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凍った地球―スノーボールアースと生命進化の物語 (新潮選書)
凍った地球 スノーボールアースと生命進化の物語 (新潮選書)

○著者: 田近英一
○出版: 新潮社 (2009/1,単行本 195ページ)
○価格: 1,155円
○ISBN: 978-4106036255
おすすめ度: 2.0
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ここで重要なポイントは何かというと、ほとんどの種はいつか絶滅する運命をたどる、ということだ。生命史は、「進化の歴史」であると同時に、実は「絶滅の歴史」でもあるのだ。  (P.30)

・・・全球凍結と多細胞動物の出現との因果関係はどうなっているのだろうか。それは必ずしも自明ではないが、いくつかの可能性は考えられる。ひとつには、全球凍結が生物進化のフィルターとしての役割を果たしたというものである。全球凍結によって生物多様性が大幅に減少することでボトルネックが生じ、その直後に生物の多様化が促されたのではないかという可能性である。もうひとつ重要な要因として考えられることは、全球凍結直後に大気中の酸素濃度が増加したことによって、生物の大進化が促されたという可能性である。
(中略)
全地凍結イベントという破局的な地球環境変動が生じれば、生物進化に与える影響は計り知れない。全球凍結による生物多様性の大幅な低下と大気中の酸素濃度の増加が重なり、新核生物や多細胞動物の出現という、生物進化史上の大進化をもたらしたのだとしたら、全球凍結は生物の進化にとって決定的な役割を果たすものだったといえるであろう。
全球凍結が生じなければ、地球上の生物はいまだバクテリアのままだったかもしれないのだ。  (P.164-P.165)

全球凍結(スノーボールアース、Snowball Earth)”に関する著書として、
全地球凍結 (集英社新書、川上紳一 著、2003/9)
スノーボール・アース 生命大進化をもたらした全地球凍結 (ガブリエル・ウォーカー 著、早川書房、2004/2)


≪目次: ≫
まえがき (二〇〇八年十一月 東京にて 田近英一)
プロローグ
第一章 寒暖を繰り返す地球  1 南アフリカの大地に証拠が/2 氷河時代にいる私たち/3 赤道まで凍っていた
第二章 地球の気候はこう決まる  1 環境を決める三つの要素/2 一気に凍り、一気に融ける/3 太陽は少しずつ明るくなっている/4 地球環境はなぜ安定しているのか/5 プレートテクトニクスの役割
第三章 仮説  1 気づかれなかった論文/2 四つの謎が一つの仮説で解けた/3 零下五〇度から摂氏五〇度まで
第四章 論争  1 激しいやりとり/2 地球は横倒しになっていた?/3 生物はどうやって生き延びたのか/4 ソフトかハードか/5 答えは南極大陸に/6 なぜ全球凍結したのか
第五章 二二億年前にも凍結した  1 地球と生物の共進化/2 なぜ酸素濃度は急激に上がったのか/3 カナダ・ヒューロン湖にある地層
第六章 地球環境と生物  1 絶滅と進化の繰り返し/2 真核生物の誕生/3 生物進化に与えた影響
第七章 地球以外に生命はいるのか?  1 地球のような惑星/2 金星や火星にも海があった/3 存在するスノーボールプラネット
エピローグ


≪著者: ≫ 田近英一 Tajika Eiichi 1963年、東京都杉並区生まれ。東京大学理学部卒。東京大学大学院理学系研究科博士課程修了。理学博士。現在、東京大学大学院理学系研究科准教授。専門は地球惑星システム科学。2003年第29回山崎賞、2007年日本気象学会堀内賞受賞。著書に、『進化する地球惑星システム』『宇宙で地球はたった一つの惑星か』『地球惑星科学入門』『地球システム科学』『地球進化論』『新しい地球史』(すべて共著)等。


春ということばを使うことなくして今日ぼくが冷たい北風にあって感じた春をあらわす試みとしての・・・・・・