考える人 No.24 2008年春号 [特集 海外の長篇小説ベスト100] Plain Living , High Thinking.
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書評/海外純文学



新潮社”より“本が好き!PJ”を経由して献本、御礼!

海外の長篇小説ベスト100」とは、何とも壮大な企画で、編集部が選んだ200名を超える方々の中から回答を寄せた、作家、批評家、翻訳家、文学研究者、新聞記者、エッセイスト、脳科学者、哲学者、精神科医、、、さまざまなジャンルの書き手総勢129名のアンケート集計結果が公開される。
ランキング企画だから、順位をつけるのが目的で、栄光の第1位から第13位までは大きく取り上げられていて、ベスト100位の全リストがあって、さらに101位以下同点249位まで全274作品が一挙公開。
参考資料としてのアメリカ、イギリス、フランス、ノルウェイの各国での名作小説ベスト100、ベスト50リストも掲載されていて、検証座談会[青山南加藤典洋豊崎由美]があったり、ロングインタビュー:丸谷才一池澤夏樹、、、ほとんどお祭り気分で、「さぁ、どれから読んでみようかなぁ♪」
登場される方々が、みんな迷いに迷って、とにかく愉しそう。時に幼少の頃の読書体験にまで遡って語られる解説やアンケートの数々は、それを読むだけでもワクワクする、幸福体験の共有!?、順位はともかく(異論反論はあろうけど)、参加すること、愉しむことに意義がある。何より、歴史的長篇小説を新たに見直すキッカケとも。

そう、長大で難解な歴史的文学作品に対する憧れ(?!)から、挑戦しなければ!、との願望は持ち続けている。それでもついつい、長大で難解にあらざる著作に手を伸ばしてしまう根性なし。
簡単に誰でもが読みこなせてしまう文学作品は、その人気が長く続くことはない。長い歳月を経てなお高い人気を誇るだけの理由であり、魅力を備えた長篇小説、積読リストに加えていこう!


ところで、編集長 松家仁之が説く、イギリスの詩人ワーズワースが書き遺した、“Plain Living , High Thinking.(シンプルな暮らし、自分の頭で考える力)”的な在り方。

考えることを忌避しても、生きていける。むしろ、世の中の速い流れに乗るためには、考えることを停止してしまった方が、かえって順応が容易なのかもしれない。じっくりと考えてばかりいると、世の中の速い流れには遅れてしまって、追い付くことに困難が生じる。
ところで、自らの意思で考えることを放棄して、流れの速い世の中に合わせることに、流されて生きることに、何の意義があろう。人それぞれ、それぞれに在り方、生き方、考え方が違っていいじゃないか。

現代社会において、“考えている”書き手の方々が書き記した読み物に触れ、そしてまた考える。