みずうみ
著者: 川端 康成
文庫: 153ページ
出版社: 新潮社; 改版版 (1960/12)



衝動に駆られて・・・、ということも、ある意味においては人間の本能なのであろうか?!


美しい女性を見ると、憑かれたように後を付ける性癖(?!)を有する男の物語。
教え子(久子)との密会(恋愛事件)が故に教職を追われ、街で後を付けた女性(宮子)の恐怖心から放たれた現金20万円(大金!!)が入ったバックを手にしたが故に、その不安から軽井沢に逃避行をする桃井銀平。
宮子は、20万円という大金が表に出せないお金であるが故に、また彼女自身の男に後を付けられることに対する快感を感じる性癖(?!)を有するが故に、被害届けを出さない(出せない)。彼女は、70歳の女性嫌い(?!)の有田老人に囲われている。
有田老人は女性が苦手で、女性の嫉妬心を毛嫌いする。
銀平は、秋口の軽井沢で着衣を換え、トルコ風呂に入る。
美しい女性たちとの出会いと、情景と背景と、現実と記憶と想像と妄想と、その意識の流れと。

しかし最後には、異様ないでたちの薄ら汚れた下品な女性に後を付けられ、何か互いに感じるものがあり、安酒場で酒を酌み交わす。まるで、蛍狩りで見た美しい夢幻の少女を求めるために、現実のみにくい(?!)女性を目の前にしていると錯覚すら起こさせる不思議。

思い起こされる母との思い出、故郷の神秘的なみずうみ。

ノーベル文学賞作家川端康成の傑作! ☆×5つ!