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醜い日本の私 (新潮選書)
醜い日本の私 (新潮選書)

○著者: 中島義道
○出版: 新潮社 (2006/12,単行本 205ページ)
○価格: 1,050円
○ISBN: 978-4106035739
おすすめ度:3.5
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新潮社の雑誌『考える人』(二〇〇二年夏号〜二〇〇五年冬号)に連載されたものに大幅加筆して書籍化された、とある本書(読み始めて知ったのであるが)を、“選書”である(文庫でも新書でもない)という理由からチョイスしたのであるが、、、読み始めてしばらくして(あくまでも冒頭部分においてであり、途中から考えが変わることは、ここに書き記すまでもない)、『考える人』に連載されたから、さすがに新書で、というわけにはいかなかったのかなぁ、、、とか、だから、単行本じゃないんだよ、、、などと、下世話な勘ぐりを抱くぼくは、十分に醜い(あぁ、「マイナスのナルシス」、、、他者に向かう視線は屈折して屈折して自己に向けられる、自己愛?!)。そもそも、醜さは人間であれば誰でもが有しているもので、醜さを持ち合わせていない人間など存在しえないけれど、だからといってその醜さ(相手や周囲に不快感を抱かせる)を隠すことなく前面に出してしまっては、潤滑な社会生活を営むことに困難が生じる。
「そんなに怒ってばかりいると、独りになっちゃうよ」と言われ続けて、案の定(ぼくは自分を変えることができなかったから)結婚生活が破綻して家を追い出されて(ぼくが出ることが、子どもへの負担がもっとも少ないであろうと判断して協議のうえで)独りになって(そのくせに混乱した、混乱し続けている)、それでもぼくは怒ることをやめられない(独りの生活も悪くない、むしろ気楽で快適であるとさえ感じ始めていることを逆の意味で懸念しないこともない?!)。かつては、怒った後には必ずと言っていいほどに自己嫌悪に陥ったものだが(今でも自己嫌悪に陥ることがないわけではない)、現時点においてもっぱら考えるのは、自らの(他者や周囲、社会に対する)怒りの正当性(不当な要求は許されない。正当性が担保されれば当然に主張しえる、その主張が認知されるか否かを別として)。ぼくが怒りの感情を抱くことは避けられない(個性!?)。怒りの原因でもあろう“不快”を察知するレベルの感覚の問題であり、そのセンサー(のようなもの)の機能性に個性や差異があってしかるべきで、同一性は担保されない。そんな怒り(不快)の感情を一定のレベルまで抑圧する努力を怠ることは許されないものであろうけれども、抑圧は歪みを生じるものであり、簡単に抑圧するべき(抑圧すればいいという)ものでもない。すでにそんなことを考えている時点において、円滑な社会生活(とくに結婚生活)を営むことを求めることに絶対的な無理や矛盾が生じていよう。

≪目次: ≫
1 ゴミ溜めのような街
明大前商店街/日本人は美に敏感である/祭と商店街/「醜」を排除しない体質/「うち」と「そと」/第一次輪郭線と第二次輪郭線/繊細な人の鈍感さ/秋葉原で三時間の読書!/芸術家は醜さに敏感か?/東京はポストモダン都市?/ヨーロッパ人も日本の「醜さ」を評価するようになった?/路上観察学会/東京の商店街は「きりりっとしている」?/金沢の耐えがたい醜さ/東日本もまるごとアジアである/京都は異国?/日本文化は簡素か?
2 欲望自然主義
日本は美しい/欲望自然主義とは何か?/副詞としての自然/「おのずから」と「みずから」/象徴的=観念的知覚/精神主義/「見えない」眼をつくる/永井荷風の嘆き/欲望自然主義と世間
3 奴隷的サービス
日本人客室乗務員と欧米人客室乗務員の違い/江戸しぐさ/奴隷的サービスを要求する客たち/一方向的コミュ ニケーション/「呼びかけ」の規則/ヨーロッパの夏休み/「人間だからまちがいはあります!」/「私はタバコを吸わないから、わからない」/「マインド・ザ・ギャップ!」/機械のようにしゃべる店員/「いらっしゃいませ、こんばんは」/「お箸、お入れしますか?」/「きれいに使っていただいてありがとうございます」
4 言葉を信じない文化
垂れ流しキャンペーン/『その油断 火から炎へ 災いへ』/祝詞としての言葉/オールコックの驚き/私と喧嘩すると店はつぶれる?/特殊日本的嘘/集団的催眠ゲーム/理系教官による文系教官いじめ/大学内に飛び交う怪文書/いじわるな私
5 醜と不快の哲学
醜と不快との関係/感受性と普遍化/感受性や信念の普遍化/生理的不快/美学的不快/倫理的不快/強力なパターナリズム/「振り込め詐欺に注意しましょう」/他者危害の原則/マイノリティの「迷惑」は切り捨てられる/愚行権/不快の多様性/微妙な「ずれ」の残酷さ/迫害されるとほんとうに「病気になっていく」理不尽さ/私は「治り」たくない!/感受性の「共生」をめざして
あとがき(二〇〇六年十一月中旬 紅葉の美しいころ 中島義道)

*「考える人」(二〇〇二年夏号〜二〇〇五年冬号)に大幅加筆した。


≪著者: ≫ 中島義道 (Nakajima Yoshimichi) 1946年生まれ。ウィーン大学基礎総合学部哲学科修了。哲学博士。電気通信大学人間コミュニケーション学科教授。専攻は時間論、自我論、コミュニケーション論。著書に『ウィーン愛憎』(中公新書)、『うるさい日本の私』『私の嫌いな10の言葉』『働くことがイヤな人のための本』『偏食的生き方のすすめ』(新潮文庫)、『〈対話〉のない社会』(PHP新書)、『ぐれる!』(新潮新書)、『悪について』(岩波新書)、『私の嫌いな10の人びと』(新潮社)など。


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