Gori ≒ ppdwy632

〈ぼく〉の思索の一回性の偶然性の実験場。

2014年03月

本「ローマ五賢帝 「輝ける世紀」の虚像と実像 (講談社学術文庫2215)」南川高志5

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――平和と安定の陰に渦巻く憎悪と暗闘――
賢帝ハドリアヌスは、同時代の人々には恐るべき「暴君」だった! 「人類が最も幸福だった」とされるローマ帝国の最盛期。その背後の権力抗争を読み解く。

紀元九六年、ネルウァ帝の即位に始まった「五賢帝時代」。ローマ帝国の最盛期とされるこの約一〇〇年は、しかし、激しい権力抗争の時代でもあった。人々に憎まれた暴君・ハドリアヌスは、いかにしてその名を「賢帝」に連ねたのか。平和と安定の裏に隠された皇帝と元老院議員たちの暗闘を、史料を精査して解き明かす。陰の部分にこそ、繁栄の秘密はある。


≪目次: ≫
プロローグ――人類が最も幸福であった時代
イギリスの「万里の長城」/アテネ復興の名君/「世界」を旅した皇帝/詩人の皮肉/「人類が最も幸福であった時代」/歴史家ギボンの理想/憎まれた賢帝ハドリアヌス

第一章 訪れぬ光――五賢帝時代の始まり
 1 皇帝たちの政治
ローマ皇帝」とは何か/絶対君主ではない皇帝/元老院に集う人々/巨大帝国統治のメカニズム/ユリウス・クラウディウス朝の時代/内乱の紀元六九年
 2 「暴君」ドミティアヌスの最期
フラウィウス朝の時代/勤勉な皇帝ウェスパシアヌス/名君ティトゥス/「第二のネロ」の登場/伝統に反する政治/名行政家ドミティアヌス/ドミティアヌス暗殺
 3 「賢帝」ネルウァの登場
「賢い」老人ネルウァ/反ドミティアヌス派の台頭/老人政治
 4 動揺する「賢帝」
曖昧な皇帝の態度と近衛隊の爆発/小プリニウスの書簡/謎のシリア総督
 5 皇帝トラヤヌスの誕生
ネルウァ、トラヤヌスを養子とする/古代の証言/スラの策動/実体のない「養子皇帝制」

第二章 最良の皇帝――トラヤヌスのローマ帝国
 1 実現した平和と安定
新帝トラヤヌス、首都へ/プロソポグラフィー的研究/伝統に対する配慮/新興勢力の登用/ローマ人の「自由」
 2 「ローマ人」のローマ帝国
ダキア征服/征服王トラヤヌスの最期/新旧勢力の均衡
 3 元老院議員たちの実像
「身分」のある社会/社会的上昇の可能性/元老院議員のアイデンティティ/元老院議員の自由時間/ローマ帝国の教育システム/修辞学教育/「元老院議員的生活」

第三章 賢帝か暴君か――ハドリアヌスのローマ帝国
 1 「暴君」ハドリアヌス
小さなギリシア人/四元老院議員処刑事件
 2 疑われた皇帝
セリヌスの秘密/歴史研究家たちの挑戦/悲惨な門出/ハドリアヌスの出自と経歴/政界の有力者たち
 3 ハドリアヌス政権成立の真相
スペイン系勢力の台頭/帝国の新しいエリートたち/外交政策の転換と四元老院議員処刑事件/ハドリアヌスを越えたハドリアヌス派の力
 4 偉大な統治者への道
気前のよい皇帝/才能と策謀/「ハドリアヌス派」からの自立/アンティノウスとユダヤの反乱
 5 後継者問題と悲しき晩年
アエリウス・カエサルの誕生/混迷する後継者選択/ハドリアヌスの狙い/ケイオニウス・コンモドゥス養子の意味/アントニヌス養子の意味/「暴君」の死

第四章 苦悩する哲学者皇帝――マルクス・アウレリウスのローマ帝国
 1 アントニヌス・ピウス帝の美徳
アントニヌス帝の統治/実現しなかった「養子皇帝制」/アントニヌス・ピウス帝の死
 2 幼い哲学者
おおぜいの家庭教師/「皇帝になる」という運命
 3 パルティア戦争マルコマンニ戦争
二人皇帝制/マルコマンニ戦争の勃発/大侵入――未曾有のローマの危機/「雨の奇跡」/ローマの反撃/アウィディウス・カッシウスの反乱/皇后ファウスティナの死と後継者決定/
 4 戦争と新しいエリートたち
危機と戦乱の時代/新しいエリートたち/元老院議員の経歴/「新しいローマ人」の活用/政治家と将軍の二役/マルクスの人事/人間マルクス・アウレリウス

エピローグ――最盛期のローマ帝国を支えたもの
ローマ帝国の光と陰/危機と変革の時代へ

参考文献
あとがき (一九九七年一一月 南川高志)
ローマ五賢帝関連年表
学術文庫版のためのあとがき (二〇一三年九月 南川高志)


※本書の原本は、1998年に小社より刊行されました。


≪著者: ≫ 南川高志 (みなみかわ たかし) 1955年三重県生まれ。京都大学文学部卒業、同大学院文学研究科博士後期課程研究指導認定退学。京都大学博士(文学)。専攻は古代ローマ史。京都大学大学院文学研究科教授。おもな著書に『ローマ皇帝とその時代』『海のかなたのローマ帝国』『新・ローマ帝国衰亡史』ほか。

南川高志 『新・ローマ帝国衰亡史』(岩波新書、2013年) '13/07/20



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本「小論理学 ヘーゲルの本文だけで論理をたどる」ヘーゲル 著、山内清 訳解5

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本「小論理学 ヘーゲルの本文だけで論理をたどる」ヘーゲル、山内清

小論理学 ヘーゲルの本文だけで論理をたどる
○著者: ヘーゲル 著、山内清 訳解
○出版: 大川書房 (2013/3, 単行本 220ページ)
○定価: 本体価格2,800円+税



≪目次: ≫
訳者まえがき (二〇一三年三月  山内 清)
凡例


ヘーゲル著
エンチクロペディ――哲学諸学の要綱』 (1817年初版形式による)
第一篇 「論理学」 (各版序文・1〜83節省略)

第一部 存在論 (84〜111節)
  第一章 質 Qualität (86〜98節)
    第一項 存在 Sein
    第二項 定存在 Dasein
    第三項 向自存在 Fürsichsein
  第二章 量 Quantität (99〜106節)
    第一項 純粋な量 Die reine Quantität
    第二項 定量 Das Quantum
    第三項 度 Der Grad
  第三章 限度量 Das Maß (107〜111節)

第二部 本質論 (112〜159節)
  第一章 現出存在の根拠としての本質 Das Wesen als Grund der Existenz (115〜130節)
    第一項 純粋な反省規定 Die reinen Reflexionsbestimmungen
      イ 自己同一性 Identität
      ロ 区別 Der Unterschied
      ハ 根拠 Der Grund
    第二項 現出存在 Die Existenz
    第三項 物 Das Ding
  第二章 現象 Die Erscheinung (131〜141節)
    第一項 現象の世界 Die Wert der Erscheinung
    第二項 内容と形式 Inhalt und Form
    第三項 相関 Das Verhältnis
  第三章 現実性 Die Wirklichkeit (142〜159節)
    第一項 可能性と偶然性 Möglichkeit und Zufälligkeit
    第二項 相対的必然性 relative Notwendigkeit
    第三項 絶対的関係 absolutes Verhältnis
      a 実体性関係 Substantialitätsverhältnis
      b 因果性関係 ausalitätsverhältnis
      c 交互作用 Die Wechselwirkung

第三部 概念論 (160〜244節)
  第一章 主観的概念 Der Subjektive Begriff (163〜193節)
    第一項 概念そのもの Der Begriff als solcher
    第二項 判断 Das Urteil
      イ 質の判断 Qualitatives Urteil (事物の感覚的にわかる判断)
      ロ 反省の判断 Das Reflexionsurteil (或る事物の他のものとの関係に即した判断)
      ハ 必然性の判断 Urteil der Notwendigkeit (事物の類と種に即した判断)
      ニ 概念の判断 Das Urteil des Begriffs (事物の概念に即した価値判断)
    第三項 推理 Der Schluß
      イ 質の推理 Qualitativer Schluß
      ロ 反省の推理 Reflexionsschluß
      ハ 必然性の推理 Schluß der Notwendigkeit
  第二章 客観 Das Objekt (194〜212節)
    第一項 機械的関係 Der Mechanismus
    第二項 化学的関係 Der Chemismus
    第三項 目的的関係 Teleologie
  第三章 理念 Die Idee (213〜244節)
    第一項 生命 Das Leben
    第二項 認識 Das Erkennen
      その一 認識 Das Erkennen
      その二 意志 Das Wollen
    第三項 絶対理念Die absolute Idee 

(付録)
 図1 ヘーゲルの『小論理学』体系
 図2 論理学第一部「存在論」の構成
 図3 論理学第二部「本質論」の構成
 図4 論理学第三部「概念論」の構成
 図5 ヘーゲルのエンチクロペディ (哲学諸学の体系)
 


訳者あとがき (二〇一三年三月  山内 清)
 一節 ヘーゲル弁証法の規則
   一、一般的な規則
   二、存在の弁証法の規則
   三、本質の弁証法の規則
   四、概念の弁証法の規則
 二節 ヘーゲル『小論理学』の位置づけ
   一、論理学とは理念(絶対的真理)の自己展開を解明する学
   二、論理学の区分は概念の区分
   三、論理学は絶対的真理の原理論、自然哲学と精神哲学はその応用論
   四、絶対的真理は真の必然性を経て定立される自由
   五、ヘーゲル論理学は絶対的観念論の立場
   六、古典家のヘーゲル評価
   七、『小論理学』をどう生かすか


[訳者: ] 山内 清 (やまうち きよし) 1947年 山形県に生まれる。国立平工業高等専門学校(現 福島工業高等専門学校)を経て、1971年 東京教育大学文学部国語国文学科卒業。1975年 神奈川県立高等学校国語教諭(1971〜75年)を退職。1977年 東京大学経済学部経済学科卒。1984年 東京大学大学院経済学研究科博士課程修了。1984年 国立鶴岡工業高等専門学校助教授(経済学)。2001年 博士(経済学)号取得。2010年 鶴岡工業高等専門学校教授定年退職。鶴岡工業高等専門学校名誉教授。著作、『資本論商品章詳注』(草土文化、1987年)、『価値形態と生産価格』(八朔社、1999年)、『コメンタール資本論 貨幣・資本転化章』(八朔社、2009年)、『古典へのいざない』(学習の友社、2010年)、『均等蓄積率と再生産表式』(大川書房、2011年)、『拡大再生産表式分析』(大川書房、2012年)。


ヘーゲル 『法哲学講義  Vorlesungen über Rechtsphilosophie 』(長谷川宏 訳、作品社、2000年) '13/11/29
ヘーゲル 『法の哲学 自然法と国家学の要綱 下巻 〈ヘーゲル全集9b〉』(上妻精/佐藤康邦/山田忠彰 訳、岩波書店、2001年) '13/08/24 , '12/09/26
ヘーゲル 『法の哲学 自然法と国家学の要綱 上巻    Grundlinien der Philosophie des Rechts, 1821 〈ヘーゲル全集9a〉』(上妻精/佐藤康邦/山田忠彰 訳、岩波書店、2000年) '13/08/20 , '12/09/23
ヘーゲル 『歴史哲学講義 〈下〉  Vorlesungen uber die Philosophie der Geschichte 』(長谷川宏 訳、岩波文庫、1994年) '12/11/09 , '08/12/20
ヘーゲル 『歴史哲学講義 〈上〉』(長谷川宏 訳、岩波文庫、1994年) '12/10/29 , '08/12/12

権左武志 『ヘーゲルとその時代』(岩波新書、2013年) '13/01/23
久保陽一 『ドイツ観念論とは何か カント、フィヒテ、ヘルダーリンを中心として』(ちくま学芸文庫、2012年) '13/03/05
岩崎武雄 『カントからヘーゲルへ』(UP選書、東京大学出版会、1997年) '12/12/31
長谷川宏 『ヘーゲルの歴史意識』(講談社学術文庫、1998年) '12/11/06
村岡晋一 『ドイツ観念論 カント・フィヒテ・シェリング・ヘーゲル』(講談社選書メチエ、2012年) '12/09/06
加藤尚武 編著 『ヘーゲル 「精神現象学」入門』(原崎道彦/伊坂青司/栗原隆/松山壽一/座小田豊/滝口清栄/山純 著、講談社学術文庫、2012年) '12/06/11
熊野純彦 『ヘーゲル 〈他なるもの〉をめぐる思考』(筑摩書房、2002年) '09/12/30
長谷川宏 『新しいヘーゲル』(講談社現代新書、1997年) '09/02/02
長谷川宏 『ヘーゲル『精神現象学』入門』(講談社選書メチエ、1999年) '09/01/29
長谷川宏 『格闘する理性 ヘーゲル・ニーチェ・キルケゴール』(洋泉社MC新書、2008年) '09/01/27


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「富士山の自然史 (講談社学術文庫2212)」貝塚爽平5

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富士山の自然史 (講談社学術文庫)
○著者: 貝塚爽平
○定価: 本体800円(税別)
○ISBN: 978-4062922128





――日本一の名峰は、どうしてそこにあるのか?――
第四紀(250万年前〜現在)の重要なイベントを追究し、その成り立ちを知る。
小笠原・硫黄島、山手線の地形、東海道の台地・・・・・・。

富士山はどうしてそこにあるのか? 「ある事がどうしてそこにあるのか」は地理学の真髄である。東海道の台地、小笠原、硫黄島、東京の坂、神田川の谷、隅田川と江戸川・・・・・・。地殻変動、流水の作用、氷期と間氷期の海水面など、地形形成の過程を万年単位で解明する。地形図・フィールドノートの使い方、時空認識の考え方など、自然の読み方も教示する。


≪目次: ≫
まえがき (一九九〇年 貝塚爽平)

第I部 日本の自然
 1 東海道線に沿って
東海道の五つの湾/沖積平野とその地盤/空地は地盤が悪い:密集地ほど地盤が悪い/新幹線は速すぎる
 2 東海道の台地
めりはりのきいた台地/富士山と台地/東海道の台地の生いたち
 3 富士山はなぜそこにあるのか
富士山の位置/相模トラフと駿河トラフ/火山フロント/東海道の嶮
 4 小笠原で考えたこと
公害防止と自然保護/小笠原とサンゴ礁生育の北限/珍しい石灰岩の地形/同じ成因の都心部と小笠原の海岸
 5 隆起を続ける硫黄島の一七七九年の記録
隆起し続ける火山島/海岸線の変化/一七七九年の硫黄島の記録/一七七九年以前の記録

第II部 東京の自然
 6 東京の坂と富士山
 7 関東ロームの話
赤土と霜柱/赤土はタイムマシン/新しい層と古い層/地質学に貴重な地層
 8 野川と国分寺崖線
L形地形の角を流れる/野川は多摩川の名残川/川底が立川礫層の上限/時代とともに役割も風景も変わる
 9 山手線からみえる地形
山手台地東縁の海食崖/台地の下にある砂州/江戸城と段丘/段丘と谷の系統/谷の深さ
 10 地形を読む 神田川の谷
地域の自然史について/神田川の縦断面/神田川とは/神田川の谷の地形/神田川の谷はどうしてできたのか(一)/神田川の谷はどうしてできたのか(二)/神田川の谷はどうしてできたのか(三)/単純な谷と神田川の谷
 11 日本橋と丸の内
日本橋台地のへりにある都庁/工事現場にみる地層のちがい/「丸の内谷」と「昭和通り谷」の間の台地/埋め立てでかくされた高低
 12 隅田川から江戸川まで――東京ゼロメートル地帯
隅田川の東と西/沖積層の厚さの違い/氷河期にできた埋没地形/泥層の上の砂層/泥層の収縮と地盤沈下
 13 生い立ちを遡り、未来を考える
 14 東京に自然史博物館を

第III部 自然の見方
 15 第四紀の自然環境
第四紀と博物館/第四紀とはなんだろう/博物館における第四紀学
 16 大昔をたぐり寄せる――大塚先生と第四紀の研究
 17 時・空を測るものさし
年代を測るものさしのこと/年代尺のいろいろな表現/地球の大きさについての感覚/地図のスケールと表現内容/時間規模と空間規模の関連
 18 生石(いきいし)と死石(しにいし)
 19 古い地形図を持って歩くこと
 20 問題解決のためのフィールドノート
?や!の記号つきのノートを書く
 21 自然境界と人為境界
 22 土地の記録を残す
 23 自然を読むということ

あとがき (一九八九年十一月 貝塚爽平)


※本書の原本は、丸善より一九九〇年に刊行された『富士山はなぜそこにあるのか』です。


≪著者: ≫ 貝塚爽平 (かいづか そうへい) 1926〜1998年。東京大学理学部地理学科卒業、同大学院特別研究生前期修了。東京都立大学教授を経て、東京都立大学名誉教授。専門は地形学。理学博士。著書に、『東京の自然史』『日本の地形――特質と由来』『空から見る日本の地形』『平野と海岸を読む』『発達史地形学』、『[新編] 日本の活断層』(共編)、『世界の地形』(編)などがある。


貝塚爽平 『東京の自然史』(講談社学術文庫、2011年) '11/12/09



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本「比較のなかの改憲論 日本国憲法の位置 (岩波新書1466)」辻村みよ子5

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――「政治の論理」に翻弄されない、熟議のために――
二〇一三年、首相の口から改憲要件緩和までが声高に叫ばれ再燃した改憲論議。なかでも重要な論点――改憲手続、憲法擁護義務、押し付け憲法論、国民の義務と自由、個人と家族、非武装平和主義、国民投票の功罪――を比較憲法の視点から丁寧に検討し、自民党改憲草案の危険性と今後の議論の在り方、日本国憲法の現代的意味を再確認する。


≪目次: ≫
序章 比較憲法から改憲を考える
「政治の理論」が誘導する改憲ムード/「憲法記念日」の不思議/世界に憲法はいくつあるのか/実質的意味の憲法/立憲主義の考え方/近代立憲主義の憲法/憲法の現代的展開/日本の立憲思想/現代立憲主義への展開/民主主義との緊張関係/違憲審査制と立憲主義/ドイツ型自己拘束論/プリコミットメントという補強/衆参憲法調査会での議論/「二つの憲法観」とは

第一章 改憲手続を比較する
 一 九六条改正論を再検討する
「憲法改正」とはなにか/日本の憲法改正手続/九六条制定の経緯/「三分の二」の背景
 二 各国の改憲条項を比較する
発議の特別議決と国民投票/特別議決の要件/議会解散と国民投票を要件とする国/連邦制国家における州の批准/難易度の考え方/慎重なスイスの制度/緻密な制度設計/重要事項の改憲/改正の限界を定める条文/改憲の回数を比較することは妥当か
 三 主要国の憲法改正状況をみる
ドイツ――「五九回の改正」/フランス――「二四回の改正」/大韓民国――「戦後九回改正」/アメリカ合衆国――「一八回、二七カ条の改正」、一万一〇〇〇件の廃案/実現しなかった「男女平等修正案」/日本の場合――「発議要件二分の一」の問題点/間接民主制と国民主権/国民投票を多用することの陥穽

第二章 「改正の限界」と憲法尊重擁護義務 ――九九条の意味
 一 「改正の限界」論とは
憲法改正限界説と無限解説/「旧憲法の改正」の限界/憲法制定権力と憲法改正権
 二 九九条と憲法保障
内閣が発案することの是非/憲法保障と九九条の意味
 三 憲法尊重擁護義務
誰の義務なのか――遵守・尊重・擁護/諸外国の憲法尊重擁護義務規定

第三章 「押し付け」論再考 ――「自主憲法」とは何か
 一 ポツダム宣言受諾からマッカーサー草案まで
憲法史上の特殊性/「憲法研究会案」と自由民権運動――西欧立憲主義思想の継承/ポツダム宣言と「国体の護持」/旧憲法「改正」へ/旧憲法を変更しない「松本四原則」/「マッカーサー三原則」/民政局の憲法草案/「押し付け」の舞台裏/三月二日案と準備作業の完了/急いだ理由――「避雷針憲法」/帝国議会通過
 二 「押し付けられてよかった」のか「選び直す」のか
諸政党の憲法草案/「憲法研究会案」の意義/「押しつけ憲法」論の是非/一九四六年の毎日新聞アンケート/改憲勧告に対する日本政府の拒否
 三 改憲論の展開
改憲派・護憲派の対抗と七期の改憲論/解釈改憲最悪論

第四章 「国民は個人として尊重される」 ――人権規定を比較する
 一 個人尊重原則と公共の福祉
九七条と普遍的人権/憲法前文の改定問題/人権保障における国家と国民/「個人の権利」と「人の権利」/「公共の福祉」と「公益及び公の秩序」/精神的自由成約の問題点/「新しい人権」とは何か
 二 諸外国の憲法における人権制約
人権制約規定を比較する/社会主義国の人権制約規定/途上国の人権制約規定/先進資本主義国――精神的自由の優越/現代憲法と「闘う民主制」
 三 「家族」をめぐる各国憲法の記述
近代家族の特徴/フランスにおける家族の変容/現代家族と国際人権条約の家族規定/「公序としての家族」から、「幸福追求の空間」としての家族へ/社会主義国型憲法の家族規定/途上国型憲法の家族規定/先進資本主義国型憲法の家族規定/家族の保護の諸類型/日本国憲法二四条の意義/戦後の改憲論と家族規定/自民党改正草案の「助け合い論」

第五章 戦争放棄と「現実論」 ――平和的生存権と各国の平和条項
 一 「平和のうちに生存する権利」の保障
人権としての平和/一三条・二五条と平和的生存権・イラク派兵違憲訴訟名古屋高裁判決/イラク特措法と憲法九条/平和的生存権の権利性と裁判規範性/平和的生存権の現代的意義/自民党草案における「平和的生存権」の削除
 二 平和条項の七つの類型
 三 政府解釈と「現実論」
「九条解釈」の五つの立場/戦力と自衛力/「九条解釈」の変遷/自衛権は放棄されるか/集団的自衛権は認められるか/自民党改正草案の「国防軍の保持」

第六章 国民投票は万能か ――国民主権原理
 一 レファレンダムとプレビシット
「半直接制」の導入/レファランダムの問題点
 二 各国の国民投票の課題
日本の国民投票法/憲法改正の発議方法/憲法改正国民投票のある国/投票資格年齢/投票方式/国民投票運動に対する規制/最低投票率について/最低(絶対)得票率制度とは/国民投票の実態/最低投票率を設けるべきか
 三 国民主権と「一票の重さ」
国民主権と象徴天皇制/国民とは誰か/「市民主権」論/「一票の格差」の是正/参議院定数訴訟/小選挙区制の功罪/「カウンター・デモクラシー」の登場?

終章 「政治の論理」と憲法改正のゆくえ
「政治の論理」の説得力/背景としての「押し付け」憲法論/日本国憲法の歴史的意義とは/時代逆行的な家族論・人権論/平和主義の原意と現代的意味/「熟議」のために

主要文献一覧


≪著者: ≫ 辻村みよ子 (つじむら・みよこ) 1949年東京生まれ。東北大学大学院法学研究科教授を経て、明治大学法科大学院教授。専攻は、憲法学、比較憲法、ジェンダー法学。法学博士。著書に、『憲法 第4版』『比較憲法 新版』『憲法から世界を診る――人権・平和・ジェンダー 〔講演録〕』『フランス憲法と現代立憲主義の挑戦』『憲法とジェンダー――男女共同参画と多文化共生への展望』『ポジティヴ・アクション――「法による平等」の技法』『概説 ジェンダーと法――人権論の視点から学ぶ』『人権をめぐる十五講――現代の難問に挑む』ほか。共編書に、『ジェンダー社会科学の可能性』全4巻、『新解説 世界憲法集』ほか多数。


池上彰の憲法入門』(ちくまプリマー新書、2013年) '14/01/05
『新装版 日本国憲法』(学術文庫編集部 編、講談社学術文庫、2013年) '13/10/22
樋口陽一 『五訂 憲法入門』(勁草書房、2013年) '13/09/24
小嶋和司/大石眞 『憲法概観 〔第7版〕』(有斐閣双書、2011年) '13/08/31
伊藤正己 『憲法入門 〔第4版補訂版〕』(有斐閣双書、2006年) '13/08/24
芦部信喜、高橋和之 補訂 『憲法 〔第五版〕』(岩波書店、2011年) '13/08/02
長谷部恭男 『憲法の円環  circus constitutionis 』(岩波書店、2013年) '13/07/22
渋谷秀樹 『憲法への招待』(岩波新書、2001年) '13/07/07
長谷部恭男 『憲法とは何か』(岩波新書、2006年) '13/07/01
長谷部恭男 『憲法のimagination  Écrits imaginatifs de droit constitutionnel 』(羽鳥書店、2010年) '13/06/26
長谷部恭男 『憲法入門  An Introduction to Constitutional Law 』(羽鳥書店、2010年) '13/06/01
長谷部恭男 『続・Interactive憲法  The Life and Opinions of Professor B, the Constitutional Conversationnist, Vol. 2 』(法学教室Library、有斐閣、2011年) '13/05/20
長谷部恭男 『憲法と平和を問いなおす』(ちくま新書、2004年) '13/05/13
大石眞 『日本国憲法 '05』(放送大学教材、一般科目 社会系、放送大学教育振興会、2005年) '13/05/11
長谷部恭男 『Interactive憲法  The Life and Opinions of Professor B, the Constitutional Conversationnist 』(法学教室Library、有斐閣、2006年) '13/05/09
渋谷秀樹/赤坂正浩 『憲法 2 統治 〔第5版〕』(有斐閣アルマ、2013年) '13/04/29
渋谷秀樹/赤坂正浩 『憲法 1 人権 〔第5版〕』(有斐閣アルマ、2013年) '13/04/23
伊藤真 『高校生からわかる 日本国憲法の論点』(トランスビュー、2005年) '10/04/17
伊藤真 『中高生のための憲法教室』(岩波ジュニア新書、2009年) '10/04/15
樋口陽一 『「日本国憲法」まっとうに議論するために』(理想の教室、みすず書房、2006年) '09/05/17
池澤夏樹 『憲法なんて知らないよ』(集英社文庫、2005年) '08/10/06




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本「日本の食と酒 (講談社学術文庫2216)」吉田元5

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日本の食と酒 (講談社学術文庫)
○著者: 吉田 元
○定価: 本体960円
○ISBN: 978-4062922166






〈日本食〉の原型。
発酵技術――。それは食を決定づけた。
中世、公家日記と寺院文書にみる、醤、味噌、納豆、酒の製法史。
「和食」世界無形文化遺産 登録!

日本人の食。その原型は中世末にかたちづくられていた。本書は京都・山科家の日記や奈良・興福寺の文書をひもとくことで中世の公家と僧侶の食生活を再現する。中世から近世にかけて〈日本酒〉としてのかたちを整えていく酒。日本食を最も特徴付ける醤油、味噌、納豆などの大豆発酵食品。発酵技術の歴史を跡付けることで、日本の食と酒の原点に迫る。


≪目次: ≫
第一章 中世末の食物売りたち
歌合/狂言/供御人と食物

第二章 一五世紀公卿の食生活――『教言卿記』『山科家礼記』『言国卿記』
名字の地・山科/教言の晩年/応仁の乱/若き日の言国/供御人たち/惨劇/鞍馬参詣/食物の分類、貯蔵、調理法

第三章 一六世紀公卿の食生活――『言継卿記』『言経卿記』
『言継卿記』/言継の食生活/尾張下向/大洪水/子供たちの病気/駿府下向/東寺五重塔の焼失/信長の上洛と岐阜下向/『言経卿記』と言継の死/本能寺の変/京都追放/再び京都へ/東寺五重塔の再建/京都大地震/勅免/言経の食生活/『雍州府志』と京都の食物

第四章 奈良興福寺の食生活――『多聞院日記』
はじめに/食物の種類/天災と飢饉/多聞院の献立/料理の内容とその他の食品/肉食・悪食

第五章 中世酒から近世酒へ
日本酒の製造法/京都の酒/僧坊酒/田舎酒とその他の酒

第六章 火入れの発展
はじめに/日本における火入れの成立/火入れの温度について/東アジア諸国における加熱殺菌法/日本の火入れの限界

第七章 大豆発酵食品
醤油と味噌の製造法/室町時代以降の大豆発酵食品/多聞院の大豆発酵食品/『料理物語』の醤油/ケンペル、ツュンベリーの見た醤油/『和漢三才図会』の大豆発酵食品/酢

あとがき (一九九一年七月 京都にて  吉田 元)
文庫版あとがき (二〇一三年一二月  吉田 元)
参考文献
初出一覧
索引


※本書の原本は、一九九一年九月に人文書院より刊行されました。


≪著者: ≫ 吉田 元 (よしだ はじめ) 1947年、京都市生まれ。京都大学農学部水産学科卒業。同大学院農学研究科農芸化学専攻博士課程修了。農学博士。種智院大学教授を経て2013年に退職、同大学名誉教授。著書に『江戸の酒』『近代日本の酒づくり』『童蒙酒造記・寒元造様極意伝』(翻刻・現代語訳)などがある。





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本「般若心経 二六二文字を読む・知る・書く (コロナ・ブックス187)」角田泰隆/金岡秀朗/名児耶明5

ブログネタ
読んだ本♪♪♪ に参加中!
般若心経: 二六二文字を読む・知る・書く (コロナ・ブックス)
○著者: 角田泰隆/金岡秀朗/名児耶 明
○定価: 本体1,500円(税別)
○ISBN: 978-4582634877





「色即是空」で有名な経典はなぜ我と向き合う機会となり得るのか。とらわれを捨て、苦から離れる秘訣を、斯界を代表する執筆陣が説く。天皇や美術家が262文字に託した写経も紹介。

斯界を代表する執筆陣により『般若心経』のすべてをやさしく解説した一冊。経文のチカラに祈りを託した天皇、僧侶、美術家たちの写経も必見。


≪目次: ≫
凡例

『般若心経』を読む  文・解説=角田泰隆(つのだ・たいりゅう、駒澤大学教授)/版画=棟方志功
  二六二文字のチカラ――『般若心経』の功徳
  『般若心経』 全文
  経文解説
「五蘊」とは/「五蘊」(色・受・想・行・識)のメカニズム/“空”とはからっぽのことではない/わたしたちは世界をどのように見ているのか――十八界/“苦”の正体とは――我執/“苦”から離れるための四つの真理と八つの実践――四諦と八正道

コラム 『般若心経』の呪力とものがたり

『般若心経』を知る  金岡英朗(かなおか・ひでろう、国際教養大学特任教授)
  『般若心経』の来た道――経典の誕生から日本伝来まで
  高僧たちの提唱

『般若心経』を書く  名児耶 明(なごや・あきら、五島美術館理事・学芸部長)
  聖なる文字を伝える――『般若心経』写経の歴史
  写経名品アルバム
  写経Q&A

コラム 写経生はツライよ
コラム 岩手の絵心経

『般若心経』を生きる  角田康隆



般若心経・金剛般若経』(中村 元/紀野一義 訳注、ワイド版岩波文庫、2001年) '13/09/16



 『般若心経』は、「観自在菩薩が深般若波羅蜜多を行じた時」で始まる。そして、「空」の教えが説かれている。じつは、この冒頭の言葉がとても大切である。・・・
 ・・・ 
 「観自在菩薩」とは、自在に観る菩薩、つまり、諸法(あらゆるものごと)をありのままに見ることのできる修行者をいう。わたしたちは皆、観自在菩薩になれるのである。ならなければいけないのである。それは簡単なことではないが、不可能なことではない。
 わたしたちのほとんどは「観不自在菩薩」であって、諸法を色眼鏡で見ている。自分のモノサシ(価値判断)ではかっている。固定観念で見ている。ありのままに見れば、諸法は皆「空」であるのに、それがわからないのがわたしたちである。
 すべての固定観念、とらわれをいちど「無」にリセットしてみよう。そして、ありのままの世界、「空」の世界を見てみよう。それが『般若心経』の教えである。
 わたしたちには、強い我執(自分への執着)がある。・・・   (P110-111、「『般若心経』を生きる」より)




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