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吉田茂と昭和史 (講談社現代新書)
吉田茂と昭和史 (講談社現代新書1999)

○著者: 井上寿一
○出版: 講談社 (2009/6, 新書 296ページ)
○定価: 798円
○ISBN: 978-4062879996
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吉田茂(1878-1967)をとおして昭和史を再現する試み


戦後日本はこうしてつくられた
〈自立〉か〈協調〉か、〈自由〉か〈統制〉か――歴代首相の立ち位置は吉田との政治的距離で決まっている。今の日本政治は昭和の歴史から何を学ぶべきか。
吉田を知ることなく、今の日本を語ることはできない! 平和憲法サンフランシスコ講和日米安保――。戦後日本のかたちをつくった宰相と日本人たちのドラマを鮮やかに描き出す。


≪目次: ≫
序章 昭和のなかの吉田茂
今なぜ吉田茂なのか?/吉田茂との政治的な距離/吉田時代=連立政権の時代/昭和史を再現する意義/昭和史の構図

第I章 大陸の嵐のなかで
奉天総領事吉田茂/山東出兵/「満蒙特殊権益」をいかに守るか/内政干渉/予想外の展開/闊歩する「モボ・モガ」/注目を浴びる東方会議/二つの政策体系の対立/「対外政策綱領」/田中義一の訓令/進まない交渉/「二十一ヶ条の再来」/「不肖の息子」からの批判/勇み足/旅順会議/左遷/吉田と/「対満政策私見」/田中、吉田を外務次官に起用する/第二次山東出兵への批判/張作霖爆殺事件という挑戦

第II章 政党政治と外交――外交優位の体制を求めて
列国〈協調〉路線/不戦条約への参加/政友会対民政党/第一回普通選挙/女性票をめぐる争奪戦/〈昭和デモクラシー〉/不戦条約=違憲論/国内政治と対米外交の両立/中国政策をめぐる違い/済南事件の事後処理/災い転じて福となす/天皇の激怒/田中外交から幣原外交へ/謎の死/ロンドン海軍軍縮条約問題/「旅行は飛行機で」――消費社会を享受する上流階層/借金漬けの農漁民/平等化の選択/吉田の描いたシナリオ/苦い教訓/暗い予兆

第III章 危機の時代の外交官=吉田茂
ムッソリーニの振る舞い/満州事変の勃発/上海事変と満州国の建国/日本の「ファッショ」化/あとの祭り/国際連盟脱退/外交巡閲使として/政党の軍部批判/「消費生活の狂瀾」/欧州歴訪/「相当深き」疑惑/天皇機関説問題/現地軍の華北分離工作/「統制派」と「皇道派」/二・二六事件への冷ややかな視線/広田内閣の成立/吉田覚書/日独防共協定の悪影響/日中軍事衝突/強い危機意識/宇垣外相の使命/実用品の需要拡大/模範国としてのドイツ・イタリア/国家社会主義化の進展/ハル・ノート/戦争を支持しつづける国民

第IV章 復活を期して
「此の敗戦必ずしも悪しからず」/生きのびた官僚たちの戦後構想/農民の地位向上をもたらした食糧危機/財閥解体/「日本の男なんて」――自由と解放を実感する女性/降伏文書調印/復活を期す吉田と近衛/外相吉田の誕生/「宮殿下に御同情申上げる」/占領の現実/外交権を奪われた国の外相/「飛んでないもの」――憲法改正案/象徴天皇制と国民感情/地主への同情――農地改革/「行きすぎ」た改革――労働改革/「国際感覚」/屈辱的な任務/戦後構想の中心/〈自由〉経済から〈統制〉経済へ/二系統の情報

第V章 戦前を生きる戦後の吉田茂
戦前と変わらない勢力分布図/連立内閣の可能性/食糧メーデー/経済安定本部の設立/「左向け左」/「国体」は不変か/プラカード事件/吉田の「理想主義」対野坂の「現実主義」/冷戦の現実/降伏条件としての戦後改革/閣内からの挑戦者/吉田と社会党、GHQの接近/「不逞の輩」発言/マッカーサーに感謝する大衆――二・一スト中止/追い風/片山内閣の成立/「官僚支配と統制経済」対「民主政治と自由経済」/〈統制〉経済から〈自由〉経済へ/片山内閣対吉田/「憲政常道」論/短命に終わった芦田内閣/ナショナリズムの感情/吉田長期政権へ

第VI章 占領下の〈自由〉
講和と経済復興/自由主義経済の再興/ドッジのメッセージ/「ドッジ恐慌」下の「九月革命」説/「市民的自由というものはいいものだ」/まやかしの自由/アメリカへの複雑な思い/「われらが復讐記念日!」/ペンタゴンとアメリカ国務省/講和論争/大胆な譲歩案/「曲学阿世の徒」/反ソ感情/社会党左右両派の対立/国内における講和問題の解決/「日本と朝鮮半島の非武装化」/吉田=ダレス交渉/台湾か北京か

第VII章 敗戦国の〈自立〉
国連・平和憲法・安全保障/アメリカの対案/「極東条項」/ヴァンデンバーグ決議/日米安保条約の相互性/戦勝国と敗戦国の条約/サンフランシスコ講和/吉田の受諾演説/「おれひとり署名する」――日米安保条約の調印/「思いだしてもおもしろくない交渉」――日米行政協定交渉/国民の非難/不平等条約としての日米行政協定/アメリカの影――再軍備論者山田の慨嘆/「国民外交討論会」/神川彦松の批判/横田喜三郎の反論/平等性をめぐって/サンフランシスコ体制の擁護/経済的〈自立〉の問題と人民中国/東南アジア諸国の重要性/総選挙の真の争点/「朝鮮特需」の終わり/MSA交渉/長期政権末期の吉田/欧米歴訪の旅/GATTコロンボ・プラン/長期政権の終焉

終章 「吉田ドクトリン」のゆくえ
重光の安保改定交渉/日ソ国交回復ハンガリー事件の東南アジア開発基金構想/安保改定と憲法改正/「所得倍増計画」/「宰相吉田茂論」/吉田路線の確立/アメリカの覇権の後退/「吉田ドクトリンは永遠なり」/「戦後レジーム」への回帰/吉田茂の昭和が今日に示唆するもの

参考文献
吉田茂 年譜 (明治11/1878年9・22〜昭和42/1989年10・20)
あとがき (二〇〇九年五月 井上寿一)


≪著者: ≫ 井上寿一 (いのうえ としかず) 1956年東京都生まれ。一橋大学社会学部卒業。同大学院法学研究科博士課程などを経て、学習院大学法学部教授。法学博士。専攻は日本政治外交史。主な著書に、『危機のなかの協調外交――日中戦争に至る対外政策の形成と展開』(山川出版社、吉田茂賞)、『アジア主義を問いなおす』(ちくま新書)、『日中戦争下の日本』(講談社選書メチエ)、『昭和史の逆説』(新潮新書)がある。

井上寿一 『戦前日本の「グローバリズム」 一九三〇年代の教訓』(新潮選書、2011年) '12/08/11
井上寿一 『戦前昭和の社会 1926-1945』(講談社現代新書、2011年) '12/07/03
井上寿一 『戦前昭和の国家構想』(講談社選書メチエ、2012年) '12/06/23

袖井林二郎 編訳 『吉田茂=マッカーサー往復書簡集 [1945-1951] 』(講談社学術文庫、2012年) '12/08/17





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