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審判―カフカ・コレクション (白水uブックス)

審判  Franz Kafka, Der Prozeß (白水uブックス154、カフカ・コレクション)

○著者: フランツ・カフカ池内紀
○出版: 白水社 (2006/5, 新書 345ページ)
○価格: 1,260円
○ISBN: 978-4560071540
おすすめ度: 4.0
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だれかが謗(そし)ったにちがいない。悪事をはたらいた覚えがないのに、ある朝、ヨーゼフ・Kは逮捕された。・・・  (P.7、逮捕)

・・・むろん、異議はあった。論理はゆるがないにしても、生きたい人間には抗えないものだ。いちども出会わなかったが、裁判官はどこにいたのか? いちども至りつかなかったが、上級審はどこなのだ? Kは両腕をのばし、指をすべて突き出した。
このとき紳士の一方がKののどをつかみ、もう一人がナイフを心臓に突き刺すと、その手で二度こねた。薄れていくKの目に二人の紳士が、自分のつい鼻先で頬と頬をくっつけ、結果をじっと見守っているのが見えた。
「犬のようだ!」
と、Kは言った。恥辱だけが生きのびるような気がした。  (P.298-P.299、最期)


≪目次: ≫
『審判 Der Prozeß』
逮捕
グルーバッハ夫人との対話 ついでビュルストナー嬢
最初の審理
ひとけのない法廷で 学生 裁判所事務局
鞭打人
叔父 レニ
弁護士 工場主 画家
商人ブロック 弁護士の解任
大聖堂にて
最期
断片
Bの女友だち
検事
エルザのもとへ
頭取代理との闘い
家屋
母親訪問

『審判』読者のために (池内紀)


≪著者: ≫ フランツ・カフカ (Franz Kafka) 1883‐1924。チェコのプラハに生まれる(当時はオーストリア=ハンガリー帝国領)。両親ともドイツ系ユダヤ人。プラハ大学で法学を専攻。在学中に小説の習作を始める。卒業後は労働者傷害保険協会に勤めながら執筆にはげむ。若くして結核にかかり、41歳で死去。『変身』などわずかな作品をのぞき、そのほとんどは発表されることなくノートに残された。死後、友人マックス・ブロートの手により世に出され、ジョイス、プルーストとならび現代世界文学の最も重要な作家となっている。

[訳者] 池内紀 (いけうち・おさむ) 1940年、兵庫県姫路市生まれ。ドイツ文学者、エッセイスト。主な著訳書:「ウィーンの世紀末」、「二列目の人生」、ゲーテ「ファウスト」他


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