本「恋の都」三島由紀夫
恋の都 (ちくま文庫)
著者: 三島由紀夫
文庫: 314ページ
出版社: 筑摩書房 (2008/4/9)




ぼくにとっての三島由紀夫 (1925.1.14-1970.11.25)とは、橋本治 (1948- )で、つまりは論説「「三島由紀夫」とはなにものだったのか (新潮社,2002.1、新潮文庫,2005.10)」である。と言ってしまうぼくにとっての三島由紀夫デビューとなる本作「恋の都 (1954)」は、どこを探しても見つからない!?、どうやら『主婦の友』の連載小説で、「決定版 三島由紀夫全集 4 (新潮社,2001.3)」をテクストに、文庫化。文庫化にあたって、改められた現代仮名づかいは、本来的には趣が削がれてしまうのであろうけれども、正直読み易くてありがたい。
手にしたキッカケにいたっては、同じくちくま文庫から再文庫化された、橋本治「貞女への道 (2008.2)」で、こちらも、主婦の友社から、1987年に刊行された著作だった。
こうした新たな文庫化は、今あらためて読んでおきたい著作に触れる好機。

しかし、三島由紀夫のへヴィーな、ガツンとくるやつ!?、を欲していたぼくは、すっかり肩すかし。26歳の女性の恋の物語は、女性読者を対象として、女性の立場や心情を深く想像するまなざしで描かれる。

そこに今、あらたに文庫化された狙いがあるのであろうか?!、すでに三島由紀夫を精しく知るベテラン読者よりも、むしろ、これから「三島由紀夫とか、読んでみようかしら?!」というような、若い人(女性?!)が読んで愉しいと思ったのかどうなのか、ぼくはすでに若くもなければ、何よりも三島由紀夫の著作を初めて読むのであり、語るに値しない。


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