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靖国史観―幕末維新という深淵 (ちくま新書)
靖国史観 幕末維新という深淵 (ちくま新書652)

○著者: 小島 毅
○出版: 筑摩書房 (2007/4, 新書 206ページ)
○価格: 714円
○ISBN: 978-4480063571
おすすめ度: 4.0
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靖国問題、読めば読むほどに語れない。本書は歴史的観点から(史観)。まずは、国体天皇制。祀られる「英霊」とは、靖国神社が「天皇のために戦えば、身分や出自を問われることなく、国家によって神として祭られる」(P.101)装置として機能して。「天皇のための戦い」(戦争)へと向かわせたキッカケのひとつとしての「幕末維新(明治維新)」か。


≪目次: ≫
はじめに (靖国問題の根底に横たわる「歴史」/「モダンな人」には解けない難題/靖国問題は国内問題である)
第一章 国体    1 国体の本義(「国体」をご存知ですか?/紀元前二世紀にすでに存在した「国体」/コラム1 『春秋』/「国体」を鼓吹した靖国神社/あらたな「国体」を創案した会沢正志斎)/2 寛政の改革(『大日本史』編纂を推進した正志斎と幽谷/教育熱をもたらした寛政の改革/「寛政の改革」の影響 朱子学一尊/コラム2 江戸儒学/「寛政の改革」の影響 大義名分論/コラム3 皇統の分裂と南北朝時代)/3 天祖の創出(「わが蕃」意識から「わが国」意識へ/祭政一致こそが日本の国体/コラム4 記紀神話による日本建国の伝承)/4 祭政一致国家という言説(アマテラスを天祖に位置づけた儒者・正志斎/人民が天皇を祭れば、人と天とは合体する/幕末に再興された大嘗祭/護るべきは「ザ・国体」)/5 戦闘者としての武士の再興(国体護持に潜む侵略の論理/武士の非土着化は何をもたらしたか/鎌倉・室町幕府と江戸幕府の違い/戦争をふたたび祭祀のもとに!/正しい戦争とは?/膨張逸脱する国体概念)/6 天壌無窮の信仰(将軍の跡目争いと「天狗党の乱」/吉田松陰の「国体」概念/コラム5 北一輝の国体論)/7 国体明徴運動(「国体」をよみがえらせた美濃部事件/近代の眼で「国体」を問うことの限界/「祭と政と教の一致」の完成)/8 平泉澄の歴史認識(平泉史学の特色/平泉史学の影響/「国体」、この宗教信仰ともいうべき教説)
第二章 英霊    1 靖国の祭神(民主的な宗教施設?/なぜ「英霊」と呼ばれるのか?/英霊は大和言葉ではない)/2 誰が英霊なのか(「官軍」と「賊軍」/兵士の士気を高める装置「靖国」/「正義の皇軍に敗北はない」はずだった……)/3 幕末の英霊たち(松陰「命」と隆盛「翁」/薩長史観への配慮/巧妙にたちまわった薩摩藩/幕末外交をどう考えるか/コラム6 幕末史の虚像と司馬遼太郎の功罪/倒幕派はなぜ「正しい」のか/ねじれの原点)/4 「英霊」の原義(絶対にゆずれないもの/靖国の根本的矛盾/「英霊」に冷たい『大言海』/「英霊」と「英魂」/「英霊」の原義と派生)/5 藤田東湖(幕末の志士を鼓舞した「正気歌」/東湖の詩を支える儒教的世界観/理気論による「英霊」観/コラム7 理気論水戸学の死生観が生んだ靖国神社/靖国問題の源流にある儒教)
第三章 維新    1 維新の本義(そもそも「維新」とは?/「改革」と「維新」の違い/コラム8 東アジアの天命思想/『大学』を重視した朱子学/『大学』の主張を象徴する文言「維新」)/2 革命と相違(「革命」の典拠/「革命」の本義は王朝交替/東アジアの時間区分「元号」/朱子学的になった明治時代/なぜ「明治革命」ではなく「明治維新」なのか)/3 万世一系の創出(東アジアの王朝理論を支えた儒教/の皇帝も羨んだ「革命のない国・日本」/後継者争いで揺れた南北朝時代/「神国日本」の根拠/『神皇正統記』の天皇批判/水戸学によって曲解された親房の思想)/4 「中興」のあと(『大日本史』の南朝正統史観/「大日本」の滅亡?)/5 武家政権についての歴史認識(慈円愚管抄』の歴史認識/武家政権の歴史的認識を看破した慈円/北畠親房『神皇正統記』の歴史認識)/5 ナショナリズムの勃興(前近代におけるアイデンティティ/ナショナルなものにむかう本居宣長/水戸学に流れ込む宣長の思想/国家神道の誕生/「日本」の正体とは?)
おわりに
あとがき (「皇紀二千六百六十七年」のいわゆる紀元節に 長崎にて 小島 毅)
参考文献一覧 (1 靖国問題関連/2 水戸学関連/3 国体関連/4 英霊関連/5 「御一新」関連/6 辞書)


≪著者: ≫ 小島 毅 (こじま・つよし) 1962年生まれ。東京大学大学院人文科学研究科修士課程修了。現在、東京大学人文社会系研究科助教授。専攻は、儒教史、東アジアの王権理論。2005年に発足した文部科学省科学研究費補助金特定領域研究「東アジアの海域交流と日本伝統文化の形成」の領域代表を務める。多岐にわたる研究領域をかろやかに往還し、近代史をラディカルに問いなおす気鋭の歴史学者として脚光を浴びている。著書に『中国近世における礼の言説』(東京大学出版会)、『宋学の形成と展開』(創文社)、『東アジアの儒教と礼』(山川世界史リブレット)、『義経の東アジア』『海からみた歴史と伝統』(いずれも勉誠出版)、『中国の歴史07 中国思想と宗教の奔流』『近代日本の陽明学』(いずれも講談社)がある。

小島毅 『父が子に語る日本史』(トランスビュー、2008年) '09/11/16
高橋哲哉 『靖国問題』(ちくま新書、2005年) '09/10/27







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