旅 2007年 09月号 [雑誌]
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書評/旅行・娯楽



本が好き!PJ”からの献本。
ヴァカンス特集”南イタリアアマルフィ海岸”は、世界一美しい海岸と言われ、1997年にユネスコ世界遺産(文化遺産)に登録された。周囲を断崖絶壁の海岸に囲まれ、小湾の奥に位置する小規模な浜に作られた港から、断崖上に向かって形成されている小さな街”アマルフィ”。その起源は、古代ローマ時代まで遡り、既に9世紀には、海洋共和国の首都、貿易の拠点として発展し、11世紀に最盛期を迎えた。 〜Wikipediaより
特集のトップページの見開きは、夕暮れ迫る”アマルフィ”の街並み。連想しちゃったのは、熱海の夕景(↓)、もっともっと武骨な険しい自然が色濃く残る、旧い歴史が漂う街並み。



表紙の写真のアマルフィも素敵。
海の青、建物のオレンジ色や白が、南イタリアの強い陽射しを受けて輝く。
街のカットからも溢れる光、色彩。街だって建物だって、日本のように、新しくピカピカって訳じゃないのに、どちらかといえば、古惚けた、遣い込まれて草臥れた(?!)モノばかりなのに、ちっともそんな印象を受けなくって、とっても誇らしげに見える。それはきっと、陽気なオーナー達の愛情をタップリ注ぎ受けて、丹念に手入れされているから?!、照り付ける強い陽射しがなせる技、歴史や風土に築き上げられた文化なのかしら?!
それとも、単なる私の強い憧れ、思い込み?!

光や色彩への興味は、クロード・モネモネ 大回顧展 -国立新美術館」から。
「睡蓮」であり、「積みわら」であり、雪の白色、霧に煙る川面を照らす弱い陽射し、、、 何気ない一枚一枚の絵から、溢れる色、光。同じ風景・景色を眺めても、それを捉える感性であり、その表現方法・手法によって、全く異なる表情を見せる。
”本物”といわれる所以。歳月を経ても、なお多くの人々に愛され続ける。

旧い歴史に彩られた街を彩る”白”。
強い陽射しに映える。手入れの容易さも、その重宝される理由のひとつであろう。よくよく見ると、光り輝く純白には程遠いけれど、それでも籠められた愛情は、純白の輝きに劣らない。
著名な画家たちも訪れたであろう、旧くから残る、歴史に彩られた街。

記事を読み込むと、やっぱり興味を抱かれるのは”ラヴェッロ”、アマルフィ・コーストの高台に位置する。
本質的な””の醍醐味とは、本来、日常と非日常の混濁の中に、その意義を有するのであろうか?!


”小さな町へ・小さな旅”は、”埼玉・秩父”。
旧くは巡礼地(秩父三十四箇所)として、絹織物(秩父銘仙)の産地として栄えた山間の歴史溢れる街。
街を見守る、石灰岩の掘削によって岩肌が剥き出しの武甲山。この人間社会の文明の栄枯盛衰を見守ってきた。だから、リアルな石灰岩の掘削による変形を受け容れる。近代資本主義経済の発展のために、身を呈する。その生々しく、痛々しさが漂う風情から、目を逸らすことは赦されない。それでも、それも現在に至る歴史上に必要とされる1ページでしかない現実。そういう歴史があった、でしかない。

リアルな現実社会への拒否反応を示す私にとっての、貴重な情報源。”旅 プライベートアイズ”に紹介される、映画「長江哀歌」であり、”旅に持っていく本。”に紹介される著作たち。

”旅”の日常との隔離によって生じる”非日常”は、十二分に物語として成立し得る。

世知辛いリアルな現実を生きる私たちに、絶対的に必要とされる”旅”。おしゃれをして、いざ!