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地球環境46億年の大変動史(DOJIN選書 24)
地球環境46億年の大変動史 (DOJIN選書024)

○著者: 田近英一
○出版: 化学同人 (2009/5, 単行本 228ページ)
○価格: 1,680円
○ISBN: 978-4759813241
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そう、変わらないものなどないのかもしれない。変わりつづけることをつねとして。同じ(ように見える)状態を維持することだって、ある意味では、変わりつづける周囲にあわせて微妙に応対する(変わる)ことによって、表面的には変わらない状態を維持している(ように見える)、のかもしれない。

地球の誕生以来、地球環境は変動し続けており、これからも同じ状態が長期的に継続することはないだろう。このことも、過去の地球環境の変動記録を調べれば明らかである。地球環境は変動することが本質だからである。  (P.214)


≪目次: ≫ 
まえがき
第1章 生命の存在する惑星
一 地球のどこが特別なのか?   地球と似た太陽系内の惑星/金星と地球と火星の環境/地球大気は異質である/奇跡の惑星、地球
二 温室効果とはなにか?   太陽放射と惑星放射のつり合うところ/惑星環境を決める三つの要因/金星と火星の有効温度
三 海の存在   金星と火星にも海はあったか/寒冷化が進む地球の状態/温暖化による海の消失シナリオ/ハビタブルな条件

第2章 大気と海洋の起源
一 海の水はなぜ塩辛いのか?
   なぜ海水の組成は変わらないのか?/元素の供給源/もとから海は塩辛い
二 大気や海洋はいつどうやってできたのか?   大気形成の謎を解く鍵、希ガス/地球大気の二次起源説/同位体比に注目する/アルゴン四〇/初期大規模脱ガス説/水蒸気がもたらす暴走温室状態/巨大衝突と暴走温室状態
三 初期地球の環境   生命の起源と初期地球大気/地球最古の岩石/隕石重爆撃期

第3章 地球環境の安定化の要因はなにか
一 暗い太陽のパラドックス
   現在の七〇パーセントの明るさだった太陽/温室効果を強める気体
二 炭素循環とはなにか   炭酸塩鉱物と珪酸塩鉱物/二酸化炭素の固定
三 地球環境はなぜ安定なのか   風化作用/ウォーカー・フィードバック
四 二酸化炭素濃度の変遷   地球の熱進化/大陸成長モデル/大局的に見た地球環境の変遷
五 メタンの役割   古二酸化炭素濃度の推定/メタン菌/メタンの役割

第4章 生命の誕生と酸素の増加
一 光合成生物の誕生
   酸素発生型光合成生物/生物の化石か否か/シアノバクテリアはいつ出現したか
二 酸素濃度の変遷   ステージ機宗宿六請脳態/ステージ供宗衆貮貧酸素状態/ステージ掘宗宿抻請脳態
三 酸素の急激な増加   大酸化イベント/硫黄同位体比の異常/酸素濃度はなぜ増加したのか/酸素濃度の謎

第5章 気候の劇的変動史
一 気候変動の鍵を握る二酸化炭素
   なぜ二酸化炭素濃度は増減するのか/気候の安定と変動を支える同じ原理
二 繰り返す氷河時代   氷床の成長/氷河時代特有の堆積物/今の地球も「氷河時代」
三 生物が巨大化した大氷河時代   陸上植物の登場/大氷河時代の訪れ/湿地帯に埋没した陸上植物/陸上植物によって高まった風化効率/巨大化した昆虫
四 恐竜の反映と超温暖化   温暖だった中生代/スーパープルーム/海洋無酸素イベント/温暖化が起因となった海洋無酸素イベント/高緯度地域も温暖だった
五 ヒマラヤの隆起がもたらした寒冷化   新生代後期氷河時代/ヒマラヤ山脈、チベット高原の隆起と寒冷化/さらに進んだ寒冷化

第6章 スノーボールアース・イベント
一 原生代氷河時代の謎
   氷河堆積物とキャップカーボネート/低緯度氷床のもつ意味
二 スノーボールアース仮説   なぜ全球凍結はしないと考えられていたのか/氷の惑星/キャップカーボネートはいかに形成されたのか/通常では考えられない炭素同位体比の値
三 そのとき生物は?   ソフト・スノーボールアース仮説/氷の下でも生物が活動できる条件
四 破局的な地球環境変動と生物の大進化   カラハリ・マンガン鉱床/シアノバクテリア誕生が全球凍結の原因か/六億年前の多細胞生物化石/生物大進化の要因はなにか

第7章 恐竜絶滅を引き起こした小惑星衝突
一 小惑星衝突説
   恐竜はなぜ絶滅したか/イリジウムの異常濃集/チクシュルーブ・クレーター
二 ストレンジラヴ・オーシャン   小惑星の衝突はどんな現象か/生物ポンプの停止/海洋における大量絶滅/衝突の冬は起こったのか
三 海洋衝突   衝突津波/深海性の津波堆積物/繰り返された津波/天体衝突は当たり前の現象

第8章 そして現在の地球環境へ
一 氷期と間氷期は規則的に訪れるのか
   酸素同位体比の変動と氷期・間氷期サイクル/ミランコヴィッチ仮説/二酸化炭素はどこへいったか
二 突然の寒冷化――ヤンガードリアス   コンベヤベルト/寒の戻りはなぜ生じたか/クローヴィス文化の消滅と天体衝突、そして突然の寒冷化
三 安定な気候と人類文明の繁栄   ダンスガード・オシュガー・イベント/気候ジャンプ/間氷期の気候は安定なのか
四 これからの地球環境――過去からなにを学ぶか

参考文献
あとがき


≪著者: ≫ 田近 英一 (たぢか えいいち) 1963年東京都生まれ。92年東京大学大学院理学系研究科地球物理学専攻博士課程修了。現在、東京大学大学院理学系研究科地球惑星科学専攻准教授。理学博士。専門は地球惑星システム科学。2003年第29回山崎賞、2007年日本気象学会堀内賞受賞。著書に、『凍った地球』(新潮社)などがある。

田近英一『凍った地球 スノーボールアースと生命進化の物語』(新潮選書、2009/1)
川上紳一『全地球凍結』(集英社新書、2003/9)
ガブリエル・ウォーカー『スノーボール・アース 生命大進化をもたらした全地球凍結』(川上紳一監修、渡会圭子訳、早川書房、2004/2)