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テポドンを抱いた金正日 (文春新書)

○著者: 鈴木琢磨
○出版: 文藝春秋 (2006/10,新書 224ページ)
○価格: 767円
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佐藤優”との対談共著『情報力 情報戦を勝ち抜く“知の技法” (イースト・プレス,2008/5)』から、「とりあえず読んでおこう♪」と。

成田から直行便で飛べばわずか三時間ほど、東アジアの半島の、そのまた北半分のちっぽけな国、一九四八年九月九日に創建された朝鮮民主主義人民共和国を、賞味期限切れの社会主義を後生大事にし、二千万の人民をいまだに食べさせられない状態で父から引き継いだ金正日とは、そもそもなにものなのか。その素顔を知らずして、彼の国は知りようがない。右へも左へも舵を切れるのは彼ただひとりである。平壌ウオッチの難しさは、その希代の独裁者の、よくいえば奇想天外、悪くいえばでまかせの発想がまるで読めないからである。テポドン2号発射の真に意味するところなど、CIAですらつかめていないのではないか。それはまともな頭で考えようとするからであり、コンピューターで計算しようとするからである。金正日の国は神話の国なのである。徹頭徹尾、神話の国なのである。奇妙キテレツ、ウソで塗り固めた。 (P.13)



≪目次: ≫
プロローグ テポドンの朝
本書関連家系図
第一章 肖像が消えた
平壌の奥深くに眠る、二枚の写真/「親の七光り」に照らされて/「親子であって、親子でない」パフォーマンス/二君に仕えぬ“忠臣”へのおもねりと警戒
第二章 先軍神話
後継への執念が“大河ドラマ”を生んだ/「タバクソル」は聖地となった/煮えたぎる七年間/神話にはキーワードが必要/テポドンという祝砲/“目の上のたんこぶ”を神にまつりあげる/秀吉からテポドンへ!?/「ポスト金正日」を愛せ/いまさら軍事優先だけでは、説明がつかない/祖父・金亨稷の「南山の青松」/あの世からの「世を継いで」/ぼんぼんなりのご機嫌うかがい
第三章 大阪生まれのオモニム
美人舞姫/かつては実母・金正淑の尊称だった/お世継ぎを生み育てた忠臣/力道山帰国工作/ダメ夫の尻を叩きまくる/軍までも動かす/仲むつまじく、二人三脚/「千年も万年もお若く」――美人おばさんへの気遣い/スパイに「無慈悲な鉄砲」を加える/そろいの灰色の防寒ジャンパーを着て/“究極の銃”だけを信じて/金正男は神話化されなかった
第四章 虚飾に汚れた白頭山
聖人降臨/ソ連生まれの「ユーラ」/出生地を建設せよ/女優のサバ読みにあらず/朝鮮総連の「世襲」工作/開放を“盗む”やつら
第五章 粛清、粛清、また粛清…
“鋼鉄の霊将”、すこぶる傾倒/スターリン批判始まる/天才少女、猛虎のように戦う!?/「個人崇拝」がアキレス腱/開放したのはソ連軍
第六章 映画狂
父の「カリスマ」「軍歴」コンプレックス/日本の左翼映画人が惜しみなく協力/「くさび」と「ヨイショ」のために/文化大革命が始まる/“イアーゴ”への猜疑心を露わに/実学を勧めただけで処刑/「赤旗歌」で一夜を明かす/「五・二五教示」は個人崇拝の印籠/二世のお坊ちゃんの“手柄”
第七章 1978年、拉致の季節
石橋を叩いて、叩いて渡る/還暦を機に、バトンタッチ/一歩ずつ、一歩ずつ、権力の頂点へ/とりまきたちがフル回転/「けっしてバカやあほうではございません」/めぐみさんたちを恐怖のどん底に/T・K生は知っていた/「漢江の奇跡」にあせる/「日朝平壌宣言」は“降伏文書”
第八章 美貌のテロリスト
老父は枕を高くして/世界一、主体性ゼロの広告塔/キム・イルセン、ソ連に連れられて“凱旋”/そんな「活動」は伝記に載せられない/朴正煕暗殺に乗じて/妨害むなしく、オリンピックは大成功
第九章 檀君発掘
朝鮮人のすっぴん姿にのけぞる/龍は飛び、天女は舞い、サンチュは芽を出す/金正日誕生で富士山大噴火/米国防総省のコンピューターから予言の声が/ここ掘れワンワン、あーら不思議/檀君陵が世界の中心/「私の初恋は音楽です」/合唱団とオモニムが「先軍」を担う
第十章 キネマの王国
金賢姫、女優デビュー/総合プロデューサーは金正日/消された美少女/二十年後に再指名/映画で人生を狂わされた人々/王子はエリック・クレイトンに夢中/映画人はすべて知っている
本書関連年表
あとがき


≪著者 :≫ 鈴木琢磨  1959年、滋賀県大津市生まれ。毎日新聞編集委員。大阪外語大学朝鮮学科卒。TBSテレビ「みのもんたの朝ズバッ!」コメンテーター。著書に『金正日と高英姫』等がある。



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