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反〈絆〉論 (ちくま新書)
○著者: 中島義道
○定価: 本体価格760円+税
○ISBN: 978-4480068118




あぁうまくいってるんだかうまくいってないんだかよくわかんないけれども
うまくいってるとはおもえないのだが
うまくいってないともおもえない
今現在があって、未来があって、それは過去からの連続で
どうなんだろう、傾向、かたむき、ベクトル、向かっている先

ときどきひとりでふかくふかくしずみこんで、いつもひとでかんがえこんで
そうして生きてゆく、かなぁ


〈絆〉は美しい言葉
だからこそ
暴力が潜んでいる

東日本大震災後、列島中がなびいた〈絆〉という価値観。だがそこには暴力が潜んでいる? 〈絆〉からの自由は認められないのか。哲学にしかできない領域で考える。

東日本大震災後、絶対的価値となった〈絆〉という一文字。テレビは「優しさ」を声高に称揚するようになり、列島中がその大号令に流されて、権威を当然のものとして受け入れてしまったかに見える。だが、そこには暴力が潜んでいないだろうか。陰影のある、他の「繊細な精神」を圧殺する強制力がはたらいているのではないだろうか。哲学にしかできない領域から〈絆〉からの自由、さらに〈絆〉への自由の、可能性を問いただす。


≪目次: ≫
まえがき

第1章 〈絆〉は重苦しい
一人の死と一万人の死/〈絆〉という言葉/「家族」という錦の御旗/道徳的言語を語る仕方/他人に注意するということ/マグダラのマリア/他人の悪行を注意しない人は共犯者である/ヒステリックなパウロ/敵のうちに自分自身を見る

第2章 〈絆〉は有益である
シニカルにまた無垢に/「人生は虚しくない」と語ることは虚しい/「人生は虚しくない」と語るほうがトクをする/「二重の視点」という宝/「私は正しくない」ということ/他人の幸福を求めること/「希望」という名の欺瞞/〈絆〉のありがた味/〈絆〉の劣化

第3章 組織における〈絆〉
共同体主義/「繊細な精神」/戦争は「繊細な精神」を殺す/善意の嘘/朝日新聞バッシングについて/信条や感受性の支配/二重の基準をもって生きる/理性の私的使用と公的使用/組織に留まるべきか、組織から出るべきか/内部告発/非社会的ネットワークの形成

第4章 (なるべく)他人に同情しない
「同情」のダイナミクス/同情とアガペー/シェーラーの同情批判/冷淡かつ道徳的な行為/第三の道/原罪

第5章 (自他の)孤独を尊重する
〈絆〉と孤独とのあいだ/自発的孤独/おもてなし/シャルドンヌ/受動的孤独/自発的・受動的孤独

第6章 生命は最高の価値か?
自殺してはならない理由/生命を放棄すべき理由/自殺賛成論者・ヒューム/それでも生きるべき理由

第7章 〈絆〉からの自由・〈絆〉への自由
〈絆から〉の自由/〈絆〉への自由


付録1 美談が覆う真実もある――震災への「なぜ」今こそ (『東京新聞』 2011年5月17日夕刊掲載)

付録2 『がんばろう日本』という暴力――震災に耐える日本人に、世界中から賞賛の声が上がった。しかし、一連の報道に私は違和感を覚え続けている。
大いなる違和感/サンデル氏の公開講義を聴いて/「がんばろう 日本!」の裏に潜むもの/「思いやり」の強制/「普通主義」の威力/「よい言葉」の退化/「なぜ?」という問いの欠如/そして、被災地に入った/繊細な精神 (『新潮45』 2011年6月号掲載)

付録3 「いい人」だからこそ陥る「みんな一緒主義」
過剰なパターナリズム/自己判断と自己責任/お互いさまの「わがまま」を認め合う精神 (『児童心理』 金子書房、2011年8月号掲載)

あとがき (二〇一四年 一〇月一〇日 東京オリンピック開幕からちょうど五〇年目の日、私は当時高校三年生。中原中也とともに呟けば「とにかく私は苦労して来た。苦労して来たことであった!」。 中島義道)


≪著者: ≫ 中島義道 (なかじま・よしみち) 1946年福岡県生まれ。東京大学法学部卒。同大学院人文科学研究科修士課程修了。ウィーン大学基礎総合学部修了(哲学博士)。電気通信大学教授を経て、哲学塾主宰。著書に『私の嫌いな10の言葉』『私の嫌いな10の人びと』(以上、新潮文庫)、『哲学の教科書』(講談社学術文庫)、『哲学の道場』『人生を〈半分〉降りる――哲学的生き方のすすめ』(以上、ちくま文庫)などがある。



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