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声と現象 (ちくま学芸文庫)
声と現象 フッサールの現象学における記号の問題入門  Jacques Derrida, La voix et le phénomène――Introduction au problème du signe dans la phénoménologie de Husserl (Presses Universitaires de France, 1 édition: 1967, 2 édition corrigée: 1998, 3 édition: 2003) (ちくま学芸文庫)

○著者: ジャック・デリダ林好雄
○出版: 筑摩書房 (2005/6, 文庫 334ページ)
○価格: 1,365円
○ISBN: 978-4480089229
おすすめ度:5.0
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訳者解説より、
本書はすでに、初版に基づいた既訳(高橋允昭訳、理想社、一九七〇年)があるが、本翻訳は、デリダ自身によって訂正された第二版(第三版)に基づいている。フッサール(Edmund Husserl, 1859-1938)の『論理学研究(Logische Untersuchungen)』の読解という特殊な事情もあって、デリダの著作の中でも最も読みにくいものであると同時に、アカデミックな論文の体裁を遵守しているという点では、最も読みやすいものではないかと思われる。・・・  (P.334、訳者解説)


たとえば、ぼくが本書から“デリダ(Jacques Derrida, 1930‐2004)”を読み始めていたとしたら、そんなことを考えることに意義があるか否かをとりあえず横において、もしかしたら中途で挫折してしまって、その後にデリダを読まなかったかもしれない。などと考えてみて、それくらいに難解で、少なからぬ苦痛に似た心情を抱きながら、それでもリズムと“ことば”を愉しみながら(かなり無理を感じながらも)なんとか読了しているのだが。しかし、もしも本書を最初に手にして、仮にも挫折を味わったとしても、ぼくの多くはない経験からすると、遅かれ早かれ、ぼくにとって意義のあるテクストは、ぼくの手元にやってくる♪、そして、そのときにはチンプンカンプンであったとしても、ぼくが読んだテクスト(著書)は、ぼくの内に小さくないなにかを刻み込む。きっとほとんど時間とともに忘失してしまう記憶にあって、どうだろう、棘のような断片というような表現が適当であるのかどうか、まぁ、ホントに必要なら忘れようとしたってなにか引っ掛かるであろうし(希望を込めて!?)、無理に覚えることをしなくても何度か現われることにもなるのであろう。


≪目次: ≫
序論
第一章 記号、いくつかの記号
第二章 指標の還元
第三章 独語としての意‐味
第四章 意‐味と表象=代理(ルプレザンタシオン)
第五章 記号と瞬き(まばたき)
第六章 沈黙を守る声
第七章 根源の代補
訳注
訳者解説   フッサールを読むデリダ/純粋に、単純に/還元と脱構築

*本書は「ちくま学芸文庫」のために新たに訳出されたものである。


≪著者: ≫ ジャック・デリダ (Jacques Derrida) 1930‐2004年。アルジェリア生まれ。エコール・ノルマル卒業。西洋形而上学のロゴス中心主義の脱構築を企てた哲学者。著書に『声と現象』『グラマトロジーについて』『エクリチュールと差異』『精神について』『マルクスの亡霊たち』『アポリア』『死を与える』ほか多数。

[訳者] 林 好雄 (はやし・よしお) 1952年生まれ。東京大学仏文科卒業。駿河台大学教授。著訳書に『知の教科書 デリダ』(共著)『言葉にのって』『ニーチェは、今日?』『死を与える』(共訳)ほか


見〜つけたッ♪