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本「幸福な無名時代」ガルシア・マルケス
幸福な無名時代 OBRA PERIODISTICA , VOLUMEN :DE EUROPIA Y AMERICA 供1955-1960  Gabriel García Márquez (ちくま文庫)

○著者: ガブリエル・ガルシア=マルケス、旦敬介 訳
○出版: 筑摩書房 (1995/3,文庫 209ページ)
○価格: 735円
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なるほど、スペイン語世界に流通している「私が幸福で無名だったころ」ないしは「私が幸福で無知だったころ」という意味の題名をもっている本(Cuando era feliz e indocumentado 1973 ?!)と同一ではないと“あとがき”に説明される本書『幸福な無名時代』は、翻訳の底本として『ジャーナリズム作品全集』第六巻『ヨーロッパとアメリカ大陸から 第二集 (1955-1960)』を使い、そのなかから三分の一ほどを選んで訳出。
描かれるのは、1958年、激動のベネズエラの首都カラカス、六年間続いたペレス・ヒメネス将軍の独裁政権が崩壊し、民主政権への移行により謳歌される自由の一方で、たえずクーデターの噂が飛びかう不安な政治社会情勢、ルポルタージュ。それでも、検閲や公安警察の監視からの解放は、1955年7月以来およそ2年半にわたり駆けずりまわったヨーロッパ(旧大陸)遍歴――スイス、ジュネーブ、ヴェネツィア、ウイーン、ローマ、フランス、東ドイツ、ハンガリー、ソビエト連邦――は、一年に満たずして特派員(記者)としての職務が途切れて、その後に、金も仕事もなく(時間ばかりがあった)、定住することもなく移動し続けた経験があったからこそ、生み出された小説の方法での作品たち♪


≪目次: ≫
市民が通りを埋めた日
(『モメント』誌 1958年1月24日号 ,プリオニ・アプレヨ・メンドーサと共同執筆)
戦う聖職者
ミサに行かない内務大臣。しかし説教の内容は知っていた。/一時間半のうちにエルナンデス神父は反政府活動家になった。/カテドラルにビラの雨。公安警察は機会をうかがう。/五人の聖職者を投獄。政府は崩壊の道を走りはじめる。/縦横無尽の活動家、アルバレス神父。/蹂躙された教会のなかでは負傷した司祭が助けを待っていた……
(『モメント』誌 1958年2月7日号)
命の猶予は十二時間
午前六時、キッチンに犬の死体/十二時、テレビのSOS/「月曜日では遅すぎる」/最後に一分、七度五分の熱
(『モメント』誌 1958年3月14日号)
杭につながれて四年
すべてが怖ろしかった。インディオの娘たちの愛撫までが。/鸚鵡がダイヤモンドを食べる街で空腹と戦う。
(『モメント』誌 1958年1月10日号)
潜伏からの帰還
完璧な脱獄のためには、女が七時半に来なくてはならない。/四台の車を乗りついで一番安全なアジト、日常生活へ。/「あのかわいそうなケリーさんと会ったら……」
(『モメント』誌 1958年1月24日号)
さよならベネズエラ
五千人の失業者。返事はひとつ、「もう繰り延べは認めない」/第二世代が作ったアメリカ大陸。/独裁が犯したもうひとつのいんちき、「門戸開放」政策。/ガリャルディ最後の手管。/すべての移民が去るわけではない。
(『モメント』誌 1958年2月28日号)
七つの死――真相を追って
カラカス在住シチリア人の怯え。どうして死が追ってくるのか、誰にもわからない。/「ダイナマイトの上はあぶないぞ」公安警察の声が取材をストップ。/「きみらが殺すべき人物その名はペレス・ヒメネスだ」/ローマ靴屋のパーティを二十人の隊員が監視する。
(『モメント』誌 1958年5月16日号)
1958年6月6日、干上がったカラカス
もしあした雨が降ったら、このルポルタージュは嘘だったということになる。六月に入ってまだ雨が降らなかったときに読んでみること。/異変の最初の兆候――庭に水をやる婦人。/通りで鼠が渇き死ぬ。政府は冷静な行動を呼びかける。/ロス・テケスへの脱出。日射病で死んでいく市民。/完全な沈黙。最後の瞬間まであと一分。
(『モメント』誌 1958年4月11日号)
ベネズエラは犠牲を払うに値する
数字で見る現実/十五万の会社役員作戦/実名において
(『ベネスエラ・グラフィカ』誌 1958年8月15日号)
ベネズエラを揺さぶった七十二時間
最後の夜が明けた/第二ラウンドは将軍の負け/おいしいテレビ朝食/陰謀の七騎士
(『ベネスエラ・グラフィカ』誌 1958年8月1日号)
続七十二時間・憶測の彼方で議長は一服
人はいかにして大統領候補になるか/口を閉ざして……/イエス……か……ノーか?
(『ベネスエラ・グラフィカ』誌 1958年8月8日号)
貧困のなかの楽園
(『ベネスエラ・グラフィカ』誌 1958年7月25日号)
セネガルの譲渡
十時四十五分、ひとりの男がおずおずと声をあげた――「七万ボリーバルだ」/出走十五回にして無敗/謎――独裁政権の馬はいつも勝つ。
(『モメント』誌 1958年5月2日号)

訳者あとがき/旦敬介
文庫版あとがき/旦敬介


≪著者: ≫ ガブリエル・ガルシア=マルケス Gabriel García Márquez 1928年、コロンビアに生まれる。18歳で新聞記者となり、ヨーロッパ、ベネズエラなどでジャーナリストとして活動。後、メキシコで創作に精進。『百年の孤独』で作家の地位を確立。1982年ノーベル文学賞受賞。主な作品に『族長の秋』『エレンディラ』などがある。

≪訳者: ≫ 旦敬介 Dan Keisuke 1959年、東京生まれ。東京大学教養学科フランス科卒業。同大学院総合文化研究科修士課程中退。専攻、ラテンアメリカ文学。明治大学助教授。著書に『ラテンアメリカ文学案内』(共著、冬樹社)、訳書にバルガス=リョサ『世界終末戦争』(新潮社)がある。


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