ブログネタ
読んだ本 に参加中!
人はなぜ夢を見るのか―夢科学四千年の問いと答え (DOJIN選書33)
人はなぜ夢を見るのか 夢科学四千年の問いと答え (DOJIN選書033)

○著者: 渡辺恒夫
○出版: 化学同人 (2010/5, 単行本 240ページ)
○価格: 1,785円
○ISBN: 978-4759813333
クチコミを見る



たぶん、夢を見ていないってことは、ないんじゃないかなぁ!?、と思う。きっと夢を見てはいるんだろうと思う。起きているときにも、絶えずなんらか考えることをしつづけていて、ときどきこうして考えたこと、考えていることを言葉にして表出を試みたりするんだけど、現実的には考えたことの半分も、いや一割(10%?!)も、感覚的には1%だって、そもそも表現するに値するのか否かという問題はあるのだが(言うまでも問われるまでもなく自己満足の域を超えることはないだろう)、書きえている気がしていない。提示されたものごとにたいして、その根拠は意味はなんだろう?、背景にあるものがどのようなものであり、ほかの可能性や要因としてはなにがあるんだろう?、なにゆえになにゆえに、たったひとつの要因に起因して現象が生じることは、その可能性は限りなくゼロに等しい。あれもこれも、あんなことだってこんなことだって、じつは一見して無関係に見えるあのことだって!!?、そんなはずがあるのかないのか、当の本人が、本人だって、どこまで認識しているものなのかどうなのか、意外に分かったものではないのかもしれない(みずからをかえりみるには)。



古来より人類を魅了してきた。夢の探究には、フロイトによって開花した深層心理学的な流れがある一方、レム睡眠の発見により進展した脳生理学的な研究という流れがある。また、夢データを蓄積する統計学的研究は夢の進化理論の提唱をもたらした。さらには、夢の世界をありのままに理解する夢の現象学という試みも始まっている。本書は、夢探究の4000年に及ぶ歴史を整理し、文理にまたがる総合科学としての姿を描き出す夢科学の決定版である。


≪目次: ≫
序章 映画『マトリックス』の問い――付 本書の構成
第1章 『ギルガメシュ叙事詩』に始まる    一 世界最古の叙事詩と夢判断/二 エジプトのファラオの夢/三 『ウパニシャッド』(婆羅門奥義書)と第四の意識状態/四 荘子の胡蝶の夢/五 アルテミドロスの『夢判断』/六 近代の夢研究/七 夢研究の三大先駆者
第2章 フロイトユング――深層心理学の時代    一 フロイトと『夢判断』(フロイトの「症例ドラ」/フロイトの夢理論――願望充足説/夢の言語と夢の源泉/夢の性的象徴説/神話は民族が見る夢である)/二 ユングと深層心理学の発展(ユングがフロイトとの船旅で見た夢/元型と集合的無意識/ユング心理学の人気と評価/ユングの夢解釈法――問題の提起と解決としての夢/意識の知恵より深い無意識の知恵)/三 深層心理学と科学的夢研究
第3章 レム睡眠の発見――夢の現代科学のはじまり    一 深層心理学的な夢研究の問題点/二 レム睡眠の発見/三 睡眠の諸段階/四 レム睡眠の発見で分かったこと/五 「邯鄲一炊の夢」の故事は本当か?
第4章 もう一つの夢の現代科学――シリーズ分析と内容分析    一 ホールの日常夢の研究/二 夢のシリーズ分析/三 夢の内容分析と夢の認知的理論/四 内容分析の諸相1(舞台設定/自己役割/登場人物)/五 内容分析の諸相2(衝動・禁止・罰/葛藤と問題)/六 人格の深層を理解するための夢解釈/七 夢の統計学的研究から夢の進化理論へ
第5章 夢には何の意味もない?――レム睡眠の仕組みと夢の脳生理学的なモデル    一 ジュヴェによる動物でのレム睡眠メカニズム研究とPGO波の発見/二 ホブソンの心脳空間モデル(A〔活性化〕・I〔入力情報源〕・M〔モード〕)/三 夢は何の役にも立たないどころか、夢解釈は有害?
第6章 レム睡眠の機能――記憶の整理?    一 夢とレム睡眠の機能に関する一九八七年時の四つの主要学説()槐重衝動の解放説/ホメオスタシス説/3惱記憶説/げ麌説)/二 レム睡眠が記憶を整理する/三 レム睡眠中にラットの海馬が学習をリプレイする?/四 レム睡眠は私たちの記憶を助けるか/五 記憶にも色んな種類がある(感覚記憶/短期記憶/長期記憶/手続き記憶/エピソード記憶/意味記憶)/六 睡眠に記憶の固定・向上の効果があるのはかなり確からしい
第7章 夢と記憶――夢の源泉は前日の記憶か    一 ラットは迷路学習の夢を見るか?/二 夢の源泉は前日の記憶か?/三 夢は過去記憶の再現ではなく未来へのシミュレーションである/四 夢に記憶が再現されるのは一週間かかるのか(ジュヴェの科学小説『夢の城』のエピソード/夢に記憶が再現されるのに翌日と七日後の二つのピークがあるという調査結果)/五 おわりに――次章への橋渡し
第8章 夢の進化理論    一 夢の有用な機能を発見できない、認知神経科学という名の現代科学/コラム 夢の精神生理学から認知神経科学へ/二 夢の「自然な」機能と「発明された」機能/三 進化心理学の登場/四 夢見の進化にとっての進化的適応環境とは/五 レヴォンスオの、夢は脅威的状況のシミュレーションであるという理論(夢の経験は無秩序でなく、組織立っている/夢の経験は脅威的状況のシミュレーションに特殊化されている/夢の内容は現代の環境より人類の太古の進化的適応環境を反映している/シミュレーションシステムを活性化させるのは、現実の体験である/夢見の機構とその誤作動/夢によるシミュレーションが、リハーサルとして効果をもたらすか)/六 本章のまとめと次章の予告)
第9章 明晰夢と自己意識の誕生    一 映画『マトリックス』再訪――この世は夢ではないかという疑い/二 明晰夢とはなにか/三 明晰夢の検証実験に成功する/四 明晰夢を見やすい人々/五 明晰夢の役立て方/六 自己意識の発生/七 明晰夢と自我体験/八 この世は夢ではないかという疑いと明晰夢
終章 夢の現象学    一 夢を「世界」として内側から観察してその法則を探るには/二 現実世界の生きられる時間構造/三 夢世界の現象学的構造1――仮定法未来がない?/四 夢世界の現象学的構造2――過去形もない/五 夢世界の現象学的構造3――反事実的条件法がない/六 仮定法がないという夢世界の構造によって願望充足説とシミュレーション説を理解する/七 夢世界の現象学的構造4――生の現実と記号の架空との二重性がない/八 夢世界の現象学的構造:総論まとめ/九 現実世界の〈自己―他者〉構造/十 夢世界の〈自己―他者〉構造

読書案内
あとがき――バベルの図書館より (二〇一〇年四月 渡辺 恒夫)


≪著者: ≫ 渡辺 恒夫 (わたなべ・つねお) 京都大学文学部で哲学を、同大学院文学研究科で心理学を専攻。博士(学術)。現在、東邦大学理学部生命環境科学科教授。専門は生涯発達心理学(自我論)、科学基礎論、環境心理学と、多岐にわたる。著書に『輪廻転生を考える』(講談社)、『〈私の死〉の謎』(ナカニシヤ出版)、『図解深層心理のことが面白いほどわかる本』(中経出版)、『自我体験と独我論的体験』(北大路書房)など多数ある。ブログ「夢日記・思索幻想日記」で、夢の現象学を実践している。





人気ブログランキングへ