Gori ≒ ppdwy632

〈ぼく〉の思索の一回性の偶然性の実験場。

2017年04月

本「系外惑星と太陽系 (岩波新書1648)」井田茂5

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系外惑星と太陽系 (岩波新書)
○著者: 井田 茂
○定価: 本体820円+税
○ISBN: 978-4004316480










天文学の革命的な進展により、いまや太陽系外に数千個もの惑星が発見されている。想像を超えた異形の星たち。ホット・ジュピター、エキセントリック・ジュピター、スーパーアース。その姿は、太陽系とは何か、地球とは何かという根本的な問いへとわれわれを誘う。「天空の科学」が明らかにする別世界の旅へ。


≪目次: ≫
はじめに――天空と私、そして地球中心主義からの解放
 宇宙に満ちあふれている惑星/「天空」と「私」/地球中心主義・太陽系中心主義からの開放/「無限」「唯一」への不安/系外惑星への旅へ

第1章 銀河系に惑星は充満している
1 惑星系は普遍的な存在である
 系外惑星探し/惑星は奇跡の存在ではない/恒星形成の副産物として形成される惑星系
2 系外惑星をどうやって見つけるのか
 ドップラー効果を使う視線速度法/惑星の影を使うトランジット法/惑星重力による空間の歪みを使うマイクロレンズ法
3 系外惑星の姿
 系外惑星を俯瞰する/太陽系との違いは?/分布から惑星の成分を予測する/灼熱のホット・ジュピター/環境激変のエキセントリック・ジュピター/さらに異常なホット・ジュピター/ホット・スーパーアースとホット・ネプチューン/太陽系外の「地球たち」/宇宙に充満するスーパーアースとアース/海を持つ惑星が回っている確率は10〜20%?

第2章 太陽系の形成は必然だったか
1 美しい古典的標準モデル
 古典的標準モデルの概略/太陽系形成の古典的シナリオ/古典的標準モデルへの道程、そして変革へ
2 円盤から始まった
 円盤仮説と微惑星仮説/原始惑星系円盤の観測/原始惑星系円盤の姿/ダストの凝縮/太陽系を作った原始惑星系円盤
3 寡占成長モデルの成功と微惑星形成問題
 ダストから微惑星へ/メートルの壁/微惑星から原始惑星へ/暴走成長と寡占成長/孤立質量――寡占成長の限界
4 巨大衝突モデルの成功と暗雲
 巨大衝突時代/火星ができない?/巨大衝突による月の形成
5 木星型・海王星型惑星の形成問題
 巨大ガス惑星の形成/さらに外側の氷惑星の形成/惑星落下問題/太陽系の必然性と系外惑星系の多様性

第3章 系外惑星系はなぜ多様な姿をしているのか
1 異形の巨大ガス惑星のできかた
 巨大ガス惑星も落下する――ホット・ジュピターの形成/飛び散る巨大ガス惑星――エキセントリック・ジュピターの形成/逆行の惑星はどのようにして作られたのか?
2 スーパーアースが示すもの
 スーパーアースと惑星落下/惑星は特定の場所でできた?/微惑星仮説は正しいのか?
3 太陽系をふり返る
 動きまわる惑星/惑星形成モデルの現状

第4章 地球とは何か?
1 地球の構成物質
 岩石と鉄――地球の主成分/放射性元素は超微量でも重要
2 地球は「水の惑星」ではない
 海はなぜあるのか?――ハビタブル・ゾーン/カラカラの惑星=地球/水、炭素、窒素――小惑星の衝突で持ち込まれた?/氷原始惑星が水を持ち込んだ?/流れてきた氷塊が水を持ち込んだ?/水、炭素、窒素の供給の必然性と偶然性
3 地球の内部構造
必ずコアとマントルに分かれる/なぜ地球では地場が発生しているのか?/マントル対流は必然的におこる/地球科学者の参入が必要
4 地球の表層環境
 プレート・テクトニクスが生命を育む/絶妙な海の量?/プレート・テクトニクスがおこる条件/なぜ地球と金星の大気は違うのか?/地球大気は岩石から出てきた/月と地球の深い関係/地球とはどのような惑星か?

第5章 系外ハビタブル惑星
1 難しい「ハビタブル条件」
 惑星の生命存在条件/地球生命の場合/「地球」からの一般化
2 地球たち
 太陽型星のハビタブル・ゾーンの地球型惑星の形成確率/太陽型星のハビタブル惑星のバラエティ/太陽型星のハビタブル惑星の炭素循環
3 巨大ガス惑星の衛星たち
 ハビタブル・ムーン
4 赤い太陽の異界ハビタブル惑星
 M型惑星のハビタブル惑星――現在の注目の的/いかに異界か/本当にハビタブルか?/「地球」を離れて

終章 惑星から見た、銀河から生命へ
 元素合成――ビッグバン、恒星熱核融合、超新星爆発/銀河ハビタブル・ゾーン、ハビタブル銀河/太陽系や地球は普遍的か?/生命を宿す惑星はどれくらいあるのか?/バイオ・マーカーの観測/生命の起源と進化、地球外生命/ハビタブル惑星研究の意義

おわりに (2017年1月  井田 茂)


≪著者: ≫ 井田 茂 (いだ しげる) 1960年生まれ。京都大学理学部卒業。東京大学大学院理学系研究科地球物理学専攻修了。東京工業大学地球生命研究所教授。専攻、惑星系形成論。著書、『地球外生命 われわれは孤独か』岩波新書(長沼毅氏との共著)、『系外惑星――宇宙と生命のナゾを解く』ちくまプリマー新書、『系外惑星』東京大学出版会、『系外惑星の事典』朝倉書店(共編著)ほか。

長沼毅/井田茂 『地球外生命 われわれは孤独か』(岩波新書、2014年) '14/04/09


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本「一揆の原理 (ちくま学芸文庫)」呉座勇一5

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一揆の原理 (ちくま学芸文庫 コ 44-1)
○著者: 呉座勇一
○定価: 本体価格1,000円+税
○ISBN: 978-4480096975






――知られざる実像に迫る!――
虐げられた民衆たちの決死の抵抗として語られてきた一揆。だがそれは戦後歴史学が生んだ幻想にすぎない。これまでの通俗的理解を覆す痛快な一揆論!

一揆といえば、虐げられた民衆が農具や竹槍を手に極悪非道な領主たちに立ち向かう、そんなイメージを抱きがちだ。しかし、それは戦後歴史学が生み出した幻想に過ぎない。史料を丹念に読み解くなかで見えてくるのは、革命や暴動といった固定観念とはほど遠い、権力者とのしたたかな折衝のあり様だ。一揆とは、暴発的な武装蜂起ではなく、既成の社会関係では対応できない危機に直面した人々が「契約」によって生みだした、新たな社会的つながりなのだ――。これまで語られてこなかった一揆の実像と、現代の社会運動にまで連なる結合の原理を、新進の中世史家が鮮やかに解き明かす。


≪目次: ≫
文庫版まえがき

はじめに――一揆は反体制運動なのか?
 「ポスト3・11」の不安な時代に/現代社会は「新しい中世」/戦後歴史学の「一揆」観/一揆は「人のつながり」/本書の構成

第I部 一揆とは何か
第一章 百姓一揆は幕藩体制がお好き?
 竹槍一揆の時代は十年間/「刀狩り」の真相/飛び道具を使うな/非武装を貫く百姓一揆/百姓に怪我でもあらば、御気の毒/凶暴な明治の新政反対一揆/百姓一揆は「一揆」を自称しない/江戸時代は「一揆」禁止の時代
第二章 中世こそが一揆の黄金時代
 荘家の一揆・土一揆・国人一揆/「暴動」か「正義」か/諸大名の「官邸包囲デモ」/強訴は理不尽/神様を怒らすな/寺社の強訴はデモ/逃散はストライキ――荘家の一揆/百姓の義務・領主の義務/そもそも一揆とは何か?/仲良しクラブも「一揆」なのか

第II部 一揆の作法
第三章 一味同心――正義と平等
 一味同心するということ/死なば諸共/一揆が正義である理由/一揆を貫く平等性原理/覆面が役に立つとき/一味和合と一味同心/寺院社会の変質と「一味和合」/仏ではなく神に誓う/神仏習合と本地垂迹
第四章 一揆のコミュニケーション
 一気の情報伝達「天狗廻状」/傘連判・車連判/中世の「高札」はネットの掲示板/食べ物のウラミはこわい――「アラブの春」と「京都の秋」/金持ちは寄付をしろ/連歌――一揆の文化/イベントとしての一揆/匿名性による平等性
第五章 「一味神水」はパフォーマンス
 「一味神水」という儀式/なぜ起請文を飲むのか/一味神水は神秘体験か/「空気」という集団心理/焼く起請文と残す起請文/神に捧げ人に渡す/荘家の一揆の交渉術/「一味神水しました」宣言
第六章 起請文が意味するもの
  「一揆契状」という文書/部外者に届けられた一揆契状/読んでもらうことが前提/宣伝される集会/徳政一揆は訴える/暴力に訴えるのも「訴訟」のうち/「強訴」としての山城国一揆/国人たちのパフォーマンス/反守護一揆の特徴/等身大のしたたかさ

第III部 一揆の実像
第七章 「人のつながり」は一対一から
 国人一揆と百姓/松浦一揆と海民/百姓の「逃亡」の実態/「自治共和国」という幻想/二人でも一揆/交換する一揆契状/一対一の関係の連鎖/集合しない一揆/「他言無用」の秘密同盟/敵とこっそり手を結ぶ/一揆とSNS/君の大事は私の大事/デマへの対処
第八章 縁か無縁か――中世の「契約」
 中世は「契約」社会/一揆契状は契約状/義兄弟の契り/兄弟が「父子」に/親子契約/「親子契約之譲状」と中世的「家」/養子との違い/兄弟契約/一揆は「無縁」か?/一揆の中の「縁」/起請文形式であることの意味/一揆契約が築く新たな絆

終章 「一揆の時代」ふたたび
 「百姓一揆」化する脱原発デモ/「強訴」を超えて/私たちにできること

参考文献
あとがき (二〇一二年九月三日 呉座 勇一)
文庫版あとがき (二〇一五年八月十五日 呉座 勇一)

※本書は2012年10月、洋泉社より『一揆の原理――日本中世の一揆から現代のSNSまで』として刊行された。


≪著者: ≫ 呉座勇一 (ござ・ゆういち) 1980年東京都生まれ。東京大学大学院人文社会系研究科博士課程単位取得退学。博士(文学)。日本中世史専攻。日本学術振興会特別研究員などを経て、国際日本文化研究センター准教授(助教)。2014年、『戦争の日本中世史――「下剋上」は本当にあったのか』(新潮社)で第12回角川財団学芸賞を受賞。著書に『日本中世の領主一揆』(思文閣出版)が、主な論文に「南北朝〜室町期の戦争と在地領主」(『歴史学研究』898号)などがある。



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本「日本建築入門 近代と伝統 (ちくま新書1181)」五十嵐太郎5

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「日本的デザイン」とは何か。五輪競技場・国会議事堂・皇居など国家プロジェクトにおいて繰返されてきた問いを通し、ナショナリズムとモダニズムの相克を読む。

近代の日本建築には、「日本という国への意識」が脈々と流れている。つまり、日本の建築を見れば、「日本的なるものとは何か」というアイデンティティの問いと対峙することにもなる。オリンピック競技場、万博パヴィリオン、国会議事堂、皇居など、海外からも注目を集める国家規模のプロジェクトが計画されるたび、伊勢神宮、桂離宮などの伝統建築が再検討され、議論が重ねられてきた。本書では、建築史・建築批評の第一人者が日本のシンボリックな有名建築をとりあげ、それらの議論を詳細に追う。日本のナショナリズムとモダニズムの相克がいま蘇る!


≪目次: ≫
序論――なぜ建築と日本が結びつくのか
 近代と伝統/新建築圏を創造せんがために/何を日本建築のモデルにするのか/日本回帰する新国立競技場問題/外国的なものの排除/縄文vs弥生の反復/現代建築における日本趣味/本書の構成について

第1章 オリンピック
1 世界に発信せよ!
 「オリンピック大會」を東京へ/富士山麓のオリンピック村/外国人が泊まる宿――国策ホテル/紀元二六〇〇年の国家事業
2 戦時下日本の夢想
 日本から世界へ――歴史の転換点/迷走する会場計画
3 悲願・国際社会への復帰
 プロデューサーとしての岸田日出刀/師匠から丹下健三へのバトンタッチ
4 競技場の「伝統」部分
 屋根の建築が表現するもの/日本らしさと象徴性

第2章 万博
1 大阪万博・奇跡の風景
 丹下健三の屋根/外部からの視線・内部からの批判/地域性と屋根/丹下のモダンな屋根/土着の反逆
2 エキゾチック・ジャパンの系譜
 前川國男の日本館/内外の反響/戦前の日本館/提灯の起源――外国人にわかりやすいデザイン
3 モダニズムが模索したもう一つの日本
 センセーショナルな世界デビュー――板倉準三/日本の雑音から離れて――傑作誕生/「日本館設計者」の栄光と責務/日本館が世界を結びつける
4 ベタでない日本らしさ
 環境性能の表現/デザインの重要度低下/ヴェネツィア・ビエンナーレの日本館/帝冠様式とは異なる感性/建築展は何を展示してきたのか/プレスの期待と日本的現実(リアル)

第3章 屋根
1 様式のキラメキ
 ハエと男の合体、あるいは融合/下田菊次郎の「帝冠併合式」/介入する異国のまなざし
2 ポストモダンによる再評価と批判
 帝冠様式とは何か/ファシズムと連携した建築様式?/屋根と宗教建築/屋根の脱政治的再評価/石井和紘のポストモダン

第4章 メタボリズム
1 発見された日本的空間――すき間・ひだ・奥・グレー
 日本的な意匠をちりばめる/黒川紀章と共生の思想/仏教に影響された空間論/重層する境界と奥の思想
2 「出雲大社・伊勢神宮」論――日本が初めて世界と並んだ瞬間
 二元論による日本回帰/出雲大社と出会う新しい形態/メタボリズムと日本型住宅/川添登という仕掛人/伝統とアヴァンギャルドをつなぐ

第5章 民衆
1 伝統論争
 新建築と古建築/海外におけるジャポニカ・ブーム/日本初的なものへの疑義/地についた国民的デザイン
2 縄文的なるもの――「民衆」の発見
 なぜ日本ブームなのか/戦後における「民衆」の登場/白井晟一と縄文的なるもの/真の施主は民衆

第6章 岡本太郎
1 近代への一撃――硬直した伝統論を解体する
 縄文土器の発見/美術と建築のつながり/日本の地方と民衆
2 ベラボーな建築
 マミフラワー会館という怪獣/建築を内側から食い破る/見てはならない土俗的な怪物/国民的な記憶に刻まれた塔

第7章 原爆
1 原爆モニュメントと「民衆の願い」
 秋田の大きな屋根/民族の表象を超えた「伝統拡大」へ/二つの原爆モニュメント/原爆堂と民衆
2 「混在併存」の思想
 丹下健三とは異なる道を歩んだ同級生/二つの海外旅行が変えた世界観/混在併存の建築/歴史意匠論の意義

第8章 戦争
1 「国民」の様式――建築におけるナショナリズム
 国民から人民の建築へ/一九四七年のもうひとつの著作/戦時下の国家と建築について/前川國男の闘い
2 戦時下の建築論
 新国立競技場問題と戦時下の日本/日本国民建築様式の問題/空間論の系譜に連なる問題提起/戦時下の日本建築論の限界

第9章 皇居・宮殿
1 新しい宮殿
 京都迎賓館のハイテク和室/昭和の宮殿再建計画/新宮殿の建築をどうするか/宮殿問題と建築家の職能
2 明治の国家事業――宮殿造営と赤坂離宮
 明治のプロジェクトX/迷走した明治宮殿/外国人設計者と国家プロジェクト/洋風建築をめざした赤坂離宮

第10章 国会議事堂
1 国のかたちを表象する建築
 世界の中の国会議事堂/日本の国会議事堂/どのような政治空間なのか/日本的なものをめぐる議論
2 国会議事堂はいかに語られたのか
 建築会の今後を背負うプロジェクト/美術界から見た国会議事堂/不満に終わったコンペ結果

あとがき


≪著者: ≫ 五十嵐太郎 (いがらし・たろう) 1967年、フランス・パリ生まれ。東京大学工学系大学院建築学専攻修士課程修了。博士(工学)・専攻は建築史。東北大学大学院工学研究科教授。2008年ヴェネツィア・ビエンナーレ国際建築展日本館コミッショナーを務める。『現代建築に関する16章』(講談社現代新書)、『新編 新宗教と巨大建築』(ちくま学芸文庫)、『映画的建築/建築的映画』(春秋社)、『現代日本建築家列伝』(河出書房新社)、『おかしな建築の歴史』(編著、エクスナレッジ)など著書多数。



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本「世界宗教の経済倫理 比較宗教社会学の試み 序論・中間考察 (日経BPクラシックス020)」マックス・ウェーバー、中山元 訳5

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日経BPクラシックス 第20弾
訳者の中山元さんの解説から、一部抜粋した。

ウェーバーの宗教社会学は、三部構成となっている。その目次を次に掲げてみよう。

<第一巻>

『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』
『プロテスタンティズムの諸宗派と資本主義の精神』
 世界宗教の経済倫理-比較宗教社会学試論
 序論
 第一部 儒教と道教
 中間考察
<第二巻>
 第二部 ヒンドゥー教と仏教
<第三巻>
 第三部 古代ユダヤ教

 この構成から明らかなように、ウェーバーの宗教社会学は大きく分けて、プロテスタントの倫理を考察する『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』および『プロテスタンティズムの諸宗派と資本主義の精神』の部分と、東洋と中東の宗教の倫理を問う『世界宗教の経済倫理』で構成されているということである。この『世界宗教の経済倫理』は具体的には、第一部で中国の儒教と道教を考察し、第二部でインドのヒンドゥー教と仏教を考察し、第三部ではユダヤの古代ユダヤ教を考察するものとなっている。そしてウェーバーはこれらの三つの地域における宗教的な経済倫理は、プロテスタンティズムとどのように異なり、それが資本主義の成立や興隆の実現をどのようにして妨げたのかを、丹念に追跡していくのである。
 これらの三部の考察は大部な著作として残されているが、これらの個別研究とは別に、ウェーバーは宗教倫理と経済の関係について考察する総論に該当する文章を、『世界宗教の経済倫理』に含めている。それが冒頭の「序論」と中国の儒教と道教の考察が終わったところで執筆された「中間考察」である。
 「序論」では、これらの世界宗教の考察の方法論的な点検が行われるが、これは「中間考察」でも続けられており、これは中間的な考察であると言うよりも、序論の議論をさらに展開した文章となっている。


≪目次: ≫
凡例

『世界宗教の経済倫理――比較宗教学の試み 序論・中間考察』

序論 Einleitung
 世界宗教とは/経済的な倫理とは/経済的な倫理と宗教の関係/六大宗教において担い手となった階層/宗教倫理と社会的な階層の関係/宗教倫理とルサンチマンの理論/宗教倫理における「苦難」の評価/幸福の弁神論/苦難の聖化の筋道/教団の成立/救世主の登場/苦難の弁神論/苦行の意味の変化/弁神論の三つの体系/弁神論と宗教および革命理論/弁神論とルサンチマン/富める人々への反感の根拠/救済のもつ現世的な性格/「蘇り」と「救済」/宗教的な意識の担い手による違い/救済における「どこから」と「どこへ向けて」/合理化の要求の帰結/世界像の分岐――合理主義と神秘主義/さまざまな事例/教権政治/政治的な官吏/騎士的な戦士層/農民層/市民層/預言の二類型――模範預言と使命預言/二つの預言の神観念の特徴/神観念のもつ意味/倫理的な合理化と宗教の関係/達人的な宗教団体と教会の違い/カリスマに基づく身分的な差異/達人的な宗教意識と制度的な教会の対立と妥協/日常世界と達人の宗教意識の関係/達人的な宗教意識と俗人の意識との違い/達人たちによる貢献/現世内の禁欲主義/西洋のプロテスタンティズムとその他の宗教の違い/方法論的な指摘/合理主義の諸類型/二つの合理主義/合理主義の諸類型/記述の目的と順序/概念規定/過去の正統性の基礎/カリスマ的な支配の正統性/伝統主義的な支配/身分制的な家産制的支配/君主による支配の確立と合理化/新たな支配者と身分制的な特権の所有者の闘争/官吏層の役割/二つの合理化/合法的な支配と官僚制/中間的な形態/身分に関連した概念/身分状況/階級状況

中間考察――宗教的な現世拒否の段階と方向についての理論 Zwischenbetiachtung: Theorie der Stufen und Richtungen religiöser Weltablehung
 二つの問い
現世拒否の動機について、合理的な構築を試みる理由
 図式的な構築を行う根拠
禁欲と神秘主義の類型学
 禁欲と超越神の結びつき/世俗内的な禁欲をもたらしたもの/禁欲と神秘主義の対立/対立の四つのパターン――現世内的な禁欲と現世逃避的な禁欲、現世逃避的な瞑想と現世内的な瞑想/神秘主義と禁欲の対立の根拠/カリスマ的な預言者と祭司権力/禁欲の二つの顔/救済宗教と合理化/宗教と世界の緊張関係
現世拒否の方向性――経済的、政治的、審美的、エロス的、知的な領域についての考察
 宗教的な同胞意識と現世の秩序との対立/宗教的な博愛倫理の原則/救済預言の原理/宗教的な博愛意識/経済分野における衝突/貨幣のはたす役割/経済との緊張関係への対処/緊張を回避する二つの道/政治との緊張関係/政治との緊張感系の発生/官僚制の問題/宗教と戦争/戦争における共同体感情/死の意味/宗教と政治の対立を解決する道/中間的な解決策/カトリックでは/カルヴィニズムでは/ルター派では/宗教と政治の関係の諸形態/有機体説的な社会倫理の特質/有機体説的な社会倫理の理論と、禁欲と神秘主義の理論/合理的な行為の内的な緊張/難問の解決策/達人的な宗教意識の革命性/宗教的な博愛倫理と世俗の反合理主義――芸術とエロス/芸術と救済の宗教の関係/芸術と宗教の対立の発生/エロス的な領域/宗教とエロスの深い結びつき/宗教とエロスの対立の発生/古代におけるエロスの位置/古代ギリシアにおけるエロス/キリスト教と恋愛/騎士道の愛/エロス的な関係の価値/博愛倫理とエロス的なものの対立/婚姻の意味/婚姻の意味についての人間的な解釈/宗教と知的な領域の対立/宗教の側の解決策
現世拒否の諸段階
 救済要求の内容/弁神論の発生/現世に固有の欠陥。文化、国家、経済、エロスの側面から/二つのコスモスの対立/死の意味の喪失/文化の意味の喪失/現世ぼ価値喪失と宗教/神秘主義的な救済の理論の破綻
弁神論の三つの合理的な形態
 二元論の起源/ゾロアスター教/プロテスタンティズムの予定説/二つの二元論について/インドの弁神論


訳者解説 宗教を横断的に捉える思考の補助線
 『世界宗教の経済倫理』のモチーフと構成/弁神論/救済の宗教/四種類の救済宗教/預言者と信徒/「中間考察」の独特な性格


≪著者: ≫ マックス・ウェーバー (Max Weber) 1864〜1920。ドイツを代表する社会科学の巨人。『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』、本書や『儒教と道教』、『ヒンドゥー教と仏教』、『古代ユダヤ教』からなる「世界宗教の経済倫理――比較宗教社会学試論」、死後にまとめられた『経済と社会』を構成する『支配の社会学』『支配の諸類型』などの政治社会学、法社会学に加え、『古代社会経済史』や『ロッシャーとクニース』など、膨大な著作を残した。
[訳者: ] 中山 元 (なかやま・げん) 思想家・翻訳家。1949年生まれ。東京大学教養学部中退。著書に『フーコー入門』(ちくま新書)、『フロイト入門』(筑摩選書)。『ハンナ・アーレント 〈世界への愛〉』(新曜社)、訳書にウェーバー『職業としての政治/職業としての学問』、『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』(以上、日経BPクラシックス)、ハイデガー『存在と時間 1・2』、カント『純粋理性批判』、フロイト『幻想の未来/文化への不満』、ニーチェ『善悪の彼岸』(以上、光文社古典新訳文庫)、アレント『責任と判断』(ちくま学芸文庫)など。


マックス・ウェーバー 『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神  Die protestantische Ethik und der Geist des Kapitalismus 』(中山元訳、日経BPクラシックス、2010年) '10/05/21
マックス・ウェーバー 『職業としての政治/職業としての学問  Politik als BerufWissenschaft als Beruf, 1919 』(中山元訳、日経BPクラシックス、2009年) '09/05/08


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本「げんきな日本論 (講談社現代新書2391)」橋爪大三郎×大澤真幸5

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皆さん、お待たせしました! 30万部超『ふしぎなキリスト教』でおなじみ、ふたりの社会学者が、痛快無比に語り尽くした「新・日本史」の登場です。土器、古墳、ひらがな、源氏物語、日本刀、安土城、国学・・・・・・ なぜ日本人は、かくもユニークな文化を生み出せたのでしょうか? 日本史にまつわるそもそもの疑問18個を真剣に議論することで、日本そのものの特異さやおもしろさ、現代に生きる日本人の「由来」が、どんどんわかってきます。そしてそれによって、自己を見失っていると感じる人でも、自信を取り戻して元気になれるのです!

「本書は、日本の歴史をテーマにする。
でも、ふつうの歴史の本とは、まるで違う。
歴史上の出来事の本質を、社会学の方法で、日本のいまと関連させる仕方で掘り下げるからだ。本書を読み進むにつれて、読者のみなさんは、まったく見違えるような新鮮な世界が、目の前に開けて行くのを感じられるだろう。
それは、著者の二人にとっても同様である。橋爪大三郎がまず、18の疑問を用意した。
そして、好敵手・大澤真幸と論じあった。二人にとってこの対談は、わくわくする刺戟的な体験だった。誰も(たぶん)考えたことのないようなことを、たくさん語ることができたからである。
そう、本書は、日本列島で起こったあれこれの出来事が、人類史のなかでどういう意味をもつのか、普遍的な(=世界の人びとに伝わる)言葉で、語ろうと する試みである。」――「まえがき」より


≪目次: ≫
まえがき (橋爪大三郎)

はじめに
 連立方程式としてみる/ストーリーをみつける/全体の流れ

第一部 はじまりの日本
1 なぜ日本の土器は、世界で一番古いのか
 日本の自然/日本は行き止まり/自然についての知識/移動か定住か/縄文土器はなぜ古いか/定住と交易/死者のための場所/ネイティブアメリカンとの違い/土器の編年/柳田國男と網野善彦/アンビリニアル/縄文と弥生/どうやって中国文化が伝わったか/イギリスとの違い
2 なぜ日本には、青銅器時代がないのか
 青銅器とは/青銅器は、貴族制をうむ/鉄器の登場/車輪と戦車/クニとクニ/都市国家は戦争マシン/日本の戦争は、ゆるい
3 なぜ日本では、大きな古墳が造られたのか
敵との線引き/平和のため?/古墳時代の軍事力/王の権力/青銅器の役割/天皇制なのか/なぜ王制に?/倭とは?/他称と自称
4 なぜ日本には、天皇がいるのか
 王朝の交代?/ウジとカバネ/血縁集団と名前/漢字を当てる/王と、大王/カミを祀る/神と天/日本に天がない理由/征服によって認めさせる/詫び状を入れさせる/カエサルの逆説
5 なぜ日本人は、仏教を受け入れたのか
 中心と周縁/仏教を取り入れた背景/仏教は、普遍思想/仏教のもたらす矛盾/それでも字が読めた/拒絶しつつ受容する/精神世界の二重化/漢字は意味をもちこむ
6 なぜ日本は、律令制を受け入れたのか
 朝鮮半島の地政学/中国軍は強い/天の観念を輸入できるか/カミと天/果たして律令制か/律令制の不思議/血統証明が不要

第二部 なかほどの日本
7 なぜ日本には、貴族なるものが存在するのか
 貴族とはどういうものか/中央政府のポスト/ヨーロッパの貴族/律令制と貴族/貴族はなぜ武士でないか/家産官僚でもない/土地を支配するということ/所領に住むか住まないか/荘園はネコババか/荘園の利害打算/農民のメリット/国家財政の窮乏/協会領と封建領主/協会は死なない/寺社領の不思議/寺社領か公家領か/中央政府の空洞化/クーデターが起きない理由/天皇の統治権/「空気」の支配/『古事記』『日本書紀』の戦略/贈与と税
8 なぜ日本には、源氏物語が存在するのか
 漢字と仮名/万葉仮名/表音と表意/仮名の登場/漢字の重み/三つの仮名/片仮名の特性/カタカナ先習/なぜ、両方あるのか/平仮名と音の体系/漢字は外のしるし/音読み、訓読み/古典の成立/ラカンの仮説/女性と宮廷文学/カウンター世界
9 なぜ日本では、院政なるものが生まれるのか
 摂関政治の不思議/妻の父の権力/通い婚の戦略/摂関政治の論理/田中派の論理/院政という可能性/院政の秘密/律令制の影/武家政治と院政/貴族の没落
10 なぜ日本には、武士なるものが存在するのか
 武士とはなにか/馬に乗る武者/最初は馬を飼う人びと?/押領使の任命/貴族は武装した/馬はなぜ大切か/軍のリストラ/武士はビジネス/運輸を制する/騎兵なのか/武士のルール/武士は実利的/武士はイエか/封建契約/契約から運命へ/税金逃れ
11 なぜ日本には、幕府なるものが存在するのか
 ふしぎな幕府/右近衛大将の意味/公家と武士/名目と実質/承久の乱/農民から見ると/頼朝の作戦/王朝交代ではない/南北朝の争乱/武士は脆弱/朝廷との距離/後醍醐天皇はどこが変?
12 なぜ日本人は、一揆なるものを結ぶのか
 農民の自立性/惣村の成立/都市と農村/平等で自由/惣村は社会を変えうるか/農民と領主/国人一揆/一向一揆の論理/一揆の限界/農民と武士の機能分化

第三部 たけなわの日本
13 なぜ信長は、安土城を造ったのか
 斜陽の室町幕府/誰が戦国大名になるのか/正統性の創出/戦国大名・信長/信長の安土城と天皇/天皇をしのぐ権力/天守閣とはなにか/空中の信長/もし信長が生きていたら/信長が殺される理由/直属軍がいるか/武力を超えた権威/信長とキリスト教/後醍醐と信長/武士という矛盾
14 なぜ秀吉は、朝鮮に攻め込んだのか
 後継者・秀吉/後継者を意識した/秀吉の手法/明を征服すれば・・・・・・/朝鮮出兵の焦り/戦争マシン/消極的な気分/領地が報酬/統治のルールが違う
15 なぜ鉄砲は、市民社会をうみ出さなかったか
 鉄砲開発の目的/鉄砲は社会を変える/テクノロジーと戦争/鉄砲と集団戦/武士が鉄砲を支配する/兵農分離/鉄砲は、反武士的/鉄砲とパイク兵/オスマン帝国の軍隊/鉄砲と刀/鉄砲に対する軽蔑/鉄砲を統制する
16 なぜ江戸時代の人びとは、儒学と国学と蘭学を学んだのか
 江戸時代とは何か/絶対王政ではない/徳川の平和/空気を読む大名たち/正統性が弱い/武士が行政をやる矛盾/なぜ儒学か/武士の悩み/イエ制度の実際/イエの定義/意識されたイエ/イエは幕藩制の効果/イエ制度のなかの自由/江戸時代の社会/武士と行政文書/鎌倉仏教と江戸儒学/町人の儒学/日常と儒学/主君のため、イエのため/朱子学と幕藩制/テキスト原理主義/古代にさかのぼる/儒学と国学/中国ローカルなコンテキスト/宣長と源氏物語/古事記研究/儒学と宣長/道論争/実証とフィクション/蘭学というメソッド/デリダ的補助線
17 なぜ武士たちは、尊皇思想にとりこまれていくのか
 尊皇思想の原点/新井白石と山崎闇斎/朱子学と尊皇論/天皇と教皇/無条件の服従義務/忠誠の宛て先/尊皇運動の根源/幕府はなぜ財政難なのか
18 なぜ攘夷のはずが、開国になるのか
 幕府内部の論争/独立を全うできるか/和親条約の効果/親米感情/戊辰戦争の背景/刀か鉄砲か/幕藩制と同胞意識/大勢に従う/四民平等/流動性が高かった

あとがき (大澤真幸)


≪著者: ≫ 橋爪大三郎 (はしづめ だいさぶろう) 1948年生まれ。東京大学大学院社会学研究科博士課程単位取得退学。社会学者。東京工業大学名誉教授。著書に『はじめての構造主義』『はじめての言語ゲーム』(ともに講談社現代新書)、『ほんとうの法華経』(ちくま新書)、『戦争の社会学』(光文社新書)などがある。大澤氏との共著『ふしぎなキリスト教』(講談社現代新書)で、新書大賞2012を受賞した。

≪著者: ≫ 大澤真幸 (おおさわ まさち) 1958年生まれ。東京大学大学院社会学研究科博士課程修了。社会学博士。千葉大学助教授、京都大学教授を歴任。著書に『ナショナリズムの由来』(講談社、毎日出版文化賞)、『不可能性の時代』(岩波新書)、『〈問い〉の読書術』(朝日新書)、『自由という牢獄』(岩波書店)などがある。


橋爪大三郎×大澤真幸 『ふしぎなキリスト教  Wonders In Christianity 』(講談社現代新書、2011年) '11/11/11



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