Gori ≒ ppdwy632

〈ぼく〉の思索の一回性の偶然性の実験場。

2012年10月

本「イギリス帝国の歴史 アジアから考える (中公新書2167)」秋田茂5

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イギリス帝国の歴史 (中公新書)
イギリス帝国の歴史 アジアから考える (中公新書2167)

○著者: 秋田 茂
○出版: 中央公論新社 (2012/6, 新書 288ページ)
○定価: 924円
○ISBN: 978-4121021670
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帝国Empire


かつて世界の陸地の約四分の一を領土として支配したイギリス帝国British Empire)。その圧倒的な影響力は公式の植民地だけにとどまらなかった。本書は近年のグローバルヒストリーの研究成果をふまえ、アジアとの相互関係に注目しつつ、一八世紀から二〇世紀末までの帝国の形成・発展・解体の過程を考察する。今や世界経済の中心はアジア太平洋経済圏にシフトしつつある。そのシステムの基盤を作り上げた帝国の意義を明らかにする試みである。


≪目次: ≫
はじめに
地図 「イギリス帝国 1763-1830年」
地図 「イギリス帝国 1860-1910年」
地図 「イギリス帝国 1918-42年」
地図 「イギリス帝国の撤退 20世紀の脱植民地化」
※〈参考〉 クリストファー・ベイリ編、中村英勝・石井摩耶子・藤井信行訳 『イギリス帝国歴史地図』東京書籍、1994年

序章 現代アジアの経済的再興とイギリス帝国
1 世界のGDPの変容とアジア
2 現代インドの経済発展と英印ビジネス関係の変容
3 現代イギリス経済の変容――ロンドン・シティの繁栄と多文化主義
4 本書の目的

第1章 環大西洋世界と東インド――長期の一八世紀
1 イギリス帝国の起源
アイルランドから大西洋世界へ/アジアとの交易――東インド会社の設立と銀の流通/アジアの大航海時代
2 商業革命とイギリス帝国――西インド諸島と北米植民地
イギリス商業革命の展開/大西洋の三角貿易――奴隷貿易/西インド諸島の奴隷制プランテーションの展開/本国のジェントルマン社会と西インド諸島
3 北米植民地とアメリカ独立戦争
北米タバコ植民地の発展/タバコ・プランターと労働力の転換/北米移民と年季奉公人(indentured servants)/ライフサイクル・サーヴァントから移民へ/生活文化のイギリス化/アメリカ独立革命/クレオール革命と主要輸出商品の有無/ハイチ革命の勃発
4 東インド会社とアジア貿易
アジアの物産と東インド会社/カントリー・トレードへの参入/ネイボッブ/茶の貿易と中国――アジアの三角貿易の形成/カントリー・トレーダーとアヘン交易
5 イギリス産業革命の歴史的起源と帝国
イギリス産業革命(the Industrial Revolution)はあったのか?/ウィリアムズ・テーゼ再考/アジアの物産の輸入代替工業化としての産業革命

第2章 自由貿易帝国とパクス・ブリタニカ
1 旧植民地体制の解体
フランス革命ナポレオン戦争の衝撃/奴隷貿易の禁止と奴隷制の撤廃/東インド会社の特権廃止/航海法の撤廃と自由貿易/ラテンアメリカとカニング外交
2 自由貿易帝国主義と帝国の拡張――一九世紀中葉の帝国
自由貿易帝国主義論と非公式帝国/異民族支配型の公式植民地――英領インド/インドの鉄道建設――元利保証制度/綿製品輸入関税の操作と撤廃/インド帝国の成立/白人定住植民地の自治――カナダ連邦の結成/オーストラリアとニュージーランド/アヘン戦争と中国/開港場体制と上海の発展/対日政策と不平等条約――片務的最恵国待遇
3 ジェントルマン資本主義の帝国――金融と帝国
ジェントルマン資本主義論/ロンドン・シティの繁栄/「大不況」と世界経済の構造的再編――多角的決済機構の成立/「世界の工場」から「世界の銀行家・手形交換所」へ/インドの安全弁――「イギリス王冠の輝ける宝石」/アイルランド自治問題の紛糾/エジプト占領と「ハルトゥームの悲劇」――アフリカ分割への道/南アフリカ戦争とイギリス帝国の危機/チェンバレン・キャンペーン――自由貿易か保護貿易か?
4 ヘゲモニー国家イギリスと近代日本
ヘゲモニー国家と国際公共財/日本郵船のボンベイ航路――アジア間貿易の形成/アジア間貿易の発展とインド綿業/中国の外債発行と香港上海銀行/非公式帝国からジュニア・パートナーへ――日英同盟/日露戦争とロンドン・シティ――日本の外債発行
5 イギリス帝国のソフトパワー
キリスト教海外伝道協会と帝国/ヒトの移動と帝国臣民

第3章 脱植民地化とコモンウェルス
1 帝国からドミニオン、コモンウェルスへ
植民地会議・帝国会議とドミニオンの誕生/第一次世界大戦と帝国の戦争協力――インド軍の海外派兵/アイルランド自由国の成立と一九一九年インド統治法/ウェストミンスター憲章と帝国=コモンウェルス体制
2 ヘゲモニー国家から構造的権力へ
構造的権力としてのイギリス帝国/世界恐慌と帝国特恵(オタワ)体制/スターリング圏の形成――アルゼンチンとカナダ/第一次日印会商とインド原綿/中国の幣制改革とイギリス金融利害
3 脱植民地化の進展とスターリング圏
第二次世界大戦と帝国――アメリカの支援/インド・パキスタンの分離独立/インド・パキスタンのスターリング残高/インドのコモンウェルス残留とその変容/ドル不足とスターリング圏の再評価/コロンボ・プランとコモンウェルス、日本
4 バクス・アメリカーナと帝国の終焉
スエズ戦争――脱植民地化と冷戦の論理の交錯/アフリカ植民地の独立と経済的自立の模索/「スエズ以東」からの撤退と東アジアの経済発展/フォークランド戦争香港返還――帝国の終焉/残存する植民地――ディエゴガルシア島ジブラルタル

終章 グローバルヒストリー(global history)イギリス帝国


あとがき (二〇一二年三月  秋田 茂)
主要参考文献
イギリス帝国史略年表 (1600-1997)
事項索引
人名索引


≪著者: ≫ 秋田 茂 (あきた・しげる) 1958年生まれ。81年、広島大学文学部史学科卒業。85年、同大学文学研究科中退。博士(文学、大阪大学)。大阪外国語大学外国語学部助教授を経て、大阪大学文学研究科世界史講座教授。著書、『イギリス帝国とアジア国際秩序』(名古屋大学出版会、2003)、『パクス・ブリタニカとイギリス帝国』(編著、ミネルヴァ書房、2004)、The International Order of Asia in the 1930s and 1950s (edited with N. J. White) Ashgate, 2010。


樺山紘一 編著 『新・現代歴史学の名著 普遍から多様へ』(中公新書、2010年) '10/07/18

川北稔/玉木俊明 『私と西洋史研究 歴史家の役割』(創元社、2010年) '11/01/28
川北稔 『イギリス近代史講義』(講談社現代新書、2010年) '11/01/22





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本「日本人の「戦争」 古典と死生の間で (講談社学術文庫2134)」河原宏5

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日本人の「戦争」――古典と死生の間で (講談社学術文庫)
日本人の「戦争」 古典と死生の間で (講談社学術文庫2134)

○著者: 河原 宏
○出版: 講談社 (2012/10, 文庫 272ページ)
○定価: 966円
○ISBN: 978-4062921343
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昭和二十年の春から夏にかけての戦争末期、当時十六歳だった私(著者)が自分自身に問いかけ、自分一人でそれに答えたものを核として。国家とはなにか、戦争とはなにか、天皇とはなにか、の三点に尽きていた、その問いかけ、、、要するに、自分はなんの為に死ねるのか、の一点に、まとめることができる。問いかけを自分の中で自問自答しつつ、やがて自ら納得できる答えを見いだした、と思った。それは納得のゆく、それも死に至るまで抱えてゆく上での納得のゆくものだ、と思った――だが、その途端に、戦争は終わった。
“戦争の畢(おわ)り”


正成、信長、二・二六、そして「あの戦争」。日本人にとって戦争とはなんだったのか。なぜ「あの戦争」はあれほど悲愴な戦いになったのか。なんのために死んだのか。なにより、なんのためなら死ねると言えたのか。「戦中派」思想史家は、同年輩の死者たちの中断された問いかけに答えるため、死者と対話し、古典と対話する。痛恨の論考。鎮魂の賦。


≪目次: ≫
まえがき (一九九五年春 著者)

I 日本人の「戦争」――古典と死生の間(はざま)
 1 実感と「抽象」
 2 「僕(あ)は妣(はは)の国に往(ゆ)かむと欲(おも)ひて……」
 3 言霊の戦い――「海行かば」
 4 修羅の戦い――「七生報国」
 5 信長の戦い――「滅せぬ者のあるべきか」
 6 「国民」の戦争――「朝日に匂ふ日の本の 国は世界に只一つ」
 7 歴史の中の「戦争」――「見るべき程の事は見つ」

II 「開戦」と「敗戦」選択の社会構造――“革命より戦争がまし”と“革命より敗戦がまし”
 1 “戦争か平和か”の選択でなく
 2 「国体」を支える社会構造
 3 二・二六事件の後に
 4 農地調整法と企画院事件
 5 先制攻撃をうける懸念
 6 内戦への懸念
 7 革命か敗戦かの選択

III 天皇・戦争指導層および民衆の戦争責任
 1 半世紀後の戦争責任論
 2 天皇の戦争責任
 3 戦争指導層の戦争責任
 4 民衆の戦争責任

IV 日本の「戦争」と帝国主義――空腹の帝国主義と飽食の帝国主義
 1 帝国主義の昔と今
 2 金銭と暴力――シャイロックから帝国主義へ
 3 日本の「戦争」――空腹の帝国主義
 4 現代の帝国主義と超帝国主義

終章 特攻・玉砕への鎮魂賦
 1 「汝心あらば 伝へてよ玉のごと われ砕けにきと」
 2 『戦友』と『同期の桜』
 3 鎮魂の賦


初出論文リスト
初版あとがき (一九九五年三月  河原 宏)
新版のためのあとがき (二〇〇八年七月  河原 宏)
[解説] この書物をめぐって(堀切和雅、文筆業/一九八一・八二年度河原ゼミ学生)


※本書の原本は、一九九五年に、築地書館より刊行されました。二〇〇八年には、ユビキタ・スタジオより新版が刊行されました。文庫化にあたっては新版を底本としました。


≪著者: ≫ 河原 宏 (かわはら ひろし) 1928〜2012。早稲田大学大学院政治学研究科博士課程修了。政治学博士。早稲田大学助教授、教授、1998年に退職し名誉教授。日本政治思想史専攻。著書に『昭和政治思想研究』『江戸の精神史――美と志の心身関係』『「自在」に生きた日本人』『日本人はなんのために働いてきたのか』『ドストエフスキーとマルクス』など。






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本「歴史哲学講義 〈上〉 (岩波文庫)」ヘーゲル、長谷川宏 訳5

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歴史哲学講義 (上) (岩波文庫)
歴史哲学講義 〈上〉  G. W. F. Hegel: “Vorlesungen über die Philosophie der Geschichte” (岩波文庫)

○著者: ヘーゲル長谷川宏
○出版: 岩波書店 (1994/6, 文庫 363ページ)
○定価: 945円
○ISBN: 978-4003362990
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ぼくが手にしている(読んだ)のは、第21刷 2008年4月 発行版(もちろん図書館で借りた)
Vorlesungen über die Philosophie der Geschichte

まるい月が空に照る夜、満月の前夜、月齢13.6


ヘーゲルGeorg Wilhelm Friedrich Hegel, 1770-1831)は歴史Geschichte)を通して歴史哲学Geschichtsphilosophie)に関心を持ち続けてきた。彼が構想したのは個別的な歴史記述ではなく、世界精神の自己発展としての哲学的な歴史であった。上巻には、そうして世界史のとらえかたの原理を説いた「序論」と、第一段階をなす東洋世界を考察する第一部を収録する。古典を今によみがえらせる達意の新訳。(全2冊)


≪目次: ≫
凡例

序論
 A 歴史のとらえ方
   (a) 事実そのままの歴史
   (b) 反省をくわえた歴史
   (c) 哲学的な歴史
 B 歴史における理性とはなにか
   (a) 精神の抽象的定義
   (b) 自由を実現する手段
   (c) 自由の実現体たる国家
 C 世界史のあゆみ
   (a) 発展の原理
   (b) 歴史のはじまり
   (c) 世界史のすすみかた
 D 世界史の地理的基礎
   (a) 新世界
   (b) 地理的条件
   (c) 旧世界
 E 世界史の時代区分

第一部 東洋世界
 第一篇 中国
 第二篇 インド
     (付録)仏教について
 第三篇 ペルシャ
   第一章 ゼンド民族
   第二章 アッシリア、バビロニア、メディア、ペルシャ
   第三章 ペルシャ帝国と帝国内の各地域
     一 ペルシャ
     二 シリアとセム族の住む小アジア
     三 ユダヤ
   第四章 エジプト
   第五章 ギリシャ世界への移行

「理性が世界を支配し、したがって世界の歴史も理性的に進行する」との確信にもとづき、世界精神の理性的かつ必然的なあゆみとしての世界史をヘーゲルは構想する。一八二二〜三一年に五回にわたって行われた講義を彼の死後に編集・整理したのが本書である。「語られたことば」であることを配慮した明快な訳文でおくる。


ヘーゲル 『歴史哲学講義 〈下〉  Vorlesungen uber die Philosophie der Geschichte 』(長谷川宏 訳、ワイド版岩波文庫、2003年) '08/12/20
ヘーゲル 『歴史哲学講義 〈上〉  Vorlesungen uber die Philosophie der Geschichte 』(長谷川宏 訳、ワイド版岩波文庫、2003年) '08/12/12
ヘーゲル 『法の哲学 自然法と国家学の要綱 下巻  Grundlinien der Philosophie des Rechts, 1821 〈ヘーゲル全集9b〉』(上妻精/佐藤康邦/山田忠彰 訳、岩波書店、2001年) '12/09/26
ヘーゲル 『法の哲学 自然法と国家学の要綱 上巻  Grundlinien der Philosophie des Rechts, 1821 〈ヘーゲル全集9a〉』(上妻精/佐藤康邦/山田忠彰 訳、岩波書店、2000年) '12/09/23

長谷川宏 『新しいヘーゲル』(講談社現代新書、1997年) '09/02/02
長谷川宏 『ヘーゲル『精神現象学』入門』(講談社選書メチエ、1999年) '09/01/29
長谷川宏 『格闘する理性 ヘーゲル・ニーチェ・キルケゴール』(洋泉社MC新書、2008年) '09/01/27

村岡晋一 『ドイツ観念論 カント・フィヒテ・シェリング・ヘーゲル』(講談社選書メチエ、2012年) '12/09/06
加藤尚武 編著 『ヘーゲル 「精神現象学」入門』(原崎道彦/伊坂青司/栗原隆/松山壽一/座小田豊/滝口清栄/山純 著、講談社学術文庫、2012年) '12/06/11
熊野純彦 『ヘーゲル 〈他なるもの〉をめぐる思考』(筑摩書房、2002年) '09/12/30





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本「魅惑する帝国 政治の美学化とナチズム」田野大輔5

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魅惑する帝国―政治の美学化とナチズム
魅惑する帝国 政治の美学化とナチズム

○著者: 田野大輔
○出版: 名古屋大学出版会 (2007/6, 単行本 382ページ)
定価: 5,880円
○ISBN: 978-4815805623
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歴史社会学的なアプローチから、巨視的な構造把握と解釈提示を、史料の分析を中心として、、、なるほど魅惑されちゃう(かもしれない?!といったような)帝国♪


総統、労働者、民族共同体をモチーフに「芸術作品」として創造された第三帝国―― ナチズムの「政治の美学化」による支配の全体構造と、大衆消費社会におけるキッチュと結びついて統合力を発揮していくメカニズムを、歴史社会学的手法によって解明し、美的なものの現実性を浮彫りにした力作。


≪目次: ≫
序章 芸術作品としての国家

第1章 大衆のモニュメント
1 はじめに
2 美学としての政治
3 芸術としての政治
4 おわりに

第2章 民族共同体の祭典
1 はじめに
2 民族共同体の理念と現実
3 運動の祭典
4 民衆の祭典
5 おわりに

第3章 近代の古典美
1 はじめに
2 近代と反近代
3 近代の古典美
4 キッチュと即物性
5 おわりに

第4章 労働者の形態
1 はじめに
2 労働者の概念
3 労働者と社会政策
4 労働者の形態
5 おわりに

第5章 親密さの専制
1 はじめに
2 ヒトラーの肖像
3 親愛なる総統
4 親密さの専制
5 おわりに

終章 芸術作品の黄昏
1 はじめに
2 ロマン主義の両義性
3 キッチュと美的抵抗
4 おわりに


あとがき


図版出典一覧
事項索引
人名索引


※カバー写真: 少女たちの歓声にこたえるヒトラー。1938年のブレスラウ体操・スポーツ祭り。
 出典: Berliner Illustrierte Zeitung, 1938, Nr. 31.


≪著者: ≫ 田野大輔 (たの だいすけ) 1970年、東京都に生まれる。1998年、京都大学大学院文学研究科博士後期課程(社会学専攻)研究指導認定退学。大阪経済大学人間科学部准教授(を経て、甲南大学文学部教授)、京都大学博士(文学)、歴史社会学専攻。論文、「ヒトラー、あるいは親密さの専制――カリスマの陳腐さについての考察」(『社会学評論』第51巻第1号、2000年)など。訳書、エリック・リーヴィー著『第三帝国の音楽』(共訳、名古屋大学出版会、2000年)など。

田野大輔 『愛と欲望のナチズム』(講談社選書メチエ、2012年) '12/10/22

V. E. フランクル 『夜と霧 ドイツ強制収容所の体験記録』(霜山徳爾 訳、みすず書房、2002年、1961年) '09/05/31
フリードリヒ・A・ハイエク 『隷従への道 全体主義と自由』(一谷藤一郎/一谷映理子訳、東京創元社、1992年、1954年) '09/05/29
ヴィクトール・E・フランクル 『夜と霧 〔新版〕』(池田香代子 訳、みすず書房、2002年) '09/05/27
エーリッヒ・フロム 『自由からの逃亡』(日高六郎訳、東京創元社、1965年、1951年) '09/05/25
ハンナ・アーレント 『イェルサレムのアイヒマン 悪の陳腐さについての報告』(大久保和郎 訳、みすず書房、1994年、1969年) '09/02/19
ウィリアム.L.シャイラー 『第三帝国の興亡  第5巻 ナチス・ドイツの滅亡第4巻 ヨーロッパ征服第3巻 第二次世界大戦第2巻 戦争への道第1巻 アドルフ・ヒトラーの台頭』(松浦伶 訳、東京創元社、2008〜2009年、1960年) '08/07/06〜'09/06/12





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本「麻酔をめぐるミステリー 手術室の「魔法」を解き明かす (DOJIN選書047)」廣田弘毅5

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麻酔をめぐるミステリー: 手術室の「魔法」を解き明かす (DOJIN選書)
麻酔をめぐるミステリー 手術室の「魔法」を解き明かす (DOJIN選書047)

○著者: 廣田弘毅
○出版: 化学同人 (2012/7, 単行本 210ページ)
○定価: 1,680円
○ISBN: 978-4759813470
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またまた夜の月がうつくしい♪、月のある夜空♪♪
月の見えない夜空は、見上げて見回して探して、サガシモノハナンデスカァ〜、ミツケニクイモノデスカァ〜、ひとしきり見上げて見回して目的物としての“月”を見ることがかなわなければ、高い空を見上げるためにあげた顔を視線を、やがておろす下に向けて頭を垂れることになる、だからだから、月のある夜空を月があるから月がその高い空に在る限りにおいては、上を向いて歩こう


もしも麻酔がなかったら、歯の治療や手術はどんなに苦しいものであろう。現在は麻酔があるからこそ、安心して手術も歯の治療も受けられる。では、そもそもなぜ麻酔は「効く」のか。そのメカニズムは完全にはわかっていない。未解決の謎がいくつも横たわっているのだ。そこで本書では、とくに全身麻酔をめぐるさまざまなミステリーを取り上げながら麻酔の迷宮を探検し、全身麻酔はなぜ効くのか、という大きな謎の解明に挑む。はたして迷宮の先にはどんな真相が……


≪目次: ≫
まえがき

ミステリーファイル#1 もしも麻酔がなかったら
プロローグ/フィレンツェの宮殿にて/麻酔がないこと/麻酔のヒント
コラム ,垢戮討離スは麻酔作用をもつ
産業革命と麻酔薬/コルト少年と不思議なガス/ウェルズの悲劇とモートンの栄光
真のヒーローは誰だ?
コラム◆ヽ慍颪任靴磴戮辰燭世韻任魯痢璽戰訃泙呂箸譴覆
歴史的偉業にダメ出し?/栄光の影にMACあり?/麻酔薬のバランス感覚/笑気で地球は温暖化する?

ミステリーファイル#2 麻酔はなぜ効くか
お酒に弱いヒトは麻酔も効きやすい?
コラム 酵素誘導と全身麻酔
医学生、人体実験に挑む/どうやってテストするか?
コラムぁ.丱ぅ▲垢砲翰竸粥
実験結果を解析する/データの相関を調べる/思いがけないバイアス/科学のトキメキ/飛行機ではお酒に酔いやすい?
高圧で麻酔が醒める/脂質説――麻酔は非特異的に作用する/メイヤー・オバートンの法則を脳で検証する
コラムァ)秧賁瑤龍さを調べるのは難しい
脳をスライスする
コラムΑヽで呂繁秧
コラムА.轡淵廛垢里呂燭蕕と神経伝達物質
アルコールがシナプスを抑制する
ナゾは解けた?

ミステリーファイル#3 マイケルはなぜ死んだ?
マイケル・ジャクソン殺人事件?/麻酔は眠りではない/麻酔で心臓が止まる!/電位を固定するウラワザ/押してもダメなら/イオンの出入口――イオンチャネル/心筋収縮のキーマン――カルシウム・イオン/ほかのイオンチャネルはどうか?/活性化・不活性化を修飾する麻酔薬
マイケル 死の真相

ミステリーファイル《番外編》 名探偵KOKIの事件簿「緑色の研究」
「緑色の研究」
医療ガス/証人尋問/真相解明
麻酔器のフール・プルーフ
名探偵KOKIの帰還
ナゾの術中覚醒/第4手術室の秘密/低濃度笑気のトリック

ミステリーファイル#4 麻酔のパラドックス
麻酔薬の特定結合部位/麻酔薬で増強するイオン電流/決定的な証拠
脂質説はウソ?/麻酔の圧拮抗を再考する/相関関係の落とし穴/脂質かタンパクか/ふたたび海馬スライス実験へ/ヒルの方程式/モリリン予想

ミステリーファイル#5 麻酔メカニズムの真実
アルコール・ミステリー/ポケット仮説
全身麻酔薬研究の最前線/海馬ワンダーランド/全身麻酔薬の作用と眠りの質
コラム─)秧賁瑤蓮△覆式媼韻鮠端困気擦襪里
麻酔もオーダーメイド
さまざまなポケットに入り込む麻酔薬/実はポケット仮説を見ていた?/ファイナルアンサー?

ミステリーファイル《スピン・オフ》 医学生探偵モリリンの冒険
 (文とイラスト: 杉谷野 森子)
恐怖の杉谷《いきなり最終話》
筋弛緩薬の秘密
コラム 筋弛緩薬で心筋麻痺が起こらないか?
スキサメトニウムの興亡/スガマデクス登場
毒薬で麻酔が安全に?/オオカミと7匹の子ヤギ/麻酔の3要素

ミステリーファイル#6 卒業試験
フィードバック
エピローグ 神様のなぞなぞ


あとがき (2012年4月 廣田 弘毅)
参考文献


※カバーイラスト: Philippe petit-Roulet イラストの原案は「モルフェウスに抱かれて(Les dras de Morphée)」より


≪著者: ≫ 廣田弘毅 (ひろた こうき) 1959年福井県生まれ。84年、富山大学医学部医学科卒業。88年、富山大学大学院医学研究科修了。医学博士。富山大学大学院医学薬学研究部准教授。専門は麻酔科学。とくに全身麻酔薬の作用メカニズムを研究。趣味はチェロ演奏。ボランティアオーケストラ「杉谷の森合奏団」の団長として病院コンサートを定期的に開催している。また「モルフェウス弦楽四重奏団」を主宰し、学会・市民公開講座などで演奏活動している。






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本「初期マルクスを読む」長谷川宏5

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初期マルクスを読む
初期マルクスを読む

○著者: 長谷川 宏
○出版: 岩波書店 (2011/2, 単行本 216ページ)
○定価: 2,415
○ISBN: 978-4000234863
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なかなかどうにも、ぼくにはいまだによく分からないのだけれども(はたしていつか分かるようなときがくるのか、はたまたこないのか)、ドイツのいわゆるドイツ観念論といわれる哲学とかって


マルクスKarl Marx, 1818-1883)、その可能性と限界―― 六〇年代、政治の季節の、こわばり青ざめた顔に血を通わせる、人間マルクスへの接近。著者自身の翻訳によって、死、性愛、感覚、音楽などをめぐる、初期マルクス・アンソロジーを編む。疎外のむこうにマルクスが見て取った全人的人間像を探り、その人間観・自然観の変奏のプロセスを追う。人間解放のヴィジョンの再生のために。


≪目次: ≫
序章 マルクスとわたし

第一章 ヘーゲルからマルクスへ――マルクスのヘーゲル批判
大いなる転換期
現実への肯定感と体系的なるもの
ヘーゲル哲学の四つの基本的性格
近代の肯定と否定――マルクスのヘーゲル批判
初期マルクスの人間観・自然観
『ヘーゲル国法論の批判』
市民社会と政治的国家の非連続性
マルクスのユダヤ人問題
共産主義社会の原イメージ
人間の解放
【対話】

第二章 対自然・対人間――『経済学・哲学草稿』を読む1
『経済学・哲学草稿』の位置
疎外(Entfremdung)とはなにか
労働の価値と意味
労働の疎外と労働の人間性
自然と労働
自由な意識的活動としての労働
類的存在(Gattungswesen)、類的生活(Gattungsleben)
【対話】

第三章 全人的人間像――『経済学・哲学草稿』を読む2
青年マルクスの疎外論
私有財産と共産主義
社会的存在としての人間
男と女の関係
全面的な解放
社会性の交響
死と人間
全体性と多様性
感覚と社会性
音楽とマルクス
【対話】

第四章 社会変革に向かって――マルクスの人間観
その後のマルクス
人間と社会の土台としての自然
感覚の歴史性
社会性の構造
ことばと意識
関係の構造
土台と上部構造
社会変革のほうへ

終章 労働概念の変容
使用価値と交換価値
疎外の克服
【対話】


※本書は、岩波市民セミナーにおいて、「初期マルクスを読む」と題されて行われた四回にわたる連続講義を基礎に、大幅な加筆・改稿を経て成った。第一回、二〇〇九年五月一九日、第二回、五月二六日、第三回、六月二日、第四回、六月九日。


≪著者: ≫ 長谷川 宏 (はせがわ ひろし) 1940年生まれ。専攻は哲学。東京大学大学院博士課程単位取得退学後、大学アカデミズムを離れ、在野の哲学者として、多くの読書会・研究会を主宰する。また、41年間続く私塾・赤門塾は、ユニークな活動をもって知られる。主著、『ヘーゲルの歴史意識』(紀伊國屋書店、のち講談社学術文庫)、『ことばへの道――言語意識の存在論』(勁草書房)、『赤門塾通信きのふ・けふ・あす』(現代書館)、『黒田喜夫――村と革命のゆくえ』(未來社)、『同時代人サルトル』(河出書房新社、のち講談社学術文庫)、『ヘーゲルを読む』(河出書房新社)、『丸山眞男をどう読むか』(講談社現代新書)、『日常の地平から』(作品社)、『高校生のための哲学入門』(ちくま新書)、『生活を哲学する』(岩波書店)、『ちいさな哲学』(春風社)ほか。訳書、フッサール『経験と判断』(河出書房新社)、ヘーゲル『精神現象学』(作品社)、『哲学史講義』全3巻(河出書房新社)、『美学講義』全3巻(作品社)、『歴史哲学講義』全2巻(岩波文庫)、マルクス『経済学・哲学草稿』(光文社古典新訳文庫)など。


長谷川宏 『ことばへの道 言語意識の存在論』(講談社学術文庫、2012年) '12/09/18
カール・マルクス 『経済学・哲学草稿  Ökonomisch-philosophisch Manuskripte, 1844 』(長谷川宏 訳、光文社古典新訳文庫、2010年) '10/07/24
長谷川宏 『同時代人サルトル』(講談社学術文庫、2001年) '09/03/09
ユルゲン・ハーバマス 『イデオロギーとしての技術と科学  Technik und Wissenschaft als Ideologie, 1968 』(長谷川宏 訳、平凡社ライブラリー、2000年) '09/02/20
長谷川宏 『丸山眞男をどう読むか』(講談社現代新書、2001年) '09/02/08
長谷川宏 『新しいヘーゲル』(講談社現代新書、1997年) '09/02/02
長谷川宏 『いまこそ読みたい哲学の名著 自分を変える思索のたのしみ』(光文社文庫、2007年) '09/01/31
長谷川宏 『ヘーゲル『精神現象学』入門』(講談社選書メチエ、1999年) '09/01/29
長谷川宏 『格闘する理性 ヘーゲル・ニーチェ・キルケゴール』(洋泉社MC新書、2008年) '09/01/27
長谷川宏 『生活を哲学する』(双書哲学塾、岩波書店、2008年) '09/01/20
長谷川宏 『高校生のための哲学入門』(ちくま新書、2007年) '09/01/12
ヘーゲル 『歴史哲学講義 〈下〉  Vorlesungen uber die Philosophie der Geschichte 』(長谷川宏 訳、ワイド版岩波文庫、2003年) '08/12/20
ヘーゲル 『歴史哲学講義 〈上〉  Vorlesungen uber die Philosophie der Geschichte 』(長谷川宏 訳、ワイド版岩波文庫、2003年) '08/12/12
アラン 『芸術の体系  le Systeme des beaux-arts, 1920 』(長谷川宏 訳、光文社古典新訳文庫、2008年) '08/09/17






大豆を、水に浸すこと3時間、煮立ててアクとって、干し椎茸、昆布、ニンジン、レンコン、醤油とみりんを加えて、圧力鍋で煮込む、、、ほっぺたが落っこちるほど飛び抜けて美味しいモノでもないのだけれども、なによりコストパフォーマンスに優れ(冷蔵庫にタッパに入れて保存する)、ジッサイ食べてウレシイ(まいにち食べても飽きることがない)、なんなんだろう
半分に切って茹でたサツマイモとジャガイモと、カボチャの煮付け、それから、鳥の手羽元500g(7〜9本)を長ネギと生姜とニンニクと醤油とみりんで煮たモノ、適宜まとめてつくっておいて、ちょこちょことレンジでチンして、とか、食欲の秋


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本「幸いは降る星のごとく」橋本治5

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幸いは降る星のごとく
幸いは降る星のごとく

○著者: 橋本 治
○出版: 集英社 (2012/9, 単行本 216ページ)
○定価: 1,470円
○ISBN: 978-4087714685
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おおむね、どうにも生き辛い世の中だなぁ、と思ってみて(子どもの頃からずっとずっといまにいたるまでいだきつづけてきた思いとして)、じゃぁ果たして、生き易い時代というものが、たとえばあったのか、かつてそんな幸福な、などとカンタンに言ってしまっていいのかどうかをともかくとして、ときどきが歴史的に時代的にあったのかどうなのかなんてことは、じっさいのところ、よく分からないのだろうけれども、まぁぼくに想像できることとしては、どんな時代にあっても、そのときどきに、個別固有なモンダイといったようなものが無いなんてことは無い、有り得ないのであろうことは想像に難くない、そもそも楽園はパラダイスはどこにもない、一見して、たとえば遠目に見るにはパラダイスのように見えるようなところがあったとしてみて、果たして近づいてじっくり内実を詳細に検証してみてカジジツにパラダイスで楽園であると判定できるようなモノコトが、どうなんだろう、もしかしたらぼくの考えは悲観的に過ぎるのかもしれないけれども(おおむねそうであろうと自覚していないものでもない)、まぁ、どこかにパラダイスは楽園は、あるのかもしれないね、といったことに、しておいた方が、いい(好ましい)、(なにはともあれ、なにはなくとも)幸福感(みたいなもの)が得られる、ようなものなのかもしれない



こういう女も普通の女。「なにも起こらない人生」を抱えた愉快な女芸人達の物語(A Tale of Onna-geinins)


≪目次: ≫
第一話 欲望という名の電気ゴタツ
 一 ツァラトゥストラはまだ語らない
 二 芸人の夜明け
 三 モンスターパレスの女
 四 お笑い探査計画
 五 愛の錯誤
 六 さまざまな試練
 七 無限の彼方(ビヨンド・ザ・インフィニティ)
 八 「化物の宮殿(モンスター パレス)」ではなくて

第二話 セックス・アンド・ザ・シティ
 一 シンデレラのための略式地図
 二 舞踏会への階段に立つ二人
 三 禿鷹(はげたか)と石子詰(いしこづ)めの女
 四 一体なにが「おもしろい」んだ?
 五 ないものはない、なにもないったら本当になにもない
 六 神と信者の間(はざま)
 七 「なんだかへんだな」と思いつつ、全能感だけはしっかりとある女達
 八 金坪真名子が「処女ではないもの」に変わる場所
 九 進化するモンスーンパレス
 十 本篇の数少ない「セックスアリ」のシーン

第三話 電気ゴタツは安楽椅子の夢を見るか
 一 そして作者はあることに気がついた
 二 中身のないシュークリーム
 三 金坪真名子の回心(かいしん)
 四 マザー・テレサへの道
 五 笛を吹く金目鯛(きんめだい)
 六 綿菓子製造機と一本の割り箸(ばし)
 七 安井貴子の帰還
 八 もう電気ゴタツに足は突っ込まない

第四話 すべての人に幸福な未来を
 一 「阿蘭陀(おらんだ)おかね」という女
 二 なに不自由のない貧しさ
 三 阿蘭陀おかねの芸風
 四 「いつか分かる日が来るわ」と言うこともなく――
 五 とみざわとみこもやって来る
 六 夢見る三十代を過ぎても
 七 そして奇跡が最後にやって来る


※初出 「小説すばる」
 第一話 欲望という名の電気ゴタツ 2010年9月号
 第二話 セックス・アンド・ザ・シティ (前編)2011年5月号 (後編)2011年9月号
 第三話 電気ゴタツは安楽椅子の夢を見るか 2012年2月号
 第四話 すべての人に幸福な未来を 2012年5月号

[装画] ジョルジュ・バルビエ 「真夜中!・・・または、流行のアパルトマン」(アートハーベスト)
[装幀] 中島かほる


≪著者: ≫ 橋本 治 (はしもと おさむ) 1948年東京都生まれ。東京大学文学部国文学科卒業。イラストレーターとして活躍後、77年『桃尻娘』で講談社小説現代新人賞佳作入選。以後、小説、評論、戯曲、エッセイ、古典の現代語訳等、幅広い活動を続ける。96年『宗教なんかこわくない!』で新潮学芸賞、2002年『「三島由紀夫」とはなにものだったのか』で小林秀雄賞、05年『蝶のゆくえ』で柴田錬三郎賞、08年『双調平家物語』で毎日出版文化賞受賞。






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本「勝てないアメリカ 「対テロ戦争」の日常 (岩波新書1384)」大治朋子5

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勝てないアメリカ――「対テロ戦争」の日常 (岩波新書)
勝てないアメリカ 「対テロ戦争」の日常 (岩波新書1384)

○著者: 大治朋子
○出版: 岩波書店 (2012/9, 新書 272ページ)
○定価: 861円
○ISBN: 978-4004313847
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「トモコ、これがIEDだ」(p170)
 

圧倒的優位にあるはずの米軍が「弱者」に翻弄される。衛星通信を使った無人の爆撃機や偵察ロボットなどハイテク技術を追求するが、むしろ犠牲は増え続け、反米感情は高まる。負のスパイラルに墜ちた「オバマの戦争」。従軍取材で爆弾攻撃を受けながら生き延びた気鋭の記者が、綿密な現場取材から、その実像を解き明かす。


≪目次: ≫
はじめに

本書関連地図 .▲瓮螢合衆国
本書関連地図◆アフガニスタン

第一章 見えない傷
1 「見えない傷」を追う
叔父の疑問/戦争が生み出した新たな傷病?/深刻な事態の始まり/兵士の認識検査
2 発症メカニズムは謎
超音速の爆風とハイテク装備/別人のようになった夫/証明責任は兵士に/自宅に戻って気づく異常/「研究」で入院し悪化/軽視された地上戦
3 大統領の対応
情報公開請求で実数を確認/TBI対策の始まり/20万人以上が発症?/マッチョな精神文化も影響/装備が頼り
4 二正面戦争のツケ
ベトナム戦争以来最悪の自殺率/帰還兵への「偏見」/疲弊する米軍/再従軍を苦に自殺/治療中でも戦地に派遣/しわ寄せは個人に

第二章 従軍取材で見た基地の日常
1 山ほどあるルール
なぜ従軍取材か?/グアンタナモ基地での検閲/ドイツにある米軍病院/「一刻も早く戦友のもとへ」/封印される棺の写真/表に出ない戦死の画像
2 メディアとの闘い
格闘の歴史/転換点となったイラク戦争/広報戦略の一部/はずれた狙い
3 基地の中は「アメリカ」
空路アフガニスタンへ/拡大する民間軍事会社/戦地でオンライン・ショッッピング/食堂には毛ガニも/食欲のワケ/ピザも配達/「1%の戦争」と飲酒
4 それぞれの思惑
子どもたちの犠牲/通訳する人々/「戦争のない国に行きたい」

第三章 泥沼化する非対称戦争
1 「持てる者」と「持たざる者」
北極圏のパラシュート部隊/戦場の音/作戦司令室へ/軍事革命の落とし子/「ナイフでスープを食べる」/お前たちの時間は限られている
2 情報戦の厚い壁
キーワードはDIGS/国を作る人/夜の手紙対チラシ/ラジオが武器
3 果てしない「国づくり」
「力の空白」に巣食う/長老たちとの時間/不正の一端/進む政治不信/腐敗の構造/麻薬経済が戦争を支える/低コストの戦い
4 ローテクがハイテクを制す
アフガニスタン治安当局の悩み/延々と続く「いたちごっこ」/墓地の前線基地/10ドルタリバン/「イラク・マジック」が起きない/米軍がいるから戦闘になる
5 「トモコ、これがIEDだ」
爆弾の威力を知る/座席の下で爆発/緊張の7時間

第四章 「終わらない戦争」の始まり
1 ロボット時代の幕開け
空飛ぶ無人殺人機/米国本土から遠隔操作/自宅から「戦場」に出勤
2 誤爆のメカニズム
95%の正確性/市民と戦闘員の区別/距離のもたらす非現実感
3 ゲーム世代の兵器
「指が踊る」若者たち/軍産複合体の宴
4 戦争の潜在化
拡大するCIAの暗殺/事実上の処刑/民主主義も破壊
5 「どう見られるか」の戦い
なぜパキスタンか/大半は「幹部」以外/認識をめぐるバトル
6 悪循環のスパイラル
COINとCT/アフガニスタン戦略の失敗/ビン・ラディン容疑者殺害の影響/タリバンの復活

終章 勝てないアメリカ
史上最長の戦争/文明のジレンマ/弱者が強者に挑む時/「貧者」の兵法/戦争大統領

あとがき (二〇一二年八月二〇日 大治朋子)


≪著者: ≫ 大治朋子 (おおじ・ともこ) 東京都生まれ。1989年毎日新聞入社。阪神支局、『サンデー毎日』編集部、東京本社社会部、英オックスフォード大学留学(ロイター・ジャーナリズムスタディー・フェロー)等を経て、2006〜10年、ワシントン特派員。東京本社外信部編集委員。2002・03年の新聞協会賞をそれぞれ受賞。2010年度ボーン・上田記念国際記者賞を受賞。著書、『少女売春供述調書――いま、ふたたび問いなおされる家族の絆』(リヨン社)。共著、『個人情報は誰のものか――防衛庁リストとメディア規制』(毎日新聞社)、『ジャーナリズムの条件1 職業としてのジャーナリスト』(岩波書店)。


ヤスミン・クラウザー 『サフラン・キッチン  The Saffron Kitchen 』(小竹由美子 訳、新潮クレスト・ブックス、2006年) '08/06/16
カーレド・ホッセイニ 『君のためなら千回でも 〈下巻上巻〉  The Kite Runner 』(佐藤耕士 訳、ハヤカワepi文庫、2007年) '08/05/20, '08/04/09





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本「ヒトはなぜ眠るのか (講談社学術文庫2131)」井上昌次郎5

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ヒトはなぜ眠るのか (講談社学術文庫)
ヒトはなぜ眠るのか (講談社学術文庫2131)

○著者: 井上昌次郎
○出版: 講談社 (2012/9, 文庫 208ページ)
○定価: 798円
○ISBN: 978-4062921312
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あるとき、ふと道端で見かけた野良と思しきネコが、どこで眠るんだろうと考えたことがあった。ぼくは屋根と壁のある屋内で、雨露や風を、暑さも寒さもしのいで、およそ快適で安全な畳の上の布団で、まいにち眠っている。もし、布団がなかったら、屋根と壁のある家屋をうしなったら(フツーそんなことは考えない)、、、まだ若かりし頃には、ときどき酔っぱらっていろんなところで朝まで眠っちゃうことはあったけど、野宿を意識したことは、考えたこともない。いまはときどき、朝、ターミナル駅とかの人波の絶えることのない駅舎の端の方で、前夜に飲みすぎてグロッキーでダウンしている若者(とも限られない)を見るに、気持ちよさそうな睡眠であるとも思えないのだが(吐き気をもよおす二日酔い)、まさにダウンしちゃってアップ(起きていることが)できない、のであろうけれども、かえって人波が人熱(いき)れが、当人がそう考えているかをともかくとして安心感みたいなものがあるのかもしれない。もしも、人気のない場所であったとすると、都市のなかであったならば、まぁ金目のモノを身ぐるみはがれるくらいがサイアクのところかもしれない。はたまた、人気のない、野原や草原や森林であったとすると、ヒト以外の動物が、肉食獣が生息しているようなところだったら、むしろ金目のモノの心配は一切いらないけれども、おおむね喰われて生命を落とすことの失うことの心配の方をこそ、するべきなのであろうか、どうなんだろう、なかなか想像できない便利で快適で安全な社会生活を享受しちゃっていることをアタリマエとして、、、さて、野良ネコはどこで眠るのだろう、安眠をむさぼって熟睡するようなことがあるのだろうか



進化の過程で睡眠は大きく変化した。肥大した脳は、ノンレム睡眠を要求する。睡眠はなぜ快いのか? 眠りの機能とは? 大脳と睡眠、身体と睡眠の関係、睡眠にまつわる病気、睡眠と冬眠の違い、睡眠を司るホルモン、体内時計の働き、短眠者と長眠者の謎、科学的な快眠の秘訣……。最先端の脳科学で迫る睡眠学入門の決定版。最新の知見と新規文献も充実!


≪目次: ≫
学術文庫版まえがき (二〇一二年七月 井上昌次郎)

第一章 眠りとはなにか
人間はなぜ眠るのか/眠るとはなにもしていない状態か/眠りを奪うとどうなるのか/まったく眠らないでいられるのか/睡眠はなぜ快いのか/眠りの浅い、深いとはどういうことか/二種類の睡眠はどう違うのか/二種類の睡眠はどのように発達し、それぞれどのような役割を演じているのか/レム睡眠はどうして生き残ったのか/「眠らせる脳」のしくみはなにか/睡眠研究にどんな意味があるのか/補遺1 睡眠学が扱う対象はなにか/補遺2 睡眠学の進歩を知る

第二章 眠りは人ごとに違うのか
眠る時間や回数に基準があるのか/年齢と眠りの関係はどのようなものか/男の眠りと女の眠りはどう違うのか/「朝型」と「夜型」はどう違うのか/長い眠りと短い眠りはどう違うのか/八時間の睡眠は必要か/短い眠りを何回もとるのは役に立つのか/眠らない人は実在するのか/まったく眠らない動物はいるのか/ヒトの眠りと動物の眠りはどう違うのか/冬眠と睡眠は同じものか/補遺1 こどもの眠りを考える/補遺2 動物の眠りを考える

第三章 どうして眠くなるのか
睡眠はどんな法則に支配されているのか/なぜ毎夜寝るのか/生物時計とはなにか/概日リズムはどんな性質をもっているのか/「概日リズム睡眠障害」とはなにか/季節と眠りはどう関連するのか/睡眠不足はどのように処理されるのか/昼寝や居眠りにはどんな効用があるのか/同じ時間をまとめて眠るのと分散して眠るのでは効果は違うのか/不眠とはなにか/眠れなくなる病気や眠ってばかりいる病気にどんなものがあるのか/不眠を克服するにはどうするか/補遺 睡眠障害の国際分類が改訂されている

第四章 眠っているあいだになにが起こるのか
眠りは本当に必要か/「寝る子は育つ」とはどういうことか/睡眠中にどんなホルモンが分泌されるのか/ストレスと睡眠はどのような関係にあるのか/睡眠物質の解毒作用とはなにか/眠ると元気を回復するのはなぜか/風邪をひくと眠いのはなぜか/免疫機能は睡眠とどう関連するのか/「睡眠時随伴症」とはなにか/睡眠中に身体はどのように休んでいるのか/体温と眠りはどう関連するのか/眠りは記憶や学習にどのようにかかわるのか/夢とはなにか/レム睡眠のときなぜ夢見が多いのか/夢になにか特別な意味があるのか/夢研究にどんな試みがあるか/補遺1 レム睡眠の役割を見直す――胎児脳の始動/補遺2 レム睡眠の役割を見直す――夢の科学

第五章 眠りはコントロールできるのか
眠りの質をどう高めるのか/昼間の眠気にどのように対処するのか/睡眠は生理的にコントロールされるだけなのか/不眠の埋め合わせはできるのか/個人的な入眠儀式で眠りはコントロールできるのか/入浴で眠りはコントロールできるのか/音の効果で眠りはコントロールできるのか/室内環境で眠りはコントロールできるのか/食べ物や飲み物で眠りはコントロールできるのか/枕やふとんで眠りはコントロールできるのか/寝付きをよくさせるにはどうするか/目覚めをすっきりさせるにはどうするか/人の未来の眠りはコントロールできるのか/本書のまとめ/補遺 快眠法が盛んに開発されている

睡眠をもっとくわしく知るための参考書
あとがき (一九九四年九月 井上昌次郎)


※本書の原本は、一九九四年に筑摩書房より刊行されました。講談社学術文庫に収録するにあたり、適宜章末に補遺と文献案内を追加しました。


≪著者: ≫ 井上昌次郎 (いのうえ しょうじろう) 1935年ソウル市生まれ。東京大学大学院生物系研究科博士課程修了。理学博士。東京医科歯科大学教授を経て、同大学名誉教授。元世界睡眠学会連合理事。専門は、脳科学・睡眠学。著書に『眠りを科学する』『眠る秘訣』など多数ある。






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本「愛と欲望のナチズム (講談社選書メチエ533)」田野大輔5

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愛と欲望のナチズム (講談社選書メチエ)
愛と欲望のナチズム (講談社選書メチエ533)

○著者: 田野大輔
○出版: 講談社 (2012/9, 単行本 296ページ)
○定価: 1,890円
○ISBN: 978-4062585361
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Sexualpolitik


すべての性欲を解放せよ!!! 人間の欲望さえも動員するナチズムの〈性−政治〉
産めよ殖やせよ。強きゲルマン人の子を大量に得るために性の解放を謳うナチズム。従来の定説を覆し、欲望の禁止ではなく、解放により大衆を支配しようとしたナチズムの「性の政治」の実態に、豊富な原資料から光を当てる。


≪目次: ≫
はじめに

第一章 市民道徳への反発
純愛の理想/ヒトラーの性道徳/健全な本能の開放/女性の役割/愛による救済/欲望の動員

第二章 健全な性生活
ナチズムと性教育
1 性的啓蒙の展開
オッケルの提案/『子供にそのことを話しましょう!』/教育当局者の支持/理解と無理解のはざまで/オッケルからシュルツへ
2 性生活の効用
シュルツの提案/ナチズムと精神療法/精神療法の効用/『性・愛・結婚』/性的障害の治療/治療から抹殺へ/市民道徳への反発/性と権力

第三章 男たちの慎み
親衛隊員の慎み
1 男性国家の悪疫
同性愛の脅威/男性国家の悪疫/治療か抹殺か/同性愛者の迫害
2 結婚を超えて
氏族としての親衛隊/結婚と生殖の奨励/婚外関係の容認/生命の泉/婚姻制度の解体/婚前交渉の奨励/崇高な義務/親衛隊の道徳

第四章 美しく純粋な裸体
裸体とエロティシズム
1 裸体への意志
美しく純粋な裸体/裸体への黒い情熱/北方人種の理想型/抑圧される裸体文化/裸体文化の支持者たち/健康な肉体への喜び/人種的健康の称揚
2 ヌードの氾濫
氾濫する裸体文化/代用ポルノか?/商売人たちの弁明/裸体画の称揚/生の喜びと人種的模範/エロティシズムの擁護/ヌードの氾濫/裸体に群がる人々
3 女性の魅力
健康で美しい女性/グレートヒェンのタイプ/ドイツ女子青年団の理想/男性化の脅威/女らしい魅力/ファッションの擁護/おしゃれな女性たち/露骨なエロティシズム/ナチズムの偽善性

第五章 欲望の動員
不品行な女性たち
1 新しい社交
恋人募集広告/陽気な浮かれ騒ぎ/喜びを通じての力/保守派の批判/避妊具の販売
2 悪徳の奨励
街頭の浄化/売春の封じ込め/保守派の反発/売春の管理強化/政府管理売春の確立
3 道徳の解体
青少年の性的非行/戦時下の道徳解体/外国人との性的関係/人種教育の破綻/スウィング青年/銃後の性的放縦/兵士たちの性的願望/欲望の動員

おわりに

あとがき (二〇一二年七月 田野大輔)

図版出典
索引


≪著者: ≫ 田野大輔 (たの・だいすけ) 1970年、東京都に生まれる。京都大学文学部卒業、同大学院文学研究科博士後期課程(社会学専攻)研究指導認定退学。甲南大学文学部教授。京都大学博士(文学)。専攻は、歴史社会学。著書に、『魅惑する帝国――政治の美学化とナチズム』(名古屋大学出版会、2007年)がある。






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本「知の考古学  L'Archeologie du savoir (河出文庫)」ミシェル・フーコー、慎改康之 訳5

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知の考古学 (河出文庫)
知の考古学  Michel Foucault: “L'Archéologie du savoir”, Paris, Gallimard, 1969 (河出文庫)

○著者: ミシェル・フーコー、慎改康之 訳
○出版: 河出書房新社 (2012/9, 文庫 435ページ)
○定価: 1,365円
○ISBN: 978-4309463773
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あらゆる領域に巨大な影響を与えたフーコーの最も重要な著作を気鋭が四十二年ぶりに新訳。フーコーが『狂気の歴史』『臨床医学の誕生』『言葉と物』を生み出した自らの方法論を、伝統的な「思想史」と訣別し、歴史の連続性と人間学的思考から解き放たれた「考古学」として開示する。それまでの思考のありかたに根底から転換をせまる名著が新たなすがたで甦る。


≪目次: ≫
諸言 (ミシェル・フーコー)

I 序論

II 言説の規則性
 I 言説の統一性
 II 言説形成
 III 対象の形成
 IV 言表様態の形成
 V 概念の形成
 VI 戦略の形成
 VII 注記と帰結

III 言表とアルシーヴ
 I 言表を定義すること
 II 言表機能
 III 言表の記述
 IV 稀少性、外在性、累積
 V 歴史的アプリオリとアルシーヴ

IV 考古学的記述
 I 考古学と思想史
 II 独創的なものと規則的なもの
 III 矛盾
 IV 比較にもとづく事実
 V 変化と変換
 VI 科学と知

V 結論


訳注

訳者解説 (二〇一二年七月二十四日 慎改康之)
連続的歴史/解釈/「考古学」の射程

人名索引
事項索引


≪著者: ≫ ミシェル・フーコー Michel Foucault 1926〜84年。20世紀後半における最も重要な思想家。著書『狂気の歴史』『言葉と物』『知の考古学』『監獄の誕生』『知への意志』『自己への配慮』『快楽の活用』など。

[訳者: ] 慎改康之 (しんかい・やすゆき) 1966年生まれ。明治学院大学教授。共著書『法の他者』、訳書、フーコー『異常者たち』『精神医学の権力』『生政治の誕生』『真理の勇気』など。


ミシェル・フーコー 『わたしは花火師です フーコーは語る  Je suis un artificier, in Michel Foucault, entretiens」(中山元 訳、ちくま学芸文庫、2008年) '08/11/16
ミシェル・フーコー 『精神疾患とパーソナリティ  Maladie mentale et personalité, 1954 」(中山元 訳、ちくま学芸文庫、1997年) '08/11/12
ミシェル・フーコー 『真理とディスクール パレーシア講義  Fearless speech 』(中山元 訳、筑摩書房、2002年) '08/11/09

檜垣立哉 『フーコー講義 現代思想の現在』(河出ブックス、河出書房新社、2010年) '12/01/17
中山元 『フーコー 思想の考古学』(新曜社、2010年) '10/05/30
中山元 『賢者と羊飼い フーコーとパレーシア』(筑摩書房、2008年) '10/05/04
中山元 『フーコー 生権力と統治性』(河出書房新社、2010年) '10/04/14
ジル・ドゥルーズ 『フーコー  Foucault, 1986 』(宇野邦一 訳、河出文庫、2007年) '09/09/22
神崎繁 『フーコー 他のように考え、そして生きるために』(シリーズ・哲学のエッセンス、日本放送出版協会、2006年) '09/05/06
中山元 『はじめて読むフーコー』(洋泉社 新書y、2004年) '08/11/05
中山元 『フーコー入門』(ちくま新書、1996年) '08/11/01





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本「構造災 科学技術社会に潜む危機 (岩波新書1386)」松本三和夫5

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構造災――科学技術社会に潜む危機 (岩波新書)
構造災 科学技術社会に潜む危機 (岩波新書1386)

○著者: 松本三和夫
○出版: 岩波書店 (2012/9, 新書 224ページ)
○定価: 756円
○ISBN: 978-4004313861
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にっちもさっちもどうにもぶるどっぐ、あちらをたてればこちらがたたずこちらをたてればあちらがたたず、メカニズム、システム、、、おおむね問題は、問題が生じるまでの経緯や背景やらのなにやらが、ある、ないものではない。およそ時間の経過に伴って、綿々と蓄積されて、さらに関係は周囲とのあいだにフクザツに絡みあってゆく。さて、すでに世の中は、社会は、とくに科学技術とかはフクザツで、おおむね人間のフツーの生身の素手のレヴェル、能力なんかを、カンタンに超越しちゃって大きな破壊(滅)的なパワーを有しちゃっていて、ある意味ではコントロールできるレヴェルとかって、どうなんだろう??、ときどきぼくは考えないものでもない、進歩とか成長とか、もちろん上昇志向は必要で、だから、ぼくたちは便利で快適で清潔で安全な社会生活を享受してる


「人災」とされる福島原発事故。「人災」対「天災」という分類は、未曽有の大災害の真実を尽くしきれているだろうか。本書は、戦前から連綿と続く、日本社会に根をおろした「構造」にあえて目を向ける。その「構造」から、科学技術と社会のあいだの危機のメカニズムを解明する。そして、問題克服の道筋をさぐる。


≪目次: ≫
はしがき

序章 構造災としての福島原発事故
構造災という視点/SPEEDI(緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム)の四つの矛盾

第1章 構造災とは何か――科学社会学(sociology of science and technology)の視点から
1 見逃される構造災
構造災はどう見逃されてきたか/間違った先例を踏襲する/定常事故との異同/逸脱の常態化(normalization of deviance)――うっかり、ひやっとするミスとの違い
2 対症療法の増殖――「カンブリアの羊」騒動より
3 連鎖する秘密主義
政府事故調の教えてくれること/関与する異質なアクター(行為者)/変形したアクターの生む秘密主義の連鎖/五つの異質なセクター/「第三の波」の問いかけと秘密主義の連鎖/「よい人」の担う構造災
4 「どかん」型と「じわり」型

第2章 構造災のメカニズム
1 過去の踏襲が不合理を生む
経路依存性(path-dependency)理論という手がかり/経路依存性理論を組み替えて広げる
2 問題の解決が公益に合致しない
日本の発電用風車開発の断絶/風力発電神話はいかにはじまったか/神話から無縁なメーカーの意味/ロック・イン状態としての構造災/自己否定メカニズムの蹉跌/適切なアウトサイダーと演出されたアウトサイダー
3 自己運動する制度
関東大震災での「焼け太り」/学セクターと自己運動する制度/専門知の信頼性を見極めるには

第3章 構造災の系譜
1 くりかえす構造災
対米開戦前夜の大事故/報告された大事故、隠された大事故/対症療法の増殖/間違った先例の踏襲/幕引きのあとで判明した過誤
2 高度国防国家と高度成長国家
敗戦後の軍民転換/戦時動員期の科学技術立国、そして構造災/戦前と戦後の科学技術立国の連続性
3 原子力法案のつくられ方
官産主導・学状況依存とは何だろうか/原子力法案のつくられ方に潜む構造災/無理解が可能にした夢と希望/後追い声明の日本学術会議

第4章 いま生まれつつある構造災
1 いま政策を支える社会観
他人事にできない高レベル放射性廃棄物処分/間違った社会観の踏襲/安全性を棚上げした安心感醸成/社会的受忍を金で買う
2 ポイント・オブ・ノーリターン
途方もない超長期という不確実性/高レベル放射性廃棄物処分をめぐる問題の増幅/ポイント・オブ・ノーリターンとさきおくりのあいだ
3 構造災と無限責任
二五三分の一/無限責任の発生/無限責任の有限化
4 無限責任の有限化――社会的な責任配分へ
問題は責任感ではない/損害賠償概念をこえる無限責任/構造災における社会的責任配分/構造災公文書館の設置を

終章 構造災をのりこえる提言
信頼と責任/立場明示型のインタープリタを/立場明示型の研究助成を/手直しではなく、変革を

参考文献
あとがき (二〇一二年六月三〇日 松本三和夫)


≪著者: ≫ 松本三和夫 (まつもと・みわお) 1953年生まれ。1982年、東京大学大学院社会学研究科博士課程単位取得退学。社会学博士(東京大学)。東京大学大学院人文社会系研究科教授。専攻、科学社会学、リスク社会学、技術の社会史。著書、『船の科学技術革命と産業社会』(同文舘)、『科学技術社会学の理論』(木鐸社)、『知の失敗と社会――科学技術はなぜ社会にとって問題か』(岩波書店)、Technology Gatekeepers for War and Peace (PalgraveMacmillan)、『テクノサイエンス・リスクと社会学――科学社会学の新たな展開』(東京大学出版会)ほか。






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本「カント『純粋理性批判』入門 (講談社選書メチエ192)」黒崎政男5

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カント『純粋理性批判』入門 (講談社選書メチエ)
カント『純粋理性批判』入門 (講談社選書メチエ192)

○著者: 黒崎政男
○出版: 講談社 (2000/9, 単行本 216ページ)
○定価: 1,575円
○ISBN: 978-4062581929
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ぼくが手にしている(読んだ)のは、第19刷 2012年4月 発行版(もちろん図書館で借りた)

Es ist gut. (よろしい)

あさ、肌に感じるかぜがつめたかった、秋10月♪、つめたさを感じさせる朝の空気は、ぼくの背筋をピンとさせる。あまりにもつめたすぎると縮こまって背中はまるくなる。暑ければ暑いでだれて背中がのびることがない。まぁいい季節♪
大豆を買った。干し椎茸(どんこ)と昆布も買った。ニンジンもレンコンもある。煮豆を作ろうと思う、食欲の秋♪


すべての哲学はカントImmanuel Kant, 1724-1804)に流れ入り、カントから再び流れ出す。西洋哲学二千年の伝統を破壊した衝撃の書『純粋理性批判Kritik der reinen Vernunft, 1781/87)』。「私」「世界」「神」の考察から、「時間」「空間」の構造、形而上学の運命まで、あらゆる思考の極限を究めた哲学史上最大の金字塔を、やさしく、ヴィヴィッドに読みつくす。


≪目次: ≫
プロローグ――1+1はなぜ2なのか
縮尺一分の一の地図/カントと付きあった三〇年/アポロ宇宙船はなぜ月に到着できるのか/『純粋理性批判』の核心的問い/カントのパラドキシカルな主張/コペルニクス的転回
カントのプロフィール
四五歳で大学の先生に/他人の思想が理解できない/本書のテキストについて

序章 すべての哲学が失敗した理由
1 「本当に在る」とはどういうことか
犬笛のふしぎ/『純粋理性批判』のラディカリズム/「経験」と「対象」とは同時に成立する/哲学がすべて失敗したのはなぜか
2 存在するとは知覚されることである――実在論と観念論
そこに山があるから見えるのか/カントは困難をどう解決したか
3 感覚のうちになければ知性のうちにない――経験論と合理論
キーワードとしての感性と悟性/ロックの経験論的発想/ライプニッツの合理論的発想/両者の統合としてのカント

1章 『純粋理性批判』の建築現場
九〇〇ページの大著/沈黙の一〇年をさぐる
1 導きの糸としての現象
何がどこに現れるのか(現象、Erscheinung)/物自体(Ding an sich)・客観(Objekt)・対象(Gegenstand)/物自体へのあこがれ
2 沈黙の一〇年の苦闘――『批判』成立前夜
下位の認識能力としての感性(Sinnlichkeit)/「七〇年論文(De mundi sensibilis atque intelligbilis forma et principiis)」の基本性格/あるがままの事物を認識する/悟性(Verstand)・知性(Verstand)・理性(Vernunft)/「悟性」とは没落した知性
3 伝統的な真理観――理性・知性の優位
感性・想像力は劣悪な能力/カントの見事な転換
4 形而上学のすべての謎を解く鍵
カントはなぜ沈黙を守ったか/時間は実在的か、主観的か/何か本質的なものに気がつく/私たち内部の表象は対象とどう関係するか/人間の認識構造自体を問う/現象は実在的な存在である/個人差のある感覚を悟性で普遍化する/悟性と感性は互いに補いあう/真理を神から奪いとる

2章 『純粋理性批判』見学ツアー
全巻一日見学コース
1 形而上学とは何か――序文
万学の女王としての形而上学(Metaphysik)/本書が一切の問題を解決する/数学と自然科学の成功に学ぶ/形而上学とは何か/物自体という謎/奥の深い概念/超越論的(transzendental)とは何だろうか/ア・プリオリ(a priori)とア・ポステリオリ(a posteriori)
2 時間・空間とは何か――超越論的感性論
エステーティク(Ästhetik)とはなにか?/【空間とはなにか?】/【空間は人間の主観的条件である】/時間とはなにか?/【主観的条件にもかかわらず客観的である】/超越論的観念論/【時間・空間の実在性(Realität)と観念性(Idealität)】/【すべては現象(Erscheinung)であり、表象(Vorstellung)である】/【一〇年前の非難に答える】/【天使にとっての空間と時間】/【人間以外の知的存在者】/【仮象(Schein)・現象(Erscheinung)・物自体】
3 真理とは何か(was ist Wahrheit?)――超越論的分析論
真理の定義/【真理とは認識とその対象との合致である(Übereinstimmung der Erkenntnis mit ihrem Gegenstande)】/雄やぎの乳をしぼり、ふるいでそれを受ける/【真理の「普遍的基準」など存在するか】/【カントが主張する「超越論的真理(Transzendentale Wahrheit)」とは】/【カテゴリー表一覧】
4 カテゴリーこそ客観的認識の根拠である――超越論的演繹論
「経験」が含む形式(Form)と質料(Materie)/【およそ結合(Verbindung)であればすべて悟性の作用】/究極の根拠としての「私は考える(Ich denke)」/【超越論的統覚(Apperzeption)】/カントの戦略/【直観はカテゴリーにしたがう】/世界は人間の主観が成立させた〈現象〉である/神的知性ならカテゴリーは不要である
5 理性そのもののうちに潜む錯誤――超越論的弁証論
超越論的仮象(transzendentale Schein)とはなにか?/【正体をあばかれた後も、消滅しない仮象】

3章 『純粋理性批判』の動揺
 A カントの不安
1 ハイデッガーのカント解釈
カントの不安/二種類あったカントの「演繹論」/綜合(Synthesis)はすべて構想力の働きである/第一版「演繹論」のスーパースター、構想力
2 感性と悟性の〈共通の根〉
秘められた起爆力/削除された構想力/ハイデッガーの評価/坂部恵と能動知性
3 イエナ期ヘーゲルの慧眼
カント主義者だったヘーゲル/カント哲学の核心をとらえるヘーゲル/根源的統一原理としての構想力/構想力こそは直感的知性である/根源的同一性を前提する哲学/カント哲学の核心
 B 理性の深淵
4 心理のダイナミックな性格
真理の最終根拠は人間/どうやって認識は誤るのか/経験をどこまで先取りできるか/超越論的真理とは〈経験の地平〉の確定のこと/形式論理学と超越論的論理学との差異/因果関係をめぐるヒュームとカント/真理は純粋悟性概念から導出されるのではない/経験という実りゆたかな低地(Bathos)
5 『純粋理性批判』から最晩年『オプス・ポストゥムム』へ
カントの思想的ピーク/衰退するカント/『オプス・ポストゥムム』の世界
6 真理は本当に存在するか
『純粋理性批判』を支えたエネルギー/荒れ狂う大洋に浮かぶ〈真理の国〉/カテゴリーと経験の間の〈循環〉/睡眠薬から興奮剤へ

エピローグ――カントの広さと深さ (二〇〇〇年八月 ケーニヒスベルクから八〇〇〇キロも離れた東京の地にて 黒崎政男)

索引


≪著者: ≫ 黒崎政男 (くろさき・まさお) 1954年、仙台市生まれ。東京大学文学部哲学科卒業後、同大学大学院博士課程修了。東京女子大学現代教養学部教授。専攻は、カント哲学、人工知能・電子メディア論。著書に、『哲学者はアンドロイドの夢を見たか』(哲学書房)、『カオス系の暗礁めぐる哲学の魚』(NTT出版)、『となりのアンドロイド』(NHK出版)など、編著に『カント事典』(弘文堂)などがある。


イマヌエル・カント 『道徳形而上学の基礎づけ  Grundlegung zur Metaphysik der Sitten, 1785 』(中山元 訳、光文社古典新訳文庫、2012年) '12/09/10
カント 『純粋理性批判 7654321  Kritik der reinen Vernunft, 2. Auflage, 1787 』(中山元 訳、光文社古典新訳文庫、2010〜2012年) '10/02/21〜'12/02/13
カント 『永遠平和のために』(宇都宮芳明 訳、ワイド版岩波文庫、2005年) '08/11/25
カント 『永遠平和のために/啓蒙とは何か 他3編』(中山元 訳、光文社古典新訳文庫、2006年) '08/09/02

石川文康 『カント入門』(ちくま新書、1995年) '12/10/07
熊野純彦 『カント 世界の限界を経験することは可能か』(シリーズ・哲学のエッセンス、日本放送出版協会、2002年) '12/09/28
坂部恵/佐藤康邦 編著 『カント哲学のアクチュアリティー 哲学の原点を求めて』(黒崎政男/松山壽一/渋谷治美/小田部胤久/勢力尚雅/山根雄一郎/滝沢正之 著、ナカニシヤ出版、2008年) '12/09/21
佐藤康邦 『カント『判断力批判』と現代 目的論の新たな可能性を求めて』(岩波書店、2005年) '12/09/17
村岡晋一 『ドイツ観念論 カント・フィヒテ・シェリング・ヘーゲル』(講談社選書メチエ、2012年) '12/09/06
カント研究会 編、石川求・寺田俊郎 編著 『世界市民の哲学 (現代カント研究12)』(晃洋書房、2012年) '12/05/04
中島義道 『悪への自由 カント倫理学の深層文法』(勁草書房、2011年) '11/11/18
竹田青嗣 『完全解読 カント『実践理性批判』』(講談社選書メチエ、2010年) '11/01/05
中島義道 『『純粋理性批判』を噛み砕く』(講談社、2010年) '10/10/26
竹田青嗣 『完全解読 カント『純粋理性批判』』(講談社選書メチエ、2010年) '10/06/09
ジル・ドゥルーズ 『カントの批判哲学  La philosophie critique de Kant, 1963.』(國分功一郎 訳、ちくま学芸文庫、2008年) '09/08/11
中島義道 『カントの自我論』(岩波現代文庫、2007年) '09/06/24
中島義道 『カントの法論』(ちくま学芸文庫、2006年) '09/02/09
中島義道 『カントの人間学』(講談社現代新書、1997年) '09/02/07
中島義道 『カントの時間論』(岩波現代文庫、2001年)'09/01/28
中島義道 『カントの読み方』(ちくま新書、2008年) '09/01/23






『純粋理性批判』の全体像
序文(Vorrede)
序論(Einleitung)
I 超越論的原理論(Die transzendentale Elementarlehre)
  第一部門 超越論的感性論(Die transzendentale Ästhetik)
    第一節 空間論(Vom Raume)
    第二節 時間論(Von der Zeit)
  第二部門 超越論的論理学(Die transzendentale Logik)
   第一部 超越論的分析論(Die transzendentale Analytik)
   第二部 超越論的弁証論(Die transzendentale Dialektik)
II 超越論的方法論(Die transzendentale Methodenlehre)
  (p46, p86-87)


〈カテゴリー表〉
1 分量―――単一性(Einheit)
     |――数多性(Vielheit)
     |――総体性(Allheit)
2 性質―――実在性(Realität)
     |――否定性(Negation)
     |――制限性(Limitation)
3 関係―――付属性(Inhärenz)と自存性(Subsistenz)
     |――原因性(Kausalität)と依存性(Dependenz)
     |――相互性(Gemeinschaft)
4 様態―――可能(Möglichkeit)――不可能(Uumöglichkeit)
     |――現実的存在(Dasein)――非存在(Nichtsein)
     |――必然性(Notwendigkeit)――偶然性(Zufäligkeit)
  (p120-121)


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本「浄瑠璃を読もう」橋本治5

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浄瑠璃を読もう
浄瑠璃を読もう

○著者: 橋本 治
○出版: 新潮社 (2012/7, 単行本 444ページ)
○定価: 2,100円
○ISBN: 978-4185524575
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読もう♪
身分制社会の江戸時代、前近代、社会は支配者を頂点とするピラミッド構造で固定されている、固定されているから安定している、安定して結構長続きがしていたから、なるほど、江戸の管理社会はそうそう悪いものではなかった(p174)


小説の源流も、わたしたちの心やふるまいの原型も、みんな浄瑠璃のなかにある!
江戸時代に隆盛した一大文学ジャンル浄瑠璃。その登場人物は驚くほど現代人に似ている。『仮名手本忠臣蔵』『義経千本桜』から『冥途の飛脚』『妹背山婦女庭訓』まで、最高の案内人とともに「江戸時代的思考」で主要作品を精読。「お軽=都会に憧れてOLになった田舎娘」など、膝を打つ読み解きが満載。浄瑠璃の面白さを再発見!


≪目次: ≫
まえがき

仮名手本忠臣蔵(かなでほんちゅうしんぐら)』と参加への欲望
義経千本桜(よしつねせんぼんざくら)』と歴史を我等に
菅原伝授手習鑑(すがわらでんじゅてならいかがみ)』と躍動する現実
『本朝廿四孝(ほんちょうにじゅうしこう)』の「だったらなにも考えない」
『ひらかな盛衰記(せいすいき)』のひらがな的世界
国性爺合戦(こくせんやかっせん)』と直進する近松門左衛門
これはもう「文学」でしかない『冥途の飛脚(めいどのひきゃく)
妹背山婦女庭訓(いもせやまおんなていきん)』と時代の転回点

あとがき


※初出: 「考える人」二〇〇四年夏号〜二〇〇七年冬号、二〇〇九年春号〜二〇一〇年秋号、二〇一一年春号〜二〇一一年秋号


≪著者: ≫ 橋本 治 (はしもと・おさむ) 1948(昭和23)年、東京生れ。東京大学文学部国文科卒。イラストレーターを経て、1977年、小説『桃尻娘』を発表。以後、小説・評論・戯曲・エッセイ・古典の現代語訳など、多彩な執筆活動を行う。2002(平成14)年、『「三島由紀夫」とはなにものだったのか』により小林秀雄賞を受賞した。『ひらがな日本美術史』『上司は思いつきでものを言う』『BA-BAH その他』『小林秀雄の恵み』『巡礼』『』『リア家の人々』など著書多数。

妹背山婦女庭訓(いもせやまおんなていきん)』(近松半二 原作、橋本治・岡田嘉夫の歌舞伎絵巻5、ポプラ社、2012年) '12/07/18
国性爺合戦(こくせんやかっせん)』(近松門左衛門 原作、橋本治・岡田嘉夫の歌舞伎絵巻4、ポプラ社、2010年) '10/07/06
菅原伝授手習鑑(すがわらでんじゅてならいかがみ)』(竹田出雲/三好松洛/並木千柳 原作、橋本治・岡田嘉夫の歌舞伎絵巻3、ポプラ社、2007年) '10/06/26
義経千本桜(よしつねせんぼんざくら)』(竹田出雲/三好松洛/並木千柳 原作、橋本治・岡田嘉夫の歌舞伎絵巻2、ポプラ社、2005年) '10/06/20
仮名手本忠臣蔵(かなでほんちゅうしんぐら)』(竹田出雲/三好松洛/並木千柳 原作、橋本治・岡田嘉夫の歌舞伎絵巻1、ポプラ社、2003年) '10/06/17

橋本治 『双調平家物語 〈16〉落日の巻(承前) 灌頂の巻〈15〉源氏の巻(承前) 落日の巻〈14〉治承の巻II(承前) 源氏の巻〈13〉治承の巻II〈12〉治承の巻I〈11〉平家の巻(承前)〈10〉平治の巻II 平家の巻〈9〉平治の巻I(承前)〈8〉保元の巻(承前) 平治の巻I〈7〉保元の巻〈6〉院の巻(承前)〈5〉女帝の巻 院の巻〈4〉奈良の巻〈3〉近江の巻〈2〉飛鳥の巻(承前)〈1〉序の巻 飛鳥の巻』(中公文庫、2009〜10年) '10/08/17〜'09/11/03
橋本治 『院政の日本人 (双調平家物語ノートII)』(講談社、2009年) '11/04/27、'09/10/18
橋本治 『権力の日本人 (双調平家物語ノートI)』(講談社、2006年) '11/03/25、'09/09/12





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本「ねじの回転  The Turn of the Screw (光文社古典新訳文庫154)」ジェイムズ、土屋政雄 訳5

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ねじの回転 (光文社古典新訳文庫)
ねじの回転  Henry James: “The Turn of the Screw”, 1898 (光文社古典新訳文庫154)

○著者: ヘンリー・ジェイムズ土屋政雄
○出版: 光文社 (2012/9, 文庫 272ページ)
○定価: 960円
○ISBN: 978-4334752552
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たとえば、道を尋ねられたようなときに、「すみませんが、私たちが現在いる地点との関係において、キングズ・ロードは正確に言って、どこにあるのですか」などと述べられ(p243)ようなものなら、どうなんだろう、まぁ戸惑いを隠せないかもしれないけれども、、、なるほど、相対的な視点でものを見ることを常とし、物事の価値を絶対的なものとして固定することがなかった、、、とは、巻末の「解説」に説かれる、表面上は特筆すべき出来事のない平穏な人生を送ったように見える、ジェイムズの人間や文化の観察者および芸術家として、内面において


両親を亡くし、英国エセックスの伯父の屋敷に身を寄せる美しい兄妹。奇妙な条件のもと、その家庭教師として雇われた「わたし」は、邪悪な亡霊を目撃する。子どもたちを守るべく勇気を振り絞ってその正体を探ろうとするがー巧緻きわまる構造から紡ぎ出される戦慄の物語。


≪目次: ≫
ねじの回転』 The Turn of the Screw, 1898


解説/松本 朗(ほがら上智大学准教授
ヘンリー・ジェイムズの生涯/『ねじの回転』の魅力/ヘンリー・ジェイムズ文学の現代性/参考文献

ジェイムズ年譜

訳者あとがき (二〇一二年八月  土屋 政雄)


≪著者: ≫ ヘンリー・ジェイムズ Henry James [1843-1916]ニューヨーク生まれ。裕福な家庭に育ち、幼い頃から家族とともにヨーロッパ各地に滞在、芸術の鑑識眼、多言語・多文化に通じるコスモポリタン性を身につける。1862年、ハーバード大学ロー・スクールに入学するも翌年退学。64年、物書きとしてデビュー。76年ロンドンに移住、以後、ロンドンを中心に活動。78年、短編小説「デイジー・ミラー」を発表、英国文壇で絶賛される。代表作に『ある貴婦人の肖像』『ねじの回転』『鳩の翼』『黄金の盃』など。登場人物の複雑な心理描写、アメリカとヨーロッパの価値観の対比など独自の作風を確立、小説の技法を極めたと評される。

[訳者: ] 土屋政雄 Tsuchiya Masao 翻訳家。訳書に『エデンの東』(スタインベック)、『日の名残り』『わたしを離さないで』『夜想曲集』(カズオ・イシグロ)、『日本文学の歴史 古代・中世篇』(キーン)、『イギリス人の患者』(オンダーチェ)、『月と六ペンス』(モーム)、『ダロウェイ夫人』(ウルフ)、『日はまた昇る』(ヘミングウェイ)ほか多数。


バージニア・ウルフ 『ダロウェイ夫人  Mrs. Dalloway, 1925 』(土屋政雄 訳、光文社古典新訳文庫、2010年) '10/06/16
サマセット・モーム 『月と六ペンス  The Moon and Sixpence, 1919 』(土屋政雄 訳、光文社古典新訳文庫、2008年) '09/01/07





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本「日本の科学/技術はどこへいくのか 〈フォーラム 共通知をひらく〉」中島秀人5

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日本の科学/技術はどこへいくのか (フォーラム共通知をひらく)
日本の科学/技術はどこへいくのか 〈フォーラム 共通知をひらく〉

○著者: 中島秀人
○出版: 岩波書店 (2006/1, 単行本 251ページ)
○定価: 2,310円
○ISBN: 978-4000263450
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科学・技術・社会の現場から迫る、科学技術社会論(STS)


科学/技術の未来に向けて、期待と不安が錯綜している。膨大な科学予算が投下され、専門化と実用化が進むいっぽう、若者の科学離れが叫ばれる。科学/技術の進歩が引き起こす様々な社会問題に、科学者は目を背けてはいないか。科学/技術の研究現場に足場を置きつつ、社会と科学を架橋するための創意に富んだ提言。
第28回(2006年) サントリー学芸賞・思想・歴史部門受賞


≪目次: ≫
まえがき

第1部 科学書を読んで考える科学/技術の二一世紀
第1章 迷路の中の科学/技術
一 破壊される知性――ポストモダンな理数系の現在
『分数ができない大学生』/詰め込み教育という幻想/アメリカの教訓/ジャパニーズ・マインドの終焉?
 ※出典: 『イリューム』22号、1999年(「科学を読む」連載第1回)
二 科学の終焉――あるいは新しい科学の夢を求めて
科学の終わり/犯人は科学論者?/変化する科学研究/科学者の転換点/科学者の未来
 ※出典: 『イリューム』27号、2002年(連載第5回)
三 理科系はどこへいくのか――日本科学の現状と課題
『理系白書』に見る理科系の現状/日本の科学者はなぜ報われないのか/垂直統合かフラットな組織か/任期制が抱える矛盾/もっと科学者の現状を知ろう
 ※出典: 『イリューム』32号、2004年(連載第10回)

第2章 理科系を解体する――理学知・工学知・知識のモード
一 「科学の統一」は可能なのか――モード論と科学の未来
科学のモード論とは/研究システムの変化/なぜモード2か/モード論の功罪/多様なモードの併存
 ※出典: 『イリューム』25号、2001年(連載第3回)
二 失敗から創造へ――工学は失敗から学ぶ
失敗学のすすめ/財産となる失敗・許されない失敗/失敗を誘発する組織/失敗は成熟期に起きる/失敗は創造の源泉/工学知と理学知
 ※出典: 『イリューム』26号、2001年(連載第4回)
三 誰のためのデザインか――工学知とデザイン
認知心理学との「異業種交流」/エラーは誰のせい?/多数の選択肢よりも適当な制約を/使い間違いが起こる理由/外界にある知識と対応づけ/デザインは誰のためにあるのか/デザイン論を超えて/人間のための人工物を
 ※出典: 『イリューム』34号、2005年(連載第12回)
四 環境問題の現段階――地球環境からファクター4へ
環境とは何だったのか/地球環境問題の登場/有限な地球/生産性を四倍にする試み/エコリュックサックという指標/ファクター4は可能か
 ※出典: 『イリューム』29号、2003年(連載第7回)

第3章 創造性豊かな社会を作るために――歴史からのアプローチ
一 物理学研究の拠点が欧州からアメリカに移った理由――マンハッタン計画と科学
原爆開発とアメリカ物理学の離陸/巧緻な人間関係描写/欧州からアメリカへ/工業力を提供して物理学を獲得したアメリカ/日本の科学への示唆
 ※出典: 『イリューム』23号、2000年(連載第2回)
二 日本の近代化は「同種の接ぎ木」
技術とは何か/技術の発展段階説/技術のすみわけ論/日本の特殊性と幸運/技術は現在転機にあるのか?
 ※出典: 『イリューム』23号、2000年(特集)
三 移動する創造性――湯浅光朝先生を偲ぶ
創造性を評価しない日本の文化?/科学活動の中心国の移動/湯浅論文の含意/ハンガリー現象/創造性研究と科学史
 ※出典: 書き下ろし

第4章 危機に立つ科学史・科学哲学
一 ニュートン復活――『光学』Opticks出版三〇〇年に寄せて
光と色についての新理論/物質理論の書としての『光学』/錬金術についての研究の発展/ドッブズの二つの研究/能動的原理を求めて/エーテル概念の変化/錬金術と「疑問」/ニュートン復活
 ※出典: 『イリューム』31号、2004年(連載第9回)
二 数量化と科学革命――歴史における巨大な構図
数量化と視覚化/時空概念の変化/数量化の生活への波及/科学革命はなかった?/問題提起的な科学史を
 ※出典: 『イリューム』33号、2005年(連載第11回)
三 迷路の中の科学論――科学論は相対主義から抜け出せるか?
パトリオット・ミサイルは成功したか/チャレンジャー号はなぜ墜落したか/技術というゴーレム・科学というゴーレム/科学社会学の陥穽/相対化される科学論
 ※出典: 『イリューム』28号、2002年(連載第6回)
四 科学技術と公共性
科学技術の性格の変化/リスク社会における科学技術/仮説の集積として作られつつある科学/自然は統御可能か/コンセンサス会議が示す可能性/科学的合理性 対 社会的合理性/公共空間はどこにあるのか
 ※出典: 『イリューム』30号、2003年(連載第8回)

第2部 科学技術社会論の挑戦
第5章 科学者論は科学者論に留まれるか?
巨大な構図(The Big Picture)/欧州科学史の再興/第二次大戦後を支配した構図/科学革命論の陥穽/科学者とは何か/一七世紀に科学者は存在しなかったか?/フランシス・ベーコンと王立協会/科学者論の限界
 ※出典: 『現代思想』1996年5月号
第6章 科学論再考 科学における平等と公正
ドグマとしての科学/啓蒙主義的科学観と論理実証主義/ポパーとクーンの対決/相対主義的科学論の離陸/バーンズの円環モデル/バース学派の実証研究/ゴーレムとしての科学/肥大化するゴーレム/コリンズとピンチのリニアモデル/科学の時代区分――前科学期・プロトタイプ期・ネオタイプ期/科学の変遷と科学論/円環を開く/モード論の展開/開放的な科学技術システム/科学論者と平等
 ※出典: 『アステイオン』58号、2002年


あとがき (二〇〇五年一〇月二五日 雪のブタペストにて)
出典一覧


≪著者: ≫ 中島秀人 (なかじま・ひでと) 1956年東京生まれ。東京大学教養学部教養学科卒業。東京大学大学院理学系研究科・科学史・科学基礎論博士課程満期退学。東京大学先端科学技術研究センター助手、ロンドン大学インペリアルカレッジ客員研究員を経て、1995年より東京工業大学大学院社会理工学研究科助教授(2005‐06年ブダペスト高等科学研究所客員研究員)(を経て、2010年より東京工業大学大学院社会理工学研究科・教授)。主な著書に『科学とはなんだろうか』(共編著、木鐸社、1991年)、『ロバート・フック ニュートンに消された男』(朝日新聞社、1996年、大佛次郎賞)、『ロバート・フック』(朝倉書店、1997年)、『科学論の現在』(共編著、勁草書房、2002年)など、主な訳書にジョン・ザイマン『科学と社会を結ぶ教育とは』(共訳、産業図書、1988年)、マーガレット・ジェイコブ『ニュートン主義者とイギリス革命』(学術書房、1990年)、ヘンリー・ペトロスキー『橋はなぜ落ちたのか』(共訳、朝日新聞社、2001年)などがある。「Nakajima Hideto's Home Page







カボチャを煮付けた、二回目。前回に比するには、ちょうど醤油がこれまで使っていたものが残り少なくなって新調したことがあって、ついつい醤油を増量してしまった(大さじ1.7くらい)ところ、すこし色が濃く味も濃いかもしれない。それでも、まぁまぁ美味しく煮付けることができた(と思う)。
サツマイモは、このところの毎朝の朝食の定番となっている。これまで定番としていた朝食のトーストにかえて、コーヒーとともに、一日のはじまり、活動の動力源♪、さらに、夕食後の夜食として、酒を呑みながら、ツマミとして(スナック菓子がわり)、適宜レンジでチンして、ホクホク、うまい。朝に夜に一日2本近くを食している。駅前の八百屋さんで買うのだが、一山5〜6本で150円前後、ということは、一本単価25〜30円。5〜6本をまとめて半分ずつに切り分けて茹でて冷蔵庫に常備する。
カボチャは、1/4で100円だった。おおむね10〜12個に切り分けて煮付ける。夕食の付け合せに、2〜3切ずつ、数日に分けて。
料理を、その都度、コンデジで写真を撮っているのだが、どこか(web上)にアップしようと考えて、なかなか適当なところ(場所)が見あたらない。もっとも、他にいろいろ優先してやらなくてはならないことがあるのだから、そのような余裕があるとも、とてもとても思えないのだが、、、


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本「リチャード・ローティ=ポストモダンの魔術師 (講談社学術文庫2130)」渡辺幹雄5

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リチャード・ローティ=ポストモダンの魔術師 (講談社学術文庫)
リチャード・ローティ=ポストモダンの魔術師 (講談社学術文庫2130)

○著者: 渡辺幹雄
○出版: 講談社 (2012/9, 文庫 592ページ)
○定価: 1,680円
○ISBN: 978-4062921305
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狙いを、ローティーの哲学的立場および政治理論に関する分析、ローティの標準化であり体系的な理解、多種多様な議論を可能なかぎり整理整頓して読者の眼前に供すること、に



分析哲学の学統から頭角を現しながら、ハイデガーを愛好し、「文化系左翼」批判とリベラリズムの擁護を謳う、「稀代のソフィスト」にしてアイロニスト。この知的巨人は、いかなる理路で「基礎」としての哲学の終焉を告げたのか。変幻自在で挑発的な言辞を丹念に腑分けし、その背後にある思考を体系的に読み解く。ローティRichard Rorty, 1931-2007)の真価は、ここに明らかとなる!


≪目次: ≫
はじめに
引用略号一覧

第一章 R・ローティとJ・ロールズ(一)――ポストモダン・ブルジョワ・リベラリズムと正義
 一 「反照的均衡」再考
 二 ロールズの転向とローティの転向
 三 ポストモダン・ブルジョワ・リベラリズム
 四 ポストモダニストと正義

第二章 R・ローティとJ・ロールズ(二)――ロールズの方法論とポストモダン・リベラリズム
 一 「反照的均衡」再‐再考――反照のプロセスはいかにして均衡点に向かうのか?
  (一)「最大多数の最大幸福」
  (二)「自然的自由」の体系
  (三)「高貴な義務」の要求
  (四)「リベラルな平等」の構想
  (五)「民主主義的な平等」の構想
 二 ロールズははたして「転向」したのか?――もう一つの解釈の可能性
  (一)「道徳幾何学」の相対性と「プレイ・オフ」
  (二)プラトンとの別離

第三章 R・ローティを読み解く(一)――哲学編
 一 存在論
  (一)スピノザが偉大である理由
  (二)非還元主義的物理主義
  (三)様々な「記述」のインフレーション
  (四)自然主義
 二 認識論
  (一)認識論的行動主義
  (二)真理の理論
  (三)相対主義とエスノセントリズム
 三 自我論
  (一)主体からネットワークへ
  (二)哲学からプラグマティズム
 四 方法・方法論
  (一)方法
  (二)方法論
 五 結び――「見る」から「語る」へ
  (一)「見る」のメタファー
  (二)哲学の今後
  (三)新プラグマティズム

第三章補遺 「基礎づけ」と「正当化」の違い

第四章 R・ローティを読み解く(二)――政治理論編
 一 「政治」という道具
  (一)政治の目的
  (二)どうやって連帯するか?
  (三)政治のヴォキャビュラリー
  (四)リベラルなコミュニティ
  (五)公/私の区別
  (六)ミニマム派リベラリズム
 二 「品位ある社会」
  (一)最も恵まれない者に最大の配慮を
  (二)オークショット・ルネサンス
  (三)「会話」のイメージ
 三 「人権」の論じ方
 四 小括

第四章補遺 「公/私の区別」と「政教分離」

第五章 R・ローティと現代アメリカの左翼――左翼は再生するか?
 一 アメリカにおける左翼の誕生と変質
  (一)アメリカ左翼の誕生
  (二)「改良主義的左翼」の失墜
 二 「新左翼」の登場と功罪
  (一)「新左翼」の功績
  (二)「新左翼」の罪科
 三 「学界内」もしくは「文化系左翼」の発生と生態、そして病理
  (一)「文化系左翼」のプロフィールとその分析
  (二)「奇天烈なブレンド」と「ルサンチマン」――ローティのフーコー解釈から
  (三)デリダは超越論的なのか?――ローティのデリダ解釈から
  (四)ハーバマスの位置づけ――ローティのハーバマス解釈から
 四 左翼は再生するのか?――ローティの示す処方箋
  (一)左翼健全化プログラム1――「ラディカル」を辞めること
  (二)左翼健全化プログラム2――「哲学=理論化志向」を止めること
  (三)左翼が直面する本当の問題

終章 今なぜローティなのか?


あとがき
文庫版へのあとがき (二〇一二年八月 渡辺幹雄)
参考文献
人名・事項索引


※本書の原本は、一九九九年に春秋社より刊行されました。


≪著者: ≫ 渡辺幹雄 (わたなべ みきお) 1967年、栃木県に生まれる。早稲田大学大学院政治学研究科博士後期課程退学。山口大学経済学部教授。専攻は政治理論、政治思想。京都大学博士(法学)。著書に、『ロールズ 正義論の行方』『ロールズ 正義論再説』『ロールズ 正義論とその周辺』『ハイエクと現代リベラリズム』(以上、春秋社)などがある。






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本「テレビの日本語 (岩波新書1378)」加藤昌男5

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テレビの日本語 (岩波新書)
テレビの日本語 (岩波新書1378)

○著者: 加藤昌男
○出版: 岩波書店 (2012/7, 新書 256ページ)
○定価: 840円
○ISBN: 978-4004313786
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テレビしびれて♪
1953(昭和28)年2月1日、日本放送協会(NHK)のテレビ本放送が開始。ラジオ放送の開始は、1925(大正14)年3月22日。
カラーテレビの本放送の開始は1960(昭和35)年、2011(平成23)年にデジタル化した



テレビが誕生して来年で六〇年。当初穏やかに語りかけていたテレビが、今や朝から晩まで声高にしゃべり続ける饒舌なメディアへ変わった。報道番組もお笑い番組も隙間なくしゃべり続けるようになったのはいつからか。ニュースのことばを中心にテレビの歴史をふりかえりながら、その要因を探り、テレビの日本語の今を考える。


≪目次: ≫
はじめに

序章 テレビが息をのんだ「3・11」
コマーシャルが消えた三日間/不用意な「ご覧いただく」の連発/穏やかな「です・ます」から刺激的な「である」調へ/結局、賑やかなメディアに戻ったテレビ/一年後、テレビはこぞって「あの日」を特集

第1章 テレビのことばはこう作られる
1 不特定多数に伝わる「音のことば」
テレビのことばの条件/どこの、だれが聞いても理解できる「共通語」/どんな立場の人でも納得できることば/人を傷つけたり、不快感を与えないことば/神経を使う商品名の扱い
2 新人アナウンサーに必要な日本語力
「放送で、情報を、ことばで伝えるプロ」/明瞭な声、正確な発言は“基礎体力”/「音の日本語」には約束ごとが多い/必要なのは「取材力」「構成力」「表現力」
3 ニュース原稿ができるまで
「話しことば」で書かれるニュース原稿/取材した情報は、まず「文字」で共有/正確さと明快さを両立させた簡潔な表現/「結論を先に、センテンスは短く」が鉄則
4 ことばの“品質”はだれが保つのか
基本は表現者の感性と倫理観/不見識ナテロップ「セシウムさん」/取材カメラが置かれたところは全て“公”の場/問われる政治家の発言と取材者側の姿勢

第2章 時代を映すテレビのことば
1 テレビはどこまで饒舌に
早口化したテレビ――分速三〇〇字から四〇〇字へ/のべつ幕なしにしゃべるトーク番組/隙間を作らない音声の洪水/画面も字幕も賑やかに/視聴障害者の要望から始まった「文字放送」/バラエティー番組の饒舌な字幕
2 技術革新と軽量路線がことばを変えた
“よそ行き”の世界から“ふだん着”のおしゃべりへ/大衆化を加速した小型ビデオ機器/ビデオ技術がニュースのことばを変えた/おしゃべり、雑談が飛び交う“ごった煮”のメディアに/“軽チャー路線”が生んだことばの洪水/「やばい」が表舞台に出てきた事情/カタカナ、ローマ字、記号ずくめの番組タイトル
3 テレビにみる“日本語の乱れ”
「日本語は乱れている」が八割/子どもへの影響は「親」よりも「テレビ」/テレビが広めた新語、造語、流行語/次々に登場する気象の新語/耳障りな業界語、俗語、短縮ことば/あいまいさを増す「若者ことば」
4 日本語の音声はただいま変身中?
変わりつつある文法、発音、言いまわし/「ら抜きことば」はやがて定着?/鼻濁音「ガ・ギ・グ・ゲ・ゴ」は消えていく?/平らになるアクセント
5 大事件を他人事と感じさせることば
“奇跡のドラマ”の観客席/視聴者を釘付けにした「あさま山荘事件」/生映像で目撃した「9・11同時多発テロ」/地球の反対側の「チリ鉱山の作業員救出」/そして、「東日本大震災」

第3章 ニュース文体はこう変わってきた
1 それは「耳のコトバ」から始まった
体言止め、断定調が増えたニュース/誰が聞いても一度で分かる「耳のコトバ」/「全国共通話しことば」の模索/ニュースの基調は「です・ます」だった/「読み原稿」に「静止画」を添えた初期のニュース/“顔出しニュース”の登場
2 「読む」ニュースから「話す」ニュースへ
ニュースショー、ワイドショー続々登場/「ニュースセンター9時」が報道を変えた/“現場主義”“当事者主義”を掲げた編集方針/「アナウンサー調」「読み口調」の見直し
3 キャスターニュースが主流に
キャスターの条件/多彩な経歴のキャスター/女性キャスターの躍進/プロンプターが口調を変えた
4 “見せる演出”が文体を変えた
「プロジェクトX」のナレーション口調/大震災報道にみるニュース文体の変化/体言止め、断定調がはやるわけ/ことばの洪水の中で変化してきた文体

第4章 災害報道のことば
1 「東日本大震災」はこう伝えられた
緊急地震速報から大津波警報へ/目立ち始めた不用意なコメント/タレントにも求められることばの選択/被災者のことばの重み/被災地に響く園児たちの歌声/テレビはどれだけ頼りになったか
2 原発事故報道を点検する
原発の仕組み自体の難解さ/専門用語のオンパレード/要領を得ない記者会見/報じる側の知識、経験、力量不足
3 「阪神・淡路大震災」以来の教訓
被災報道は確かなことばで/震源地から初のBS生中継、そこに強烈な余震――「長野県西部地震」/激しい揺れ! まず「火」「水」「木」」を念頭に/深夜に繰り返される緊急放送訓練
4 災害列島・被災者が語ったことば
梅雨末期の大豪雨――「長崎水害」/翌年の同じ日、今度は山陰の山地に豪雨が――「山陰水害」/一九八年目の大噴火――「雲仙普賢岳噴火」/地図の表示を変える自然の猛威

第5章 報道現場でのことばの選択
1 “理”のないリポーターは単なる運搬係(ポーター)
無人島にも「理科」と「社会科」の視点が/“現場”で得た情報を端的な「ことば」に/「地下」にも「水面下」にも情報はある
2 ビデオ編集のうらおもて
「画」と「音」と「時間」の組み合わせ/短いことばのインパクト/切り取り方で受け止め方が変わる/相手の本音を聞き出すインタビュー
3 選挙報道の舞台裏
国民参加の同時進行政治ドキュメント/「浮動票」は有権者に、「無名の新人」は候補者に失礼/「出口調査」は判断材料の一つ/「タテ」と「ヨコ」と、「全体」を見渡す瞬発力
4 取材ドキュメント「昭和が終わった日」
「崩御」か「ご逝去」か……“その時”を報じることば/官邸詰めの一一一日間/昭和末期の政治課題「リクルート」と「消費税」/「昭和六四年一月七日」/新元号は「平成」に

終章 デジタル時代のことばの行方
1 情報機器が日本語を変える?
2 テレビは日本語の規範たりうるか

あとがき (二〇一二年六月 加藤昌男)

参考文献・参考番組
年表
索引


≪著者: ≫ 加藤昌男 (かとう・まさお) 1943年、横浜生まれ、長野育ち。1966年、早稲田大学政治経済学部卒、NHKにアナウンサーとして入局。東京アナウンス室、鳥取、札幌、福岡、名古屋各放送局アナウンサー、徳島放送局長を歴任。ニュース、報道番組、教育問題、ことば番組を担当。1999年から(財)NHK放送研修センター日本語センターで後進の指導とコミュニケーション研修を担当。2006年から同センター専門委員、エグゼクティブ・アナウンサー。日本国語教育学会会員。著書に『先生にこそ磨いてほしい「ことばの伝達力」』(2009)、『管理職なら磨きたい「ことばの説得力」』(2010)、『3分勝負のプレゼンテーション』(2011、いずれもNHK出版)がある。






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本「孤独な散歩者の夢想 (光文社古典新訳文庫155)」ルソー、永田千奈 訳5

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孤独な散歩者の夢想 (光文社古典新訳文庫)
孤独な散歩者の夢想  Jean‐Jacques Rousseau: “Les Rêveries du promeneur solitaire”, 1782 (光文社古典新訳文庫155)

○著者: ジャン=ジャック・ルソー、永田千奈 訳
○出版: 光文社 (2012/9, 文庫 325ページ)
○定価: 1,040円
○ISBN: 978-4334752576
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そう、「嫌なことはしない自由」、、、ヒトはおよそ社会的な動物で、人間関係に悩みはつきない。なかなか相互に真意を理解されないことはすくなくない、フツーに誤解が生じえる。ときに、おうおうにして、コトバは騙る(ひとり歩きする)。カンタンには説明できない、不可能性。えてして、語れば語るほどに、ジッサイ、意図せぬ展開に方向に転落しちゃったりなんかすると、ドツボにはまってどっぴんしゃん


晩年、孤独を強いられたルソーが、日々の散歩のなかで浮かび上がる想念や印象をもとに、自らの生涯を省みながら自己との対話を綴った10の“哲学エッセイ”。「思索」ではなく、「夢想」に身をゆだねたその真意は? 他作品との繋がりにも言及した中山元氏による詳細な解説が付く。


≪目次: ≫
孤独な散歩者の夢想』 Les Rêveries du promeneur solitaire, 1782
第一の散歩  Première promenade
第二の散歩  Deuxième promenade
第三の散歩  Troisième promenade
第四の散歩  Quatrième promenade
第五の散歩  Cinquième promenade
第六の散歩  Sixième promenade
第七の散歩  Septième promenade
第八の散歩  Huitième promenade
第九の散歩  Neuvième promenade
第十の散歩  Dixième promenade


解説/中山 元
第一章 『孤独な散歩者の夢想』にいたる状況
『エミール』の刊行と逃亡/迫害妄想
第二章 『孤独な散歩者の夢想』の特徴
『孤独な散歩者の夢想』の執筆/夢想(ルヴェリー)の重要性/夢想の一般的な性格/ルソーの夢想の第一の機能――道徳性/「エリゼの園」/夢想の第二の機能――自己の享受/自己の内部の体験と実験/自然との対話/夢想の第三の機能――世界と自然の享受/迫害の重要性
第三章 ルソーの「第一の散歩」から「第九の散歩」まで
第一の散歩/第二の散歩/第三の散歩/第四の散歩/第五の散歩/第六の散歩/第七の散歩/第八の散歩/第九の散歩

ルソー年譜
訳者あとがき (二〇一二年七月 永田千奈)


≪著者: ≫ ジャン=ジャック・ルソー Jean-Jacques Rousseau [1712-1778] フランスの思想家。スイスのジュネーヴで時計職人の息子として生まれる。16歳でカトリックに改宗。家庭教師等をしながら各地を放浪し、大使秘書を経て、37歳で応募したアカデミーの懸賞論文『学問芸術論』が栄冠を獲得。意欲的な著作活動を始める。『人間不平等起源論』と『社会契約論』で人民に主権があると主張し、その思想はのちのフランス革命を導くこととなった。主著に『新エロイーズ』『エミール』『告白』など。

[訳者: ] 永田千奈 Nagata China 東京生まれ。翻訳家。早稲田大学第一文学部フランス文学専修卒。主な訳書に『ある父親』(ラカン)、『それでも私は腐敗と闘う』(ベタンクール)、『サーカスの犬』(ルーボディ)、『海に住む少女』(シュペルヴィエル)、『女の一生』(モーパッサン)などがある。


ルソー 『孤独な散歩者の夢想  Rêveries du promeneur solitaire 』(今野一雄 訳、ワイド版岩波文庫、2001年) '08/12/02
ルソー 『社会契約論/ジュネーヴ草稿  Du contrat social, 1762 』(中山元 訳、光文社古典新訳文庫、2008年) '08/10/29
ルソー 『人間不平等起源論  Discours sur l'origine et les fondements de l'inégalité parmi les hommes, 1755 』(中山元 訳、光文社古典新訳文庫、2008年) '08/09/11

ギィ・ド・モーパッサン 『女の一生  Guy de Maupassant: “Une vie”, 1883 』(永田千奈 訳、光文社古典新訳文庫、2011年) '11/04/04
シュペルヴィエル 『海に住む少女  Jules Supervielle: “L'enfant de la haute mer”, 1931 』(永田千奈 訳、光文社古典新訳文庫、2006年) '08/09/28





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本「新・機械技術史  A New History of Machine and Technology 」日本機械学会 編5

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新・機械技術史
新・機械技術史  A New History of Machine and Technology

○著者: 日本機械学会 編、三津間秀彦/米澤克雄/緒方正則/下間頼一/天野武弘/三輪修三/白井靖幸/佐藤建吉/川上顕治郎/堤一郎/菊池昇/中尾政之 執筆
○出版: 日本機械学会 (2011/1, 単行本 582ページ)
○定価: 2,940円
○ISBN: 978-4888981965
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――古代から現代まで新説を交えて機械の歴史を総括――
○日本機械学会ならではの執筆陣による充実した内容
○さらに詳しく知るための参考文献を豊富に紹介
○社会・文化を鑑みながら機械文明とは何かを解説する


≪目次: ≫
1章 概説
1節 はじめに
2節 現代の機械
(1) 機械の構成と開発
(2) 機械生産関連の大要
3節 機械発達の世界史的俯瞰
参考文献

2章 古代
1節 古代オリエント・地中海
(1) オリエント
メソポタミア文明とエジプト文明
(2) 地中海文明からギリシア・ローマ文明へ
ギリシア哲学と科学
(3) ヘレニズム文化
(4) 文化の伝搬・交流
まとめ
2節 古代の機械要素技術
(1) ねじ
自然に対する信仰心/アルキタス/ヘロン/アルキメデス/ニネヴェにおける空中庭園のねじポンプ/プレス
(2) 歯車
木製ピン歯車/フィロ/オーパーツ/天体観測儀技術の系譜
(3) 滑車
(4) 水車
a.横軸形揚水水車・製粉水車/b.堅軸形製粉水車/c.バケット・チェーン揚水水車/d.螺旋形揚水水車/e.龍骨水車
(5) 車輪・車(チャリオット)
文字/ウル/ヒッタイトのチャリオット/ツタンカーメンのチャリオット/石彫/ヨーロッパ/車の轍
3節 古代のふね
(1) 丸木舟
韓国の丸木舟/中国の丸木舟/日本の丸木舟
(2) 大型船
エジプトの構造船/中国の刳(く)り舟/日本の大型船/ローマの巨船/ガラリア湖の構造船
(3) 古典籍の記述から実験へ
古事記・日本書紀などに見られる記述/バルバス・バウ/ヘイエルダールによる実験航海
(4) フェニキアとペルシアの船
4節 古代インド
(1) 長さの規格
(2) ゼロの発見
(3) 運搬機械
(4) 金属製造技術
5節 古代中国
(1) 四大発明
紙/印刷/火薬/磁針
(2) 青銅器とその銘文
(3) 龍骨水車――チェーン機械のルーツ
(4) 揚水水車
(5) 二輪馬車(チャリオット)――自動車の祖先
(6) 花機(織機)
(7) 鋳鉄
(8) 陶磁器
(9) 馬具
(10) 度量衡と秤
(11) 技術書
6節 古代日本
(1) 大仏鋳造の技術
(2) 百万塔の製作――轆轤による大量生産
参考文献

3章 中世
1節 中東・イスラーム世界(6〜15世紀)
(1) ギリシア文化の移入
ペルシアの学園研究都市ジュンディシャープール/イスラーム王国ウマイヤ朝の成立/アッバース朝/トゥースィー/後ウマイヤ朝
(2) 代数学・アラビア数字・幾何学
代数学/アラビア数字/幾何学
(3) 物理・化学
ハイサム/錬金術・化学
(4) 機械技術
ムーサ三兄弟/アル・ジャザーリ/水車
(5) ヨーロッパへの還流
イスラーム圏における文化の拡散/文化中心地の移動
2節 中世ヨーロッパ(12〜14世紀)
(1) 動力水車の普及と中世の産業革命
動力水車の普及/中世の産業革命
(2) 大聖堂の建築とヴィラール・ド・オヌクール
(3) 機械時計の発明と普及
(4) 大学の誕生と運動力学
(5) 楽器の王オルガン、そして中世の音楽学
(6) 大砲のインパクト――中世からルネサンスへ
3節 中世中国(宋)(10〜13世紀)
(1) 世界初の機械時計「水運儀象台」
(2) 政府の建築指導書『造営法式』ほか
4節 中世朝鮮(新羅・高麗)(7世紀後期〜13世紀)
(1) 東北アジア
(2) 瞻星台(せんせいだい)
(3) 金属活字印刷
5節 中世日本(13〜15世紀)
(1) 刀鍛冶の技術
(2) 農鍛冶の役割
参考文献

4章 近世
1節 近世ヨーロッパ(15〜16世紀)
(1) ルネサンスの時代
(2) ルネサンス期の軍事技術とレオナルド・ダ・ヴィンチの機械技術
レオナルド・ダ・ヴィンチ
(3) マニュファクチュアと活発化する生産活動
(4) 印刷術の発明
(5) 鉱山冶金技術と工作技術の進展
ヴァンノッチョ・ビリングッチョ/ゲオルグ・アグリコラ/アゴスティーノ・ラメッリ/ジャック・ベッソン
(6) 海上交易の発展と大航海時代の到来と技術的知識の体系化
海上交易の発展/カラック船の出現と航海術の進展/技術知識の体系化
(7) 実験諸科学の台頭と技術への結び付き
2節 近世中国(明)(15世紀)
(1) 鄭和の南海遠征
(2) 造船技術
3節 近世朝鮮(李朝)(16世紀)
亀甲船
4節 近世日本(戦国・江戸)(16〜18世紀)
(1) 鉄砲の伝来――ヨーロッパの機械技術との接触
鉄砲の製作
(2) 石見銀山――世界に知られた銀山
採鉱技術の革新/銅
(3) たたら製鉄
たたら法の革新/たたらの光と影
(4) 和時計の技術
(5) 黎明期の技術者たちの発想と挑戦――平賀源内と鳥人幸吉
(6) からくり人形の技術
(7) 反射炉の築造――近代技術への挑戦
(8) からくり師・和時計師からエンジニアへ
(9) 高かった江戸時代の技術ポテンシャル
5節 近世中南米(15〜16世紀)
(1) 新大陸アメリカ
(2) マヤ・アステカ・インカ文明
(3) アンデス文明の新遺跡群
シクラス遺跡/カラル遺跡/バンドゥリア遺跡/セチン・バジョ遺跡
参考文献

5章 近代
1節 ヨーロッパ産業革命(18〜19世紀)
(1) 産業革命の土壌
近代世界の中心はロンドン/イギリスの制海権獲得と三角貿易/農業改革
(2) 産業革命の進行
(3) 鉱山に蒸気機関の登場
木炭から石炭への移行/トーマス・セーヴァリー/トーマス・ニューコメン/ジョン・スミートン/ジェームズ・ワット
(4) 繊維工場に蒸気動力が採用される
(5) 運輸機関の発達
高圧蒸気機関の出現/ジョージ・スティーヴンソン/ロバート・スティーヴンソン/実用蒸気船の誕生/ブルネルの活躍
(6) 鉄鋼法の革新――半溶解状態の鉄から流動性のある鋼へ
パドル法からベッセマー法へ/ヘンリーベッセマー
(7) 金属切削加工法の革新
シリンダ切削精度の要求/旋盤/平削り盤/ヘンリ・モーズレーの功績/ジョゼフ・クレメント/リチャード・ロバーツ/ジェームズ・ナスミス/ジョゼフ・ホイットワース
(8) 産業革命の伝搬
ロンドン万国博覧会/ヨーロッパ大陸から他の国々へ
2節 アメリカ産業革命(18世紀後期〜19世紀中期)
(1) 新しい産業様式の確立
測定器の量産/工作機械の生産/サミュエル・コルト
(2) アメリカの技術革新と技術者
新世界の技術者/特許を利用する考え方
(3) 広大な国アメリカの産業革命から展開した新しい産業
アメリカ大陸の船/鉄道/陸の交通手段「自動車」/広大な土地を耕作するための農業機械/前例のない乗り物「飛行機」
(4) 新しい世界――電気を利用した産業の時代の入り口
電信電話の発明/電球と研究所の祖
(5) 民生機器の発明
3節 アメリカ技術の成長(19世紀後期〜20世紀初期)
(1) 鉄道
路線の拡大/機関車技術の進展
(2) 都市の変貌――鉄筋コンクリート高層建築の出現
(3) 製鉄規模の拡大
アンドリュー・カーネギー
(4) ガソリンエンジンの普及
動力の軽量化/ガソリン機関の発達と普及/動力飛行への挑戦
(5) 石油産業の興隆
灯油からガソリンへ/石油化学の進展
(6) 電力技術の進展――直流から交流への道
自励発電機の発明/近距離地域に白熱灯用電力が配電される/遠距離送電――直流から交流へ/回転磁界の利用/万能システムの整備/経済的安定供給の時代へ
(7) アメリカ工作機械の進展
フライス盤/タレット旋盤/精密研削盤
4節 日本産業革命(幕末・明治・大正)(19世紀後期〜20世紀初期)
(1) 近代日本の変化
19世紀中期アジアにおける大英帝国の拡大/幕末(1853〜1867)/明治前期(1868〜1895)/「富国強兵・殖産興業」政策/明治後期〜大正前期(1896〜1918)/大正後期(1919〜1926)
(2) 近代造船
大型船建造禁止令の解除/プロペラ推進蒸気砲艦「千代田形」竣工/横須賀製鉄所の創設/近代艦隊の建設/6000トン級貨客船「常陸丸(ひたちまる)」の国内建造/日露戦争(1904〜1905)/蒸気タービン搭載の巨大船の出現/第一次世界大戦(1914〜1918)/イッシャーウッド方式/ワシントン海軍軍縮会議/国産ディーゼル船
(3) 近代製鉄への飛躍
洋式高炉の実現/鋼(こう)の生産/鉄鋼一貫の官営製鉄所建設/民間製鉄所の拡大
(4) 鉄道
客貨車の部品購入/客貨車の設計・製造/蒸気機関車の製造/国産蒸気機関車の誕生/鉄道院および鉄道省制式標準形車両の設計・製造/標準車両と部品の規格化
5節 機械工学の誕生
(1) フランスの土木技術と工学誕生
(2) イギリスにおける民事技術者協会の発足
(3) イギリス、機械技術者協会の発足
(4) 鉄道と近代造船のインパクト
(5) 近代機械工学の確立
(6) 日本における機械学会の成立
参考文献

6章 現代
1節 現代科学技術の進展(20〜21世紀初期)
(1) 現代科学技術の誕生
現代的レイアウト車の出現/高分子化学製品の開発と普及/経営科学の誕生/近代戦艦の出現/ジェット推進機の出現/ラジオ放送の開始
(2) 国家威信の科学技術開発
原子力発電所の出現/ジェット旅客機の運行/宇宙開発競争の開始/電子時代の幕開け/信頼性技術の誕生
(3) コンピュータ制御の浸透および技術開発組織化の進展
製品開発の組織化/小型コンピュータの開発競争と機械への組み込み/自動車排気ガスの浄化/宇宙滞在の時代へ
(4) 科学の領域に向かう今日の技術開発
2節 20世紀日本技術の発展(昭和・平成)
(1) 日本技術の特徴
技術者の特徴/リバース・エンジニアリング/組織的知識創造
(2) 昭和戦前・戦中(1926〜1945)
世界初のアルミ・エンジン「栄」/国内精密工作機械/国産運輸機/プロジェクト管理
(3) 昭和戦後・平成(1945〜2009)
世界初の排気ガス低減エンジン/造船・新幹線・情報技術(IT)産業/産業用ロボットの登場/平成バブル崩壊後の技術開発/今日における知的所有権
3節 設計・解析技術の発展
(1) コンピュータの出現
ENIACとEDVAC/IBMの「汎用性思想」
(2) コンピュータを必要とした背景
マトリクス構造力学から有限要素法へ/リラクゼーション法の発展
(3) CAD/CAM/CAEのはじまり
CADとCAMの開花/「NASTRAN」の誕生/コンピュータ・シミュレーションの時代/CAE概念の誕生
(4) スパコン、ミニコン、EWS、そしてパーソナル・コンピュータへ
マウスの発明とGUIの導入/マイクロプロセッサの出現/PCがEWSを駆逐する/インターネットの萌芽
(5) 再びCAD/CAM/CAE
CAEソフト総合化の進行/デジタルエンジニアリングの形成
(6) 解析・設計法の再考
材料設計の可能性を広げるマルチ・スケール解析/トポロジーの最適化手法
4節 最先端技術に貢献する機械
(1) バイオ分野
ゲノムプロジェクトで出た二つの画期的アイデア/X線解析写真の51番
(2) ナノテク分野
電子顕微鏡/走査型プローブ顕微鏡
(3) 半導体分野
トランジスタ/フラッシュメモリ/集積回路(IC)
(4) 医療分野
日本が先駆した内視鏡/カテーテル手術/マイクロサージェリー/人工内耳/脳内部への挑戦/鏡視下手術による革新/手術ロボットの登場
(5) 環境分野
(6) 設計解の実現
参考文献

7章 未来に向かって
1節 歴史のメガトレンド
文理シナジーが拓く未来
2節 技術者教育の過去と現在
近代技術者教育の誕生と展開/現代の技術者に求められるもの
3節 技術史に学ぶもの
技術というもの/歴史というもの/技術史を学ぶ意義/自分の技術史をつくろう
参考文献

機械技術史 略年表
あとがき (二〇一〇年一〇月 新・機械技術史出版文科会 主査 三津間秀彦)
執筆者紹介
索引(事項・人名)


≪執筆者: ≫ 三津間 秀彦 (みつま・ひでひこ) 1970年千葉大学大学院工学研究科機械工学専攻修了、1979年アメリカコロンビア大学博士課程修了、工学博士、元宇宙航空研究開発機構
※出版分科会主査/総合監修/1章、5章3節、5章4節1〜3項、6章1節 執筆

≪執筆者: ≫ 米澤 克雄 (よねざわ・かつお) 1968年早稲田大学理工学部卒業、1977年米カリフォルニア大学大学院博士課程修了、工学博士、元宇宙航空研究開発機構
※出版分科会幹事/6章2節 執筆

≪執筆者: ≫ 緒方 正則 (おがた・まさのり) 1975年関西大学大学院工学研究科機械工学専攻修士課程修了、関西大学システム理工学部専任講師
※2章1〜4節、3章1節、4章5節 執筆

≪執筆者: ≫ 下間 頼一 (しもつま・よりかず) 1958年京都大学大学院退学、同年関西大学専任講師、1963年関西大学工学部教授、1995年関西大学名誉教授、日本機械学会名誉員
※2章5節、3章4節、4章2〜3節 執筆

≪執筆者: ≫ 天野 武弘 (あまの・たけひろ) 1970年名城大学第II理工学部機械工学科卒業、愛知県立豊橋工業高等学校教諭を経て、愛知大学中部地方産業研究所研究員
※2章6節、3章5節、4章4節 執筆

≪執筆者: ≫ 三輪 修三 (みわ・しゅうぞう) 1953年名古屋大学工学部機械学科卒業、1975年青山学院大学理工学部教授、同学部長・同副学長を歴任、工学博士、1999年青山学院大学名誉教授、日本機械学会名誉員
※3章2〜3節、5章5節、7章 執筆

≪執筆者: ≫ 白井 靖幸 (しらい・やすゆき) 1968年千葉工業大学卒業、東京工業大学付属工業教員養成所を経て、千葉工業大学工学部教授
※4章1節 執筆

≪執筆者: ≫ 佐藤 建吉 (さとう・けんきち) 1979年東京都立大学大学院修了、工学博士、1998年千葉大学工学部助教授、千葉大学工学部准教授
※5章1節 執筆

≪執筆者: ≫ 川上 顕治郎 (かわかみ・けんじろう) 1962年市立金沢美術工芸大学卒業、企業工業デザイナー、特許庁審査官を経て、1970年多摩美術大学教員、2006年産業考古学会会長
※5章2節 執筆

≪執筆者: ≫ 堤 一郎 (つつみ・いちろう) 1974年中央大学大学院修了、日本労働研究機構研究所、職業能力開発総合大学校を経て、2010年同大学東京校キャリア・就職支援センター嘱託アドバイザー、工学博士、日本機械学会フェロー
※5章4節1、4項 執筆

≪執筆者: ≫ 菊池 昇 (きくち・のぼる) 1974年東京工業大学卒業、1977年テキサス大学博士課程終了、工学博士、同大学助教授を経て、ミシガン大学工学部機械工学科 Roger. L. McCarthy 教授、(株)豊田中央研究所副所長(兼務)
※6章3節 執筆

≪執筆者: ≫ 中尾 政之 (なかお・まさゆき) 1983年東京大学大学院工学系研究科産業機械工学専攻修士課程修了、日立金属(株)を経て、東京大学大学院工学系研究科教授、博士(工学)
※6章4節 執筆


ウィリアム・H・マクニール 『世界史 〈下〉  A World History 』(増田義郎/佐々木昭夫 訳、中公文庫、2008年) '12/10/05
ウィリアム・H・マクニール 『世界史 〈上〉  A World History 』(増田義郎/佐々木昭夫 訳、中公文庫、2008年) '12/09/29





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本「百年前の日本語 書きことばが揺れた時代 (岩波新書1385)」今野真二5

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百年前の日本語――書きことばが揺れた時代 (岩波新書)
百年前の日本語 書きことばが揺れた時代 (岩波新書1385)

○著者: 今野真二
○出版: 岩波書店 (2012/9, 新書 208ページ)
○定価: 735円
○ISBN: 978-4004313854
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おおむね、どうなんだろう、こたえはひとつではない、んじゃぁないかなぁ。なにがただしくて、なにがあやまりであるのか。そもそも、ただしいことあやまりであること、といったような、その判定は、なにを根拠としてどこまでの範囲をカヴァーしているのか、果たしてその判定は、その後に時間が経過したとして状況が変移して、不変(普遍)のものであるのか、どうなのか。そう、変わらないものなどなにもない、フツーになにごともたえず変わりゆく。およそ地球に重力があって、だから物体が落下するがごとく、ひとは易きにながれる。低きにおちゆく。下落をまぬかれない。もちろん、ぼくもたぶんにもれない、と自覚して、だから、意識して、緊張感を維持するべく、などと言ってしまえるほどにはカンタンなんものではない、むつかしい


漱石が自筆原稿で用いた字体や言葉の中には、すでに日本語から「消えて」しまったものがある?――百年前の書きことばが備えていた、現代では思いもつかない豊かな選択肢。活字印刷が急速に発達した時代の、私たちが知らない〈揺れる〉日本語の姿を克明に描き、言葉の変化の有り様を問う、画期的な日本語論。


≪目次: ≫
はじめに――日本語に明治維新はあったか

第一章 百年前の手書き原稿――夏目漱石『それから』の自筆原稿
一 漢字のかたち――漱石の書いた「所」の字
字形・字体・書体/書体とデジタルフォント/夏目漱石の自筆原稿/混在する書体
二 漱石も「新字体」を使っていた
新字体・旧字体とは/康熙字典体とは/『康熙字典』という辞書/『康熙字典』のみかた/『康熙字典』の「規範」としての影響力/漱石が使った非康煕字典体/不思議な「真」の字
三 手書きと印刷との間で
漱石の原稿用紙/段落の設定/行頭の句読点/印刷するように書く/促音の表記方法

第二章 「揺れ」の時代――豊かな明治期の書きことば
一 日本語を漢字によって書く
複数の書き方/規範としての中国語/漢語を漢字で書く/漢語の漢字離れ/和語を漢字で書く/標準的ではない語形も漢字で書く/外来語を漢字で書く
二 活躍する振仮名
「一般的ではない」書き方/「商量」はどんな語を書いたものか/語形を明示する機能/振仮名と送り仮名
三 語形の多様性
話しことばと書きことば/講談筆記本とボール表紙本との対照/話すように書く/話しことばを書く工夫
四 書き方の多様性――同語異表記・異語同表記
現代日本語の表記/同語異表記/異語同表記/和語と漢語とのつよい結びつき
五 和漢雅俗の世紀――漢英対照から和漢雅俗へ
さまざまな handkerchief /『漢英対照 いろは辞典』

第三章 新しい標準へ――活字印刷のひろがりと拡大する文字社会
一 『朝日新聞』に掲載された夏目漱石の『それから』
手書きと活字印刷と/標準語形への変換「ヤッパリ」・「ヨッポド」/消された語形「ツブヤグ」・「カグ」/「ピヤノ」と「ピアノ」と/「難有い」から「有難い」へ
二 新聞紙面の日本語
「漢字平仮名交じり」と「漢字片仮名交じり」との併存/振仮名の使用/濁点の使用/漢文式表記/漢語の書き方
三 雑誌の日本語
『日本之女学』の誌面/書きことばに露出する訛形/話しことばの流入/「カエル」と「カイル」と/話しことばの足跡/揺動が露出した時代

第四章 統一される仮名字体――失われた選択肢
一 仮名のさまざまな使い方
複数の仮名字体/異体仮名の使い方/二つの仮名文字遣い
二 一九〇〇年のできごと
小学校令施行規則/ひろまる統一規則
三 消えた「仮名文字遣い」
明治期の仮名文字遣い/仮名字体の収斂/語頭に使われる〈志(し)〉/仮名文字遣いの痕跡

第五章 辞書の百年――辞書を通してみた日本語の変化
一 英和辞書の訳語
辞書から追う日本語の語彙体系の変化/『英和字彙』の訳語/ふたつの「翻訳」/第二版での変化
二 漢語辞書から考える
漢語辞書に載せられている漢語/語釈からわかること/明治期の漢語の実態/漢語語彙の変遷/消えていった漢語/漢語の画期
三 和語・漢語・外来語
漢語ではない中国語/和語と漢語との緊密な結びつき/外来語の占める位置/外来語の理解

おわりに――日本語が得たもの、失ったもの
日本語の百年/書き方のルール/これまであって、今ないこと/これまでなくて、今あること/日本語のこれから

あとがき (二〇一二年八月 今野真二)


≪著者: ≫ 今野真二 (こんの・しんじ) 1958年神奈川県生まれ。1986年早稲田大学大学院博士課程後期退学。高知大学助教授を経て、清泉女子大学教授。専攻、日本語学。著書、『仮名表記論攷』(清文堂出版、第30回金田一京助博士記念賞受賞)、『文献から読み解く日本語の歴史【鳥瞰虫瞰】』、『消された漱石 明治の日本語の探し方』(以上、笠間書院)、『振仮名の歴史』(集英社新書)、『日本語学講座』全10巻(刊行中、清文堂出版)ほか。


日本歴史学会 編 『概説古文書学 古代・中世編』(安田元久/土田直鎮/新田英治/網野善彦/瀬野精一郎 編集担当、吉川弘文館、1983年) '12/09/24
中野三敏 『江戸文化再考 これからの近代を創るために (古典ルネッサンス)』(笠間書院、2012年) '12/09/05
中野三敏 『古文書入門 くずし字で「おくのほそ道」を楽しむ』(角川学芸出版、2011年) '12/04/28
中野三敏 『古文書入門 くずし字で「東海道中膝栗毛」を楽しむ』(角川学芸出版、2012年) '12/04/21
中野三敏 『古文書入門 くずし字で「百人一首」を楽しむ』(角川学芸出版、2010年) '12/04/11
中野三敏 『和本の海へ 豊饒の江戸文化』(角川選書、2009年) '12/04/01
中野三敏 『和本のすすめ 江戸を読み解くために』(岩波新書、2011年) '12/03/20
中野三敏 『書誌学談義 江戸の板本』(岩波人文書セレクション、岩波書店、2010年) '12/03/11
堀川貴司 『書誌学入門 古典籍を見る・知る・読む』(勉誠出版、2010年) '12/03/08







食欲の秋♪、今夜はカボチャを煮付けてみた(1/4切、水200cc、酒大さじ2、みりん大さじ2、醤油大さじ1)。昨夜はサツマイモ。その前夜はサンマ(頭とハラワタを取り除いて、ショウガをスライスして醤油と酒と酢で煮込む、骨までやわらか)。ひとりでは、いちどでは食べきれないし、そんなモッタイナイことはできない。ひとりで食べる一食分のみの少量を調理することの不経済であり、だからといって一度に大量に食べてしまうこと不経済・不健康とか。およそ3日分くらいを作り置いて冷蔵庫に保存する。おいしいものは毎日食べても食べ飽きない。駅前の八百屋さんで、気になった旬のお野菜を買うときに、ひとしきり調理法をもヒアリングする。おおよそ、レシピはweb上にいろいろ公開されているから、いくつか見れば傾向は、失敗しないコツはポイントはつかめる。圧力鍋は、途中の調理の状況が視認できなくて不安がないものではないけれども、だから、夕食を片付けまで終えてから調理することにしているのだが、(慣れるまでは、焦って慌てて事を為すと、ぼくは容易に取り乱す、うまくゆかない)、気にしたところでなにもできないことが、かえって不安症なぼくにとっては、ある意味でのあきらめがついて、ごくごく弱火でコトコト(焦がすことがないように)、定められた時間をタイマーをセットして、ピピピッと呼ばれるまでの時間を、他のことに振り向けることができる。いまのところ、シッパイすることなく、美味しくできてる♪



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本「かぐや姫と王権神話 『竹取物語』・天皇・火山神話 (歴史新書y 006)」保立道久5

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かぐや姫と王権神話 ~『竹取物語』・天皇・火山神話 (歴史新書y)
かぐや姫と王権神話 『竹取物語』・天皇・火山神話 (歴史新書y 006)

○著者: 保立道久
○出版: 洋泉社 (2010/8, 新書 254ページ)
○定価: 903円
○ISBN: 978-4862486004
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かぐや姫は記紀神話が葬り去った原始の“火山の女神”だった! 知られざる大地動乱の古代列島社会の実像を解明する! ◎世の中の常識 日本最古の物語である『竹取物語』には、美しい月の仙女であるかぐや姫に求婚する弱気なミカドと貴族たちが登場し、同物語は彼らを風刺する御伽話だった。 ◎本書の核心 ミカドのモデルは天武天皇、かぐや姫のモデルは宮廷舞踏会に動員され、天皇と同衾させられる舞姫たちだった。しかも同物語には、『古事記』『日本書紀』のアマテラス神の登場により抹殺された“火山神”たちの原始神話の世界が隠されていた。『竹取物語』の新翻刻全文を収録。


≪目次: ≫
はじめに――『竹取物語』に隠された主題とは?
歴史家として考える/三つの側面から考える/「忌み」の思想と神道

第一章 『竹取物語』と夜の神話
一 春の夜の闇に光る竹
益田勝実の指摘/翁は歌物語の語部/竹林に下る女体の神/竹珠を身に巻く物忌女
二 「小さ子」と竹流しの金塊
平安時代の「森宮神(やもりのかみ)」/竹籠で育つ三寸の小人/天女の神話と翁たち/「竹流し金」という貨幣
三 かぐや姫と男女の道
早婚社会と成女式/「なよたけのかぐや姫」と命名/「夜這い」の始まり

第二章 月の神話と火山の神
一 『竹取物語』の舞台はどこか?
法隆寺東南の竹林/金属産業に強い忌部氏/大和国の正面玄関
二 大和王権と竹の神話
広瀬大社は水の神/龍田大社は風の神/大王・天皇と境界の神々/竹細工と隼人の集住地/かぐや姫の kag- の意味/天の香久山と「カグ」の意味
三 丹後からやって来た「月の女神」
伊勢神宮の内宮と外宮/月から来た天女――新嘗祭と五節舞/フェミニンな神話と記紀神話/トヨウケ姫の放浪――丹後から伊勢へ/トヨウケ姫と広瀬ワカウカ姫/「稚いカ姫」の系譜
四 北東アジアの火山神話とアマテラス以前
かぐや姫と火神カグツチ/活発な火山活動と日本神話/前方後円墳と霊威ある火山/月の女神と地母神/月の力と太陽の力/オホアナムチと大地の穴

第三章 天武天皇と「脱神話化」する国家
一 『竹取物語』の時代設定はいつか?
(ミカド)のモデル/神仙思想に惹かれて/天武・広瀬龍田社・忌部氏
二 天皇制の始祖神話の変更
タカミムスビからアマテラスへ/伊勢神宮と「王家の氏寺」/仏教と神祇の融合/仏教の浄戒と神道の成立/女帝排除と神道のシステム化
三 神話世界からの離脱と神仙思想
未開神話と幻想文学/『竹取物語』の原型と漢文学

第四章 皇子・貴族たちの求婚難題譚
一 求婚者の登場とかぐや姫の秘密
「変化の人」から「変化の物」へ/かぐや姫と翁のすれ違い/珍品結納の難題
二 「権門秩序」の崩壊と皇子たちの物語
馬脚をあらわす皇子たち/石作皇子のモデル/車持皇子は藤原不比等/車持皇子の大ボラ/王族と摂関家への反感
三 「富」「武」「官」を代表する貴族たちの物語
「家」についての記述から出発/「イキホヒ」という言葉/生き続けた神話的な語法/阿倍右大臣の「福徳」/火ネズミの毛/大伴大納言の「武威」/石上麻呂の「官(つかさ)」の力
四 世俗の「イキホヒ」を否定する『竹取物語』

第五章 かぐや姫はなぜ月世界に帰ったのか?
一 月と天女の遭遇
王妃選びの宮廷舞踏会/国王への抵抗の言辞/天皇の怒り/天皇の狩猟と一夜妻/光の精と天皇の恋着
二 かぐや姫の憂鬱と「物忌」する女
恋の悩みと物忌/広瀬大社の大忌祭と物忌女
三 月世界の「清浄」と地上世界の「穢れ」
満月をみながら告白するかぐや姫/物忌・引籠りの背景と姫の怯え/天降る月人の姿とかぐや姫の「罪」/穢れた地上世界に対する全否定/都市空間のケガレと神社の役割/「霊力」から「穢」へ――女性の敗北
四 帰天・不死の薬・富士火山
かぐや姫の身体と清浄化する薬/山頂で不死の薬を焼却する/不死の薬と仁明天皇/煙を上げて天を祭る/富士の天女と火山の女神

終章 物語の成立・神道の成立――歴史の流れは神話から文明へ

かぐや姫年表
参考文献
あとがき (二〇一〇年四月三〇日 保立道久)


付録 『竹取物語』全文(新翻刻・保立道久)
かぐや姫の降臨と成長/夜這いの始まりと難題提出/石作皇子の軽口(佛の御石の鉢の話)/車持皇子の謀略(蓬莱の玉の枝の話)/阿倍御主人の失望(火鼠の皮衣の話)/大伴御行の遭難(龍の頸の五色の玉の話)/石上麻呂の墜落(燕の子安貝の話)/御門の登場と恋愛/かぐや姫の憂愁と告白/月人との戦い/かぐや姫の帰天/富士の山


≪著者: ≫ 保立道久 (ほたて・みちひさ) 1948年東京都生まれ。国際基督教大学を卒業後、東京都立大学大学院人文科学研究科修了。東京大学史料編纂所長を経て、同教授。平安鎌倉時代史専攻。主な著書に『中世の愛と従属』(平凡社)、『平安王朝』(岩波新書)、『物語の中世』(東京大学出版会)、『黄金国家――東アジアと平安日本』 (青木書店)、『歴史学をみつめ直す』(校倉書房)、『義経の登場――王権論の視座から』(NHKブックス)などがある。

保立道久 『歴史のなかの大地動乱 奈良・平安の地震と天皇』(岩波新書 、2012年) '12/09/19
成沢光 『政治のことば 意味の歴史をめぐって』(保立道久 解説、講談社学術文庫、2012年) '12/09/07





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本「精神分析と自閉症 フロイトからヴィトゲンシュタインへ (講談社選書メチエ534)」竹中均5

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精神分析と自閉症 フロイトからヴィトゲンシュタインへ (講談社選書メチエ)
精神分析と自閉症 フロイトからヴィトゲンシュタインへ (講談社選書メチエ534)

○著者: 竹中 均
○出版: 講談社 (2012/9, 単行本 328ページ)
○定価: 1,890円
○ISBN: 978-4062585378
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…… 私のすべての関心は、反復という問題のまわりを経巡ってきたのかもしれない。私自身がかつて焼物工場で働かせてもらっていたこととも関わるが、無名の工人たちの営みは、飽くことのない反復である。また、ヴィトゲンシュタインの禁欲的な生き方は反復的であった。「ヴィトゲンシュタインには、哲学や機械に対する猛烈な興味から分かるように、限局された反復的で常同的な、行動や興味や活動のパターンが見られた。……モンクによると、彼はグラフトン通りのビューレイのコーヒー店で毎日まったく同じものを食べた。死の直前、彼はケンブリッジのビーヴァン医師の家で暮らしていたが、毎日同じ食事を要求した」。そしてフロイトにおいて、反復が中心的な問題であったのは言うまでもない。
 反復という平凡な問題を、自閉症の世界を媒介とすることによって、最も広い意味での比較社会学へと結びつけていくこと。それが、本書の先に示された道標の矢印の向きであろうか。(p311)

…… 哲学者とは「普通の人たちには生じないような疑問を提出する」人なのであるが、それができるのは、哲学者に普通の人以上の「洞察力があるから」ではない。それではなくて逆に、「或る意味で洞察力が不足して」いて、普通の人が躓かないような疑問に心を奪われてしまうからなのである。長年の思索によって「彼が到達した地点は、普通の人なら始めから何の問題もなく到着してしまっているような地点だった」。……
 彼は何度も職業を変えたが、このことは家族にとって心配の種であった。彼が研究から離れて小学校教師になろうとした時、姉の一人ヘルミーネは、弟が哲学に関する卓越した能力を持っているのにあえて教師になろうとするのは「木箱を開けるために精密機械を使っているように思える」と苦言を呈した。……
 ヴィトゲンシュタインは病気で亡くなった。この簡潔な伝記事項は、彼の残したメッセージである。早くから自殺念慮を持ち続け、三人の兄を自殺で失った彼は、最後まで自殺をしなかったのである。「死の欲動」は果たして勝利したのであろうか。死の直前に彼が知人に残した言葉は「どんなことが起きても考えることをやめるな」であった。 (pp246-247)

…… すなわち、自分が慣れ親しみ熟知しているもの、「わかりやすいものを手がかりに、自閉症児は世界を認識していく」のだと思われる。 (p157)



永らく精神分析の「躓きの石」であった自閉症。両者の不幸な出会いを、フロイト思想の原点「心理学草案」に戻ることによって解消し、さらにはヴィトゲンシュタインの思考を媒介に、新たな自閉症理論を構築する。


≪目次: ≫
はじめに――ミッシング・ピースを求めて
1. ピースを組み直す/2. フロイトからヴィトゲンシュタインへ至る回り道
第一章 超自我とマゾヒズムと二人のフロイト――一九二〇年代の課題
1. 超自我への道/2. マゾヒズム観の変遷/3. 道徳とマゾヒズム/4. 二人のフロイト/5. フロイトとの別れと再会
第二章 あらかじめ失われた出発点へ帰る――初期フロイトの「心理学草案」
1. 一〇〇年を越えて/2. 刊行されなかった著作/3. 外された梯子?/4. 両義的な評価/5. 快とは何か/6. 周期の謎/7. 変化と絶対量/8. 微分と積分/9. 自由から拘束へ/10. 内包量から外延量へ/11. 最強度の部分の抑圧/12. 二種類の二項対立/13. 同時性による連合/14. 現実判断/15. エディプスの神話/16. 戦争がもたらしたもの/17. 神話から無限へ
第三章 否定の論理・去勢の論理――二項対立と無限
1. 二つの無限/2. 時間の導入と非問題化/3. 無限と社会/4. 去勢とは何か/5. 二つのエディプス
第四章 自閉症を社会学へと開く――部分と全体
1. 自閉症の〈発見〉/2. スペクトラムという考え方/3. 視覚とパズル/4. 見えない社会と安心/5. 構造化とパラドクス/6. 「が」と「を」の違い/7. ごっこ遊びと「ふり遊び」/8. 一階と二階/9. 模倣と完全/10. システムと共感/11. 隣接対と孤独
第五章 スペクトラム化したセカイ――ライトノベルと自閉症
1. 現実感の異なる小説/2. キャラクターたちの系譜/3. 名探偵と社会的錯覚/4. ロボットと異星人/5. 二重写しの世界/6. 「やさしく読める」本のために
第六章 精神分析・隠喩・自閉症――ラカン的視点から
1. 弱い全体的統合/2. 換喩と隠喩/3. 換喩の視点と自閉症療育/4. 精神分析と自閉症/5. 否定性による隠喩/6. 代替的隠喩の可能性
第七章 ヴィトゲンシュタインと嵐の中の歩行者――無意味と無価値
1. 名探偵と伝記作家/2. 嘘と秘密/3. 誤解と無意味/4. 無限後退と括弧/5. 二重の二項対立/6. 内包と外延・再考/7. 像と名/8. この部屋には河馬はいない/9. 実験の可能性/10. 意味と方向/11. 語ることと示すこと/12. 内包的側面はあるか?/13. 捨てなかった考え/14. 以下同様の困難/15. 言語ゲームと無意味の抑圧/16. 前期から後期へ、そして逆方向へ
第八章 黄昏の風景から――私にとっての自閉症
1. 情景と芝居/2. 学歴という視点/3. カテゴリーとスペクトラム/4. 水先案内人として/5. 境界線上のバトル
おわりに――深夜の断想
1. 一義性と反復/2. 火星の比較社会学者/3. 謝辞

引用文献
初出一覧


≪著者: ≫ 竹中 均 (たけなか・ひとし) 1958年生まれ。早稲田大学第一文学部卒業、大阪大学大学院人間科学研究科社会学専攻博士後期課程満期退学。早稲田大学文学学術院教授。博士(人間科学)。専攻は比較社会学、理論社会学。主な著書に『自閉症の社会学』(世界思想社)、『精神分析と社会学』(明石書店)がある。


ジークムント・フロイト 『自我論集  Gesammelte Werke, 1940 』(竹田青嗣 編、中山元 訳、ちくま学芸文庫、1996年) '08/11/20
石川文康 『カント入門』(ちくま新書、1995年) '12/10/07
河野哲也 『意識は実在しない 心・知覚・自由』(講談社選書メチエ、2011年) '12/11/08/04
永井均 『ウィトゲンシュタイン入門』(ちくま新書、1995年) '09/04/30
野矢茂樹 『ウィトゲンシュタイン『論理哲学論考』を読む』(ちくま学芸文庫、2006年) '10/01/22
ウィトゲンシュタイン 『論理哲学論考  Tractatus Logico-Philosophicus, 1921 』(野矢茂樹 訳、岩波文庫、2003年) '10/01/31





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本「川と国土の危機 水害と社会 (岩波新書1387)」高橋裕5

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川と国土の危機――水害と社会 (岩波新書)
川と国土の危機 水害と社会 (岩波新書1387)

○著者: 高橋 裕
○出版: 岩波書店 (2012/9, 新書 208ページ)
○定価: 735円
○ISBN: 978-4004313878
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治水の要諦は、川およびその流域の自然と人間の共生である。(p188)
人口や財産が集中している沖積平野は、何万年という長期間にわたって洪水によって運ばれた土砂によって形成された。したがって、ときに大洪水が襲来するのは、一種の宿命である。(p175)


東日本大震災は、臨海地域の開発に依存してきた近代日本への警告である。無思慮な開発は国土の脆弱性を増し、大洪水の危険は高まっている。防災を行政に依存するあまり自助の意識の薄れた人々は、その可能性すら考えない。水源地の森林から河口の海岸まで、川の流域全体を統一した保全思想と、防災立国の発想が必要だ。


≪目次: ≫
はじめに
世界一危険な首都・東京/水害という宿命/治水は古くて新しい課題

序章 気候変動と水害
増える集中豪雨/土砂災害の増加/渇水の頻発/土地利用への影響/島国日本に迫る海面上昇/海岸の復讐/降雪量の減少/防災立国へ向けて

第1章 社会とともに変わる川
1 日本の治水
明治以前/近代化を支えた治水/大型台風とともにやって来た/カスリーン台風と利根川大洪水/大水害頻発の原因は/利根川の洪水流量増加/開発と治水が生んだ洪水規模の増大
2 水害は社会現象
伊勢湾台風/天草の分家災害/長崎大水害と自動車/眼鏡橋の復元/富士川鉄道橋の落下/都市型水害
3 無思慮な開発
黄河断流/アラル海の悲劇/アスワン・ハイダムと環境悪化
4 歴史記録に学ぶ
歴史に対する無知/貞観津波/筑後川の調査の経験から

第2章 川にもっと自由を
1 堤防という文化
堤長うして/近代の堤防/コンクリートから自然工法へ/穴太(あのう)積み/堤防から周辺を眺める/スーパー堤防/堤防への信頼/危険な天井川
2 信濃川の分水とその後遺症
新潟海岸の決壊/大河津分水の完成/後遺症/河床上昇と排水ポンプ/大学講義の反省
3 河床の土砂
飛鳥川/川の神様/御勅使川の流路工/上流と下流/常願寺川の巨石/小洪水の観察が大洪水を予測/多摩川水害訴訟
4 河川事業に伴うマイナスの影響
ダムの光と影/日本の治水をどう見るか/治水はどうあるべきか/河川にもっと自由を

第3章 流域は一つ――水源地域から海岸まで
流域の結びつき
1 国土インフラとしての森林と地下水
私有林大国日本/循環資源としての地下水/保安林/水源の涵養/森林のさまざまな作用/水源地の基本情報/進まない地籍調査/外国人の土地取得/分水としての地下水/森林がなぜ外国資本に売られているのか/哲学の欠如
2 ダムにより水没する人々
蜂の巣城/水源地域対策特別措置法/都市化に取り残された河川上流域
3 いま平野を水害が襲ったら
高度成長期の都市水害/首都圏水没/予想される被害/地下鉄への侵入/氾濫による孤立者/ハリケーン・カトリーナ/孤立者数の推定/避難率/複合型災害/火山噴火と水害/宝永の富士山噴火/地震水害
4 海岸の逆襲
興津海岸/日本の海岸線/老朽化する海岸堤防/海岸域の複雑な管理/決壊する海岸/激減した土砂流出/天竜川河口周辺の浸食/佐久間ダム堆砂を河口へ/大井川長島ダムの堆砂対策/川に流れとともに/文化遺産としての海岸

第4章 川と国土の未来
1 文明と災害
台風の教え/地図は悪夢を知っていた/東日本大震災の教訓/川とどうつき合うか
2 ハード対策の限界と新しいソフト対策
確率に基づく治水計画/超過洪水にどう対処するか/既設大ダムの新たな役割/水田の一部を遊水地に/中小規模河川の遊水地/南海トラフ巨大地震/ゼロメートル地帯の対策/ハードへの過信
3 災害文化の復活
寅彦の警告はなぜ無視されたか/確率をどう解釈するか/国民として知るべきこと/父露伴の教え/防災教育と郷土愛/「稲むらの火」/釜石市の実践的防災教育/危険の周知/失われた災害文化/水防の伝統/流域委員会
4 水害激化に備える国づくり
防災立国のために/インフラのコスト/国土計画の課題/防災立国の条件/叡智を結集して
5 景観の劣化の意味するもの
日本の自然美/水の都の蘇生/春の小川

あとがき (二〇一二年八月  高橋 裕)

参考文献


≪著者: ≫ 高橋 裕 (たかはし・ゆたか) 1927年、静岡県に生まれる。1950年、東京大学第二工学部土木工学科卒業。日仏工業技術会会長、東京大学名誉教授。専攻、河川工学。著書、『国土の変貌と水害』 『都市と水』 『地球の水が危ない』(以上、岩波新書)、『新版 河川工学』(東京大学出版会)、『現代日本土木史』(彰国社)、『川からみた国土論』(鹿島出版会)ほか。


保立道久 『歴史のなかの大地動乱 奈良・平安の地震と天皇』(岩波新書 、2012年) '12/09/19
津久井進 『大災害と法』(岩波新書、2012年) '12/09/03
尾池和夫 『四季の地球科学 日本列島の時空を歩く』(岩波新書、2012年) '12/08/18
蔵治光一郎 『森の「恵み」は幻想か 科学者が考える森と人の関係』(DOJIN選書、化学同人、2012年) '12/08/12
守田優 『地下水は語る 見えない資源の危機』(岩波新書、2012年) '12/07/28
外岡秀俊 『3・11 複合被災』(岩波新書、2012年) '12/05/24
林敏彦 『大災害の経済学』(PHP新書、2011年) '12/04/19
目黒公郎/村尾修 『都市と防災 '08』(放送大学教材、専門科目; 社会と産業コース、放送大学教育振興会、2008年) '12/03/11
貝塚爽平 『東京の自然史』(講談社学術文庫、2011年) '11/12/09
寺田寅彦 『天災と国防』(講談社学術文庫、2011年) '11/07/03







タマアジサイは、甲州街道の京王高尾山口駅を過ぎたあたりから大垂水峠へとのぼる坂道の路肩に、まだまだその薄紫色のちいさな花を咲かせていたよ♪
イチョウは街路樹におおくあって、その葉っぱはまだまだ緑色ながら、すこし(ところによって)黄色も見ることができた。黄葉、落葉してなくとも、ギンナンは落ちている。ギンナンが道路に落ちていると、実がつぶれると路面はオイリーだ、注意せよ。
キンモクセイのオレンジ色、トイレの芳香剤のニオイ。子どものころのキオク。
東京の日の出は、およそ5時40分くらい、ずいぶんゆっくりだ。
カラダが重い、チカラが入らない、イライラする、、、そう、アタマカラッポにするべく!
サイクルコンピューターの電池交換をしたのは9月(およそ1年4ヵ月のブランク)。前回のトレーニング(クロスバイクで峠越えラン約88km)は8月(2&16、その前4/30)だった。長袖のヒートテック一枚と半ズボン、涼しい、気持ちいい季節だ。
ロードバイクにバシバシ抜かれた。後をついてゆく気力も体力もない、すぐにその背中は遠くちいさく見えなくなる。
途中休憩の誘惑?!には負けなかった(尿意をガマンした)。
start am6:12〜goal am10:20(4:12)、Tm 4:02'09, Dst 87.89km, Av 21.7km/h, Mx 54.7km/h
オソイ。いやいや、健康なカラダに感謝せねばなるまい(父さん母さんアリガトウ♪)



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本「カント入門 (ちくま新書029)」石川文康5

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カント入門 (ちくま新書)
カント入門 (ちくま新書029)

○著者: 石川文康
○出版: 筑摩書房 (1995/5, 新書 238ページ)
○定価: 798円
○ISBN: 978-4480056290
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ぼくが手にしている(読んだ)のは、第13刷 2008年4月 発行版(もちろん図書館で借りた)

どうにも(こうにもニッチモサッチモ)、カントのいわゆる「定言命法」が気になる(気になって気になって仕方がない)のだが(そうそうカンタンなものではない)


真理の最高決定機関であるはずの理性が人間を欺く二枚舌をもつとしたら、一大事ではないだろうか? この理性の欺瞞性というショッキングな事実の発見こそが、カント哲学の出発点であった。規則正しい日課である午後の散歩をするカントの孤独の影は、あらゆる見かけやまやかしを許さず、そのような理性の欺瞞的本性に果敢に挑む孤高の哲学者の勇姿でもあったのだ。彼の生涯を貫いた「内面のドラマ」に光をあて、哲学史上不朽の遺産である『純粋理性批判』を中心に、その哲学の核心を明快に読み解き、現代に甦る生き生きとした新たなカント像を描く。


≪目次: ≫
はじめに――血のかよったカント

第1章 純粋理性のアイデンティティー
1 カント哲学をつらぬくもの
理性とはなにか、理性を信頼してよいのか/先駆者たち/「哲学とはなにか」に対するカントの挑戦――仮象批判の一貫性/「黎明の中」/「黎明」と「大いなる光」
2 純粋理性のパラドックス――アンチノミー(二律背反)
四つのアンチノミー/第一アンチノミーの特徴/純粋理性批判の二枚舌――第一アンチノミーの形式/世界それ自体は存在しない――第一アンチノミーの内容
3 「独断のまどろみ」からの目覚め
「まどろみ」とはなにか――法則の王者は安泰か/ヒュームの因果律批判の真相/すべてのアンチノミーが第一原因に通ず

第2章 カント哲学の土壌と根――批判哲学への道
1 証明不可能な根本原理――伝統的合理主義のまがり角
一七六四年の懸賞論文/メンデルスゾーンの答え/証明不可能な根本原理――カントの答えと新たな課題
2 「哲学者カント」の誕生
ルソー体験――懺悔、回心、誓い/「哲学者カント」の誕生

第3章 迷宮からの脱出――第一アンチノミーの解決
1 仮象を見ぬく視座
理性批判の法廷モデル/カントのコペルニクス的転回
2 「黎明」から「大いなる光」へ――第一アンチノミーの解決
矛盾とはなにか/空間・時間は主観的なもの/なぜ絶対的全体には因果律が成りたたないか/発見の論理/カント哲学の「躓きの石」――物自体

第4章 真理の論理学――経験世界の脈絡
1 有意味で必然的な認識――ア・プリオリな総合判断
二種類の判断――分析判断と総合判断/ア・プリオリな総合判断はあるのか
2 人間の思考の根本枠――カテゴリー
カテゴリーとはなにか――その発見/カテゴリーは生得的観念か――発見された「ア・プリオリ」/カテゴリーの客観的妥当性/カテゴリーの超越論的演繹/不動の繋留点
3 経験世界の脈絡――ア・プリオリな総合原則

第5章 自然因果の彼岸――自由と道徳法則
1 自由の保証
自由とは「ミズカラニヨル」ということ――第三アンチノミー/第三アンチノミーの解決と自由
2 道徳的仮象と真の道徳――条件つきの命法と無条件の命法
善の「物自体」!――善意志/カント倫理学はなぜ厳格なのか/条件つきの命法――仮言命法とその問題点/無条件な命法――定言命法/道徳的仮象――「黄金律」をめぐって/薬の効きめと副作用――動機づけの倫理にひそむパラドックス/カントの主張の真理性――「クオー・ヴァーディス?」
3 道徳法則への尊敬の念
人間を道徳へと向かわせるもの――なぜ命法なのか/道徳法則への尊敬の念とはなにか
4 定言命法の定式
定言命法の定式/四種類の義務/定言命法もア・プリオリな総合判断である
5 「天におのれを懸けるものなく、地におのれを支えるものなし」
「ミズカラニ由(ヨ)ル」即「ミズカラニ拠(ヨ)ル」――自律の原理/幸福に値するということ/良心の法廷モデル――道徳法則と良心

第6章 自由と融合する自然――反省の世界
1 目的因から合目的性へ
もうひとつの因果性――目的因/心的能力の体系/反省作用としての判断力/地に脚のついたカント――自然地理学と人間学
2 目的なき合目的性
美とはなにか――美における合目的性/自己拡大の思考法――「共通感覚」/崇高とはなにか
3 自然の妙技
自然の合目的性/世界の究極目的

第7章 理性に照らされる宗教
1 道徳は不可避的に宗教にいたる
「道徳は不可避的に宗教にいたる[通じる]」の意味/「なにを為すべきか」から「なにを望んでよいか」へ/魂の不死と神の存在の要請
2 根源悪
「人間は生来悪である」/宗教における思考法の革命――根源悪は克服可能である
3 理性宗教の具体相
理性宗教とその同心円/見えざる教会、唯一の宗教――仮象宗教から真の宗教へ

むすび――批判哲学の原体験


≪著者: ≫ 石川文康 (いしかわ・ふみやす) 1946年、北海道に生まれる。同志社大学大学院博士課程修了。ドイツ、ハイデルベルク大学、ボン大学に留学。ミュンヘン大学、トリアー大学にて客員研究。東北学院大学教授。日本カント協会役員。哲学博士(Dr. phil.)。専門はカントを中心とする近世ヨーロッパ哲学。国際学会での学術講演や研究雑誌への寄稿など、海外におけるカント哲学研究の最前線で活躍。著書に“Kants Denken von einem Dritten”(ドイツにて刊)、『カントはこう考えた』、『そば打ちの哲学』(以上、筑摩書房)、『カント 第三の思考』、『良心論――その哲学的試み』(以上、名古屋大学出版会)などがある。

左近司祥子 編著 『西洋哲学の10冊』(中川純男/杉山直樹/石川文康/村山達也/竹内綱史/関口浩/小島和男 著、岩波ジュニア新書、2009年) '10/01/08

イマヌエル・カント 『道徳形而上学の基礎づけ  Grundlegung zur Metaphysik der Sitten, 1785 』(中山元 訳、光文社古典新訳文庫、2012年) '12/09/10
カント 『純粋理性批判 1234567  Kritik der reinen Vernunft, 2. Auflage, 1787 』(中山元 訳、光文社古典新訳文庫、2010〜2012年) '10/02/21〜'12/02/13
カント 『永遠平和のために』(宇都宮芳明 訳、ワイド版岩波文庫、2005年) '08/11/25
カント 『永遠平和のために/啓蒙とは何か 他3編』(中山元 訳、光文社古典新訳文庫、2006年) '08/09/02

熊野純彦 『カント 世界の限界を経験することは可能か』(シリーズ・哲学のエッセンス、日本放送出版協会、2002年) '12/09/28
坂部恵/佐藤康邦 編著 『カント哲学のアクチュアリティー 哲学の原点を求めて』(黒崎政男/松山壽一/渋谷治美/小田部胤久/勢力尚雅/山根雄一郎/滝沢正之 著、ナカニシヤ出版、2008年) '12/09/21
佐藤康邦 『カント『判断力批判』と現代 目的論の新たな可能性を求めて』(岩波書店、2005年) '12/09/17
村岡晋一 『ドイツ観念論 カント・フィヒテ・シェリング・ヘーゲル』(講談社選書メチエ、2012年) '12/09/06
カント研究会 編、石川求・寺田俊郎 編著 『世界市民の哲学 (現代カント研究12)』(晃洋書房、2012年) '12/05/04
中島義道 『悪への自由 カント倫理学の深層文法』(勁草書房、2011年) '11/11/18
竹田青嗣 『完全解読 カント『実践理性批判』』(講談社選書メチエ、2010年) '11/01/05
中島義道 『『純粋理性批判』を噛み砕く』(講談社、2010年) '10/10/26
竹田青嗣 『完全解読 カント『純粋理性批判』』(講談社選書メチエ、2010年) '10/06/09
ジル・ドゥルーズ 『カントの批判哲学  La philosophie critique de Kant, 1963.』(國分功一郎 訳、ちくま学芸文庫、2008年) '09/08/11
中島義道 『カントの自我論』(岩波現代文庫、2007年) '09/06/24
中島義道 『カントの法論』(ちくま学芸文庫、2006年) '09/02/09
中島義道 『カントの人間学』(講談社現代新書、1997年) '09/02/07
中島義道 『カントの時間論』(岩波現代文庫、2001年)'09/01/28
中島義道 『カントの読み方』(ちくま新書、2008年) '09/01/23





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 「汝(なんじ)の意志の格律がつねに普遍的立法の原理となるように行為せよ」(定言命法の根本方式)。
……
 「汝の行為の格律が、汝の意志によって、あたかも普遍的自然法則となるかのように行為せよ」(定言命法の第一方式。一般に「自然法則の方式」とも言われている)。
……
 「汝自身の人格にある人間性、およびあらゆる他者の人格にある人間性を、つねに同時に目的として使用し、けっして単に手段として使用しないように行為せよ」(定言命法の第二方式。「目的の方式」とも呼ばれている)。
……
 「意志が……自己自身を同時に普遍的に立法的と見なしうるような、そのような格律にのみしたがって行為せよ」(定言命法の第三方式。通常「自律の方式」と呼ばれる)。   (p163-167)


「およそ人が語るべきことはすべて真理でなければならない。しかし、すべての真理を語るべしという義務はどこにもない」、と。  (p230)





本「幕末外交と開国 (講談社学術文庫2133)」加藤祐三5

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幕末外交と開国 (講談社学術文庫)
幕末外交と開国 (講談社学術文庫2133)

○著者: 加藤祐三
○出版: 講談社 (2012/9, 文庫 280ページ)
○定価: 966円
○ISBN: 978-4062921336
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1853年7月8日のペリー艦隊浦賀来航から、1854年6月の下田追加条約調印までの、約一年間に焦点を絞って


無能無策な幕府が、黒船の「軍事的圧力」に屈し、不平等条約を強いられたという「日本史の常識」を検証。軍事衝突は起こり得るのか、交渉は何語で行うのか――。ペリー来航から和親条約締結までの一年間を日米の資料から追跡して見えてきたのは、幕府の高い外交能力と、平和的交渉の輝かしい成果だった。日本の近代外交と日米関係の原点を見直す。


≪目次: ≫
はじめに

第一章 一八五三年 浦賀沖
1 「最遠の国」からの使節
巨大な艦隊/物資補給の難しさ
2 黒船見物とペリー艦隊
幕末の時代背景/江戸湾防備/噂の流布
3 対外政策の変遷
幕府の対外令/アヘン戦争情報の舶来/二系統の情報/天保薪水令/アメリカ船来る
4 ペリー来航の予告情報
予告情報を譜代大名に回覧/薩摩藩主への老中書簡
5 ジョン万次郎の語るアメリカ
十九世紀の世界
6 政治的課題
浦賀奉行の指示/アメリカ大統領国書の受理/次の一手

第二章 アメリカ東インド艦隊
1 アメリカの政治状況
明白な宿命(マニフェストディスティニー)/蒸気軍艦の建造年
2 ペリー派遣の背景
捕鯨業の黄金時代/漂流民の保護/グリンが救出目的で長崎へ
3 ペリー派遣の目的と形成
曖昧で多様な派遣目的/外交法権(diplomatic protection)/海軍省の『省益』問題/発砲厳禁の大統領命令/巨大艦隊を示威に使う法
4 アメリカの得た日本情報
ペリーの情報源/日本の政体をどう見ていたか/イギリスの日本分析
5 交渉言語と通訳
何語で交渉するべきか/日本語案の挫折/漢文案が確定
6 職名の詐称
香港到着直後の事件/ペリーの職名拡大

第三章 議論百出
1 アメリカ大統領国書の受理
ペリーの訪日目的/これからが本番
2 鎖国と幕藩体制
鎖国の完成/鎖国の意味変化/幕府と諸藩の関係/幕府官僚の旗本/幕府の組織/林大学頭/町奉行
3 アメリカ大統領国書の回覧と諮問
老中諮問/国書受理前の意見/提出された多様な意見/二種の開国論
4 大型船の解禁
解禁論が続出/大型船解禁と鎖国放棄/大型船建造と購入
5 首都防衛
江戸の世相/江戸の都市構造/首都防御線の後退/江戸の風説
6 オランダ商館長クルチウス
仲介者としてのオランダ/貿易は有害無益/オランダを介してアメリカへ意見を/オランダに蒸気船購入の要請

第四章 ペリー艦隊の七ヵ月
1 貧弱なアメリカ外交も網と海軍
空席の弁務官/海軍と宣教師/ペリーとマーシャルの確執
2 日本重視か中国重視か
中国情勢の判断/第二回訪日の決意
3 一人二役のペリー
ペリーへの三通の政府指示/発砲厳禁の大統領命令/ペリーが核心を突く/本省への頻繁な報告/本省へのペリーの最後通告/遅れた本省指示

第五章 一八五四年 ペリー再来
幕府の人事異動
1 市中取締り
江戸町名主への町奉行指示
2 ペリー艦隊再来と臨戦態勢
座礁船の救出援助/長期にわたる艦隊勤務/浦賀奉行所の触/緊迫する江戸市中
3 応接所をめぐる交渉
アメリカ応接掛の任命/浦賀応接所をめぐって/日米双方の記録/祝砲と蒸気船への招待/応接場を横浜とすることで決着/応接掛が老中に相談/軍艦増派の発言
4 横浜村への招待
初の横浜応接/艦隊員の埋葬/林大学頭とペリーの応酬/通商の可否をめぐって/条約内容の焦点
5 アメリカ条約草案の点検
内容とタイトルの不一致/アメリカ草案の不明な点

第六章 日米交渉
1 土産の交換
農具と種子
2 幕府の条約草案
日米双方の思惑
3 避難港をめぐる交渉
林大学頭の登城/箱館と下田の開港を伝える
4 ペリーによる応接掛の人物評
5 ポーハタン号上の招宴
アメリカ側の歓待/条約の詰め/調印直前の懸案

第七章 日本開国
描かれた絵
1 条約調印
双方全権の署名した版がない/十二ヵ条からなる日米和親条約/この調印で終わりか
2 条約内容と正文問題
戦争回避の成果/和親の二文字について/双務性の主張/日本の正しい法に従う/最恵国待遇/署名問題/四ヵ国語版が六種類あったのか/正文と翻訳版をめぐって/ペリーの応接掛宛書簡/応接掛の自己総括/エールの交換/春爛漫/「江戸を一覧したい」
3 ペリーの日本観
“館の印象/下田の街/F本の技術について/すゴ饋瓦斑亮韻砲弔い董伸ヌ航者への評価/ζ本人の労働と遊びについて/日本女性について/多色刷りの絵本
4 下田追加条約
下田応接の人事/日米の下田再会/下田の協議/下田追加条約
5 日米和親条約の国際的意義
四つの政体([鷆/⊃¬叡蓮伸G埓鐓鯡鷙顱伸じ鮠直鯡鷙顱

あとがき (二〇〇三年十二月 加藤祐三)
主な参考文献
学術文庫版のあとがき (二〇一二年 盛夏 加藤祐三)


※本書の原本は、二〇〇四年に筑摩書房より刊行されました。


≪著者: ≫ 加藤祐三 (かとう ゆうぞう) 1936年東京生まれ。東京大学文学部卒。専門は近代アジア史、日本近代史。横浜市立大学教授、同大学学長などを経て、同大学名誉教授、都留文科大学学長。おもな著書に『イギリスとアジア』『黒船前後の世界』『黒船異変』『世界繁盛の三都――ロンドン・北京・江戸』『地球文明の場へ』、共著に『アジアと欧米世界』ほか。


井上勝生 『幕末・維新 (シリーズ日本近現代史1)』(岩波新書、2006年) '11/08/13
井上勝生 『開国と幕末改革 (日本の歴史18)』(講談社学術文庫、2009年) '11/08/01
三谷博 『ペリー来航 〔新装版〕』(日本歴史学会 編集、吉川弘文館、2003年) '09/12/15





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近代国際政治(四つの政体)
[鷆――19世紀中葉までは「海洋国」の英、米、蘭、仏、露、それにスペイン、ポルトガルなど。
⊃¬叡蓮宗愁ぅ鵐鼻1773年〜)、インドネシアなど。立法・司法・行政の国家三権をすべて喪失。
G埓鐓鯡鷙顱壁塋薪条約体制)――中国(アヘン戦争の結果の南京条約=1842年以降、幾度も「敗戦条約」が続く)。「懲罰」としての賠償金を支払い、領土割譲を伴う。司法・行政の一部喪失。
じ鮠直鯡鷙顱壁塋薪条約体制)――日本(日米和親条約=1854年、通商条約=58年)。タイ(通商条約=1855年)、「懲罰」はなく、司法・行政の一部喪失。日本の場合には、アヘン禁輸条項の明示など。また早期の条約改正を達成した。

注:従属性の強い関係( 臭◆約200年)ほどその持続期間が長く、弱い関係( 臭:約100年、 臭ぁ約40年)ほど短い。200年は約7世代、40年は約2世代に相当する。2世代ということは親や祖父母の体験が子らに伝承されることを意味する。思想の形成、伝承にとって、この時間幅は重要な要因となる。  (p254、概念図「近代国際政治(四つの政体)」)



 幕府はペリーの再来に備えて、クルチウス(1852年7月21日に出島に来任したオランダ商館長)から直接に助言を得ようと考えた。1853年11月1日、クルチウスが奉行所を訪ね、ついで長崎奉行の大沢秉哲と水野忠徳が大通詞の西吉兵衛と小通詞の森山栄之助を伴ってクルチウスを訪ねた。会談は内密に行われた。クルチウスの覚書には詳細は書かれていないが、奉行所側の記録には詳しく残されている。話題の中心は、前年に提出された和蘭風説書のつづきとして、その直後に来航したアメリカ使節への取るべき措置である。
 長崎奉行の「御請(おたずね)」と、それにたいするクルチウスの「御答(おこたえ)」という問答形式で、内容的には一種の対話とみてよい。いくつか重要と思われる点をみておこう。
(中略)
奉行  もともと日本は小国で人口が多いため、土地の産物も国民が使うには不足しないが、外国に渡す余剰はない。外国と交易することで「自国の用を欠き」、百年もつはずのものも五十年で尽きてしまう。外国との通商は利なく、生民を煩わすだけであり、旧来の法を変更すれば、自ら国家の弊を招くことになろう。したがって、どの国からの通商願いといえども免じ難い。
(中略)
奉行  外国においては不足を助けて余剰を当て、互いに国の利益を補うというが、わが国では生民日用の品は自然と備わり、不足品が無い。他国との交易で、かえって品物が不足となってしまう。井戸のように、一家用のものを隣近所が一斉に使うと、水が涸れてしまう。試みに交易するという方法では、永続する見込みがない知りながら行うことになる。産物が減るため、唐蘭との交易もついには絶えるであろう。
 過去の経験でも、唐蘭の他に広く外国と通商しつつ、国内では国政も一致せず、戦争に明け暮れ、商工業も振るわず、それに乗じて各国からの奸商が密かに利益をむさぼった。この経験から、通商を広く許せば乱世の法に復すことになろう。外国側も、この意を察して得失を熟慮されたい。
……   (p121-124)



本「世界史 〈下〉  A World History (中公文庫)」ウィリアム・H・マクニール、増田義郎/佐々木昭夫 訳5

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世界史 下 (中公文庫 マ 10-4)
世界史 〈下〉  William H. McNeill: “A World History”, Oxford University Press, 1967, 2nd ed., 1971, 3rd ed., 1979, 4th ed., 1999 (中公文庫)

○著者: ウィリアム・H・マクニール増田義郎/佐々木昭夫 訳
○出版: 中央公論新社 (2008/1, 文庫 452ページ)
○定価: 1,400円
○ISBN: 978-4122049673
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なるほど、1500年という年を、世界史における重要な転回点として
地理上の大発見と、そのごに速やかに続いておこった宗教改革が、中世ヨーロッパにとどめを刺し、、、近代化


世界の文明の流れをコンパクトにわかりやすくまとめた名著。人類の歴史を一貫した視座から眺め、その背景と脈絡を知ることで、歴史のダイナミズムを描き出す。西欧文明の興隆と変貌から、地球規模でのコスモポリタニズムまでを概説する。新しい歴史的出来事を加え改訂された最新版の完訳。
地図・写真多数収録。年表・索引つき。


≪目次: ≫
関連図版……ヨーロッパの美術と社会(すべての支配者、化肉せる神/極西の美術様式の定着/自我の支配者、人間/キリスト教徒の生の遍歴/東欧の保守主義/西欧の保守主義/美術における旧体制/自由、平等、友愛/新しい体制/20世紀の解放/過去は始まりである)/産業時代における建築(伝統的な華麗さ/商業のための新しい技術/アメリカの建築家とビジネスマンが空に手をのばす/ふたつの工場建築にあらわれた、機能重視の形式/建築に現れた国家の圧力/国際スタイル/新しい素材を用いた華麗な建物/新しい材料を使った古いスタイル/人間が迷路を作った)

第III部 西欧の優勢
 ※ 探検と航海の時代/旧い体制/新しい体制/現代
 ※ アメリカ大陸/ヨーロッパ/ロシア/イスラム世界/南アジア/東アジア/太平洋とアフリカ
18 地理上の大発見とその世界的影響
価格革命/アメリカ大陸の栽培植物/病気の伝播/ヨーロッパ人の知識と発明の能力
19 ヨーロッパの自己変革――1500‐1648年
国際政治/ヨーロッパ人による植民と貿易/ルネサンス/宗教改革/地図 《宗教革命と反宗教革命》/科学の進歩/文化的多元性の出現
20 ヨーロッパの外縁部――ロシアと南北アメリカ 1500‐1648年
モスクワの台頭/西方の影響――政治的動乱/西欧の影響――文化変化/スペイン領アメリカ/ヨーロッパの他の植民者たち
21 イスラムの領域――それに従属するヒンズー教およびキリスト教の社会 1500‐1700年
地図 《アジアの諸帝国 1600-1700年》/ヨーロッパ商業の侵入/シーア派の反乱/知識の後退と芸術の進歩/イスラム支配下の他の宗教
22 東アジア――1500‐1700年
中国の繁栄と保守主義/日本の秀吉と徳川将軍/地図 《徳川時代の日本 1603年以後》
23 ヨーロッパのアンシャン・レジーム――1648-1789年
地図 《ヨーロッパ 1648-1789年》/限定的戦争/国家間の利益の均衡/イギリスの議会制/プロイセンの軍国主義/農業と技術の進歩/数学と諸科学/政治理論、歴史編纂および経験哲学/古典派およびロマン派の芸術/ヨーロッパの卓越の根
24 南北アメリカとロシア――1648-1789年
南北アメリカ大陸をめぐる競合/地図 《植民地時代のアメリカ 1789年ごろ》/壮麗なスペイン領アメリカ/植民地の後進性と早熟/ロシアの近代化/強国ロシアの登場/地図 《1795年のロシア》
25 ヨーロッパ旧体制へのアジアの反応――1700-1850年
ワッハーブ派の運動/改革の失敗/イギリスのインド支配/地図 《ムガール帝国の分裂》/イランとトルキスタン/ヒンズーの改革/バルカンのキリスト教/中国でのキリスト教の伝道/西欧貿易への中国の開国/日本の社会的緊張

第IV部 地球規模でのコスモポリタニズムのはじまり
26 産業革命および民主革命による西欧文明の変貌――1789‐1914年
産業革命/産業革命の影響/フランスにおける民主革命/フランス以外のヨーロッパ地域における民主革命/地図 《ナポレオン時代のヨーロッパ 1799-1812年》/計画に基づく社会改革と民主政治/知的、文化的革命/芸術における革命
27 産業主義と民主主義に対するアジアの反応――1850‐1945年
西欧の優越に対するイスラムの対応/地図 《1850年以降のイスラムの領域》/バルカンのキリスト教/ヒンズー教徒/西欧の優越に対する中国の対応/日本の自己変革
28 アフリカとオセアニア――1850‐1945年
地図 《ヨーロッパ人のアフリカ侵入 1914年まで》/地図 《ヨーロッパ人の太平洋侵入 1740-1914年》
29 西欧世界――1914‐45年
第一次世界大戦/ふたつの大戦間の時期/第二次世界大戦/地図 《ヨーロッパにおける第二次世界大戦》/思想と文化/地図 《東アジアと太平洋 1941-1945年》
30 1945年以後の世界規模の抗争とコスモポリタニズム
冷戦時代の終わり 1947-73年/地図 《1970年のヨーロッパ》/冷戦の氷解 1973-91年/地図 《1945年以後に独立した国》/1945年以後の社会と文化の変化


訳者あとがき (二〇〇一年六月七日 増田義郎)
参考文献
索引


※『世界史』 2001年10月 中央公論新社刊


≪著者: ≫ ウィリアム・H・マクニール William Hardy McNeill 1917年カナダ・ヴァンクーヴァ生まれ。シカゴ大学で歴史学を学び、1947年コーネル大学で博士号取得、同年以来、長い間シカゴ大学で歴史学を教えた。現在では引退し、コネティカット州のコールブルック在住。シカゴ大学名誉教授。著書に『疫病と世界史』『戦争の世界史』『ヴェネツィア』など。

[訳者: ] 増田義郎 (ますだ よしお) 1928年、東京に生まれる。1950年、東京大学文学部卒業。専攻は文化人類学、イベリア及びイベロアメリカ文化史。著書に『古代アステカ王国』『インディオ文明の興亡』『コロンブス』『略奪の海カリブ』『海賊』、訳書にアコスタ『新大陸自然文化史』、シエサ・デ・レオン『インカ帝国史』、リーンハート『社会人類学』、デフォー『完訳ロビンソン・クルーソー』など。

[訳者: ] 佐々木昭夫 (ささき あきお) 1933年、東京生まれ。東京大学文学部、同大学院(比較文学・比較文化)に学ぶ。東北大学名誉教授。訳書にマクニール『疫病と世界史』、クロスビー『ヨーロッパ帝国主義の謎』など。2009年1月没。

ウィリアム・H・マクニール 『世界史 〈上〉  A World History 』(増田義郎/佐々木昭夫 訳、中公文庫、2008年) '12/09/29
増田義郎 『図説 大航海時代』(ふくろうの本・世界の歴史、河出書房新社、2008年) '11/03/22
増田義郎 『黄金の世界史』(講談社学術文庫、2010年) '11/01/26





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……この『世界史』の読み方だが、これは英語の原題がいうように「ひとつの世界史」である。著者は、なにも力みかえって自称決定版を押しつけているわけではない。どうか、博士と同じように、寛容でリベラルな態度でこの世界史を読んでいただきたいと思う。『西欧の興隆』の序文にあるつぎのことばは、本書にもあてはまるだろう。
「読者にとってなじみ深い知識と、著者の前提との間の食いちがいは、つねに不均衡を生みだすだろう。そして、世界史のように大きな主題を扱おうとする試みは、とてつのなく大きな誤解をひきおこす。しかし、著者が考え記述したことのいくつかの側面を人がとりあげ、著者の思想を好きなように発展させ、歪曲し、解釈しなおして、じぶんの問題に答えを見いだしてこそ、はじめて印刷された冷たい文字に生命が注ぎこまれる。そして、そういうことが思い切ってひんぱんに起こってくれれば、本書のようなたった一冊の本も、人間の文化史の中で、ほんとうの力になるわけだ。だから、私は皮肉でもなんでもなく、この本が、くりかえしふんだんに誤解されることを望むのもである。」  (p409-410、「訳者あとがき」)




本「失われた時を求めて 〈4〉 花咲く乙女たちのかげに II (岩波文庫 赤N511-4)」プルースト、吉川一義 訳5

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失われた時を求めて(4)――花咲く乙女たちのかげにII (岩波文庫)
失われた時を求めて 〈4〉  花咲く乙女たちのかげに II   Marcel Proust: “À la recherche du temps perdu: À l'ombre des jeunes filles en fleurs, 1918, 1920”, 1913-1927 (岩波文庫 赤N511-4)

○著者: プルースト吉川一義
○出版: 岩波書店 (2012/06, 文庫 704ページ)
○定価: 1,323円
○ISBN: 978-4003751138
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わずかひと夏(数ヵ月)のリゾートの想い出は、海辺の保養地への出発からバカンスの終わりまで。旅という日常(習慣)からの離脱、夢想と現実との乖離(「名」と「土地」という副題に託される)、精神の不安、、、行動やできごとを考察する精神のドラマ、精神のなかを流れる時間の速度が物語の進行のスピードに反映される



それから二年後、「私」はノルマンディーの保養地バルベックに滞在した。上流社交界のゲルマント一族との交際、「花咲く乙女たち」の抗いがたい魅惑、ユダヤ人家庭での夕食、画家エルスチールのアトリエで触れる芸術創造の営み。ひと夏の海辺の燦めき。(全14冊)


≪目次: ≫
凡例
『失われた時を求めて』の全巻構成
本巻について
本巻の主な登場人物
本巻の主な架空地名――バルベックおよびその近在
地図(一九〇〇年前後のフランス全図/一九〇〇年前後のノルマンディー/ブルターニュ地方)

第二篇 花咲く乙女たちのかげに II  À l'ombre des jeunes filles en fleurs, 1918, 1920
 第二部 土地の名―土地

場面索引
訳者あとがき(四) (二〇一二年陽春 吉川一義
プルーストと保養地カブール/リゾート地の人間喜劇とプルーストの人間学/「花咲く乙女たち」との出会いと交友/エルスチールの人と作品(芸術家の交際と孤独)/エルスチールとプルーストの比喩/
図版一覧



プルースト 『失われた時を求めて 〈3〉  花咲く乙女たちのかげに I』(吉川一義 訳、岩波文庫、2011年) '11/01/12
プルースト 『失われた時を求めて 〈2〉  スワン家のほうへ II』(吉川一義 訳、岩波文庫、2011年) '11/07/05
プルースト 『失われた時を求めて 〈1〉  スワン家のほうへ I』(吉川一義 訳、岩波文庫、2010年) '11/01/14

吉川一義 『プルースト美術館 『失われた時を求めて』の画家たち』(筑摩書房、1998年) '11/02/10
吉川一義 『プルーストと絵画 レンブラント受容からエルスチール創造へ』(岩波書店、2008年) '11/02/03
吉川一義 『プルーストの世界を読む』(岩波セミナーブックス、2004年) '11/01/20

マルセル・プルースト 『失われた時を求めて [完訳版] 全13巻』(鈴木道彦 訳、集英社文庫ヘリテージシリーズ、2006〜07年) '10/09/07〜'11/01/23
マルセル・プルースト 『失われた時を求めて 〈2〉 第一篇「スワン家のほうへII」』(高遠弘美 訳、光文社古典新訳文庫、2011年) '11/12/29
マルセル・プルースト 『失われた時を求めて 〈1〉 第一篇「スワン家のほうへI」』(高遠弘美 訳、光文社古典新訳文庫、2010年) '10/10/10
プルースト 『消え去ったアルベルチーヌ』(高遠弘美 訳、光文社古典新訳文庫、2008年) '08/12/16





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本「「私」の秘密 私はなぜ〈いま・ここ〉にいないのか (講談社学術文庫2129)中島義道5

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「私」の秘密――私はなぜ〈いま・ここ〉にいないのか (講談社学術文庫)
「私」の秘密 私はなぜ〈いま・ここ〉にいないのか (講談社学術文庫2129)

○著者: 中島義道
○出版: 講談社 (2012/9, 文庫 208ページ)
○定価: 798円
○ISBN: 978-4062921299
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人間の欲望(欲求)のおおきなふたつ、「食欲」と「性欲」と
食欲は、人間が生物のヒト(ホモ・サピエンス)としてこの世に生きて存在するために必要不可欠のものである。生命を保持するために必要とされるエネルギーを摂取しなければ、生存することはできない。
人間は必ず死ぬ。死を避けることはできない。
人間は社会的動物である。役割を分担し、分業することによって、社会生活を営む。
おおく動物はどうであろう? どのように生きているのだろう?
たとえば、野良猫や鳥たちは、おおむねみずからの生命を維持するために、みずからが摂取する食べ物を採集することが、その主たる活動であろう。ときに、未熟なままに誕生した子どもがいる動物の親は、その子どもが自立するまでのあいだに限り、養育する。
かたや、大量の子を産み、むしろ多く死滅することを想定して保護・養育することなく、厳しい環境に克ち残った子だけが、生きることがかなう(環境に適応できない種は死滅する)生き物がいる、魚とかカエルとか。
生存戦略は多種多様である。
子を親が谷に突き落とす動物がいる、と聞く。親だって、みずからが生きるのに精一杯だ。子の保護、養育、食べ物の採集は、その親の負担はちいさくない。それは、親みずからの生命をも脅かしかねない。
個体として必ず死ぬ生物にとって、その遺伝子を親から子に伝達し残存しなければ、種として絶滅する。自然環境は厳しく、容易に変転し、安定しない。環境に適応できずに絶滅する種はすくなくないであろう。
種を後世に遺伝するために、変転する環境に適応させるためにも、ときに、みずからの種を遺伝子をも変転させる必要がある。種の遺伝子の変転は、親から子への遺伝によって果たされる。(どうなんだろう、分裂による遺伝子の増殖を無視することはできない、かもしれない、が)。(人間においては)オスとメスの親から子への遺伝によって果たす以外に方途はない。オスとメスの親の遺伝子は、オスとメスの両方の遺伝子が子に引き継がれる。オスとメスの両方の遺伝子が混合することによって、それぞれの個体の良いところも悪いところも含めて、どちらか一方のみが100%ではなく、ほぼ偶然的に遺伝する。遺伝子の偶然的な遺伝は、ときに変異を生じさせる。遺伝子の突然変異は、ときに死滅を招くかもしれないが、ときには環境の変転にも適応する可能性があり、種の死滅を絶滅を回避する可能性を含む。なにがどう作用するかは分からない。プログラムの不安定で不確定な様相もまた、生存戦略のひとつであろう。
人間は、その種の遺伝のプログラムとして、オスとメスの性交により子を産み育てる戦略を採用する。性交を欲する「性欲」は人間の生存戦略上、必要不可欠である。



「私とは何か」と問う者こそが、「私というあり方」をする者である。過去と現在、両立しえない二つの時間をつなぐ能力こそが、「私」である。時間論と身体論の邂逅によって「私」という不可思議な存在の謎に迫り、「私というあり方」は解き明かされてゆく。既存の哲学の焼き直しでなく、自身のことばで考え抜かれたまったく新しい自我論が立ち上がる!


≪目次: ≫
まえがき
第一章 「私とは何か」という問いの特殊性
「私というあり方」とはどのようなあり方か/カントが徹底的に考察したこと/開かれた問題/超越論的統覚/発話に権利上伴うコギト/想起モデル/「私」とは「私とは何か」と問う者である
第二章 知覚の現場に私はいない
「私」を安直に前提してはならない/「私は〜であると思われる」/絶対に確実なこと/両立不可能なあり方を「つなぐ」者/独特のパースペクティヴの成立/ライプニッツのモナド/身体感覚/大森荘蔵の「立ち現われ一元論」/四つの分類――いつ「この」パースペクティヴは「私の」パースペクティヴになるのか/ヒュームの考え方/あの夢が私の夢になるとき――権利上の意識作用/総合的に統一する者
第三章 見えるものと見えさせるもの
見える世界と見えない世界/残りの全世界が見えないことが、微小な眼前の世界を見えさせている/知覚の対象から視覚中枢までの見えないところ/クオリアには特別な問題はない/空間的=時間的隔たりも見えない/心身問題と想起/心身問題は時間問題である/想起が呼ぶアポリア――過去事象とそのコピー/フッサールと大森の場合/想起は自然科学的世界像から駆逐される
第四章 想起とその主体としての私
想起とは現在と過去を結ぶ「糸」ではない/複数の〈いま〉の成立/測定機能としての時間順序と〈いま〉の意味/〈いま〉の幅/関係概念としての〈いま〉/過去の真理性/的中している感じ/想起している時としての現在/想起と時間の成立/概念的に世界をとらえなおす/否定としての過去/「もはやない」というかたちで「あった」ことを知っている者/私は(明確に)知覚しないことをも(明確に)想起することができる/私の夢/「立ち現われ一元論」と想起/そのとき忽然として「私」は登場する/概念としての未来/思考し知覚する者も想起しなければ「私」ではない
第五章 観念に対する者としての私
刺激から観念への移行/観念としての痛み/大森荘蔵の「痛み=ふるまい」論/大森荘蔵の「痛み=制作」論/私の痛みはまちがいえないか/疑似物体としての観念/一人称問題/内的関係/反省理論/過去の私と現在の私の同一性/自己触発/「根源的自我」への旅は虚しい
第六章 「この」身体から「私の」身体への転換
見える世界とその背後/物体としての私の身体/私の場所/意志する物体としての私の身体/意志と行為/「この」身体/過去における「あの」身体/超越論的身体/「私が悲しかったこと」の想起/私は「この」身体の「うち」に住んでいる?/「うち」と「そと」という概念のずらし/過去への唯一の「抜け穴」
第七章 他者たちの成立
他者の成立/他者とは過去形を体系的に使える者である/私の過去と私の他者の類比/私と他者は同時発生しない/「他の私」の身体/不在としての他者/まなざし
第八章 不在としての私
想起されるのは首のない身体ではない/直観と概念の二重写し/あらたに構成されたあの特有の身体/私は読書に没頭していた/現在形と過去形/睡眠と覚醒/私は失神していた/間接的な承認/「あるべきもの」としての私/壮大な後悔と自己欺瞞/私は気がつくべきだった/「不在」としての他者
エピローグ 私の死
私はなぜ死ぬと無くなるのか/死と夢

原本あとがき (二〇〇二年一〇月一〇日 芦花公園近くの牢獄のような新居で、ひきこもりつつ 中島義道)
学術文庫版あとがき (二〇一二年六月一〇日 さあ、今年もそろそろウィーンに行こう(戻ろう)と思いつつ 中島義道)


※本書の原本は、二〇〇二年一一月、小社より講談社選書メチエ『「私」の秘密――哲学的自我論への誘い』として刊行されました。


≪著者: ≫ 中島義道 (なかじま よしみち) 1946年生まれ。東京大学法学部卒業、同大学院哲学専攻修士課程修了。ウィーン大学で哲学博士号取得。電気通信大学教授を経て、哲学塾主宰。専攻は時間論、自我論、コミュニケーション論。著書に『哲学の教科書』『「時間」を哲学する』『ウィーン愛憎』『差別感情の哲学』『「純粋理性批判」を嚙み砕く』『哲学塾授業』ほか多数。

中島義道 『「私」の秘密 哲学的自我論への誘い』(講談社選書メチエ、2002年) '08/12/14





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本「夢の原子力 Atoms for Dream (ちくま新書971)」吉見俊哉5

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夢の原子力: Atoms for Dream (ちくま新書 971)
夢の原子力 Atoms for Dream (ちくま新書971)

○著者: 吉見俊哉
○出版: 筑摩書房 (2012/8, 新書 302ページ)
○定価: 945円
○ISBN: 978-4480066763
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for Dream
peace
豊かな戦後


二〇一一年三月一一日の原発事故の拡大で、私たちの「豊かな戦後」の終焉は決定的となった。この事件は、私たちが求めてきた経済成長の帰結として生じた事件である。戦後日本において、原子力はいつしか被曝の「恐怖」から成長の「希望」の対象へと変容し、夢と平和の象徴として受け入れられていく。大衆の日常と社会意識は、いかにしてこの明るい未来のスペクタクルを欲望し、受容したのだろうか? 戦後日本の核受容を、「原子力的な陽光」の冷戦期から「放射能の雨」のポスト冷戦期への変遷の中にさぐる。


≪目次: ≫
序章 放射能の雨 アメリカの傘
廃墟からの問い返し/震災時の天皇とアメリカ/戦後史の中の原発とアメリカ/日米安保体制と原発立地/日米同盟施設としての原発/アトムズ・フォー・ピース Atoms for peace/アトムズ・フォー・ピース政策と日本/三度目の被爆と原子力平和利用/切り札としての「平和利用」/誰による原子力平和利用だったのか/アトムズ・フォー・ドリーム Atoms for Dream/「原子力」と「電力」の結びつき/「原子力的な陽光」から「放射能の雨」へ/放射能の雨の中、アメリカの傘をさして

第I章 電力という夢――革命と資本のあいだ
一 革命としての電気
革命の時代の「自然力」/電気の魔術師たち/燃え上がる大衆的熱狂/十九世紀末と驚異の電気術/電気科学と電気術のあいだ/電気の夢 帝国の実践
二 電力を飼いならす
電気による通信/国境を越える電信/調教師エジソン/システムとしての電力事業/送電方式をめぐる抗争/置き去りにされた問い/ロンドンの小規模発電システム/ガス灯から電灯へ/電灯が新たにもたらしたもの/すべてが電化される社会/完全なる電化世界の夢
三 総力戦と発電国家
革命とは電化なり/発電と戦争/民主主義を水力発電する/日露戦後と電化される社会/資本主義とは電化なり/総力戦体制と電力資本/転化されていく「開発の夢」/戦後日本におけるTVA型開発

第II章 原爆から原子力博へ
一 人類永遠の平和と繁栄へ
原爆の過去と原子力の未来/原水爆の恐怖と平和利用の約束/原子力平和利用博の開催/来場者たちの反応を調査/産業復興と生活改善の切り札
二 列島をめぐる原子力博
東京から名古屋へ/朝日新聞による京都・大阪開催/経済発展と豊かな生活は原子力から
三 ヒロシマと原子力博
グラウンド・ゼロでの原子力博/原子力博から復興博へ/「被爆」から「復興」への転回/爆心地から原発県へ/東海村と水戸の博覧会見物/解説する子 勉強する母/それでも残る疑問の声
四 冷戦体制と「原子力の夢」
世界をめぐる原子力平和利用博/原子力広報映画と巡回上映/戦後日本における原子力広報映画/東海原発と福島原発の記録映像/冷戦体制と「原子力の夢」/アトムズ・フォー・ピース以降/原子力をめぐる五〇年代世論/軍事利用と平和利用の分裂

第III章 ゴジラの戦後 アトムの未来
一 原水爆の大衆的想像力
アトミック・カクテルからアトミック・ベイビーまで/セクシーな原爆とオリエントの破壊/原子怪獣、ニューヨークに上陸/LAの巨大アリ サンフランシスコの巨大タコ/共産主義の恐怖と異星人の警告
二 記憶としてのゴジラ
ゴジラにおける被爆とナショナリズム/『ゴジラ』を語る戦後日本/「アメリカ」の消去 日本軍兵士の亡霊/自己と他者 過去と未来/希薄化する原水爆との関係
三 ゴジラの変貌とアトムの予言
かわいい化するゴジラ/戦争の記録 コロニアルな幻想/ゴジラの周縁化と原発・万博/原子力ロボット「鉄腕アトム」/「アトム」はいたるところに/二つの異なる「アトム」/「アトム」をめぐる日米同盟/核戦争後の世界から/自意識のなかの核 核のなかの自意識

終章 原子力という冷戦の夢
海岸線に立つ原子力発電所/「虚構」内部からのメルトダウン/現実化させられる「夢」と「恐怖」/不可視の占領者と内面の原子力的破壊/冷戦のリアリティと核の地政学/「救済」「成長」「幸福」、そして「調和」/近代の夢 冷戦の夢の臨界

あとがき

参考文献


≪著者: ≫ 吉見俊哉 (よしみ・しゅんや) 1957年東京都生まれ。東京大学大学院社会学研究科博士課程単位取得退学。東京大学大学院情報学環教授。専攻は、社会学・文化研究。主要著書に『都市のドラマトゥルギー』『「声」の資本主義』(河出文庫)、「メディア文化論」(有斐閣)、『カルチュラル・スタディーズ』(岩波書店)、『博覧会の政治学』『万博と戦後日本』(以上、講談社学術文庫)、『ポスト戦後社会』『親米と反米』『大学とは何か』(以上、岩波新書)、『天皇とアメリカ』(集英社新書、テッサ・モーリス-スズキとの共著)など多数。


吉見俊哉 『親米と反米 戦後日本の政治的無意識』(岩波新書、2007年) '11/10/19
吉見俊哉 『ポスト戦後社会』(シリーズ日本近現代史9、岩波新書、2009年) '11/10/10
吉見俊哉 『大学とは何か』(岩波新書、2011年) '11/08/11
吉見俊哉 『万博と戦後日本』(講談社学術文庫、2011年) '11/08/03
吉見俊哉 『都市のドラマトゥルギー 東京・盛り場の社会史』(河出文庫、2008年) '10/10/31
吉見俊哉/テッサ・モーリス‐スズキ 『天皇とアメリカ』(集英社新書、2010年) '10/10/23
吉見俊哉 『博覧会の政治学 まなざしの近代』(講談社学術文庫、2010年) '10/10/13





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おおむねぼくは過剰でね、ときに自信過剰であり、基本は不安で不安で仕方がないオドオド過敏で自信が持てない小心者、などと考えてしまっている時点において、まぁ、たいしたことなどなにもない、中庸で凡庸で、あぁ



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