Gori ≒ ppdwy632

〈ぼく〉の思索の一回性の偶然性の実験場。

2015年08月

本「知の格闘 掟破りの政治学講義 (ちくま新書1050)」御厨 貴5

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・・・・・・現実にあの日あの時の東大先端研の講堂に実在した事実を、記録しておかねばなりません。以下のようになります。

 1 2011年9月17日 「書評と時評」
 2 2011年10月15日 「オーラル・ヒストリー」
 3 2011年11月19日 「公共政策」
 4 2011年12月17日 「政治史」
 5 2012年1月28日 「建築と政治」
 6 2012年2月18日 「メディアと政治」

 いずれの日も、土曜日の正午に東大先端研三階の講堂の扉を開き、ゼミの学生諸君に受付を準備してもらいました。午後の一時から二時三十分までが私の講義、次いで二時四十分から三時十分までがゲストトーク、最後に三時十分から四時三十分までがゲストやフロアを交えての乱取り、というスタイルでした。・・・・・・ (p297-298、「結びの挨拶」)



学問は、バトルだ
好奇心が躍動する
前代未聞の東大最終講義

政治学が退屈だなんて誰が言った? あるときは時代を動かす政治家や官僚の肉声に耳を傾け、あるときは歴代首相の私邸を訪ね歩く。政変にはジャーナリズムの現場に躍り込み、政府懇談会では右翼から脅迫を受けたことも。TBS「時事放談」の司会でも知られる行動派の政治学者が東京大学で行った最終講義六回を実況中継。言いたい放題のおしゃべり講義に毎回ゲストが甘口辛口のコメント。やがて聴衆も交えて教室は知のコロセウムに。学問が断然面白くなる異色の政治学入門書。


≪目次: ≫
前口上

第一講 権力者たちの素顔に迫る――オーラル・ヒストリー
1 おしゃべり的講義
 「開発天皇」との劇的な出会い/手探りで量産した草創期/「時事放談」で政治家の生態観察/元気な政治家から遠ざかる中野広務/歴史資料から現代の証言へ/質の向上に向けた解説と批評の実験/おしゃべり社会が促す粗悪品/対比列伝で見えてくる世界/何度も怒鳴りつけた後藤田正晴/嫌みだった宮澤喜一のすごさ/オーラル・ヒストリー学校の醍醐味
2 ゲストコメント―― 牧原 出 (東京大学教授)
 御厨オーラル・ヒストリーの三大傑作/無欲で話を聞くことの効用/人生の聞き手の総合芸術
3 釈明と乱取り
 現場でその人に会うことの意味/ドラキュラの話しかしなかった小泉純一郎/政治家の嘘も時代の証言/文書資料の読み方で変わる/技術者や芸術家が語り出した/全編書き直した政党代表者/「公明党はちょっと危ない」

第二講 政治の最前線に躍り込む――公共政策
1 おしゃべり的講義
 都政と内閣官房研究/頓挫した電力問題と公社・公団論/勲章制度で平山郁夫画伯と衝突/勲章の数減らしにこだわった小泉首相/靖国懇談会で右翼から脅迫/役人と反対運動幹部とのなれ合い/敗戦で公文書を燃やした後遺症/議論すること自体に意味がある/幻の「安全・安心」研究論文/思い出したくもない震災復興構想会議
2 ゲストコメント―― 飯尾 潤 (政策研究大学院大学教授)
 実態暴露の楽しみ/変な人間の変な意見を認める/「場の理論」を重視する/復興構想会議という場を治める/もう一人の自分と対話する
3 釈明と乱取り
 KY発言が好き/復興への提言は「勝負あった」/書簡で見える明治の政治家の器量/反対派住民の意見集約は難しい/史料を読む楽しみ

第三講 近現代からの現場中継――政治史
1 おしゃべり的講義
 昭和史から明治への大転換/書簡と意見書を読み抜く/二つの焦点を持つ楕円構造/背後霊のように立ちあがる明治天皇/皇室を近代憲法から解放する/検閲を逃れるための「奴隷の言葉」/普遍性の高い枠組みを編み出す/小泉首相を天皇と同じように書く/資料を読み合うことが栄養素に
2 ゲストコメント―― 五百旗頭 薫 (東京大学准教授)
 プラグマティズムと帝国主義/政治対立のモードを書き分ける/非政治的領域での多産と読みやすさ/日本政治外交史から「外交」をとる
3 釈明と乱取り
 時空の差が大きい明治期の外交/復興策に見る中央と地方のずれ/政治家の質は劣化しているか

第四講 進撃!歴代首相邸へ――建築と政治
1 おしゃべり的講義
 研究者は不安でたまらない/建築が先か政治が先か/孤独な建物になった最高裁判所/総理をひきこもらせる官邸/公邸に暮らすのを嫌がった麻生太郎/控え室が最も機能した枢密院/外との連続性を感じさせる鳩山一郎邸/官邸で物事を決めなかった吉田茂/贈り物のバラづくりのための庭園/新聞連載「権力の館を歩く」
2 ゲストコメント―― 隈 研吾 (建築家・東京大学教授)
 金持ちの家は論外の二〇世紀/住宅は政治的産物だ/歌舞伎座の変遷に見る政治性
3 釈明と乱取り
 時計のない首相官邸/高度成長が権力の館を変えた/政治の源流は治水/権力の有無で配置が決まる国会議事堂/竹下・小渕が共有したカラオケ部屋/個室化していった公共建物

第五講 同時代とのバトル――書評と時評
1 おしゃべり的講義
 「書評などいたしません」/良き学友との長時間の議論/新聞書評の環境が変わった/「嫌なおじさん」になっていた/亀井静香が怒鳴りこんできた/あなたがしゃべらないと新聞は出ない/切った張ったで生きる時評/「戦後」から「災後」へ
2 ゲストコメント―― 苅部 直 (東京大学教授)
 裏目読みをしないスタイル/書評・時評を書くときの自由度
3 釈明と乱取り
 相手の内懐に飛び込む/「状況規定」というキーワード/時代の限界と私の限界/政治の外縁を広げた書評・時評/時評は相手があって生まれる

第六講 映像という飛び道具――メディアと政治
1 おしゃべり的講義
 やらせまがいの「新発見」/とにかく君は容貌がいい/中継で鍛えられたぶっつけコメント/海に捨てられた伊藤博文の銅像/佐藤栄作の沈黙の「風圧」/風圧に対抗する田中角栄の金権/政治家がテレビに出る時代
2 ゲストコメント―― 池内 恵 (東京大学准教授)
 旧メディアは十年持たない/高齢者のアイドル/老人支配は良くない/憲法の「無効宣言」をやったらどうか/技術の進歩と公共性の議論
3 釈明と乱取り
 「研究会」という魔物/学問修行につきもののパワハラ/最終講義の果てに!

結びの挨拶 (二〇一三年師走  御厨 貴)


≪著者: ≫ 御厨 貴 (みくりや・たかし) 1951年東京都生まれ。東京大学法学部卒業。都立大学教授、東京大学教授などを経て、放送大学教授・青山学院大学特別招聘教授・東京大学名誉教授。専門は政治史、オーラル・ヒストリー、公共政策。著書『政策の総合と権力』(東京大学出版会、サントリー学芸賞受賞)、『馬場恒吾の面目』(中公文庫、吉野作造賞受賞)、『明治国家の完成』(中公文庫)、『オーラル・ヒストリー』(中公新書)、『明治国家をつくる』(藤原書店)、『権力の館を歩く』(ちくま文庫)、『政治へのまなざし』(千倉書房)など。



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本「鉄道技術の日本史 SLから、電車、超電導リニアまで (中公新書2312)」5

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およそ150年の、1870年ころからの、日本における鉄道の技術の歴史♪


さて、どうにも、雨降りの湿気が障る、不穏な事件や事故のニュースが絶えることがなく切ない、いずれにしてもなんにせよ、いろいろある、仕方がない、物事には限りがある、よくも悪くも、なるようになる、なるようにしかならない、ならないようにはならない・・・

で、ぼくの40歳からの大学生生活、5年と半分の11期で、ようやく(予定よりずいぶん時間を超過して)、前期に落とした1科目の単位認定試験を再試験でリベンジで「Aマル」評価(100〜90点)で合格して、前年には卒業研究論文をまとめて「B」評価で、124の卒業要件単位を修得した、通知が届いた、ホッ、

が、パソコン仕事で、ドライアイと腱鞘炎と、、、すこしいろいろ考えなくてはならないだろう、じっさいのところ、考えれば考えるほどに、少なからぬ年齢と経験とを積み重ねてしまって、どうにもこうにも、不可能性ばかりで、あぁ、
気分転換を兼ねて、気が滅入ること甚だしいので、自転車でフラフラとね、ママチャリの前かごは便利だなぁ、
15日には靖国神社の人だかり、一時期よりもニュースの扱いは小さいものの、警察や機動隊なんか半端ない数の人と車が動員されてて、まぁ駐輪場を探して停めて警戒警備の最中に足を踏み入れる気は失せた、そそくさと外周を通り過ぎた、

また別の日だったかなぁ、そう、8年半くらい前になるのかなぁ、独り暮らしをはじめた、都下の木造アパートまで、これまたママチャリで、案の定、建物は取り壊されて更地だった、
あの失意のドン底、深く暗い洞窟の中のような生活、なんとか這い出すことができた、思い出したくもないけど、あの時があって、潜水、息を止めて、息を潜めて、グッと踏み止まって、踏ん張って、いまとなっては、まぁいろいろだ、

で、久しぶりに軽い自転車を、すでに前輪を取り外して部屋の片隅に追いやって久しいクロスバイクを引っ張り出したのは、そう、荒川、かつては多摩川だった、サイクリングロード、堤防の内側が走り易そう、と、
河口まで17km、東西線の少し先まで、往復で40km近い、ママチャリではダメだ♪、
さっそく、サイコロコンピュータの電池を注文したよ、だって、今朝の2回目のチャレンジで2時間弱で走破できることを確認♪、かつてのトレーニングコースは峠越えの約88kmで4時間弱だった、ずいぶん長いこと2年以上もサボっていたから、老いて衰えたし、だから、ほぼ平坦で負荷が小さく短時間で2時間弱のトレーニングコースは嬉しい♪♪



鉄道橋とトンネルの改良、ATCやATS、VVVF等の発明、SLから新幹線、超電導リニアへの変遷。鉄道技術の150年史に迫る!

イギリスの指導のもと、明治の初めに産声を上げた日本の鉄道。山がちな国土に狭軌という悪条件を克服する過程で、高速性、快適性、安全性を向上させ、1964年の東海道新幹線開業によってついに世界トップの水準に躍り出た。日本は現在、超電導リニアの技術で諸外国をリードし、かつて指導を受けたイギリスに高速電車網を構築している。本書では、明治から平成まで、多岐にわたる鉄道技術の進歩に光を当てる。


≪目次: ≫
まえがき
 ー立化の時代=1870〜1920年の50年間/SL時代の終焉と無煙化の時代へ=1920〜1955年の35年間/4存技術の集大成=1955〜1985年の30年間/IT技術から将来技術へ=1985〜2015年の30年間

プロローグ
 イギリス公使に口説かれて/外国人雇入方心得/熱心なイギリス人教師/日本人機関士の誕生/真面目な日本人生徒/井上勝の半生

第一章 線路を敷かねば汽車は走れない
 標準軌か? 狭軌か?/鉄道土木は金がかかる/ちょんまげ帯刀の測量員/鉄道建設は測量から/三角測量の優れた点/請負業者が支えた建設工事/「ヨイトマケ」からランマーへ/木橋から鉄橋へ/日本特有のトンネル事情/トンネル掘削の工法

第二章 鉄がなければ始まらない
 木造客車はお手のもの/江戸っ子の実力/八幡製鉄所はまずレールを造った/レールの品質改良/台車もモーターも皆輸入/車輪と車軸に目を着けた住友金属

第三章 SL製造は先端技術だった
 SLの輸入から国産へ/技術習得の最終仕上げへ/SLの強大化及び技巧化/〈過熱蒸気システム〉/〈複式機構〉/〈多気筒方式〉/動輪径を大きく!/日本のSLを採点すれば

第四章 ディーゼルカーも一時は世界一
 気動車の登場/ディーゼル列車の興亡/ディーゼルカーの原理/ディーゼル機関車は戦後生まれ/液体式への転換/苦心の末、保有台数世界一へ/自動車エンジンとの関係性は?/蒸気エンジン vs. 内燃エンジン vs. 電気モーターの大競演

第五章 雨後の筍の郊外電車
 インターアーバンの後継者は日本/アメリカのインターアーバン/日本の郊外列車/電車部品も最初はすべて輸入/電車の国産化に賭けた男

第六章 電車王国の形成
 新性能電車の出現/台車の振動を研究せよ/〈ボルスターレス台車〉/〈振り子台車(振り子システム)〉/〈自己操舵台車〉/〈横揺れ防止台車〉/モーターと駆動装置/三相交流モーターの登場/名馬は名ジョッキーなくしては走れない/〈VVVFによる直流から交流への整流〉/〈VVVFによる交流の変圧〉/〈VVVFによる交流周波数の変更〉/エポックとなったペアの実用化/車体はうんと軽くなった/交流電化がなければ新幹線はできなかった/忘れてはいけない電気機関車三種

第七章 新幹線の衝撃
 世界は始めて振り向いた/世界は高速鉄道の時代/強度の問題/高速鉄道の線路/流線型から空力フォルムへ/トンネル事情

第八章 事故は減ったが用心は大事
 鉄道ブレーキの揺籃期/信号の歴史/日本での運用/三河島事故の教訓/ATSとATC

第九章 鉄道技術の担い手と新技術
 道車両を造るのは誰?/工作局と鉄道技研/鉄道省の帝王学

第一〇章 鉄道の先端技術
 リニアにはいろいろある/夢の「超伝導リニア」/磁気浮上リニアの技術史/超電導の原理/フリーゲージ・トレイン/ハイブリッド気動車など

第一一章 鉄道立国・日本
 輸入大国から輸出大国へ/輸出でも日本は電車王国/日本の電車輸出の象徴「ジャベリング」/「ガラパゴス化」を脱却せよ

あとがき
主要参考文献


≪著者: ≫ 小島英俊 (こじま・ひでとし) 1939年東京都生まれ。東京大学法学部を卒業後、三菱商事化学品部門で国内外に勤務したのち、食品関係の会社(株)セデベ・ジャポンを設立し、代表取締役を務めた。2005年より鉄道史・近代史を中心に執筆活動を展開。鉄道史学会会員。著書、『流線型列車の時代』(NTT出版、2005年)、『文豪たちの大陸横断鉄道』(新潮新書、2008年)、『鉄道という文化』(角川選書、2010年)、『外貨を稼いだ男たち』(朝日新書、2011年)、『時速33キロから始まる日本鉄道史』(朝日文庫、2012年)、『合理的避戦論』(イースト新書、2014年)ほか。


原田勝正 『明治鉄道物語』(講談社学術文庫、2010年;筑摩書房、1983年) '10/10/03


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本「光と影で見る近代建築 (角川選書558)」近藤存志5

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立秋


・・・・・・
 文豪オスカー・ワイルドは ‘Whenever people agree with me I always feel must be wrong’ ということばを残しています。「いつでも人びとがわたしに賛同してくれるとき、わたしはいつも自分が間違っているに違いないという感覚に襲われる」とでも訳せるでしょうか。これは時に建築家の仕事についても言えることです。・・・・・・
 ザハ・ハディドの設計案と新国立競技場建設事業に向けられた一連の批判は、どれも部分的には同調したい主張を含みながらも、わたしには一貫性に欠ける、表層的なことばの羅列のように感じられます。ひとつだけはっきりしていることは、ザハ・ハディドの設計案は、建築について語り、建築家の役割について考えさせられる機会を、もっとも刺激的な形で現代日本社会に投げかけたということでしょう。
 ・・・・・・
 しかし、ザハ・ハディドの設計案については、少なくとも本書が問題とする建築鑑賞の方法――〈光と影〉で見る方法――にしたがえば、一連の批判に対して、十分反論することのできるものであったように思われます。ザハ・ハディドの設計案には、〈光と影〉によって知覚される立体造形としての建築物の根元的な力が漲(みなぎ)っているからです。
 周囲の環境への配慮や連続性といった場面では難のある建築物かもしれません。しかし大地から膨れ上がるように大きく弧を描きながら建ち上がる屋根の大胆さは、光から影へ移り変わる豊かなグラデーションを生み出すことで、ひとつの大きな丘陵のような存在感を鑑賞者に知覚させるはずです。大地が上方へと突出することで生まれる〈光と影〉は、建築物の根元的エネルギーに通じるものです。そしてザハ・ハディドの設計にそうしたエネルギーの表現を見てとることは難しいことではありません。・・・・・・ (p124-p127)



建物の生み出す〈光と陰〉をよく見ること。新たな魅力を引き出す建築入門!

名建築、美しい建築とは何だろうか? 鑑賞のポイントは、建物のコントラスト、陰影、グラデーションに目をこらすこと。視点を変えるだけで毎日の街並みも違って見えてくる、新しい建築入門。名建築の写真多数収録。

建築を味わうには、建築家や様式史の知識が不可欠――。そんな思い込みにとらわれていませんか。本書は、建築物の〈光と陰〉に注目し、「建物の形を見ること」の楽しみを提案する建築鑑賞入門。建築物の外観構成や装飾、採光が生み出す明暗のコントラスト、グラデーション、陰影の強弱にじっと目をこらすとき、建築史だけではわからない、新たな魅力が浮かび上がります。


≪目次: ≫
序 古くて新しい建築の見かた

I. 建築を〈光と陰〉で見ることの意味
第1章 有名になりたい建築家たち
 奇抜な建築に溢れた現代/現世的名声欲の誘惑/少年時代の記憶――有名=高価という図式/有名建築家をもてはやす社会/ルネサンスにおける名声/選んでもらうための〈個人様式〉/〈個人様式〉の確立を急ぐことの虚しさ/「わたしはカメレオン」――フィリップ・ジョンソンの宣言/「澄ました表情で描かれた肖像画」の喩え/有名になるのは「死後10年。もし幸運なら・・・・・・」/建築家の過剰な自己顕示を〈許さない〉
第2章 建築――実用に奉仕する芸術
 「有用であること」は醜悪?/最後の実用主義者ニコラウス・ペヴスナーが考えたこと/中世的〈作者不詳の美学〉/ペヴスナーの〈建築家の自己顕示欲〉批判/ペヴスナーのフランク・ロイド・ライト批判/建築家の使命――実用性を鑑賞に堪え得るように形態化、空間化すること
第3章 実用主義を妨げてきた〈美の規範〉とその崩壊
 「完成された美」の理想/実用性から乖離した建築造形の追求/18世紀イギリス、パラーディオ主義の流行/「美は形態に宿る」という幻想/「完成された美」への疑念/「真の美の性質を事物の内に追求することは無益」/「二次性質」の論/〈光と影〉で見るということ
第4章 建築家たちが見た〈光と陰〉
 ウィリアム・チェンバーズの〈光と影〉/ジェームズ・アダムが注目した建築の視覚的効果/風景画家と建築家の着目点の類似/ジョン・ヴァンブラ設計のブレナム宮/ジェームズ・アダムがブレナム宮に見出した問題点/ジェームズ・アダムのミケランジェロ批判/メリハリのある〈光と影〉のコントラスト/〈新しい建築美〉誕生の予感/裕福な趣味人の美的改革/建築を〈光と影〉で見るということ

II. 建築を〈光と陰〉で見る
第5章 〈光と陰〉を要約的に切り取る
 〈光と影〉の要約/〈光と影〉を生む造形要素――建築の美的感動の源泉
第6章 建築家は〈光と陰〉で造形する
 1. 建築物の全体の構成
 2. 屋根の膨らみ
 3. 水平方向への張り出し
 4. 階段、スロープ
 5. 壁面の前後の配置関係
 6. 窓、開口部
 7. 柱、列柱
 8. 構造、軀体
 9. ディテール、装飾
終章 〈光と陰〉と実用性の美
 実用的裏づけを持つ〈光と影〉の創出/観照と実用性の問題/幸福のための実用性/アウシュヴィッツで考えたこと/建築芸術の真髄――〈光と影〉と〈幸福のための実用性〉

あとがき (2015年5月 近藤存志)
注釈


≪著者: ≫ 近藤存志 (こんどう・ありゆき) 1971年、東京生まれ。2001年、英国エディンバラ大学大学院博士課程修了。PhD(エディンバラ大学)。筑波大学芸術学系助手等を経て、フェリス女学院大学文学部教授。専門は、イギリス芸術文化史、建築史、デザイン史。著書に『時代精神と建築』(知泉書館、2007年)、『現代教会建築の魅力』(教文館、2008年)、Robert and James Adam, Architects of the Age of Enlightenment(London: Pickering & Chatto、2012)、『キリストの肖像』(教文館、2013年)などがある。



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本「大不況には本を読む (河出文庫)」橋本治5

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大不況には本を読む (河出文庫)
○著者: 橋本治
○定価: 本体640円(税別)
○ISBN: 978-4309413792







 ・・・・・・一人の人間の頭の中に、そんなに膨大なものが入るはずはありません。「本を読む」という行為は、その膨大なるゴミの山の一角に入って、「自分が分担出来る片付け」を実行するというほどのものです――それが実のところは「自分のあり方を探す」なのです・・・・・・  (p245)


「思想性ゼロ」の国・日本は、二十世紀後半に貿易戦争に勝利し、一億総中流を実現させた。だが、ペリーの黒船来航に始まる近代百五十年の成功体験はもはや過去となり、不景気が当たり前になってしまった。いま日本人のなすべきことは?――貧しても、鈍する前に、本を読め。橋本治がすべての現代日本人におくる救国の書。


≪目次: ≫
文庫版のまえがき
はじめに

第一章 この不況はどのような不況なのか?
一 解決は困難だが、解明はそう困難ではない大不況
 この大不況はどんな不況か?/日本を中心にしてこの大不況を考える/日本という国の特殊性/経済大国日本と「先進国」の変貌/世界経済のひそやかなる転換点/どうしてアメリカ人は、自分達が必要とする自動車を作らなかったんだろう?/「自由貿易」という、富を増大させるルール/「いるんだかいらないんだか分からないもの」を買って、経済を拡大させる/一九八五年に日本が経済の規模を縮小させていたら――/あきれるほどのいいことずくめ/「円高」だってこわくなかった/ライヴァルがいなければ、安心して内政に集中出来る/グローバリズムへの道/そしてアメリカは攻勢に出る/「物」ではなく「考え方」が輸出される/「日本人は遅れている」という日本人自身の思い込み/「頭のいいやつだけが勝てる」という錯覚
二 この大不況はどのように収束されるのか?
 世界はその時「限界」を暗示していた/「経済」だって「侵略」になる/それは「戦争」だったかもしれない/「真犯人」が日本である可能性/「働くしか能のないやつは働かせておけ」という考え方/「右肩上がりの時代は終わった」と言っていたくせに/「中途半端な豊かさ」は、すべてをより危うくさせる/「豊かさに慣れてしまう」ということ/大不況は「どこ」で収束されるのか?/「どこに戻るべきか」を考えてみる/「昔に戻せばいい」というわけではない/大不況を収束させるための考え方

第二章 人類の折り返し点
一 黒船にやって来られた国の考え方
 日本人が「どうすればいいのか?」を考えた時期/「経済は一流、政治は二流以下」の実態/「思想性ゼロ」の国/「和魂洋才(わこんようさい)」という言葉/「和魂漢才(わこんかんさい)」という言葉だってあった/「和魂」のなにが珍しいんだ?/「和魂」が「洋才」を嫌う/「和魂洋才」から「洋魂洋才」へ/アイデンティティーなんかどうでもいいのかもしれない/「和魂」は本当に「大和魂」なのか?/「用語の規定」が混乱しても仕方がないかもしれない/だから「中途半端な思想性なんかない方がいい」のかもしれない/実際的な日本人が忘れていること
二 経済は永遠に発展しうるのか?
 なんで「保護主義」はいけないんだろう?/経済が永遠に発展をつづけるならば/「エコ」は産業となりうるのか?/「エコ」は産業の発展を保証しない/「発展」だけが経済ではない/どこかで「富の均質化」が話し合われているらしい/「発展する経済」を野放しにすると――/「自由貿易」というのはなんなのか?/その「必要」は誰が決めるのか?/いつまでも「悪いやつ」はいないだろうに――/でも、経済は「飽和状態」を迎える
三 歴史はもう停止しているかもしれない
 出版関係者は経済に強くない/経験が人を賢くしないことはない/再び、経済はただグルグルと回る/日本人に「世界経済」は分からない/それで、世界経済はこの先どうなるのだろう?/なぜ経済は「グルグル回る」をしなくなったのか?/経済の循環を可能にする「高低差」がなくなれば――/「一億総中流」というハッピーエンド/日本人はなにを変えたか?
四 日本と世界の不思議な関係
 グルグル回りの世界で、ある時なにかが変わった/「一億総中流」が実現されてしまった特異な国/なぜ日本は変わっているのか?/日本の町人は「市民」なんかじゃない/「君臨させておいて統治されない」というあり方/海の向こうからイチャモンが来る/産業革命がもたらしたもの/日本人が考えてもいいこと

終章 「本を読む」ということ
一 役に立たない「本書のまとめ」
 あまり役に立たない「本書のまとめ」/外のことは、内を見ても分かる/「バイ・ジャパニーズ!」を言われなくても/「これからは農業」かもしれないけれど/「農業で食って行ける」を実現することのむずかしさ/「農業で食って行く」を実現するたった一つの方法/最終的にトクをしていたのは誰なのか?/しかし、すべての物事には「限界」がある/近代工業の抱えるトラウマ/都市生活者の哀しい復讐
二 「本を読む」ということ
 今「本を読む」がどうして必要なのか/「その本」はどこにあるのか?/「書かれていないこと」を読む/「コピペ」は今に始まったことではない/「書かれたこと」を読んで、「書かれていないこと」を考える/「もうそんなことは分かりきっている」と思われた時/「過去」を拒絶して、時代はただ若くなった/離れられた「活字」には、離れられるだけの理由がある/本の中には、それを読む人間そのものがいる/「読まなければいけないもの」は膨大にある/それで、この大不況には本を読む/なぜ人は、「不景気になると本を読む」ということをしたのか


※本書は二〇〇九年六月、中公新書ラクレとして刊行されました。


≪著者: ≫ 橋本治 (はしもと・おさむ) 1948年、東京生まれ。東京大学文学部国文科卒。イラストレーターを経て、77年、小説『桃尻娘』を発表。以後、小説・評論・戯曲・エッセイ、古典の現代語訳など、多彩な執筆活動を行う。96年、『宗教なんかこわくない!』で新潮学芸賞、2002年、『「三島由紀夫」とはなにものだったのか』で小林秀雄賞、05年、『蝶のゆくえ』で柴田錬三郎賞、08年、『双調 平家物語』で毎日出版文化賞を受賞。著書に『桃尻語訳 枕草子』『ひらがな日本美術史』『バカになったか、日本人』『結婚』他多数。



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