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観念的生活
観念的生活

○著者: 中島義道
○出版: 文藝春秋 (2007/11, 単行本 239ページ)
○価格: 1,500円
○ISBN: 978-4163697307
おすすめ度: 4.0
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あぁ、簡単には書きえない。
ぼくだって、ストア派の徒よろしく独りで生きていくことを選択して、「誰ともいかなる特別の関係も築かないこと、いつその人が私の前から姿を消しても悲しむことのない関係のみつくること、 (P.52)」に近い状況に意識して在るつもりなんだけれど、迷いがないわけではない。迷いまくって揺れまくって、たびたび人恋しくならないわけでもない。さびしくないと言ったらウソにならないこともない。もしもこのまま今死んでしまったとしたら「後悔しないか?」とみずからに問うてみて、とりあえず「後悔はない」と言いたい。すでに、言いたい、のであるから、そこには願望がこめられているのであり、一切の後悔がないわけではないことは明白。それでもぼくはみずからの意志で選択した。すでにそれ以外に方法はないと思ったこともあって。

われわれが言語という唯一の手段をもって思考する限り、感じるままに思考することなどできない。思考するとは、世界を言語によって再現することではなく、世界を言語によってまったく新しく構成することなのだ。だから、哲学とは(詩と同様)言語によって世界の相貌を一変させることであり、場合によっては、世界を完璧に破壊することなのだ。  (P.162)



≪目次: ≫
1章 死んだら困る
2章 物自体
3章 独我論
4章 「時の流れ」という錯覚
5章 不在としての私
6章 過去と他者の超越
7章 二重の「いま」
8章 超越論的観念論
9章 原因としての意志
10章 想起モデル
11章 悪への自由
12章 共通感覚
13章 懐疑論
14章 ニヒリズム
15章 哲学という病
あとがき (二〇〇七年十月十日 東京オリンピックから四十三年が経った日 中島義道)

*二〇〇六年七月号から二〇〇七年九月号まで『文學界』に連載されたものの単行本化


≪著者: ≫ 中島義道 (なかじま・よしみち) 1946年生まれ。東京大学教養学部・法学部卒業。同大学院人文科学研究科修士課程修了。ウィーン大学基礎総合学部哲学科修了。哲学博士。現在(刊行当時)、電気通信大学人間コミュニケーション学科教授(2009年3月退任)。専門は、時間論、自我論、コミュニケーション論。著書に『カントの人間学』(講談社現代新書)『哲学の教科書』(講談社学術文庫)『戦う哲学者のウィーン愛憎』(角川文庫)、『孤独について』(文春新書)、『うるさい日本の私』(新潮文庫)、『私の嫌いな10の人びと』(新潮社)、『「人間嫌い」のルール』(PHP新書)『「死」を哲学する』(岩波書店)など。

だいじょうぶ、だいじょうぶ、だいじょうぶだよ♪





2009/05/03 追記(一部抜粋)。。。
西洋近代哲学における認識論は、知覚モデル(とりわけ視覚モデル)を中心に据えてきた。ローティの指摘を待つまでもなく、「思惟する」という作用ですら、実は「見る」という作用のアナロジーなのだ。これは、とりわけ「反省する」という作用について顕著である。反省とは反射(reflect)と同じ言葉であり、反省するとは、自我という光源から発した光が直進して鏡に反射し、その反射した像を捉えることなのだ。ここに、鏡に映った像をそのまま捉えることが認識の明証性の基準となる。また、その像は(古典力学では)無限大の光速によって生ずるのであるから、「現在」という時間の基準となる。知覚するとは、現在知覚することであり、知覚されたものとは、(幻覚や錯覚とは異なって)正しく知覚されたものである。  (P.146、「10章 想起モデル」)