緯
  8 スメルジャコフ論
  9 全速力の心理学。ひた走るトロイカ。検事論告の諦め
  10 弁護人の弁論。両刃の剣
  11 金はなかった。強奪はなかった
  12 それに殺害もなかった
  13 思想と密通する男
  14 お百姓たちが意地を通しました


読者ガイド/亀山郁夫
《第3部》のあらすじ/1 階級と官位/2 裁判制度、警察機構/3 秘密警察について/4 ロシアのドイツ人/5 トロイカの比喩、またはドストエフスキーとゴーゴリ/6 ベルナール、科学への不信


≪著者: ≫ フョードル・ミハイロヴィチ・ドストエフスキー Ф. М. Достоевский [1821-1881] ロシア帝政末期の作家。60年の生涯のうちに、以下のような巨大な作品群を残した。『貧しき人々』『死の家の記録』『虐げられた人々』『地下室の手記』『罪と罰』『賭博者』『白痴』『悪霊』『永遠の夫』『未成年』そして『カラマーゾフの兄弟』。キリストを理想としながら、神か革命かの根源的な問いに引き裂かれ、ついに生命そのものへの信仰に至る。日本を含む世界の文学に、空前絶後の影響を与えた。

[訳者: ] 亀山郁夫 Kameyama Ikuo 1949年生まれ。東京外国語大学長。ドストエフスキー関連の研究のほか、ソ連・スターリン体制下の政治と芸術の関係をめぐる多くの著作がある。著書に『磔のロシア』『熱狂とユーフォリア』『ドストエフスキー父殺しの文学』『「悪霊」神になりたかった男』『大審問官スターリン』ほか多数。

ドストエフスキー 『カラマーゾフの兄弟 〈3〉』(亀山郁夫 訳、光文社古典新訳文庫、2007年) '12/06/28
ドストエフスキー 『カラマーゾフの兄弟 〈2〉』(亀山郁夫 訳、光文社古典新訳文庫、2006年) '12/06/09
ドストエフスキー 『カラマーゾフの兄弟 〈1〉』(亀山郁夫 訳、光文社古典新訳文庫、2006年) '12/06/04
ドストエフスキー 『カラマーゾフの兄弟 〈5〉 エピローグ別巻』(亀山郁夫 訳、光文社古典新訳文庫、2007年) '08/08/13
ドストエフスキー 『カラマーゾフの兄弟 〈4〉』(亀山郁夫 訳、光文社古典新訳文庫、2007年) '08/08/12
ドストエフスキー 『カラマーゾフの兄弟 〈3〉』(亀山郁夫 訳、光文社古典新訳文庫、2007年) '08/07/29
ドストエフスキー 『カラマーゾフの兄弟 〈2〉』(亀山郁夫 訳、光文社古典新訳文庫、2006年) '08/07/20
ドストエフスキー 『カラマーゾフの兄弟 〈1〉』(亀山郁夫 訳、光文社古典新訳文庫、2006年) '08/07/04
亀山郁夫 『ドストエフスキー 父殺しの文学 〈下〉』(NHKブックス、日本放送出版協会、2004年) '08/06/05
亀山郁夫 『ドストエフスキー 父殺しの文学 〈上〉』(NHKブックス、日本放送出版協会、2004年) '08/06/03
亀山郁夫 『『カラマーゾフの兄弟』続編を空想する』(光文社新書、2007年) '08/05/31
亀山郁夫 『ドストエフスキー 謎とちから』(文春新書、2007年) '08/05/24





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本「低線量被曝のモラル」一ノ瀬正樹/伊東乾/影浦峡/児玉龍彦/島薗進/中川恵一5

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低線量被曝のモラル
低線量被曝のモラル

○編著者: 一ノ瀬正樹伊東 乾/影浦 峡/児玉龍彦島薗 進中川恵一
○出版: 河出書房新社 (2012/2, 単行本 351ページ)
○定価: 3,360円
○ISBN: 978-4309245782
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2011年に行われ、話題となった東京大学緊急討論会「震災・原発そして倫理」。
本書は、その参加メンバーである一ノ瀬正樹(哲学)、伊東乾(作曲・指揮)、影浦峡(情報媒体論・言語メディア論)、島薗進(宗教学)、中川恵一(放射線医学)が“低線量被曝”をめぐる論考を新たに書き下ろし、それに東京大学アイソトープ総合センター長の児玉龍彦(内科学・分子生物学)の論考を加え+緊急討論会での討論と新たな討論、併せて2本を収録した。
「安全」側、中川恵一氏と「慎重」側、児玉龍彦氏。異なる立場に立つ専門家二人をはじめ、自然科学から人文社会科学まで気鋭の学者たちが、広大な“低線量被曝”の問題を幅広く捉えた1冊!


≪目次: ≫
はじめに  一ノ瀬正樹

I 「安全」と医のモラル
一 がんと放射線  中川恵一
 1 がんと日本人
 2 一ミリシーベルトの意味
 3 世界の医療被曝大国
 4 がん医療の現場から
 5 数値の意味を考える
二 福島原発事故とは何か――逆システム学から  児玉龍彦
 1 チェルノブイリ膀胱炎――長期のセシウム137低線量被曝の危険性
 逆システム学とは?/原発事故/深刻化するセシウム137の汚染/セシウム137とは何か/チェルノブイリ膀胱炎/チェルノブイリの尿と福島の母乳のセシウムレベル比較/急がれる除染/現行法があわない――急がれる法体系の整備/被災者の立証は不可能である――東電、政府の責任/わが国の科学技術の粋を結集して――猿橋勝子博士の偉業に学ぶ
 2 チェルノブイリ原発事故から甲状腺がんの発症を学ぶ――エビデンス探索二〇年の歴史をたどる
 エビデンス論を問う/チェルノブイリ原発事故/小児甲状腺がん増加の原因をめぐる論争/エビデンスは地域全体の情報からしか得られない――検出力の低いアメリカ型メガスタディ/エビデンスという名の迷路――甲状腺がんだから明らかになった/極端な症例がリアルタイムの認識を支える
 3 「7q11変異」――チェルノブイリがんで見つかった被曝の足跡
 子どもと妊婦を守ろう/コピー数変異とは?/放射線によるチェルノブイリ甲状腺がん細胞では四割が7q11を三コピー持つ/田中尚博士のヒト細胞でのパリンドローム増幅機能の証明/深刻な福島でのヨウ素131被曝/補足――甲状腺へのセシウム集積について

補論 リスク評価とリスク管理の混同をめぐって  中川恵一
 1 放射線と発がんについての因果関係
 2 被曝量と発がんリスク
 3 低線量放射線被曝の動物実験
 4 リスク評価とリスク管理
 5 ICRP
 6 人類の財産としての「国際合意された科学的知見」
 7 広島とチェルノブイリ
 8 放射線被曝を避ける代償
 9 スクリーニング効果と過剰診断
 10 情報格差
 おわりに

II 「安全」の意味とは何か
一 科学者はどのようにして市民の信頼を失うのか?――放射能の健康への影響をめぐる科学・情報・倫理  島薗 進
 1 日本学術会議――「放射線の健康への影響や放射線防護分科会」
 2 「日本学術会議から海外アカデミーへの現状報告」
 3 日本学術会議会長談話「放射線防護の対策を正しく理解するために」
 4 放射線の健康への影響の楽観論とその根拠
 5 異論を排除する姿勢
二 安全の語りをめぐって  影浦 峡
 はじめに
 1 問題を整理する
 2 メディア/専門家の語りの社会的な機能
 3 政府/専門家の言葉の分析
 おわりに

III 「わからない」のはなぜか
一 シュレーディンガーのチェシャ猫は笑うか?――「確率的創発としての生命の問い」に向けて  伊東 乾
 1 量子力学誕生小史
 2 「観測問題」と因果性
 3 確率解釈と物理的実在
 4 シュレーディンガーの猫のパラドクス
 5 量子力学的染み出しとトンネル効果
 6 確率的現象としての「放射能」
 7 ルイス・キャロルの「チェシャ猫」
 8 低線量被曝するチェシャ猫
 9 区別すべき[不確定性]と「打率」の[確実性]
 10 チェシャ猫の教え「正しく怖がる放射能」
 11 確率的な死生観
 12 「時間よ、止まれ」除染するファウスト
二 因果関係とは何か――低線量被曝の因果関係をめぐって  一ノ瀬正樹
 1 偶然性と無常観
 低線量被曝という問題/必然と偶然
 2 因果律と確率
 原因と結果として見ること/因果関係の理想化/因果の規則性/確率的因果
 3 揺らぐ因果性
 共通原因の可能性/因果的先取、あるいは重複決定/シンプソンのパラドクス
 結び 叡智を集結するために
 三つの可能性

討論1 何を論ずべきか?  一ノ瀬正樹[哲学]/伊東 乾[作曲=指揮]/影浦 峡[情報媒体論・言語メディア論]/島薗 進[宗教学]/中川恵一[放射線医学]
「一ミリシーベルト」の意味/数値の根拠/「危険」と「安全」のメッセージ/不確実性と行政、そしてメディア/被曝と健康障害/「わからなさ」と医学/何をなすべきか/聴き手との対話
※本討論1は、2011年7月8日、「東京大学緊急討論会『震災、原発、そして倫理』」と題して行われた第六回応用倫理・哲学研究会の、五名の提題者によるシンポジウムの記録である(東京大学本郷キャンパスにて)。緊急討論会は、中川恵一・島薗進の発議に基づき、福島原発事故以後の未曾有の事態について、さまざまな角度から検討を加えるべく企画された。
討論2 何をなすべきか?  一ノ瀬正樹[哲学]/児玉龍彦[内科学・分子生物学]/島薗 進[宗教学]
汚染の実態は、距離では測れない/除染のさまたげになる法と制度/言論統制/シーベルトという単位の人為性/国家の論理から地域の論理へ――逆システム論/内部被曝という現実/ICRPって何?/自然放射線との比較/食品の問題と道徳のディレンマ/「原子力村」の構図/個々の症例にひそむメカニズム/疫学の問題点と未来予測/お母さんたちの革命
※本討論2は、2011年9月29日、緊急討論会(討論1)の企画者でもあった島薗進・一ノ瀬正樹が、除染活動に専念されている児玉龍彦より、主として実践的な問題点を訊くという趣旨で催された鼎談の記録である(東京都内のホテルにて)。

あとがき  島薗進


≪執筆者: ≫ 一ノ瀬 正樹 (いちのせ・まさき) 1957年生まれ。専攻、哲学。東京大学大学院人文社会系研究科教授。『原因と理由の迷宮』(双書エニグマ・勁草書房、2006)、『死の所有』(東京大学出版会、2011)、『確立と曖昧性の哲学』(岩波書店、2011)。

≪執筆者: ≫ 伊東 乾 (いとう・けん) 1965年生まれ。作曲家・指揮者。東京大学大学院情報学環准教授。著書に『さよなら、サイレント・ネイビー』(集英社、2006)、『指揮者の仕事術』(光文社新書、2011)、『サウンド・コントロール』(角川学芸出版、2011)ほか。

≪執筆者: ≫ 影浦 峡 (かげうら・きょう) 1964年生まれ。専攻、情報媒体論、言語メディア論。東京大学大学院教育学研究科教授。『The Dynamics of Terminology』(John Benjamins、2002)、『子どもと話す言葉ってなに?』(現代企画室、2006)、『3.11後の放射能「安全」報道を読み解く』(現代企画室、2011)。

≪執筆者: ≫ 児玉 龍彦 (こだま・たつひこ) 1953年生まれ。専攻、内科学、分子生物学。東京大学先端科学技術研究センター教授、東京大学アイソトープ総合センター長。『考える血管』(共著、講談社、1997)、『逆システム学』(共著、岩波新書、2004)。

≪執筆者: ≫ 島薗 進 (しまぞの・すすむ) 1948年生まれ。専攻、宗教学。東京大学大学院文学部教授。『いのちの始まりの生命倫理』(春秋社、2006)、『国家神道と日本人』(岩波新書、2010)。

≪執筆者: ≫ 中川 恵一 (なかがわ・けいいち) 1960年生まれ。専攻、放射線医学。東京大学医学部附属病院放射線科准教授、緩和ケア診療部部長(兼任)。『がんの練習帳』(新潮新書、2011)、『死を忘れた日本人』(朝日出版社、2010)、『放射線のひみつ』(朝日出版社、2011)。






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本「吉田茂と昭和史 (講談社現代新書1999)」井上寿一5

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吉田茂と昭和史 (講談社現代新書)
吉田茂と昭和史 (講談社現代新書1999)

○著者: 井上寿一
○出版: 講談社 (2009/6, 新書 296ページ)
○定価: 798円
○ISBN: 978-4062879996
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吉田茂(1878-1967)をとおして昭和史を再現する試み


戦後日本はこうしてつくられた
〈自立〉か〈協調〉か、〈自由〉か〈統制〉か――歴代首相の立ち位置は吉田との政治的距離で決まっている。今の日本政治は昭和の歴史から何を学ぶべきか。
吉田を知ることなく、今の日本を語ることはできない! 平和憲法サンフランシスコ講和日米安保――。戦後日本のかたちをつくった宰相と日本人たちのドラマを鮮やかに描き出す。


≪目次: ≫
序章 昭和のなかの吉田茂
今なぜ吉田茂なのか?/吉田茂との政治的な距離/吉田時代=連立政権の時代/昭和史を再現する意義/昭和史の構図

第I章 大陸の嵐のなかで
奉天総領事吉田茂/山東出兵/「満蒙特殊権益」をいかに守るか/内政干渉/予想外の展開/闊歩する「モボ・モガ」/注目を浴びる東方会議/二つの政策体系の対立/「対外政策綱領」/田中義一の訓令/進まない交渉/「二十一ヶ条の再来」/「不肖の息子」からの批判/勇み足/旅順会議/左遷/吉田と/「対満政策私見」/田中、吉田を外務次官に起用する/第二次山東出兵への批判/張作霖爆殺事件という挑戦

第II章 政党政治と外交――外交優位の体制を求めて
列国〈協調〉路線/不戦条約への参加/政友会対民政党/第一回普通選挙/女性票をめぐる争奪戦/〈昭和デモクラシー〉/不戦条約=違憲論/国内政治と対米外交の両立/中国政策をめぐる違い/済南事件の事後処理/災い転じて福となす/天皇の激怒/田中外交から幣原外交へ/謎の死/ロンドン海軍軍縮条約問題/「旅行は飛行機で」――消費社会を享受する上流階層/借金漬けの農漁民/平等化の選択/吉田の描いたシナリオ/苦い教訓/暗い予兆

第III章 危機の時代の外交官=吉田茂
ムッソリーニの振る舞い/満州事変の勃発/上海事変と満州国の建国/日本の「ファッショ」化/あとの祭り/国際連盟脱退/外交巡閲使として/政党の軍部批判/「消費生活の狂瀾」/欧州歴訪/「相当深き」疑惑/天皇機関説問題/現地軍の華北分離工作/「統制派」と「皇道派」/二・二六事件への冷ややかな視線/広田内閣の成立/吉田覚書/日独防共協定の悪影響/日中軍事衝突/強い危機意識/宇垣外相の使命/実用品の需要拡大/模範国としてのドイツ・イタリア/国家社会主義化の進展/ハル・ノート/戦争を支持しつづける国民

第IV章 復活を期して
「此の敗戦必ずしも悪しからず」/生きのびた官僚たちの戦後構想/農民の地位向上をもたらした食糧危機/財閥解体/「日本の男なんて」――自由と解放を実感する女性/降伏文書調印/復活を期す吉田と近衛/外相吉田の誕生/「宮殿下に御同情申上げる」/占領の現実/外交権を奪われた国の外相/「飛んでないもの」――憲法改正案/象徴天皇制と国民感情/地主への同情――農地改革/「行きすぎ」た改革――労働改革/「国際感覚」/屈辱的な任務/戦後構想の中心/〈自由〉経済から〈統制〉経済へ/二系統の情報

第V章 戦前を生きる戦後の吉田茂
戦前と変わらない勢力分布図/連立内閣の可能性/食糧メーデー/経済安定本部の設立/「左向け左」/「国体」は不変か/プラカード事件/吉田の「理想主義」対野坂の「現実主義」/冷戦の現実/降伏条件としての戦後改革/閣内からの挑戦者/吉田と社会党、GHQの接近/「不逞の輩」発言/マッカーサーに感謝する大衆――二・一スト中止/追い風/片山内閣の成立/「官僚支配と統制経済」対「民主政治と自由経済」/〈統制〉経済から〈自由〉経済へ/片山内閣対吉田/「憲政常道」論/短命に終わった芦田内閣/ナショナリズムの感情/吉田長期政権へ

第VI章 占領下の〈自由〉
講和と経済復興/自由主義経済の再興/ドッジのメッセージ/「ドッジ恐慌」下の「九月革命」説/「市民的自由というものはいいものだ」/まやかしの自由/アメリカへの複雑な思い/「われらが復讐記念日!」/ペンタゴンとアメリカ国務省/講和論争/大胆な譲歩案/「曲学阿世の徒」/反ソ感情/社会党左右両派の対立/国内における講和問題の解決/「日本と朝鮮半島の非武装化」/吉田=ダレス交渉/台湾か北京か

第VII章 敗戦国の〈自立〉
国連・平和憲法・安全保障/アメリカの対案/「極東条項」/ヴァンデンバーグ決議/日米安保条約の相互性/戦勝国と敗戦国の条約/サンフランシスコ講和/吉田の受諾演説/「おれひとり署名する」――日米安保条約の調印/「思いだしてもおもしろくない交渉」――日米行政協定交渉/国民の非難/不平等条約としての日米行政協定/アメリカの影――再軍備論者山田の慨嘆/「国民外交討論会」/神川彦松の批判/横田喜三郎の反論/平等性をめぐって/サンフランシスコ体制の擁護/経済的〈自立〉の問題と人民中国/東南アジア諸国の重要性/総選挙の真の争点/「朝鮮特需」の終わり/MSA交渉/長期政権末期の吉田/欧米歴訪の旅/GATTコロンボ・プラン/長期政権の終焉

終章 「吉田ドクトリン」のゆくえ
重光の安保改定交渉/日ソ国交回復ハンガリー事件の東南アジア開発基金構想/安保改定と憲法改正/「所得倍増計画」/「宰相吉田茂論」/吉田路線の確立/アメリカの覇権の後退/「吉田ドクトリンは永遠なり」/「戦後レジーム」への回帰/吉田茂の昭和が今日に示唆するもの

参考文献
吉田茂 年譜 (明治11/1878年9・22〜昭和42/1989年10・20)
あとがき (二〇〇九年五月 井上寿一)


≪著者: ≫ 井上寿一 (いのうえ としかず) 1956年東京都生まれ。一橋大学社会学部卒業。同大学院法学研究科博士課程などを経て、学習院大学法学部教授。法学博士。専攻は日本政治外交史。主な著書に、『危機のなかの協調外交――日中戦争に至る対外政策の形成と展開』(山川出版社、吉田茂賞)、『アジア主義を問いなおす』(ちくま新書)、『日中戦争下の日本』(講談社選書メチエ)、『昭和史の逆説』(新潮新書)がある。

井上寿一 『戦前日本の「グローバリズム」 一九三〇年代の教訓』(新潮選書、2011年) '12/08/11
井上寿一 『戦前昭和の社会 1926-1945』(講談社現代新書、2011年) '12/07/03
井上寿一 『戦前昭和の国家構想』(講談社選書メチエ、2012年) '12/06/23

袖井林二郎 編訳 『吉田茂=マッカーサー往復書簡集 [1945-1951] 』(講談社学術文庫、2012年) '12/08/17





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本「非アメリカを生きる  〈複数文化〉の国で (岩波新書1377)」室謙二5

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非アメリカを生きる――〈複数文化〉の国で (岩波新書)
非アメリカを生きる 〈複数文化〉の国で (岩波新書1377)

○著者: 室 謙二
○出版: 岩波書店 (2012/7, 新書 240ページ)
○定価: 798円
○ISBN: 978-4004313779
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United States of America
アメリカの、先住民、戦争、音楽、宗教、民族、ナショナリズム


八〇年代にアメリカへ移住し市民権をとった著者は、「何故アメリカ人になったのだ?」と問われ、その意味を考える。自分はどのアメリカに連なるのか? 最後のインディアンイシ」やマイルス・デイヴィスユダヤ人の友人たち――〈複数文化〉の国で「非アメリカ人」として生きた人びとのポートレートから、国と文化のあり方を問い返す。


≪目次: ≫
序章 オバマ時代の「アメリカ人」
ようこそ偉大なアメリカへ/非アメリカのアメリカ/どのアメリカ料理を食べるか?/歴史と空間と人びと

第一章 最後のインディアンが見たアメリカ ――アメリカの先住者
1 イシのまなざし
私はイシである/カメラを見つめる目/降参ではない/意識を保つ
2 文化人類学者たち
リベラリズムの登場/単語表のマジック/『イシ』批判/ホルマリン漬けにされた脳
3 本当のアメリカ人
誰も迷ってはいない/イシのダルマ/「あなたは居なさい。ぼくは行く」

第二章 ハンクとジャックはスペインに行く――アメリカの戦争
1 スペインの大義は私のものである
友よ、それでキミはどこに座るのか?/戦争のはじまり/私は戦争をしにスペインに行く/スペインの大義は私のもの
2 理想と英雄たち
ロスからニューヨークへ/機関銃砲座と黄疸/感情的な個人生活と政治/共産主義者たち/星条旗をひろげ国歌をうたいながら/理想主義なんて馬鹿げている/非英雄主義
3 アウトローたちの戦争
ジャック白井もコックであった/無学の理想主義者/日本人かアメリカ人か?/ハラマの歌/国際旅団はハラマに残り、自由のスペインを守る

第三章 マイルスジャズを演奏しない――アメリカの音楽
1 ニューオリンズの音楽
そんな曲は知っている/ラフカディオ・ハーンの耳/路上から響いてくる音/コスモポリタンの街、黒人の街/ブルースとラグタイムがやってくる/クレオールが黒人になる
2 マイルスの新しい音楽
新しい音楽へ/エレクトリックの音/ギターの意味/マイルスは新しいニューオリンズ
3 黒でも白でもかまわない
マイルスの平等主義/黒だろうが白だろうが/アフリカの音楽/アメリカの音楽

第四章 ビートたちのブッダと鈴木老師――アメリカの宗教
1 ビートたちのブッダ
ビートニクは反アメリカである/『ザ・ダルマ・バムズ』/怠け者のタワゴト/偽のお経を作る/ケルアックの浅い理解?/緑茶にしておけ
2 亀の島の仏教
シェラネバダのふもとの禅/道の道とすべきは、常の道にあらず/亀の島が戻ってきた/出エジプト記を書きかえる
3 英語の仏教、漢字の仏教
鈴木老師の登場/口語英語による道元/分かりやすい仏教・分からない仏教/それは悟りと言える、だが忘れた方がいい/お寺は私たちのものだ/日本の仏教/デモクラシーの仏教/仏教学者から見ると/アメリカは仏教国になる/すべてのことが変わるとしたら

第五章 ハムサンドを食べるユダヤ人――アメリカの民族
1 生き延びる技術
偽ユダヤ人の人気/毎日会う人/子供たちのトーラ解釈/バーンスタインのテレビ番組
2 屋根の上のバイオリン弾き
それは神さまのさだめである/しきたりとは何か/脱出の物語/トラディションの二重性/舞台から映画へ/神のご加護があるように
3 「非アメリカ的アメリカ人」とは
ハムサンドを食べるユダヤ人/非ユダヤ的ユダヤ人/非アメリカ的アメリカ人/約束の地/アメリカ、アメリカ/君はシカゴに行く、私はニューヨークに行く

終章 ナショナリズムから離れて
史記』とアメリカ/列伝として/金子光晴と震災/単一民族国家の信仰/大正デモクラシーと戦後民主主義/二分法ではなく

あとがき (二〇一二年六月  室 謙二)

図版出典/所蔵元一覧


≪著者: ≫ 室 謙二 (むろ・けんじ) 1946年東京生まれ。大学在籍中からベ平連(「ベトナムに平和を! 市民連合」)に参加。フリーランスの書き手として活躍、雑誌『思想の科学』編集代表などを務めたあと、80年代後半からアメリカに住み、市民権を取得。旅行記、政治論、文学批評、伝記等のほか、コンピューター、出版、音楽、料理など幅広いテーマを論じる。著書、『旅行のしかた――内側からタマゴを割る』、『アジア人の自画像』、『踊る地平線――めりけんじゃっぷ長谷川海太郎伝』(以上3点、晶文社)、『コンピューター文化の使い方』(津野海太郎氏と共著、思想の科学社)、『天皇とマッカーサーのどちらが偉い』(岩波書店)。






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本「訳注「淮南子」 (講談社学術文庫2121)」池田知久5

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訳注「淮南子」 (講談社学術文庫)
訳注「淮南子」(えなんじ) (講談社学術文庫2121)

○著者: 池田知久
○出版: 講談社 (2012/7, 文庫 448ページ)
○定価: 1,365円
○ISBN: 978-4062921213
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総説(各篇の冒頭)、読み下し、現代語訳、原文、注釈、解説


淮南劉安(前一七九〜前一二二)が招致した数千の賓客と方術の士に編纂させた思想書『淮南子(えなんじ)老荘思想を中心に、儒家兵家法家墨家思想も取り入れた紀元前の中国における、知の百科全書である。前漢武帝に愛秘されたが、実際はその思想性よりも芸文性の高さが評価されていた。魅力溢れる『淮南子』の全貌を、コンパクトな形で紹介する。


≪目次: ≫
始めに
編訳の方針

巻第一 原道(げんどう)
 1 道(みち)とはどういうものか
 2 大昔、二人の皇(かみ)が世界を創造した
 3 道は人間の力を超えた根源的なもの
 4 御者(ぎょしゃ)の名士たちは宇宙を駆けめぐった
 5 小技(こわざ)に頼ってはならない
 6 物の自然な本性を尊重しよう
 7 一(いち)と道(みち)の関係について
巻第二 俶真(しゅくしん)
 8 宇宙生成の始めについての考察
 9 物の転化としての生と死
 10 聖人(せいじん)の学問
巻第三 天文(てんもん)
 11 天地創造
 12 天地に関する現象と天人感応説(てんじんかんのうせつ)
巻第四 墬(地)形(ちけい)
 13 大地の全体的なイメージ
 14 遥(はる)かなる崑崙(こんろん)の丘を訪(たず)ねて
 15 八殥(はちいん)・八紘(はちこう)・八極(はちきょく)から成る大地
巻第五 時則(じそく)
 16 一月の時令(タイムリーな政令)
巻第六 覧冥(らんめい)
 17 同類の物が感応(かんのう)し合うメカニズム
 18 黄帝(こうてい)と虙戯(ふくぎ)の黄金時代
 19 現代政治の課題と展望
巻第七 精神(せいしん)
 20 人間の精神の由来について
 21 天地自然と人間の深いつながり
 22 精神の不滅について
 23 精神を煩(わず)わさないために
巻第八 本経(ほんけい)
 24 仁義・礼楽(れいがく)よりも神明(しんめい)・道徳を
 25 私の夢みるユートピア
巻第九 主術(しゅじゅつ)
 26 君主が採用すべき統治の方法
 27 太古の神農(しんのう)の政治と末世の政治
 28 法とは何か
巻第十 繆称(びゅうしょう)
 29 人の心の誠実さについて
巻第十一 斉俗(せいぞく)
 30 道徳が失われて礼楽(れいがく)が生まれた
 31 時代が異なれば物事(ものごと)も変わる
 32 聖人が法を作った根本を求めよ
 33 諸子百家はいずれも道に合致している
巻第十二 道応(どうおう)
 34 小人(しょうじん)は大人(たいじん)に及ばず、小知は大知に及ばず
巻第十三 氾論(はんろん)
 35 法律・制度は民衆の状態に応じて
 36 ただ古代を称(たた)えるだけではいけない
 37 是非は固定した絶対のものではない
 38 禹王(うおう)より現代に至る価値観の変遷
巻第十四 詮言(せんげん)
 39 知恵と能力の否定
 40 名声と道の対立関係について
巻第十五 兵略(へいりゃく)
 41 戦争の目的と原因
 42 軍備はなぜ必要か
 43 三つの勢いと二つの権(はか)りごと
巻第十六 説山(せつざん)
 44 魄(はく)と魂(こん)の問答――道について
巻第十七 説林(せつりん)
 45 説話の数々
巻第十八 人間(じんかん)
 46 全ては人の心によって決定される
 47 事業を成功させるキー・ポイントは知慮
 48 似て非なるものの識別法
巻第十九 脩務(しゅうむ)
 49 古代の聖人たちは無為ではなかった
 50 帝王のポストの設けられた理由
 51 私の考える無為と有為
巻第二十 泰族(たいそう)
 52 同類のものは感応し合う
 53 天と人の間の通じ合う仕組み
 54 聖人が社会の精度を定めたやり方
巻第二十一 要略(ようりゃく)
 55 本書『淮南子』を著わした目的
 56 本書『淮南子』に帝王の道が完備している
 57 事物について多くの言葉を費やす理由
 58 中国思想の歴史――その内容と条件
 59 本書『淮南子』の絶対性

『淮南子』関連論著目録 (一九八六年七月初稿、二〇一二年四月第二稿)

解説 『淮南子(えなんじ)』の成立――前漢初期の政治と思想の中で
一 序言
二 高誘(こうゆう)「淮南鴻烈解除(わいなんこうれつかいじょ)」の検討
三 淮南王の入朝と『淮南内篇』の献上
四 即位初年における武帝の好み
 (一) 武帝の「芸文」好き/(二) 武帝は儒教一尊ではなかった/(三) 儒教もピンからキリまである/(四) イデオロギーとしての儒教重視
五 呉楚七国(ごそしちこく)の乱と淮南王
六 淮南王の転身――儒教へのシフト
七 景帝期の淮南王
 (一) 景帝の学問・人材登用の姿勢/(二) 景帝の学問・人材登用の代表例/(三) 黄老ファンの竇太后と景帝/(四) 隠忍自重する淮南王
八 『淮南子』の編纂
九 結語
 (一) 『淮南子』の受け止められ方/(二) 『淮南子』の重大な意義

後書き (二〇一二年六月 東京練馬の寓居において 池田知久)


※カバー写真「戦争場面飾蓋付銅鼓形銅貯貝器」(前漢)

※本書の原本『淮南子 知の百科』は、小社より一九八九年に刊行されました。文庫化にあたり、全面的に改稿し関係論著目録も大幅に増やしました。


≪著者: ≫ 池田知久 (いけだ ともひさ) 1942年生まれ。東京大学文学部卒業。同大学院博士課程中退。東京大学教授、大東文化大学教授などを歴任。東京大学名誉教授。専門は中国思想。編著書に『馬王堆漢墓帛書五行篇研究』『諸子百家文選』『老荘思想』『郭店楚簡儒教研究』『占いの創造力 現代中国周易論文集』『老子』『中国思想文化事典』(共編)などがある。






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本「四季の地球科学 日本列島の時空を歩く (岩波新書1379)」尾池和夫5

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四季の地球科学――日本列島の時空を歩く (岩波新書)
四季の地球科学 日本列島の時空を歩く (岩波新書1379)

○著者: 尾池和夫
○出版: 岩波書店 (2012/7, 新書 240ページ)
○定価: 798円
○ISBN: 978-4004313793
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地震と噴火は日本列島を生み出し、今も刻々とその相貌を変えている。気候変動が進行する現代に、四季の変化をもたらす天の運行、大地の動き、生態系の成立ちを考えてみよう。大地の生い立ちを現場で学ぶ、日本と世界のジオパークも紹介。日本列島が生まれ育った数億年の時空を歩き、各地に提供される恵みとともに愉しむ。


≪目次: ≫
はじめに
松島の月/日本列島の紀行文/数億年の時空/四季のことば/名所はなぜ名所になったか/ジオパーク

第一章 太陽と地球と月と
 〜〜 菜の花や月は東に日は西に 蕪村
四季のある国
東南アジアの夏/理科年表/霞たなびく/黄砂/砂漠とシルクロード
宇宙の中の地球
太陽が連星だったら/系外惑星/太陽のエネルギー/水と生命/地球外生命/地軸の傾き
月の贈り物
月は地球の娘?/大きな衛星/朝の潮、夕方の汐/干潟のムツゴロウ/減少する砂浜と干潟/大潮、小潮/瀬戸内海/汽水域
天・地・人を結ぶ暦
太陰太陽暦/二十四節気と閏月/太陽暦/旧暦から新暦へ/暦と四季/改暦と忌日/蕪村の月/山家鳥虫歌
コラム 日本のジオパーク1――火山活動
洞爺湖有珠山ジオパーク島原半島ジオパーク

第二章 地震と噴火の日本列島
 〜〜 五月雨をあつめて早し最上川 芭蕉
地震がもたらす山と川
最上川/日本の山はなぜ高い?/地震と都市の関係/地震と火山が支える日本列島/桜と活断層/二〇一一年の桜
変動帯に暮らす
関雪桜/峠を越えて/プレート運動/プレートと地震/プレートと火山/パリと京都/日本で生まれた地震学/東アジアの変動帯/二〇〇八年チベット大地震/変動帯の文化/酒、甘酒/夏こそ「涼し」
風景と記憶
消える記憶/山の風景/海岸の風景
地震と津波に備える
地震の予言/神戸市の教訓/地震火山庁を提案します/阪神・淡路大震災以後/津波てんでんこ/津浪と人間/地震と原子力発電所/歴史の思考実験
将軍塚鳴動
方丈記の大地震/土御門家の地震予知/地震の歴史/地震の活動期/これからの日本の地震
コラム 日本のジオパーク2――大構造線
糸魚川ジオパーク

第三章 森と里と海の国
 〜〜 紅葉の錦神のまにまに 菅家
紅葉と名月
葉が赤くなる仕組み/紅葉の化石/紅葉前線/二夜の月/上弦と下弦/なぜ月は秋か/スーパームーン
森と里と海のつながり
森は海の恋人/放置される人工林/はげ山の変貌/緑の水と青の水/日本製の漢字
自然と文化
日本の木/月の桂/錦帯橋/伝統と技術/四季と五時/使われなくなる色の名/保存か改革か/冬の虹、夜の虹
大地と生き物の豊かさ
日本の海の多様性/イギリスの鯨/ジオ多様性/山の風景/アルプス東西考/日本の端点/日の出と日の入り/世界で最初に新年を迎える国
コラム 日本のジオパーク3――日本列島の拡大と付加体
山陰海岸ジオパーク

第四章 日本海と日本列島
 〜〜 富士の高嶺に雪は降りける 山部赤人
日本海と雪
豪雪地帯/中緯度の沿海/日本海の成り立ち/日本海の火山と鉱床/黒潮と親潮/海と気候
日本列島の成り立ち
日本列島はどこから/プレートに乗って/花崗岩のいろいろ/四三〇〇万年前/西南日本と東北日本/諏訪湖/吉野山/付加体
変動する気候
地球の温室時代/氷期と間氷期/氷河時代はなぜ起こるか/氷期を生きのびる/壱岐と山陰海岸
地球温暖化と天気
海面上昇/「日本の平均気温」とは/真夏日、熱帯夜、猛暑日/観測所の来歴/積雪/晴れの多い県/富士山の雪
コラム 日本のジオパーク4――付加体
室戸ジオパーク

終章 ジオパークの愉しみ――見る・食べる・学ぶ
ジオツーリズム/ジオパークとは/日本語の「ジオパーク」/日本のジオパーク/宮沢賢治/大震災に学ぶ/世界のジオパーク/美しい化石を残す

参考文献


≪著者: ≫ 尾池和夫 (おいけ・かずお) 1940年東京生まれ。土佐高等学校卒業、京都大学理学部地球物理学科卒業。京都大学理学博士。1988年京都大学教授、2003〜08年京都大学第24代総長。2008年より日本ジオパーク委員会委員長。専攻、地震学。国際高等研究所所長。著書、『中国の地震予知』(NHKブックス)、『日本地震列島』(朝日新聞社)、『変動帯の文化』(京都大学学術出版会)、『新版 活動期に入った地震列島』 『日本列島の巨大地震』(以上、岩波科学ライブラリー)など。






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本「吉田茂=マッカーサー往復書簡集 [1945-1951] (講談社学術文庫2119)」袖井林二郎 編訳5

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吉田茂=マッカーサー往復書簡集 [1945-1951] (講談社学術文庫)
吉田茂=マッカーサー往復書簡集 [1945-1951] (講談社学術文庫2119)

○著者: 袖井林二郎 編訳
○出版: 講談社 (2012/7, 文庫 568ページ)
○定価: 1,628円
○ISBN: 978-4062921190
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マッカーサーMacArthur)の二千日
占領下の日本、1945-1951、英語で交わされた書簡外交の記録190、詳細な解説が付される


「戦争で負けても外交で勝つ」ことをモットーにした吉田茂は、マッカーサーとの外交に最大のエネルギーを注いだ。それが占領下日本における政治のすべてだからであった。存在さえも隠されていた幾多の書簡は、息詰まる折衝の全容を明らかにする。何を護持したかったのか? いったい何が、保守できたのか? 孤軍奮闘、臣茂。民主改革、阻むため。


≪目次: ≫
序文 ジョー・B・ムーア(カナダ・ヴィクトリア大学歴史学教授)

第一部 [解説]占領下の書簡外交
はじめに
1 前史および幣原首相の役割
2 史料の存在形態
3 第一次吉田内閣
追放解除の要請/石橋とマーカットの対立/手のうちを明かす/追放基準の拡大――地方レベルへ/追放基準の拡大――経済界へ/大逆罪の廃止と臣茂の反撃/憲法の検討と総選挙/国内経済安定と追放解除/最高裁人事と別れと
4 片山内閣
武徳会追放と警察制度改革/経済力集中排除と炭鉱国管
5 芦田内閣
芦田のスタイル/国家公務員法改正を指示
6 第二次吉田内閣
7 第三次吉田内閣
逆コースに棹さす吉田/電波監理委員会をめぐって/地方自治の原理をめぐる争い/池田蔵相訪米の波紋/レッドパージの開始/電力事業再編成案をめぐって/別れ――そして残されたもの
おわりに (一九九九年一二月二〇日)

第二部 書簡篇[日本語訳]
凡例
VIPファイル/SCAPオフィシャル・コレスポンデス/SCAPミリタリイ・セレクタリイ・ファイル/JWP/NAIIファイル/日本政治の再編成II/ESSファイル/GII文書/民政局ファイル/外交記録/『ライフ』
書簡一覧
1 前史(吉田外相時代)
(1). 1945年12月22日 吉田→マッカーサー 〜〜 (6). 1946年5月15日 吉田⇔マッカーサー
2 第一次吉田内閣期
1. 1946年5月29日 吉田→マッカーサー 〜〜 59. 1947年5月24日 吉田→マッカーサー
3 片山内閣期
60. 1947年5月29日 片山→ホイットニー 〜〜 72. 1948年1月27日 ホイットニー→片山
4 芦田内閣期
73. 1948年3月 芦田→マッカーサー 〜〜 90. 1948年7月24日 芦田→マッカーサー
5 第二次吉田内閣期
91. 1948年10月17日 マッカーサー→吉田 〜〜 105. 1949年2月4日 マッカーサー→吉田
6 第三次吉田内閣期
106. 1949年2月14日 吉田→マッカーサー 〜〜 184. 1951年4月14日 吉田→マッカーサー

文庫版あとがき (二〇一二年初夏 袖井林二郎)


※本書の原本は二〇〇〇年に法政大学出版局より刊行されました。原本には書簡の英語正文が収録されています。


≪編訳者: ≫ 袖井林二郎 (そでい りんじろう) 1932年、宮城県生まれ。1956年、早稲田大学大学院政治学研究科修士課程修了。1964年、カリフォルニア大学ロサンゼルス校大学院にてM.A. in Polotical Science 取得。1976年、法政大学法学部教授。1999年、法政大学名誉教授。著書に『マッカーサーの二千日』『夢二のアメリカ』『拝啓マッカーサー元帥様――占領下日本人の手紙』などがある。


ジョン・ダワー 『増補版 敗北を抱きしめて 〈下〉 第二次世界大戦後の日本人  Embracing Defeat: Japan in the Wake of World War II, 1999 』(三浦陽一/高杉忠明/田代素子 訳、岩波書店、2004年) '11/12/19
ジョン・ダワー 『増補版 敗北を抱きしめて 〈上〉 第二次世界大戦後の日本人  Embracing Defeat: Japan in the Wake of World War II, 1999 』(三浦陽一/高杉忠明 訳、岩波書店、2004年) '11/11/28






ぼくが暑中見舞のハガキ(24夏葉書)を郵便局で購入したのは6月5日のことで4種類のデザインを各3枚で計12枚、600円也。そう、暑中見舞が残暑見舞に切り替わるとされるのはイッパンに立秋のころのようで、今年の立秋は8月7日だったようだ。購入時のレシートともに12枚がキレイにのこったまま、あぁ。ときが経つのははやい、というか、確実に着実に経過する、経過していく、アタリマエのように待っていてはくれない。時間が止まってしまったら、それはそれでタイヘンなことかもしれない、間違いなく、ぼくなんかの都合にあわせてじかんの経過は止まってしまったり早くなったり遅くなることはないであろうし、もしも、ぼくななんかの都合にあわせて時間の経過が変わる止めることができたとしても早くなったとしても遅くなったとしても、どうなんだろう、そのことによる弊害、というのか、トウゼンに、ぼくひとりだけの時間ではないのだから、みんなで共用している共通に使っている時間なのだから、そう考えるには気が重い、責任重大にすぎるだろう、などと。ところでたとえばときに、ぼく以外の他人がじぶん勝手な身勝手で好き勝手をすることは、ぼくじしんを含めて往々にして意識して無意識のうちにないものではない。とはいえ、やっぱり、そりゃ腹が立たないものでもないけれども、だから、ひとしきり腹を立てた後には、まぁ仕方がないだろうなぁとは思う、いろいろなその人その人に固有の事情がないものでもないだろうことは想像できないものでもない、だからといって、ゆるす、というのではない、でもでも、とどのつまりは、仕方がない、だろうと思うにいたる。すくなくともぼくには、どうすることもできない、他人のことはよく分からない、もっと言うと、じぶんじしんのこともよく分からない


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本「図説 エジプトの「死者の書」 (新装版、ふくろうの本・世界の文化)」村治笙子/片岸直美 文、仁田三夫 写真5

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図説 エジプトの「死者の書」 (ふくろうの本/世界の文化)
図説 エジプトの「死者の書」 (新装版、ふくろうの本・世界の文化)

○著者: 村治笙子/片岸直美 文、仁田三夫 写真
○出版: 河出書房新社 (2012/7 新装版; 初版 2002/5, 単行本 127ページ)
○定価: 1,890円
○ISBN: 978-4309761954
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紀元前3000年前は、いまから5000年前



死者は来世で永遠に生き、私たちを彼岸から見守る――古代エジプトで墓の副葬品だった置かれた呪文や経文の巻物「死者の書」の決定版。大英博物館 古代エジプト展に合わせて新装版で復活。


≪目次: ≫
古代エジプトの王朝表
エジプト全図

序章 「呪文」で探る古代エジプト人の彼岸
古代エジプト人の経文/王のための呪文『ピラミッド・テキスト』/棺に書かれた『コフィン・テキスト』/『死者の書』の出現/『死者の書』の呼称と研究/さまざまな呪文/『死者の書』の翻訳/呪文の力への期待/ナイルの民の死生観/葬儀の日
コラム オシリス神話
穀物を育てる神/冥界の王/オシリスの名前/オシリスの支配する冥界とは?

第一章 西方へ旅立つものとの別れ
1 呪文1――埋葬の日の呪文
オシリスの国に入る死体/ナイル河を渡る/西方の女神アメンテトの前で
2 呪文23――開口の儀式の呪文
来世で口が使えるように/死者の後継者が行う
コラム セム神官の表現いろいろ

第二章 来世で守られる死者
1 呪文151――守護神たちの呪文
バーが自由に動けるように/ミイラをつくる神アヌビス/オシリスの妹イシスとネフティス/内臓を守護するホルスの息子たち/死者のための「ジェド柱」と「灯明」の護符
2 呪文6――シャブティを働かせる呪文
ミイラ形の彫像
コラム 『死者の書』に書かれた神々の名前のヒエログリフをさがそう。
ヒエログリフの伝統/「決定詞」をさがす
コラム オシリスの表現いろいろ

第三章 太陽信仰の世界
1 呪文15――天の東の地平線に昇るときの太陽神ラーへの礼拝
太陽の再生/幸いなるかな、太陽神ラーよ
2 呪文17――死ののちに起き上がるために唱えられるべき呪文の始まり
ふたたび目覚めるために/セネト・ゲーム/バー鳥への変身/地平線の神々/ベヌウ鳥/遺体の守護/ヘフ神と「海」/冥界の入り口/ホルスの聖なる眼と天の牡牛/ホルスの四人の息子/オシリスとラーの合体/太陽神ラーの戦い/東の空への出現
3 呪文18――トト神への礼拝
身の潔白を証言してくれるもの
コラム 古代エジプトの神話
ヘリオポリスの天地創造神話(ヘリオポリスの九柱神/原初の丘)/メンフィスの天地創造神話(主神プタハ)/ヘルモポリスの天地創造神話(中部エジプトの創造神)/クヌム神の神話(羊頭の創造神)
4 呪文100――死者がラーの聖船に乗船するための呪文
完全なるアクとなって/ラーの聖船の神々
※ちょっとだけヒエログリフ(イアブテト「東」/アメンテト「西」)
5 呪文136B――炎の輪を通るためにラーの大船で高校するための呪文
天の大河を渡る
※ちょっとだけヒエログリフ(マンジェト「昼の船」/メスケテト「夜の船」)
6 呪文149――神々の国の十四の領域
天上世界の空間/何もかもが巨大なイアルの野/期待される来世とは

第四章 自由なバー
1 呪文64――日の下に現れ出るための呪文
鳥の姿で描かれたバー/自由に墓地を出入りする
※ちょっとだけヒエログリフ(ケレト・ネチェル「墓地」/ジュウ「砂漠」/ル エン「〜の呪文」/バー「(あえて訳すと)魂」/アク「(あえて訳すと)聖霊」)
2 呪文59――空気と水を得るための呪文
ナイルの水と帆
3 呪文105――死者のカーを満足させるための呪文
冥界の神から供物をもらう/生命力を維持するカー
4 呪文61――バーが奪われないための呪文
死者を待ち受ける困難/死者を救う呪文
5 呪文108――西方のバーたちを知る呪文
神たちのバー
6 呪文83――不死鳥に変身する呪文
望んだものに変身
コラム パピルスとロータス
ナイルの流れの形に似た植物/太陽神の聖花ロータス/若さと喜びの象徴パピルス

第五章 オシリス神の死者の裁判
1 呪文125――真理の間に入るときに唱えられるべき言葉
オシリスとの対面/罪の否定告白/死者の裁判/陪審の神々への懇願
※ちょっとだけヒエログリフ(ウセクト・ネト・マアティ「二つの真理の間」/ジャジャト「法廷、法廷につどう神々)
2 呪文30――心臓に反抗させないための呪文
人間の感情・思考の源=心臓/心臓に懇願する
3 呪文94――トト神から水差しとパレットを手に入れるための呪文
神の秘密に通じるもの/腐敗をのりこえる
コラム ヒエログリフに挑戦 呪文94を読んでみよう!!
『死者の書』呪文94 ネフェルタリ王妃の墓
4 呪文14――神の心から怒りを取り除くための呪文
神が好意的でありますように
5 呪文144――オシリスの国に入る門を守る七つの門番たちへの呪文
七つの門の門番の神々
6 呪文146――オシリスの国に入る門を通るときに唱えられるべき呪文
二十一の門の門番の神々/二つの来世観

第六章 来世での至福の生活
1 呪文99――渡し舟を手に入れるための呪文
あの河を渡るために/私の名前を言え
※ちょっとだけヒエログリフ(セケト・ヘテプ「供物の野」/セケト・イアル「イアルの野」)
2 呪文110――イアルの野で生きるための呪文
現世と変わらない生活を/最後の、あの世の楽園
コラム ナイル河の豊かな恵み――古代エジプトの生活
あの世の生活への準備(収穫する/家畜を飼う/魚を捕る/貯蔵する/技を極める/生を謳歌する)
3 呪文185――オシリス神への礼拝
死者の国の支配者オシリス/復活への期待
4 呪文186――ハトホル女神への礼拝
『死者の書』の最後を飾る/死者の国の守護女神

世界の有名な『死者の書』
アニのパピルス/ヌのパピルス/ネブセニィのパピルス/マイヘルペリのパピルス/ユヤのパピルス/ケンナのパピルス/ナクトのパピルス/フネフェルのパピルス/ネフェルレンペトのパピルス/アンハイのパピルス/ピネジェム1世のパピルス/イウフアンクのパピルス

あとがき (二〇〇一年十一月 村治笙子)

本書で扱われた『死者の書』の呪文一覧
参考文献


≪本文執筆: ≫ 村治笙子 (むらじ・しょうこ) 本名、斉藤笙子。1947年、東京都生まれ。東洋大学文学部西洋史学科卒業。エジプト学専攻(特に、古代エジプトの宗教および壁画の研究)。日本オリエント学会、西アジア考古学会、ナイル・エチオピア学会、沙漠学会、古代エジプト研究会正会員。共著に『古代エジプト文字便覧』『ルクソール讃歌』『古代エジプトの壁画』『ナイルの遺産』『ナイルに生きる人びと』『図説 古代エジプト 1・2』ほか。
本書執筆=序章、第一章、第二章、第四章

≪本文執筆: ≫ 片岸直美 (かたぎし・なおみ) 1956年、東京都生まれ。東京女子大学文理学部西洋史学科卒業。エジプト学専攻(特に、王墓や王妃墓、私人墓の壁面装飾の比較研究)。日本オリエント学会、西アジア考古学会、古代エジプト研究会正会員。共著に『ナイルの遺産』『ナイルに生きる人びと』『図説 古代エジプト 1・2』ほか。
本書執筆=序章コラム、第三章、第五章、第六章、世界の有名な『死者の書』

≪写真: ≫ 仁田三夫 (にった・みつお) 1924‐2009年。埼玉県川口市生まれ。東京写真工業専門学校(現東京工芸大学)卒業。写真家。著書に『古代エジプト壁画』『ルクソール讃歌』『エジプト古代文明の旅』『百門の都テーベ』『古代エジプトの壁画』『図説 古代エジプト』ほか多数。






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なんだかんだと(なにはともあれ)、やっぱり、この健康なカラダに感謝♪、父さん母さんアリガトウ、、、連日の猛暑にくわえて、いろいろ不安定なことがおおくて反応が過剰に振れるようなこともすくなくなくって、前夜の就寝はずるずると23時を半時間くらいは過ぎていて、とはいえ目覚まし代わりの携帯電話のタイマーを4:32にセットしたのは、真夏の太陽が高くなってから強い陽射しの下でのトレーニングを避けたいこと、混雑を他人との接触を避けたいこと、いちにちを有効に活用したいこと、そのためには睡眠時間が多少不足気味であったとしてもなんとかならないものでもないだろう、などと考えてのことなのだが、熱帯夜だから、暑くて目が覚めたのが一度目が3時半すぎで放尿して麦茶で水分を摂取して、しかしさすがに日の出前の暗い道のランはなにかと危険だろうことから、布団に身を横たえて寝た、しかしどうにもゆっくり寝ていられないようで反応が過剰気味であることを自覚しながら仕方がない、4時すぎには体を起こしてしたくをはじめた。5:00に部屋を出て、きょうはすこし風がある、などとマイナスなことが頭をよぎるときは気分が乗っていないサインであり、それは睡眠が不足気味であることも要因のひとつであろう、などと考えながらも、なにはともあれ、いちど走り出したらペダルをクルクルただひたすらにまわして自力で自室にたどり着かなければならないのだから、もちろん嫌なら止めればいいだけのことで、どうしても無理だったら無理をしないで自転車はどこかに預けてでも公共交通機関を使ってでも帰って来れないことはないだろうけれど、、、さて、甲州街道を大垂水峠へと向かう京王線の高尾山口駅を過ぎたあたりはタマアジサイね、まだタマが見れて、薄紫色のちいさな花も見れる、やっぱりウレシイ、、、スピードは上がらない、しかし、休むような休憩をしようとかいうような考えはなかったなぁ、ボンヤリしながらも、ただただ足だけはペダルをクルクルまわすまわすまわす、結局ノンストップで自室にたどり着いたのは8:57、なんと所要時間は前回(8/2)と同じ3時間57分、意外にも4時間をわずかに切った、しかしどうなんだろう、自分で言うのも可笑しい(ぼくにはフツーが他人のことがよくわからない)のだが、いま42歳のぼくは若さのパワーやスピードには明らかに老化して退行して劣るであろうけれども、およそ88kmの距離をクロスバイクで4時間近く運動を持続させることができる、まぁ、健康ということだろうとおもう



本「地球白書 2011-12 アフリカ大飢饉を回避する農業改革  State of the World 2011: Innovations that Nourish the Planet 」ワールドウォッチ研究所5

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地球白書 2011ー12―ワールドウォッチ研究所
地球白書 2011-12 アフリカ大飢饉を回避する農業改革  “State of the World 2011: Innovations that Nourish the Planet”, A Worldwatch Institute report on progress toward a sustainable society

○著者: ワールドウォッチ研究所、エコ・フォーラム21世紀 日本語版監修、環境文化創造研究所 日本語版編集協力
○出版: ワールドウォッチ・ジャパン (2012/7, 単行本 384ページ)
○定価: 2,993円
○ISBN: 978-4948754423
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農業改革(土壌の地力喪失とか)の問題があって、飢饉(食料不足とか)の問題があって、海外勢力による農地争奪と農業投資やらなんかの問題だって、ある


目次: ≫
本書に寄せて (「食料への権利」に関する国連特別報告官 オリビエ・デ・スキュター)
はじめに (ワールドウォッチ研究所 所長 クリストファー・フレイヴィン)
アフリカ地図
環境界の一年間の主要動向  State of the World: A Year in Review

第1章 飢餓のない世界を築くための展望  Charting a New Path to Eliminating Hunger; Brian Halweil and Danielle Nierenberg
〈現場から〉 バランスの取れた農業開発支援を強化する  Measuring Success in Agricultural Development; David J. Spielman and Rajul Pandya-Lorch; International Food Policy Reseach Institute

第2章 エコアグリカルチャーを農業の主流に  Moving Ecoagriculture into the Mainstream;Louise E. Buck is director of the Landscapes Program at EcoAgriculture Partners and a faculty member at Cornell University. Sara J. Scherr is president and CEO of EcoAgriculture Partners.
〈現場から〉 マダガスカルにおけるコメの品種改良の改革  Inovations in Rice Breeding in Madagascar; Xavier Rakotonjanahary; Nationnal Center for Rural Development

第3章 野菜の栄養的・経済的可能性を活かす  The Nutritional and Economic Potential of Vegetables; Abdou Tenkouano is director of AVRDC-The World Vegetable Center's Regional Center for Africa in Arusha, Tanzania.
〈現場から〉 学校農園で展開される改革   Developing Innovations in School Cultivation; Edward Mukiibi and Roger Serunjogi; Project DISC
〈現場から〉 「アフリカの緑の革命」を目指す「一エーカー基金」  The One Acre Fund Puts Farmers First; Stepphanie Hanson; One Acre Fund

第4章 農業における水生産性を改善する  Getting More Crop per Drop; Sandra Postel is Director of the Global Water Policy Project, which is based in New Mexico.
〈現場から〉 ウォーター・ハーベスティング  Rainwater Harvesting; Maimbo Malesu; International Center for Research in Agroforestry

第5章 農業の研究開発を農業者が主導する  Farmers Take the Lead in Reseach and Development; Brigid Letty is an agricultural development specialist and animal scientist at the Institute of Natural Resources in South Africa. Qureish Noordin is project coordinator for the Transboundary Water for Biodiversity and Human Health in the Mara River Basin Project at the Lake Victoria Basin Commission. Saidou Magagi is a crop scientist with the National Agricultural Reseach Institute of Niger. Ann Waters-Bayer, an agricultural sociologist, is with EcoCulture at the ETC Foundation in the Netherlands.
〈現場から〉 ザンビアにおける穀物輸出禁止政策  Grain Trading Zambia; Jan joost Nijhoff; Ghana Country Office, World Bank

第6章 アフリカが直面する「土壌の地力喪失」と「大飢饉」   Africa's Soil Fertility Crisis and the Coming Famine; Roland Bunch is an agroecologist and the author of Two Ears of Corn: A Guide to People-Centered Agricultural Improvement,which has been published in 10 languages.
〈現場から〉 タンザニア・ザンジバル島におけるキャッサバの新品種開発  New Cassava Varieties in Zanzibar; Catherine Njuguna; International Institute of Tropical Agriculture

第7章 地域の農業資源と食料の多様性を守る  Safegurding Local Food Biodiversity; Serena Milano is the general secretary of Slow Food International's Foundation for Biodiversity.
〈現場から〉 ケニアにおける動物遺伝資源への脅威  Threats to Animal Genetic Resources in Kenya; Jacob Wanyama, Africa LIFE Network/Daniele Nierenberg, Worldwatch Institute
〈現場から〉 セネガルにおける太陽熱調理器による恩恵  The Benefits of Solar Cookers in Senegal; Marie-Ange Binagwaho; Zawadi Enterprises Inc.

第8章 気候変動に対するレジリアンスを構築する  Coping with Climate Change and Building Resilience; Danielle Nierenberg and Brian Halweil
8-1 「気候変動への適応」における不可知論的アプローチ  An Agnostic Approach to Climate Adaptation; David Lobell is a professor in the Department of Environmental Earth System Science and Program on Food Security and Environment at Stanford University. Marshall Burke is a graduate student in the Department of Agricultural and Resource Economics at the University of Calfornia, Berkeley.
8-2 農業者の再緑化による「気候変動の緩和」  Investing in Trees to Mitigate Climate Change; Chris Reji is a senior sustainable land management specialist at the Centre for International Cooperation, VU University Amsterdam, and facilitator of African Re-greening Initiatives.
8-3 食卓から取り組む「気候変動の緩和」  The Climate Crisis on Our Plates; Anna Lappé is a co-founder of the Small Planet Fund and author of Diet for a Hot Planet: The Climate Crisis at the End of Your Fork and What You Can Do About It.
〈現場から〉 アフリカ農業にエバグリーン革命を  An Evergreen Revolution for Africa; Dennis Garrity; World Afroforestry Center, Nairobi

第9章 ポストハーベスト・ロス――食料不足問題のもうひとつの核心  Post-Harvest Losses: A Neglected Field; Tristram Stuart is a historian and food activist. This chapter is based on his book Waste: Uncovering the Global Food Scandal.
〈現場から〉 ガンビアのカキ漁を持続可能なものにして、暮しを向上させる女性組織  Turning the Catch of the Day into Better Livelihoods; Christi Zaleski; Gambia-Senegal Sustainable Fisheries Project

第10章 増大する都市人口の食料を支える都市農業  Feeding the Cities; Nancy Karanja and Mary Njenga are researchers at Urban Harvest, based in Nairobi, Kenya.
〈現場から〉 西アフリカにおける廃水灌漑の安全性向上を促進する  Promoting Safer Wastewater lrrigation in West Africa; Pay Drechsel; International Water Management Institute
〈現場から〉 人間の排泄物を土壌有機分として農地に還元する  An Agricultural Answer to Nature's Call; Molly Theobald; Worldwatch Institute

第11章 女性農業者の知識と技術を活かす  Harnessing the Knowledge and Skills of Women Farmers; Dianne Forte is a Washington-based management consultant with 22 years experience managing programs in Africa. Royce Gloria Androa is a senior partner at Reach Your Destiny Consult Ltd. in Uganda, with 26 years experience in agricultural extension in Uganda. Marie-Ange Binagwaho is the owner of Zawadi Enterprises, Inc.
〈現場から〉 演劇を通して女性を支援する  Using Theater to Help Women Farmers; Sithembile Ndema; Food, Agriculture and Natural Resources Policy Analysis Network
〈現場から〉 「適正技術」に関する判断基準  What Is an Appropriate Technology?; Sara Delaney; Imperial College, London

第12章 アフリカで展開される「海外勢力」による農地争奪と農業投資  Investing in Africa's Land: Crisis and Opportunity; Andrew Rice is the author of The Teath May Smile but the Heart Does Not Forget: Murder and Memory in Uganda. This chapter is based on an article he published in 2009 in the New York Times Magazine, "Is There Such a Things as Agro-Imperialism?"
〈現場から〉 食用農産物の貯蔵・加工方法を改善する  Better Food Storage; Benedict Tembo, Zambia Daily Mail; Molly Theobald, Worldwatch Institute

第13章 農産物の増産に留まらず、バリュー・チェーンを強化する  The Missing Links: Going Beyond Production; Samuel Fromartz is the author of Organic, Inc., a food blogger, and a contributor to the Washington Post Food Section.
〈現場から〉 飢餓救済を超えて動き出す教会  Charches Moving Beyond Hunger Relief; Fed Bahnson; Farmer, writer and 2009-10 Food and Society Fellow at the institute for Agriculture and Trade Policy

第14章 畜産改革によって、食料生産を改革してゆく  Improving Food Production From Livestock; Mario Herrero is a senior researcher at the International Livestock Reserch Institute in Nairobi, Kenya. Susan MacMillan, Nancy Johnson, Polly Ericksen, Alan Duncan, Delia Grace, and Philip K. Thornton are senior scientists at the Institute.
〈現場から〉 ルワンダにおける小規模畜産  Small-Scale Livestock Production in Rwanda; Jim DeVries, Heifer International; Danielle Nierenbrg, Worldwatch Institute

第15章 生態系保全と食料生産を両立させてゆくための改革  ARoad Map for Nourishing the Planet; Danielle Nierenberg and Brian Halweil
15-1 「農業」という複雑なシステムの理解における改革  Innovations in Understanding Complex Systems; Hans R. Herren is president of the Millenium Institute in Arlington, Virginia. Andrea M. Bassi and Matteo Pedercini of the Institute also contributed to this article.
15-2 農業開発プロジェクトの評価における改革  Innovations in Enaluating Agricultural Development Projects; Charles Benbrook is chief scientist at The Organic Center, which is based in Boulder, Colorado.
15-3 枠組みにおける改革 ――人類と生態系を支えるために  Innovations in Institutions to Support People and the Planet; Marcia Ishii-Eiteman is a senior scientist at the Pesticide Action Network North America and one of the authors of the International Assessment of Agricultural Knowledge, Science and Technology for Development.
15-4 ガバナンスにおける改革  Innovations in Governance; Anuradha Mittal is executive director of the Oakland Institute in California.
15-5 政策転換における改革  Innovations in Policy Reform; Alexandra Spieldoch is Coordinator of the Network of Women Ministers and Leaders in Agriculture within Women Organizing for Change in Agriculture & Natural Resource Management.


原注
索引


≪企画編集: ≫ ワールドウォッチ研究所 Worldwatch Institute 今日、世界的な環境経済学者として評価の高いレスター・ブラウン氏が、1974年にワシントンにて創設、所長に就任。1984年には、年次刊行物“State of the World”(本書)を創刊。数年にして、世界的評価を得て30数か国にて出版される。1992年には、年次刊行物“Vital Signa”(『地球環境データブック』)を創刊。2000年に、クリストファー・フレイヴィンが第2代の所長に就任就任。

[日本語版監修] エコ・フォーラム21世紀 環境監査研究会 代表幹事 後藤敏彦/国連大学副学長 武内和彦/地球環境戦略研究機関 理事長 浜中裕徳/東京大学 名誉教授 林良博/早稲田環境塾 塾長 原剛/早稲田大学環境総合研究センター 顧問 福岡克也/京都大学大学院 地球環境学堂 教授 松下和夫/日本気候政策センター 理事長 森島昭夫/国連大学 名誉副学長 安井至 (五十音順)/事務局 織田創樹 清水久敬 四條舞美
[翻訳] 大和田和美 木下由佳 五頭美知 高木友美 富田輝美 浜崎輝 八丁信正 岩崎慎平 田中俊徳 千葉知世 (順不同)
[翻訳協力] 富田輝美 株式会社トライデア (順不同)
[日本語版編集協力] 環境文化創造研究所 富田輝美 田中俊昭
[日本語版出版協力] 公益社団法人旭硝子財団


ワールドウォッチ研究所 『地球白書 2010-11 持続可能な文化』(ワールドウォッチジャパン、2010年) '11/01/31
ワールドウォッチ研究所 『地球白書 2009-10 地球温暖化抑制』(ワールドウォッチジャパン、2009年) '10/03/12
ワールドウォッチ研究所 『地球白書 2008-09 持続可能な社会への『変革』』(ワールドウォッチジャパン、2008年) '09/02/01
ワールドウォッチ研究所 『地球白書 2007-08 都市の未来』(ワールドウォッチジャパン、2007年) '08/02/23


State of the World 2011: Innovations That Nourish the Planet
State of the World 2011: Innovations That Nourish the Planet

○著者: Worldwatch Institute (Corporate Author)
○出版: W.W.Norton & Co Inc (2011/1, English, 237ページ)
○ISBN: 978-0393338805
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本「コロニアリズムと文化財 近代日本と朝鮮から考える (岩波新書1376)」荒井信一5

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コロニアリズムと文化財――近代日本と朝鮮から考える (岩波新書)
コロニアリズムと文化財 近代日本と朝鮮から考える (岩波新書1376)

○著者: 荒井信一
○出版: 岩波書店 (2012/7, 新書 240ページ)
○定価: 756円
○ISBN: 978-4004313762
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いわゆる歴史認識の問題のひとつとして、、、

本書では、文化財そのものの歴史ではなく、文化財問題を引き起こした植民地的な状況、植民地主義の構造、を、主題として。
とくに、そのような構造に規定された治者(植民者)としての日本人がどのように動き感じたか、にかかる考察は、朝鮮における日本人の欲望自然主義(ナチュラリズム)の問題が、日本人の民族性の問題ではなく、植民地支配者としてのある種の開放感と連関するものではないか、と。(p.viii-ix)
さて、文化財の要件としては、公共物としての価値があること。ユネスコ条約(1970年)は、保護を念頭に文化財を定義して、「宗教的理由によるかどうかを問わず、各国が考古学上、先史学上、歴史上、文学上、美術上または科学上重要なものとして特に指定したもの」とし、その種類を列挙している。「文化財の真価はその起源、歴史および伝統の背景についてできる限り正確な知識を得ることによってのみ理解」できるとし、文化財を「文明および国民文化の基本的要素の一つ」としている。(p.190-191)


略奪か、合法的取得か――。地域や民族の歴史を端的にものがたる文化財は、近代において、ナショナリズムを高揚させ、統治の優位性を演出する格好の装置として機能した。いま、文化財の所属をめぐり、大きな変化がおきている。人類全体の遺産として位置づけなおすことは可能なのか。日本と朝鮮の場合を軸に、世界の動きも紹介しつつ考える。


≪目次: ≫
はじめに
前方後円墳をめぐって/地名と歴史/朝鮮半島由来の文化財/文化財をめぐる課題/本書のねらい

第1章 帝国化する日本、そして文化財
1 最初の文化財略奪の舞台――江華島
「天然の要塞」/江華島事件/文化財の略奪/四つの史庫/貴重図書の返還/史庫の略奪/河合弘民と「河合文庫」/高麗古墳の盗掘/伊藤博文と磁器収集/武装巡査に護衛された遺跡調査
2 日清戦争と文化財
文明国としての体裁/九鬼の帝国博物館構想/「東洋美術唯一」の代表/軍主導の文化財略奪
3 なぜ鉄道建設なのか
帝国大学の学術調査/植民地経営と鉄道/建築調査に秘められた目的/古市公威山県有朋/横断鉄道を熱望する/強制収用と農民の嘆き/こわされる先祖の墓

第2章 学術調査の名のもとに
1 関野貞の古蹟調査
朝鮮史をどのように認識したか――「植民地史観」/関野貞の古蹟調査/高句麗壁画と日本/影の主役たち、アマチュア・コレクターと軍/仏教遺跡でも/取締りは可能か
2 朝鮮半島の日本人たち
日本人の移住/ジョージ・ケナンの見た日本人/出土品目当ての濫掘・偽造ブーム/タダ同然の「重宝」、白玉仏/和田雄治の功罪/植民地エリートたちの差別意識/蜜掘は合法か不法か

第3章 同化政策とつくられた歴史
1 日韓併合五周年記念イベント――共進会
王宮で物産展示/「恒産ある良民」に/祝祭気分をもりあげる光の演出/各地の美術を集める/朝鮮総督府博物館/総督府博物館の朝鮮史像/武断政治のイメージアップ
2 同化政策のリメイク
斎藤実と文化政治/歴史教育と喜田貞吉/日韓は「本家と分家」/吉野作造の同化政策批判/朝鮮史をつくり直す/朝鮮王室の記憶/梨本宮方子、李王家へ/王室の葬儀と民衆
3 金冠塚スキャンダル
宇垣総督の古墳視察/新羅の文化と日本/金冠塚古墳の発見/不思議な盗難事件/スキャンダルが暴露したもの
4 戦争の拡大と敗戦
「保存令」と文化財の保護/京城帝国大学の満蒙調査/満州事変と古墳調査/敗戦体験と安倍能成/イタリアの場合

第4章 文化財は誰に属するのか――講和から日韓交渉へ
1 戦争の後始末
戦争から文化財を守る/「ロバーツ・レポート」/戦争はいつはじまったか/エチオピアの場合/アメリカの南朝鮮占領政策/対日賠償と韓国政府
2 「ウォーナー伝説」の波紋
ウォーナー岡倉天心/壁画はぎとり/軍政下の文化財専門家たち/「倭色の一掃」/さまざまなウォーナー評価/「ウォーナー伝説」と矢代幸雄/文化財保護の担い手たち
3 文化財問題がネックの日韓交渉
難航する国交正常化交渉/研究の進展と文書公開/久保田発言の明らかにしたもの/文化財返還問題と国際世論/一部返還されたもの/取引は「正当」か/条約の解釈をめぐって/文化財の「引き渡し」/歴史学者たちの反省/黄寿永『日帝期文化財被害資料』

第5章 世界で進むコロニアリズムの清算
1 国際法の視点から
ハーグ法規と文化財保護/一九五四年ハーグ条約/未加盟のアメリカ、イギリス/イラク戦争とアメリカ/米軍が守ったのは石油省だけ/イラク文化財の国外流出/一九七〇年ユネスコ条約/保障と善意の取得――ユニドロワ条約/最近の返還例/イコム(国際博物館会議)の活動/イコム「倫理規定」
2 コロニアリズムの克服へ
「文化財の復帰」国連決議/ギリシャの「エルギン・マーブル」返還要求/アクロポリスの一体性/大英博物館の「人類主義」/エジプトのロゼッタ・ストーン返還請求/カイロで文化財略奪国会議
3 アメリカの場合
ゲッティ美術館学芸員トゥルー/トゥルー裁判の衝撃/他の美術館への波及/シンボルを取り戻す/マチュピチュ遺物とエール大学/先住民出身初の大統領/「九月メモ」/謝罪の問題――コロニアリズムの清算

終章 文化財問題のこれから
1 最近の文化財問題の動き
菅首相談話/「李方子服飾等譲渡協定」/寺内文庫の寄贈/北関大捷碑、北朝鮮へ/東京大学、『朝鮮王朝実録』を寄贈/『朝鮮王室儀軌』と日本/『王室儀軌』の引き渡し/文化協力への扉
2 残された問題
文化財保護法の制定/二つのアプローチ/「原産国」側の変化/『王室儀軌』返還と僧、慧門/利川の五重石塔返還運動

主な参照文献


≪著者: ≫ 荒井信一 (あらい・しんいち) 1926年東京に生まれる。1949年東京大学文学部卒業。専攻、西洋史、国際関係史。茨城大学名誉教授、駿河台大学名誉教授、日本の戦争責任資料センター共同代表。著書、『歴史和解は可能か』(岩波書店)、『戦争責任論』(岩波現代文庫)、『ゲルニカ物語』 『空爆の歴史』(岩波新書)、『原爆投下への道』(東京大学出版会)、『中国 歴史と出会う』(草の根出版会)、『ホロコーストの跡を訪ねる』(草の根出版会)。






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本「ソシュールを読む (講談社学術文庫2120)」丸山圭三郎5

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ソシュールを読む (講談社学術文庫)
ソシュールを読む Ferdinand de Saussure (講談社学術文庫2120)

○著者: 丸山圭三郎
○出版: 講談社 (2012/7, 文庫 384ページ)
○定価: 1,208円
○ISBN: 978-4062921206
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「読み」の営為、、、「読む」こと、書くこと、生きること、、、
「ソシュール:『一般言語学講義』を読む」というタイトルのもと、1982年4月19日〜6月28日に行われたセミナー(岩波市民セミナー)の速記録をもとに書かれた


近代言語学の父、フェルディナン・ド・ソシュールFerdinand de Saussure, 1857-1913)。残された手稿と「一般言語学講義」聴講生のノートから三度の講義内容を復元し、コトバを手がかりに文化や社会の幻想性を解明・告発する、その思想と方法を精緻に読み解く。二〇世紀の諸科学、とりわけ構造主義やポスト構造主義に多大な影響を与えた思想の射程と今日的な可能性が、あざやかに甦る。


≪目次: ≫
第一講 ソシュールと現代
1 ソシュール思想の現代性
問題の所在/構造主義ブームから記号論ブームへ/構造主義者と反構造主義者/構造主義論争/アメリカの実体論的構造主義/ソシュール思想への誤解/トーロッパ的知への異議申し立て/科学批判としてのエピステモロジー/科学的真理とはなにか/十九世紀パラダイムの変革/「脱領域的営為」としての記号学/現代社会を批判する装置/文化のフェティシズム/一般言語学と神話・アナグラム研究
2 『一般言語学講義』とは何か
小林英夫の訳/未完の講義/第一回講義/第二回講義/第三回講義/『パンセ』/断章形式/『講義』の原資料/講義の出席者/「ソシュール未刊手稿」Notes inédites de Ferdinand de Saussure/行方不明のノート/ルガールの批判
3 「読む」とはどんな営為か
表現と内容は一体/読みは解読行為か/新しい生命の付与/テクストの快楽

第二講 『講義』と原資料
4 ゴデルの『原資料』とエングラー版
原資料の発見/二回目の発見/三回目の発見/『原資料』Les sources manuscrites du CLG の刊行/エングラー版 Cours de linguistique générale, Edition critique/『校訂版』の問題点
5 言語価値形相論
『講義』とエングラー版との照合/反要素主義/コトバと思想は分離できない/〈メニング〉/主知主義批判/音も未分節/ランガージュの役割/「思考=音」/ラングとランガージュの差異/相互差異化活動/指向/認識=命名/幼児の言語習得/ヘレン・ケラーの言語体験/シーニュの二重性/シーニュとラングの混同/記号学とは何か/編者による転倒/記号の恣意性/価値は記号である/即時的価値の否定/恣意的価値体系のア・ポステリオリ性

第三講 講義I――言語学批判
6 講義Iの構成と視点
言語学とは何か/実証主義批判/講義Iの構成
7 実体論批判
言語学のイドラ/四つのイドラ/言語変化を転訛とみる誤謬/書記言語を優先させる誤謬/規範文法批判/「音声学の原理」/〈音韻論〉phonologie の誕生/否定的要因の重視とラングの関係性/実体的同一性と関係的同一性/意味をもつのは差異だけ/否定的な本質体/関係=形相としてのラング/物的世界像批判
8 言語の非自然性
三つの批判/コトバと諸制度/言語有機体論/言語能力は本能ではない/言語の非自然性/音声変化の偶然性/音の変化は体系の変化を意味しない/二項の差異/価値は差異から生じる/語の不透明化/二種の〈変化〉

第四講 講義I――言語学批判(続)
9 類推現象とラング、パロールの相互依存症
関与的変化/類推的変化/類推と音声変化の差異/ラングとパロールの相互依存関係/ラングとパロールの弁証法
10 「客観的分析」批判
言語の単位は主体の分節により発生/語る主体による主観的分析の重要性/〈形態素境界画定〉morpheme/客観性とはなにか/主客未分離の〈生ける自然〉/浅薄なジャパネスク論/素朴な科学信仰/科学という名のイデオロギー/質を計量することの危険性/パラダイムを超える困難/静態言語学への絶望と沈黙

第五講 講義II――記号学とは何か
11 講義IIの構成と視点
二つの序説/講義II「序説」の重要性/記号学 sémiologie の提唱/ラングには差異しかない/講義IIの構成
12 コトバの両義性とランガージュ、ラング、パロール
言語のもつ二つのパラドックス/両義性/広義のコトバ/ランガージュとラングの定義/パロール/ランガージュの特性/ランガージュの普遍性とラングの個別性/マルティネのラング−パロール観/機能主義的情報理論の限界
13 記号学の誕生
記号学の要請/言語学と記号学/バルトによる転倒/記号学の対象/差異と対立/記号とシニフィアンの混同/記号の価値の否定性と示差性の好例/指向対象はコトバ以前に存在しない/ソシュールにおける恣意性の意味/語の価値は関係のみにより決まる/記号の形相性/言語学者でない人々の言語研究/悪しき循環論/言語=名称目録観批判/アトミズム批判/ラングの物神性/記号の非自然性

第六講 講義II――記号学とは何か(続)
14 単位、同一性、価値
単位の非現実性/関係の一次性/〈同一性〉identité とは何か/二種の同一性/〈形相〉forme の世界/実体は同じでも関係が異なる場合とその逆の場合/文化の本質は形相/本質体を構成しているもの/体系に関与するもののみが内的だ/〈関与性〉pertinence/語の価値と意義/価値・意義はラングに、意味はパロールに属する
15 構造と歴史
歴史における関与性と非関与性/〈構造史〉/〈実質1〉と〈実質2〉/実質2の再分節化/〈特定共時的〉/対立化現象/単位とは対立の差異化現象/二つの言語学――共時的つ通時的/共時言語学の方法論的優先/実態の変化と価値の変遷/個的現象を体系の中で捉える方法/点の歴史から面の歴史へ/〈出来事〉événements/歴史における法則性への懐疑/言語の歴史・社会性
16 連辞関係と連合関係
言語学の伝統的区分/記号の表現と内容は不可分離/主体は差異しか意識しない/語同士の関係の二つの領域/〈群化〉groupement =〈差異化〉/ディスクールとラング/連辞・連合関係に対応する人間の機能/語の〈結合価〉valence

第七講 講義III――ラングの解明
17 講義IIIの構成と視点
講義IIIの特徴/事実としてのパロール、本質としてのラング/記号学的装置としてのラングとパロール/恣意性 arbitraire と必然性 nécessité/ラングのデジタル性/〈否定性〉négativité の積としての〈実定性〉positivité/講義IIIの構成/構造主義的分析思考の壁
18 恣意性の原理
言語学の領域/ランガージュ解明の手順/諸言語からラングへ/文脈のなかで意味が生れる/パロールの二重性/ラングの支えとしてのパロール/差異化活動としてのパロール/ラングとパロールの相互依存性/〈聴覚映像〉image acoustique と〈概念〉concept/用語上の混乱/シーニュの〈非記号性〉/〈セーム〉séme/術語シニフィアン、シニフィエの採用/恣意的な絆/根強い「言語=名称目録観」/二つの恣意性/記号学の領域/言語記号の特徴/事物や概念の分節の基盤/シーニュの恣意性と必然性/バンヴェニストの誤解
19 線状性の原理と言語の本質性
シニフィアンの線状性/線状性の二側面/デジタル化された時間/論述的推論 raisonnement discursif の陥穽/モノのコト化/言語の本質体 entité をとらえる困難さ/記号学的還元/二重にして不可分離な本質体/文化と自然のはざまにある身体/関係を実体と錯覚/シニフィアン・シニフィエの誤解/シニフィエは潜勢としての価値 valeur/〈同一性〉と主観/結合価/二つの抽象 abstraction/構成するものと弁別するものは同一物

第八講 講義III――ラングの解明(続)
20 相対的恣意性
相対的動機づけの存在/個別言語内のシーニュの合成/体系内の辞項間の連帯性//文化の恣意的動機づけ/語の透明度
21 時間のファクター
ラングの恣意性と必然性/人間のになう二重の必然性/シーニュの不易性と可易性/ラングの恣意性のもたらす二つの結果/価値の変動/分節線のずれ/人間の自由
22 価値の恣意性と示差性
記号学の対象は恣意的価値/経済学と言語学/シーニュ内の絆の恣意性/シーニュ間の関係の恣意性/価値の恣意性/連合関係の恣意性/連辞関係の恣意性/言語の中には差異しかない/シーニュの実定性/関係の物神化/恣意性と示差性は相関的

第九講 ソシュールと人間学
23 ヒトと動物のあいだ
西洋思想の系譜/根強い人間至上主義/動物のコミュニケーション/チンパンジーの身分け行為/ヒトと動物の不連続性/ヒト=動物+(-α)
24 身分け構造と言分け構造
身分け構造/ユクスキュルの〈環境世界〉Umwelt 概念/ホモ・ロクエンス/ホモ・ロクエンス先行説/ランガージュの概念/〈演じられる記憶〉mémoire jouée と〈表象される記憶〉mémoire représentée/言分け構造/人間は裸のサルではない/欠陥動物/〈言分け構造〉の出現による〈身分け構造〉の破綻/人為による動物の退行/認識が知覚を蝕む/文明の畸形化/生理的欲求から文化的欲求へ/〈欲求神話〉経済主義の誤り/コスモスと共に生じるカオス/脳の爆発的進化と直立歩行/欲望を生むランガージュ/内なる自然の破壊/人間文化の異化

第十講 ソシュールと文化記号学
25 記号学的還元
リクールのソシュール批判/二分法への誤解/静態 status と動態 motus/力動的一元論/二つの記号学/人間文化の解明/カオスを読む/所与としてのラング、パロール/記号学的還元の装置としてのラング、パロール/理論モデルとしてのラング、パロール
26 解明のための記号学
ランガージュの解明/不在の現前/映像的なものの復権/記号の世界/表象世界の破産/パロールの解明/形相 forme の実質 substance 化と実質の形相化/パロールによるラング変革
27 乗り超えのための記号学
コスモス、カオス間の往復運動/「記号の世界」の否定/コトバの多義性の回復と「記号の本質」の否定/コトバの映像化/コトバの未分節化/アナグラムの示唆するもの/コトバの身体性/記号学の円環運動
28 文化のフェティシズム
新しい人間学としての記号学/コトバと文化現象のパラレリズム/事物の記号化/使用価値と交換価値/コト→記号→物神/〈文化のフェティシズム〉/解明の記号学のメリットと限界/反構造的契機としての非記号性/反機能化・反制度化活動/「制度の機能」の否定/四つのイドラの破壊/異文化による相対化/影の部分への照射/根本原理としての〈恣意性〉/文化記号学の射程

あとがき (一九八三年二月 丸山圭三郎)
ソシュール略年譜(1857〜1913)
ソシュール著作目録
参考文献
解説 末永朱胤(成城大学准教授
索引


※本書の原本は、一九八三年六月、岩波書店より刊行されました。


≪著者: ≫ 丸山圭三郎 (まるやま けいざぶろう) 1933年、東京生まれ。東京大学文学部卒業。国際基督教大学を経て、中央大学教授。専攻は仏文学・言語哲学。主な著書に『ソシュールの思想』『文化のフェティシズム』『生命と過剰』『欲動』『言葉と無意識』などがある。1993年没。






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本「森の「恵み」は幻想か 科学者が考える森と人の関係 (DOJIN選書046)」蔵治光一郎5

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森の「恵み」は幻想か: 科学者が考える森と人の関係 (DOJIN選書)
森の「恵み」は幻想か 科学者が考える森と人の関係 (DOJIN選書046)

○著者: 蔵治光一郎
○出版: 化学同人 (2012/5, 単行本 218ページ)
○定価: 1,785円
○ISBN: 978-4759813463
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アチラを立てればコチラが立たず、コチラを立てればアチラが立たず、、、もちろん、思い切ってチカラワザにうったえて、なるようになるさ(ならないようにはならない??!)、、、とは、およそぼくもこれまでおおく、ふりかえってかんがえてみるには(考えるまでもなく)、そうしてきた、かもしれない

さて、本書において最初から最後まで一貫して述べられることとして、「作用」が人間に関係なく、おのずからそこにあるもの(メカニズム、機構)、であって、「機能」が人間の都合、欲望の表現(サービス、恵み)、であるようなことごと、どこまでも(果てしがない)人間の都合/不都合、とか。そう、「作用」と「機能」を厳密に使い分けて、冷静に分析して、だから、便益だけでなく、むしろ、便益をもたらさない作用や、安全を脅かす作用をあわせもっていることをも、その表も裏もいいことも悪いことも(可能なかぎりで怠ることなく)すべて正確に、、、どうなんだろう、なるほど、「現実社会では、人間は、自然がもともともっている作用にはお構いなく、人間の都合で自然に過剰に介入し、それにほとんど疑問も感じなくなり、やがて、介入したことに無関心になりつつある・・・(p216)」、あぁ、いわゆる、心地よい「神話(おとぎ話)」に浸ってしまって、思考停止に陥ることがないように(とてもとてもカンタンなものなんかでは、ない)


森は人にとってどのような存在なのか。洪水緩和、水資源かん養、自然エネルギー、生物多様性、二酸化炭素吸収、木材生産など、人にとって好都合な「恵み」だけを提供してくれるのだろうか。本書では森と人の関係を、科学的な知見に基づいて捉え、森は水を生み出すのか消費するのか、洪水と水害あるいは渇水と水不足に果たす役割、環境サービス、木材生産、エネルギー供給、そして森の管理の理想的なかたちを考察する。森のほんとうの姿を描き出した一書。


≪目次: ≫
まえがき
森に対する一般的な誤解/作用(メカニズム、機構)と機能(サービス、恵み)の違い

第1章 森と人の関係の変遷
一 人間に翻弄される森――森と人の関係史
定住生活が進めた森の過剰利用/奈良時代から江戸時代にかけての日本の森/荒廃の進んだ森/拡大造林とのその代償
二 変わりゆく森の価値
森の価値とは何か/社会的価値の変化と森の変化のタイムラグ/里山という新たな価値

第2章 森と水の科学
一 森と水の関係における作用と機能の違い
三つの作用とふたつの機能/作用と機能の相互関係/森と水の「作用の研究」と「機能の研究」の方法論の違い
二 森と水の作用の科学
保水力は森のどこで発揮されるのか/山地の降水/樹冠遮断作用を巡る謎/蒸発した水はどこへ行く?/バイオティック・ポンプ仮説と蒸発力/浸透能を巡る論争

第3章 森と洪水、水害
一 水害への備え
洪水と水害/日本の水害への対応の歴史
二 緑のダムへの過剰な期待と過剰な否定
森による洪水の緩和とは/緑のダムとコンクリートダムの類似点と相補関係/緑のダムを全否定するダム推進勢力、緑のダムを全肯定するダム反対勢力
三 洪水緩和機能が強化されるとき、低下するとき
森の洪水緩和機能の概念的、定性的な理解/洪水緩和機能を理解するうえでの難問/森の過剰利用、ハゲ山化で、洪水は増えるか減るか/森の減少は水害に直結しない/森が再生して洪水は緩和されたか/荒廃人工林を整備して洪水緩和機能は強化されるか/洪水緩和のために有効な森は総保水力が大きい森/森と洪水、水害の関係をどう理解しておけばよいか

第4章 森と渇水、水不足
一 人間の都合が生んだ森と水を巡る神話
渇水と水不足/水需要の低下による影響/神話と逆神話の形成/平田・山本論争/オール・オア・ナッシングで決まらない問題/一九世紀の欧米の神話
二 森と年流量(水資源賦存量)との関係
森と年流量との関係/草地化、ハゲ山化、森の伐採で年流量は変化したか/拡大造林によって年流量は変化したか/B&H八二論文への異論/針葉樹林の成長によって年流量は変化したか/針葉樹林を間伐し、健全な人工林や広葉樹林に誘導して年流量は変化するか
三 どのような条件で渇水緩和機能は発揮されるか
森と渇水時流量との関係/流域の森の伐採にともない、渇水の緩和機能は変化したか/植林や森の自然回復により、渇水の緩和機能は変化したか
四 森の実態を把握する
土壌が貧弱で水消費型の森が「緑の砂漠」/健康な人工林と不健康な人工林/森と水と湿原の保全/砂漠への植林の弊害

第5章 森の環境サービス
一 注目を集めるふたつのサービス
生態系サービス/二酸化炭素の吸収サービス/地球温暖化と人工林の間伐/オフセット・クレジット
二 森の水源保全サービス
水源域の整備という考え方/戦後の水源保全サービスへの取り組み/水源税構想の萌芽と挫折/水道水源のための支払い/包括的環境サービスへの支払い
三 理想的な水資源の管理方法とは
海外の事例1 南アフリカ/海外の事例2 オーストラリア/海外の事例3 ニューヨーク/日本での取り組みをどう変えていけばいいか

第6章 森と木材生産業
一 木材生産の現状
木材自給率の推移/間伐材と伐倒木の違い
二 何が「もったいない」かを考える
間伐の伐倒木を運び出さないことは「もったいない」のか/未来世代の立場で「もったいない」を考えよう
三 持続可能な森林利用に向けた取り組み
耐久的な木材・木製品を使うこと/森林認証と地域材認証

第7章 森とエネルギー
一 森が供給するエネルギー
エネルギー源としての森/日本の森のエネルギー資源としての歴史
二 木材と木質バイオマスのどちらが有効か
日本の森のエネルギー源としての価値は高いか/化石燃料を使ってエネルギー資源を運び出す不思議さ/農山村地域活性化のための施策としての森とエネルギー

第8章 森の管理
一 森の所有という考え方
森の管理の歴史/森の所有者のもうけと損失
二 より効果的な森の管理へ向けて
里山の管理を巡る状況/ボトムアップ型の森の管理――愛知県豊田市の試み

おわりに これからの森と人の関係

参考文献
あとがき (二〇一二年三月  蔵治 光一郎)


≪著者: ≫ 蔵治 光一郎 (くらじ こういちろう) 1965年東京都生まれ。96年東京大学大学院農学生命科学研究科森林科学専攻博士課程修了。博士(農学)。東京大学大学院農学生命科学研究科附属演習林生態水文学研究所長。専門は森林水文学、森・水と人間との関係。矢作川森の研究者グループ共同代表として「矢作川森の健康診断」運営に携わるなど、現場の課題解決に総合的な視点から取り組む市民活動実践者でもある。著書に『「森と水」の関係を解き明かす』(全国林業改良普及協会)、編著書に『水をめぐるガバナンス』(東信堂)、『森の健康診断』『緑のダム』(ともに築地書館)。


田近英一 『地球環境46億年の大変動史』(DOJIN選書、化学同人、2009年) '09/07/02





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本「戦前日本の「グローバリズム」 一九三〇年代の教訓 (新潮選書)」井上寿一5

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戦前日本の「グローバリズム」 一九三〇年代の教訓 (新潮選書)
戦前日本の「グローバリズム」 一九三〇年代の教訓 (新潮選書)

○著者: 井上寿一
○出版: 新潮社 (2011/5, 単行本 253ページ)
○定価: 1,260円
○ISBN: 978-4106036781
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「昭和史三部作」の第二部は“対外関係”、なるほど、1930年代の戦前日本の「グローバリズム」として、「ヒト・モノ・カネ」の地球的規模での拡大があって、その国際ネットワークのなかでの国際認識の深まり(かならずしも思惑どおりにゆくともかぎられない)、その対外発信(対外政策が意図とは異なる、およそ正反対の結果をもたらすことにも)とか。そこに働く歴史の逆説の力学、どうなんだろう、考えよう、学ぼう、今日と共通する課題、〈世界のなかの日本〉について、日本の国際化の問題
さて、三部作は、第一部が“戦前昭和の社会”(『戦前昭和の社会 1926-1945』(講談社現代新書、2011年))、第三部が“政治”(『戦前昭和の国家構想』(講談社選書メチエ、2012年))によって構成される。



昭和史の定説を覆し、新たな戦前像を構築する意欲的論考――。
満州と関東軍、軍部の政治介入、ブロック経済による孤立化、日中戦争…… 多くの歴史教科書が「戦争とファシズム」の時代と括る1930年代。だが、位相を少しずらして見てみると、全く違った国家と外交の姿が見えてくる。国際協調に腐心した為政者たち、通商の自由を掲げた経済外交、民族を超えた地域主義を模索する知識人―― 実は、日本人にとって世界が最も広がった時代だった。


≪目次: ≫
はじめに

I章 満州――見捨てられた荒野
1 本土の無関心
松岡洋右の怒り/対「満蒙」経済アプローチ/張作霖に対する評価/「我国の生命線」/幣原喜重郎外相の反論/協調外交と政党政治の高まり
2 現地居留民と関東軍の危機
満洲青年聯盟遊説隊/本土から見捨てられた荒野/張作霖爆殺事件/大陸の在外公館の認識/孤立無援の関東軍/中村震太郎大尉事件
3 満州事変――「満洲」の再発見
事変勃発/領有から独立国家へ/大恐慌の怨嗟の矛先/協調外交のネットワーク/政民協力内閣構想/満州国の建国/「王道楽土」の理想とは裏腹に

II章 国際連盟脱退とその後――欧州を知る
1 欧州の現実を目の当たりに
国際連盟外交/「五人委員会」それぞれの内情/チェコスロヴァキアと日本/常任理事国としての立場/緊迫するジュネーヴ情勢
2 極東における危機と欧州にとっての危機
リットン調査団の来日/国内外からのテロの脅威/小国への働きかけと大国の意向/メディアの役割/芦田均「非脱退の論理」/脱退問題へ松岡の努力/「失敗した。失敗した。失敗した」
3 欧州諸国との新しい外交関係の模索
その後のジュネーヴ情勢/ドイツとの関わり方/脱退後の欧州外交基軸/ファシズム国家への警戒/海軍軍縮予備交渉/横山正幸の報告/蝋山政道の構想

III章 国内体制の模範を求めて
1 「挙国一致内閣」の国際的な連動
河合栄治郎の欧米報告/新渡戸稲造の対米広報外交/日米関係、蝋山の結論/近衛文麿のアメリカ印象記/予備交渉決裂が相互理解に/日本の模範国として
2 国家主義のなかの欧米
岡田忠彦の欧米視察/星島二郎がみたナチス党大会/ドイツに傾斜する鳩山一郎伍堂卓雄の評価修正/失業対策と農村救済策/ヒトラーの下での平等/新しい国家像と生活様式
3 民主主義の再定義
英米協調論者の対独伊接近/斎藤隆夫が説く「中道」/対ファシズム国接近/矢部貞治のヒトラー観/パリでの「デモクラシー」論争/社会大衆党の躍進

IV章 外交地平の拡大
1 地球の反対側にまで展開する経済外交
誤った日本外交のイメージ/「我国として活くるの途」/アフリカ、中南米、非欧米世界の国へ/「最も遠隔の地」ブラジル/対米関係修復の方策として/バンビー・ミッション/独伊、自給自足圏の壁
2 経済摩擦と国際認識
世界経済のブロック化/相互主義の限界/カナダへ通商擁護法の発動/オーストラリアでの「日本脅威」論/「印度は英国の生命線」/政治の意思で妥協した日蘭会商/包括的通商政策七つの原則
3 地域研究の始まり
東亜経済調査局附属研究所/イスラーム研究の先駆者、大川周明/中国に特化した東亜同文書院/国民の中国理解の促進に

V章 戦争と国際認識の変容
1 日中戦争と「東亜」の創出
満州国の「門戸開放」/盧溝橋事件/国内の好戦ムード/トラウトマン工作/「国民政府を対手とせず」/中国再認識論/「支那人をもっと知ろう」/中山優と第二次近衛声明「東亜協同体」論
2 ファシズム国家との対立
日独防共協定/排英運動の高まり/「隔離」演説/ファシズム国へ歩み寄る矢部/蝋山政道の対英協調論/行き過ぎた強硬論/「持てる国」対「持たざる国」/対独伊接近の抑制/「東亜協同体」論の挫折/日中戦争解決のための対米工作/独ソ不可侵条約の影響/大政翼賛会の成立
3 「南洋」との出会い
太平洋委任統治諸島/正当化する矢内原忠雄/丸山義二が感じた対日感情/二つの「南洋」旅行記/企画院直属の東亜研究所/「南進」へと傾けた役割/対「南洋」経済的アプローチ/バタヴィアに派遣された小林一三商相/「大東亜共栄圏」の虚構を指摘する/日独伊三国同盟と日米戦争の接近

おわりに
南方戦線の現実/敗戦の合理化を図った「大東亜宣言」/そして、戦後構想へ

参考文献リスト

あとがき (二〇一一年四月 井上寿一)


≪著者: ≫ 井上寿一 Inoue Toshikazu 1956年、東京都生まれ。一橋大学社会学部卒業。学習院大学法学部教授。法学博士。専攻は日本政治外交史。主な著書に、『危機のなかの協調外交――日中戦争に至る対外政策の形成と展開』(山川出版社、吉田茂賞)、『日中戦争下の日本』(講談社選書メチエ)、『昭和史の逆説』(新潮新書)、『山県有朋と明治国家』(NHKブックス)、『吉田茂と昭和史』、『戦前昭和の社会 1926−1945』(共に講談社現代新書)。

井上寿一 『戦前昭和の社会 1926-1945』(講談社現代新書、2011年) '12/07/03
井上寿一 『戦前昭和の国家構想』(講談社選書メチエ、2012年) '12/06/23





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本「功利と直観 英米倫理思想史入門」児玉聡5

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功利と直観―英米倫理思想史入門
功利と直観 英米倫理思想史入門

○著者: 児玉 聡
○出版: 勁草書房 (2010/11, 単行本 322ページ)
○定価: 3,360円
○ISBN: 978-4326154135
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utilitarianism and intuition


行為が人々に与える結果を重視する功利主義(utilitarianism)と、結果にかかわらず守るべき義務や倫理原則があるとする義務論(deontology)。現代の英米倫理学でも大きな影響力を持つこの対立は、二〇世紀以前には功利主義と直観主義(intuition)の対立として論じられていた。この構図を軸とすることで、近代から現代までの英米倫理学の歴史を整理し、現代的な課題を展望する!


≪目次: ≫
はしがき

機‖侘図式の成立

第一章 直観主義の成立
1 功利主義と直観主義の対立の始まり
※レッキー(W. E. H. Lecky, 1838-1903)
※シジウィック(Henry Sidgwick, 1838-1900)

2 ホッブズ主義の脅威
ホッブズ主義について/利己的な人間理解への批判/道徳の人為性に関して
[BOX ホッブズとマンデヴィル]
※ホッブズ(Thomas Hobbes, 1588-1679)
※マンデヴィル(Bernard Mandeville, 1670-1733)

3 デカルトの直観かロックの感覚か
理性的直観主義/道徳感覚説
[BOX 理性的直観主義者たち]
※カドワース(Ralph Cudworth, 1617-88)
※クラーク(Samuel Clarke, 1675-1729)
※ロバート・ボイル(Robert Boyle, 1627-92)
※バルガイ(John Balguy, 1686-1748)
※プライス(Richard Price, 1723-91)

[BOX シャフツベリ伯爵とハチソン]
※シャフツベリ伯爵(Anthony Ashley Cooper, third Earl of Shaftesbury, 1671-1713)
※ハチソン(Francis Hutcheson, 1694-1746)

4 バトラーの良心とリードの常識道徳
[BOX バトラー]
※バトラー(Joseph Butler, 1692-1752)
[BOX リード]
※リード(Thomas Reid, 1710-96)
※ヒューム(David Hume, 1711-76)


第二章 ベンタムたちの攻撃
1 ベンタムの直観主義批判と功利主義
禁欲主義の原理(the principle of asceticism)/共感と反感の原理(the principle of sympathy and antipathy)/ベンタムの功利主義
[BOX ベンタム]
※ベンタム(Jeremy Bentham, 1748-1832)
2 ペイリーとゴドウィン
[BOX ペイリー]
※ペイリー(William Paley, 1743-1805)
[BOX ゴドウィン]
※ゴドウィン(William Godwin, 1756-1836)
3 功利主義に対する批判
※ハズリット(William Hazlitt, 1778-1830)

第三章 第二世代の功利主義
1 スコットランド学派とケンブリッジ・モラリストの直観主義
[BOX ヒューウェル]
※ヒューウェル(William Whewell, 1794-1866)
2 ジョン・オースティン
[BOX オースティン]
※ジョン・オースティン(John Austin, 1790-1859)
3 ジェームズ・ミル
[BOX ジェームズ・ミル]
※ジェームズ・ミル(James Mill, 1773-1836)
※ハートリ(David Hartley, 1705-57)

4 ジョン・スチュアート・ミル
[BOX ジョン・スチュアート・ミル]
※ジョン・スチュアート・ミル(John Stuart Mill, 1806-73)

供〕論的展開

第四章 シジウィックとムーア──調停と破壊
1 調停者としてのシジウィック
シジウィックの思想的発展/利己主義と直観主義/功利主義と直観主義
[BOX シジウィック]
※シジウィック(Henry Sidgwick, 1838-1900)
2 破壊者としてのムーア
ムーアという男/ムーアの二つの問い/ムーアは功利主義者か直観主義者か
[BOX ムーア]
※ムーア(George Edward Moore, 1873-1958)
※ラッセル(Bertrand Russell, 1872-1970)
※グリーン(T. H. Green, 1836-82)
※G・J・ウォーノック(Geoffrey James Warnock, 1923-95)
※D・D・ラフィエル(D. D. Raphael, 1916- )
※フランケナ(W. K. Frankena, 1908-94)


第五章 直観主義の逆襲──プリチャードとロス
1 プリチャードの説明拒否
[BOX プリチャード]
※プリチャード(Harold Arthur Prichard, 1871-1947)
2 ロスの一見自明な義務
[BOX ロス]
※ロス(Sir William David Ross, 1877-1971)
3 功利主義と直観主義──中間のまとめ
4 「直観主義」から「義務論」へ
※グラッドストーン(W. E. Gladstone, 1809-98)
※フリードリッヒ・パウルゼン(Friedrich Paulsen, 1846-1906)
※エア(A. J. Ayer, 1910-89)
※スティーブンソン(Charles Stevenson, 1908-79)


第六章 功利主義の新たな展開──規則功利主義と二層功利主義
※ラズリット(Peter Laslett, 1915-2001)
1 ハロッドによる「革新」
※ハロッド(Roy. F. Harrod, 1900-78)
2 規則功利主義と行為功利主義
[BOX ブラントとスマート]
※ブラント(Richard Brandt, 1910-97)
※スマート(J. J. C. Smart, 1920- )

3 ヘアの二層功利主義
[BOX ヘア]
※ヘア(R. M. Hare, 1919-2002)
4 思考実験を用いた功利主義批判
「直観製造装置」(intuition-pump)としての具体例/具体例を用いた方法に対する批判
※ホープ(Tony Hope, 1951- )


第七章 ロールズの方法論的革新
[BOX ロールズ]
※ロールズ(John Rawls, 1921-2002)
1 ロールズの正義論(A Theory of Justice)とその方法
ロールズの功利主義批判/直観主義の問題点/ロールズの方法論
2 功利主義者によるロールズ批判(1)──ヘア
3 功利主義者によるロールズ批判(2)──シンガー
[BOX シンガー]
※シンガー(Peter Singer, 1946- )
4 倫理理論の基礎付け主義(foundationalism)と整合説(coherentism)

掘仝渋紊力請

第八章 法哲学における論争
1 ウォルフェンデン報告(The Wolfenden Report
報告書の背景/報告書の勧告
※ジョン・ウォルフェンデン(Sir John Wolfenden, 1906-85)

2 ハート・デブリン論争
デブリンの議論/ハートの批判
[BOX ハートとデブリン]
※ハーバート・ハート(H. L. Hart, 1907-92)
※パトリック・デブリン(Patrick Devlin, 1905-92)

3 功利主義と直観主義の論争との関連
ウォルフェンデン報告の立場と功利主義/デブリンの立場と常識道徳

第九章 生命倫理学における論争
1 ビーチャムとチルドレスの四原則と直観主義
[BOX ビーチャムとチルドレス]
※トム・ビーチャム(Tom L. Beauchamp, 1939- )
※ジェームズ・チルドレス(James F. Childress, 1940- )

2 生命倫理学における功利主義
※アルバート・ジョンセン(Albert R. Jonsen, 1931- )
3 功利主義的思考に対する批判

第一〇章  功利と直観の二元性──脳科学と心理学の知見から
1 特定個人の人命と統計的人命
※ポール・スロヴィック(Paul Slovic, 1938- )
2 経験的思考と分析的思考──思考の二重プロセスモデル
3 脳科学とトロリー問題

結語



あとがき (二〇一〇年一〇月  児玉 聡)

用語集
一見明白な義務(prima facie duties)/宇宙の視点(from the point of view of the universe)/観念連合(association of ideas)/帰結主義(consepuentialism)/規則功利主義(rule-utilitarianism)/基礎付け主義(foundationalism)/義務論(deontology)/共感と反感の原理(the principle of sympathy and antipathy)/教義的直観主義(dogmatic intuitionism)/共通道徳(common morality)/経験則(rule of thumb)/行為功利主義(act-utilitarianism)/功利原則(the principle of utility)/功利主義(utilitarianism)/功利性(utility)/自然主義的誤謬(naturalistic fallacy)/実定道徳(positive morality)/慣習道徳(conventional morality)/主意主義(voluntarism)/主知主義(intellectualism)/常識道徳(common sense morality)/情動説(emotivism)/神学的功利主義(theological utilitarianism)/心理的快楽説(psychological hedonism)/心理的利己説(psychological egoism)/整合説(coherentism)/正の理論(theory of the right)/義務の理論(theory of obligation)/善の理論(theory of the good)/価値の理論(theory of value)/他者危害原則(the harm to others principle)/危害原則(the harm principle)/知覚的直観主義(perceptional intuitionism)/直観(intuition)/直観主義(intuitionism)/哲学的直観主義(philosophical intuitionism)/道徳的感覚説(moral faculty)/道徳的区別(moral distinctions)/道徳的実在論(moral realism)/道徳の独自性(sui generis)/内在的価値(intrinsic value)/認識論的直観主義(epistemological intuitionism)/パターナリズム(paternalism)/反省的均衡(reflective equilibrium)/非認知説(non-cognitivism)/不快原則(the offense principle)/普遍的指令説(universal prescriptivism)/方法論的直観主義(methodological intuitionism)/ホッブズ主義(Hobbism)/メタ倫理学(metaethics)/リーガル・モラリズム(legal moralism)/利己的快楽説(egoistic hedonism)/理性的直観主義(rational intuitionism)/理想的功利主義(ideal utilitarianism)/論理実証主義(logical positivism)

引用文献一覧
事項索引
人名索引


≪著者: ≫ 児玉 聡 (こだま さとし) 1974年大阪府に生まれる。2002年京都大学大学院文学研究科博士課程単位取得退学。博士(文学、2006年)。東京大学大学院医学系研究科専任講師。著書、『入門・医療倫理』I・II(共著、勁草書房、2005・2007年)ほか。訳書、ヘスター編『病院倫理委員会と倫理コンサルテーション』(監訳、勁草書房、2009年)、ダニエルズ、ケネディ、カワチ『健康格差と正義』(監訳、勁草書房、2008年)、ホープ『医療倫理』(共訳、岩波書店、2007年)ほか。

児玉聡 『功利主義入門 はじめての倫理学』(ちくま新書、2012年) '12/07/24





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本「東シナ海文化圏 東の〈地中海〉の民俗世界 (講談社選書メチエ530)」野村伸一5

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東シナ海文化圏 東の<地中海>の民俗世界 (講談社選書メチエ)
東シナ海文化圏 東の〈地中海〉の民俗世界 (講談社選書メチエ530)

○著者: 野村伸一
○出版: 講談社 (2012/7, 単行本 320ページ)
○定価: 1,890円
○ISBN: 978-4062585330
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East China Sea
民俗の世界、文化圏として


米を食べ、芋を植え、魚を捕る。船を家とし海を渡り、時に交易し時に海賊と化す。女達はしっかり者の働き者で、女性化した観音さまを信仰する。死後の世界は海の彼方にあり、死者の魂は蝶や花となって生者の世界を訪れる―― 中国、朝鮮、沖縄、台湾を一つの視野におさめ、「東の地中海」=東シナ海をめぐる地域に通底する基層文化を、多様な民俗現象から掘りおこす。


≪目次: ≫
凡例

はじめに
一 東方地中海からの問題提起
多元文化のなかに潜む共通性/開拓者たちの地/東方地中海地域をこころの拠り所に
二 基層文化
一六世紀が分岐点/海域の内側の民俗世界へ/接近の仕方

第一章 呉越文化の広がり
1 呉越文化概観
1. 呉越の地
呉越の地からの移動
2. 呉越文化
(1) 稲作とその祭祀
江南、朝鮮の稲収穫後の祭祀/日本の収穫後の祭祀
(2) 船と漁撈
胡人は馬、越人は船
(3) 文身、花
文身する海民/花の霊力
(4) 蛇崇拝
蛇を祖とする/蛇、木龍、女神
(5) 龍信仰――蛇の姿態変容(メタモルフォーゼ)
海神から龍王へ/女性海神とその来往/龍王迎え
(6) 複葬――二度の埋葬
複葬の広がり/朝鮮半島の霊の浄め
(7) 飛翔する霊魂
霊魂飛翔
(8) 地獄と救済――無祀孤魂への懼れ
盂蘭盆会(うらぼんえ)と水陸会(すいりくえ)/目連戯と十王信仰/城隍廟の賑わい
(9) 巫の祭祀
巫は無形に事える女/符呪(ふじゅ)
(10) 東方地中海地域の海神伝承
皇帝は龍の化身/原初の女性海神たち
(11) 朝鮮中宗時代の呉越認識
稲作地帯への視点
2 呉越滅亡後の東方地中海
1. 秦漢から六朝まで
山東半島と徐福東渡/呉越の仏教信仰/百済の使節と海路
2. 隋唐から宋元まで
在唐新羅人とは何か/張保皐と新羅人たちの航行/茶文化の広がり/陶磁器の東伝/海の観音/普陀山/観音女神とその後裔/儺者(ヌオジャ)の系譜
3. 明清代の東方地中海
朝鮮半島周辺の海民/対馬島民の横行/荒唐船(こうとうせん)の往来/賊倭を率いる王直とその一党/五島の賑わい/琉球国と朝鮮人漂流者/一五世紀以降の死者霊供養

第二章 農、交易、生死
1 農者天下之大本
(1) 東方地中海地域の稲作の広がり
日本、朝鮮の水田耕作/水田稲作の故郷
(2) 稲作の祭祀――年(みのり)への祈り
稲作と龍、競漕/江南の祈年/朝鮮半島の禾積(クアチョク)と野焼き
(3) 鬼の月(七月)の稲作祭祀
江南の七月半/蜜陽(ミリヤン)の百中戯(ペクチュンノリ)
(4) 蜡祭――年末の収穫感謝祭
蜡祭(ジャジ)/儺の戯(あそび)
(5) 共同労働の諸相
稲作と互助組織
2 イモと長者
押し掛け女房と芋掘り男/朝鮮朝の山薬/里芋、甘藷
3 織物
男は稼穡、女は桑柘/蚕神の祭祀/琉球の織物
4 高床式の家
梁や柱の重視
5 海居――水上居民へのまなざし
朝鮮の諺にいう海居/鮓(しおから)の淵源と広がり/海民への評/海民の女性と信仰/漂流
6 交易の利
交易の賑わい/綿花の栽培、交易
7 人生儀礼
仲間意識/産育/別れのあそび/海民たちの霊魂供養/葬送は生のはじめ

第三章 他界――魂は故郷をめざす
1 村人の魂の居る所
花林女神
2 海を往く人びと
徐福伝承のはじまり/渡海移民伝承の意味/海上他界観念
3 朝鮮半島における南の地(ナムニヨクタン)への渇望
海彼の島国(ユルドグウク)/崔南善のみた「南朝鮮」/『鄭鑑録』の十勝之地
4 江南天子国(カンナムチョンジャグウク)
江南にないもの/巫歌の江南は鳥、魂の故地
5 ニライカナイ
海からくる君真物(きんまもん)/東の浜への漂流/沖縄人の移住/魂の故地ニライと海底の龍宮
6 魂は故郷をめざす
水辺に漂いくる魂/水辺に多い聖地、墓/観音の住地補陀落(ふだらく)/補陀落への憧れ/船の来往/原初の漂着船――宝船への期待/逝くもの、来るもの

第四章 女の世界
1 結婚のかたち
朝鮮半島の聟入り/東方地中海地域に普遍的な妻方優位/中国のばあい
2 嫁入りの諸型
花嫁の代価――中国の攔期館(ランチグアン)と沖縄の地手間(じでま)
3 働き
市や野、海で働く女たち/朝鮮半島の海辺の女たち/織物と酒
4 あそび
月夜のあそび/沖縄の女性のあそび
5 集い――会、契、講
契(ゲ)/日本の十九夜念仏講
6 戦う女たち
女は戦の魁(さきがけ)、女戦士の軍隊
7 巫女と遊女
国巫の存在/花娘(ファラン)、遊女(ユニョ)
8 比丘尼、社堂(サダン)
尼僧の語り/尼の宝巻語り
9 観音と生命
戸戸有観音/百済の僧侶と観音/洛山観音/新羅以来の女人観音の信仰/観音、巫祖神パリテギ、浄水

第五章 『大長今』の世界から――一六世紀基層文化の事例研究(ケーススタディ)
1 一六世紀を背景にした『大長今』
興味深い時代背景――八つの問いかけ
2 歴史のなかの医女長今
医女たちの活躍/『朝鮮王朝実録』のなかの長今(チャングム)
3 中宗の時代
倭人、倭寇/済州島
4 働く女たち
宮女の範囲と出身背景/部署、職位/医女(ウイニョ)/妓生(キーセン)たち/報酬
5 同時代の食
主食、肉類、発酵食品/生肉(センシク)、魚類、野菜、豆/餅(トク)、果実その他、酒
6 疫病への畏れ
天然痘
7 墓と風水
土葬、風水(プンス)
8 女性たちのこころの拠り所
寺社革罷と仏事/念仏の男女、巫堂(ムーダン)、花郎(ファラン)/厚葬の風/観音示現
9 市場の芸人
市場のあそび/走る女たち

第六章 祭祀世界
1 生命の姿態変容(メタモルフォーゼ)――蝶、鳥、蛇、花
1. 魂は蝶、鳥に
化蝶(ファディエ)――人が蝶になる/霊魂と鳥
2. 蛇祭祀の明暗
『白蛇伝』類/蛇への視点
3. 花の祭祀
死者と花、花仙
2 海神と海辺の招魂
1. 海の女神
沖縄のウンジャミの女神性/ケヤン婆さん(ハルミ)と海の観音/浙江省嵊泗(シャンス)島の観音祭祀
2. 龍王の祭祀
龍王の奉賀、皇帝(龍の子孫)による海の祭祀/民間の龍王祭祀
3. 海辺の招魂
潮魂(チャオフン)――海辺の招魂/撫魂(ムホン)グッと霊魂掬い(ノクコンジキ)/「龍畜経」による弔い
3 仏教・道教による霊魂儀礼から野祭(ヤジェ)へ
1. 南朝の仏教隆盛と東伝
盂蘭盆会の来歴/水陸会/十王の審判
2. 朝鮮半島の仏会
八関会と燃灯会の記録/法会と芸能/霊山斎(ヨンサンジエ)
3. 女人観音の諸相――宝巻(バオジュアン)、観音戯(グアンインシ)、変化身(へんげしん)
『香山宝巻』とその流布/宝巻を演じる/さまざまな変化身(へんげしん)
4. 道教による霊魂儀礼
呉越地区の道教/黄籙斎(こうろくさい)
5. おそるべき死と野祭(ヤジェ)
野祭(ヤジェ)の諸相/憑依する人びと/身主(モムジュ)
4 民俗世界の彩り
1. 般若龍船(パニヤヨンソン)と布橋――船、橋を介しての浄土入り
般若龍船(パニヤヨンソン)で浄土入り/法会から巫儀へ
2. 十王迎え(シワンマジ)
差使霊迎え(チサヤヨンマジ)の特徴
3. 仏道迎え(プルトマジ)
仏道迎え(プルトマジ)の特徴
4. 冤鬼と病――病の治し方
済州島の病気治し――甕解き(トンイプリ)
5. パンソリ
呉越の宣巻(シュエンジュアン)、神歌(シエンガ)/春香(チュニヤン)伝承の変容
6. 目連戯(ムーリエンシ)
宋代から明代の目連戯/明清代、各地の目連戯/目連戯の動因/生きている宗教劇/目連戯中の民俗/塔を回して霊を救う
7. 鬼舞から亡霊の跳舞へ
地獄の主(アルジ)の舞/鬼来迎(きらいごう)は鬼舞/鬼舞のふたつの含意――呵責と災厄制御/亡者自身の舞と盆踊り
8. 南戯の世界
宋代の発生/初期作品『王魁』『趙貞女蔡二郎』/舞台における救済/江南各地の新たな演劇/生きている初期南戯の世界/巾幗英雄(ジングオインション)の活躍――女性救済の第二のかたち/巾幗英雄の死――娘子媽(ニャンズマ)の対抗、敗北の記憶/妓生の剣舞/剣と女性

おわりに――まとめに代えて
1. 東方地中海地域の可能性
2. 基層文化に息づく智慧
女神たちの森と智慧
3. 伏流する女の世界、その顕現の兆し
4. 結語――東方地中海の活力の源泉へ

あとがき

参考文献
関連サイト一覧
東方地中海地域文化関係略年表
索引


≪著者: ≫ 野村伸一 (のむら・しんいち) 1949年生まれ。慶應義塾大学文学部卒業。同大学大学院博士課程文学研究科単位取得退学。慶應義塾大学文学部教授。専門は東アジアの民俗文化。著書に『東シナ海祭祀芸能史論序説』(風響社)が、編著書に『東アジアの祭祀伝承と女性救済』(風響社)、『東アジアの女神信仰と女性生活』(慶應義塾大学出版会)がある。


申叔舟 『海東諸国紀 朝鮮人の見た中世の日本と琉球』(田中健夫 訳注、岩波文庫、1991年) '12/03/04
田中健夫 『倭寇 海の歴史』(講談社学術文庫、2012年) '12/02/19





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東方地中海地域はさまざまな可能性をもたらしてくれる。第一は省察である。国家形成以前からの歴史と文化に富んだ海の上に線を引き、壁を作ることがいかに愚かであるか、それがよくわかる。第二に国民国家意識の克服である。この海域は日本人、中国人、朝鮮・韓国人といった呼称へのこだわりを希薄にする。一六世紀ごろまでのこの海域では、そうした名称は便宜的なものに過ぎなかっただろう。第三は海の再認識である。この海域の人びとは海の彼方に憧れ、癒される。それはここを往来した遠い記憶が育んだのである。この記憶から新生活への意欲、生活を再活性化する年末年始の観念も生まれた。海は原郷である。第四に根追いの文化への接近。ここには仏教、道教、儒教、そして基督教(キリスト教)が流入したが、その根柢には強靭な基層文化があって、絶えず、習合、再創造がなされた。 (p.268)





本「トム・ソーヤーの冒険 (光文社古典新訳文庫149)」トウェイン、土屋京子 訳5

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トム・ソーヤーの冒険 (光文社古典新訳文庫)
トム・ソーヤーの冒険  Mark Twain: "The Adventures of Tom Sawyer", 1876 (光文社古典新訳文庫149)

○著者: マーク・トウェイン土屋京子
○出版: 光文社 (2012/6, 文庫 544ページ)
○定価: 980円
○ISBN: 978-4334752514
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1861年、南北戦争American Civil War)勃発


人生で大切なことは
すべてトムが教えてくれる。


トム・ソーヤーは悪さと遊びの天才だ。退屈な教会の説教をクワガタ一匹で忍び笑いの場に変えたり、家出して親友のハックたちと海賊になってみたり。だがある時、偶然に殺人現場を目撃してしまい……。小さな英雄たちの冒険を瑞々しく描いたアメリカ文学の金字塔。


≪目次: ≫
トム・ソーヤの冒険』 The Adventures of Tom Sawyer, 1876
  Illustrations by True W. Williams

(1976年、ハートフォードにて 著者)
第1章 これ、ト〜ム〜!/保護者のつとめ/口笛の練習/けんか/窓からこっそり帰ったもの
第2章 頼む、やらしてくれよ/戦略的行動/いいカモたち
第3章 戦争ごっこ/凱旋の英雄に花一輪/ぶざまなる恋の至福/想いは届かず
第4章 暗記の苦行/日曜学校/校長先生/いいところを見せようと/トム、脚光を浴びる
第5章 牧師さんは多芸/礼拝の風景/犬とクワガタ
第6章 病気ならいいのに/歯がぐらぐら/真夜中の呪文/魔女と悪魔/周到なアプローチ/幸せな時間
第7章 領土不可侵条約/おませなレッスン/大失策
第8章 ぼくの人生は決まった/ロビン・フットごっこ
第9章 真夜中の墓地/殺人の一部始終/インジャン・ジョーの説明
第10章 血の誓約/改心が頭をよぎる/無言の叱責
第11章 見ろ、マフ・ポッターだ!/良心の呵責
第12章 ピーター、おまえも欲しいのか?/おばさん、ほろりとする
第13章 尻の青い海賊たち/いざ根城へ/海賊談義
第14章 気ままな野営暮らし/ホームシック/黙って島を抜け出す
第15章 夜陰に乗じて/盗み聴きでわかったこと/根城に戻る
第16章 陽気な一日/あっと言わせる秘密の計画/海賊のたしなみ/真夜中の大雷雨/インディアンごっこ
第17章 亡き少年たちをしのんで/自分の葬式を見物する
第18章 あんたは薄情な子だよ/驚くべき夢見/もうベッキーなんかいなくても/嫉妬に身を焦がす/黒い復讐
第19章 トム、今回は真実を語る
第20章 ベッキーの窮地/気高くも罪をかぶる
第21章 参観日/女学生の作文/長ったらしい「幻想」/復讐の後光
第22章 大人なんか、あてにならない/天罰を覚悟する
第23章 囚人への差し入れ/法定のマフ・ポッター/死刑をくつがえす
第24章 村の英雄トム/栄光の昼、恐怖の夜/インジャン・ジョーの行方
第25章 王様とダイヤモンド/宝探し/死人だの幽霊だの
第26章 おばけ屋敷/幽霊どもの昼寝/金貨の箱/なんたる不運
第27章 あれは夢だったのか/少年探偵団
第28章 ナンバー・ツーに忍びこむ/ハック、見張り番に立つ
第29章 ピクニック/インジャン・ジョーの跡をつける/「復讐」に来たんだ!/未亡人が危ない
第30章 ウェールズ老、通報する/ハック、問い詰められる/ニュースが広まる/もう一つの大事件/希望は潰えて、絶望へ
第31章 洞窟探検/まずいことになったぞ/帰り道がわからない/漆黒の闇/救いの手かと思いきや
第32章 トム、脱出劇を語る/洞窟は封印しておいたよ
第33章 インジャン・ジョーの最期/ハックとトム、真相を確かめあう/カネは洞窟の中/幽霊なんか出ないさ/盗賊にふさわしい隠れ処/ダグラス邸のパーティー
第34章 種明かし/ジョーンズ老、期待はずれ
第35章 新しい暮らし/哀れなハック/次なる冒険


解説/都甲幸治(早稲田大学文学学術院教授)
トウェイン年譜
訳者あとがき (二〇一二年四月  土屋 京子)


≪著者: ≫ マーク・トウェイン Mark Twain [1835-1910] アメリカの作家。ミズーリ州フロリダに生まれる。印刷工、ミシシッピ河を運航する蒸気船の水先案内人、新聞記者などの職業を経て、作家となる。1867年、最初の単行本『キャラヴェラス郡の名高き跳び蛙』を刊行。以後、『トム・ソーヤーの冒険』『王子と乞食』『ハックルベリー・フィンの冒険』『アーサー王宮廷のコネチカット・ヤンキー』等の小説を発表するほか、『ミシシッピ河の生活』等のエッセイや評論も多数執筆。ユーモアと痛烈な文明批判を織り交ぜた作風は、後世に多大な影響を与えた。1910年、コネチカット州レディングの自宅で死去。享年74。

[訳者] 土屋京子 Tsuchiya Kyōko 1956年生まれ。東京大学教養学部卒。翻訳家。訳書に『ワイルド・スワン』(ユン・チアン)、『マオ 誰も知らなかった毛沢東』(ユン・チアン、ジョン・ハリデイ)、『ヤァヤァ・シスターズの聖なる秘密』(ウェルズ)、『EQ〜こころの知能指数』(ゴールマン)、『秘密の花園』(バーネット)、『鹿と少年(上・下)』(ローリングズ)、『部屋』(ドナヒュー)ほか多数。


バーネット 『秘密の花園  The Secret Garden, 1909 』(土屋京子 訳、光文社古典新訳文庫、2007年) '08/12/09





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本「現代中国の政治 「開発独裁」とそのゆくえ (岩波新書1371)」唐亮5

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現代中国の政治――「開発独裁」とそのゆくえ (岩波新書)
現代中国の政治 「開発独裁」とそのゆくえ (岩波新書1371)

○著者: 唐 亮 (Tang Liang)
○出版: 岩波書店 (2012/6, 新書 256ページ)
○定価: 840円
○ISBN: 978-4004313717
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そのゆくえがどうなるのか?、ジッサイ、これまで(毛沢東あたりから)どうなってきて、いまどうなっていて(開発独裁、民主化)、、、現代中国の政治


一党支配のもとで急速な経済成長を続ける中国。その政治体制にはどのような特質があり、改革開放路線によりいかなる変容が生じているのか。中間層の拡大や社会的諸矛盾の深刻化は、民主化につながるのか。現在の近代化戦略を「開発独裁」として捉え、その政治構造や変動のダイナミズムを丹念に分析。民主化のゆくえをリアルに展望する。


≪目次: ≫
はじめに――中国の政治変容をどう見るか

第一章 一党支配と開発独裁路線
1 一党支配体制と強い国家
共産党の組織構造と中央集権体制/国家機関に対する統制/軍隊に対する共産党の指導権/幹部任免権と政治的求心力/社会統制の仕組み/メディア統制
2 改革開放路線の推進
社会主義経済建設の挫折/ガバナンス能力の不足/言論弾圧の構造的要因/毛沢東への個人崇拝と晩年の守勢政治/改革開放路線の推進とプラグマティズムの浸透/市場経済化への大きな流れ/派閥政治の変容と合意重視の政治運営/政治体制の変容
3 中国の「開発独裁」の特徴
政治社会の安定化/政策決定の自律性・スピード・実行能力/北京コンセンサス/開発独裁路線の変容/共産党の生き残り戦略

第二章 国家制度の仕組みと変容
行政主導の党国家体制
1 擬似民意機関としての人民代表大会
選挙制度の欠陥と飾り物としての人民代表大会/人民代表大会の組織構造/法律制定の過程/立法機能の強化/民意機関への模索と限界
2 開発国家の行政制度
社会主義時代の行政/近代化路線と行政改革/閣議決定の仕組みと部局間の調整/事業部門の改革/規制緩和とサービス型行政への取り組み/行政参加の始まり
3 「法治」途上の司法制度
毛沢東時代の「党治」と「人治」/法律の整備/司法機構の整備/憲政実現への課題/党の政法委員会と紀律委員会の司法権/司法腐敗の深刻さ/司法改革への視点

第三章 開発政治の展開
1 市場経済化と格差の拡大
近代化の「遅い」出発点/市場経済化の「光」と「影」/経済格差の拡大/都市労働者の地位低下/新自由主義型の労働政策/農民に対する不当な差別/エリートの特権と腐敗
2 大衆の経済的な維権活動
維権活動の展開/動員手段としての新興メディア/集団抗議活動の頻発と暴力化/弾圧コストの増大/土地の政治/環境問題と住民運動/烏坎モデル
3 調和社会へ向かう社会政策の推進
開発一辺倒の是正へ/調和社会の構築/社会主義新農村建設/ミニマム公共サービスの保障/社会政策の限界

第四章 上からの政治改革
政治改革をめぐる認識ギャップ
1 上からの政治改革戦略
政治改革目標の設定/経済発展優先型の政治改革/体制改革の漸進的なアプローチ/保守的な政治改革の力学
2 「中国式民主主義」の論理と内実
中国式民主主義と伝統文化論/国家コーポラティズム「拡大版」の現実/討議デモクラシーと政策過程への参加/「共通の価値論」と民主化への「中国の道」
3 緩やかな自由化
村民委員会選挙制度の改革/党内選挙制度の改革/腐敗防止策としての情報公開/情報公開条例の制定/メディアの商業化運営と報道改革/上からの政治改革への中間評価/権威主義体制の変容論

第五章 下からの民主化要求
1 民主化の担い手としての中間層
リプセット仮説/中国・中間層の台頭/政治意識の二面性/発展途上にある中間層の未熟さ/中間層の政治参加と社会の改良/将来的な成熟化の可能性/ブルジョアへの期待と失望
2 市民社会の活動
「公共知識人」と「準公共圏」/人権弁護士と公益訴訟/市民社会論とNGO/NGOの活動実態/知識人の独立性の向上/人民代表選挙と独立候補者
3 低調期の民主化戦略
「北京の春」と一九八九年の民主化運動/民主化運動の高揚期と低調期/維権運動と低調期の民主化戦略/維権への支援活動と「公盟」の例/自由の空間をめぐる「闘い」/紆余曲折の道のりが続く

おわりに――民主化の展望は開かれるか
初期条件の整備状況と民主化のパターン/中国の民主化はどう進むか

あとがき (二〇一二年五月  唐 亮)
参考文献一覧


≪著者: ≫ 唐 亮 (とう・りょう) 1963年中国浙江省生まれ。1986年北京大学修士課程(政治学専攻)修了。1993年慶應義塾大学博士課程(政治学)修了。早稲田大学政治経済学術院教授。専攻、現代中国政治。著書、『現代中国の党政関係』(慶應義塾大学出版会、第19回発展途上国研究奨励賞)、『変貌する中国政治――漸進路線と民主化』(東京大学出版会、第18回大平正芳記念賞)、『中国は、いま』(共著、岩波新書)ほか。






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本「明治洋食事始め とんかつの誕生 (講談社学術文庫2123)」岡田哲5

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明治洋食事始め――とんかつの誕生 (講談社学術文庫)
明治洋食事始め とんかつの誕生 (講談社学術文庫2123)

○著者: 岡田 哲
○出版: 講談社 (2012/7, 文庫 264ページ)
○定価: 924円
○ISBN: 978-4062921237
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天武天皇の殺生禁断から1200年にわたって、牛などの獣肉の肉食は避けるようにと、教育を受けて、おおよそその禁が破られることがなかったのは、たとえば、水田稲作農耕文化圏に属し、恵まれた気候風土にあって、温帯地域特有の四季の変化があって、食資源の種類と量が豊富であったことから、魚介・野菜を中心に、土産土法により、その土地の素材を最もおいしくする調理加工法が発達し、だから、日本式の調理と独特の発酵技術が、なるほど、少なくとも江戸期ほどの人口までは、自給自足の体制で日本人の生命を支えることができて、しかし、はたして、近代化、文明開化、明治維新


明治維新は一二〇〇年におよぶ禁を破る「料理維新」でもあった。近代化の旗のもと推進される西洋料理奨励キャンペーン、一方で庶民は牛鍋あんパンライスカレーコロッケなどを生み出し、ついに「洋食の王者」とんかつが誕生する。日本が欧米の食文化を受容し、「洋食」が成立するまでの近代食卓六〇年の疾風怒濤を、豊富な資料をもとに活写する。


≪目次: ≫
プロローグ
日本人の食は理解不可能/遣外使節が苦しんだ西洋食/とんかつ、カレーライス、コロッケの不思議な魔力/明治維新は料理維新/近代国家への急速な変身/一二〇〇年の禁を破る/西洋料理を消化・吸収しおえる

第一章 明治五年正月、明治天皇獣肉を食す
1 明治料理維新
体力的、文化的劣等感/肉食解禁は、はなはだ奇怪/新政府の執念
2 肉食の日本史
野鳥獣の宝庫/仏教伝来と肉食禁止令/牛乳を飲むは生血を吸うが如し
3 幕末の肉食、薬喰い
彦根藩の牛肉の味噌漬け/外国人居留地の肉食/ももんじ屋/福沢諭吉とブタの頭

第二章 牛肉を食わぬ奴は文明人ではない
1 鍋に入りこむ牛肉
牛鍋のルーツを探る/牛鍋屋の大流行/山の奥まで牛肉屋/すき焼き、関西で誕生す/関西から関東へ/牛鍋異聞
2 知識人による牛肉賛歌
肉食を妨げる者あらば、役人の落度/中川喜兵衛、富士山頂より氷を切りだす/肉食論者、福沢諭吉/『安愚楽鍋』の怪気炎/肉食は文明開化をうながす
3 高まる肉の需要
外国人向け牛肉調達/神戸牛の人気/馬肉の台頭/治療食としての牛肉
4 鷗外対諭吉
豚肉は健康によくない/鷗外の兵食論/都会派対農村派
5 西洋料理の正統
西洋料理と洋食/西洋料理発祥の地、長崎/横浜大夜会の惨状/文明開化発祥の地、築地/西洋料理の知識の普及/鹿鳴館の時代/洋食会/滋養に富む西洋料理/欧米の家庭の食事をのぞく

第三章 珍妙な食べ物、奇妙なマナー
1 肉アレルギー
肉皿はそのつど破棄/食べる方の苦労
2 テーブルマナーがわからない
ナイフ・フォークで口の中は血だらけ/馬肉と牛肉を見分ける/新聞の報じた珍風景
3 怪しい西洋料理
インチキ料理/箸対ナイフ・フォーク/好きになれない西洋料理

第四章 あんパンが生まれた日
1 パンの壮大な歴史
パンとは何か/パンの発生は六〇〇〇年前/コンチネンタルタイプとアングロアメリカンタイプ/パン酵母とパンの量産化
2 不思議な食べ物としてのパン
初めてパンを見た日本人/パン問答/パン作りへの挑戦
3 兵糧パンの開発競争
パンの利点/日本のパン祖、江川太郎左衛門/続々とつくられる兵糧パン/パンは脚気に効く/フランスパンからイギリスパンへ/パン批判
4 あんパン誕生
アンパンととんかつ/木村安兵衛の挑戦/発想の転換/日本のパンの歴史がわかる/明治天皇、あんパンを食す/売れ行き急上昇/代用食としてのパン/菓子パンと調理パン/庶民の食卓にあふれる世界のパン

第五章 洋食の王者、とんかつ
1 とんかつの謎
六〇年間の努力/とんかつの語源/ホールコットレッツととんかつ/ルーツ料理の共通点
2 揚げ方の秘密
揚げ物料理と日本人/世界の揚げ物料理/日欧の揚げ方の差/究極の調理技術、てんぷら/明治後期と現代の揚げ方/日本人の知恵
3 豚肉と日本人
豚のルーツ/豚が伝来する/明治の養豚政策/東京帝大教授の豚肉料理法
4 とんかつ誕生
ポークカツレツと刻みキャベツ/庶民、カツレツと戦う/まずいという日本人はいない/ポークカツレツからとんかつへ/人気は高まる一方/「カツは上野か浅草か」/とんかつの兄弟たち/かつ丼――震災後、全国に普及/串かつ――世界に例がない料理/かつカレー――一食で二倍楽しめる
5 とんかつを生んだ知恵
とんかつはなぜおいしいか/家庭料理書の中のとんかつ/使い道のなかった豚ヒレ肉/厚切り豚肉を揚げる技術/てんぷらとフライの違い/とんかつの歯ざわり/西洋野菜の助け/ウスターソースという独創/からしの効用/とんかつと豚汁

第六章 洋食と日本人
1 西洋料理の崇拝――明治初期
西洋の四期/滋養という概念
2 西洋料理の吸収・同化――明治中期
西洋料理技術の習熟
3 和洋折衷料理の台頭――明治後期
和洋折衷料理(洋食)の魅力/料理学校の開設/カフェで洋食が食べられる/ライスカレー/カレー粉消費量世界第二位に/カレー料理の歴史/コロッケの出現/外食としての洋食/日本料理への影響
4 洋食の普及――大正・昭和期
三大洋食が脚光をあびる/関東大震災後の洋食と須田町食堂の盛況/とんかつ誕生す――昭和の洋食

エピローグ
料理維新――現代日本の食の原点/中国や朝鮮半島で育たなかった洋食/コムギ粉料理と日本人/日本型食生活の完成/現代の食卓がかかえる難問/(二〇〇〇年一月一日  岡田 哲)

参考文献
日本洋食年表


※本書の原本は、二〇〇〇年三月、小社より講談社選書メチエ『とんかつの誕生――明治洋食事始め』として刊行されました。


≪著者: ≫ 岡田 哲 (おかだ てつ) 1931年生まれ。東京大学農学部農芸化学科卒業。日清製粉株式会社勤務ののち、NHK放送大学で食文化史講座を担当する。主な著書に、『コムギ粉の食文化史』『日本の味探究事典』『世界の味探究事典』『食の文化を知る事典』『コムギ粉料理探究事典』などがある。






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本「文化遺産の眠る海 水中考古学入門 (DOJIN選書045)」岩淵聡文5

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文化遺産の眠る海: 水中考古学入門 (DOJIN選書)
文化遺産の眠る海 水中考古学入門 (DOJIN選書045)

○著者: 岩淵聡文
○出版: 化学同人 (2012/3, 単行本 228ページ)
○定価: 1,890円
○ISBN: 978-4759813456
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いま世界が注目する水中文化遺産。海洋戦略、文化政策はもとより、外交交渉のカードとしても使われ始めている。その背景には、ダイビング技術の普及や海洋工学機器の急速な技術革新による、水中考古学研究の著しい進展がある。その一方で、世界統一基準のもとでの保全管理も火急の課題として浮かび上がってきている。考古学、人類学、歴史学、地理学、法学、化学など多岐にわたる学際的な研究分野ともいえる水中考古学の最新動向の紹介を通して、今なぜ水中文化遺産が重要か、その本質を説く。


≪目次: ≫
まえがき

第一章 水中文化遺産と水中考古学
水中文化遺産/人間の遺骸は残らない/沈没船遺構/先史時代の遺産/一〇〇年を経過したものが水中文化遺跡/水中にある部分/水中考古学/海洋考古学あるいは海事考古学/トレジャー・ハンティングとの相違/歴史を変える水中考古学/船の構造は良くわからない/古代交易の謎/船上生活/今なぜ水中文化遺産か?

第二章 水中文化遺産は誰のもの?
自由の時代/各国独自の取り組み/海洋法に関する国際連合条約/水中文化遺産保護条約/商業的利用の禁止/原位置保存の原則/「沈没船引き揚げ」は不可/海底ミュージアム構想/締約国の義務/増えつつある批准国/大国の動向/遅れる日本/水難救護法/周知の埋蔵文化財包蔵地/二〇四五年問題

第三章 水中考古学の方法
水中文化遺産の同定/偶然の発見/水の中は良く見えない/音響測深機/サイドスキャンソナー/海底地下を調べるには?/磁気探査/表層の除去/正確なマッピング/水中文化遺産の破壊的発掘/歴史分析と科学分析/保存処理

第四章 世界の水中考古学
ヘルメット潜水/スクーバ・ダイビングの発明/北欧における発見/水中考古学の父/世界最古の沈没船/海底都市/アレクサンドリア海底遺跡/ポート・ロイアル/トレジャー・ハンターに荒らされるカリブ海/海洋考古学研究所/水中考古学諮問委員会/新安沈没船/中国の動き/東南アジア/インド洋/アフリカ/国際水中考古学会議/深海考古学の台頭

第五章 日本の水中考古学
モースと海事文化遺産/曽根論争/小江慶雄の業績/開陽丸発掘/石干見の調査/元寇の水中遺跡/水中考古学の一時的興隆/トレジャー・ハンターの影/与那国島沖水中自然遺産/神津島海底遺跡/いろは丸の調査/水中遺跡地名表/水中文化遺産の地図/小値賀島前方湾海底遺跡/南西諸島の水中文化遺産/海揚がりの陶磁器/日本における深海考古学

文献紹介
あとがき (二〇一二年二月  岩渕 聡文)


≪著者: ≫ 岩淵聡文 (いわぶち あきふみ) 1960年東京都生まれ。83年早稲田大学第一文学部史学科卒業。85年東京大学大学院社会学研究科修士課程修了。90年オックスフォード大学大学院社会人類学科博士課程修了。東京海洋大学海洋工学部海事システム工学科教授。テキサスA&M大学海洋考古学研究所連携研究員。哲学博士(オックスフォード大学)。専門は社会人類学・海洋文化学。著書に The People of the Alas Valley(Clarendon Press)、共著に『ギリシア世界からローマへ』(彩流社)、訳書に『タイ南部のマレー人』(風響社)などがある。






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本「特高警察 (岩波新書1368)」荻野富士夫5

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特高警察 (岩波新書)
特高警察 (岩波新書1368)

○著者: 荻野富士夫
○出版: 岩波書店 (2012/5, 新書 256ページ)
○定価: 840円
○ISBN: 978-4004313687
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ゴメンで済んだらケイサツ要らない、とか、はたまた一方では、謝ってるんだからゆるせ、とか、およそヒトは過ちを犯さない生き物ではないのだから、過ちを犯すことは避けられない、むしろ容易に過ちを犯してしまう、のであって、さて、犯した過ちは、ひとたび犯されてしまった過ちは、時間を遡って過ちが犯される以前の状態に戻ることができないことから、犯された過ちが消失することはない、犯された過ちは残存して、はたして、ゆるすとは、ゆるされるとは、いかに

夏だから暑いのなんかはアタリマエ、なんだろうけれども、ジッサイ、カラダはラクではない、外気温の変移に同調させるべくガンバっているのだろう、たとえば、屋内の過度に空調が効いた人工的な風に、冷たい飲み物に、電車は弱冷房車でもときどき寒い、そう、暑いなら暑いでその状態が大きく変わることなく持続するならば、やがて時間の経過とともにまもなく慣れて順応するだろう、、、体調をおおきく崩すようなことはないものの、いつもにもましてチカラが入らない(またそのような状態にもやがて時間の経過とともにまもなく慣れて順応するだろう)


日常行動の監視、強引な取締り、残虐な拷問……。悪名高き特高警察は、いったいいかなる組織だったのか。その「生態」を膨大な資料・証言から解き明かすとともに、日本支配下にあった朝鮮や「満州」での様相、ドイツの秘密警察ゲシュタポとの類似と相違など、全体像を多角的に探る。


≪目次: ≫
凡例
はじめに
「特高警察」のイメージ/多喜二の描く「特高警察」/「生きている」特高警察/何をどのように書くか

I 特高警察の創設
1 特高警察の前史
国事警察としての出発/高等警察への転換
2 大逆事件・「冬の時代」へ
高等警察の「特高警察」化/社会主義の逼塞化へ/「特高警察」の誕生/「特別要視察人視察内規」/再開される社会主義活動への対応/高揚するデモクラシーへの対応
3 特高警察体制の確立
抑圧体制の過渡期/治安維持法成立の前後/三・一五事件/治安体制の一挙拡充のなかで/全国組織としての整備/昭和天皇即位式の警備を通して/内鮮警察

II いかなる組織か
1 「特別」な高等警察
「安寧を保全する」/「国民思想の指導」へ
2 特高の二層構造
警保局保安課/若き特高課長/“たたき上げ組”/各府県特高課/特高警察の日常
3 一般警察官の「特高」化
視察取締りの網の目/「特高眼の涵養」/「民心の動向察知」
4 思想検事・思想憲兵との競合
思想検事に対して/思想憲兵に対して/特高内部の競合

III その生態に迫る
1 国家国体の衛護
「国家の警察」と「国体の本義」/「国体擁護」の最優先
2 特高の職務の流れ
「思想犯罪」の処理過程/視察の開始/特高情報の流れ
3 治安法令の駆使
治安維持法の司法警察的・行政警察的運用/外郭団体への適用拡大/朝鮮・「満州国」における治安維持法運用/他の治安法令の活用
4 「拷問」の黙認
「日本一の神奈川県特高のテロ」/山本宣治の追及/拷問の効果自認/拷問を容認する体質/「一度なぐると」
5 弾圧のための技術
特高技術のマニュアル化/失敗から学ぶ/超法規的行為の実行・奨励/スパイの活用/スパイの「培養」/「機密費」/「転向」施策/センセーショナルな新聞報道
6 特高の職務に駆り立てるもの
取締りをすることの自負/立身栄達の道/叙勲・警察賞与

IV 総力戦体制の遂行のために
1 非常時下の特高警察
共産主義運動の壊滅へ/国家主義運動の視察と「指導」/一九三〇年代以降の国家主義運動「指導」/出版警察/検閲と思想統制/さらなる徹底/宗教警察/「邪教取締に関する件」/宗教弾圧の帰結
2 「共産主義運動」のえぐり出し
「共産主義思想の「バチルス」」/取締り対象の拡張/「些々たる法的技術に捉われず」/「仮借なく検挙」/国民生活の監視/治安維持法の「改正」へ/「共産主義革命」への疑心暗鬼/共産主義者の「見分け方」/「横浜事件」の虚構
3 「民心」の監視と抑圧
銃後の治安維持/経済警察の始動/経済警察の高度化/特高警察と経済警察の協調と競合/「警戒心」の変化/「銃後民心の動向」/「人心の動揺」への警戒
4 敗戦に向けての治安維持
敗戦の予感/「非常措置」の準備/敗戦時の特高警察

V 植民地・「満州国」における特高警察
1 朝鮮の「高等警察」
「韓国併合」以前の日本側警察機関/憲兵警察・普通警察制度下の高等警察/一九二八年の高等警察拡充/赤色組合への弾圧/スパイの利用/総力戦期の高等警察
2 台湾の「高等警察」
高等警察の設置/「対岸」への視察警戒/台湾独立陰謀事件/関東州の「高等警察」
3 「満州国」の「特務警察」
二つの「特務警察」教科書/「共匪討伐」から「民心の動向」まで/島村三郎の供述/「特務警察」の創出・整備/「特務警察」の重点化
4 外務省警察
外務省警察とは/北京での高等主任会議/上海での高等主任会議/上海高等警察機関の創出/高等警察活動の拡大/在「満州」外務省警察の特高警察機能
5 「東亜警察」の志向
三橋孝一郎の戦歴/「警察界」のゆるやかな連携/「東亜警察の確立」/「東亜警察としての使命感」

VI 特高警察は日本に特殊か
1 ゲシュタポの概観
ある司法官僚の観察/ワイマール共和国下の政治・治安警察/ゲシュタポの創立/ヒムラーと警察権の一元化/ゲシュタポの組織
2 ゲシュタポとの比較
特高警察への自信・自負/前提としての「日本人」意識/抑圧取締りのゲシュタポ化/朝鮮人・中国人に対する残虐性の発揮/秘密警察としての共通性/政治警察としての共通性/日独伊防共協定/ゲシュタポの弱みと特高警察の強み/警察全体に占める位置/特高=「秘密警察」否定論

VII 特高警察の「解体」から「継承」へ
1 敗戦後の治安維持
「国体護持の大使命」/変わらぬ運用/特高警察の動揺/抑圧取締り機能の弱体化へ/菊池邦作の治安維持法廃止論/廃止論の広がり
2 GHQの「人権指令」――しぶしぶの履行
「人権指令」の発令/「牙城への我執」/罷免の不徹底/「慰労金」/公職追放/「人権指令」の波紋
3 「公安警察」としての復活
「公安警察」の創出/大衆運動の取締り/新特高「公安警察」/「公安警察」への不信の声/占領政策の転換と公安警察/特高と「擬似なるもの」として/戦後治安体制の確立

結びに代えて
特高警察の最終的敗北/負の教訓の記憶

主要参考文献
おわりに (二〇一二年三月二一日 荻野富士夫)


≪著者: ≫ 荻野富士夫 (おぎの・ふじお) 1953年埼玉県生まれ。1975年早稲田大学文学部卒業。小樽商科大学教授。専攻、日本近現代史。著書、『特高警察体制史 増補版』(せきた書房)、『北の特高警察』(新日本出版社)、『戦後治安体制の確立』(岩波書店)、『思想検事』(岩波新書)、『外務省警察史』(校倉書房)ほか。編著、『治安維持法関係資料集』(全4巻、新日本出版社)、『特高警察関係資料集成』(全38巻、不二出版)ほか。






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本「フィレンツェ  Firenze (講談社学術文庫2117)」若桑みどり5

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フィレンツェ (講談社学術文庫)
フィレンツェ  Firenze (講談社学術文庫2117)

○著者: 若桑みどり
○出版: 講談社 (2012/6, 文庫 480ページ)
○定価: 1,418円
○ISBN: 978-4062921176
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まるい月が明るく照る夏の夜、そう、前夜が満月だったようで、なるほどたしかに少し欠けはじめてる♪


ダ・ヴィンチミケランジェロボッティチェッリら、天才たちの名と共にルネサンスの栄光に輝く都市・フィレンツェFirenze)。町の起源から、自治都市国家としての繁栄、メディチ家の興亡、さらにウッフィーツィ美術館の歩き方まで、自由と独立を愛する人々に愛され続け、市民の手で守り抜かれた「花の都」の歴史と芸術を、西洋美術史家が案内する決定版。


≪目次: ≫
序章 フィレンツェの神話――古代ローマの娘・新しきエルサレム

1 都市の形成
いにしへ、フィエソレを下りて/古き壁のうちに/コムーネの成立/フィレンツェ商人とアルテの繁栄/鷲と百合/都市の民衆/死の勝利/チョンピの乱/寡頭政治の最後

2 最古の聖域
サン・ジョヴァンニ洗礼堂/『天国の門』のコンクール/線的遠近法の発明/天国の門/サンタ・マリーア・デル・フィオーレ

3 信仰にかたちを与えた聖堂
サンタ・クローチェ――フランシスコ会の生命の木/サンタ・マリーア・ノヴェッラ――ドメニコ会の厳格/サン・マルコ――ドメニコ会の修道院/サント・スピリト――アゴスティノ会の聖堂/サンタ・マリーア・デル・カルミネ聖堂

4 メディチ家の興隆と国際的都市への変貌
メディチ家隆盛のはじまり/ビッチの時代の芸術事業/コジモの統治/東西両教会の統合と『東方三博士拝礼』/パラッツォ・メディチ

5 ロレンツォ・イル・マニーフィコと黄金時代
痛風病みのピエロ/ロレンツォと家族の肖像/帰り来る時(黄金時代)/暗雲/挽歌あるいは春(プリマヴェーラ)/新プラトン主義とカレッジのヴィッラのアカデミー/明日の日は定めなし

6 共和国の終焉
神・フィレンツェ・自由/フランスの侵攻/共和制の復活/ボッティチェッリの改悛/ダヴィデの変貌/道徳の二重性/第二のサヴォナローラ/最後の共和国/メディチ家の墓碑

7 パラッツォ・ヴェッキョPalazzo Vecchio)――トスカーナ公国の宮廷文化
トスカーナ公国の宮廷/王立アカデミーというもの/パラッツォ・ヴェッキョ、五百人大広間(サーラ・デル・チンクエチェント、Salone dei Cinquecento)/メディチ家の礼讃の部屋/エレオノーラの部屋/フランチェスコ一世の部屋/自然の改変――フランチェスコの庭園プラトリーノ

8 ピッティの方へ
都市建築ウッフィーツィ/パラッツォ・ピッティ(Palazzo Pitti)とボボリ庭園(Giardino di Boboli)/メディチ家の終末

9 ウッフィーツィを歩きながら
フィレンツェ市の文化カタログ
ウッフィーツィの絵画を理解するための五箇条
1 ヴァザーリの美学/2 芸術の時代区分/3 古代の遺品/4 キリスト教の主題と図像/5 聖人の見分け方
キリスト/マリアと聖書の物語
〈解釈の前提――予型論と四重の意味〉
主要なキリスト教主題の意味
『磔刑のキリストと受難』/『聖母子』/『荘厳の聖母と優しさの聖母』/『謙遜の聖母』/『サクラ・コンヴェルサツィオーネ(聖なる会話)』/『長い首の聖母』/『受胎告知』と聖母の物語/『キリストの洗礼』/『東方三博士礼拝』/『聖家族』
世俗図像の理解
『美徳の寓意像』/『悪徳の寓意』/『幸運の寓意』

終章 都市の再生

あとがき (一九九四年七月二十二日 若桑みどり)

フィレンツェ市年表
図版目録
参考文献
索引


※カバー写真: フィレンツェの大聖堂と町並み

※本書の原本は、一九九四年に文藝春秋より「世界の都市の物語」第13巻として刊行され、その後一九九九年に文春文庫として刊行されました。


≪著者: ≫ 若桑みどり (わかくわ みどり) 1935年東京生まれ。東京芸術大学美術学部芸術学科卒。専門は西洋美術史、ジェンダー史。東京芸術大学音楽学部教授、千葉大学文学部教授などを経て、千葉大学名誉教授、川村学園女子大学教授。著書に『寓意と象徴の女性像』(サントリー学芸賞)、『薔薇のイコノロジー』(芸術選奨文部大臣賞)、『クアトロ・ラガッツィ』(大佛次郎賞)、『イメージを読む』『聖母像の到来』他多数。2007年没。


森田義之 『メディチ家』(講談社現代新書、1999年) '10/08/27





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本「欧州のエネルギーシフト (岩波新書1370)」脇阪紀行5

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欧州のエネルギーシフト (岩波新書)
欧州のエネルギーシフト (岩波新書1370)

○著者: 脇阪紀行
○出版: 岩波書店 (2012/6, 新書 256ページ)
○定価: 840円
○ISBN: 978-4004313700
クチコミを見る



すでに稼働している原発を廃止するのもタイヘンだ。むしろ、停止させた後の処理のほうが、はるかに気が遠くなるほどに慎重を、長大な労力と時間を必要とする。ところで、ぼくがどうにも解せないのは、いわゆる「核のゴミ」のモンダイで、ときに、「10万年後に安全になる」といわれていたりするのだが、それは逆に、10万年後までは安全ではないままに保管され維持管理しつづけられなければならなくって(コストの負担も膨大なものになろう)、ところで、10万年後って間違いなくぼくは生きていないことはモチロン、いまこの世に生きている人の誰も生きていない、ヒトは最大(最長)でも120年くらいしか生きられず必ず死ぬ(遺伝子が後世に遺される)、もっとも、そこでいわれている「10万年後」にそれは果たしてホントに安全なのか?、その確証だってどこまでの根拠があるのか分からない、そもそも、10万年後にヒトがこの世に地球上に存在して生息しているかどうかも分からない、ヒトがそれまでに絶滅しないとも限られず、はたまた、地球だって在りつづけるとも限られない、かもしれない。もちろん、だから知ったこっちゃぁない、などと無責任な言説は論外であり、世代間倫理というのか、、、ところがジッサイには、なかなか、じぶんじしんのことだけでせいいっぱいで、周囲に目がむかうことがないような状態なんかは、ぼくにだって身に覚えがないわけじゃぁないからね、そのことを咎めることは、すくなくともぼくにはできない



さて、この健康なカラダに感謝♪、父さん母さんアリガトウ♪、単位認定試験がおわったら早い時点でやっておきたいことがあってね、大きく二つ。
フツーに考えると、その二つはそれぞれ労力も時間もそれなりに要求されることから、どっちにしようかなぁ、いまのこの疲労感を考えるには肉体的な負担が小さい方を、まずは先行して取り組んで、もう一つは後日にあらためて、などと、いろいろなシュチュエーションを具体的なタイムスケジュールやなんかをイメージしながら、疲れたカラダをいつもよりすこし早目に横たえた、前夜。
朝、暑くて目が覚めたのは、扇風機のタイマーが切れたから空気の流れが止まって熱気がこもったままになったからだろう、まだ暗い、日の出前だ、放尿して、前夜の酒が、安価な酒は不味いうえに翌日にイヤな感じがカラダに残る不快を感じながら、扇風機のスイッチを入れて、布団にカラダを横たえた、携帯電話で時間をチェックするには、04:09。なんでだろう、ふとスイッチが、ぼくのカラダの心の脳のなかのスイッチがピピピピピッピッと、で、パチッと目がさめた、もう寝てなんかいられない、04:13。どうだろう、すこし疲労感があるからね、ゆっくり支度をして、朝食を食べて準備運動を入念にストレッチして、5時には出発できるだろう、ということは、9時には帰ってこれる計算結果が導かれる。そこから、汗を流してから、また出掛けるとするならば、、、そういうことだ、good job
そそくさと、トーストと前日の残りのコーヒーを飲んで朝食を済ませて、クロスバイクのタイヤに空気を入れて、チェーンにオイルをさして、ドリンクボトルには冷蔵庫に作り置きの麦茶を入れて、準備運動は入念に、とくに股関節ね、足まわりの筋はすべてよくよく伸び縮させて、ハードワークにたえるように、ヘルメットとグローブとユニクロのポロシャツにハーフパンツ、ポケットに自室のアパートの玄関の鍵を一本と500円硬貨を一枚だけしのばせて、携帯電話はオルスバン、考えてみたらぼくの身分を証明するものはなにも携行していない、クロスバイクに貼られている神金自転車商会の小さなステッカーくらいで、次のときまでにはヘルメットとかに名前と血液型と連絡先(ぼくの携帯と娘の自宅とか)をシールでも貼っておいたほうがいいかもしれないなぁ、などとは。そう、サイクロコンピュータは電池が切れたままで、ぼくには電池交換がうまくできる気がしないことから、走行データはとれない(むしろ気が楽だったりしないものでもなかったり)、たしか前回のトレーニングはGWころ(5/2)だったはず、さて、自室の玄関を出たのが、4:56、出発前に道路上でもストレッチ、最寄駅を通過したときにチェックした電光掲示板(時刻表・運行表)の時計は05:01ね。
甲州街道を高尾山口駅あたりを過ぎて大垂水峠へと向かう坂道がすこしずつ登り坂であることが明確に意識されるようになるあたりから、タマアジサイを道端に見ることができる。薄紫色の小さな花は、緑色の玉が割れるようにして開いて咲く。派手さはない、とくに目をひく花ということでもないだろう、で、ぼくにはまたことしも目にすることができて、ウレシイ♪
いつものコース、見慣れた風景、変わりない景色、眺め
時計がないから、タイムとして早いのか遅いのか分からないままに、後半になってもバテることがなかった。前半からへたって引き返そうかと迷いが生じることもなかった。朝の太陽の光をカラダに直接に浴びて、夏の風を切って空気の流れを直接にカラダに感じて、動力源はぼくの人力、クルクルまわすペダルをこぐ脚力のみ(チェーンとギアのおおきな恩恵を受けて)、もしもぼくがいま足の動きを止めたならばクロスバイクは止まるだろう、前に進むことはない、クロスバイクを駆って前へ前へとすすめるためには、ぼくはただただひたすらにみずからの意志においてペダルをまわしつづけることが要求される、そしていまぼくは、ぼくはそれを満たしている、誰でもなくぼくが、ぼくじしんがそれを満たすことがかなっている、当たり前と言ってしまえば、もちろんそれまでのことだけど、ぼくにはどうにもこうにもなんだかそのことがとてもとても嬉しくて嬉しくて、たまらなかった
8:53、自室に辿り着いた。ジッサイ、バテることがなかったから、もう少しはやいタイムかと思ったのだが、まぁ4時間を切ったタイムで、なにより無事にトレーニングをおえて、自室に帰り着くことができたことに、感謝♪♪
さぁ、自室のシャワーであたふたと汗を流してサッパリしたら、もうひとシゴト、電車に乗って渋谷に向かって、そこから246をテクテク歩いて、Aoyama、ご先祖さまにゴアイサツ、前回がいつだっかのか記憶にないくらい久しぶりのこと、その上空を両隣りからの樹木の枝葉が覆いかぶさって直射日光を遮ってくれて、だから葉っぱが落ちて地上に積もり溜まることは、もちろんときどき掃除(落葉拾い)すればいいことで、さらには、種も落ちるのかどこからか飛来してくるのか、小さな緑の芽もニョキニョキと砂利の敷石のあいだから生えてくることから、それらを引っこ抜いて、そう、蚊取り線香をたいて虫除けして、ぼくはぼくの素手でマイペースでぼくの気が済むまで、およそ1時間とすこし(11:05〜12:15)、墓掃除にいそしむ没我のとき


世界の環境・エネルギー政策をリードしてきた感のある欧州。だが、実態は、国ごとに事情が異なり、国内にも大きな矛盾や対立を抱えている。風力や太陽光発電をどう普及させるか。原発の廃炉や核のゴミ問題にどう対応するのか。草の根の市民や自治体の動きは? エネルギー革命最前線からの報告。


≪目次: ≫
はじめに――新しい欧州への跳躍
フランスでも原発論争/EUのエネルギーシフト戦略/欧州金融危機の中で

第一章 苦悩――原発を切り離せない構造
1 「世界一安全な原発」の苦闘――フィンランド
二一世紀の原発神殿/欧州流の安全確保策/工期の遅れと建設費の増大/水力・風力に恵まれず/ロシアからの電力輸入/原発を推進する産業界/沸騰する賛否の論議/世界初の核のゴミ処分地で/核燃料を貯蔵する二八〇〇の洞穴/一〇万年後の安全/核のゴミと向き合う
2 環境大国の苦渋――スウェーデン
バーセベック原発/薄暗闇の中の節電/処分場なく廃炉に遅れ/原発全廃の期限が消えた/脱原発から原発抑制へ/環境派と原発推進派との「連携」/水力発電大国のゆえに/代替策求める草の根の声
3 エリートが築いた「原発大国」――フランス
霧のシェルブール/核燃料輸送への厳重な警戒/表面が波立つ燃料貯蔵プール/原子力への信頼と自信/国家の栄光支える原発/理工科系のエリート人脈/大統領選で緑の党と合意文書/中央集権を変革できるか
4 「市場原理の国」のジレンマ――イギリス
原子力の重要性を訴える首相/電力のウィンブルドン現象/北海油田の枯渇/英仏連携の動き/スコットランドの反逆/東欧での原発建設

第二章 脱却――原発と民主主義
1 脱原発の倫理と論理――ドイツ
一〇年以内に脱原発を/子どもたちにどう説明するのか/「フクシマ」の衝撃/原発のリスク評価/脱原発は可能だ/段階的廃止への工程示す/電力輸入には頼らず/自然エネルギーだけの「一本足打法」にあらず/核兵器の拡散を防ぐためにも
2 倫理委員会報告をどう考えるか――ドイツ
ドイツ人の恐怖心なのか/ドイツの「アポロ計画」をめざして/国会議員、産業界の声/フィッシャー司教との対話/倫理に国境はあるのか/異論を公言できる社会構造と緑の党
3 国民投票が示す「民意」――イタリア・スイス
憲法が認める国民投票/国民投票で王制廃止/一九八七年に初めて原発拒否/二〇一一年の再投票/スイスは二〇三四年脱原発/原発事故後に動いた政府

第三章 分権――ドイツの市民社会では
グリーン電力を購入/住民がつくった電力会社/送配電網を住民たちが持つ/一九九八年に小売り自由化/発送電分離による圧力/バイオエネルギーの村/エネルギー事業広げる地方自治体/送電線建設への課題も

第四章 挑戦――自然エネルギー立国への道
1 風力発電大国の変貌
国会決議で原発を拒否/電力消費の三割近くは風力/供給責任持つ国営送電公社/国境を越える送電線網/地産地消の取り組みから/広域的な電力システム/風力やコジェネを委託運用/天気予報士が活躍
2 洋上風力発電に挑む
巨大な風車を沖合の海に/コペンハーゲン市民の参加/組合員の発言権は平等
3 二〇五〇年「脱化石」への道
石油危機を機に分散型へ/化石燃料には頼れない
4 不安定化する世界への備え
世界のグリーン化への展望/グリーン化を急ぐ産業界

第五章 創造――新たなエネルギー社会
1 スウェーデンの環境共生都市
「父親休暇」で過ごす/エネルギー自立の街づくり/システム統合する力
2 熱エネルギーを探す
エネルギー消費の削減/ロシア正教会の地下に/戦争中の避難シェルター/海水利用の地域冷房/地域暖房で温水を供給/廃棄物からエネルギー獲得/社会全体の利益のために
3 暮らしの未来
プロシューマーの登場/ボンホルム島の実験

第六章 未来へ――欧州と世界
1 欧州の危機意識
単一通貨ユーロの試練/エネルギー担当はドイツ人/欧州が抱く危機感/エネルギーインフラの急速な老朽化
2 二〇五〇年の欧州
明日のエネルギーの姿/電力料金は二〇三〇年まで上昇か/固定価格買い取り制度の課題/サハラ砂漠で太陽エネルギー回収/ギリシャの太陽光利用計画
3 新興国は、世界は
一九七〇年代の既視感/急増する自然エネルギー/欧州がめざす世界

あとがき (二〇一二年五月 脇阪紀行)
参考文献


≪著者: ≫ 脇阪紀行 (わきさか・のりゆき) 1954年生まれ。78年京都大学法学部卒業、79年朝日新聞社入社。松山支局、和歌山支局、経済部等を経て、90‐94年、アジア総局(バンコク)。95年、米国ワシントンへ研修留学(海外開発評議会研究員)、96年に帰国後は、東南アジア担当の論説委員。2001年9月‐05年4月、ベルギー・ブリュッセル支局長。外報部次長の後、06年4月から再び論説委員。著書、『大欧州の時代――ブリュッセルからの報告』(岩波新書)。訳書、カトゥリ・メリカリオ著『平和構築の仕事――フィンランド前大統領アハティサーリとアチェ和平交渉』(明石書店)。






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