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種の起源〈上〉 (光文社古典新訳文庫)
種の起源〈上〉  Charles Darwin: “On the Origin of Species by Means of Natural Selection”, 1859 (光文社古典新訳文庫)

○著者: チャールズ・ダーウィン、渡辺政隆 訳
○出版: 光文社 (2009/9, 文庫 423ページ)
○価格: 880円
○ISBN: 978-4334751906
おすすめ度: 5.0
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そう、サブタイトルを「生存闘争における有利な品種の保存」として、メインタイトルで「自然淘汰による種の起源」が掲げられて、つづくことばを想像するには、、、種(生物)の起源は創造主にあらず!!?、当時のジョーシキとされた創造論をサラリと否定しちゃう(いちいち真っ向から対決を挑む気はさらさらない、けど、弾圧されないとも限られない、サワラヌ神にタタリナシ、おぉコワイコワイ)。神さま(創造主)がすべてを、“生物を自然の中の適切な居場所にそれぞれ適合するように個別に創造された (P.327)”、わけじゃぁ〜ない。
おもむろに、自然(野生状態)にあらざる飼育栽培下の変異について、から語り始めるところが興味深い。なるほど、野生状態(自然)に比較するには、異質で多様ともいえる飼育栽培下の環境に適合させるべく、変異を生じさせる必要性。環境に適合できなければ、生きていけない、生き残れない、生きるための闘い、生存をかけた闘争、闘争に伴う大量の死があって、自然に淘汰されて、ときに絶滅を避けることができない(敗者復活戦はない)。キビシイね、アタリマエと言ってしまえばそれまでなんだけど、有利な品種が、闘争に勝ち残った、強く優れた品種が保存される(それでいて多様性も担保されている不思議、ウマクできている、まさに、カミワザ的)。
そうね、逆説的になるのだが、、、生存闘争、自然淘汰を経て、または、回避して、運よく偶然性に助けられて、などなど、その理由の如何を問わず、死(絶滅)を逃れて生き延びて現存している時点で、生きる権利が担保され認知された、とも言えよう(多様性)。死んじゃっても、いつ何時どのような状態で死に見舞われたとしてもなんの不思議もない、と考えるには、現にいま在ることの不思議、に思い至る。もっとも、外的要因から、みずからが欲することなく与えられる(生存闘争や自然淘汰などによる)死があって、しかしながらそう考えるには、カンタンには承服しかねるのだが(しかし否定することはできない)、みずから選択する死がある(認められる)のであろうことも想像できなくない。


≪目次: ≫
自然淘汰による種の起源〈上〉――生存闘争における有利な品種の保存  On the Origin of Species by Means of Natural Selection, 1859

訳者まえがき    凡例/分類階級/時代背景/現代的意味

はじめに    
第1章 飼育栽培下における変異 Variation under Domestication    変異の原因――習性の影響――成長の相関作用――遺伝――飼育栽培変種の形質――変種と種を区別することの難しさ――一種あるいは複数の種からの飼育栽培変種の起源――飼いバトの差異と起源――昔から踏襲されてきた選抜の原理とその結果――丹念な選抜と無意識の選抜――飼育栽培品種の起源が不明なことについて――人間が選抜を行なう上で有利な状況
第2章 自然条件下での変異 Variation under Nature    変異性――個体差――不確かな種――分布域が広く、分布域内でも分散し、個体数も多い種ほど変異が多い――大きな属の種のほうが小さな属の種よりも変異が多い――大きな属の種の多くは、それぞれまちまちではあるが互いにきわめて近似しているという点と分布域が限定されているという点で変種に類似している
第3章 生存闘争 Struggle for Existence    自然淘汰との関係――広義の生存闘争――指数関数的な増加――野生化した動植物の急激な増加――自然による増加の抑制――競争はあまねく存在する――気候の影響――大集団による種の保存――自然界における動植物の複雑な関係――同種の個体間や変種間の生存闘争がいちばん厳しく、同属の別種間の生存闘争も往々にして厳しい――生物どうしの関係ほど重要な関係はない
第4章 自然淘汰 Natural Selection    人為選抜と比較した場合の自然淘汰の威力――価値の低い形質に対する自然淘汰の威力――成長段階のあらゆる時期と両性に対する自然淘汰の威力――性淘汰――同種の個体間における交雑の普遍性について――自然淘汰説に有利な状況と不利な状況すなわち交雑、隔離、個体数――緩慢な作用――自然淘汰によって引き起こされる絶滅――狭い地域の居住者の多様性および帰化に関係した形質の分岐――祖先を共有する子孫に対する形質の分岐と絶滅を介した自然淘汰の作用――全生物のグループ分けを説明する
第5章 変異の法則 Laws of Variation    外的条件の効果――用不用と自然淘汰の組み合わせ――飛翔器官と視覚器官――気候順応――成長の相関関係――成長の代償と節約――偽りの相関――重複した構造、痕跡的な構造、つくりの貧弱な構造は変異しやすい――異常に発達した器官はきわめて変異しやすい――種特有の形質は属特有の形質よりも変異しやすい――二次性徴は変異しやすい――同属の種は類似した変異をする――長く失われていた形質への逆戻り――要約
第6章 学説の難題 Difficulties on Theory    変化を伴う由来説の難題――移行――移行的な変種の欠如ないし稀少なこと――生活習性の移行――同種における多様な習性――類縁種とは大幅に異なる習性をもつ種――極度に完成度の高い器官――移行の手段――難題の例――自然は飛躍せず――さして重要ではない器官――器官は常に完成度が高いとは限らない――「原型の一致」の法則と「生存条件」の法則は自然淘汰説に包含される
第7章 本能 Instinct    本能と習性は似ているが起源は異なる――本能の段階的変更――アブラムシとアリ――本能の変異――飼い馴らされた本能とその起源――カッコウ、レア、寄生性ハナバチの本能――奴隷を狩るアリ――ミツバチの造巣本能――本能に関する自然淘汰説の難題――中性で不妊の昆虫――要約
(下巻に続く)

本書を読むために 渡辺 政隆    ダーウィンの人となり/『種の起源』出版の意義/ダーウィンの予見性/その後のダーウィン (皆既日食二〇〇九年七月二二日)

下巻目次 (第8章 雑種形成/第9章 地質学的証拠の不完全さについて/第10章 生物の地質学的変遷について/第11章 地理的分布/第12章 地理的分布 承前/第13章 生物相互の類縁性、形態学、発生学、痕跡器官/第14章 要約と結論)


≪著者: ≫ チャールズ・ダーウィン Charles Darwin [1809-1882] イギリスの自然史学者、著述家。イングランド北西部の商業都市シュルーズベリで、6人兄弟姉妹の5番目、次男として生まれる。地元のパブリックスクール卒業後、エジンバラ大学医学部に入学したが1年半で退学し、ケンブリッジ大学に転学。卒業後、英国海軍測量艦ビーグル号に乗り込み、5年をかけて世界を周航した。帰国後は在野の著名な自然史学者として研究と著作に従事する。1859年、『種の起源』を出版し、世界を激震させた。1882年に自宅で死去。葬儀はロンドンのウェストミンスター・アビー(大修道院)で執り行なわれ、遺体もそこに埋葬された。代表作は『ビーグル号航海記』、『人間の由来』、『人間と動物の感情表現』、『ミミズによる腐植土の形成』など。

[訳者] 渡辺政隆 Watanabe Masataka 1955年生まれ。サイエンスライター、JSTエキスパート。専門は進化生物学、科学史、サイエンスコミュニケーション。著書に『DNAの謎に挑む』『一粒の柿の種』ほか。訳書に『「進化」大全』(ジンマー)、『シマウマの縞 蝶の模様』(キャロル)、『地球46億年全史』(フォーティー)、『眼の誕生』(パーカー)、『ワンダフル・ライフ』(グールド)ほか多数。

北村雄一 『ダーウィン『種の起源』を読む』(化学同人、2009年) '09/03/16
ジャネット・ブラウン 『ダーウィンの『種の起源』  Darwin's“Origin of Species”』(長谷川眞理子訳、名著誕生シリーズ、ポプラ社、2007年) '08/04/24







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