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日本哲学小史 - 近代100年の20篇 (中公新書)
日本哲学小史 近代100年の20篇 (中公新書2036)

○編著: 熊野純彦
○出版: 中央公論新社 (2009/12, 新書 333ページ)
○価格: 945円
○ISBN: 978-4121020369
おすすめ度: 3.5
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「この国のことばで明治以降に展開された哲学的思考の流れに対してひとつの概観を与えてみようとするこころみ」(P.148「近代日本哲学の展望」)


≪目次: ≫
第一部 近代日本哲学の展望――「京都学派」を中心にして (熊野純彦)
はじめに――本書について (「日本」「哲学」とはなにか/企図と構成)/ 前史――西田幾多郎まで (前史以前――キリシタン時代のアリストテレス受容/幕末から維新へ――福沢諭吉の場合/朱子学の影――佐藤一斎と西田幾多郎/「哲学」ということばのはじまり――西周の場合/フランス思想の移入――中江兆民の場合/フランス的思考のゆくえ――西田、九鬼大杉栄/「有て無きは、東洋哲学ならん」――三宅雪嶺の場合/外国人教師たち――フェノロサの場合/文献学の導入――ケーベルの場合/東京帝国大学哲学科主任教授――井上哲次郎の場合/文学者たち――漱石鴎外の場合/西田幾多郎の背景――没落した旧家の息子の、青春の蹉跌/『善の研究』の登場――西田の「夢見る」思考/「悪戦苦闘のドッキュメント」――田中美知太郎埴谷雄高/アカデミズムでの地位の確立――高橋左右田の評価)/ 学派――下村寅太郎まで (西田のもとにあったひとびと――波多野精一の場合/西田の後継者から批判者へ――田邊元の場合/経験と個人――西田と田邊をつなぐもの/「歌のわかれ」――和辻哲郎の場合/「学界の為慶賀」――西田と和辻/「人と人との間柄」――和辻論理学構想/ヨーロッパ体験の問題――九鬼周造の場合/九鬼周造の主著――『偶然性の問題』をめぐって/形而上学的な偶然性――九鬼周造の「実存哲学」/中世哲学史研究の草分け――岩下壮一の場合/時代に抗して――『中世哲学思想史研究』について/中世哲学研究の意味――古代ギリシアと近代への視線/京都学派における歴史研究――中世哲学の場合/京都学派における三宅剛一――『学の形成と自然的世界』の問題設定/三宅剛一の歴史研究――『学の形成と自然的世界』の見とおし/歴史研究から体系的哲学研究へ――三宅剛一の場合/西哲叢書の登場――下村寅太郎『ライプニッツ』/近代科学の背後にある「精神」――下村寅太郎の問題意識/「近代の超克」の光と影――下村と高坂)/ 転回――マルクスの衝撃 (ヘーゲルと西田――高橋里美への応答の文脈で/「絶対無」と「弁証法」――高橋里美の立場/マルクスへの応答と身体性の問題――昭和初年の田邊/現実への問い――田邊による西田批判の開始/「種の論理」――田邊哲学の成立/表現的行為の問題――西田と田邊の分岐点/人間関係の錯綜――西田、田邊、三木/「論理と生命」――西田の応答/身体論と表現論の展開――和辻哲郎の場合/交通と通信――「拡大された身体」あるいは「生きられた空間」/哲学的人間学の構想――高山岩男の場合/身体論と芸術論の展開――木村素衞の場合/「一打の鑿(のみ)」――詩人哲学者の才能と不運/昭和六年から昭和十二年へ――京都学派成熟のその背後/三木清の人間学構想――遺稿『人間学』をめぐって/京都学派の「左転回」――三木の遍歴の開始/三木、その後――昭和思想史の一断面/解釈学的イデオロギーとしての京都学派――戸坂潤の批判/方法論と空間論――戸坂のもうひとつの可能性)/ 終焉――田中美知太郎へ (『現象学と弁証法』――本多謙三の場合/戦前のマルクス研究の可能性とその忘却――本多の死と、加藤正の死/戦後主体性論の意味――和辻哲郎から梅本克己へ/主体性論の前提と展開――梅本理論の意味/哲学における「人民戦線」――中井正一の場合/機械美と機能美の問題――美学の戦線拡大1/映像美と「スポーツ気分」――美学の戦線拡大2/週刊『土曜日』――エッセイストとしての中井正一/戦時体制における哲学者たち――京都学派の内外で/戦時期のもうひとつのありかた――出隆と田中美知太郎の場合/ソクラテスの「哲学」――ギリシア文化の精華とはなにか/「哲学を殺すもの」――ソクラテス死後の哲学/哲学の政治性と政治の哲学性――出にとっての戦中と戦後/「勝者は阿諛の言葉を信じて、現実を見のがしている」――田中美知太郎の慧眼/『ロゴスとイデア』――現実を見る眼の背後にあるもの/京大への招聘――戦後の田中美知太郎/京都学派の終焉――田中、梅原、辻村)/おわりに――戦後について (分析哲学とその転回――大森荘蔵の場合/身体論の登場とその転回――市川浩の場合/マルクス理解の更新と、戦後日本哲学の達成――廣松渉の場合/文体という思想――坂部恵の場合)

第二部 近代日本哲学の名著――五つの問題群を中心にして
ことばへの視線
和辻哲郎日本語と哲学の問題」1935年    日常語で思索することは可能か/言語の構造は国民の精神的特性をあらわす/いかにして日本語で思索するのか/「ある」ということはどういうことであるか (須佐俊吾)
田中美知太郎イデア」1943年    個体と述語づけ/アリストテレスの視点から/イデアは観念、あるいは記号なのか/イデアに対する態度 (高橋雅人)
大森荘蔵ことだま論」1973年    心的一元論という隘路/表象の抹殺――立ち現われは相貌を持つ/意味の抹殺――言葉は事物をじかに立ち現わす (古田徹也)
坂部恵しるし」1976年    しるしと生/根源としての「差異」/「生死往来の場」としての境界/「つみとがのしるし」と近代/しるしとイメージ (森田團)
身体性と共同性
木村素衞 「身体と精神」1939年    表現と身体/身体の本質、その形成性について/「理想主義」者フィヒテとの対決から「表現愛」へ/機械からの呼びかけ (大熊洋行)
三宅剛一人間存在と身体」1956年    身体性の意味への問い――世界の現れ方という視角/「ここ」という中心――感覚/私の身体は道具か?――行動/私は手を使う私である――私と私の身体の独特な統一/世界の現れ方を規定するもの――身体性の意味 (平岡紘)
市川浩精神としての身体と身体としての精神」1968年    身体という問題を論じる困難/身体の多層的構造――向性的構造から志向的構造へ/知覚・情動・気分――志向的構造の諸層/構造変換と位相転換/〈錯綜体〉としての身体 (屋良朝彦)
廣松渉人間存在の共同性の存立構造」1972年    身体的な共存の次元/自己意識あるいは対自的な意識とはなにか/サルトルとの対決と「役柄」論の提起/「ロボットの嫌疑」とその解決 (熊野純彦
具体性の思考へ
戸坂潤空間論」1931年    日常的空間と科学的空間/カント空間論をこえて/日常的空間/空間の唯物論 (馬渕浩二)
本多謙三 「貨幣の存在論」1923年    貨幣について問うこと/二重の創与作用/理念としての貨幣/経済と数量化 (佐々木雄大)
九鬼周造驚きの情と偶然性」1939年    ぐらつく敷石/偶然性の種類とその平板化/世界そのものの偶然性/ライプニッツの「可能世界」論/哲学的思考を開始させるもの (木元麻里)
中井正一スポーツ気分の構造」1933年    スポーツとその空間/ハイデガーによる現存在分析の継承とその発展/スポーツにおける共同性としての「気分」(情態性)/スポーツと人間の「疎外」(鈴木康則)
社会性の構造へ
田邊元社会存在の論理」1934年    経験は相対的か/絶対媒介としての世界図式/種の論理による社会への批判的考察/種を媒介とした類の論理 (荒谷大輔)
西田幾多郎人間的存在」1938年    極限に見る人間存在/「作られたものから作るものへ」として自己を超越する人間存在/「歴史的世界」の現実をとらえる西田的弁証法/人間中心主義の否定 (上原麻有子)
三木清人間学のマルクス的形態」1927年    「基礎経験」への立脚/基礎経験‐アントロポロギー‐イデオロギーの相互制約の原理/マルクス研究との断絶/連続 (西塚俊太)
梅本克己 「人間的自由の限界」1947年    知に支えられた自由の限界/背後としての主体的根拠/行為主体としての自由/「限界自覚」の課題と現実の人間への視線 (麻生博之)
哲学史への視点
出隆ソクラテスの哲学とその死」1937年    世界の変容のなかでの哲学の営み/ソクラテスはなぜ死刑になったのか/ダイモニオンの諫止(かんし)/ソクラテスの死と哲学の営み (田中伸司)
岩下壮一新スコラ哲学」1932年    霊と智性/生命の完全性/天使の群れ/神秘主義との接触/「有と其の特性乃至関係の学」としての哲学 (島田由紀)
高橋里美ヘーゲルの弁証法の論理的構造に関する考察並に批判」1931年    「はじまり」について/はじまることはいかにして可能か/差異と連続性/「無」としてのはじまり (三重野清顕)
下村寅太郎近世における幾何学の生成」1941年    一六三七年、ライデン――コギトと解析幾何学/ライプニッツ、無限小――モナドと位置解析学/リーマン、n次元多様体――精神(ガイスト)と非ユークリッド幾何学/一九四一年、東京――「日本的科学」の時代に (宮村悠介)

あとがき (二〇〇九年 極月 熊野純彦)
索引
関連年表
執筆者一覧


≪編著者: ≫ 熊野純彦 (くまの・すみひこ) 1958(昭和33)年、神奈川県に生まれる。86年、東京大学大学院人文科学研究科博士課程単位取得退学。北海道大学助教授、東北大学助教授を経て、現在、東京大学文学部教授。著書『レヴィナス』(岩波書店)、『ヘーゲル』(筑摩書房)『差異と隔たり』(岩波書店)、『戦後思想の一断面』(ナカニシヤ出版)、『西洋哲学史』全2冊(岩波新書)『和辻哲郎』(岩波新書)『現代哲学の名著』(中公新書、編著)など。訳書『全体性と無限』全2冊(レヴィナス、岩波文庫)、『共同存在の現象学』(レーヴィット、岩波文庫)。

熊野純彦 『差異と隔たり 他なるものへの倫理』(岩波書店、2003年) '10/01/08
熊野純彦 『ヘーゲル 〈他なるもの〉をめぐる思考』(筑摩書房、2002年) '09/12/30
熊野純彦編 『現代哲学の名著 20世紀の20冊』(中公新書、2009年) '09/12/26
熊野純彦 『レヴィナス入門』(ちくま新書、1999年) '09/12/09
熊野純彦 『西洋哲学史 近代から現代へ』(岩波新書、2006年) '09/12/04
熊野純彦 『西洋哲学史 古代から中世へ』(岩波新書、2006年) '09/12/01
熊野純彦 『和辻哲郎 文人哲学者の軌跡』(岩波新書、2009年) '09/11/13







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