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芸術の体系  Title:SYSTÈME DES BEAUX-ARTS 1926 Author:Alain (光文社古典新訳文庫)

○著者: アラン長谷川宏
○出版: 光文社 (2008/1,文庫 544ページ)
○価格: 960円
○ISBN: 978-4334751470


一九一四年、第一次世界大戦が勃発し、フランスがドイツにたいして宣戦を布告すると、アランはみずから志願兵として前線に立つ決意を固めた。砲火のなかで戦争を考え、戦争の是非を判断する。それがアランのみずから選んだ道だった。従軍を決意した心境を、友人宛ての手紙のなかでアランはこう記している。「目の前に火事が起こったのと同じで、最大限可能なことは、言うまでもなく(詭弁は無用)武器を取ることだ。それが兵役を志願した理由だ。」
時にアランは四十六歳。召集本部は年齢を考えて軽微な勤務を用意するが、アランは重砲兵隊勤務を希望し、希望通り、重砲第三連隊に配属される。以降、一九一七年十月まで、およそ三年間の従軍生活を送った。
ヴェルダン付近の激戦に参加し、踝に傷を負って入院もしたが、そうした戦闘の合い間にアランはいくつもの原稿を書きつづけた。『芸術の体系』は、そのようにして書かれたものの一つだ。草稿は、従軍生活の最後の十か月、一九一七年一月八日から同年十月十六日にかけて書かれた。 (P.523-P.524、「解説/長谷川宏」)


≪目次: ≫
はじめに
第一章 創造的想像力

1 想像力/2 夢と夢想について/3 像と対象について/4 人体について/5 情念のなかの想像力/6 対象に固有の力について/7 素材について/8 儀式の作法について/9 自然に即した分類について/10 芸術の一覧表
第二章 ダンスと装飾
1 軍隊のダンスについて/2 馬術その他の芸術について/3 曲芸師について/4 愛のダンスについて/5 宗教的ダンスについて/6 衣装について/7 流行について/8 装飾について/9 礼儀について/10 快適と優雅さについて/11 人体の美しさについて
第三章 詩と雄弁
1 話されることば/2 記憶術としての詩について/3 詩と音響学について/4 詩のリズムについて/5 叙事詩について/6 哀歌について/7 瞑想詩について/8 寓話について/9 雄弁と音の響きについて/10 情念と雄弁について/11 説得の芸術について/12 雄弁の種類について
第四章 音楽

1 リズムのある音について/2 音とメロディについて/3 民謡について/4 合唱について/5 楽器について/6 ハーモニーについて/7 模倣と変奏と装飾について/8 音色とオーケストラについて/9 音楽の種類について/10 音楽的表現について
第五章 演劇
1 演劇の形式について/2 悲劇と運命について/3 登場人物の性格について/4 劇詩について/5 音楽劇について/6 朗踊と動きについて/7 涙について/8 笑いについて/9 喜劇の力について/10 情念の真実/11 喜劇の教訓について/12 パロディと道化音楽について
第六章 建築
1 動く芸術と動かぬ芸術について/2 遠近法について/3 形について/4 記号について/5 装飾について/6 家具について/7 都市について/8 民衆建築について/9 機械について/10 様式について予備的考察
第七章 彫刻
1 模倣とモデルについて/2 形の創作について/3 運動について/4 情念について/5 言語としての彫刻について/6 寓意について/7 衣装について/8 胸像について/9 裸体について/10 思考について
第八章 絵画
1 見かけについて/2 色について/3 形について/4 暴君の強制について/5 動きについて/6 肖像画について/7 感情について/8 象徴について/9 裸体について/10 風景について
第九章 デッサン
1 身ぶりと文字について/2 線について/3 運動について/4 形について/5 色のついたデッサンについて/6 思い出と創作について/7 逸話について/8 戯画について/9 二つの言語
第十章 散文
1 散文に固有の方法について/2 詩と散文について/3 散文と雄弁/4 散文の領域/5 歴史について/6 小説について/7 魂の状態について/8 登場人物について/9 小説における想像力の規制/10 小説における悲劇的なものについて/11 常套表現について/12 文体論
追記
機 屬呂犬瓩法廚砲弔い董伸供‖莪貍呂3――像について/掘‖萋鷯 とくに、ダンスについて/検‖荵余蓮宗酬歃僂諒類における音楽の位置について/后‖荵余呂9――音楽と理念について/此‖荵余蓮宗酬築としての音楽について/察‖菷章の4――構成について/次‖莇緇呂4――デッサンと肖像画について/宗‖莇緇呂5――パステル画について

解説/長谷川宏
アラン年譜
訳者あとがき


≪著者: ≫ アラン Alain (Emile-Auguste Chartier) [1868-1951] フランスの思想家。フランス各地の公立高等中学校で教師生活を送るかたわら、執筆活動を続ける。1903年、新聞で「プロポ」と題する短文の連載を始め、その後、この短文形式がアランの自由で柔軟な思想を表現する最適な形となった。1914年、46歳で第一次大戦に志願兵として従軍し、苛酷な戦場で『芸術の体系』を書く。1951年5月、文学国民大賞を受賞。同年6月、パリ西郊ヴェジネの自宅で死去。主な著書に『幸福論』『教育論』『文学についてのプロポ』『芸術二〇講』などがある。

[訳者] 長谷川宏 Hasegawa Hiroshi 1940年島根県生まれ。東京大学文学部哲学科博士課程単位取得退学。哲学者。著書に『高校生のための哲学入門』『新しいヘーゲル』『丸山真男をどう読むか』『いまこそ読みたい哲学の名著』など。主な訳書に『精神現象学』『歴史哲学講義』『法哲学講義』『美学講義』(ヘーゲル)、『経験と判断』(フッサール)などがある。


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