二度はゆけぬ町の地図
著者: 西村賢太
単行本: 165ページ
出版社: 角川書店 (2007/11)




きっと次も、うん、間違いなく読んじゃう、”西村 賢太"。
そう、出会いは一年前(2007.1.16読了)、新潮社から”本が好き!PJ”経由にて献本の「暗渠の宿(2006.12)」。すぐに、講談社「どうで死ぬ身の一踊り(2006.2)」(2007.2.7読了)に遡り、何とも他人事とは思えぬ言い得ぬ興味から、次回作を期待しつつも時が過ぎ、つい先日に何かの機会にふと目にした、『芥川賞候補 西村賢太』のニュース。で、「あら、新刊本が出てたのね!?」という訳で、ハハハハハッ(?!)と読了。

角川書店HPの詳細情報には、”これが平成最上のエンタメ私小説だ。 読んだ者を爆発的な共感と笑いの渦に落とす、現代文学に彗星のごとく現れた私小説の救世主。”と。


そうだよね。僕だって「こいつキッツイなぁ〜」から入って、当然に全くの他人事。自分のことなどすっかり棚に上げて、「最低最悪!、どうしようもないクズだ、カスだ!」と扱き下ろす。でもね、すぐに気が付く、「あっ、似ているかも・・・やべっ、もしかして俺と変わらないじゃん!?」って。気が付いちゃった瞬間に、思考回路は高速回転する。既に最低最悪と扱き下ろした対象イコール自分自身となっちゃう現実に直面して、迫られる判断。
「果たして、自分は最低最悪なのか?」、「最低最悪な自分」、求められる究極の選択!、認めるも地獄、認めぬも地獄!?
最低最悪な自分はカッコ悪い、恥ずかしい。それを自ら認めてしまうのは、さらに耐え難い屈辱。であるならば、仮面を被って、見せ掛けだけでも無関係を装って、他人事で通せばいい。表面を取り繕えば、大丈夫、ばれない、ばれるはずなどない。とりあえずは、どうにも気になって仕方がない最低最悪な輩なんぞ、直視するのは止めてしまおう。目に入らなければ気にならない、考える必要もなくなる。スイッチオフ、意識レベル低下、プツン、ツゥ〜〜〜。
ねぇねぇ、あれどうなったのかなぁ。気になるなぁ。
ちょっとだけ、こっそり覗いてみようかぁ。ちょっとだけ、ちょっとだけ、ホントにちょっとだけだよ、そ〜っとちょっとだけ見たら、そのまま元に戻しておけば、誰にもばれないばれない、分かりやしないよぉ。



≪目次: ≫
 貧窶の沼         「野性時代」平成19年7月号
 春は青いバスに乗って 「煉瓦」29号(平成16年1月)
 潰走            「野性時代」平成18年2月号
 腋臭風呂         「野性時代」平成18年12月号