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アイヌの世界 (講談社選書メチエ)
アイヌの世界 (講談社選書メチエ494)

○著者: 瀬川拓郎
○出版: 講談社 (2011/3, 単行本 208ページ)
○価格: 1,575円
○ISBN: 978-4062584951
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たとえば、日本の歴史を、ポイントとしては近代であり、また古代であり、もっとも通史として、いまさらながらに興味をつよくいだいてあれやらこれやらと本を読み進めているんだけれども、なかなか「日本」ってカンタンに語りえなくって言いえなくって、そもそも、北海道から沖縄までの日本の領土が(ほぼいまと同じに)確定したのは、第二次世界大戦のアメリカを筆頭とする連合軍による敗戦処理の後のこと(といったような理解でいいのかしら?!)であって、遠方の鄙の地は、とくに東であり北の地域は、中央の権力の支配がなかなか及ばない(独自の文化が残存する余地が残されていた)、ものなのかどうなのか。たぶん(ぼくがいま理解しているかぎり)、日本の歴史においては、文化的先進大国(帝国)としての中国大陸にほど近い九州だったり、畿内だったりが、大きな力を持った権力が発生した地域としてあって、そこを中心とした文化が栄えて(やがて天皇をいただく朝廷が造営した平城京などを経た平安京が千年の都として機能して、はたまた幕府が東国に鎌倉に江戸に開かれて)、そう、中心は、中心から支配を及ぼす地域を拡大していって、やがていずれ拡大したい!、ということは(欲しているという段階においては)、いまだ支配の及ばない、次なる支配を及ぼしたい!と目論む外縁の地域は、どうにも気になる敵地、夷狄中華思想)みたいな、坂上田村麻呂(758-811)征夷大将軍みたいなところまでしか(とうてい北海道まで届いていない)


アイヌは縄文人の子孫か? クマ祭りの起源はイノシシ祭りだったのか? 阿倍比羅夫が戦ったのはアイヌか? なぜマタギの言葉にアイヌ語があるのか? 中尊寺金色堂の金箔はアイヌが採った日高産か?―― 最新の知見をもとにアイヌをめぐる様々な問いに大胆に答えながら、伝統を守りつつもダイナミックに変貌し続けた、これまでになく多彩なアイヌ像を描き出す。


≪目次: ≫
はじめに――伝統と受容のアイヌ史    「自然の共生」の違和感/アイヌの歴史への異議申し立て/伝統と受容のアイヌ史/文化伝承の批判を超えて
第一章 DNAと言語からみたアイヌの起源――近年の研究から    1 DNAと形質からみたアイヌのなりたち(単線的でない「縄文人からアイヌへ」/文化の連続性/混血とアイデンティティ/人種概念と集団形成史/アイヌは人種の孤島か)/2 アイヌ語は縄文語か(縄文語・アイヌ語・古代日本語/沖縄と北海道の集団形成史)
第二章 縄文の祭りからクマ祭りへ――アイヌと縄文伝統    (クマ祭りは移植された文化だったか/カギをにぎる続縄文文化)/1 クマ祭りはどこまでさかのぼるか(特異な習俗/起源をめぐる三つの説/オホーツク文化のクマ遺物/定説化するオホーツク文化起源)/2 クマ祭りと縄文のイノシシ祭り(縄文文化に起源をさぐる/続縄文文化の石製クマ彫像/縄文人の飼いイノシシ儀礼/イノシシの祭りからクマの祭りへ)/3 縄文イデオロギーを継ぐ者(石のクマから木のクマへ/交易品としてのクマ/縄文イデオロギーを継ぐ者)
第三章 阿倍比羅夫はだれと戦ったか――混乱する北の民族的世界と王権    (阿倍比羅夫は北海道に渡ったか/アイヌ史における「事件」としての遠征)/1 混乱する北の民族的世界(古墳文化と北方世界の流動化/続縄文人の南下と撤退/拡大する交易/オホーツク人の南下/緊張高まる北方世界/パワーバランスの転換)/2 考古学から遠征記録を読む(動乱の時代と阿倍比羅夫遠征/渡島蝦夷・粛慎とはだれか/粛慎の船と木の釘/幣賂弁嶋はどこか/大河はどこか/ブナの純林と「へろべ」/ありえない副葬品をもつ墓/被葬者は能登臣馬身龍か)/3 遠征の実像(続縄文人との共同作戦/王権の意図)
第四章 アイヌ文化の日本語・マタギ文化のアイヌ語――古代交流の残影    1 大開拓の時代とマタギの成立(アイヌ文化の日本語・マタギ文化のアイヌ語/マタギの狩猟文化/農耕社会の周縁に生きる狩猟集団/続縄文人の皮革生産/古墳集団の皮革生産/大開拓の時代とマタギの成立)/2 古代日本のタイムカプセル(移住の波/古代日本文化のタイムカプセル/イナウの起源と万葉集/アイヌ・修験者・陰陽師/変革の記憶)
第五章 オホーツク人になろうとしたアイヌ――環オホーツク世界と植民    1 奇妙な遺跡(音類遺跡をたずねて/陸の孤島にひろがる大集落/不毛な環境/海を駆けめぐる人びと)/2 環オホーツク世界のバイキング(環オホーツク世界への進出/オホーツク人になろうとしたアイヌ/音類遺跡のバイキングたち)
第六章 黄金国家とアイヌ――奥州藤原氏の金と北海道    1 なぜ日高なのか(宝が集まる山間の集落/疑問をかかえて/チャシの起源をさかのぼる/グローバルな文物/黄金色の鋺と奥州藤原氏/厚真の常滑焼と義経伝説/修験者と海運)/2 古代アイヌと砂金(驚愕の証言/近世のゴールドラッシュ/古代日高における金の移出/黄金国家とアイヌ)
第七章 謎の「宝の羽」を追って――北の先住民交易    1 ケシイラツフウイテクルとはなにか(謎の宝の羽/ワシ羽への熱狂/それはワシ羽なのか/アイヌの霊鳥伝説)/2 クジャクの羽と北まわりの宝(清朝官吏の帽子とクジャクの羽/北まわりの宝がゆきかう世界)
第八章 アイヌモシリ一万年の景観史――文化の変容を読む    (アイヌがたどった近代/無名性の風景/あてのない散策のなかで)/1 アイヌの景観世界をたずねて(上川盆地をながめる/青々たる草原/水と地の「あわい」/立ちはだかる大密林/川べりの集落/サケの民/アイヌの景観/縄文の景観/変容する景観)/2 殖民都市を歩く(中位段丘面の開発/北限の瑞穂の国/条理空間と外の世界/集住するアイヌ/二流の農民として/好奇のまなざし/共同から個へ/国民国家の景観)/3 文化の変容を読む(「商品」と狩猟採集民の心性/無名性と階層化の景観へ)

あとがき (二〇一一年一月 瀬川拓郎)
引用・参考文献
索引


≪著者: ≫ 瀬川拓郎 (せがわ・たくろう) 1958年、北海道に生まれる。岡山大学文学部史学科考古学専攻卒業。文学博士(国立総合研究大学院大学)。旭川市博物館副館長。専門は日本考古学。主な著書に、『アイヌ・エコシステムの考古学』(北海道出版企画センター)『アイヌの歴史』(講談社選書メチエ)が、共著書に『縄文時代の考古学9 死と弔い』(同成社)『暦博フォーラム 弥生時代はどう変わるか』(学生社)がある。






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