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アイヌの歴史 海と宝のノマド (講談社選書メチエ 401)
アイヌの歴史 海と宝のノマド (講談社選書メチエ401)

○著者: 瀬川拓郎
○出版: 講談社 (2007/11, 単行本 284ページ)
○価格: 1,680円
○ISBN: 978-4062584012
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宝を求め、サハリンアムール川流域に進出する戦うアイヌ。激しい格差、サケ漁をめぐる内部対立、「日本」との交渉――社会の矛盾に悩むアイヌ。北の縄文から近世まで、常識を覆すダイナミックな「進化と変容」。


≪目次: ≫
はじめに――海と宝のノマド    考古学からみたリアルなアイヌの歴史/宝が支配する社会/縄文エコシステムとアイヌ・エコシステム/海と宝のノマド/境界と共生のシステム/アイヌの歴史にどのようにかかわるか/生き抜いた軌跡としてのアイヌ史/国家と農耕社会の相対化/「文明」のまなざしを越えて
第一章 アイヌ文化のなりたち――北の縄文から近世    1 アイヌのルーツ(アイヌ・アイヌ文化・考古学的なアイヌ文化/「ニブタニ文化」の提唱/アイヌのルーツは東南アジアか)/2 アイヌ化の第一の画期(狩猟採集という選択――続縄文文化前期/「対外」進出のはじまり――続縄文文化後期/擦文人とエミシの関係――擦文文化前期)/3 アイヌ化の第二の画期(文化の境界化とアイヌ・エコシステムの成立――擦文文化中期/冷たい隣人の同化――オホーツク文化・トビニタイ文化/海のノマドの世界――擦文文化後期)/4 変容する和人との関係(拡大する擦文社会の体制――アイヌ文化期・中世前期/変容する和人との関係――アイヌ文化期・中世後期/封じこまれるアイヌ――アイヌ文化期・近世前期/アイヌ・モシリの変容――アイヌ文化期・近世後期)
第二章 格差社会の誕生――宝と不平等    1 アイヌ社会のプアマン・リッチマン(幻影としての自由の天地/貧乏人は悪人――アイヌは階層化をどう受け止めていたか/富む者としての首長/宝が宝を生む/格差の実態/最高の宝とはなにか/北米先住民の「銅板」/拍子抜けする秘宝/宝の創造と「マナ」/倉を満たす食料/宝がもたらす不安/格差社会のはじまりは近世か)/2 格差社会をさかのぼる(縄文の平等・不平等/階層化のプロローグ/縄文の「首長墓」/周堤墓は古墳なのか/折り重なる死者――合葬墓の謎を考える/多くもつ墓の出現/多副葬墓の「縄文型」「続縄文型」/クマを身につける首長/もたざる首長・もてる首長/階層化の画期はいつか/縄文時代をつなぐ宝/変容する「縄文の宝」/異文化の宝と階層化の論理/常識のウソ/狩猟採集という選択)
第三章 「サケの民」の成立――交易品を推理する 1    (擦文人は農耕民か/「複合生業民」の実像)/1 さまざまな交易品(文化の日本化は「従属」だったか/本州製品の対価を考える/近世アイヌの移出品)/2 上川盆地擦文人とサケ漁(氾濫する漁村/過剰生産の社会/サケの生態を復元する――遡上河川/サケの生態を復元する――産卵場/野生サケがあふれる日/集落はなぜそこにあるのか)/3 サケ漁に特化してゆく人びと(遺跡があつまる四つの地域/産卵場の漁村・本流の漁村/ひろがってゆく無住の地/「サケ・マス論」を考える)/4 サケは交易品だったか(内陸の特産としてのサケ/サケ産地へサケの移出は可能だったか/「サケ交易のはじまりは中世」説の問題点/『徒然草』にうかがう古代のサケ交易)
第四章 ワシ羽をもとめる人びと――交易品を推理する 2    (ワシ羽からみる北方世界)/1 エゾの表象としてのワシ羽(聖徳太子絵伝の蝦夷像/羽をまとう蝦夷/命ト等シキ財/斑文の美/蝦夷の二大ブランド/宝の支配と東北北部の防御性集落)/2 ワシ羽交易と北方世界(近世のワシ羽交易/オオワシの渡りルートと環オホーツク海千島サハリンの羽交易/中世のサハリン進出と羽交易/擦文人の殖民と地域開発/コンキスタドールの目/オホーツク文化の南下とワシ羽/オホーツク文化の鳥猟/羽を揚げる人びと/宝をめぐる交代劇)
第五章 侵略する北の狩猟採集民――オホーツク文化との関係    1 戦う氷海の民(モヨロ貝塚殺人事件/鑑定書からみる事件の真相/戦いの理由はなにか/転換期の村/棲み分けから侵略へ)/2 オホーツク文化の屈服・残存する伝統(アイヌ住居「チセ」の起源/奇妙なアイヌ住居/針葉樹林帯の建築伝統/同化されたオホーツク人のアイデンティティ/受け継がれた北回りの農耕文化/「擦文化」の三つの画期/静かな屈服の戦略)/3 サハリン・アイヌの成立(古相の文化をもつ人びと/サハリン・アイヌの成立はどこまでさかのぼるか/古代サハリンの状況/擦文人のサハリン渡海/オホーツク住居のカマドはどこからきたか/文化受容の「クセ」/冬の家のルーツをさぐる/擦文人の渡海がもたらした緊張/なぜ古代の伝統が残存したのか)/4 肉体の宝としてのミイラ(サハリン・アイヌのミイラ習俗/肉体の宝としてのミイラ)
第六章 境界をみる――「日本」文化との関係    (境界に分け入る)/1 海のノマドの社会(河口の大集落をめぐる常識のウソ/「サケ・マス論」の弊害/漁村か・流通拠点か/舟のドック/ナゾの刻印土器/海のノマドのあかし/太平洋の海のノマド)/2 境界の構造(融合文化の実態/なぜ「青苗文化」なのか/東北北部の人びと/狩猟採集民と農耕民の共生システム/フロンティアとバウンダリー/「商品」というウィルス)/3 混住する和人とアイヌ(境界集団「渡党」は和人か・アイヌか/共生システムの変質)
第七章 アイヌ・エコシステムの世界――交易と世界観の転換    (基層からみるアイヌの歴史)/1 上川アイヌの自然と暮らし(縄文ランドスケープとアイヌ・ランドスケープ/なにを食べ、なにを交易していたか/三つの地域グループ/チャシから地域グループの成立時期を考える/サケと丸木舟の世界/開発されつくす漁場)/2 縄文エコシステムとアイヌ・エコシステム(森の民・川の民/「縄文エコシステム」から「アイヌ・エコシステム」へ/世界観の転換/活力に満ちた苦悩の時代のはじまり)
おわりに――進化する社会    名誉と威信の歴史/進化する社会/アイヌの歴史を知ることの意味

参考文献
あとがき/瀬川拓郎
索引


≪著者: ≫ 瀬川拓郎 (せがわ・たくろう) 1958年生まれ。岡山大学史学科考古学専攻卒業。文学博士(国立総合研究大学院大学)。旭川市博物館学芸員(を経て、副館長)。専門は日本考古学。主な著書に、『アイヌ・エコシステムの考古学』(北海道出版企画センター)が、主な共著書に、『縄文時代の考古学9――死と弔い』(同成社)、『暦博フォーラム――弥生時代はどう変わるか』(学生社)がある。

瀬川拓郎 『アイヌの世界』(講談社選書メチエ、2011年) '11/04/03





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