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本「素白先生の散歩」池内紀編
素白先生の散歩 (大人の本棚)

○著者: 岩本素白、池内紀
○出版: みすず書房 (2001/12, 単行本 237ページ)
○価格: 2,520円
○ISBN-13: 978-4622048213発売日:2001-12
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AOYAMA
お墓に行ったのは、それを目的としてのことではなかったから、線香も花も、ゴミ袋もバケツも軍手もホウキも持ちあわせがなく、会社近くの図書館にクロスバイクでむかう途中に、ふと思いたってすこし寄り道してのこと。前日からチェックしていた天気予報に雨マークはなく、といって太陽マークもなく、風はつよくないみたいで、気温も高くないみたいで、、、その気になれば(それなりの気合いを要する!?)峠越えトレーニングに行きたかったのだが。前夜、寝る前には気乗りしていない。朝早くに目が覚めたら(休日は遅い時間の出発だと混雑する)、朝起きてその気だったら、行くかもしれない、とはヘナチョコ(いつものこと)。案の定、朝起きても気乗りしない。しかし、雨は降っていない。暑すぎない。風はつよくないみたいだ。あついコーヒーを淹れて、いつもの定番(毎朝同じ自作の)ハムチーズサンドを食べながら、Web天気予報をチェックして、空を見あげて、きょういちにち雨が降らないことを確信して、出掛けないのはモッタイナイ(貧乏症)。峠を攻めて、山にのぼる気力はなくても、クロスバイクを駆ることは気持ち好い。休日の午前の都心はクルマが少なくて走りやすい。Let's Go!、8:40。
甲州街道を快調にのぼって、井の頭通りから代々木公園を抜けて表参道を通過。やっぱり気持ち好いなぁ。そういえば、なにでだったか記憶が定かではないのだが、「お盆」がどうのと耳にしたのか目にしたのか。なんとなくインプットされて、そのときに「お墓参り」がボンヤリとイメージされたような。国立新美術館が近くなって、迷いながらも?!、とりあえず寄っていこうと思ったのは、なぜだったのか。前回訪れたのはいつだったか、ずいぶん以前のことであることには相違ない、すくなくとも今年ははじめて。
周囲のお墓の立派な樹木の枝葉に上空を覆われているから、落ち葉だらけであることはいつものこと。砂利?!を敷いてあっても、雑草の生命力はたくましい。どうしたものかと考えてみたものの、とりあえずめだった雑草だけを除去しようと体を動かす。汗が滴り落ちる。考えてみたら、クロスバイクでひたすら走ってきて、そのまま休むこともなく雑草と格闘をはじめていた。はす向かい3区画ぐらいはなれたところでは、ぼくの親より年長と思しき(70歳前後?!)女性が黙々とお墓のお掃除をしている。暑い。気がついたら、おばさまが、手ぶらで掃除をしているぼくを見かねて、ホウキを貸してくださった「しばらくは使わないから、よかったらどうぞ!」、とってもありがたい。一気に本気モードに突入してしまった。なんだかんだと(時間をチェックしなかったのだが)、30分くらいは格闘したのであろうか、枯れ葉も雑草もほぼ除去した(↓清掃後)。
ホウキを貸してくださったおばさまと二言三言ことばを交わした。ぼくのクロスバイクを見て「お近くにお住まい?」と。なんでそう答えたのであろうか「調布です」と。すこし間があったのは、地名がわからなかったからではなく、彼女が調布に隣接する府中に在住だったから。たしかに面食らうかも。京王線で新宿に出て、品川車庫行きのバスに乗って来るのだとか。多摩霊園にもお墓があって、そちらは近くだからいつも行くのだが、こちらにはなかなか来れないのだとか。そう、「息子たちはみな、なかなか掃除にきてくれない」とこぼされて、おもわず「ぼくもおなじですよ。久しぶりに来ましたから。」と苦笑いしながら答えずにはいられなかった。


≪目次: ≫
「山居俗情」より
牛堀と長瀞/街の灯/目黒の里/田舎のうち/銀杏の寺/寺町/一本松/遊行三昧/柴又と流山/騎西と菖蒲/つくだ島/墓/深夜の水/時雨/吹き井/荒れた寺と寂しい人々/物の音
「素白集」より
高台寺二趣/花の寺/浴泉/湯島/最初の怪異/ぼて茶碗/鰯/菓子の譜/布佐/おいそれ者/がんぽんち/守部と辨玉
「素白集以降」より
筑波/向島/素湯のような話/独り行く/白子の宿/狂多くして/小御門/東海道品川宿(1)/東海道品川宿(2)
「遺珠」より
古祠/孤杖飄然/街頭山水/靴の音
解説 池内紀

※本書は『岩本素白全集』全三巻(昭和49−50年、春秋社)を底本といたしました。


≪著者: ≫ 岩本素白 (いわもと・そはく) 本名 岩本堅一(いわもと けんいち)、明治16年(1883)年東京麻布に生まれる。早稲田大学文学部教授。退職後請われて麻布高校・跡見学園短期大学の教壇に立つ。国文学者、随筆家。著書『日本文学の写実精神』(中央公論社)、『山居俗情』(砂子屋書房)、『素白集』(東京出版)、『素白全集』(全3巻)、『素白随筆』(春秋社)。

[編者] 池内紀 (いけうち・おさむ) 1940年、兵庫県生まれ。ドイツ文学者。主な著訳書、『ウィーンの世紀末』(白水社)、『海山のあいだ』(角川文庫)、『ぼくのドイツ文学講義』(岩波新書)、『見知らぬオトカム』『遊園地の木馬』(みすず書房)、『カフカ寓話集』(岩波文庫)、ゲーテ『ファウスト』(集英社)、カフカ『失踪者』(白水社)ほか。

ヨハーン・ヴォルフガング・ゲーテ『ファウスト 第二部』(池内紀訳、集英社文庫ヘリテージシリーズ、2004)
ヨーゼフ・ロート『聖なる酔っぱらい伝説』(池内紀訳、白水uブックス、1995)
ヨハーン・ヴォルフガング・ゲーテ『ファウスト 第一部』(池内紀訳、集英社文庫ヘリテージシリーズ、2004)
池内紀『カフカの生涯』(新書館、2007)
ヨーハン・G・A・ガレッティ『象は世界最大の昆虫である ガレッティ先生失言録』(池内紀編訳、白水uブックス、2005)
池内紀『モーツァルトの息子 史実に埋もれた愛すべき人たち』(知恵の森文庫、光文社、2008)
カフカ『ノート〈2〉 掟の問題』(池内紀訳、白水uブックス、カフカ・コレクション、2006)
カフカ『ノート〈1〉 万里の長城』(池内紀訳、白水uブックス、カフカ・コレクション、2006)
カフカ『流刑地にて』(池内紀訳、白水uブックス、カフカ・コレクション、2006)
カフカ『』(池内紀訳、白水uブックス、カフカ・コレクション、2006)
カフカ『失踪者』(池内紀訳、白水uブックス、カフカ・コレクション、2006)
カフカ『変身』(池内紀訳、白水uブックス、カフカ・コレクション、2006)
カフカ『断食芸人』(池内紀訳、白水uブックス、カフカ・コレクション、2006)
池内紀『ゲーテさんこんばんは』(集英社文庫、2005)
池内紀『となりのカフカ』(光文社新書、2004)