四畳半神話大系
著者: 森見 登美彦
単行本: 290ページ
出版社: 太田出版 (2004/12)




やっぱり”森見登美彦”は、スゴイ!

実は、久し振りの”森見登美彦”は、すっかり忘れていた公立図書館のWeb予約の準備完了メールから。独特の世界を、多彩で巧みな言葉たちを操って展開させる手法に、強い興味を抱き、単行本化されている著作「太陽の塔」、「きつねのはなし」、「新釈 走れメロス 他四篇」と、手にする度に深まる興味。それでも、人間は”忘れる”生き物であり、まぁ、それは一方では、だからこそ愉しく生きることができるのであろうが。
正直、300ページ弱の厚みのある著作で、ページに上下二段の、豊富な文字数に、軽い恐怖心を抱いた。たまたま、ここのところ、何冊か続いたリアルなビジネス書に惑い、個人的な情事から集中力を欠き、同時に図書館から準備完了の著作も500ページ近い著作であったこと、などなどが、重なったことに起因するのではあろうが。

そしてまた、物語の展開が、お得意の京都、大学生、不毛な青春、うら若き黒髪の乙女、、、
哀しいほどに、頭に入らない。それでも、「私は森見登美彦が好きなんだ! 畜生(!?)登美彦の世界を知りたいんだよ〜!?」、などと、自らとの闘いを挑み続け、ひたすら文字を追う。一方で、「だったら止めれば〜♪」、と囁く軟弱な自らとの闘いは、何とも面倒臭い自己満足の世界であり、きっと「だったら止めれば〜♪」が、圧倒的に正しい(?!)ことも承知しつつ。

であるから、ここからは”ネタばれ”になるのかな?!
物語が、タイトルにあるとおり”大系”として、四つに分かれていている。
京都大学三回生の春、”私”が振り返る二年間が、二つ目の物語で全く同じ始まり方をし、ほぼ同じ様な展開を見せ、似たシーンがフラッシュバックし、同じ結末を迎えた瞬間に感じた、軽い嫌悪感。正直に言っちゃうと、嫌悪感であり、違和感であり、を感じちゃった。それでも、同じような展開であろう三つ目の物語を、ほぼ予想通りに読み終えた瞬間に感じた期待感。
「さぁ、森見登美彦は、私にこれだけの根気を持たせて、これだけの文字数を読ませ、相当の時間を費やさせたということは、どれだけの”お愉しみ”を与えてくれるのであろう?!」、と。
何ともいやらしく、驕った考えであるが、心の底から、そう思った。この世の中は、ギブアンドテイクでしょ?!、選んだ私の自己責任は否定しないけれども、それでもやっぱり、提供したものの十分の一ぐらいは、せめて百分の一ぐらいは取り戻したい、それくらいの権利はあるでしょう!?、あ〜、面倒臭い奴♪


ワクワクしながら、物語を愉しんだ♪

流石に大満足とまではいかなかったけど、だって掛けた労力と同等以上の満足感を得ることができなかったから!?、「えっ、欲張り?!、さっき、十分の一でも、百分の一でも、って言ったじゃない?、人間の感情なんて、そんなものでしょう♪ コロコロコロコロ変わって、気紛れで。だから上手くいくことだって多いんじゃない♪?!」
で、映画の様な、映像が浮かび上がり、そして、ミステリーのように謎が謎を呼び、「あっ、なるほどね!、そういうことだったのね!!」、と紐解かれ、明らかにされる物語。

親友の”小津”との深い友情。若者(若い男)の、ある意味では、男女の愛より深い”愛”!?、絆、”青春”!
”四畳半”の美学。正方形の部屋の安定した空間。ひとりの居住空間としての正当性、決して広くはないけれど、必要最小限でありながら、身の丈に合った、支配可能な空間。四畳半の空間にに宿る哲学!?
占い師の予言。”コロッセオ”
黒い靄のような、蛾の大群。
「海底二万海里」
多分、表紙に描かれている?!可愛らしい「もちぐま」


小津は言い放つ、
「慰めるわけじゃないけど、あなたはどんな道を選んでも僕に会っていたと思う。直感的に分かります。それでいずれにしても、僕は全力を尽くしてあなたを駄目にしちゃうからね。運命に抗ってもしょうがないですよ」












 公式サイト(ブログ) 『この門をくぐる者は一切の高望みを捨てよ』 (http://d.hatena.ne.jp/Tomio/)