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政治の約束
政治の約束  Hannah Arendt, THE PROMISE OF POLITICS, Schocken Books, 2005

○著者: ハンナ・アレント、ジェローム・コーン 編、高橋勇夫
○出版: 筑摩書房 (2008/1,単行本 278ページ)
○価格: 3,150円
○ISBN: 978-4480863805
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師(先生)と仰ぐ“中山元”の翻訳による『責任と判断 (ハンナ・アレント 著、ジェローム・コーン 編、筑摩書房、2007/2)』の続編的な位置づけというかシリーズというのか、じつはハンナ・アレントが女性であることも読み始めてから知ったくらい(なにも知らない)で、ドイツのユダヤ人家庭に生まれ、ナチスのユダヤ人迫害を逃れるためにフランスに渡り、後にアメリカに亡命したという経歴に、その立場から語られる言説に、わからないなりに惹かれるものを感じちゃって、つい調子に乗って『イェルサレムのアイヒマン』を読んでみようかなぁ、と思って検索してみたところ(最寄りの図書館は貸し出し中だった)、もっとも最近(2008/1)に刊行された本書が目に留まり、中山元の翻訳じゃないのかぁ、とちょっとだけ不安感を抱きながら(不安は的中する)も、、、

えぇぃ、そもそも(ぼくが考えるに)読書だってこうしてブログという公開された空間に書き記すことだって、自己満足であろう。本を読んだぼくは、費やした労力と時間に対してなんらかを得る。なんらかが得られるのは、本を読んだぼくだけ。書き記すぼくは、書き記したいと思うことはいろいろあっても、いざとなるとなかなか思い通りに言葉に表することができなくて、書きたいことと実際に書かれたことの乖離は否定できない。あえて心にもないことを書き記したりすることだってないとは言えない(往々にしてある)。書きたいことでも、躊躇することだってある(ホントのことだけに冗談にならない)。誰にも見せることのないノートに書いて鍵のかかる机にしまっておくならば、なんとでも書けるかもしれないけれど、いちおう公共性のある(誰でも見れちゃう)ブログに書き記す(公開する)となると、最低限のマナーというのか、目にした人に不快感を与えないような配慮をしないわけにはいかないと考えるから、そのあたりがぼくにとってはほどよい緊張感とブレーキ(抑制)が働いて好ましいと考える、自己満足。
せめて、読んだ本を掲げる(リンクやトラックバックする)のならば、書評の体を整えるべきであろうなぁ、と思いつつも、まずは理解が及ばないことが少なくないから、さらには、ぼくじゃなくても上手な書き記しをする人が大勢いるから、とかなんとか苦しい言い訳しながら、無関係なことばかり書き散らすのは、著者に失礼であろうことを少しだけ気にしながらも、、、ぼくのなかでは、卵が先か鶏が先か、って、子どもの頃から悩み続けてきたことなんだけど(まだ完全には脱却できていない)、なにごとにも心配性で不安が拭えなくて自信が持てないぼくは、他人から、自信をもってやってみなさい!、と言われても、なにを根拠に自信が持てるのか理解ができなくて、それなりに経験や知識があれば(積み重ねた後であれば)自信だって持ちようがあろうけれど、と尻込みして体が動かない。要領(頭)のいい人(ぼくは要領がすごく悪い)だと、とりあえず堂々と開き直って失敗をおそれずにやってみて、失敗したら失敗したで経験が積めて習得できるわけで、上手くいったら上手くいったで結果オーライで、、、ぼくみたいにウジウジと考え込んでばかりで行動しないことを、もっとも避けるべきなのであろう。

で、全体主義ってなぁに??


≪目次: ≫
序文……ジェローム・コーン
謝辞・諸言

第一章 ソクラテス
 哲学の始まりと政治の終わり/ ソクラテスの説得術/プラトンの懐疑/プラトンによる転倒/善の理念(イデア)/哲学者vs.ポリス/真理vs.意見/ソクラテスの問答法/友情と公共世界/一者にして二者/自分自身との共生と倫理学の起源/変幻自在なもうひとりの自己と世界の変化/思考と行動/思考と言論/善き人/孤独と良心/ソクラテスによるドクサの破壊/哲学の敗北と政治からの撤退/魂と身体の衝突/プラトンの洞窟の寓話/哲学の起源/驚き(タウマゼイン)と言葉の喪失/根源的な問い/哲学的衝撃/共通世界からの疎外/驚愕の延長と複数性の喪失/哲学の有用性/複数性と新しい政治哲学へ
第二章 政治思想の伝統
伝統の終焉/共通感覚の衰退/近代的歴史意識/伝統による「偉大な経験」の排除/創建と家庭――ローマ的経験/ローマの創建――宗教・権威・伝統の三位一体/ローマ精神の持続――カトリック教会の創建/支配の概念の起源/ギリシア哲学の受容/伝統と哲学/観照的生活と活動的生活/人間的活動の不確実性/赦し/赦しと新しい始まり/始める能力/人間の複数性/差異と平等
第三章 モンテスキューによる伝統の修正
本性の非活動性/活動を鼓舞する原理/平等と卓越/恐怖、無力、孤立
第四章 ヘーゲルからマルクス
 世界史観/絶対的なるもの/ 転倒/遠近法的思考/方法としての弁証法/伝統の切断と過程(プロセス)的思考/歴史の狡知/無階級社会と官僚制/人間の新しい定義/労働する動物
第五章 伝統の終焉
 必要悪としての政治/独自の起源を持たない政治/労働と哲学の派生物としての政治/政治に対する軽蔑/孤立=観照=哲学と共生=実践=政治の分離/ヘーゲル哲学の継続/ 経験に先立つ支配の概念/法の無効化――マルクスの国家概念/統治概念の台頭/マルクスの四つの統治形態/古代的支配様式の持続/思考の媒体としての活動
第六章 政治入門
機\治とは何か? 複数性/差異/政治/歴史と自由/政治の任務/供\治に対する偏見と現代における政治の実相 偏見/恐怖と希望/忘却と無力感/偏見の根深さ/偏見と判断 社会的領域における偏見の役割/偏見に潜む過去の判断/標準に基づく判断と標準を持たない判断/危機の到来と偏見のイデオロギー化/判断能力/今日の不安の種――人間/世界に対する気遣い/政治は何を意味しているか? 政治がもたらす災厄/全体主義と原子爆弾/政治の無意味化/無限の不可能事――奇跡――新しい始まり/自由という軌跡を起こす能力――活動/政治の意味 ポリス/政治の正当化/アリストテレスの「政治的動物」/ポリスの自由/平等と言論の自由/自由と政治的空間/近代的歴史意識と自由/家庭(=生活)と自由/公的空間と政治/ホメロス的経験とポリスの創建/活動から言語へのシフト/「自由であること」と「何かを新しく始めること」/活動の自由と他者たちの存在/互いに語り合う自由/政治的空間/少数者の自由――プラトンのアカデメイア/政治に対する無関心/政治の地位の低下/初期キリスト教による政治の拒絶と再定義/初期キリスト教の政治からの自由/隔離と善の本性/アウグスティヌスによる政治の再釈放/公的空間としての教会/社会の出現/目的としての自由、手段としての政治/政治は自由のためにあるのか、生活=生命(ライフ)のためにあるのか/暴力の怪物化/近代世界――「必要」の台頭/国家による暴力の独占/暴力と権力の結合/偏見から判断へ/恐怖に基づく政治不信/戦争の問題 破壊のクライマックス/生産と破壊の均衡/自然的領域内の破壊/超自然的エネルギー――原子爆弾の発見/絶滅戦争の恐怖/全面戦争(トータル・ウォー)の現実化/限界を踏み越えた暴力/全体主義の台頭と破壊される関係性の世界(=政治的な世界)/トロイア戦争――絶滅戦争の原型/ホメロスの公平性/ポリスにおける戦争の非政治性/闘技(アゴーン)精神と「現れ」/言語による多数の視点の出現/政治的人間の自由/平等なる他者の存在と人間の間の空間の存在/家庭――自由の欠如/ポリスにおける闘争(ストラグル)のゆくえ/敗者の大儀――ローマ的政治の起源/世界は複数の視点が存在するときに限り出現する/敵対的出逢いから人間的出逢いへ――徹底的な絶滅から持続的な何ものかへ/条約と同盟/持続するつながり――ローマの法概念/境界を定める――ギリシアの法概念/王としての法――ポリスの法概念/戦争と外交――ローマ的政治原理/赦しと条約――ローマの拡大/ギリシアの法(ノモス)、ローマの法(レックス)/ローマ中心主義/ローマによる「世界」の創始――間の空間の政治問題化/絶滅戦争による中間地帯の破壊――政治の消失/政治はいまでも何らかの意味を有しているか? 戦争と革命/政治的活動における目標、暴力における目的/目的(エンド)、目標(ゴール)、意味(ミーニング)/活動の原理/問われ続ける政治/政治の意味/目標としての平和/戦争の狭間の平和
エピローグ
砂漠(=無世界性)の拡大/順応への誘惑――全体主義と心理学/オアシス/現実逃避/世界への愛

原注・訳注
訳者解説……高橋勇夫


≪著者: ≫ ハンナ・アレント (Hannah Arendt) 一九〇六年、ドイツのユダヤ人家庭に生まれる。マールブルク大学ではハイデガー、ハイデルべルク大学ではヤスパーのもとで、哲学を学ぶ。一九三三年、ナチスの迫害を逃れフランスへ、四一年にはアメリカへ亡命。二〇世紀の全体主義と対峙し、新たに始める人間の奇跡的能力を信じて、真の自由を実現することを生涯の課題とした。一九七五年没。著書に『全体主義の起源』『人間の条件』などがある。

[訳者] 高橋勇夫 (たかはし・いさお) 一九五三年、岩手県生まれ。東京大学英文科卒業。専修大学准教授。著訳書に、『詭弁的精神の系譜――芥川、荷風、太宰、保田らの文学的更生術』、リーチ『アメリカ文学批判史』、シノット『ボディ・ソシアル』、ポランニー『暗黙知の次元』など。


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